JP6094612B2 - R−t−b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−t−b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はR−T−B系焼結磁石の製造方法に関する。
R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む)は永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車用(EV、HV、PHVなど)モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品などに使用されている。
R−T−B系焼結磁石は主としてR14B化合物からなる主相とこの主相の粒界部分に位置する粒界相とから構成されている。主相であるR14B化合物は高い磁化を持つ強磁性材料でありR−T−B系焼結磁石の特性の根幹をなしている。
R−T−B系焼結磁石は高温で保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」という)が低下するため不可逆熱減磁が起こる。そのため、特に電気自動車用モータに使用される場合、高温下でも高いHcJを有することが要求されている。
R−T−B系焼結磁石において、主相であるR14B化合物中のRに含まれる軽希土類元素RL(主としてNdおよび/またはPr)の一部を重希土類元素RH(主としてDyおよび/またはTb)で置換するとHcJが向上することが知られており、重希土類元素RHの置換量の増加に伴いHcJは向上する。
しかし、R14B化合物中の軽希土類元素RLを重希土類元素RHで置換するとR−T−B系焼結磁石のHcJが向上する一方、残留磁束密度B(以下、単に「B」という)が低下する。また、重希土類元素、特にDyなどは資源存在量が少ないうえ産出地が限定されているなどの理由から供給が安定しておらず、価格が大きく変動するなどの問題を有している。そのため、近年、ユーザーから重希土類元素RHをできるだけ使用することなくBを低下させずにHcJを向上させることが求められている。
特許文献1には従来一般に用いられてきたR−T−B系合金に比べB量が相対的に少ない特定の範囲に限定するとともにAl、Ga、Cuのうちから選ばれる1種以上の金属元素Mを含有させることによりR17相を生成させ、該R17相を原料として生成させた遷移金属リッチ相(R13M)の体積率を充分に確保することにより、Dyの含有量を抑制しつつ保磁力の高いR−T−B系希土類焼結磁石が得られることが記載されている。
また、R−T−B系焼結磁石のHcJ向上手段として、R−T−B系焼結磁石に重希土類元素RHを含む金属、合金、化合物などを特定手段によりR−T−B系焼結磁石表面に供給し、熱処理で重希土類元素RHを磁石内部に拡散させ、R14B化合物の外殻部の軽希土類元素RLを重希土類元素RHで置換することにより、Bの低下を抑制しつつHcJを向上させる方法が種々提案されている。
例えば、特許文献2はR−Fe−B系希土類焼結磁石体と重希土類元素RH(Dy、HoおよびTbからなる群から選択された少なくとも1種)を含有するバルク体を処理室内に配置し、それらを700℃以上1000℃以下に加熱することにより、バルク体から重希土類元素RHをR−Fe−B系希土類焼結磁石体の表面に供給しつつ重希土類元素RHをR−Fe−B系希土類焼結磁石体の内部に拡散させる方法を開示している。
さらに、特許文献3にはDyを4〜10質量%含有するR−T−B系合金と1080℃以上の融点を有する高融点化合物(Al、Ga、Mg、Nb、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれるいずれか1つの酸化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、又はケイ化物)とを混合し、成形、焼結することにより、Dy濃度を高くすることなく、高い保磁力が得られ、しかもDyを添加したことによる磁化(B)などの磁気特性の低下を抑制できることが記載されている。
国際公開第2013/008756号 国際公開第2007/102391号 国際公開第2010/073533号
一般に、R−T−B系焼結磁石を製造する際、B原料として、B含有量が必ずしも安定しないフェロボロン合金が用いられている。また、Bは製造工程上、含有量の変動が生じ易く、さらに、高精度に分析することが困難な元素であるため、厳密に管理することが極めて困難である。また、B量が少なくなるほど磁気特性に与える影響が大きくなり、B量の僅かな変動で磁気特性、特にHcJが大きく変動(急激に低下)してしまうことを本発明者らは見いだした。
特許文献1に記載の発明においては、B量が相対的に少ない特定の範囲に限定されているため、前記の通り、使用原料や製造過程に起因するB量の僅かな変動によりHcJが大きく変動(急激に低下)するという問題がある。また、特許文献1においては、従来と異なる新たな組成のR−T−B系合金を製造する必要があるため、合金の溶解および鋳造条件、粉砕条件、焼結条件、熱処理条件などの最適条件を全て一から見つけ出す必要があり、また、それらの各条件が現状の製造条件と異なる場合は、新たなR−T−B系合金を製造するたびに各設備の諸条件を変更する必要があるなど、製造に際して工数およびコストの増加を招くという問題がある。
さらに、特許文献1によれば従来に比べHcJの高いR−T−B系焼結磁石が得られるものの、電気自動車用モータやハイブリッド自動車用モータなどに使用する場合に要求される高いHcJを満足するためにはDyの使用は不可欠である。従って、Dyの使用量を削減するためには特許文献2に開示されるようなR−T−B系焼結磁石の表面から重希土類元素を供給し、内部に拡散させる方法などを適用せざるを得ない。
しかし、特許文献1のR−T−B系希土類焼結磁石に特許文献2に開示されるような方法を適用すると角形比H/HcJ(以下、単に「H/HcJ」という。HはJ[磁化の大きさ]−H[磁界の強さ]曲線の第2象限において、JがJ[残留磁化=B]の値に対して一定の割合の値になる位置のHの値。R−T−B系焼結磁石においては一定の割合の値として0.9×J[0.9×B]が用いられることが多い。)が大幅に低下するという問題があった。
また、特許文献3によればDy濃度を高くすることなく高い保磁力が得られるものの、そもそもR−T−B系合金に含有されるDy量が非常に多く(R−T−B系合金中に4〜10質量%)、重希土類元素RHをできるだけ使用することなくBを低下させずにHcJを向上させるというユーザーの要求を満足することができない。
さらに、特許文献3では高融点化合物としてAl、Ga、Mg、Nb、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれるいずれか1つの酸化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、又はケイ化物が用いられているが、それらの化合物に含まれる酸素、ホウ素、炭素、窒素、ケイ素などは焼結後においても磁石中に残存し、得られる磁石の磁気特性を劣化させる可能性がある。
本発明は、重希土類元素RHをできるだけ使用することなく、Bの低下を抑制しつつ高いHcJおよび高いH/HcJを有するR−T−B系焼結磁石を安定かつ安価で提供することを目的とする。
本発明の態様1に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法は、
R:27〜35質量%(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む)、
B:0.9〜1.0質量%、
Ga:0.15〜0.6質量%、
残部T(Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む)
および不可避的不純物を含有する合金粉末を準備する工程と、
Tiの水素化物の粉末を準備する工程と、
合金粉末とTiの水素化物の粉末とを混合後の混合粉末100質量%に含有されるTiが0.3質量%以下となるように混合し混合粉末を準備する工程と、
混合粉末を成形し成形体を準備する工程と、
成形体を焼結しR−T−B系焼結磁石素材を準備する工程と、
R−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施す工程と、
を含む。
本発明の態様2に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法は、態様1において、
R−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施す工程に代えて、
Dyおよび/またはTbを含む金属、合金または化合物からなるRH拡散源を準備する工程と、
RH拡散源のDyおよび/またはTbをR−T−B系焼結磁石素材に供給、拡散させるRH供給拡散処理を施す工程と、
RH供給拡散処理工程後のR−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施す工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の態様3に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法は、態様1または2において、B:0.91〜1.0質量%であることを特徴とする。
本発明の態様4に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法は、態様1から3のいずれかにおいて、
R−T−B系焼結磁石が、
14B化合物(Rは希土類元素の少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む)と、
13M化合物(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、MはGa、Al、CuおよびSiのうち少なくとも一種でありGaを必ず含む)と、
Tiの硼化物と、
が共存する組織を有する。
本発明の態様5に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法は、態様4において、
R−T−B系焼結磁石の任意の断面におけるR13M化合物の面積比率が1%以上である。
本発明の態様6に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法は、態様5において、
R−T−B系焼結磁石の任意の断面におけるR13M化合物の面積比率が2%以上である。
本発明によれば、重希土類元素RHをできるだけ使用することなく、Bの低下を抑制しつつ高いHcJおよび高いH/HcJを有するR−T−B系焼結磁石を安定かつ安価で提供することができる。
実施例3のR−T−B系焼結磁石のTi量とHcJとの関係を示すグラフである。 実施例3のR−T−B系焼結磁石のTi量とBとの関係を示すグラフである。 実施例3のR−T−B系焼結磁石のTi量とHとの関係を示すグラフである。 実施例3のR−T−B系焼結磁石のTi量とH/HcJとの関係を示すグラフである。 実施例4のR−T−B系焼結磁石のTi量とHcJとの関係を示すグラフである。 実施例5のR−T−B系焼結磁石のFE−TEMの組織観察結果を示す写真である。 図6の部位aの電子線回折の結晶構造を特徴づける回折図形を示す写真である。 図6の部位bの電子線回折の結晶構造を特徴づける回折図形を示す写真である。 図6の部位cの電子線回折の結晶構造を特徴づける回折図形を示す写真である。 TiBのX線回折結果を示すグラフである。 NdFe13Ga合金のX線回折結果を示すグラフである。
本発明は従来のR−T−B系焼結磁石とほぼ同様の組成(R、B、GaおよびFeなどを含み特許文献1の焼結磁石に比べB量が高い[0.9〜1.0質量%]組成)の合金粉末にTiの水素化物の粉末(以下、「Ti水素化物粉末」という)を所定量添加することを特徴とする。これによって、重希土類元素RHをできるだけ使用することなく、Bの低下を抑制しつつ高いHcJおよび高いH/HcJを有するR−T−B系焼結磁石を提供することができる。
本発明によるR−T−B系焼結磁石がBの低下を抑制しつつ高いHcJおよび高いH/HcJを有する理由は定かではないが、Ti水素化物粉末の添加によって、焼結および/または熱処理において、R13M化合物(代表的にはNdFe13Ga化合物)と、Tiの硼化物(代表的にはTiB化合物)が生成されることが起因していると考えられる。
本発明によれば、従来のR−T−B系焼結磁石とほぼ同様の組成の合金粉末を用いるため、B量の僅かな変動によりHcJが大きく変動(急激に低下)することがない。また、新たな合金、新たな工程などが必要とならず、基本的に既存の製造条件をそのまま適用することができる。従って、特許文献1の焼結磁石と同等以上の高いHcJを有する焼結磁石を特許文献1よりも安定かつ安価で提供することが可能となる。
また、本発明によるR−T−B系焼結磁石は、RH供給拡散処理によるH/HcJの低下を抑制することができる。この理由も定かではないが、前記と同様に、Ti水素化物粉末の添加によって、焼結および/または熱処理において、R13M化合物と、Tiの硼化物が生成されることに起因していると考えられる。
一方、前記特許文献3においては、高融点化合物(Al、Ga、Mg、Nb、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれるいずれか1つの酸化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、又はケイ化物)に含まれる酸素、ホウ素、炭素、窒素、ケイ素などが焼結後においても磁石中に残存し、得られる磁石の磁気特性を劣化させる可能性があるが、本発明にて使用するTi水素化物粉末は、焼結工程においてTiとH(水素)とに分解し水素は磁石から焼結炉内に放出され、最終的に焼結炉外へ排出される。従って、磁気特性を劣化させる可能性がほとんどない。
このように、本発明によれば、重希土類元素RHをできるだけ使用することなく、特許文献1の焼結磁石と同等以上の高いHcJを有し、かつBの低下を抑制しつつ高いH/HcJを有するR−T−B系焼結磁石を安定かつ安価で提供することができる。
以下、本発明について説明する。以下の説明において、前記特許文献2などのようにRH拡散源の重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石素材の表面に供給し、RHをR−T−B系焼結磁石素材の内部に拡散させることを「RH供給拡散処理」という。また、RH供給拡散処理を実施した後、RHの供給を行わずにRHをR−T−B系焼結磁石素材の内部に拡散させることを「RH拡散処理」という。さらに、焼結後のR−T−B系焼結磁石素材に施す熱処理並びにRH供給拡散処理後またはRH拡散処理後に施す熱処理を単に「熱処理」という。また、熱処理前のR−T−B系焼結磁石を「R−T−B系焼結磁石素材」といい、熱処理後のR−T−B系焼結磁石を「R−T−B系焼結磁石」という。
[1]R−T−B系焼結磁石の製造方法
(1)合金粉末を準備する工程
合金粉末を準備する工程において、合金粉末の組成は以下の通りである。
R:27〜35質量%、
B:0.9〜1.0質量%、
Ga:0.15〜0.6質量%、
残部Tおよび不可避的不純物を含有する。
前記組成において、各元素の含有量が前記範囲の下限未満あるいは上限を超えるとBの低下を抑制しつつ高いHcJおよび高いH/HcJを有するR−T−B系焼結磁石を得ることができなくなる場合がある。Bは0.91〜1.0質量%がより好ましい。Gaは0.2〜0.6質量%が好ましく、0.3〜0.6質量%がより好ましく、0.4〜0.6質量%がさらに好ましく、0.4〜0.5質量%が最も好ましい。
Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む。Nd以外の希土類元素としてはPrがあげられる。さらに少量のDy、Tb、GdおよびHoのうち少なくとも一種を含有してもよい。Dy、Tb、GdおよびHoのうち少なくとも一種の含有量はR−T−B系焼結磁石全体の1.0質量%以下であることが好ましい。Bの一部はCで置換することができる。Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む。Fe以外の遷移金属元素としてはCoがあげられる。さらに少量のV、Cr、Mn、Ni、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wなどを含有してもよい。
上記以外の元素としてCu、Alを含有してもよい。Cu、Alは磁気特性向上などを目的として積極的に添加してもよいし、使用原料や合金粉末の製造過程において不可避的に導入されるものを活用してもよい(不純物としてCu、Alを含有する原料を使用してもよい)。Cu、Alともにその含有量(積極的に添加する量と不可避的不純物として混入する量の合計)はそれぞれ0.5質量%以下であることが好ましい。
合金粉末を準備する工程は、前記組成となるように各元素の原料を秤量し、公知の製造方法により粉末となす。例えば、ストリップキャスティング法により合金を作製し、得られた合金を水素粉砕法により粗粉砕粉末となす。あるいは該粗粉砕粉末をジェットミルなどにより微粉砕し微粉砕粉末となす。合金粉末は粗粉砕粉末、微粉砕粉末のいずれであってもよい。
(2)Tiの水素化物の粉末を準備する工程
Ti水素化物粉末は市販のものを利用することができる。市販のTi水素化物粉末の粒径は、例えば気流分散式レーザー回折法による測定で得られる体積中心値であるD50で50μm程度である。Ti水素化物粉末は金属(Tiメタル)の状態に比べ非常に安定な物質であり、しかも、ジェットミルなどで粉砕することが可能であるため、市販のTi水素化物粉末をジェットミルなどにより微粉砕し微粉砕粉末(D50で5μm以下)となしても比較的安全に取り扱うことができるという利点を有する。
また、先述の通り、前記特許文献3においては、高融点化合物(Al、Ga、Mg、Nb、Si、Ti、Zrからなる群から選ばれるいずれか1つの酸化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、又はケイ化物)に含まれる酸素、ホウ素、炭素、窒素、ケイ素などが焼結後においても磁石中に残存し、得られる磁石の磁気特性を劣化させる可能性があるが、本発明にて使用するTi水素化物粉末は、焼結工程においてTiとH(水素)とに分解し水素は磁石から焼結炉内に放出され、最終的に焼結炉外へ排出される。従って、磁気特性を劣化させる可能性がほとんどないという利点を有する。また、これによってR−T−B系焼結磁石の酸素含有量、炭素含有量、窒素含有量の増加を抑制することができ、例えば、酸素含有量2000ppm以下、炭素含有量1500ppm以下、窒素含有量1000ppm以下のR−T−B系焼結磁石を製造することができ、より一層磁気特性を向上させることができる。
(3)混合粉末を準備する工程
前記によって準備した合金粉末とTi水素化物粉末は、混合後の混合粉末100質量%に含有されるTiが0.3質量%以下となるように混合し、混合粉末となす。混合後の混合粉末100質量%に含有されるTiが0.3質量%を超えるとBの低下を抑制しつつ高いHcJおよび高いH/HcJを有するR−T−B系焼結磁石を得ることができなくなる。Tiの混合量は0.05〜0.3質量%が好ましく、0.12〜0.3質量%がより好ましく、0.18〜0.3質量%がさらに好ましく、0.22〜0.3質量%が最も好ましい。混合は粗粉砕粉末からなる合金粉末と(未粉砕の)Ti水素化物粉末とを混合した後ジェットミルなどにより微粉砕することが好ましい。混合後に微粉砕することによってより均一に混合することができるとともに合金粉末およびTi水素化物粉末の微粉砕粉末からなる混合粉末を、従来と同様の工程で新たな工程を追加することなく準備することができる。もちろん合金粉末とTi水素化物粉末を別々に微粉砕した後公知の混合手段によって混合して混合粉末を準備してもよい。この場合、混合は乾式、湿式のいずれであってもよい。
(4)成形体を準備する工程
前記混合粉末を成形し成形体となす。成形は公知の成形手段で行う。例えば、金型のキャビティー内に乾燥した合金粉末を供給し磁界中で成形する乾式成形法、あるいは金型のキャビティー内に合金粉末を含むスラリーを注入しスラリーの分散媒を排出しながら合金粉末を磁界中で成形する湿式成形法などを適用することができる。
(5)R−T−B系焼結磁石素材を準備する工程
前記成形体を焼結しR−T−B系焼結磁石素材(焼結体)となす。焼結は公知の焼結手段で行う。例えば、焼結温度1000℃以上1180℃以下、焼結時間1時間から10時間程度、真空雰囲気中あるいは不活性ガス(ヘリウムやアルゴンなど)中で焼結する方法などを適用することができる。
(6)R−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施す工程
前記R−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施しR−T−B系焼結磁石となす。熱処理の温度、時間、雰囲気などは公知の条件を適用することができる。例えば、比較的低い温度(400℃以上600℃以下)のみでの熱処理(一段熱処理)、あるいは比較的高い温度(700℃以上焼結温度以下(例えば1050℃以下))で熱処理を行った後比較的低い温度(400℃以上600℃以下)で熱処理する(二段熱処理)などの条件を採用することができる。好ましい条件としては、730℃以上1020℃以下で5分から500分程度の熱処理を施し、冷却後(室温または440℃以上550℃以下まで冷却後)、さらに440℃以上550℃以下で5分から500分程度熱処理することが挙げられる。熱処理雰囲気は、真空雰囲気あるいは不活性ガス(ヘリウムやアルゴンなど)で行うことが好ましい。
R−T−B系焼結磁石のHcJをさらに向上させるためにRH供給拡散処理を施す場合は、前記R−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施す工程に代えて以下の工程を実施する。
(7)RH拡散源を準備する工程
Dyおよび/またはTbを含む金属、合金または化合物からなるRH拡散源を準備する工程は、前記特許文献2などの公知のRH供給拡散処理に開示される工程を適用することができる。
(8)RH供給拡散処理を施す工程
RH拡散源のDyおよび/またはTbをR−T−B系焼結磁石素材に供給、拡散させるRH供給拡散処理を施す工程は、前記特許文献2などの公知のRH供給拡散処理に開示される工程を適用することができる。なお、RH供給拡散処理は、特許文献2のように、RH拡散源から重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石素材の表面に供給しつつ内部に拡散させる方法でもよいし、RHを含む金属、合金、化合物などを成膜(乾式法または湿式法)や塗布により予めR−T−B系焼結磁石素材の表面に存在させた後、熱処理によってR−T−B系焼結磁石素材内部に拡散させる方法でもよい。
前記RH供給拡散処理によってR−T−B系焼結磁石素材内部に供給されたDyおよび/またはTbをさらに内部へ拡散させる目的でRH拡散処理を行ってもよい。RH拡散処理はRH供給拡散処理を実施した後、新たにRH拡散源からDyおよび/またはTbの供給を行わずに加熱を行う。例えば、RH供給拡散処理を実施した後、引き続きRH拡散処理を行う場合は、新たにRH供給源からDyおよび/またはTbが供給されない条件下で、好ましくは700℃以上1000℃以下、より好ましくは800℃以上950℃以下で実施する。あるいは、RH供給拡散処理を実施した後、R−T−B系焼結磁石素材のみを回収した場合は、当該R−T−B系焼結磁石素材に対して大気圧以下の真空または不活性ガス雰囲気中で、好ましくは700℃以上1000℃以下、より好ましくは800℃以上950℃以下で実施する。処理時間は例えば10分から24時間程度、より好ましくは1時間から6時間程度である。RH拡散処理によりR−T−B系焼結磁石素材内部においてDyおよび/またはTbの拡散が生じ、表層付近に供給されたDyおよび/またはTbがさらに奥深くに拡散し、磁石全体としてHcJを高めることができる。
(9)R−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施す工程
RH供給拡散処理工程後(RH供給拡散処理工程後にRH拡散工程を行ってもよい)のR−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施しR−T−B系焼結磁石となす。この熱処理は上記(6)の熱処理と同様である。
[2]R−T−B系焼結磁石
前記の通り、Ti水素化物粉末の添加によって、焼結および/または熱処理(熱処理を施す工程に代えてRH供給拡散処理および熱処理を施す場合も含む)において、R13M化合物(代表的にはNdFe13Ga化合物)と、Tiの硼化物(代表的にはTiB化合物)が生成される。すなわち、本発明のR−T−B系焼結磁石の製造方法によって得られるR−T−B系焼結磁石は、R14B化合物と、R13M化合物と、Tiの硼化物と、が共存する組織を有する。
14B化合物において、Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む。Nd以外の希土類元素としてはPrがあげられる。さらに少量のDy、Tb、GdおよびHoのうち少なくとも一種を含有してもよい。Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む。Fe以外の遷移金属元素としてはCoがあげられる。Bの一部はCで置換することができる。
13M化合物において、Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む。Nd以外の希土類元素としてはPrがあげられる。さらに少量のDy、Tb、GdおよびHoのうち少なくとも一種を含有してもよい。Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む。Fe以外の遷移金属元素としてはCoがあげられる。Mは主としてGaである。R13M化合物は代表的にはNdFe13Ga化合物である。R13M化合物はLaCo11Ga型結晶構造を有する。R13M化合物はその状態によってはR13−α1+α化合物(αは典型的には2以下)になっている場合がある。なお、MとしてGaのみを用いた場合においてもR−T−B系焼結磁石中にAl、CuおよびSiが含有される場合R13−α(Ga1−x−y−zCuAlSi1+αになっている場合がある。
本発明のR−T−B系焼結磁石の製造方法によって得られるR−T−B系焼結磁石には、その任意の断面においてR13M化合物が面積比率で1%以上含まれている。さらに、より高いHcJを有する場合はR13M化合物が面積比率で2%以上含まれている。なお、R13M化合物の面積比率は、後述する実施例に示す通り、R−T−B系焼結磁石の任意の断面のFE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)による反射電子像(BSE像)の画像を市販の画像解析ソフトにより解析することにより求めることができる。なお、本明細書において「任意の断面」とは、例えば、中心部を含む断面のように本発明に係るR−T−B系焼結磁石の典型的な特徴が示されるという合理的期待の基に選択される任意の断面を意味し、本発明の特徴が示されないように恣意的に選択した断面を含むものではない。
Tiの硼化物は代表的にはTiB化合物である。TiB化合物とともにTiB化合物が存在する場合もある。なお、前記特許文献3の実施例には、高融点化合物がTiCであるとき、TiCが焼結中にR−T−B系希土類永久磁石の材料中のBと反応してTiBが生成し粒界に存在することが記載されている。しかしながら、TiCから分離したC(炭素)は焼結後においても磁石中に残存し、得られる磁石の磁気特性を劣化させる可能性がある。また、特許文献3の実施例においてはGa含有量が0.08質量%であるため、前記R13M化合物がほとんど生成されていないと考えられる。従って、特許文献3においては、本発明のような、R14B化合物と、R13M化合物と、Tiの硼化物と、が共存する組織を有するR−T−B系焼結磁石は得られていないと考えられる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
表1のA、Bに示す合金組成となるように各元素の原料を秤量し、ストリップキャスティング法により合金を作製した。得られた各合金を水素粉砕法により粗粉砕し粗粉砕粉末を得た。得られた合金Aの粗粉砕粉末に混合後の混合粉末の組成が表2の試料No.2〜6に示す組成となるようにTiHを混合し混合粉末(粗粉砕粉末の混合粉末)を準備した。なお、試料No.1は合金Aの粗粉砕粉末、試料No.7は合金Bの粗粉砕粉末であり、いずれもTiHは混合されていない。前記試料No.2〜6の混合粉末および試料No.1、7の粗粉砕粉末をそれぞれジェットミルにより微粉砕し、粒径D50(気流分散式レーザー回折法による測定で得られる体積中心値、以下同様)が4.2μmの試料No.2〜6の混合粉末(微粉砕粉末の混合粉末)および試料No.1、7の微粉砕粉末を準備した。
Figure 0006094612
Figure 0006094612
試料No.2〜6の混合粉末および試料No.1、7の微粉砕粉末を直角磁界成形装置(横磁界成形装置)にて磁界強度0.8MA/m、圧力49MPa(0.5ton/cm)で厚み12mm×幅26mm×長さ55mm(幅方向が磁界印加方向)の成形体をそれぞれ2個成形した後、得られた成形体を1030℃で4時間焼結し、試料No.2〜6の混合粉末および試料No.1、7の微粉砕粉末に基づくR−T−B系焼結磁石素材(以下、「試料No.**のR−T−B系焼結磁石素材」という、以下同様)をそれぞれ2個準備した。
試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石の磁気特性を測定するため、試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石素材のそれぞれ2個のうち1個に、真空雰囲気下、880℃の温度で3時間の熱処理を施し、冷却後、さらに500℃で2時間、真空雰囲気下で熱処理を行った。得られた試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石素材に基づくR−T−B系焼結磁石(以下、「試料No.**のR−T−B系焼結磁石」という、以下同様)をそれぞれ切断および研削し厚み7.0mm×幅7.0mm×長さ7.0mmに加工した。加工後の試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサによって測定した。測定結果を表3に示す。なお、H/HcJにおいて、HはJ(磁化の大きさ)−H(磁界の強さ)曲線の第2象限において、Jが0.9×J(Jは残留磁化、J=B)の値になる位置のHの値(以下同様)である。
Figure 0006094612
表3の通り、合金粉末にTiHを混合、成形、焼結および熱処理したR−T−B系焼結磁石(試料No.2〜6、本発明例)はTiH粉末を混合しないもの(試料No.1、比較例)に比べ、HcJが大きく向上することが分かる。また、混合粉末100質量%に含有されるTi量が0.22〜0.27の範囲で特にHcJが向上していることが分かる。さらに、TiHの添加によりBは若干低下するもののHcJの向上効果に対するBの低下はそれほど大きくない。すなわち、Bの低下を抑制しつつHcJが向上している。さらに、H/HcJはいずれの試料も0.98という高い値を有している。なお、試料No.7は特許文献1の再現例であり、他の試料に比べB量が低い(0.88質量%)。表3の通り、RH供給拡散処理前の試料No.7のR−T−B系焼結磁石のHcJおよびBは本発明とほぼ同じであるが前記の通り、特許文献1によるR−T−B系焼結磁石においては、使用原料や製造過程に起因するB量の僅かな変動によりHcJが大きく変動(急激に低下)するという問題がある。
次に、試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石素材の2個のうち1個をそれぞれ切断および研削し厚み7.4mm×幅7.4mm×長さ7.4mmに加工した。加工後の試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石素材のそれぞれについて、Mo板上に、板状のDyメタルからなるRH拡散源、保持部材、R−T−B系焼結磁石素材、保持部材、板状のDyメタルからなるRH拡散源の順で積層することにより、7種類の積層体を準備した。なお、保持部材にはMo製の平織り金網を用いた。前記7種類の積層体を熱処理炉内へ装入し、圧力0.1Paの真空雰囲気下、880℃の温度で5.5時間RH供給拡散処理を行った。その後炉内を冷却し、試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石素材のみを取り出した。RH供給拡散処理後の試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石素材を、真空雰囲気下、880℃の温度で5時間RH拡散処理を行い、冷却後、500℃で2時間、真空雰囲気下で熱処理を行い、No.1〜7のR−T−B系焼結磁石を得た。得られた試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石の全面を0.2mmずつ研削し厚み7.0mm×幅7.0mm×長さ7.0mmに加工した。加工後の試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石の磁気特性をパルスB−Hトレーサによって測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 0006094612
表4の通り、合金粉末にTiHを混合、成形および焼結したR−T−B系焼結磁石素材にRH供給拡散処理、RH拡散処理および熱処理を施したR−T−B系焼結磁石(試料No.2〜6、本発明例)は、TiH粉末を混合しないもの(試料No.1、比較例)に比べ、高いHcJを有していることが分かる。また、RH供給拡散処理後においてもBおよびH/HcJの低下は僅かであり、高いBおよび高いH/HcJを有していることが分かる。一方、特許文献1の再現例である試料No.7のR−T−B系焼結磁石はRH供給拡散前に比べH/HcJが大幅に低下している。
実施例2
表5のCに示す合金組成となるように各元素の原料を秤量し、ストリップキャスティング法により合金を作製した。得られた合金を水素粉砕法により粗粉砕し粗粉砕粉末を得た。得られた合金Cの粗粉砕粉末に混合後の混合粉末の組成が表6に示す組成となるようにTiHを混合し、試料No.8〜11の混合粉末(粗粉砕粉末の混合粉末)を準備した。前記試料No.8〜11の混合粉末をそれぞれジェットミルにより微粉砕し、粒径D50が4.2μmの試料No.8〜11の混合粉末(微粉砕粉末の混合粉末)を準備した。
Figure 0006094612
Figure 0006094612
試料No.8〜11の混合粉末を実施例1と同様な方法により成形、焼結し、試料No.8〜11の混合粉末に基づくR−T−B系焼結磁石素材をそれぞれ2個準備した。試料No.8〜11のR−T−B系焼結磁石の磁気特性を測定するため、試料No.8〜11のR−T−B系焼結磁石素材のそれぞれ2個のうち1個に実施例1と同様の熱処理および加工を行った。得られた試料No.8〜11のR−T−B系焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサによって測定した。測定結果を表7に示す。
Figure 0006094612
本実施例は実施例1の合金Aの組成とB量(0.95を0.93に)、Ga量(0.4を0.2に)およびCo量(0.5を2.0に)を異ならせた例である。表7の通り、合金Aに基づくR−T−B系焼結磁石の磁気特性に比べて若干劣るものの、優れた磁気特性が得られている。
次に、試料No.8〜11のR−T−B系焼結磁石素材の2個のうち1個を実施例1と同様の形状に加工した後、実施例1と同様の方法によりRH供給拡散処理、RH拡散処理および熱処理を行った。得られた試料No.8〜11のR−T−B系焼結磁石を実施例1と同様に加工した後、パルスB−Hトレーサによって磁気特性を測定した。測定結果を表8に示す。
Figure 0006094612
表8の通り、合金粉末にTiHを混合、成形および焼結したR−T−B系焼結磁石素材にRH供給拡散処理を施したR−T−B系焼結磁石は、Bの低下を抑制しつつ高いHcJおよび高いH/HcJを有していることが分かる。
実施例3
表9のD〜Fに示す合金組成となるように各元素の原料を秤量し、ストリップキャスティング法により合金を作製した。得られた各合金を水素粉砕法により粗粉砕し粗粉砕粉末を得た。得られた合金D〜Fの粗粉砕粉末に混合後の混合粉末の組成が表10に示す組成となるようにTiHを混合し、試料No.13〜15、17〜20、22〜25の混合粉末(粗粉砕粉末の混合粉末)を準備した。なお、試料No.12は合金Dの粗粉砕粉末、試料No.16は合金Eの粗粉砕粉末、試料No.21は合金Fの粗粉砕粉末であり、いずれもTiHは混合されていない。前記各混合粉末および粗粉砕粉末をそれぞれジェットミルにより微粉砕し、粒径D50が4.2μmの試料No.13〜15、17〜20、22〜25の混合粉末(微粉砕粉末の混合粉末)および試料No.12、16および21の微粉砕粉末を準備した。
Figure 0006094612
Figure 0006094612
試料No.13〜15、17〜20、22〜25の混合粉末および試料No.12、16および21の微粉砕粉末を実施例1と同様な方法により成形、焼結し、試料No.13〜15、17〜20、22〜25の混合粉末および試料No.12、16および21の微粉砕粉末に基づくR−T−B系焼結磁石素材を準備した。
試料No.12〜25のR−T−B系焼結磁石の磁気特性を測定するため、試料No.12〜25のR−T−B系焼結磁石素材に実施例1と同様の熱処理および加工を行った。得られた試料No.12〜25のR−T−B系焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサによって測定した。測定結果を図1〜図4並びに表11に示す。図1は横軸がTi量、縦軸がHcJの測定結果を示し、図2は横軸がTi量、縦軸がBの測定結果を示し、図3は横軸がTi量、縦軸がHの測定結果を示し、図4は横軸がTi量、縦軸がH/HcJの測定結果を示す。図1〜図4において丸形のプロットが試料No.12〜15、三角形のプロットが試料No.16〜20、菱形のプロットが試料No.21〜25を示す。
Figure 0006094612
本実施例は合金のB量を変化させた例である。図1に示す通り、合金粉末にTiHを混合、成形、焼結および熱処理したR−T−B系焼結磁石(試料No.13〜15、17〜20、22〜25、本発明例)は、いずれのB量においてもTiH粉末を混合しないもの(試料No.12、16および21、比較例)に比べ、HcJが大きく向上することが分かる。また、混合粉末100質量%に含有されるTi量が0.18〜0.25の範囲で特にHcJが向上していることが分かる。
また、図2に示す通り、本発明によるR−T−B系焼結磁石はBが低下するもののHcJの向上効果に対するBの低下はそれほど大きくない。すなわち、Bの低下を抑制しつつHcJが向上している。さらに、図3に示す通りHも高く、図4に示す通りH/Hcjはいずれの試料も0.95を超える高い値を有している。
実施例4
実施例3の合金Eの粗粉砕粉末に、混合後の混合粉末100質量%に含有されるTiが0〜0.3(TiHは0〜0.31、TiOは0〜0.18)となるようにTiH、TiO、TiB、TiCおよびTiNの各粉末を混合し、実施例1と同様の方法で微粉砕、成形、焼結および熱処理を行いR−T−B系焼結磁石を得た。得られたR−T−B系焼結磁石のHcJをB−Hトレーサによって測定した。測定結果を図5並びに表12に示す。図5は横軸がTi量、縦軸がHcJの測定結果を示し、丸形のプロットがTiH、三角形のプロットがTiO、菱形のプロットがTiB、四角のプロットがTiC、×印のプロットがTiNを混合した場合を示す。
Figure 0006094612
図5に示す通り、TiHを混合した場合にHcJが大きく向上していることが分かる。前記の通り、TiO、TiB、TiCおよびTiNに含まれる酸素、ホウ素、炭素、窒素などは焼結後においても磁石中に残存し、得られる磁石の磁気特性を劣化させている可能性がある。本発明にて使用するTiHは、焼結工程においてTiとH(水素)とに分解し水素は磁石から焼結炉内に放出され、最終的に焼結炉外へ排出される。従って、磁気特性を劣化させる可能性がほとんどない。
実施例5
実施例3の試料No.18のR−T−B系焼結磁石についてFE−TEM(電界放射型透過電子顕微鏡、HF−2100、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)による組織観察を行った。その結果(DF−STEM像)を図6に示す。また、図6に示す部位a、b、cについてEDS(エネルギー分散型X線分光法)による組成分析を行った。その結果を表13に示す。なお、部位aおよびbについてはBの分析は行っていない。また、部位a、b、cについて電子線回折の結晶構造を特徴づける回折図形を撮影した。その結果を図7〜9に示す。図7が部位a、図8が部位b、図9が部位cの回折図形である。
さらに、化合物を同定するためR13M化合物とTiの硼化物の標準試料について前記と同様にEDSにより組成分析を行った。その結果を表14に示す。Tiの硼化物の標準試料としては市販のTiBを用いた。まず念のため市販のTiBをX線回折装置によりX線回折しTiB化合物に間違いないことを確認した。X線回折の結果を図10に示す。R13M化合物の標準試料としては、RとしてNdを、TとしてFeを、MとしてGaを用い、NdFe13Ga化合物の質量%の理論値であるNd:52.1、Fe:43.7、Ga:4.2となるようにNd、Fe、Gaを秤量、溶解して合金を作製した。得られた合金の分析結果を表15に示す。この合金のX線回折を測定しLaCo11Ga型結晶構造のNdFe13Ga化合物に間違いないことを確認した。X線回折の結果を図11に示す。
Figure 0006094612
Figure 0006094612
Figure 0006094612
表13の部位aのEDSによる組成分析結果ならびに図7示す部位aの電子線回折の結晶構造を特徴づける回折図形の結果にから、部位aはNdFe14B化合物であることを確認した。
また、表13〜表15の組成分析結果ならびに図8に示す部位bの電子線回折の結晶構造を特徴づける回折図形の結果から、部位bはNdFe13Ga化合物であると同定した。すなわち、部位bのEDSによる組成分析結果と標準試料の組成分析結果とでNd量が若干異なるものの、構成元素がR(NdとPr)とFeとGaを主体としていること、図8に示す部位bの電子線回折の結晶構造を特徴づける回折図形の結果がNdFe13Ga化合物の結晶構造と同様であることから、部位bがNdFe13Ga化合物であると同定した。
さらに、表13〜表15の組成分析結果ならびに図9に示す部位cの電子線回折の結晶構造を特徴づける回折図形の結果から、部位cはTiB化合物であると同定した。すなわち、部位cのEDSによる組成分析結果と標準試料の組成分析結果とが類似しており、構成元素がTiとBとからなること、図9に示す部位cの電子線回折の結晶構造を特徴づける回折図形の結果がTiB化合物の結晶構造と同様であることから、部位cがTiB化合物であると同定した。
以上の通り、Ti水素化物粉末の添加によって、焼結および/または熱処理において、R13M化合物(代表的にはNdFe13Ga化合物)と、Tiの硼化物(代表的にはTiB化合物)が生成される。すなわち、本発明のR−T−B系焼結磁石の製造方法によって得られるR−T−B系焼結磁石は、R14B化合物と、R13M化合物と、Tiの硼化物と、が共存する組織を有していることが明らかである。
実施例6
実施例1の試料No.1〜7のR−T−B系焼結磁石(RH供給拡散処理、RH拡散処理が施されていないR−T−B系焼結磁石)の任意の断面について、鏡面加工を施した後、その鏡面の一部をクロスセクションポリッシャ(SM−09010、日本電子株式会社製)によってイオンビーム加工を施した。次に、その加工面をFE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡、JSM−7001F、日本電子株式会社製)によって観察(加速電圧5kV、ワーキングディスタンス4mm、TTLモード、倍率2000倍)した。そして、FE−SEMによる反射電子像(BSE像)を画像解析ソフト(Scandium、OLYMPUS SOFT IMAGING SOLUTIONS GMBH製)により解析し、R13M化合物(代表的にはNdFe13Ga化合物)の面積比率を求めた。FE−SEMによるBSE像はその領域を構成する元素の平均原子番号が大きいほど明るく表示され、元素の原子番号が小さいほど暗く表示される。例えば、粒界相(希土類リッチ相)は明るく表示され、主相(R14B相)や酸化物などは暗く表示される。R13M化合物はその中間くらいの明るさで表示される。画像解析ソフトによる解析は、画像処理によりBSE像の明るさを横軸、頻度(面積)を縦軸としたグラフを作成し、EDS(エネルギー分散型X線分光法)によりR13M化合物を探索し、前記グラフ内の特定の明るさと対応させ、R13M化合物の面積比率を求めた。この解析を断面上の異なる5視野(各視野の広さは45μm×60μm)のBSE像についてそれぞれ行い、その平均値をR13M化合物の面積比率とした。その結果を表16に示す。
Figure 0006094612
合金粉末にTiHを混合、成形、焼結および熱処理したR−T−B系焼結磁石(試料No.2〜6、本発明例)は、前記の通り、R14B化合物と、R13M化合物と、Tiの硼化物とが共存する組織を有し、表16の通り、R13M化合物が面積比率で1%以上存在しており、特により高いHcJを有する場合はR13M化合物が面積比率で2%以上存在している。一方、TiH粉末を混合しないもの(試料No.1、比較例)および特許文献1の再現例である試料No.7(比較例)は、R13M化合物は面積比率で1%以上存在しているものの、Tiの硼化物は生成されていない。本発明によるR−T−B系焼結磁石がBの低下を抑制しつつ高いHcJおよび高いH/HcJ有するのは、R14B化合物と、R13M化合物と、Tiの硼化物とが共存する組織並びにR13M化合物の存在量に起因するものと考えられる。
実施例7
実施例2の試料No.8〜11のR−T−B系焼結磁石(RH供給拡散処理、RH拡散処理が施されていないR−T−B系焼結磁石)について、実施例6と同様の方法によりR13M化合物の面積比率を求めた。その結果を表17に示す。
Figure 0006094612
合金粉末にTiHを混合、成形、焼結および熱処理したR−T−B系焼結磁石(試料No.8〜11、本発明例)は、前記の通り、R14B化合物と、R13M化合物と、Tiの硼化物とが共存する組織を有し、表17の通り、R13M化合物が面積比率で1%以上存在している。
実施例8
表18のG、Hに示す合金組成となるように各元素の原料を秤量し、ストリップキャスティング法により合金を作製した。得られた各合金を水素粉砕法により粗粉砕し粗粉砕粉末を得た。得られた合金Gの粗粉砕粉末に混合後の混合粉末の組成が表19の試料No.48〜52に示す組成となるようにTiHを混合し混合粉末(粗粉砕粉末の混合粉末)を準備した。なお、試料No.47は合金Gの粗粉砕粉末、試料No.53は合金Hの粗粉砕粉末であり、いずれもTiHは混合されていない。前記試料No.48〜52の混合粉末および試料No.47、53の粗粉砕粉末をそれぞれジェットミルにより微粉砕し、粒径D50(気流分散式レーザー回折法による測定で得られる体積中心値、以下同様)が4.2μmの試料No.48〜52の混合粉末(微粉砕粉末の混合粉末)および試料No.47、53の微粉砕粉末を準備した。
Figure 0006094612
Figure 0006094612
試料No.48〜52の混合粉末および試料No.47、53の粗粉砕粉末を実施例1と同様な方法により成形、焼結し、試料No.48〜52の混合粉末および試料No.47、53の粗粉砕粉末に基づくR−T−B系焼結磁石素材を準備した。試料No.47〜53のR−T−B系焼結磁石の磁気特性を測定するため、試料No.47〜53のR−T−B系焼結磁石素材に実施例1と同様の熱処理および加工を行った。得られた試料No.47〜53のR−T−B系焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサによって測定した。測定結果を表20に示す。また、実施例6と同様の方法によりR13M化合物の面積比率を求めた。その結果を表20に示す。
Figure 0006094612
本実施例は実施例1の合金Aの組成を変化させたものであり、特にGa量を0.4質量%から0.5質量%に増加させた例である。表20の通り、合金粉末にTiHを混合、成形、焼結および熱処理したR−T−B系焼結磁石(試料No.48〜52、本発明例)は、TiH粉末を混合しないもの(試料No.47、比較例)に比べ、高いHcJを有していることが分かる。一方、特許文献1の再現例である試料No.53のR−T−B系焼結磁石はHcJおよびBは本発明例と同程度であるがH/HcJが大きく低下している。
また、本実施例によるR−T−B系焼結磁石は、Ti量が0.22〜0.27の範囲で、Bの低下を抑制しつつ1500kA/m以上の高いHcJを有している。例えば、Ti量が同じ0.22の本実施例の試料No.50と実施例1の試料No.3とを比較すると、HcJが50kA/m程度向上しているのにBはほとんど低下していない。
さらに、合金粉末にTiHを混合、成形、焼結および熱処理したR−T−B系焼結磁石(試料No.48〜52、本発明例)は、前記の通り、R14B化合物と、R13M化合物と、Tiの硼化物とが共存する組織を有し、表32の通り、R13M化合物が面積比率で2%以上存在している。
実施例9
表21のI、Jに示す合金組成となるように各元素の原料を秤量し、ストリップキャスティング法により合金を作製した。得られた各合金を水素粉砕法により粗粉砕し粗粉砕粉末を得た。得られた合金Iの粗粉砕粉末に混合後の混合粉末の組成が表22の試料No.55〜59に示す組成となるようにTiHを混合し混合粉末(粗粉砕粉末の混合粉末)を準備した。なお、試料No.54は合金Iの粗粉砕粉末、試料No.60は合金Jの粗粉砕粉末であり、いずれもTiHは混合されていない。前記試料No.55〜59の混合粉末および試料No.54、60の粗粉砕粉末をそれぞれジェットミルにより微粉砕し、粒径D50(気流分散式レーザー回折法による測定で得られる体積中心値、以下同様)が4.2μmの試料No.55〜59の混合粉末(微粉砕粉末の混合粉末)および試料No.54、60の微粉砕粉末を準備した。
Figure 0006094612
Figure 0006094612
試料No.55〜59の混合粉末および試料No.54、60の粗粉砕粉末を実施例1と同様な方法により成形、焼結し、試料No.55〜59の混合粉末および試料No.54、60の粗粉砕粉末に基づくR−T−B系焼結磁石素材を準備した。試料No.54〜60のR−T−B系焼結磁石の磁気特性を測定するため、試料No.54〜60のR−T−B系焼結磁石素材に実施例1と同様の熱処理および加工を行った。得られた試料No.54〜60のR−T−B系焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサによって測定した。測定結果を表23に示す。また、実施例6と同様の方法によりR13M化合物の面積比率を求めた。その結果を表23に示す。
Figure 0006094612
本実施例は実施例8の合金GのAl量を0.1質量%から0.3質量%に増加させた例である。表23の通り、合金粉末にTiHを混合、成形、焼結および熱処理したR−T−B系焼結磁石(試料No.55〜59、本発明例)は、TiH粉末を混合しないもの(試料No.54、比較例)に比べ、高いHcJを有していることが分かる。一方、特許文献1の再現例である試料No.60のR−T−B系焼結磁石はHcJおよびBは本発明例と同程度であるがH/HcJが大きく低下している。
また、本実施例によるR−T−B系焼結磁石は、Ti量が0.19質量%で約1500kA/m、Ti量が0.22〜0.27質量%の範囲で1500kA/m以上の高いHcJを有している。さらに、本実施例によるR−T−B系焼結磁石は、前記の通り、R14B化合物と、R13M化合物と、Tiの硼化物とが共存する組織を有し、表23の通り、R13M化合物が面積比率で1.9%以上、特により高いHcJを有する試料No.56〜59ではR13M化合物が面積比率で2%以上存在している。
本発明により得られたR−T−B系焼結磁石は、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)や、電気自動車用モータ、ハイブリッド自動車用モータなどの各種モータ、家電製品などに好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. 14 B化合物(Rは希土類元素の少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む)と、
    13 M化合物(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、MはGa、Al、CuおよびSiのうち少なくとも一種でありGaを必ず含む)と、
    Tiの硼化物と、
    が共存する組織を有し、
    任意の断面におけるR6T13M化合物の面積比率が2%以上であるR−T−B系焼結磁石の製造方法であって、
    R:27〜35質量%(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む)、
    B:0.9〜1.0質量%、
    Ga:0.15〜0.6質量%、
    残部T(Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む)および不可避的不純物を含有する合金粉末を準備する工程と、
    Tiの水素化物の粉末を準備する工程と、
    合金粉末とTiの水素化物の粉末とを混合後の混合粉末100質量%に含有されるTiが0.3質量%以下となるように混合し混合粉末を準備する工程と、
    混合粉末を成形し成形体を準備する工程と、
    成形体を焼結しR−T−B系焼結磁石素材を準備する工程と、
    R−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施す工程と、
    を含むことを特徴とするR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  2. R−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施す工程に代えて、
    Dyおよび/またはTbを含む金属、合金または化合物からなるRH拡散源を準備する工程と、
    RH拡散源のDyおよび/またはTbをR−T−B系焼結磁石素材に供給、拡散させるRH供給拡散処理を施す工程と、
    RH供給拡散処理工程後のR−T−B系焼結磁石素材に熱処理を施す工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  3. B:0.91〜1.0質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
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