JP6056498B2 - ジチエノベンゾジフラン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
上記に挙げた溶媒と一般式(1)で示されるジチエノベンゾジフラン誘導体を混合し、加熱・攪拌することにより、一般式(1)で示されるジチエノベンゾジフラン誘導体の溶液、ドロップキャスト製膜用溶液を調製することができる。加熱・攪拌する際の温度は15〜70℃が好ましく、特に好ましくは20〜60℃である。加熱・攪拌する際の一般式(1)で示されるジチエノベンゾジフラン誘導体の濃度は、0.1〜10.0重量%であることが好ましい。
装置;(商品名)GC14B(島津製作所製)。
カラム;(商品名)DB−1,30m(J&Wサイエンティフィック社製)。
装置;(商品名)オートシステムXL(パーキンエルマー製)(MS部;ターボマスゴールド)。
カラム;(商品名)DB−1,30m(J&Wサイエンティフィック社製)。
装置;東ソー製(コントローラー;PX−8020、ポンプ;CCPM−II、デガッサー;SD−8022)。
カラム;(商品名)ODS−100V(東ソー製)、5μm、4.6mm×250mm。
カラム温度;23℃。
溶離液;ジクロロメタン:アセトニトリル=4:6(容積比)。
流速;1.0ml/分。
検出器;UV(東ソー製、(商品名)UV−8020、波長;254nm)。
(1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジメトキシベンゼンの合成((A)工程))
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器にイソプロピルマグネシウムブロマイド(東京化成工業製、0.80M)のTHF溶液4.5ml(3.6mmol)及びTHF10mlを添加した。この混合物を−75℃に冷却し、2,3−ジブロモチオフェン(和光純薬工業製)873mg(3.61mmol)を滴下した。−75℃で30分間熟成後、塩化亜鉛(シグマ−アルドリッチ製、1.0M)のジエチルエーテル溶液3.6ml(3.6mmol)を滴下した。徐々に室温まで昇温した後、生成した白色スラリー液を減圧濃縮し、10mlの軽沸分を留去した。得られた白色スラリー液(3−ブロモチエニル−2−ジンククロライド)に、1,4−ジブロモ−2,5−ジメトキシベンゼン(シグマ−アルドリッチ製)296mg(1.00mmol)、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)116mg(0.0338mmol、1,4−ジブロモ−2,5−ジメトキシベンゼンに対し10モル%)及びTHF10mlを添加した。65℃で30時間反応を実施した後、容器を水冷し3N塩酸3mlを添加することで反応を停止させた。トルエンで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサンからヘキサン/ジクロロメタン=5/1)、さらにトルエンから再結晶精製し、1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジメトキシベンゼンの薄黄色固体189mgを得た(収率41%)。
MS m/z:460(M+,100%),300(M+−2Br,23)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジメトキシベンゼン189mg(0.411mmol)及びジクロロメタン6mlを添加した。この混合物を0℃に冷却し、3臭化ホウ素(和光純薬工業製、1.0M)のジクロロメタン溶液1.2ml(1.2mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で10時間攪拌後、0℃で水添加により反応を停止させた。トルエンで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をヘキサンで洗浄を2回実施し、1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジヒドロキシベンゼンの淡黄色固体158mgを得た(収率89%)。
MS m/z:432(M+,100%),151(M+/2,10)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に酢酸カリウム(和光純薬工業製)179mg(1.82mmol)、2−ジターシャリーブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル(シグマ−アルドリッチ製)34.4mg(0.110mmol)、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール(和光純薬工業製)161mg(0.730mmol)、1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジヒドロキシベンゼン158mg(0.365mmol)、トルエン2ml、ジメトキシエタン1ml、及び酢酸パラジウム(和光純薬工業製、有機合成用)16.4mg(0.073mmol)を添加した。100℃で3日間加熱した。得られた反応混合物を室温に冷却し、トルエンと水を添加後、分相し、有機相を2回水洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をヘキサンで洗浄を2回実施し、ジチエノベンゾジフランの淡黄色固体57mgを得た(収率57%)。
MS m/z:270(M+,100%),135(M+/2,14)。
(ジヘキサノイルジチエノベンゾジフランの合成((D)工程))
100mlシュレンク反応容器に実施例1で得られたジチエノベンゾジフラン55.0mg(0.203mmol)及びジクロロメタン10mlを添加した。この混合物を氷冷し、塩化アルミニウム(和光純薬工業製)95.3mg(0.715mmol)及び塩化ヘキサノイル(シグマ−アルドリッチ製)76.5mg(0.568mol)を添加した。得られた混合物を室温で30時間攪拌後、氷冷し水を添加することで反応を停止させた。得られたスラリー混合物を加熱し、ジクロロメタンを蒸留で除去した。ここに水を添加し得られた水の分散液を濾過した。得られた黄色固体をさらに水及びメタノールで洗浄した。減圧乾燥した後、ジヘキサノイルジチエノベンゾジフランの黄色固体87.1mgを得た(収率92%)。
MS m/z:466(M+,100%),410(M+−C4H9+1,49)。
100mlシュレンク反応容器にジヘキサノイルジチエノベンゾジフラン87.1mg(0.187mmol)、THF10ml、及び塩化アルミニウム(和光純薬工業製)125mg(0.935mmol)を添加した。0℃に冷却後、さらに水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業製)70.7mg(1.87mmol)を添加した。60℃で5時間加熱した後、0℃に冷却し、注意深く水を添加することで反応を停止させた。3N塩酸で水相を酸性とした後、トルエン抽出した。分相後、有機相の水洗浄を3回繰り返した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/トルエン=10/1、容積比)、トルエン(和光純薬工業製ピュアーグレード)から3回再結晶精製し、ジn−ヘキシルジチエノベンゾジフランの淡黄色結晶33.6mgを得た(収率41%)。
MS m/z:438(M+,100%),367(M+−C5H11,58),296(M+−2C5H11,43)
得られたジn−ヘキシルジチエノベンゾジフラン10.4mg及びトルエン(和光純薬工業製ピュアーグレード)0.683gを添加し、50℃に加熱溶解後、室温下(25℃)に放冷し、ドロップキャスト製膜用溶液を調製した。25℃で10時間後も溶液状態を維持しており(ジn−ヘキシルジチエノベンゾジフランの濃度は1.50重量%)、ドロップキャスト、インクジェットによる製膜に適した溶液であることを確認した。
(ジヘプタノイルジチエノベンゾジフランの合成((D)工程))
実施例2で用いた塩化ヘキサノイルの代わりに、塩化ヘプタノイル(シグマ−アルドリッチ製)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により、ジヘプタノイルジチエノベンゾジフランの黄色固体を収率90%で得た。
ジヘプタノイルジチエノベンゾジフランを用いた以外は、実施例2と同様の方法により、ジn−ヘプチルジチエノベンゾジフランの淡黄色結晶を収率38%で得た。
(ジオクタノイルジチエノベンゾジフランの合成((D)工程))
実施例2で用いた塩化ヘキサノイルの代わりに、塩化オクタノイル(シグマ−アルドリッチ製)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により、ジオクタノイルジチエノベンゾジフランを得た。
ジオクタノイルジチエノベンゾジフランを用いた以外は、実施例2と同様の方法により、ジn−オクチルジチエノベンゾジフランの淡黄色結晶を収率42%で得た。
再公表WO2008/047896号公報に記載の方法に従い、ジn−デシルベンゾチエノベンゾチオフェンを以下の様に合成した。
MS m/z:520(M+,100%)。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で示されることを特徴とするジチエノベンゾジフラン誘導体。
- 上記一般式(1)における置換基R1及びR2は、同一又は異なって、メチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、またはシクロオクチル基であることを特徴とする請求項1に記載のジチエノベンゾジフラン誘導体。
- 少なくとも下記(A)〜(C)の工程を経てなることを特徴とする下記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジフラン誘導体の製造方法。
(A)工程;パラジウム触媒の存在下、3−ブロモチオフェン−2−亜鉛誘導体と1,4−ジブロモ−2,5−ジメトキシベンゼンにより1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジメトキシベンゼンを製造する工程。
(B)工程;3臭化ホウ素の存在下、(A)工程により得られた1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジメトキシベンゼンの脱メチル化により1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジヒドロキシベンゼンを製造する工程。
(C)工程;パラジウム触媒の存在下、(B)工程により得られた1,4−ジ(3−ブロモチエニル)−2,5−ジヒドロキシベンゼンの分子内環化によりジチエノベンゾジフランを製造する工程。
- 炭素数7〜14の芳香族系炭化水素溶媒に請求項1又は2に記載のジチエノベンゾジフラン誘導体を含んでなる溶液であることを特徴とするドロップキャスト製膜用溶液。
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