JP5918825B2 - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
<請求項1記載の発明>
股間部から腹側に延在する前身頃をなす外装シートの両側部と股間部から背側に延在する後身頃をなす外装シートの両側部とが接合されてサイドシール部が形成されるとともに、装着者の胴を通すためのウエスト開口部及び脚を通すための左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、
液透過性トップシート、裏側液不透過性シート、及びこれらの間に介在された吸収体を有し、背側から股間部を通り腹側までを覆う内装体が、前記外装シートの内側に取り付けられ、
前記内装体の両側部に立体ギャザーが一つずつ設けられ、
前記立体ギャザーは、前記内装体の側部の裏面に固定された取付部分と、この取付部分から前記内装体の側方を経て前記内装体の表側に延在する本体部分と、この本体部分の前後方向両端部及び前後方向中間部のうち、前後方向両端部に設けられた、前記トップシートの側部表面に対して固定された倒伏状態の倒伏領域と、前後方向中間部に設けられた、非固定の自由領域と、前記倒伏領域を前記トップシートの側部表面に対して固定する溶着部とを有し、
前記立体ギャザーは、複数積層された不織布層と、これら不織布層間に介在された滲み出し防止用防水樹脂フィルムとを有するとともに、前記自由領域の少なくとも先端部における不織布層間に細長状弾性部材が前後方向に沿って伸長状態で固定されており、
前記滲み出し防止用防水樹脂フィルムが前記倒伏領域における前記溶着部に存在しており、
前記倒伏領域の全体がホットメルト接着剤を介して前記トップシートの側部表面に対して固定されるとともに、前記溶着部が、縦方向に延在する線状のパターンをなし、かつ前記倒伏領域における幅方向中間部にのみ設けられている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
防水樹脂フィルムが倒伏領域ではその全体にわたり存在しないか、又は少なくとも取付部分には存在するが表面の不織布層の直下には存在しない構造としなくても、このように倒伏領域の固定に際して、全体をホットメルト接着剤で固定し、これを基本として、幅方向中間部のみに線状のパターンの溶着部を設けて固定強度を補うことにより、倒伏領域がホットメルト接着剤による固定となり、防水樹脂フィルムが固化することがなくなるとともに、固定強度を補う溶着部が縦方向に延在する線状であるとともに倒伏領域の幅方向中間部に形成されるため、溶着部の防水樹脂フィルムが溶融固化して硬くなったとしてもその硬い部分は肌に当たり難いものとなる。
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シート12の内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口部WOの縁から後身頃Bのウエスト開口部WOの縁までの縦方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
外装シート12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、股間部から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における前身頃Fのウエスト端縁から後身頃Bのウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装シート12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100をトップシート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
内装体200と外装シート12との間(外装シート12の層間を含む)には、印刷によりデザインの施された印刷シート25が設けられている。外装シート12を省略し、印刷シート25が外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の印刷シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、外装シートが、装着者の胴周りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとに分割されており、腹側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体における裏側液不透過性シートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シートと背側外装シートとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シートを固定することもできる。股間部外装シートとしては、前述した外装シートに用いられるものと同様の資材を用いることができる。股間部外装シートも本発明の外装シートに相当する。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、裏側液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
裏側液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなる防水樹脂フィルムや、不織布の表面に防水樹脂フィルムを設けたラミネート不織布、防水樹脂フィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。裏側液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有する防水樹脂フィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性防水樹脂フィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水樹脂フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、裏側液不透過性シート11として用いることができる。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、内装体200の側部から起立し、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の左右各側において一重に設けられており、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。このように、各側部の立体ギャザー60が一重であると、立体ギャザー60が厚くごわついた感じとならない。
立体ギャザー60における少なくとも自由領域68には、ギャザーシート62間に滲み出し防止用防水樹脂フィルム64が設けられている。この滲み出し防止用防水樹脂フィルム64としては、裏側液不透過性シート11と同様の素材を好適に用いることができる。滲み出し防止用防水樹脂フィルム64は、立体ギャザー60における取付部分65から先端まで延在させることができるが、立体ギャザー60の先端は肌に当たる部分であるため、柔軟性を重視して滲み出し防止用防水樹脂フィルム64は、図示例のように先端近傍までとするのが好ましい。
第一の形態は、図3,4,6に示すように、滲み出し防止用防水樹脂フィルム64が、自由領域68では取付部分65から先端部まで延在され、かつ倒伏領域67では少なくとも取付部分65には存在するが表面のギャザーシート62層の直下には存在しないものである。このような構造は、図6に二点差線で示される滲み出し防止用防水樹脂フィルム64の展開状態からも分かるように、滲み出し防止用防水樹脂フィルム64のうち、倒伏領域67に位置する部分の先端部(展開上状態の幅方向外側の端部)を切り欠いて、全体として側方を向く凸字形状とすることにより構築することができる。
ただし、第一の形態と異なり、図9及び10に示すように、滲み出し防止用防水樹脂フィルム64が、自由領域68では取付部分65から先端部まで延在され、かつ倒伏領域67ではその全体にわたり存在しない形態も採用することができる。
第三の形態は、立体ギャザー60におけるギャザーシート62の融点よりも、滲み出し防止用防水樹脂フィルム64の融点が高くなるように、両素材を選択することにより、滲み出し防止用防水樹脂フィルム64を用いて漏れ防止性能を確実なものとしつつ、倒伏領域67の溶着の際に融点差により倒伏領域67の内部の滲み出し防止用防水樹脂フィルム64を溶融固化し難くするものである。このような素材の組み合わせとしては、ギャザーシート62として融点80〜130度程度の素材、例えば低融点成分からなる不織布や、これら低融点成分と高密度ポリエチレン等の他の成分とを混合してなる樹脂混合物からなる不織布、等と、滲み出し防止用防水樹脂フィルム64として融点140〜180度程度の素材、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなる防水樹脂フィルムや、不織布の表面に防水樹脂フィルムを設けたラミネート不織布、防水樹脂フィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートとの組み合わせを採用することができる。
第四の形態は、図13及び図14に示すように、倒伏領域67がホットメルト接着剤67hにより固定されるとともに、倒伏領域67を固定するための溶着部67mが、倒伏領域67における幅方向中間部にのみ縦方向に延在する線状のパターンで設けられているものである。このように、倒伏領域67の固定に際して、全体をホットメルト接着剤67hで固定し、これを基本として、幅方向中間部のみに線状のパターンの溶着部67mを設けて固定強度を補うことにより、倒伏領域67がホットメルト接着剤67hによる固定となり、滲み出し防止用防水樹脂フィルム64が固化することがなくなるとともに、固定強度を補う溶着部67mにしても縦方向に延在する線状であるとともに倒伏領域67の幅方向中間部に形成されるため、溶着部67mにおける滲み出し防止用防水樹脂フィルム64が溶融固化して硬くなったとしてもその硬い部分は肌に当たり難いものとなる。
第五の形態は、図15に示すように、立体ギャザー60が、腹部の膨らみの頂部101と対向する頂部対向領域69よりもウエスト側まで延在されている通常の形態を基本として、前端部の倒伏領域67を頂部対向領域69よりも股間側に位置させ、頂部対向領域69及びそれよりもウエスト側には溶着による倒伏領域67を設けないようにしたものである。図16に示すように、立体ギャザー60の倒伏領域67のうち装着者の腹部に良く当たる部分は腹部の膨らみの頂部101と対向する頂部対向領域69であるため、この領域69を避けて倒伏領域67を設けることにより、溶着部67mにおける滲み出し防止用防水樹脂フィルム64が溶融固化して硬くなったとしてもその硬い部分は肌に当たり難いものとなる。
上述の各形態の説明からも分かるように、第一から第五の形態は複数組み合わせて採用することができる。
Claims (1)
- 股間部から腹側に延在する前身頃をなす外装シートの両側部と股間部から背側に延在する後身頃をなす外装シートの両側部とが接合されてサイドシール部が形成されるとともに、装着者の胴を通すためのウエスト開口部及び脚を通すための左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、
液透過性トップシート、裏側液不透過性シート、及びこれらの間に介在された吸収体を有し、背側から股間部を通り腹側までを覆う内装体が、前記外装シートの内側に取り付けられ、
前記内装体の両側部に立体ギャザーが一つずつ設けられ、
前記立体ギャザーは、前記内装体の側部の裏面に固定された取付部分と、この取付部分から前記内装体の側方を経て前記内装体の表側に延在する本体部分と、この本体部分の前後方向両端部及び前後方向中間部のうち、前後方向両端部に設けられた、前記トップシートの側部表面に対して固定された倒伏状態の倒伏領域と、前後方向中間部に設けられた、非固定の自由領域と、前記倒伏領域を前記トップシートの側部表面に対して固定する溶着部とを有し、
前記立体ギャザーは、複数積層された不織布層と、これら不織布層間に介在された滲み出し防止用防水樹脂フィルムとを有するとともに、前記自由領域の少なくとも先端部における不織布層間に細長状弾性部材が前後方向に沿って伸長状態で固定されており、
前記滲み出し防止用防水樹脂フィルムが前記倒伏領域における前記溶着部に存在しており、
前記倒伏領域の全体がホットメルト接着剤を介して前記トップシートの側部表面に対して固定されるとともに、前記溶着部が、縦方向に延在する線状のパターンをなし、かつ前記倒伏領域における幅方向中間部にのみ設けられている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
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