JP5656493B2 - 新規縮合多環化合物およびそれを有する有機発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、新規縮合多環化合物に関する。また、該新規縮合多環化合物を有する有機発光素子に関する。
有機発光素子は、陽極と陰極との間に有機化合物を含む薄膜が挟持されている素子である。また各電極から電子及びホール(正孔)を注入することにより、蛍光性化合物の励起子が生成され、この励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。
携帯機器用ディスプレイ等への応用を考えた場合は、素子自体の消費電力が低いことが必要となる。特に、発光層の周辺層であるホール注入層やホール輸送層において、その構成材料であるホール注入輸送材料は、有機発光素子の駆動電圧、発光効率及び寿命に貢献するため、精力的に研究開発が行われている。しかし、現在のところ上記の課題が十分に解決されたとはいえない状況である。
上記の課題を解決する方法の1つとして、フルオランテン誘導体を有機発光素子におけるホール注入層の構成材料として使用する試みがなされている(特許文献1)。また電子受容性の高い芳香族カルボン酸誘導体とホール輸送性材料を組み合わせて陽極上に電荷発生層を形成させる試みもなされている(特許文献2)。ただし、これらの誘導体においては、発光色相、効率、輝度あるいは耐久性といった観点から更なる改善が必要であった。
一方、アセナフトフルオランテン骨格に芳香環が縮合した構造を有する化合物を有機薄膜トランジスタ材料として用いる試みもなされている(特許文献3)。
特開2009−152529号公報 特開2008−198769号公報 特開2009−70983号公報
Steaven L. Murov, Ian Carmichael, Gordon L. Hug, Handbook of Photochemistry
本発明は、新規な有機化合物を提供することを目的とする。また、発光効率が高く、且つ低電圧駆動を実現できる有機発光素子を提供することを目的とする。更には、純度のよい発光色相を呈する有機発光素子を提供することを目的とする。
よって本発明は、陽極及び陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光層を有する有機発光素子において、前記陽極と前記発光層の間に配置された有機層が、下記一般式[1]で示される縮合多環化合物を有することを特徴とする有機発光素子を提供する。
(式中、R乃至R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基であり、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
本発明によれば、有機発光素子の周辺層材料、特にホール注入輸送材料として有用な新規化合物を提供できる。また、発光効率が高く、且つ低電圧で駆動が可能な有機発光素子を提供できる。更には、色純度のよい発光色相を呈する有機発光素子を提供することができる。
有機発光素子とこれに接続するスイッチング素子(TFT素子)とを示す断面構造の模式図である。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明に係る新規有機化合物は、下記一般式[1]で示される、直線状に並んだ5員環が4つからなる、縮合多環化合物である。
(式中、R乃至R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基であり、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
すなわち、一般式[1]で示される化合物は、3つのベンゼン環と2つのナフタレン環が、4つの5員環を介して交互に縮合した構造を有する。そして、直線状に並んだ5員環が4つからなり、直線状に5つ以上の5員環が並んでいない。
上記一般式[1]における化合物の置換基、すなわちR乃至R10の具体例を以下に示す。
式中、R乃至R10で表わされるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
乃至R10で表わされるアルキル基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、セカンダリーブチル基、オクチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
乃至R10で表わされるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、ピレニル基、アセナフテニル基、フルオランテニル基、ベンゾフルオランテニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ペリレニル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
乃至R10で表わされる複素環基としては、ピリジル基、キノリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基、チエニル基、ピリミジニル基、ビピリジル基、ターチエニル基、キノキサリニル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
上記置換基、即ちアルキル基、アリール基、複素環基のいずれかが有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、ベンジル基などのアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基などのアリール基、ピリジル基、ピロリル基などの複素環基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基などのアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、などが挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
尚、R乃至R10は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
有機発光素子の構成材料には、材料を高純度化するための精製方法として昇華精製を利用できること、及び有機化合物層を形成する方法である真空蒸着法を利用できることが要求される。ここで昇華及び真空蒸着を行う際には、10−3Pa程度の高真空下において、有機発光素子の構成材料が300℃以上の温度にさらされることになる。このとき有機発光素子の構成材料の分子量が1000以上である場合、材料自体がより高い温度条件にさらされることになる。そうすると、材料自体が熱分解する可能性があり所望の物性が得られなくなることがある。従って、有機発光素子の構成材料として使用される本発明の縮合多環化合物は、分子量が1000以下であることが好ましい。
縮合多環化合物にアリール基や複素環基、アルキル基を導入することは、化学反応性の高い部分を保護する効果の他に、有機発光素子を作製する際の蒸着安定性や薄膜状態における結晶化抑制に対して大きな効果がある。また同時に、アルキル基の電子供与性やハロゲン原子、シアノ基、複素環基の電子吸引性を利用してHOMO及びLUMO準位を調節することも可能である。
中でも、上記一般式[1]において、縮合多環平面の中心部に位置するR乃至R10に置換あるいは無置換のアリール基が導入されていることが好ましい。というのもR乃至R10にアリール基を導入すると、近傍の水素原子によって立体障害を受けるので、アリール基の分子平面は縮合多環平面に対して垂直に近い配向を取るようになるからである。その結果、分子間における縮合多環基同士の相互作用が減少し、昇華温度を低下させることができる。特に、R乃至R10の両方に、置換あるいは無置換のアリール基が導入されていることが好ましい。
本発明で用いられる、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物の特長を以下に説明する。まず第1に、エネルギー準位について述べる。そして第2に、蛍光特性について述べる。
まず第1に、エネルギー準位について述べる。上記一般式[1]で示される縮合多環化合物は、大きな縮合多環平面を有する。従って、特許文献3に記載されるように有機半導体材料として用いることにより、高いキャリア移動度が期待できる。しかしながら、本発明者らは上記一般式[1]で示される縮合多環化合物のエネルギー準位について鋭意検討を重ねた結果、この化合物が有機発光素子用材料、特にホール注入輸送材料に適していることを見出した。この点について、以下により詳細に述べる。
まず、例示化合物1−1及び例示化合物1−9(上記一般式[1]で示される縮合多環化合物の主骨格)、そして化合物1(特許文献1に開示されている直線状に6つの5員環が並んだ縮合多環化合物)のHOMO準位を推定するために密度汎関数法(Density Functional Theory)を用いて、B3LYP/6−31Gレベルでの分子軌道計算を行った。さらに例示化合物1−1については、以下に示す方法により薄膜(スピンコート膜)を作製し、エネルギーギャップ、HOMO及びLUMO準位を測定した。下表1にHOMO準位の計算値及び実測値を示す。
後述する例示化合物1−1は、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物の主骨格におけるエネルギー準位とほぼ同等であると考えられる。
[エネルギー準位の評価]
例示化合物1−1とテトラヒドロフラン(THF)とを混合し、濃度が0.1重量%のTHF溶液を調製した。次に、この溶液をガラス板上に滴下し、最初に回転数500RPMで10秒、次に、回転数1000RPMで40秒スピンコートを行い、薄膜(スピンコート膜)を形成した。
上記薄膜について、理研計器製AC−2を用いてイオン化ポテンシャルを測定し、得られた値に負の符号をつけたものをその化合物のHOMO準位とした。次に、日本分光製V−560により上記薄膜の吸収スペクトルを測定し、エネルギーギャップを算出した。尚、エネルギーギャップは、具体的には、吸収スペクトルの長波長側吸収端に接線を引き、その接線と波長軸が交わった点における波長のエネルギーとして算出した。さらに、HOMO準位にエネルギーギャップを足し合わせた値をLUMO準位とした。
計算の結果、例示化合物1−1と例示化合物1−9のHOMO準位差は0.07eV、例示化合物1−9と化合物1のHOMO準位差は0.15eVであり、3つの化合物のHOMO準位計算値はほぼ同等であった。一方、例示化合物1−1のHOMO準位実測値は−5.70eVであった。このことから上記一般式[1]で示される縮合多環化合物は、酸化錫インジウム(ITO)に代表される5〜6eVの仕事関数を有する陽極からのホール注入及びホール輸送に適しているといえる。特にホール注入層として用いると、分子形状が平面的であるため、陽極との接触面積が大きくなり良好なホール注入性を実現できるため好ましい。
しかしながら、化合物1のように5員環の数を4より多くしてもHOMO準位の上昇が小さいのに対して、分子間相互作用の増大によって溶解性や昇華性が著しく低下してしまう。有機溶媒に難溶であると再結晶やカラムクロマトグラフィーによる精製を行うことができず、不純物が混入する可能性がある。また、昇華性が低いと昇華精製や真空蒸着の際に高温で加熱する必要があり、熱分解の恐れがある。どちらの場合も材料に不純物が混入して、効率や寿命といった素子特性の低下に繋がるため好ましくない。さらに分子の平面性が高まると結晶性も強くなるため、安定なアモルファス薄膜を形成できなくなる。この場合も素子にした際に短絡(ショート)や短寿命化をもたらすため好ましくない。
これらの中でも昇華性の観点からより具体的に述べる。例示化合物1−1は昇華精製の際に分解することはないものの、400℃の加熱が必要であった。化合物1の昇華に際しては、分子量及び平面性の点から400℃以上の温度を要すると推定され、熱分解の可能性がより高まる。このため、直線状に並んだ5員環が4つからなる、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物が好ましい。
ところで、例示化合物1−1のLUMO準位は−3.66eV[エネルギーギャップは2.04eV(608nm)]と小さな値であった。上記一般式[1]で示される縮合多環化合物におけるこのような特長は、5員環構造に由来する高い電子受容性と小さなエネルギーギャップに起因している。ここで、特許文献2においてHOMO(ドナー)とLUMO(アクセプター)の差が2eV以内であるドナーとアクセプター、2種類の材料間で電子の移動が生じ、有機発光素子における電荷発生層として利用し得ることが記載されている。従って、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物は、トリアリールアミンに代表される−5eV前後のHOMO準位を有する化合物と組み合わせることで電荷発生層として使用することも出来る。この際、陽極上やホール輸送層中に電荷発生層を形成させると、電荷発生層から効率よくホールが発生するので、低電圧化効果が高い、即ち高い発光効率であって、低電圧で駆動しても、必要な光量で発光することができる。
第2に、蛍光特性について述べる。エネルギー準位の評価の際に作成した例示化合物1−1の薄膜を日立製F−4500により励起波長450nmで測定したところ、700nmに最大強度を有する微弱な発光スペクトルを観測したのみであった。即ち、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物は、可視領域において非蛍光性であるといえる。この性質は、有機発光素子において発光層から生じる発光の色純度を悪化させないという優れた特長に繋がる。
有機発光素子ではしばしば発光層からのキャリア漏れや励起子(エキシトン)の拡散によって周辺層が発光して所望の発光色よりも色純度が悪化するが、これはディスプレイへの応用を考えた際に特に問題である。特許文献1においてフルオランテン誘導体を界面改善層に用いて陽極との密着性を向上させて寿命を向上させる技術が開示されているが、一般にフルオランテン誘導体は強蛍光性であることが知られている。例えばフルオランテン及びベンゾ[k]フルオランテンの蛍光量子収率はそれぞれ、0.35及び1.0である(非特許文献1参照)。従って、キャリア漏れなどにより不要な発光を生じさせる恐れのあるフルオランテン誘導体を用いることは、高い色純度の達成という観点において好ましくない。
一方、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物は、部分的にはフルオランテン構造を有していながら非蛍光性を実現している。これは、可視領域に発光する化合物に比べて励起一重項エネルギーが低いため、励起一重項状態(蛍光性)が内部転換によって高振動エネルギー準位の基底状態(非蛍光性)へ変化し易いことに起因する。従って上記一般式[1]で示される縮合多環化合物は発光層の周辺層材料として特に好ましい。
本発明において使用される上記一般式[1]で示される化合物を具体的に以下に挙げるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
(有機化合物の合成)
本発明に係る有機化合物は、後述の実施例1で詳細に記載されるように、例えば以下のような合成経路で合成できる。
(第1段階)
(第2段階)
具体的には、第1段階として特開2007−142171号公報に記載の合成方法に従い、出発物質[1](ジブロモジフェニルアセナフトフルオランテン異性体混合物)と出発物質[2](1−ブロモフェニルボロン酸)から中間体混合物1を合成する。
第2段階として、触媒存在下で中間体混合物1を分子内Heck環化反応させることで、目的の例示化合物1−1を合成できる。
第1段階における出発物質[1]および出発物質[2]を変更することで、上記に示すような本発明の縮合多環化合物をそれぞれ合成できる。
(有機発光素子の説明)
次に、本実施形態に係る有機発光素子を説明する。
本発明に係る有機発光素子は、陽極と発光層の間に配置された有機層が、上記の一般式[1]に示される、直線状に並んだ5員環が4つからなる縮合多環化合物を有している。
本発明の有機発光素子は、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持される有機化合物層と、から構成される。好ましくは、陽極及び陰極のいずれかが発光色に対して透明あるいは半透明(透過率がおよそ50%)である。また本発明の有機発光素子は、陽極と発光層の間に存在するホール注入層またはホール輸送層に上記一般式[1]で示される縮合多環化合物が含まれる。
本発明において、ホール注入輸送層は、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物のみで構成されていてもよいが、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物と他のホール注入輸送材料とで構成されていてもよい。
本発明の有機発光素子は、電子注入輸送材料のキャリア移動度とのバランスや、発光層に含まれるホストと隣接層材料とのHOMO準位差及びLUMO準位差を考慮して、有機発光素子が最も優れた特性を示すように層構成及び構成材料が適宜選択される。
本発明の有機発光素子の具体的な構成例を以下に示す。ただし、以下に示す具体例はあくまでもごく基本的な素子構成であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、/は、前後の層が互いに隣接する関係であることを示す。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/ホール輸送層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(4)陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(6)陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/ホール・エキシトンブロッキング層/電子輸送層/電子注入層/陰極
また上記(1)乃至(6)に示される構成の他、電極と有機化合物層と界面に絶縁性層、接着層又は干渉層を設ける、電子輸送層もしくはホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成される等の多様な層構成をとることができる。
本発明の有機発光素子においては、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物以外にも、必要に応じて従来公知の化合物を併用して使用することができる。具体的には、下記に示される化合物を使用することができる。
(a)低分子系及び高分子系のホール注入性化合物・ホール輸送性化合物
(b)発光層のホストとなるホスト化合物
(c)発光層のゲストとなる発光性化合物
(d)電子注入性化合物・電子輸送性化合物
以下にこれらの化合物例を挙げる。
ホール注入性化合物・ホール輸送性化合物としては、ホール移動度が高い材料であることが好ましい。正孔注入性能又は正孔輸送性能を有する低分子系材料・高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
発光層のホストとしては、下記表2に示されている化合物が挙げられる。
さらに上記表1に示されている化合物の他に、縮合環化合物(例えば、フルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体等)、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機亜鉛錯体、及びトリフェニルアミン誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
発光層のゲストとしては、縮合環芳香族化合物(例えばナフタレン誘導体、フェナントレン誘導体、フルオレン誘導体、ピレン誘導体、フルオランテン誘導体、ベンゾフルオランテン誘導体、テトラセン誘導体、コロネン誘導体、クリセン誘導体、ペリレン誘導体、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体、ルブレンなど)、キナクリドン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、ナイルレッド、ピラジン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、スチルベン誘導体、有機金属錯体(例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体)およびポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
電子注入性化合物・電子輸送性化合物としては、ホール注入性化合物・ホール輸送性化合物のホール移動度とのバランス等を考慮しながら適宜選択される。電子注入性能あるいは電子輸送性能を有する化合物としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
陽極の構成材料は、仕事関数がなるべく大きいものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれら金属単体を複数組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーでもよい。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし複数種を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
一方、陰極の材料は、仕事関数の小さいものがよい。例えば、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を複数組み合わせた合金も使用することができる。例えば、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、複数種を併用して使用してもよい。また、陰極は一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
本発明の有機発光素子において、上記一般式[1]で示される縮合多環化合物が含まれる層及びその他の有機化合物からなる層は、以下に示す方法により形成される。一般的には真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマあるいは、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により薄膜を形成する。ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
本発明に係る有機発光素子を有する基板としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜等を用いて発色光をコントロールすることも可能である。
なお、作製した素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けてもよい。
保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッ素樹脂、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜、さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属等で被覆し、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
本発明に係る有機発光素子は、省エネルギーや高輝度が必要な製品に応用が可能である。応用例としては画像表示装置(フラットパネルディスプレイ)のほかに・照明装置やプリンターの光源、液晶表示装置のバックライトなどが考えられる。
図1は、画像表示装置3を構成するTFTと有機発光素子と基板の断面構造の一例を示した模式図である。ガラス等の基板31上に、上部に作られる部材(TFT又は有機層)を保護するための防湿膜32が設けられている。防湿膜32としては酸化ケイ素又は酸化ケイ素と窒化ケイ素との複合体等が用いられる。その上にゲート電極33が設けられている。ゲート電極33はスパッタリングによりCr等の金属を成膜することで得られる。
そしてゲート電極33を覆うようにゲート絶縁膜34が設けられている。ゲート絶縁膜34は酸化シリコン等をプラズマCVD法又は触媒化学気相成長法(cat−CVD法)等により成膜し、パターニングして得られる。
半導体層35はこのゲート絶縁膜を覆うように配置されている。半導体層35はプラズマCVD法等により(場合によっては290℃以上の温度でアニールして)シリコン膜を成膜し、回路形状に従ってパターニングすることで得られる。
TFT素子38はゲート電極33とゲート絶縁膜34、半導体膜35と、この半導体膜35に互いに離間して設けられるドレイン電極36とソース電極37とから構成される。図中2つのTFT素子38は同一面内に配置されている。これらの上部そしてこれらを覆うように絶縁膜39が設けられている。コンタクトホール(スルーホール)310は、金属からなり、TFT素子38のソース電極37と有機発光素子用の陽極311とが接続するように配置されている。
陽極311の上に、多層あるいは単層の有機層312と、陰極313とを順次積層して設けられている。これらによって有機発光素子が構成される。
すなわち、画像表示装置3は、有機発光素子を搭載した複数の画素と、有機発光素子に電気信号を供給する手段としてのTFT素子38とを有して構成される。
また図示するように有機発光素子の劣化を防ぐために第一の保護層314や第二の保護層315を設けてもよい。
尚、上記の表示装置は、スイッチング素子に特に限定はなく、単結晶シリコン基板やMIM素子、a−Si型等でも容易に応用することができる。
上記ITO電極の上に多層あるいは単層の有機発光層/陰極層を順次積層し有機発光表示パネルを得ることができる。本発明の有機化合物を用いた表示パネルを駆動することにより、良好な画質で、長時間表示にも安定な表示が可能になる。
また、素子の光取り出し方向に関しては、ボトムエミッション構成(基板側から光を取り出す構成)及び、トップエミッション(基板の反対側から光を取り出す構成)のいずれも可能である。
以下、実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)例示化合物1−1の合成
(1)中間体混合物1の合成
以下に説明する方法により例示化合物1−1を合成した。なお、中間体混合物1、すなわちジブロモジフェニルアセナフトフルオランテン異性体混合物は特開2007−142171号公報に記載の方法に従って合成した。
まず、窒素雰囲気下、反応容器に以下の1)〜5)の化合物を仕込んだ。
1)ジブロモジフェニルアセナフトフルオランテン異性体混合物:0.428g(0.673mmol)
2)2−ブロモフェニルボロン酸:0.324g(1.61mmol)
3)Pd(PPh:0.233g(0.202mmol)
4)炭酸カリウム:1.86g(13.5mmol)
5)N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5ml)
この反応溶液を100℃に加熱したシリコーンオイルバス上で加熱しながら1時間攪拌した。次に、反応溶液を室温まで冷却した後、水、メタノールを加え、固体の粗生成物を析出させた。次に、粗生成物をろ過してメタノールで洗浄した後、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘプタン=1/3)で精製して中間体混合物1を0.385g(収率73%)得た。
(2)例示化合物1−1の合成
窒素雰囲気下、反応容器に以下の1)〜4)の化合物を仕込んだ。
1)中間体混合物1:0.385g(0.488mmol)
2)1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU):1.49g(9.76mmol)
3)Pd(PPhCl:0.137g(0.195mmol)
4)DMF(4ml)
この反応溶液を170℃に加熱したシリコーンオイルバス上で加熱しながら3時間攪拌した。次に、反応溶液を室温まで冷却した後、水、メタノールを加え、固体の粗生成物を析出させた。次に、粗生成物をろ過してメタノールで洗浄した後、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘプタン=1/2)で精製して例示化合物1−1を0.251g(収率82%)得た。さらに、この固体を120℃で真空乾燥した後、400℃で昇華精製を行った。この時、昇華精製前後で分解物の生成は認められなかった。
MALDI−TOF MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析)によりこの化合物のMである626.2を確認した。
さらに、H−NMR測定によりこの化合物の構造を確認した。
H−NMR(CDCl,500MHz) δ(ppm):7.66(10H,m),7.48(4H,m),7.23(4H,d),7.11(4H,dd),6.37(4H,d)
[実施例2]
基板上に、陽極と、ホール注入層と、ホール輸送層と、発光層と、ホールブロック層と、電子輸送層と、電子注入層と、陰極とがこの順次積層されてなる有機発光素子を以下に示す方法で作製した。
ガラス基板上に、スパッタ法により、酸化錫インジウム(ITO)を成膜して陽極を形成した。このとき陽極の膜厚を120nmとした。次に、この陽極が形成されている基板を、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いで純水で洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄した。以上のようにして処理した基板を透明且つ導電性を有する支持基板として使用した。
次に、真空蒸着法により以下に示す順で成膜を行った。蒸着時の真空度はいずれも1.0×10−4Paとした。
基板上に形成したITO上に、例示化合物1−1を成膜してホール注入層を形成した。すなわち、陽極の界面に設けるホール注入層として、例示化合物1−1を使用した。このときホール注入層の膜厚を5nmとし、成膜速度を0.1nm/sec以上0.2nm/sec以下の条件とした。
次に、形成したホール注入層上に、4,4’−ビス[(1−ナフチル)フェニルアミノ]−1,1’−ビフェニル(NPD)を成膜してホール輸送層を形成した。このときホール輸送層の膜厚を40nmとし、蒸着時の真空度は1.0×10−4Paとし、成膜速度を0.1nm/sec以上0.2nm/sec以下の条件とした。
次に、形成したホール輸送層の上に、下記に示される化合物A及び化合物Bを共蒸着して発光層を設けた。このとき成膜速度を0.1nm/sec以上0.2nm/sec以下の条件とし、発光層中の化合物Aと化合物Bとの重量混合比を85:15となるように調整した。また発光層の膜厚を30nmとした。
次に、形成した発光層上に、下記に示される化合物Cを成膜してホールブロック層を形成した。このときホールブロック層の膜厚を10nmとし、成膜速度を0.1nm/sec以上0.2nm/sec以下の条件とした。
次に、形成したホールブロック層上に、2,9−ビス[2−(9,9−ジメチルフルオレニル)]−1,10−フェナントロリンを成膜して電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を30nmとし、成膜速度を0.1nm/sec以上0.2nm/sec以下の条件とした。
次に、形成した電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を成膜して電子注入層を形成した。このとき電子注入層の膜厚を0.5nmとし、成膜速度を0.01nm/secとした。
次に、形成した電子注入層上に、アルミニウムを成膜し陰極を形成した。このとき陰極の膜厚を100nmとし、成膜速度0.5nm/sec以上1.0nm/sec以下の条件とした。
最後に、水分の吸着によって有機発光素子の劣化が起こらないように、乾燥空気雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で素子を封止した。以上により有機発光素子を得た。
得られた有機発光素子について、その特性を測定し評価した。具体的には、素子の電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、素子の発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。ITO電極を正極、Al電極を負極にして電圧を印加したところ、1000cd/mにおける電圧が3.9V、発光効率が60cd/Aである良好な緑色発光が観測された。
[実施例3]
ホール注入層を、例示化合物1−1及びNPDを重量混合比50:50となるように共蒸着して成膜した以外は、実施例2と同様にして有機発光素子を作製した。このときホール注入層の膜厚を5nmとした。
得られた有機発光素子を評価したところ、1000cd/mにおける電圧が4.0V、発光効率が60cd/Aである良好な緑色発光が観測された。
[比較例1]
ホール注入層を形成しない以外は、実施例2と同様にして有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子を評価したところ、1000cd/mにおける電圧が4.3V、発光効率が59cd/Aであった。これにより、実施例2及び3の素子のように、ホール注入層に本発明の多環縮合化合物を用いた場合、ホール注入層を形成しない場合に比較して低電圧で駆動できることが示された。
38 TFT素子
311 陽極
312 有機層
313 陰極

Claims (4)

  1. 陽極及び陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光層を有する有機発光素子において、前記陽極と前記発光層の間に配置された有機層が、下記一般式[1]で示される縮合多環化合物を有することを特徴とする有機発光素子。

    (式中、R乃至R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基であり、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
  2. 前記一般式[1]において、前記R乃至R10が、それぞれ同じであるか異なる、置換あるいは無置換のアリール基であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記有機層は前記陽極に接していることを特徴とする、請求項1あるいは2に記載の有機発光素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光素子を搭載した複数の画素が設けられており、さらに該有機発光素子に電気信号を供給する手段を有することを特徴とする、画像表示装置。
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