JP6171976B2 - 車両用挙動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の挙動の制御を行う車両用挙動制御装置に関するものである。
従来、レーダ等のセンサで道路境界を検出することで、カーブ路の曲線に沿って自車が走行するようにステアリング切り角を自動で制御する自動操舵制御が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に開示の自動操舵制御では、レーダで検出した自車前方の道路境界までの距離と、自車の左右にオフセットした位置からの当該道路境界までの距離とから、カーブ路の曲率半径を算出する。そして、算出した曲率半径をもとに、自車先端から自車正面に位置する道路境界までの最適距離を算出し、自車先端から自車正面に位置する道路境界までの実距離を当該最適距離に合わせるように自車のステアリング切り角の制御を行う。また、特許文献1に開示の自動操舵制御では、舵角センサによってステアリング切り角を検出しつつ、ステアリング切り角を所定の変化速度で目標ステアリング切り角に近づく方向に変化させる。
また、特許文献2には、自動操舵制御から、ドライバの操舵に応じたドライバ操舵への切り替え時に、自動操舵制御によって生じている第1ヨーレートといった車両状態量と、ドライバのステアリング切り角に対して生じるべき第2ヨーレートといった車両状態量とを一致させるようにする挙動制御装置が開示されている。特許文献1に開示の挙動制御装置は、これにより、自動操舵制御からドライバ操舵への切り替え時においてドライバに違和感を生じさせないようにすることを試みている。
特許第4596063号公報 特開2012−232676号公報
自動操舵制御からドライバ操舵に切り替えられる場合としては、ドライバの意思によって切り替えられる場合の他に、自動操舵制御が維持できないために切り替えられる場合が考えられる。自動操舵制御が維持できない場合とは、道路境界を検出するレーダ等や自車のステアリング切り角を検出する舵角センサ等の、自動操舵制御に必要なセンサでの検出が失敗した場合が考えられる。
自動操舵制御に必要なセンサでの検出が失敗したことによる自動操舵制御からドライバ操舵への切り替えは、ドライバにとって意図しないタイミングで発生するため、ドライバ操舵に切り替わった時点で、ドライバは操舵を行う準備ができていないことがある。よって、特許文献2に開示の挙動制御装置では、自動操舵制御に必要なセンサでの検出が失敗したことによって自動操舵制御からドライバ操舵に切り替わった場合に、ドライバが直ちに操舵操作を実行できず、自車が道路境界を逸脱してしまう可能性がある。
また、特許文献2に開示の挙動制御装置では、自動操舵制御からドライバ操舵に切り替わった時点でのステアリング位置は必ずしも中立位置になるとは限らず、中立位置から左や右へ切られている場合もある。よって、自動操舵制御からドライバ操舵に切り替わった時点で、ドライバがステアリングを切り戻しすべきか、切り増しすべきか、維持すべきかといった次の操舵操作を判断し辛いという問題点も有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、自動操舵制御からドライバ操舵へ切り替わった場合に、自車が道路境界から逸脱するのを防止するとともに、ドライバに次の操舵操作を判断し易くすることを可能にする車両用挙動制御装置を提供することにある。
本発明の車両用挙動制御装置は、車両に搭載され、自車の現在位置を逐次特定する現在位置特定部(111)と、自車の走行すべき道路領域の道路形状を逐次決定する道路形状決定部(113)と、道路形状決定部で逐次決定する道路形状に沿って自車を走行させるようにステアリング切り角を逐次制御する自動操舵制御を行わせる自動操舵制御指示部(127)とを備える車両用挙動制御装置(10)であって、自車の速度である自車速を逐次特定する車速特定部(142)と、現在位置特定部で逐次特定する自車の現在位置と、道路形状決定部で逐次決定する道路形状とをもとに、自車から自車正面に位置する前方道路境界までの前方道路境界距離を逐次算出する境界距離算出部(114)と、自動操舵制御に用いられる、自車の旋回の度合いを検出する旋回関連センサでの検出が失敗したか否かを判定する第1失敗判定部(102)と、旋回関連センサでの検出が失敗したと第1失敗判定部で判定した場合に、自動操舵制御を中止させる自動操舵制御中止部(103)と、自動操舵制御を中止させた場合に、境界距離算出部で逐次算出する前方道路境界距離と、車速特定部で逐次特定する自車速とをもとに、自車正面に位置する前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、ステアリング切り角の時間あたりの変化量である要求切り角変化率を逐次算出する変化率算出部(S442、S542)と、変化率算出部で逐次算出する要求切り角変化率に従って、自車のステアリング切り角を逐次変化させる切り角変化部(S45、S55)と、自動操舵制御を中止させた場合に、境界距離算出部で逐次算出する前方道路境界距離と、車速特定部で逐次特定する自車速とをもとに、自車正面に位置する前方道路境界を逸脱しないようにするための自車の目標減速度を逐次算出する目標減速度算出部(S473)と、自車の減速度が目標減速度となるように、自車の制動力を逐次制御する制動制御を行わせる制動制御指示部(S48)とを備えることを特徴としている。
これによれば、自動操舵制御を行うために用いる旋回関連センサでの検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合でも、自車正面に位置する前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、ステアリング切り角の時間あたりの変化量である要求切り角変化率に従って、自車のステアリング切り角を逐次変化させるので、自車のステアリングを中立位置に戻すことができる。自車のステアリングを中立位置に近づけることで、ステアリングを中立位置に近づけない場合に比べ、ドライバが次の操舵操作を判断しやすくなる。
要求切り角変化率は、自動操舵制御の中止時点でのステアリング切り角がわかりさえすれば、ステアリング切り角を変化させる積算量から逐次算出することが可能である。よって、旋回関連センサでの検出が失敗した影響により、中止時点を過ぎた後のステアリング切り角を検出できなくなっても、要求切り角変化率は逐次算出できる。従って、旋回関連センサでの検出が失敗して自動操舵制御を中止することになった場合でも、自車正面に位置する前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すことが実現できる。
他にも、自動操舵制御を行うために用いる旋回関連センサでの検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合でも、自車の減速度が、自車正面に位置する前方道路境界を逸脱しないようにするための自車の目標減速度となるように、自車の制動力を逐次制御するので、自車が道路境界から逸脱するのを防止することが可能になる。
また、自動操舵制御が中止した場合に、単純に自車のステアリングを急激に中立位置に戻すと、カーブ路の場合には自車が道路境界を逸脱してしまう問題が生じるが、本発明の車両用挙動制御装置によれば、自車のステアリングを中立位置に戻しながらも、自車が道路境界から逸脱するのを防止することが可能になる。詳しくは、以下の通りである。
要求切り角変化率に従ってステアリング切り角を中立位置に逐次戻してゆく過程で、前方道路境界の位置も変化してゆくため、前方道路境界距離も変化してゆく。これに対して、本発明の車両用挙動制御装置によれば、逐次変化する前方道路境界距離及び自車速から、目標減速度算出部が逐次目標減速度を算出し、制動制御を行うので、ステアリング切り角が変化して自車にとっての前方道路境界の位置が変化してゆくのに合わせて、その前方道路境界を逸脱せずに済むように制動制御が行われることになる。
その結果、自動操舵制御からドライバ操舵へ切り替わった場合に、自車が道路境界から逸脱するのを防止するとともに、ドライバに次の操舵操作を判断し易くすることが可能になる。
また、本発明の他の車両用挙動制御装置は、車両に搭載され、自車の現在位置を逐次特定する現在位置特定部(111)と、自車の走行すべき道路領域の道路形状を逐次決定する道路形状決定部(113)と、道路形状決定部で逐次決定する道路形状に沿って自車を走行させるようにステアリング切り角を逐次制御する自動操舵制御を行わせる自動操舵制御指示部(127)とを備える車両用挙動制御装置(10)であって、道路形状決定部は、自車の前方に存在する道路領域の道路形状を決定できる道路形状決定用情報を用いて、自車の走行すべき道路領域の道路形状を決定するものであり、自車の速度である自車速を逐次特定する車速特定部(142)と、道路形状決定用情報の取得が失敗したか否かを判定する第2失敗判定部(106)と、道路形状決定用情報の取得が失敗したと第2失敗判定部で判定した場合に、自動操舵制御を中止させる自動操舵制御中止部(103a)と、自動操舵制御を中止させた場合に、道路形状決定部でそれまでに決定していた道路形状をもとに、その道路形状に続く仮想道路形状を推定する仮想道路形状推定部(153)と、自動操舵制御を中止させた場合に、現在位置特定部で逐次特定する自車の現在位置と、仮想道路形状推定部で推定した仮想道路形状とをもとに、自車から自車正面に位置する仮想的な前方道路境界である仮想前方道路境界までの仮想前方道路境界距離を算出する仮想境界距離算出部(154)と、自動操舵制御を中止させた場合に、仮想境界距離算出部で逐次算出する仮想前方道路境界距離と、車速特定部で逐次特定する自車速とをもとに、自車正面に位置する仮想前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、ステアリング切り角の時間あたりの変化量である要求切り角変化率を逐次算出する変化率算出部(S652、S752)と、変化率算出部で逐次算出する要求切り角変化率に従って、自車のステアリング切り角を逐次変化させる切り角変化部(S66、S76)と、自動操舵制御を中止させた場合に、仮想道路境界距離算出部で逐次算出する仮想前方道路境界距離と、車速特定部で逐次特定する自車速とをもとに、自車正面に位置する仮想前方道路境界を逸脱しないようにするための自車の目標減速度を逐次算出する目標減速度算出部(S683)と、自車の減速度が目標減速度となるように、自車の制動力を逐次制御する制動制御を行わせる制動制御指示部(S69)とを備えることを特徴としている。
これによれば、自車の走行すべき道路領域の道路形状を決定できる道路形状決定用情報の取得が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合でも、自車正面に位置する前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、ステアリング切り角の時間あたりの変化量である要求切り角変化率に従って、自車のステアリング切り角を逐次変化させるので、自車のステアリングを中立位置に戻すことができる。自車のステアリングを中立位置に近づけることで、ステアリングを中立位置に近づけない場合に比べ、ドライバが次の操舵操作を判断しやすくなる。
道路形状決定用情報の取得が失敗する場合の例としては、一例として以下のものが挙げられる。自車で用いられるセンサでの検出結果を道路形状決定用情報として用いる場合には、そのセンサでの検出が失敗した場合が挙げられる。先行する他車や路側機から無線通信によって道路形状決定用情報を取得する場合には、この無線通信が失敗した場合が挙げられる。
また、道路形状決定用情報の取得が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合でも、それまでに決定していた道路形状をもとに、その道路形状に続く仮想道路形状を推定し、仮想的な前方道路境界である仮想前方道路境界までの仮想前方道路境界距離を算出する。そして、自車の減速度が、自車正面に位置する仮想前方道路境界を逸脱しないようにするための自車の目標減速度となるように、自車の制動力を逐次制御するので、自車が道路境界から逸脱するのを防止することが可能になる。
また、自動操舵制御を中止させた場合に、単純に自車のステアリングを急激に中立位置に戻すと、カーブ路の場合には自車が道路境界を逸脱してしまう問題が生じるが、本発明の車両用挙動制御装置によれば、自車のステアリングを中立位置に戻しながらも、自車が道路境界から逸脱するのを防止することが可能になる。詳しくは、以下の通りである。
要求切り角変化率に従ってステアリング切り角を中立位置に逐次戻してゆく過程で、仮想前方道路境界の位置も変化してゆくため、仮想前方道路境界距離も変化してゆく。これに対して、本発明の車両用挙動制御装置によれば、逐次変化する仮想前方道路境界距離及び自車速から、目標減速度算出部が逐次目標減速度を算出し、制動制御を行うので、ステアリング切り角が変化して仮想前方道路境界の位置が変化してゆくのに合わせて、その仮想前方道路境界を逸脱せずに済むように制動制御が行われることになる。
その結果、自動操舵制御からドライバ操舵へ切り替わった場合に、自車が道路境界から逸脱するのを防止するとともに、ドライバに次の操舵操作を判断し易くすることが可能になる。
運転支援システム100の概略的な構成を示すブロック図である。 実施形態1における車両制御ECU10の概略的な構成の一例を示す機能ブロック図である。 自動操舵制御関連処理部101の概略的な構成の一例を示す機能ブロック図である。 自動操舵制御関連処理部101での第1要求角算出関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1要求角算出関連処理について説明するための模式図である。 自動操舵制御関連処理部101での第2要求角算出関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 自動操舵制御関連処理部101での挙動制御関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 中止時関連処理部104の概略的な構成の一例を示す機能ブロック図である。 実施形態1における中止時関連処理部104での中止時関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態1における初期要求切り角変化率算出関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態1における目標減速度算出関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態1における要求切り角変化率算出関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 自車のステアリングを中立位置に戻さないことによって自車が道路境界を逸脱してしまう例を示す模式図である。 自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの、逸脱余裕時間t、操舵角Θ、自車速Voの変化を示した模式図である。 自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの、接近離間状態評価指標の現在値KdB及び自車速Voの変化、並びに接近離間状態評価指標KdBを示した模式図である。 自車のステアリングを中立位置に急激に戻すことによって自車が道路境界を逸脱してしまう例を示す模式図である。 実施形態1の効果について説明するための模式図である。 自動操舵制御を中止して中止時関連処理を開始した後、ドライバ操舵に移るまでの、自車速Voの変化を示した模式図である。 実施形態2における車両制御ECU10の概略的な構成の一例を示す機能ブロック図である。 中止時関連処理部104aの概略的な構成の一例を示す機能ブロック図である。 実施形態2における中止時関連処理部104aでの中止時関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態2における初期要求切り角変化率算出関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態2における目標減速度算出関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態2における要求切り角変化率算出関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの、仮想逸脱余裕時間t_v、操舵角Θ、自車速Voの変化を示した模式図である。 自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの、接近離間状態評価指標の仮想的な現在値KdB_v及び自車速Voの変化、並びに接近離間状態評価指標KdBを示した模式図である。 実施形態2の効果について説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に示す実施形態は、左側通行が法制化されている地域に対応した実施形態であり、右側が法制化されている地域では、以下の実施形態と左右が逆になる。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の車両用挙動制御装置を運転支援システム100に適用した場合を例に挙げて説明する。図1に、実施形態1の運転支援システム100の全体構成を示す。図1に示すように、運転支援システム100は、VSC_ECU1、舵角センサ2、Gセンサ3、ヨーレートセンサ4、EPS_ECU5、測距センサ6、及び車両制御ECU10を含む。運転支援システム100は、車両に搭載される。
<運転支援システム100の概略構成>
VSC_ECU1は、自車に制動力を印加するブレーキアクチュエータ(図示せず)を制御するもので、自車の横滑りを抑制するVSC(Vehicle Stability Control、登録商標)の制御機能を備える。このVSC_ECU1は、車内LANから要求減速度の情報を受信し、この要求減速度が自車に発生するように、ブレーキアクチュエータを制御する。また、VSC_ECU1は、自車速Vo、及びブレーキ圧力の情報を車内LANに送信する。VSC_ECU1は、自車速Voを例えば車輪速センサ等から取得する構成とすればよい。
舵角センサ2は、自車の操舵角を検出するセンサであり、検出した操舵角を車内LANに送信する。Gセンサ3は、自車の前後方向に発生する加速度(つまり、前後G)と、左右方向に発生する加速度(つまり、横G)を検出する加速度センサであり、検出した前後G及び横Gを車内LANに送信する。ヨーレートセンサ4は、自車の鉛直軸まわりの角速度(つまり、ヨーレート)を検出するセンサであり、検出したヨーレートを車内LANに送信する。舵角センサ2やヨーレートセンサ4が請求項の旋回関連センサに相当する。
EPS_ECU5は、EPSアクチュエータ11を動作させることで、ステアリング切り角(つまり、操舵角)の制御を行う。EPSアクチュエータ11は、EPS_ECU5からの指令信号に基づいて操舵角を変化させる機構であり、例えばインターミディエイトシャフトと一体回転する減速ギヤとその減速ギヤを回転させるモータからなる。
測距センサ6は、自車の前方に存在する走行可能な道路領域の境界位置を検出するセンサである。例えば、測距センサ6としては、レーダやカメラを用いる構成とすればよい。
レーダを用いる場合には、レーザ光やミリ波を自車前方の所定範囲に照射し、その反射光を受信して、自車から自車前方の道路の道路境界(例えばガードレールや縁石等)や前方車両等の路上の障害物までの距離を検出する。そして、レーダで得られた上記道路境界や障害物の距離データから、車両制御ECU10が、上記道路境界や障害物の自車に対する位置を検出する。
自車前方の所定範囲とは、自車の左側方や右側方まで拡がる範囲としてもよい。また、測距センサ6を、センシング方向が異なるように複数設ける構成としてもよい。なお、測距センサ6において、上述の道路境界や障害物の自車に対する位置の検出までを行う構成としてもよい。
また、カメラを用いる場合には、公知の画像認識技術によって、自車に対する自車前方の道路の道路境界(例えば白線やガードレールや縁石等)や前方車両等の路上の障害物を検出する構成とすればよい。そして、自車から道路境界までの距離については、カメラの設置位置及び光軸の向きが決まれば、撮像画像中の対象の位置から算出することができるので、カメラの設置位置及び光軸の向きと、撮像画像中の対象の位置とから算出する構成とすればよい。
操作SW9は、自車のドライバが操作するスイッチ群であり、スイッチ群の操作情報は車両制御ECU10へ出力される。
車両制御ECU10は、主にマイクロコンピュータとして構成され、いずれも周知のCPU、ROM、RAM、I/O、及びこれらを接続するバスによって構成される。
<車両制御ECU10の詳細構成>
車両制御ECU10は、VSC_ECU1、舵角センサ2、Gセンサ3、ヨーレートセンサ4、EPS_ECU5、測距センサ6から入力された各種情報に基づき、各種の処理を実行する。なお、車両制御ECU10が請求項の車両用挙動制御装置に相当する。
図2に示すように、車両制御ECU10は、自動操舵制御関連処理部101、第1失敗判定部102、自動操舵制御中止部103、中止時関連処理部104、及び手動操舵開始判定部105を備えている。
<自動操舵制御関連処理部101の詳細構成>
自動操舵制御関連処理部101は、カーブ路の曲線に沿って自車が走行するようにステアリング切り角を自動で制御する自動操舵制御に関連する処理を行う。図3に示すように、自動操舵制御関連処理部101は、現在位置特定部111、境界位置検出部112、道路外形決定部113、道路境界距離算出部114、道路幅方向距離算出部115、曲率半径算出部116、道路形状判定部117、カーブ方向判定部118、第1切れ角算出部119、仮想境界距離設定部120、変換部121、位置偏差算出部122、変換後位置偏差算出部123、旋回半径算出部124、第2切れ角算出部125、目標操舵角算出部126、及び操舵指示部127を備えている。
現在位置特定部111は、自車の現在位置を逐次特定する現在位置特定処理を行う。一例として、現在位置特定処理では、ある時点の自車位置を2次元座標上の起点とし、自車のVSC_ECU1から逐次取得する自車速Vo、及び舵角センサ2から逐次取得する操舵角Θをもとに、上記2次元座標上の自車の現在位置を逐次算出することで、自車の現在位置を特定する。自車の現在位置は、例えば自車の前輪車軸中心とする。
なお、現在位置特定部111は、衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出する衛星測位システムのための受信機といった他のセンサから得られる情報をもとに、自車の現在位置を算出する構成としてもよい。
境界位置検出部112は、測距センサ6で得られた道路境界や障害物の距離データから、自車の現在位置に対する道路境界や障害物の位置を逐次検出する。一例として、道路境界や障害物の位置は、前述の2次元座標上の位置として表す構成とすればよい。
道路外形決定部113は、境界位置検出部112で検出した道路境界や障害物の位置をもとに、自車の走行すべき道路領域の外形(以下、道路外形)を逐次決定する。道路外形決定部113が請求項の道路形状決定部に相当する。
一例として、境界位置検出部112で検出した道路境界や障害物を避けて走行を行うための走行経路を前述の2次元座標上に生成し、この経路の中心線から左右に所定の幅を持たせた道路外形を決定する。例えば、走行経路を中心線として左右に1.75mの距離に相当する長さだけ幅を持たせた境界線を有する道路外形を決定するなどすればよい。
他にも、自動操舵制御関連処理部101は、道路境界距離算出部114、道路幅方向距離算出部115、曲率半径算出部116、道路形状判定部117、カーブ方向判定部118、第1切れ角算出部119、仮想境界距離設定部120、変換部121、位置偏差算出部122、変換後位置偏差算出部123、旋回半径算出部124、第2切れ角算出部125、目標操舵角算出部126、及び操舵指示部127によって、後述の第1要求角算出関連処理や第2要求角算出関連処理や挙動制御関連処理を行う。
概略として、第1要求角算出関連処理では、自車から自車正面に位置する前方道路境界までの距離を適正距離に合わせるように操舵するためのカーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curvを算出する。言い換えると、自車を道路外形の曲率半径に応じて操舵させるためのカーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curvを算出する。第2要求角算出関連処理では、自車を道路外形の道路幅の中心に合わせるためのレーンキープ要求タイヤ切れ角θ_laneを算出する。挙動制御関連処理では、第1要求角算出関連処理で算出したカーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curvと、第2要求角算出関連処理で算出したレーンキープ要求タイヤ切れ角θ_laneとを用い、自車を道路外形の曲率半径に応じて操舵させつつ自車を道路外形の道路幅の中心に合わせるようにする。
<第1要求角算出関連処理>
ここで、自動操舵制御関連処理部101での第1要求角算出関連処理について、図4に示すフローチャート及び図5の模式図を用いて説明を行う。前述したように、第1要求角算出関連処理では、自車を道路外形の曲率半径に応じて操舵させるためのカーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curvの算出を行う。図4のフローチャートは、例えば、操作SW9で自動操舵制御を開始する旨のユーザ操作を受け付けた場合に、一定の周期ごとに開始する構成とすればよい。本実施形態では、一例として、一定の周期を100msecとする。
まず、ステップS1では、道路境界距離算出部114が、現在位置特定部111で特定した自車の現在位置と、道路外形決定部113で決定した道路外形とから、前方道路境界距離Drを算出する。道路境界距離算出部114が、請求項の境界距離算出部に相当する。道路境界距離Drは、自車の現在位置(つまり、前輪車軸中心)を基準にして、道路外形の道路幅の中心線(以下、道路幅中心線)に対してひいた接線上の、自車から自車正面に位置する前方道路境界までの距離である(図5参照)。
ステップS2では、道路幅方向距離算出部115が、現在位置特定部111で特定した自車の現在位置と、道路外形決定部113で決定した道路外形とから、道路幅方向距離Lを算出する。道路幅方向距離Lは、道路外形の一方の境界に対しての、道路幅方向における自車中心の距離である(図5参照)。ここで言うところの一方の境界とは、S1で前方道路境界距離Drを算出したときに用いた前方道路境界である。
また、図4のフローチャートでは、S1の処理に続いてS2の処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、S1の処理とS2の処理との順序を逆とする構成としてもよいし、S1の処理とS2の処理とを並行して行う構成としてもよい。
ステップS3では、曲率半径算出部116が、S1で算出した前方道路境界距離DrとS2で算出した道路幅方向距離Lとから、自車正面に位置する道路外形についての道路幅中心線の曲率半径である道路幅中心線曲率半径Raを算出する(図5参照)。ここで言うところの自車正面に位置する道路外形とは、S1で前方道路境界距離Drを算出したときに用いた前方道路境界である。道路幅中心線曲率半径Raは、以下の式9〜11から導き出される式12により算出する。
Figure 0006171976
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Figure 0006171976
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S3で算出した道路幅中心線曲率半径Raは、車両制御ECU10のメモリに逐次記憶してゆくものとする。よって、図4のフローチャートが一定の周期ごとに実行されるたびに、道路幅中心線曲率半径Raが逐次記憶されてゆくことになる。メモリには少なくとも、新たなS3の処理で算出した道路幅中心線曲率半径Raと、この新たなS3の処理以前にあたる前回のS3の処理で算出した道路幅中心線曲率半径Raとが記憶されるものとする。例えば、メモリへの記憶は、例えば自車のイグニッション電源がオフになり、車両制御ECU10の電源がオフになった場合に消去する構成とすればよい。
例えば、自車正面に直線路が続いている場合のように、道路外形決定部113で決定した道路外形について、自車正面に位置する前方道路境界が認められず、前方道路境界距離Drが算出できなかった場合には、道路幅中心線曲率半径Raは無限大としたり、R10000mなどの十分に大きい値としたりする構成とすればよい。
ステップS4では、道路形状判定部117が、S3で算出した道路幅中心線曲率半径Raから、自車正面に位置する道路外形がカーブ路か直線路かを判定する。ここで言うところの自車正面に位置する道路外形とは、S1で前方道路境界距離Drを算出したときに用いた前方道路境界である。
一例として、S3で算出した道路幅中心線曲率半径Raが、予め設定した閾値以上である場合に直線路と判定し、閾値未満の場合にカーブ路と判定する。閾値は、直線路と言える程度の曲率半径の値であればよく、例えばR10000mなどとすればよい。
ステップS5では、S4で自車正面に位置する前方道路境界がカーブ路と判定した場合(S5でYES)には、ステップS7に移る。一方、S4で自車正面に位置する前方道路境界が直線路と判定した場合(S5でNO)には、ステップS6に移り、S6でカーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curvは0であるものとし、図4の処理を終了する。つまり、直進路を走行中であってカーブ路に近接しておらず、道路幅中心線曲率半径Raに応じた操舵が必要のない場合には、道路幅中心線曲率半径Raに応じた操舵は行わないことになる。
ステップS7では、カーブ方向判定部118が、カーブ路と判定された前方道路境界のカーブ方向を判定する。一例として、自車正面に位置する前方道路境界が自車の左側の道路境界である場合には、右カーブと判定し、自車正面に位置する前方道路境界が自車の右側の道路境界である場合には、左カーブと判定する。
ステップS8では、第1切れ角算出部119が、S3で算出した道路幅中心線曲率半径Raと、S7で判定したカーブ方向と、自車のホイールベース長WB(図5参照)とから、カーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curv(図5参照)を算出し、図4の処理を終了する。
カーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curvは、以下の式13により算出する。式13のsgn(RL)は、S7で判定したカーブ方向が右カーブであった場合には1とし、左カーブであった場合には−1とする。自車のホイールベース長WBは、予め車両制御ECU10のメモリに格納しておいた値を用いる構成とすればよい。
Figure 0006171976
<第2要求角算出関連処理>
続いて、自動操舵制御関連処理部101での第2要求角算出関連処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明を行う。前述したように、第2要求角算出関連処理では、自車を道路外形の道路幅の中心に合わせるためのレーンキープ要求タイヤ切れ角θ_laneの算出を行う。図6のフローチャートは、例えば一定の周期ごとに、第1要求角算出関連処理と並行して行われる構成とすればよい。
まず、ステップS21では、ステップS1と同様にして、道路境界距離算出部114が前方道路境界距離Drの算出を行う。ステップS22では、前方道路境界距離Drが算出できた場合(S22でYES)には、ステップS24に移る。一方、道路外形決定部113で決定した道路外形について、自車正面に位置する前方道路境界が認められず、前方道路境界距離Drが算出できなかった場合(S22でNO)には、ステップS23に移る。
ステップS23では、仮想境界距離設定部120が、前方道路境界距離Drとして所定の前方仮想境界距離Dr_virtualを設定する。この前方仮想境界距離Dr_virtualは、任意に設定可能なものであって、例えば50m程度とすればよい。
ステップS24では、位置偏差算出部122が、現在位置特定部111で特定した自車の現在位置と、道路外形決定部113で決定した道路外形とから、自車横位置偏差Δwを算出する。自車横位置偏差Δwは、道路幅中心線に対する道路幅方向における自車中心の位置ずれである。
ステップS25では、変換部121が距離変換処理を行う。距離変換処理では、S21で前方道路境界距離Drを算出できていた場合には、前方道路境界距離Drを自車の進行方向についての値に変換した変換後境界距離Dr´を算出する。また、S23で前方仮想境界距離Dr_virtualを設定していた場合には、前方仮想境界距離Dr_virtualを自車の進行方向についての値に変換した変換後境界距離Dr´を算出する。
前方道路境界距離Drから変換後境界距離Dr´への変換は、以下の式14〜16を用いて算出する構成とすればよい。式14では、S21で算出できた前方道路境界距離DrとS24で算出した自車横位置偏差Δwとから、自車横位置偏差Δwを補正する角度θwを算出する。
Figure 0006171976
式15では、式14で算出した角度θwと、道路幅中心線に対する自車の進行方向の傾きθsとから、自車の進行方向と自車を道路幅中心線に合わせるための目標とする進行方向との角度差θwsを算出する。傾きθsについては、現在位置特定部111で特定した自車の現在位置と、道路外形決定部113で決定した道路外形とから算出する。
Figure 0006171976
式16では、式15で算出した角度差θwsと、前方道路境界距離Drの位置における自車から仮想的な直線路の道路幅中心線までの距離である距離Zとから、変換後境界距離Dr´を算出する。距離Zについては、現在位置特定部111で特定した自車の現在位置と、道路外形決定部113で決定した道路外形とから算出する。
仮想的な直線路は、自車の前輪車軸位置を基準にして、道路外形の道路境界に対して接線をひくことで求める構成とすればよい。例えば、距離Zは、自車の前輪車軸中心から、仮想的な直線路の道路幅中心線と道路外形決定部113で決定した道路外形の道路境界との交点までの距離とすればよい。
また、距離Zは、S23で仮想境界距離Dr_virtualを設定していた場合には、仮想境界距離Dr_virtualの位置における自車から道路幅中心線までの仮想的な距離である。例えば、距離Zは、自車の前輪車軸中心から、道路外形決定処理で決定した道路外形の道路幅中心線上の仮想境界距離Dr_virtualの地点までの距離とすればよい。
Figure 0006171976
また、仮想境界距離Dr_virtualから変換後境界距離Dr´への変換は、以下の式17と前述の式15、16とを用いて算出する構成とすればよい。式17では、S23で設定した仮想境界距離Dr_virtualとS24で算出した自車横位置偏差Δwとから、自車横位置偏差Δwを補正する角度θwを算出する。
Figure 0006171976
ステップS26では、変換後位置偏差算出部123が、自車横位置偏差Δwを自車の進行方向についての値に変換した変換後位置偏差Δw´を算出する。自車横位置偏差Δwから変換後位置偏差Δw´への変換は、以下の式18を用いて算出する構成とすればよい。
式18では、S21で前方道路境界距離Drを算出できていた場合には、式14、15を用いて算出した角度差θwsと、前述の距離Zとから、変換後位置偏差Δw´を算出する。また、S23で仮想境界距離Dr_virtualを設定していた場合には、式17、15を用いて算出した角度差θwsと、前述の距離Zとから、変換後位置偏差Δw´を算出する。
Figure 0006171976
なお、S25の処理とS26の処理とは、順番が逆であってもよいし、並行して行う構成としてもよい。
ステップS27では、旋回半径算出部124が、S25で算出した変換後境界距離Dr´と、S26で算出した変換後位置偏差Δw´とを用いて、自車を道路幅中心線に合わせるのに必要な旋回半径Rwを算出する。旋回半径Rwは、以下の式19〜20から導き出される式21により算出する。
Figure 0006171976
Figure 0006171976
Figure 0006171976
ステップS28では、第2切れ角算出部125が、S27で算出した旋回半径Rwと、自車のホイールベース長WBと、前述の角度差θwsをもとに、レーンキープ要求タイヤ切れ角θ_laneを算出し、図6の処理を終了する。
レーンキープ要求タイヤ切れ角θ_laneは、以下の式22により算出する。式22のsgn(θws)は、角度差θwsが正の値の場合には1とし、角度差θwsが負の値の場合には−1とする。自車のホイールベース長は、予め車両制御ECU10のメモリに格納しておいた値を用いる構成とすればよい。
Figure 0006171976
<挙動制御関連処理>
続いて、自動操舵制御関連処理部101での挙動制御関連処理について、図7に示すフローチャートを用いて説明を行う。前述したように、挙動制御関連処理では、第1要求角算出関連処理で算出したカーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curvと、第2要求角算出関連処理で算出したレーンキープ要求タイヤ切れ角θ_laneとを用い、自車を道路外形の曲率半径に応じて操舵させつつ自車を道路外形の道路幅の中心に合わせるようにする。図7のフローチャートは、例えば第1要求角算出関連処理及び第2要求角算出関連処理によって、カーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curv及びレーンキープ要求タイヤ切れ角θ_laneが新たに算出されるごとに行われる構成とすればよい。
ステップS31では、目標操舵角算出部126が、第1要求角算出関連処理で算出されたカーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curvと、第2要求角算出関連処理で算出されたレーンキープ要求タイヤ切れ角θ_laneとから、目標とする操舵角Θ(以下、目標操舵角Θ)を算出する。目標操舵角Θとは、自車を道路外形の曲率半径に応じて操舵させつつ自車を道路外形の道路幅の中心に合わせるための操舵角Θである。
目標操舵角Θは、以下の式23、24を用いて算出する。まず、式23に示すように、第1要求角算出関連処理で算出されたカーブ旋回要求タイヤ切れ角θ_curvと、第2要求角算出関連処理で算出されたレーンキープ要求タイヤ切れ角θ_laneとを足し合わせて要求タイヤ切れ角θを算出する。
Figure 0006171976
続いて、要求タイヤ切れ角θから、式24を用いて目標操舵角Θを算出する。式24のNは、操舵角(つまり、ステアリング切り角)Θとタイヤ切れ角θとの比率(定数)である。
Figure 0006171976
ステップS32では、操舵指示部127が、S31で算出した目標操舵角ΘをEPS_ECU5へ送信することにより、目標操舵角Θに自車の操舵角を合わせるようにさせ、図7の処理を終了する。目標操舵角Θを受信したEPS_ECU5は、舵角センサ2によって操舵角を検出しつつEPSアクチュエータ11を制御して、操舵角を所定の変化速度で目標操舵角Θに近づく方向に変化させる自動操舵制御を行う。よって、操舵指示部127が請求項の自動操舵制御指示部に相当する。
<実施形態1における自動操舵制御の中止について>
図2に戻って、自動操舵制御の中止についての説明を行う。第1失敗判定部102は、EPS_ECU5での自動操舵制御に用いられる、舵角センサ2からの出力値をモニタし、舵角センサ2からの出力値が所定時間以上得られなかった場合やこの出力値が異常であった場合に、舵角センサ2での検出が失敗したと判定する。ここで言うところの所定時間とは、例えば、舵角センサ2の検出周期を越えた時間とすればよい。また、舵角センサ2の出力値が異常とは、例えば、出力値が過去の値との連続性が認められない程度に急激に変化した場合などとすればよい。
そして、自動操舵制御中止部103は、第1失敗判定部102で舵角センサ2での検出が失敗したと判定した場合に、EPS_ECU5での自動操舵制御を中止させる。また、自動操舵制御中止部103は、自動操舵制御関連処理部101での第1要求角算出関連処理、第2要求角算出関連処理、及び挙動制御関連処理を中止させる。さらに、自動操舵制御中止部103は、自動操舵制御を中止させる際に、自動操舵制御を中止させることを中止時関連処理部104に通知する。
<実施形態1における中止時関連処理部104の詳細構成について>
ここで、中止時関連処理部104についての説明を行う。中止時関連処理部104は、自動操舵制御が中止されてからドライバがステアリングの操舵操作を開始するまでの移行期間において、自車が道路境界から逸脱しないように減速制御を行うとともに自車のステアリングを中立位置に戻す中止時関連処理を行う。図8に示すように、操舵角取得部141、車速特定部142、道路境界距離取得部143、逸脱余裕時間算出部144、変化率算出部145、切り角変化部146、評価指標算出部147、目標値設定部148、目標相対速度算出部149、目標減速度算出部150、制動制御指示部151、及び操舵角推定部152を備えている。
<実施形態1における中止時関連処理>
続いて、中止時関連処理部104での中止時関連処理について、図9〜図12のフローチャートを用いて説明を行う。図9は実施形態1における中止時関連処理の流れの一例を示すフローチャートであって、図10〜図12は、実施形態1における中止時関連処理におけるサブルーチンの流れの一例を示すフローチャートである。図9のフローチャートは、中止時関連処理部104が自動操舵制御中止部103から、自動操舵制御を中止させる通知を受けた場合に開始する構成とすればよい。
まず、ステップS41では、操舵角取得部141が、自動操舵制御の中止時点における自車の操舵角Θ(つまり、ステアリング切り角Θ)を舵角センサ2から取得する。ステップS42では、車速特定部142が、自動操舵制御の中止時点における自車速VoをVSC_ECU1から取得する。ステップS43では、道路境界距離取得部143が、自動操舵制御の中止時点における前方道路境界距離Drを道路境界距離算出部114から取得する。
S41〜S43では、タイムスタンプを用いることで自動操舵制御の中止時点における操舵角Θ、自車速Vo、前方道路境界距離Drを特定して取得する構成としてもよいし、直近に検出や算出された値を自動操舵制御の中止時点における操舵角Θ、自車速Vo、前方道路境界距離Drと特定して取得する構成としてもよい。また、S41〜S43の処理は並行して行う構成としてもよいし、処理の順番を入れ替えた構成としてもよい。以下では、自動操舵制御の中止時点における操舵角Θ、自車速Vo、前方道路境界距離Drを初期操舵角Θ、初期自車速Vo、初期前方道路境界距離Drと呼ぶ。
ステップS44では、初期要求切り角変化率算出関連処理を行う。ここで、図10のフローチャートを用いて、初期要求切り角変化率算出関連処理の概略について説明を行う。初期要求切り角変化率算出関連処理では、自車が自車正面に位置する前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、操舵角の時間あたりの変化量を算出する。
ステップS441では、逸脱余裕時間算出部144が、S42で取得した初期自車速VoとS43で取得した初期前方道路境界距離Drとから、以下の式1に従って、自動操舵制御の中止時点において自車が前方道路境界を逸脱するまでの逸脱猶予時間tを算出する。このS441が請求項の逸脱猶予時間算出部に相当する。以下では、自動操舵制御の中止時点における逸脱猶予時間tを初期逸脱猶予時間tと呼ぶ。
Figure 0006171976
ステップS442では、変化率算出部145が、S441で算出した初期逸脱猶予時間tと、S41で取得した初期操舵角Θとから、以下の式3に従って、自動操舵制御の中止時点における要求切り角変化率ΔΘを算出する。このS442が請求項の変化率算出部に相当する。要求切り角変化率ΔΘは、自車が自車正面に位置する前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、操舵角の時間あたりの変化量である。以下では、自動操舵制御の中止時点における要求切り角変化率ΔΘを初期要求切り角変化率ΔΘと呼ぶ。
Figure 0006171976
図9に戻って、S44に続くステップS45では、切り角変化部146が、S44で算出した初期要求切り角変化率ΔΘに従って、時間あたりの操舵角の変化量をEPS_ECU5へ送信することにより、自車のステアリングを中立位置に戻す動作を開始させる。このS45が請求項の切り角変化部に相当する。
一例として、切り角変化部146は、中止時関連処理の制御周期が100msecである場合には、初期要求切り角変化率ΔΘに従って、制御周期100msecあたりの操舵角の変化量をEPS_ECU5へ送信する。制御周期100msecあたりの操舵角の変化量を受信したEPS_ECU5では、例えば、100msecの間に一定の速度で逐次操舵角を変化させることで、受信した変化量に応じた角度だけ操舵角を変化させる。
ステップS46では、評価指標算出部147が、S42で取得した初期自車速VoとS43で取得した初期前方道路境界距離Drとから、以下の式25に従って、自動操舵制御の中止時点における接近離間状態評価指標の値KdBを算出する。以下では、自動操舵制御の中止時点における接近離間状態評価指標の値KdBを初期値KdBと呼ぶ。
Figure 0006171976
ここで、接近離間状態評価指標KdBについての説明を行う。接近離間状態評価指標KdB(特許第4645598号公報を参照)は、対象物に対する接近離間状態を自車がその対象物に接近する速度を考慮して表す指標であって、自車がその対象物に接近する速度が高くなるほど大きくなるとともに、その対象物との距離が短くなる変化に対する増加勾配がその対象物との距離が短くなるほど急峻になる指標である。接近離間状態評価指標KdBを用いて速度制御を行うと、ドライバにとって違和感のない速度制御を行うことができることが学会等で既に認められている。
中止時関連処理では、この接近離間状態評価指標KdBを用いて減速制御を行うことで、自車を道路境界から逸脱しないようにするとともに、自車のドライバにとって違和感のない減速を行う。
ステップS47では、目標減速度算出関連処理を行う。ここで、図11のフローチャートを用いて、目標減速度算出関連処理の概略について説明を行う。目標減速度算出関連処理では、自車を道路境界から逸脱しないようにするとともに、自車のドライバにとって違和感のない減速を行うための目標減速度を算出する。
ステップS471では、目標値設定部148が、S43で取得した初期前方道路境界距離DrとS46で算出した接近離間状態評価指標の初期値KdBと現在の前方道路境界距離Drとから、以下の式26に従って定まる接近離間状態評価指標の目標値KdB_tを設定する。現在の前方道路境界距離Drは、道路境界距離算出部114から取得する構成とすればよい。また、図9のフローチャートがループし、処理が繰り返されている場合には、後述するステップS53で取得した直近の前方道路境界距離Drを用いる構成とすればよい。
Figure 0006171976
ステップS472では、目標相対速度算出部149が、S471で設定した接近離間状態評価指標の目標値KdB_tに対応する目標相対速度Vr_tを、以下の式27に従って算出する。目標相対速度Vr_tは、自車正面に位置する前方道路境界に対して自車が目標とする相対速度である。前方道路境界は固定されており速度は0であるので、目標相対速度Vr_tは、実質的には目標とする自車の速度である。
Figure 0006171976
ステップS473では、目標減速度算出部150が、S472で算出した目標相対速度Vr_tと、自車正面に位置する前方道路境界に対する自車の現在の相対速度Vr_pとから、以下の式28に従って、目標減速度Gdを算出する。このS473が請求項の目標減速度算出部に相当する。前方道路境界は固定されており速度は0であるので、現在の相対速度Vr_pとしては、車速特定部142でVSC_ECU1から取得する現在の自車速Voを用いる。式28のTaは予め設定された一定の時間である。
Figure 0006171976
図9に戻って、S47に続くステップS48では、制動制御指示部151が、Gセンサ3によって検出される実際の減速度が、ステップS473で算出した目標減速度Gdとなるような制動力を発生させるように、VSC_ECU1に指示を行う。このS48が請求項の制動制御指示部に相当する。VSC_ECU1では、指示を受けた制動力を発生させる制動制御を行う。
制動力は、ブレーキアクチュエータを制御することで発生させてもよいし、エンジンブレーキを利用してもよい。また、制動制御指示部151からVSC_ECU1に指示する制動力は、例えば、目標減速度Gdと制動力との関係を定めたマップから求める構成とすればよい。
ステップS49では、中止時関連処理の終了条件を満たした場合(S49でYES)には、制動制御指示部151からVSC_ECU1への指示を終了し、中止時関連処理を終了する。一方、中止時関連処理の終了条件を満たしていない場合(S49でNO)には、ステップS50に移る。
中止時関連処理の終了条件を満たした場合の一例としては、目標相対速度Vr_tが所定速度(1km/h)以下となった場合や、現在の自車速Voが実質的に0となって自車の停止を検出した場合などがある。さらに、ユーザによって自車のステアリングの操作が開始された場合がある。
ユーザによって自車のステアリングの操作が開始されたか否かは、手動操舵開始判定部105で判定する。手動操舵開始判定部105では、一例として、切り角変化部146で要求した操舵角の変化量と、実際の操舵角の変化量との差が閾値以上となった場合に、ユーザによって自車のステアリングの操作が開始されたと手動操舵開始判定部105で判定する構成とすればよい。他にも、ステアリングに設けられたセンサでステアリングに対する外力を検出した場合に、ユーザによって自車のステアリングの操作が開始されたと手動操舵開始判定部105で判定する構成としてもよい。
なお、S44〜S45までの処理と、S46〜S48までの処理は並行して行われる構成としてもよいし、順番を入れ替える構成としてもよい。
ステップS50では、中止時関連処理の制御周期となった場合(S50でYES)には、ステップS51に移る。一方、制御周期となっていない場合(S50でNO)には、S49に戻って処理を繰り返す。
ステップS51では、操舵角推定部152が、現在の操舵角Θ(つまり、ステアリング切り角Θ)を推定する。操舵角推定部152は、S41で取得した初期操舵角Θと、切り角変化部146で要求した操舵角の変化量を積算した値とから、現在の操舵角Θを推定する構成とすればよい。このS51が請求項の切り角推定部に相当する。
ステップS52では、車速特定部142が、現在の自車速VoをVSC_ECU1から取得する。ステップS53では、道路境界距離取得部143が、現在の前方道路境界距離Drを道路境界距離算出部114から取得する。S51〜S53の処理は並行して行う構成としてもよいし、処理の順番を入れ替えた構成としてもよい。
ステップS54では、要求切り角変化率算出関連処理を行う。ここで、図12のフローチャートを用いて、要求切り角変化率算出関連処理の概略について説明を行う。要求切り角変化率算出関連処理では、自動操舵制御の中止時点を過ぎた後の要求切り角変化率ΔΘを算出する。
ステップS541では、逸脱余裕時間算出部144が、S52で取得した自車速VoとS53で取得した前方道路境界距離Drとから、以下の式2に従って、現在の逸脱猶予時間tを算出する。このS541も請求項の逸脱猶予時間算出部に相当する。
Figure 0006171976
ステップS542では、変化率算出部145が、S541で算出した逸脱猶予時間tと、S51で推定した現在の操舵角Θとから、以下の式4に従って、現在の要求切り角変化率ΔΘを算出する。このS542も請求項の変化率算出部に相当する。
Figure 0006171976
図9に戻って、S54に続くステップS55では、切り角変化部146が、S55で算出した要求切り角変化率ΔΘに従って、時間あたりの操舵角の変化量をEPS_ECU5へ送信することにより、自車のステアリングを中立位置に戻す動作を継続させる。このS55も請求項の切り角変化部に相当する。
中止時関連処理では、道路境界距離Drの値を適宜オフセットする(例えば、1m差し引く等)ことで、中止時関連処理が完了して自車が停止した場合に、自車位置とする前輪車軸中心が道路境界を逸脱しないようにするだけでなく、車体全体が道路境界からはみ出さないようにすることが好ましい。
<実施形態1のまとめ>
例えば、カーブ路の走行中に自車の舵角センサ2での検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合、自車のステアリングを中立位置に戻さないと、図13に示すように、自車が道路境界を逸脱してしまう。
図13のA〜Eは、ステアリング位置を示している。図13のAは、前述の道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵することを示している。図13のBは、道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵した状態を示している。図13のC〜Eは、道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵した状態のまま、ステアリングを中立位置に戻さない状態を示している。
これに対して、実施形態1の構成によれば、舵角センサ2での検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合でも、自車正面に位置する前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、操舵角Θ(つまり、ステアリング切り角Θ)の時間あたりの変化量である要求切り角変化率ΔΘに従って、図14に示すように、自車の操舵角Θを逐次変化させることになる。
図14は、自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの、逸脱余裕時間t、操舵角Θ、自車速Voの変化を示した図である。図14では、自動操舵制御を中止した時点、すなわち、前方道路境界距離Drが初期前方道路境界距離Drにある場合の他、前方道路境界距離DrがDr、Dr、Drにある場合について示している。また、図14のO〜Oは、自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの各前方道路境界を示している。
実施形態1の構成によれば、図14に示すように、前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すことができる。よって、カーブ路の走行中に自車の舵角センサ2での検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合に、自車が道路境界を逸脱してしまう状況を回避することが可能になる。また、自車のステアリングを中立位置に近づけることで、ステアリングを中立位置に近づけない場合に比べ、ドライバが次の操舵操作を判断しやすくなる。
さらに、実施形態1の構成によれば、舵角センサ2での検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合に、図15に示すように、接近離間状態評価指標の目標値KdB_tを用いて、自車の減速度が、自車正面に位置する前方道路境界を逸脱しないようにするための自車の目標減速度Gdとなるように、自車の制動力を逐次制御することになる。
図15は、自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの、接近離間状態評価指標の現在値KdB及び自車速Voの変化、並びに接近離間状態評価指標KdBを示した図である。
図15では、自動操舵制御を中止した時点、すなわち、前方道路境界距離Drが初期前方道路境界距離Drにある場合の他、前方道路境界距離DrがDr、Dr、Drにある場合について示している。図15のO〜Oは、自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの各前方道路境界を示している。また、図15では、一例として、自動操舵制御を中止した時点における接近離間状態評価指標の目標値KdB_tを示している。
実施形態1の構成によれば、自車が道路境界から逸脱するのを防止することが可能になるとともに、接近離間状態評価指標KdBを用いて減速制御を行うので、自車のドライバにとって違和感のない減速を行うことが可能となる。
また、カーブ路の走行中に自車の舵角センサ2での検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合、単純に自車のステアリングを急激に中立位置に戻すと、図16に示すように、自車が道路境界を逸脱してしまう。
図16のA〜Cは、ステアリング位置を示している。図16のAは、前述の道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵することを示している。図16のBは、道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵した状態から、ステアリングを中立位置に急激に戻した状態を示している。図16のCは、ステアリングを中立位置に保持した状態を示している。
これに対して、実施形態1の構成によれば、自車のステアリングを中立位置に戻しながらも、自車が道路境界から逸脱するのを防止することが可能になる。詳しくは、図17を用いて、以下で説明を行う。図17のAは、前述の道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵することを示している。図17のBは、道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵した状態を示している。図17のC〜Dは、ステアリングを中立位置に戻してゆく状態を示している。図17のEは、ステアリングを中立位置に戻した状態を示している。
要求切り角変化率ΔΘに従って操舵角Θを中立位置に逐次戻してゆく過程(図17のB〜D参照)で、前方道路境界の位置も変化してゆくため、前方道路境界距離Drも変化してゆく。これに対して、実施形態1によれば、逐次変化する前方道路境界距離Dr及び自車速Voから逐次目標減速度Gdを算出し、制動制御を行うので、操舵角Θが変化して自車にとっての前方道路境界の位置が変化してゆくのに合わせて、その前方道路境界を逸脱せずに済むように制動制御が行われることになる。その結果、自車のステアリングを中立位置に戻しながらも、自車が道路境界から逸脱するのを防止することが可能になる(図17のE参照)。
また、実施形態1の構成によれば、ユーザによって自車のステアリングの操作が開始されたと手動操舵開始判定部105で判定した場合に、制動制御指示部151からVSC_ECU1への指示を終了し、自動での制動制御を終了させる。言い換えると、自動で制動を行うことを終了させる。よって、ドライバの意思とは異なる自動での制動は中止され、ドライバのブレーキ操作による加減速や操舵操作へ円滑に移行することが可能となる。詳しくは、図18を用いて、以下で説明を行う。
図18は、自動操舵制御を中止して中止時関連処理を開始した後、ドライバ操舵に移るまでの、自車速Voの変化を示した図である。図18における自車速Voの変化を示したグラフにおいて、実線が実際の自車速Voの変化、点線が中止時関連処理による自動での制動制御による自車速Voの変化を示している。
図18のAは、前述の道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵することを示している。図18のBは、道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵した状態を示している。図18のCは、ドライバがステアリング操作を行って自車の操舵を開始した状態を示している。図17のD〜Eは、ドライバがステアリング操作を行っている状態を示している。
図18に示すように、ドライバがステアリング操作を行って自車の操舵を開始した時点(図18の前方道路境界距離Drの時点)で、自動での制動制御による自車速Voの変化でなく、ドライバのブレーキ操作による自車速Voの変化に切り替わっている。
(実施形態2)
本発明は上述の実施形態1に限定されるものではなく、次の実施形態2も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、実施形態2について図面を用いて説明を行う。なお、説明の便宜上、実施形態1の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2における運転支援システム100は、自動操舵制御を中止する条件が違う点、及び車両中止時関連処理の一部が異なる点を除けば、実施形態1における運転支援システム100と同様である。
<実施形態2における車両制御ECU10の詳細構成>
車両制御ECU10は、VSC_ECU1、舵角センサ2、Gセンサ3、ヨーレートセンサ4、EPS_ECU5、測距センサ6から入力された各種情報に基づき、各種の処理を実行する。
図19に示すように、車両制御ECU10は、自動操舵制御関連処理部101、第2失敗判定部106、自動操舵制御中止部103a、中止時関連処理部104a、及び手動操舵開始判定部105を備えている。自動操舵制御関連処理部101での第1要求角算出関連処理、第2要求角算出関連処理、及び挙動制御関連処理については、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
<実施形態2における自動操舵制御の中止について>
第2失敗判定部106は、自動操舵制御関連処理部101の境界位置検出部112で測距センサ6の検出結果が所定時間以上得られなかった場合に、測距センサ6での検出が失敗したと判定する。ここで言うところの所定時間とは、例えば、測距センサ6の検出周期を越えた時間とすればよい。
そして、自動操舵制御中止部103aは、測距センサ6での検出が失敗したと第2失敗判定部106で判定した場合に、EPS_ECU5での自動操舵制御を中止させる。また、自動操舵制御中止部103aは、自動操舵制御関連処理部101での第1要求角算出関連処理、第2要求角算出関連処理、及び挙動制御関連処理を中止させる。さらに、自動操舵制御中止部103aは、自動操舵制御を中止させる際に、自動操舵制御を中止させることを中止時関連処理部104aに通知する。
<実施形態2における中止時関連処理部104aの詳細構成について>
ここで、中止時関連処理部104aについての説明を行う。中止時関連処理部104aは、自動操舵制御が中止されてからドライバがステアリングの操舵操作を開始するまでの移行期間において、自車が道路境界から逸脱しないように減速制御を行うとともに自車のステアリングを中立位置に戻す中止時関連処理を行う。
図20に示すように、操舵角取得部141、車速特定部142、道路境界距離取得部143、逸脱余裕時間算出部144、変化率算出部145、切り角変化部146、評価指標算出部147、目標値設定部148、目標相対速度算出部149、目標減速度算出部150、制動制御指示部151、仮想道路外形推定部153、及び仮想道路境界距離算出部154を備えている。
<実施形態2における中止時関連処理>
続いて、中止時関連処理部104aでの中止時関連処理について、図21〜図24のフローチャートを用いて説明を行う。図21は実施形態2における中止時関連処理の流れの一例を示すフローチャートであって、図22〜図24は、実施形態2における中止時関連処理におけるサブルーチンの流れの一例を示すフローチャートである。図21のフローチャートは、中止時関連処理部104aが自動操舵制御中止部103aから、自動操舵制御を中止させる通知を受けた場合に開始する構成とすればよい。
まず、ステップS61〜ステップS62までの処理は、実施形態1のS41〜S42までの処理と同様である。ステップS63では、仮想道路外形推定部153が、道路外形決定部113でそれまでに決定していた道路外形をもとに、その道路外形に続く仮想的な道路外形(以下、仮想道路外形)を推定する。一例としては、道路外形決定部113でそれまでに決定していた道路外形の終端部分とカーブRが同一の、カーブR一定の曲線を仮想道路外形とする。
ステップS64では、仮想道路境界距離算出部154が、現在位置特定部111で特定した自車の現在位置と、仮想道路外形推定部153で推定した仮想道路外形とから、仮想的な前方道路境界距離(以下、仮想前方道路境界距離)Dr_vを算出する。仮想前方道路境界距離Dr_vは、自車の現在位置(つまり、前輪車軸中心)を基準にして、仮想道路外形の道路幅の中心線(以下、仮想道路幅中心線)に対してひいた接線上の、自車から自車正面に位置する仮想的な前方道路境界(以下、仮想前方道路境界)までの距離である。
以下では、自動操舵制御の中止時点における仮想前方道路境界距離Dr_vを初期仮想前方道路境界距離Dr_vと呼ぶ。
ステップS65では、初期仮想要求切り角変化率算出関連処理を行う。ここで、図22のフローチャートを用いて、初期仮想要求切り角変化率算出関連処理の概略について説明を行う。初期仮想要求切り角変化率算出関連処理では、自車が自車正面に位置する仮想前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、操舵角の時間あたりの変化量を算出する。
ステップS651では、逸脱余裕時間算出部144が、S62で取得した初期自車速VoとS64で算出した初期仮想前方道路境界距離Dr_vとから、以下の式5に従って、自動操舵制御の中止時点において自車が仮想前方道路境界を逸脱するまでの仮想逸脱猶予時間t_vを算出する。このS651が請求項の仮想逸脱猶予時間算出部に相当する。以下では、自動操舵制御の中止時点における仮想逸脱猶予時間t_vを初期仮想逸脱猶予時間t_vと呼ぶ。
Figure 0006171976
ステップS652では、変化率算出部145が、S651で算出した初期仮想逸脱猶予時間t_vと、S41で取得した初期操舵角Θとから、以下の式7に従って、自動操舵制御の中止時点における仮想要求切り角変化率ΔΘ_vを算出する。このS652が請求項の変化率算出部に相当する。要求切り角変化率ΔΘ_vは、自車が自車正面に位置する仮想前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、操舵角の時間あたりの変化量である。以下では、自動操舵制御の中止時点における仮想要求切り角変化率ΔΘ_vを初期仮想要求切り角変化率ΔΘ_vと呼ぶ。
Figure 0006171976
図21に戻って、S65に続くステップS66では、切り角変化部146が、S65で算出した初期仮想要求切り角変化率ΔΘ_vに従って、時間あたりの操舵角の変化量をEPS_ECU5へ送信することにより、自車のステアリングを中立位置に戻す動作を開始させる。このS66が請求項の切り角変化部に相当する。S66の処理は、実施形態1のS45と同様にして行う。
ステップS67では、評価指標算出部147が、S62で取得した初期自車速VoとS64で算出した初期仮想前方道路境界距離Dr_vとから、以下の式29に従って、自動操舵制御の中止時点における接近離間状態評価指標の仮想値KdB_vを算出する。以下では、自動操舵制御の中止時点における接近離間状態評価指標の仮想値KdB_vを仮想初期値KdB_vと呼ぶ。
Figure 0006171976
中止時関連処理では、この接近離間状態評価指標KdBを用いて減速制御を行うことで、自車を仮想道路境界から逸脱しないようにするとともに、自車のドライバにとって違和感のない減速を行う。
ステップS68では、仮想目標減速度算出関連処理を行う。ここで、図23のフローチャートを用いて、仮想目標減速度算出関連処理の概略について説明を行う。仮想目標減速度算出関連処理では、自車を仮想的な道路境界から逸脱しないようにするとともに、自車のドライバにとって違和感のない減速を行うための目標減速度を算出する。
ステップS681では、目標値設定部148が、S64で算出した初期仮想前方道路境界距離Dr_vとS67で算出した接近離間状態評価指標の仮想初期値KdB_vと現在の仮想前方道路境界距離Dr_vとから、以下の式30に従って定まる接近離間状態評価指標の仮想的な目標値(以下、仮想目標値)KdB_t_vを設定する。現在の前方道路境界距離Dr_vは、仮想道路境界距離算出部154が算出する構成とすればよい。また、図21のフローチャートがループし、処理が繰り返されている場合には、後述するステップS74で算出した直近の仮想前方道路境界距離Dr_vを用いる構成とすればよい。
Figure 0006171976
ステップS682では、目標相対速度算出部149が、S681で設定した接近離間状態評価指標の仮想目標値KdB_t_vに対応する仮想目標相対速度Vr_t_vを、以下の式31に従って算出する。仮想目標相対速度Vr_t_vは、自車正面に位置する仮想前方道路境界に対して自車が目標とする相対速度である。仮想目標相対速度Vr_t_vは、実質的には目標とする自車の速度である。
Figure 0006171976
ステップS683では、目標減速度算出部150が、S682で算出した仮想目標相対速度Vr_t_vと、自車正面に位置する仮想前方道路境界に対する自車の現在の相対速度Vr_pとから、以下の式32に従って、仮想目標減速度Gd_vを算出する。このS683が請求項の目標減速度算出部に相当する。現在の相対速度Vr_pとしては、車速特定部142でVSC_ECU1から取得する現在の自車速Voを用いる。式32のTaは予め設定された一定の時間である。
Figure 0006171976
図21に戻って、S68に続くステップS69では、制動制御指示部151が、Gセンサ3によって検出される実際の減速度が、ステップS683で算出した目標減速度Gd_vとなるような制動力を発生させるように、実施形態1のS48と同様にして、VSC_ECU1に指示を行う。このS69が請求項の制動制御指示部に相当する。
ステップS70〜ステップS71までの処理は、実施形態1のS49〜S50までの処理と同様である。なお、S65〜S66までの処理と、S67〜S69までの処理は並行して行われる構成としてもよいし、順番を入れ替える構成としてもよい。ステップS72では、操舵角取得部141が、現在の操舵角Θを舵角センサ2から取得する。
ステップS73では、車速特定部142が、現在の自車速VoをVSC_ECU1から取得する。ステップS74では、仮想道路境界距離算出部154が、現在の仮想前方道路境界距離Dr_vを算出する。S72〜S74の処理は並行して行う構成としてもよいし、処理の順番を入れ替えた構成としてもよい。
ステップS75では、仮想要求切り角変化率算出関連処理を行う。ここで、図24のフローチャートを用いて、仮想要求切り角変化率算出関連処理の概略について説明を行う。仮想要求切り角変化率算出関連処理では、自動操舵制御の中止時点を過ぎた後の仮想要求切り角変化率ΔΘ_vを算出する。
ステップS751では、逸脱余裕時間算出部144が、S73で取得した自車速VoとS74で算出した仮想前方道路境界距離Dr_vとから、以下の式6に従って、現在の仮想逸脱猶予時間t_vを算出する。このS751も請求項の逸脱猶予時間算出部に相当する。
Figure 0006171976
ステップS752では、変化率算出部145が、S751で算出した仮想逸脱猶予時間t_vと、S72で取得した現在の操舵角Θとから、以下の式8に従って、現在の仮想要求切り角変化率ΔΘ_vを算出する。このS752も請求項の変化率算出部に相当する。
Figure 0006171976
図21に戻って、S75に続くステップS76では、切り角変化部146が、S76で算出した仮想要求切り角変化率ΔΘ_vに従って、時間あたりの操舵角の変化量をEPS_ECU5へ送信することにより、自車のステアリングを中立位置に戻す動作を継続させる。このS76も請求項の切り角変化部に相当する。
中止時関連処理では、仮想前方道路境界距離Dr_vの値を適宜オフセットする(例えば、1m差し引く等)ことで、中止時関連処理が完了して自車が停止した場合に、自車位置とする前輪車軸中心が仮想道路境界を逸脱しないようにするだけでなく、車体全体が仮想道路境界からはみ出さないようにすることが好ましい。
<実施形態2のまとめ>
実施形態2では、測距センサ6での検出が失敗したことにより道路外形決定部113で決定できなくなった道路外形に代わり、それまでに道路外形決定部113で決定していた道路外形に続く仮想道路外形を推定して、仮想前方道路境界距離の算出に用いる点を除けば、実施形態1と同様であるので、実施形態1と同様に、自動操舵制御からドライバ操舵へ切り替わった場合に、自車が道路境界から逸脱するのを防止するとともに、ドライバに次の操舵操作を判断し易くすることが可能になる。
より詳しくは、実施形態2の構成によれば、測距センサ6での検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合でも、自車正面に位置する仮想前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、操舵角Θ(つまり、ステアリング切り角Θ)の時間あたりの変化量である仮想要求切り角変化率ΔΘ_vに従って、図25に示すように、自車の操舵角Θを逐次変化させることになる。
図25は、自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの、仮想逸脱余裕時間t_v、操舵角Θ、自車速Voの変化を示した図である。図25では、自動操舵制御を中止した時点、すなわち、仮想前方道路境界距離Dr_vが初期仮想前方道路境界距離Dr_vにある場合の他、仮想前方道路境界距離Dr_vがDr_v、Dr_v、Dr_vにある場合について示している。仮想道路外形は二点鎖線で示している。また、図25のO〜Oは、自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの各仮想前方道路境界を示している。
実施形態2の構成によれば、図25に示すように、仮想前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すことができる。よって、カーブ路の走行中に自車の測距センサ6での検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合に、自車が道路境界を逸脱してしまう状況を回避することが可能になる。また、自車のステアリングを中立位置に近づけることで、ステアリングを中立位置に近づけない場合に比べ、ドライバが次の操舵操作を判断しやすくなる。
さらに、実施形態2の構成によれば、測距センサ6での検出が失敗し、自動操舵制御を中止させることになった場合に、図26に示すように、接近離間状態評価指標の仮想目標値KdB_t_vを用いて、自車の減速度が、自車正面に位置する仮想前方道路境界を逸脱しないようにするための自車の仮想目標減速度Gd_vとなるように、自車の制動力を逐次制御することになる。
図26は、自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの、接近離間状態評価指標の仮想的な現在値KdB_v及び自車速Voの変化、並びに接近離間状態評価指標KdBを示した図である。
図26では、自動操舵制御を中止した時点、すなわち、仮想前方道路境界距離Dr_vが初期仮想前方道路境界距離Dr_vにある場合の他、仮想前方道路境界距離Dr_vがDr_v、Dr_v、Dr_vにある場合について示している。仮想道路外形は二点鎖線で示している。図15のO〜Oは、自動操舵制御を中止してから中止時関連処理が完了して自車が停止するまでの各仮想前方道路境界を示している。また、図26では、一例として、自動操舵制御を中止した時点における接近離間状態評価指標の仮想目標値KdB_t_vを示している。
実施形態2の構成によれば、自車が仮想道路境界から逸脱するのを防止することが可能になるとともに、接近離間状態評価指標KdBを用いて減速制御を行うので、自車のドライバにとって違和感のない減速を行うことが可能となる。
以上のことから、実施形態2の構成によれば、図27に示すように、自車のステアリングを中立位置に戻しながらも、自車が道路境界から逸脱するのを防止することが可能になる。
図27のAは、前述の道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵することを示している。図27のBは、道路幅方向距離Lを保持するタイヤ切り角となるまで操舵した状態を示している。図27のC〜Dは、ステアリングを中立位置に戻してゆく状態を示している。図27のEは、ステアリングを中立位置に戻した状態を示している。仮想道路外形は二点鎖線で示している。
仮想要求切り角変化率ΔΘ_vに従って操舵角Θを中立位置に逐次戻してゆく過程(図27のB〜D参照)で、仮想前方道路境界の位置も変化してゆくため、仮想前方道路境界距離Dr_vも変化してゆく。これに対して、実施形態2によれば、逐次変化する仮想前方道路境界距離Dr_v及び自車速Voから逐次仮想目標減速度Gd_vを算出し、制動制御を行うので、操舵角Θが変化して自車にとっての仮想前方道路境界の位置が変化してゆくのに合わせて、その仮想前方道路境界を逸脱せずに済むように制動制御が行われることになる。その結果、自車のステアリングを中立位置に戻しながらも、自車が道路境界から逸脱するのを防止することが可能になる。
<変形例1>
前述の実施形態では、ユーザによって自車のステアリングの操作が開始されたと手動操舵開始判定部105で判定した場合に、制動制御指示部151からVSC_ECU1への指示を終了し、自動での制動制御を終了させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自動での制動制御を終了させるのではなくて、自車の減速度が目標減速度となるようにする場合の制動力よりも制動力が小さくなるようにさせる構成としてもよい。言い換えると、自動での制動制御による減速度を絶対値として小さくさせる構成としてもよい。
これによれば、ドライバの意思とは異なる自動での制動制御による減速度が絶対値として小さくなり、ドライバのブレーキ操作による加減速や操舵操作へ円滑に移行することが可能となる。
<変形例2>
前述の実施形態では、接近離間状態評価指標を用いて、道路境界から逸脱しないように減速制御を行う場合を例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。例えば、接近離間状態評価指標を用いない減速制御によって、道路境界から逸脱しないように減速制御を行う構成としてもよい。
<変形例3>
前述の実施形態では、自動操舵制御において、舵角センサ2で検出した操舵角を用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、ヨーレートセンサで検出したヨーレートを用いて自動操舵制御を行う構成としてもよい。
実施形態1において変形例3を採用する場合には、第1失敗判定部102では、ヨーレートセンサでの検出が失敗したか否かを判定し、ヨーレートセンサでの検出が失敗したと第1失敗判定部102で判定した場合に自動操舵制御中止部103が自動操舵制御を中止させる構成とすればよい。
<変形例4>
実施形態1では、レーダやカメラといった自律センサの検出結果から道路外形を決定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車車間通信によって先行車等の他車から得た情報をもとに道路外形を決定する構成としてもよい。
変形例4では、車車間通信によって取得した先行車の車速Vp及び操舵角Θといった車両情報をもとに、車両制御ECU10で先行車の走行軌跡を決定する。一例としては、ある時点の自車位置を2次元座標上の起点とし、測距センサ6の信号をもとに検出した自車と先行車との距離に相当する長さだけ上記起点の前方に離れた位置を走行車の初期位置とする。そして、逐次取得する先行車の車速Vp及び操舵角Θをもとに、上記初期位置に続く走行軌跡点を逐次算出することで、先行車の走行軌跡を決定してゆく。
続いて、決定した先行車の走行軌跡から、自車の現在位置を起点とした前方の仮想的な道路外形を決定する構成とすればよい。例えば、先行車の走行軌跡を中心線として左右に1.75mの距離に相当する長さだけ幅を持たせた境界線を有する道路外形を決定するなどすればよい。そして、仮想的な道路外形を決定した後は、実施形態1や実施形態2で説明したのと同様の処理を行う。
なお、先行車の走行軌跡の決定や道路外形の決定を先行車に搭載された装置で行い、先行車から車車間通信で送信されてくる当該走行軌跡や当該道路外形の情報を取得する構成としてもよい。
また、先行車の内外輪速度比をもとに、先行車の走行軌跡や道路外形の決定を行う構成としてもよい。具体的には、内外輪の角速度が同じであることをもとに、内外輪速度比からカーブ路の曲率半径を公知の方法によって算出し、走行軌跡や道路外形の決定を行う構成とすればよい。
他にも、先行車のヨーレートをもとに先行車の走行軌跡や道路外形の決定を行う構成としてもよい。また、先行車の速度及び操舵角や内外輪速度比やヨーレートを併用して、走行軌跡や道路外形の決定を行う構成としてもよい。この場合には、異なる方法で算出した値を平均するなどして用いればよい。
実施形態2において変形例4を採用する場合には、第2失敗判定部106は、車車間通信によって先行車等の他車からの情報を所定時間以上受信できなかった場合に、他車からの道路外形の決定用の情報の取得が失敗したと判定する構成とすればよい。そして、第2失敗判定部106で失敗したと判定した場合に、自動操舵制御中止部103aが自動操舵制御を中止させる構成とすればよい。
<変形例5>
また、路車間通信によって路側機等から得た情報をもとに道路外形を決定する構成としてもよい。変形例5のようにする場合には、路車間通信によって路側機等から取得した情報をもとに、車両制御ECU10で道路外形を決定する構成とすればよい。
路側機等から取得する情報は、車両制御ECU10において自車の走行すべき道路領域の道路外形を決定することができるものであれば、どのような情報であってもよい。例えば、対象交差点位置周辺の道路の線形的構造を表す情報であって、対象交差点の位置の情報も含んでいる道路線形情報であってもよい。道路線形情報は、衛星測位システムの測位結果としての対象交差点の位置(緯度経度)や対象交差点の位置を基点とした所定の構造変化点までの距離や道路線形の寸法等の情報であるものとする。
他にも、複数の車両の過去の走行履歴を収集した走行履歴情報であってもよい。この走行履歴情報は、例えば車速や操舵角の情報であるものとする。
車両制御ECU10は、路側機等から取得した情報をもとに、自車の走行すべき道路領域の道路外形を決定し、道路外形を決定した後は、実施形態1で説明したのと同様の処理を行うものとする。
実施形態2において変形例5を採用する場合には、第2失敗判定部106は、路車間通信によって路側機等からの情報を所定時間以上受信できなかった場合に、路側機からの道路外形決定用の情報の取得が失敗したと判定する構成とすればよい。そして、第2失敗判定部106で失敗したと判定した場合に、自動操舵制御中止部103aが自動操舵制御を中止させる構成とすればよい。
<変形例6>
前述の実施形態では、道路境界までの距離を最適距離として走行する自動操舵制御を行うため、自車の走行すべき道路領域の外形までを決定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、道路幅の中心線に沿って走行することで、道路境界までの距離を最適距離として走行する自動操舵制御を行う場合には、道路形状として道路外形までを決定せず、中心線の形状を決定するだけの構成としてもよい。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10 車両制御ECU(車両用挙動制御装置)、102 第1失敗判定部、103、103a 自動操舵制御中止部、106 第2失敗判定部、111 現在位置特定部、113 道路外形決定部(道路形状決定部)、114 道路境界距離算出部(境界距離算出部)、127 操舵指示部(自動操舵制御指示部)、142 車速特定部、S45、S55、S66、S76 切り角変化部、S48、S69 制動制御指示部、S442、S542、S652、S752 変化率算出部

Claims (8)

  1. 車両に搭載され、
    自車の現在位置を逐次特定する現在位置特定部(111)と、
    自車の走行すべき道路領域の道路形状を逐次決定する道路形状決定部(113)と、
    前記道路形状決定部で逐次決定する前記道路形状に沿って自車を走行させるようにステアリング切り角を逐次制御する自動操舵制御を行わせる自動操舵制御指示部(127)とを備える車両用挙動制御装置(10)であって、
    自車の速度である自車速を逐次特定する車速特定部(142)と、
    前記現在位置特定部で逐次特定する自車の現在位置と、前記道路形状決定部で逐次決定する前記道路形状とをもとに、自車から自車正面に位置する前方道路境界までの前方道路境界距離を逐次算出する境界距離算出部(114)と、
    前記自動操舵制御に用いられる、自車の旋回の度合いを検出する旋回関連センサでの検出が失敗したか否かを判定する第1失敗判定部(102)と、
    前記旋回関連センサでの検出が失敗したと前記第1失敗判定部で判定した場合に、前記自動操舵制御を中止させる自動操舵制御中止部(103)と、
    前記自動操舵制御を中止させた場合に、前記境界距離算出部で逐次算出する前記前方道路境界距離と、前記車速特定部で逐次特定する自車速とをもとに、自車正面に位置する前記前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、ステアリング切り角の時間あたりの変化量である要求切り角変化率を逐次算出する変化率算出部(S442、S542)と、
    前記変化率算出部で逐次算出する前記要求切り角変化率に従って、自車のステアリング切り角を逐次変化させる切り角変化部(S45、S55)と、
    前記自動操舵制御を中止させた場合に、前記境界距離算出部で逐次算出する前記前方道路境界距離と、前記車速特定部で逐次特定する自車速とをもとに、自車正面に位置する前記前方道路境界を逸脱しないようにするための自車の目標減速度を逐次算出する目標減速度算出部(S473)と、
    自車の減速度が前記目標減速度となるように、自車の制動力を逐次制御する制動制御を行わせる制動制御指示部(S48)とを備えることを特徴とする車両用挙動制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記自動操舵制御の中止時点では、前記境界距離算出部で算出する、中止時点における前記前方道路境界距離(Dr)と、前記車速特定部で特定する、中止時点における前記自車速(Vo)とから、(1)式に従って、中止時点において自車正面に位置する前記前方道路境界を逸脱するまでの逸脱猶予時間(t)を算出する一方、中止時点を過ぎた後は、前記境界距離算出部で逐次算出する前記前方道路境界距離(Dr)と、前記車速特定部で逐次特定する自車速(Vo)とから、(2)式に従って前記逸脱猶予時間(t)を逐次算出する逸脱猶予時間算出部(S441、S541)と、
    前記自動操舵制御を中止させた場合に、中止時点における自車のステアリング切り角(Θ)と、中止時点から現在までに前記切り角変化部で変化させたステアリング切り角の積算変化量とから、現在のステアリング切り角(Θ)を逐次推定する切り角推定部(S51)とを備え、
    前記変化率算出部は、
    前記自動操舵制御の中止時点では、前記逸脱猶予時間算出部で算出する、中止時点において自車正面に位置する前記前方道路境界を逸脱するまでの逸脱猶予時間(t)と、中止時点における自車のステアリング切り角(Θ)とから、(3)式に従って、中止時点における前記要求切り角変化率(ΔΘ)を算出する一方、中止時点を過ぎた後は、前記逸脱猶予時間算出部で逐次算出する前記逸脱猶予時間(t)と、前記切り角推定部で逐次推定する現在のステアリング切り角(Θ)とから、(4)式に従って、現在の前記要求切り角変化率(ΔΘ)を逐次算出することを特徴とする車両用挙動制御装置。
    Figure 0006171976
    :自動操舵制御の中止時点における逸脱猶予時間[sec]
    Dr :自動操舵制御の中止時点における前方道路境界距離[m]
    Vo :自動操舵制御の中止時点における自車の車速[m/sec]
    Figure 0006171976
    :自動操舵制御の中止時点を過ぎた後における逸脱猶予時間[sec]
    Dr :自動操舵制御の中止時点を過ぎた後における前方道路境界距離[m]
    Vo :自動操舵制御の中止時点を過ぎた後における自車の車速[m/sec]
    Figure 0006171976
    ΔΘ :自動操舵制御の中止時点における要求切り角変化率[deg/sec]
    Θ :自動操舵制御の中止時点におけるステアリング切り角[deg]
    Figure 0006171976
    ΔΘ :現在の要求切り角変化率[deg/sec]
    Θ :切り角推定部で推定した現在のステアリング切り角[deg]
  3. 請求項1又は2において、
    前記前方道路境界に対する接近離間状態を自車の前記前方道路境界に接近する速度を考慮して表す指標であって、自車が前記前方道路境界に接近する速度が高くなるほど大きくなるとともに、前記前方道路境界距離が短くなる変化に対する増加勾配が前記前方道路境界距離が短くなるほど急峻になる指標である接近離間状態評価指標を算出する評価指標算出部(147)を備え、
    前記目標減速度算出部は、前記評価指標算出部で算出した前記接近離間状態評価指標と、前記境界距離算出部で逐次算出する前記前方道路境界距離とから定まる、自車正面に位置する前記前方道路境界に対する自車の速度目標値に実際の自車速を合わせるための減速度を、前記目標減速度として逐次算出することを特徴とする車両用挙動制御装置。
  4. 車両に搭載され、
    自車の現在位置を逐次特定する現在位置特定部(111)と、
    自車の走行すべき道路領域の道路形状を逐次決定する道路形状決定部(113)と、
    前記道路形状決定部で逐次決定する前記道路形状に沿って自車を走行させるようにステアリング切り角を逐次制御する自動操舵制御を行わせる自動操舵制御指示部(127)とを備える車両用挙動制御装置(10)であって、
    前記道路形状決定部は、自車の前方に存在する前記道路領域の道路形状を決定できる道路形状決定用情報を用いて、自車の走行すべき道路領域の道路形状を決定するものであり、
    自車の速度である自車速を逐次特定する車速特定部(142)と、
    前記道路形状決定用情報の取得が失敗したか否かを判定する第2失敗判定部(106)と、
    前記道路形状決定用情報の取得が失敗したと前記第2失敗判定部で判定した場合に、前記自動操舵制御を中止させる自動操舵制御中止部(103a)と、
    前記自動操舵制御を中止させた場合に、前記道路形状決定部でそれまでに決定していた道路形状をもとに、その道路形状に続く仮想道路形状を推定する仮想道路形状推定部(153)と、
    前記自動操舵制御を中止させた場合に、前記現在位置特定部で逐次特定する自車の現在位置と、前記仮想道路形状推定部で推定した前記仮想道路形状とをもとに、自車から自車正面に位置する仮想的な前方道路境界である仮想前方道路境界までの仮想前方道路境界距離を算出する仮想境界距離算出部(154)と、
    前記自動操舵制御を中止させた場合に、前記仮想境界距離算出部で逐次算出する前記仮想前方道路境界距離と、前記車速特定部で逐次特定する自車速とをもとに、自車正面に位置する前記仮想前方道路境界を逸脱するまでに自車のステアリングを中立位置に戻すのに必要な、ステアリング切り角の時間あたりの変化量である要求切り角変化率を逐次算出する変化率算出部(S652、S752)と、
    前記変化率算出部で逐次算出する前記要求切り角変化率に従って、自車のステアリング切り角を逐次変化させる切り角変化部(S66、S76)と、
    前記自動操舵制御を中止させた場合に、前記仮想境界距離算出部で逐次算出する前記仮想前方道路境界距離と、前記車速特定部で逐次特定する自車速とをもとに、自車正面に位置する前記仮想前方道路境界を逸脱しないようにするための自車の目標減速度を逐次算出する目標減速度算出部(S683)と、
    自車の減速度が前記目標減速度となるように、自車の制動力を逐次制御する制動制御を行わせる制動制御指示部(S69)とを備えることを特徴とする車両用挙動制御装置。
  5. 請求項4において、
    前記自動操舵制御の中止時点では、前記仮想境界距離算出部で算出する、中止時点における前記仮想前方道路境界距離(Dr_v)と、前記車速特定部で特定する、中止時点における前記自車速(Vo)とから、(5)式に従って、中止時点において自車正面に位置する前記仮想前方道路境界を逸脱するまでの仮想逸脱猶予時間(t_v)を算出する一方、中止時点を過ぎた後は、前記仮想境界距離算出部で逐次算出する前記仮想前方道路境界距離(Dr_v)と、前記車速特定部で逐次特定する自車速(Vo)とから、(6)式に従って前記仮想逸脱猶予時間(t_v)を逐次算出する仮想逸脱猶予時間算出部(S651、S751)と、
    前記変化率算出部は、
    前記自動操舵制御の中止時点では、前記仮想逸脱猶予時間算出部で算出する、中止時点において自車正面に位置する前記仮想前方道路境界を逸脱するまでの仮想逸脱猶予時間(t_v)と、中止時点における自車のステアリング切り角(Θ)とから、(7)式に従って、中止時点における前記要求切り角変化率(ΔΘ_v)を算出する一方、中止時点を過ぎた後は、前記仮想逸脱猶予時間算出部で逐次算出する前記仮想逸脱猶予時間(t_v)と、現在のステアリング切り角(Θ)とから、(8)式に従って、現在の前記要求切り角変化率(ΔΘ_v)を逐次算出することを特徴とする車両用挙動制御装置。
    Figure 0006171976
    _v :自動操舵制御の中止時点における仮想逸脱猶予時間[sec]
    Dr_v :自動操舵制御の中止時点における仮想前方道路境界距離[m]
    Vo :自動操舵制御の中止時点における自車の車速[m/sec]
    Figure 0006171976
    _v :自動操舵制御の中止時点を過ぎた後における仮想逸脱猶予時間[sec]
    Dr_v :自動操舵制御の中止時点を過ぎた後における仮想前方道路境界距離[m]
    Vo :自動操舵制御の中止時点を過ぎた後における自車の車速[m/sec]
    Figure 0006171976
    ΔΘ_v :自動操舵制御の中止時点における要求切り角変化率[deg/sec]
    Θ :自動操舵制御の中止時点におけるステアリング切り角[deg]
    Figure 0006171976
    ΔΘ_v :現在の要求切り角変化率[deg/sec]
    Θ :切り角推定部で推定した現在のステアリング切り角[deg]
  6. 請求項4又は5において、
    前記仮想前方道路境界に対する接近離間状態を自車の前記仮想前方道路境界に接近する速度を考慮して表す指標であって、自車が前記仮想前方道路境界に接近する速度が高くなるほど大きくなるとともに、前記仮想前方道路境界距離が短くなる変化に対する増加勾配が前記仮想前方道路境界距離が短くなるほど急峻になる指標である接近離間状態評価指標を算出する評価指標算出部(147)を備え、
    前記目標減速度算出部は、前記評価指標算出部で算出した前記接近離間状態評価指標と、前記仮想境界距離算出部で逐次算出する前記仮想前方道路境界距離とから定まる、自車正面に位置する前記仮想前方道路境界に対する自車の速度目標値に実際の自車速を合わせるための減速度を、前記目標減速度として逐次算出することを特徴とする車両用挙動制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、
    前記自動操舵制御が中止された後に、ユーザによって自車のステアリングの操作が開始されたか否かを判定する手動操舵開始判定部(105)を備え、
    前記制動制御指示部は、ユーザによって自車のステアリングの操作が開始されたと前記手動操舵開始判定部で判定した場合に、前記制動制御を中止させることを特徴とする車両用挙動制御装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項において、
    前記自動操舵制御が中止された後に、ユーザによって自車のステアリングの操作が開始されたか否かを判定する手動操舵開始判定部(105)を備え、
    前記制動制御指示部は、ユーザによって自車のステアリングの操作が開始されたと前記手動操舵開始判定部で判定した場合には、自車の減速度が前記目標減速度となるようにする場合の前記制動力よりも制動力が小さくなるようにさせることを特徴とする車両用挙動制御装置。
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