JP5775173B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
この発明は、車両駆動や回生発電等に用いられる回転電機に関し、とりわけ、環状のステータコアに複数のコイル導線が巻回される回転電機に関する。
本願は、2011年11月22日に、日本に出願された特願2011−255217号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2011年11月22日に、日本に出願された特願2011−255217号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
車両駆動や回生発電等に用いられる回転電機では、コイル導線の巻回作業を容易にし、占積率を高めるために、ステータコアを複数の分割コイル片によって構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、各分割コア片にそれぞれコイル導線が個別に巻回され、コイル導線を巻回した分割コア片が環状に組み付けられるとともに、分割コア片の各コイル導線の一端側が対応する相の給電線に接続され、各コイル導線の他端側が、すべてのコイル導線の他端側を中性点として相互に結線する中点バスリングに接続された回転電機が開示されている。
しかし、上記従来の回転電機においては、すべてのコイル導線の他端側を相互に結線するために、円環状の金属部材である中点バスリングが設けられる。そのため、ステータコアに近接させて大型部品を付設する必要があり、装置の大型化や重量増加を招く原因となり易い。
また、上記従来の回転電機においては、中点バスリングに各コイル導線を結線するための複雑な結線部形状を設けなければならないため、製造コストが高騰することも懸念される。
また、上記従来の回転電機においては、中点バスリングに各コイル導線を結線するための複雑な結線部形状を設けなければならないため、製造コストが高騰することも懸念される。
本発明は、上述の課題を鑑みてなされたものであって、その目的は、大型の専用部品を追加することなく、簡単な構成によってコイル導線を結線できるようにして、装置の小型・軽量化と製造コストの低減を図ることのできる回転電機を提供することにある。
本発明では、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
(1)すなわち、本発明の一態様に係る回転電機は、コイル導線を各々に巻回した複数の分割コア片が環状に配列されて構成されたステータコアを有し;前記各分割コア片に巻回した前記各コイル導線の一端側が対応する相の給電端子に接続されるとともに、前記各コイル導線の他端側が中性点として相互に結線される;回転電機であって、前記各コイル導線は、平角線によって構成され;前記コイル導線の前記中性点側の引き出し部は、複数の前記中性点側の引き出し部が径方向に層状に重ね合された状態で、前記ステータコアの外部に引き出され;前記各コイル導線の前記中性点側の端部は、前記中性点側の引き出し部が前記ステータコアの円周上の一箇所において前記ステータコアの径方向外側に突出するように折り曲げられており;前記中性点側の端部は、前記複数のコイル導線の前記中性点側の端部が、前記平角線を層状に重ね合せて一列に整列された状態で、前記平角線の平坦面を面接触させて隣接する前記平角線同士が物理的に結合されてかつすべてが相互に電気的に接続される中点連結部を構成している。
(1)すなわち、本発明の一態様に係る回転電機は、コイル導線を各々に巻回した複数の分割コア片が環状に配列されて構成されたステータコアを有し;前記各分割コア片に巻回した前記各コイル導線の一端側が対応する相の給電端子に接続されるとともに、前記各コイル導線の他端側が中性点として相互に結線される;回転電機であって、前記各コイル導線は、平角線によって構成され;前記コイル導線の前記中性点側の引き出し部は、複数の前記中性点側の引き出し部が径方向に層状に重ね合された状態で、前記ステータコアの外部に引き出され;前記各コイル導線の前記中性点側の端部は、前記中性点側の引き出し部が前記ステータコアの円周上の一箇所において前記ステータコアの径方向外側に突出するように折り曲げられており;前記中性点側の端部は、前記複数のコイル導線の前記中性点側の端部が、前記平角線を層状に重ね合せて一列に整列された状態で、前記平角線の平坦面を面接触させて隣接する前記平角線同士が物理的に結合されてかつすべてが相互に電気的に接続される中点連結部を構成している。
(2)上記(1)に記載の回転電機では、前記コイル導線の断面は、長辺及び短辺を有し、前記コイル導線の前記中性点側の引き出し部は、前記コイル導線の長辺側の面が互いに面接触するように層状に重ね合せられるようにしてもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の回転電機では、前記中点連結部は、一列に整列された前記中性点側の端部が金属製の結束部材によって抱持されるとともに、前記結束部材が前記各コイル導線の中性点側の端部にヒュージングによって接続されてもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の回転電機では、前記中点連結部は、一列に整列された前記中性点側の端部が金属製の結束部材によって抱持されるとともに、前記結束部材が前記各コイル導線の中性点側の端部にヒュージングによって接続されてもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の回転電機では、前記各コイル導線の一端側に接続される各相の給電端子が、前記ステータコアの外部の一箇所に集約して配置され、前記中点連結部は、前記各相の給電端子のいずれかに隣接する位置に配置されてもよい。
(5)上記(4)に記載の回転電機では、前記ステータコアが、このステータコアを収容するハウジング内に、絶縁性材料から成る端子台とともに設置され、前記各相の給電端子は、前記端子台において外部の対応する給電線に接続され、前記中点連結部は、前記端子台の内側に突出して配置されていてもよい。
(6)上記(5)に記載の回転電機では、前記端子台が、前記ステータコアの外周部において、前記ハウジングに締結部材によって固定され、前記中点連結部は、前記ステータコアの径方向外側の、前記締結部材の設置部と前記ステータコアの円周方向で重なり、かつ前記ステータコアの軸方向で離間する位置において、前記端子台の内側に突出してもよい。
(7)上記(6)に記載の回転電機では、前記各コイル導線の前記各相の給電端子との接続端が、前記ステータコアの外周側から前記径方向外側に向かって突出し、前記中点連結部と、前記接続端のうちの一つ以上とが、前記ステータコアの外周面のうちの、一つの分割コア片の前記径方向外側に突出してもよい。
上記(1)によれば、平角線によって構成される各コイル導線の中性点側の端部が、ステータコアの円周上の一箇所からそのステータコアの外部に引き出され、平角線の平坦面を面接触させて隣接するもの同士で物理的に結合されるとともに、すべてのもの(各コイル導線)が相互に電気的に接続される中点連結部を構成している。そのため、大型の専用部品を追加することなく、各コイル導線の中性点側の端部を相互に安定的な接続状態にして結線でき、しかも、占有スペースを小さく抑えることができる。したがって、装置の小型・軽量化と製造コストの低減を図ることができる。
上記(3)によれば、複数のコイル導線の中性点側の端部が、平角線を層状に重ね合わせて一列に整列され、その整列された端部が金属製の結束部材によって抱持されている。
また、その状態で結束部材が各コイル導線の中性点側の端部にヒュージングによって接続されることにより、中点連結部が構成される。そのため、複数のコイル導線の中性点側の端部を容易に、かつ確実に接続することができる。
また、その状態で結束部材が各コイル導線の中性点側の端部にヒュージングによって接続されることにより、中点連結部が構成される。そのため、複数のコイル導線の中性点側の端部を容易に、かつ確実に接続することができる。
上記(4)によれば、各相の給電端子がステータコアの外部の一箇所に集約して配置されるとともに、中点連結部が、各相の給電端子のいずれかに隣接する位置に配置される。
そのため、ステータコアの外部に突出する複数の通電部を集約して、これらを小スペース内で安定的に管理することができる。
そのため、ステータコアの外部に突出する複数の通電部を集約して、これらを小スペース内で安定的に管理することができる。
上記(5)によれば、各相の給電端子を外部の対応する給電線に接続するための絶縁性の端子台がステータコアとともにハウジング内に設置され、中点連結部が前記端子台の内側に突出して配置される。そのため、端子台によって中点連結部と、ハウジングや各相の給電端子との絶縁を確保することができる。
上記(6)によれば、中点連結部が、ステータコアの径方向外側の、締結部材の設置部とステータコアの円周方向で重なり、かつステータコアの軸方向で離間する位置において、端子台の内側に突出する。そのため、端子台上の締結部材の設置部と同軸上に中点連結部が絶縁状態で配置されることになり、端子台の小型化、延いては装置全体のさらなる小型化を図ることが可能になる。
上記(7)によれば、中点連結部と、少なくとも一つの相のコイル導線の給電側の接続端とが、ステータコアの外周面のうちの、一つの分割コア片の前記ステータコアに関しての径方向外側に突出する。そのため、中点連結部と複数相の接続端とをよりに集約して配置し、端子台のさらなる小型化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る回転電機を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る回転電機に組み込まれるステータ1を示す図である。図2は、ステータ1のステータコア2の単体を示す図である。図3は、ステータ1を端子台3とともにハウジング4に組み付けた状態を示す図である。
本実施形態に係る回転電機は、電気自動車やハイブリッド車両の車両駆動と回生発電に用いられる三相交流式の回転電機であり、円環状のステータ1の内側には、図示しないロータが回転可能に配置されている。ロータは減速機構等を介して車両の車軸に連結されている。
図1は、本実施形態に係る回転電機に組み込まれるステータ1を示す図である。図2は、ステータ1のステータコア2の単体を示す図である。図3は、ステータ1を端子台3とともにハウジング4に組み付けた状態を示す図である。
本実施形態に係る回転電機は、電気自動車やハイブリッド車両の車両駆動と回生発電に用いられる三相交流式の回転電機であり、円環状のステータ1の内側には、図示しないロータが回転可能に配置されている。ロータは減速機構等を介して車両の車軸に連結されている。
ステータ1は、複数のコイル導線5を突極集中巻きで実装した円環状のステータコア2と、そのステータコア2が圧入固定される略円筒状のホルダ6を備えている。また、ステータコア2からホルダ6の径方向外側に引き出されたU相,V相,W相の各コイル導線5の給電側の端部に、それぞれ対応する相の給電端子7U,7V,7Wが接続されている。
この実施形態においては、コイル導線5は、すべて横長の矩形断面の平角線が採用されている。
この実施形態においては、コイル導線5は、すべて横長の矩形断面の平角線が採用されている。
ステータコア2は、正面視した場合に略扇状である複数の分割コア片8が円環状に組み付けられて成り、各分割コア片8には、それぞれ個別にコイル導線5が巻回されている。分割コア片8に巻回された各コイル導線5の一端側は、相毎にまとめられて対応する相の給電端子7U,7V,7Wに接続され、各コイル導線5の他端側はすべてが一箇所にまとめられて相互に電気的に接続されている。このステータコア2では、各相のコイル導線5がY字結線で接続されている。
なお、本実施形態では、分割コア片8は、U相用、V相用、W相用のもの合計12個、各相4個ずつであり、円周方向でU相,V相,W相の配列が繰り返されるように順に並んで配置されている。
なお、本実施形態では、分割コア片8は、U相用、V相用、W相用のもの合計12個、各相4個ずつであり、円周方向でU相,V相,W相の配列が繰り返されるように順に並んで配置されている。
図4は、分割コア片8の構成部品を示す分解斜視図である。
分割コア片8は、鋼板を複数枚積層して構成されたコア本体9と、コア本体9の周域に嵌合されてコア本体9を電気的に絶縁するインシュレータ10と、を備えている。
分割コア片8は、鋼板を複数枚積層して構成されたコア本体9と、コア本体9の周域に嵌合されてコア本体9を電気的に絶縁するインシュレータ10と、を備えている。
コア本体9は、ステータコア2の外周側の円弧領域を形成するヨーク部9aと、ヨーク部9aの内周側からステータコア2の半径方向内側に向かって突出するティース部9bと、を有している。ヨーク部9aは、円弧方向の一方の端面に凸部11が形成され、他方の端面には凹部12が形成されている。凸部11と凹部12は同サイズの半円形状に形成され、隣接する分割コア片8のヨーク部9a同士で凸部11と凹部12が相互に嵌合されるようになっている。また、ティース部9bは、突出方向の外周面にインシュレータ10が嵌合され、そのインシュレータ10を介して外周側にコイル導線5が巻回されるようになっている。
図5は、インシュレータ10の一部を示す斜視図である。図6は、コイル導線5を巻回した分割コア片8を示す斜視図である。図7は、図6のA−A断面に対応する断面図である。なお、図4も含め、分割コア片8を説明するためのこれらの図面において、矢印C,R,Axは、それぞれステータコア2についての円周方向、半径方向、軸方向を示す。なお、ステータコア2の円周方向、半径方向、軸方向は、ステータ1の円周方向、半径方向、軸方向と同一である。
インシュレータ10は、コア本体9のティース部9bに嵌合される。また、インシュレータ10は、その外周側にコイル導線5が巻回されるコイル巻回部10aと、コイル巻回部10aに巻回された各コイル導線5の始端側と終端側の引き出し部5Du,5Dv,5Dw,5Dnをステータコア2の円周方向に沿って円周上の所定位置まで引き回す導線案内部10bと、を備えている。
インシュレータ10は、コア本体9のティース部9bに嵌合される。また、インシュレータ10は、その外周側にコイル導線5が巻回されるコイル巻回部10aと、コイル巻回部10aに巻回された各コイル導線5の始端側と終端側の引き出し部5Du,5Dv,5Dw,5Dnをステータコア2の円周方向に沿って円周上の所定位置まで引き回す導線案内部10bと、を備えている。
インシュレータ10のコイル巻回部10aは、コア本体9のティース部9bに嵌合される部分が、ティース部9bの周域で半割状に分割された二部品によって構成されている。
ここで、この二部品のうちの一方を第1半割体13と呼び、他方を第2半割体14と呼ぶとすると、前記の導線案内部10bは、一方の部品である第1半割体13に一体に形成されている。第1半割体13と第2半割体14には、ティース部9bの延出方向(R方向)に沿う両側部にそれぞれフランジ部13a,13a,14a,14aが設けられ、これらの両側のフランジ部13a,13a,14a,14aの間でコイル導線5が巻回されるようになっている。
ここで、この二部品のうちの一方を第1半割体13と呼び、他方を第2半割体14と呼ぶとすると、前記の導線案内部10bは、一方の部品である第1半割体13に一体に形成されている。第1半割体13と第2半割体14には、ティース部9bの延出方向(R方向)に沿う両側部にそれぞれフランジ部13a,13a,14a,14aが設けられ、これらの両側のフランジ部13a,13a,14a,14aの間でコイル導線5が巻回されるようになっている。
一方、インシュレータ10の導線案内部10bは、コイル巻回部10aのR方向の一端側の、コア本体9のヨーク部9aの円弧状の側面に重なる位置に、一体ブロックとして形成されている。導線案内部10bのブロックは、図示Ax方向(軸方向)から見た平面視の場合に略円弧状となるように形成され、ステータコア2の外周面に相当する面には、ステータコア2の円周方向(C方向)に沿う4つの案内溝15n,15u,15v,15wが軸方向(Ax方向)で4段になって形成されている。これらの案内溝15n,15u,15v,15wは、すべての分割コア片8が円環状に組み付けられたときに、それぞれが4本の独立した円環状の溝を形成し、その各円環状の溝内に、各コイル導線5の引き出し部5Dn,5Du,5Dv,5Dwがそれぞれ引き回されるようになっている。
インシュレータ10の案内溝15n,15u,15v,15wの溝幅は、コイル導線5の断面の長辺側の長さとほぼ合致するように(長辺側の長さよりも僅かに大きく)設定されている。図7に示すように、案内溝15u,15v,15wには、コイル導線5の給電側の引き出し部5Du,5Dv,5Dwが最大2本嵌入されるのに対し、案内溝15nには、コイル導線5の中性点側の引き出し部5Dnが最大6本嵌入される。そのため、案内溝15nの深さは他の案内溝15u,15v,15wに比較して深くなっている。
また、導線案内部10bのブロックの円弧方向の一方の端面には、図4,図6に示すように、コイル巻回部10a側から対応する案内溝15n内にコイル導線5の中性点側の端部(引き出し部5Dn)を引き出すための引き出し溝16nが形成され、同ブロックの円弧方向の他方の端面には、図5に示すように、コイル巻回部10a側から対応する案内溝15u,15v,15w内にコイル導線5の給電側の端部(引き出し部5Du,5Dv,5Dw)を引き出すための引き出し溝16u,16v,16wが形成されている。
図4〜図6中の符号17は、コイル巻回部10aから引き出されたコイル導線5の中性点側の端部(引き出し部5Dn)を引き出し溝16nに案内するために、前記ブロックのコイル巻回部10aに臨む側の面に設けられた案内壁である。
図4〜図6中の符号17は、コイル巻回部10aから引き出されたコイル導線5の中性点側の端部(引き出し部5Dn)を引き出し溝16nに案内するために、前記ブロックのコイル巻回部10aに臨む側の面に設けられた案内壁である。
図8Aは、ステータコア2上におけるU相の各コイル導線5の給電側の引き出し部5Duの引き回しを示す図である。図8Bは、図8Aの一部を拡大した図である。
これらの図に示すように、U相用の4つの分割コア片8から引き出されたコイル導線5の引き出し部5Duは、インシュレータ10の案内溝15uに沿ってステータコア2の円周上の一箇所に引き回され、その箇所からステータコア2の径方向外側に突出するように折り曲げられている。こうして折り曲げられた引き出し部5Duの端部(接続端5Eu)は一つに束ねられてヒュージング処理(ヒュージング)によって対応するU相の給電端子7U(図1〜図3参照)に接続されている。
これらの図に示すように、U相用の4つの分割コア片8から引き出されたコイル導線5の引き出し部5Duは、インシュレータ10の案内溝15uに沿ってステータコア2の円周上の一箇所に引き回され、その箇所からステータコア2の径方向外側に突出するように折り曲げられている。こうして折り曲げられた引き出し部5Duの端部(接続端5Eu)は一つに束ねられてヒュージング処理(ヒュージング)によって対応するU相の給電端子7U(図1〜図3参照)に接続されている。
図9Aは、ステータコア2上におけるV相の各コイル導線5の給電側の引き出し部5Dvの引き回しを示す図であり、図10Aは、ステータコア2上におけるW相の各コイル導線5の給電側の引き出し部5Dwの引き回しを示す図である。図9B、図10Bは、それぞれ図9A、図10Aの一部を拡大した図である。
これらの図に示すように、V相用とW相用の各4つの分割コア片8から引き出された引き出し部5Dv,5Dwは、U相の引き出し部5Duと同様に、それぞれインシュレータ10の案内溝15v,15wに沿ってステータコア2の円周上の一箇所に引き回され、その箇所からステータコア2の径方向外側に突出するように折り曲げられている。V相,W相の各引き出し部5Dv,5Dwの端部(接続端5Ev,5Ew)は、それぞれ一つに束ねられてヒュージング処理によって対応する給電端子7V,7W(図1〜図3参照)に接続されている。
これらの図に示すように、V相用とW相用の各4つの分割コア片8から引き出された引き出し部5Dv,5Dwは、U相の引き出し部5Duと同様に、それぞれインシュレータ10の案内溝15v,15wに沿ってステータコア2の円周上の一箇所に引き回され、その箇所からステータコア2の径方向外側に突出するように折り曲げられている。V相,W相の各引き出し部5Dv,5Dwの端部(接続端5Ev,5Ew)は、それぞれ一つに束ねられてヒュージング処理によって対応する給電端子7V,7W(図1〜図3参照)に接続されている。
図11Aは、ステータコア2上におけるU相,V相,W相の各コイル導線5の中性点側の引き出し部5Dnの引き回しを示す図である。図11Bは、図11Aの一部を拡大した図である。
これらの図に示すように、すべての分割コア片8から引き出されたコイル導線5の中性点側の引き出し部5Dnは、インシュレータ10の案内溝15nに沿ってステータコア2の円周上の一箇所に引き回され、その箇所からステータコア2の径方向外側に突出するように折り曲げられている。すべての中性点側の引き出し部5Dnの端部は、ヒュージング処理によって相互に電気的に接続されるとともに物理的にも接続されている。こうして相互に接続された中性点側の引き出し部5Dnの端部は中点連結部18を構成している。
これらの図に示すように、すべての分割コア片8から引き出されたコイル導線5の中性点側の引き出し部5Dnは、インシュレータ10の案内溝15nに沿ってステータコア2の円周上の一箇所に引き回され、その箇所からステータコア2の径方向外側に突出するように折り曲げられている。すべての中性点側の引き出し部5Dnの端部は、ヒュージング処理によって相互に電気的に接続されるとともに物理的にも接続されている。こうして相互に接続された中性点側の引き出し部5Dnの端部は中点連結部18を構成している。
図12は、ステータコア2上のすべてのコイル導線5の引き出し部5Du,5Dv,5Dw,5Dnの引き回しを併せて示す図である。
同図に示すように、U相,V相,W相の各接続端5Eu,5Ev,5Ewと、中点連結部18は、それぞれステータコア2の円周上の異なる位置から引き出されているが、これらはステータコア2の円周上の相互に近接する領域に配置されている。
具体的には、U相の接続端5Euは、ステータコア2の一つの分割コア片8−1の円周方向の一端側に配置され、中点連結部18は、その同じ分割コア片8−1の円周方向の他端側に配置されている。そして、V相の接続端5Evは、分割コア片8−1の一端側に隣接する分割コア片8−2のU相の接続端5Euに近接する側の端部に配置され、W相の接続端5Ewは、同じ分割コア片8−2のU相の接続端5Euと離間する側の端部に配置されている。つまり、この実施形態の場合、各接続端5Eu,5Ev,5Ewと中点連結部18は、隣接する2つの分割コア片8−1,8−2の径方向外側領域に集約して配置されている。
同図に示すように、U相,V相,W相の各接続端5Eu,5Ev,5Ewと、中点連結部18は、それぞれステータコア2の円周上の異なる位置から引き出されているが、これらはステータコア2の円周上の相互に近接する領域に配置されている。
具体的には、U相の接続端5Euは、ステータコア2の一つの分割コア片8−1の円周方向の一端側に配置され、中点連結部18は、その同じ分割コア片8−1の円周方向の他端側に配置されている。そして、V相の接続端5Evは、分割コア片8−1の一端側に隣接する分割コア片8−2のU相の接続端5Euに近接する側の端部に配置され、W相の接続端5Ewは、同じ分割コア片8−2のU相の接続端5Euと離間する側の端部に配置されている。つまり、この実施形態の場合、各接続端5Eu,5Ev,5Ewと中点連結部18は、隣接する2つの分割コア片8−1,8−2の径方向外側領域に集約して配置されている。
各インシュレータ10の案内溝15nに案内されてステータコア2上の一か所から引き出されるコイル導線5の中性点側の引き出し部5Dnの端部は、各コイル導線5が平角線から成る。従って、径方向外側に折り曲げた状態で、平坦な面同士で相互に面接触させることができる。中点連結部18は、こうして複数の引き出し部5Dnの端部を平坦な面同士で接触させて層状に重ねあわせ、その状態で複数の引き出し部5Dnの端部が金属製の結束板19(結束部材)とともにヒュージング処理されることにより接続された構成となっている。結束板19は、複数の引き出し部5Dnの端部の周域を抱持した状態において各引き出し部5Dnに固着されている。
図13A〜図13G,図14A〜図14Dは、中点連結部18を形成するためのヒュージング処理の一例を示す図である。
このヒュージング処理の詳細を図13A〜図13G,図14A〜図14Dを参照して説明する。
最初に、図13Aに示すように、コイル導線5の引き出し部5Dnを層状に重ね合わせて一列に整列させる。その後、図13Bに示すように、コイル導線5の引き出し部5Dnを積層方向の両側からクランプし、その状態で平角線の長手方向の一方の端面の被膜の一部を除去する。これによってコイル導線5の長手方向の高さのバラツキが吸収される(すなわち、高さが揃う)。
次に、複数のコイル導線5をクランプしたまま、図13Cに示すように、結束板19によって周域を包み込み、ヒュージング用の一対の電極20A,20Bの間にセットする。この状態から、図13D,図13Eに示すように、電極20A,20Bで予備かしめを行って密着度を高めることにより、結束板19と各コイル導線5の間の通電経路を確保する。
この後、図13Fに示すように、結束板19とコイル導線5を間に挟んで電極20A,20Bの通電を開始するとともに、図13Gに示すように、電極20A,20Bの圧接力を高める。
このヒュージング処理の詳細を図13A〜図13G,図14A〜図14Dを参照して説明する。
最初に、図13Aに示すように、コイル導線5の引き出し部5Dnを層状に重ね合わせて一列に整列させる。その後、図13Bに示すように、コイル導線5の引き出し部5Dnを積層方向の両側からクランプし、その状態で平角線の長手方向の一方の端面の被膜の一部を除去する。これによってコイル導線5の長手方向の高さのバラツキが吸収される(すなわち、高さが揃う)。
次に、複数のコイル導線5をクランプしたまま、図13Cに示すように、結束板19によって周域を包み込み、ヒュージング用の一対の電極20A,20Bの間にセットする。この状態から、図13D,図13Eに示すように、電極20A,20Bで予備かしめを行って密着度を高めることにより、結束板19と各コイル導線5の間の通電経路を確保する。
この後、図13Fに示すように、結束板19とコイル導線5を間に挟んで電極20A,20Bの通電を開始するとともに、図13Gに示すように、電極20A,20Bの圧接力を高める。
上述したように、通電と圧接力の付与が行われると、結束板19の温度の上昇とともに、図14A,図14Bに示すように、コイル導線5の被膜が一部排出される。さらに通電と圧接力の付与が続けられると、コイル導線5の被膜が完全に排出され、軟化したコイル導線5が結束板19に次第に固着される。図14Dは、ヒュージング処理が終了して、中点連結部18が形成された状態を示す。
ここでは詳細な説明は省略するが、U相,V相,W相の各接続端5Eu,5Ev,5Ewは、図1〜図3に示すように、平角線の各平坦な面同士でコイル導線5を相互に面接触させ、その状態で上記と同様のヒュージング処理によって対応する給電端子7U,7V,7Wに接続されている。各給電端子7U,7V,7Wには、上記の結束板19に相当する板状の結線部21が設けられており、その結線部21が対応する接続端5Eu,5Ev,5Ewに接続されている。
上記のように構成されたステータコア2は、図1,図3に示すように、円筒状のホルダ6に嵌合され、一体のステータ1としてハウジング4の内側に固定設置される。このハウジング4の内側には、ステータ1の外周面の一部に隣接するように、平面視した場合に略円弧形状である端子台3が固定設置される。
端子台3は、全体が絶縁性の樹脂材料によって形成され、図3に示すように、ステータ1の軸心と略直交する円弧状のベース壁22と、ベース壁22の円弧形状の内周側を除く三方を取り囲む外側壁23と、を備え、外側壁23のないベース壁22の内周側がステータ1の外周面に臨んでいる。すなわち、端子台3は、ステータ1とともにハウジング4内に固定設置された状態において、ベース壁22と外側壁23とステータ1の外周面とに囲まれた凹状空間を形成している。
端子台3の外側壁23の外側には、外部の給電線を接続するための図示しないコネクタが設置されている。コネクタのU,V,Wの三相の端子は、端子台3を貫通する図示しない三相のバスバー(金属プレート)を介してステータ1側の給電端子7U,7V,7Wと接続されている。各バスバーの一端は、凹状空間に臨むベース壁22上に配置され、そのベース壁22上において、対応する給電端子7U,7V,7Wとボルト締結されるようになっている。なお、図3中の符号24は、端子結合用のボルトである。
図3に示すように、各給電端子7U,7V,7Wと対応するバスバーとの締結部は、ベース壁22の円弧方向に離間して配置されている。そして、ベース壁22の円弧方向の一端側(図中下方側)の締結部に隣接する位置には、端子台3の固定部が設けられており、その固定部が締結部材であるボルト25によってハウジング4に締結固定されている。
また、ベース壁22上には、隣接する給電端子7W,7V,7Uの締結部間と、給電端子7Uの締結部とハウジング固定部(ボルト25)の間を電気的に絶縁するための仕切壁26a,26b,26cが設けられている。
また、ベース壁22上には、隣接する給電端子7W,7V,7Uの締結部間と、給電端子7Uの締結部とハウジング固定部(ボルト25)の間を電気的に絶縁するための仕切壁26a,26b,26cが設けられている。
ここで、ステータ1の径方向外側に突出するU相,V相,W相の各接続端5Eu,5Ev,5Ewは、ステータ1の軸方向に屈曲して延出する給電端子7U,7V,7Wを介して端子台3のベース壁22上で対応するバスバーにボルト結合されるが、中点連結部18は、いずれにも固定されずに、端子台3の外側壁23に囲まれた空間部内に突出している。具体的には、中点連結部18は、端子台3の外側壁23と仕切壁26cとに囲まれ、端子台固定用のボルト25の配置される空間部内で、ボルト25の頭部と軸方向で離間する位置に突出している。したがって、中点連結部18は、ステータコア2の径方向外側の、ボルト25の設置部と円周方向で重なり、かつ軸方向で離間する位置において、端子台3の内側に突出している。
以上のように、本実施形態に係る回転電機においては、各分割コア片8に巻回されるコイル導線5が断面矩形状の平角線によって構成され、各コイル導線5の中性点側の引き出し部5Dnが、ステータコア2の周域の一箇所でステータコア2の径方向外側に屈曲させて引き出され、平角線の平坦面を面接触させて相互に物理的かつ電気的に接続する中点連結部18を構成している。そのため、中点バスリング等の大型の専用接続部品を用いることなく、各コイル導線5の中性点側の端部を結線することができる。そして、中点連結部18を構成する各引き出し部5Dnは、平角線であって相互に広い面積で密に接触することになるため、この回転電機においては、引き出し部5Dn相互の接続状態を安定させることができるとともに、中点連結部18の装置内における占有スペースをより小さくすることができる。したがって、この回転電機においては、装置の小型・軽量化と製造コストの低減を図ることができる。
また、この回転電機においては、複数のコイル導線5の中性点側の引き出し部5Dnが、平角線を層状に重ね合せて一列に整列され、その整列された引き出し部5Dnが金属製の結束板19によって抱持され、その状態で結束板19が各コイル導線5の引き出し部5Dnにヒュージングによって接続されている。そのため、複数のコイル導線5の中性点側の端部を容易に、かつ確実に結線することができる。
また、この回転電機にあっては、U,V,Wの各相の給電端子7U,7V,7Wがステータコア2の外周上の一箇所に近接して配置されるとともに、中点連結部18が、ステータコア2の外周上の給電端子7Uに隣接する位置に配置されている。そのため、ステータコア2の外周側に突出する複数の通電部を狭い領域に集約して配置し、これらの通電部を小スペース内で安定的に管理できる、という利点がある。
特に、本実施形態に係る回転電機では、ハウジング4内に固定設置されたステータ1の外周側に絶縁性の端子台3が近接して配置され、ステータコア2の各相の給電端子7U,7V,7Wが端子台3上で対応するバスバーに接続される一方で、中点連結部18が端子台3の内側の絶縁空間内に突出するように構成されている。そのため、端子台3の絶縁性を有する壁によって中点連結部18と、金属製のハウジング4や各相の給電端子7U,7V,7Wとの絶縁をより安定的に確保することができる。
さらに、本実施形態に係る回転電機においては、中点連結部18が端子台3の内側の端子台固定用のボルト25の配置される空間部内で、ボルト25の頭部と軸方向で離間する位置に突出している。そのため、端子台3上において、デッドスペースとなる端子台固定用のボルト25の頭部の延長上位置を有効活用して、中点連結部18を周囲から絶縁することができる。したがって、この回転電機では、端子台3をより小型化することができる。
また、本実施形態に係る回転電機においては、中点連結部18と、一つの相のコイル導線5の接続端5Euとが、一つの分割コア片8(図12の分割コア片8−1参照)の円弧領域から径方向外側に突出するように設定されている。そのため、中点連結部18を給電側の接続端5Eu,5Ev,5Ewに対してより近接させ、端子台3のさらなる小型化を図ることができる、という利点もある。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
平角線によって構成される各コイル導線の中性点側の端部が、ステータコアの周域の一箇所からそのステータコアの外部に引き出され、平角線の平坦面を面接触させて隣接するもの同士で物理的に結合されるとともに、すべてのもの(各コイル導線)が相互に電気的に接続される中点連結部を構成している。そのため、大型の専用部品を追加することなく、各コイル導線の中性点側の端部を相互に安定的な接続状態にして結線でき、しかも、占有スペースを小さく抑えることができる。その結果、装置の小型・軽量化と製造コストの低減を図ることができる。
2 ステータコア
3 端子台
4 ハウジング
5 コイル導線
5Eu,5Ev,5Ew 接続端
7U,7V,7W 給電端子
8 分割コア片
18 中点連結部
19 結束板(結束部材)
25 ボルト(締結部材)
3 端子台
4 ハウジング
5 コイル導線
5Eu,5Ev,5Ew 接続端
7U,7V,7W 給電端子
8 分割コア片
18 中点連結部
19 結束板(結束部材)
25 ボルト(締結部材)
Claims (7)
- コイル導線を各々に巻回した複数の分割コア片が環状に配列されて構成されたステータコアを有し;
前記各分割コア片に巻回した前記各コイル導線の一端側が対応する相の給電端子に接続されるとともに、前記各コイル導線の他端側が中性点として相互に結線される;
回転電機であって、
前記各コイル導線は、平角線によって構成され;
前記コイル導線の前記中性点側の引き出し部は、複数の前記中性点側の引き出し部が径方向に層状に重ね合された状態で、前記ステータコアの円周方向に沿って引き回されており;
前記各コイル導線の前記中性点側の端部は、前記中性点側の引き出し部が前記ステータコアの円周上の一箇所において前記ステータコアの外側に引き出され;
前記中性点側の端部は、前記複数のコイル導線の前記中性点側の端部が、前記平角線を層状に重ね合せて一列に整列された状態で、前記平角線の平坦面を面接触させて隣接する前記平角線同士が物理的に結合されてかつすべてが相互に電気的に接続される中点連結部を構成している;ことを特徴とする回転電機。 - 前記コイル導線の断面は、長辺及び短辺を有し、
前記コイル導線の前記中性点側の引き出し部は、前記コイル導線の長辺側の面が互いに面接触するように層状に重ね合せられている;
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。 - 前記中点連結部は、一列に整列された前記中性点側の端部が金属製の結束部材によって抱持されるとともに、前記結束部材が前記各コイル導線の中性点側の端部にヒュージングによって接続されている;
ことを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。 - 前記各コイル導線の一端側に接続される各相の給電端子は、前記ステータコアの外部の一箇所に集約して配置され;
前記中点連結部は、前記各相の給電端子のいずれかに隣接する位置に配置されている;ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機。 - 前記ステータコアは、このステータコアを収容するハウジング内に、絶縁性材料から成る端子台とともに設置され;
前記各相の給電端子は、前記端子台において外部の対応する給電線に接続され;
前記中点連結部は、前記端子台の内側に突出して配置されている;
ことを特徴とする請求項4に記載の回転電機。 - 前記端子台は、前記ステータコアの外周部において、前記ハウジングに締結部材によって固定され;
前記中点連結部は、前記ステータコアの径方向外側の、前記締結部材の設置部と前記ステータコアの円周方向で重なり、かつ前記ステータコアの軸方向で離間する位置において、前記端子台の内側に突出している;
ことを特徴とする請求項5に記載の回転電機。 - 前記各コイル導線の前記各相の給電端子との接続端は、前記ステータコアの外周側から前記径方向外側に向かって突出し;
前記中点連結部と、前記接続端のうちの一つ以上とが、前記ステータコアの外周面のうちの、一つの分割コア片の前記径方向外側に突出している;
ことを特徴とする請求項6に記載の回転電機。
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