JP5477192B2 - シリカ粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献3に、アルカリ金属珪酸塩水溶液に、珪酸液と、Ca、Mg、Alなどの金属化合物を添加し鎖状形状の非球状シリカ微粒子を得る方法が提案されている。
また、特許文献4に、7〜1000nmの長径と0.3〜0.8の短径/長径比を有する歪な形状のシリカ微粒子を得る方法が提案されている。
また、特許文献6〜7には、シード粒子全面に、球状および/または半球状の突起物が化学結合により結着しているシリカ系粒子が提案されている。
また、特許文献8〜9には、球状2個の単一シリカ粒子を合一させることにより形成する、繭型、落花生様双子型コロイダルシリカ粒子が提案されている。
また、特許文献11には、球状シリカ微粒子の表面にシリカ以外の金属酸化物を含む複数の突起を有する金平糖型の複合シリカゾルが提案されている。
また、特許文献12には、球状シリカ微粒子の表面にシリカ以外の金属酸化物を含む複数の突起を有する短径/長径比0.01〜0.8の非球状シリカゾルが提案されている。
また、特許文献13〜14には、表面に複数の疣(いぼ)状突起を有する非球形および球形シリカゾルおよびその製造方法が提案されている。
請求項1に係る発明は、
アルコールと水とを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
前記アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランを供給すると共に、前記テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給する工程と、
を有するシリカ粒子の製造方法。
本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法は、アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程(以下、「アルカリ触媒溶液準備工程」と称することがある)と、前記アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランを供給すると共に、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給する工程(以下、「粒子生成工程」と称することがある)と、を有する。ただし、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法では、アルコールを含む溶媒には、アルコールの他にさらに水を含む溶媒を適用する。
本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法では、上記手法により、粗大凝集物の発生が少なく、異型状のシリカ粒子が得られる。この理由は、定かではないが以下の理由によるものと考えられる。
そして、テトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給をそれぞれ続けていくと、テトラアルコキシシランの反応により、生成した核粒子が成長し、シリカ粒子が得られる。ここで、このテトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給を、その供給量を上記関係で維持しつつ行うことで、2次凝集物等の粗大凝集物の生成を抑制しつつ、異型状の核粒子がその異型状を保ったまま粒子成長し、結果、異型状のシリカ粒子が生成されると考えられる。これは、このテトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給量を上記関係とすることで、核粒子の分散を保持しつつも、核粒子表面における張力と化学的親和性の部分的な偏りが保持されることから、異型状を保ちながらの核粒子の粒子成長が生じると考えられるためである。
なお、異型状のシリカ粒子とは、例えば、平均円形度が0.5以上0.85以下のシリカ粒子である。
また、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法では、生成した異型状の核粒子が異型状を保ったまま粒子成長され、シリカ粒子が得られると考えられることから、機械的付加に強く、壊れ難いシリカ粒子が得られると考えられる。
また、本実施形態に係るシリカ粒子の製造方法では、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給することで、テトラアルコキシシランの反応を生じさせることにより、粒子生成を行っていることから、従来のゾルゲル法により異型状のシリカ粒子を製造する場合に比べ、総使用アルカリ触媒量が少なくなり、その結果、アルカリ触媒の除去工程の省略も実現される。これは、特に、高純度が求められる製品にシリカ粒子を適用する場合に有利である。
アルカリ触媒溶液準備工程は、アルコールを含む溶媒を準備し、これにアルカリ触媒を添加して、アルカリ触媒溶液を準備する。
なお、アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコールが挙げられる。
アルカリ触媒の濃度が、0.6mol/Lより少ないと、生成した核粒子の成長過程の核粒子の分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成されたり、ゲル化状となったりして、粒度分布が悪化することがある。
一方、アルカリ触媒の濃度が、0.85mol/Lより多いと、生成した核粒子の安定性が過大となり、真球状の核粒子が生成され、異型状の核粒子が得られず、その結果、異型状のシリカ粒子が得られない。
なお、アルカリ触媒の濃度は、アルコール触媒溶液(アルカリ触媒+アルコールを含む溶媒)に対する濃度である。
粒子生成工程は、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランと、アルカリ触媒と、をそれぞれ供給し、当該アルカリ触媒溶液中で、テトラアルコキシシランを反応(加水分解反応、縮合反応)させて、シリカ粒子を生成する工程である。
この粒子生成工程では、テトラアルコキシシランの供給初期に、テトラアルコキシシランの反応により、核粒子が生成した後(核粒子生成段階)、この核粒子の成長を経て(核粒子成長段階)、シリカ粒子が生成する。
このテトラアルコキシシランの供給量を上記範囲とすることで、粗大凝集物の発生が少なく、異型状のシリカ粒子が生成され易くなる。
なお、このテトラアルコキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液におけるアルコール1mol当たりに対する、1分間当たりにテトラアルコキシシランを供給するmol数を示している。
アルカリ触媒の供給量が、0.1molより少ないと、生成した核粒子の成長過程の核粒子の分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成さたり、ゲル化状となったりして、粒度分布が悪化することがある。
一方、アルカリ触媒の供給量が、0.4molより多いと、生成した核粒子の安定性が過大となり、核粒子生成段階で異型状の核粒子が生成されても、その核粒子成長段階で核粒子が球状に成長し、異型状のシリカ粒子が得られない。
乾燥されたシリカ粒子は、必要に応じて解砕、篩分により、粗大粒子や凝集物の除去を行うことがよい。解砕方法は、特に限定されないが、例えば、ジェットミル、振動ミル、ボールミル、ピンミルなどの乾式粉砕装置により行う。篩分方法は、例えば、振動篩、風力篩分機など公知のものにより行う。
疎水化処理剤としては、例えば、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を持つ公知の有機珪素化合物が挙げられ、具体例には、例えば、シラザン化合物(例えばメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシランなどのシラン化合物、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等)等が挙げられる。疎水化処理剤は、1種で用いてもよいし、複数種用いてもよい。
これら疎水化処理剤の中も、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのトリメチル基を有する有機珪素化合物が好適である。
ここで、粉体のシリカ粒子を疎水化処理する方法としては、ヘンシェルミキサーや流動床などの処理槽内で粉体の親水性シリカ粒子を攪拌し、そこに疎水化処理剤を加え、処理槽内を加熱することで疎水化処理剤をガス化して粉体のシリカ粒子の表面のシラノール基と反応させる方法が挙げられる。処理温度は、特に限定されないが、例えば、80℃以上300℃以下がよく、望ましくは120℃以上200℃以下である。
攪拌機、滴下ノズル、温度計を具備した1.5Lのガラス製反応容器に、メタノール200g、10%アンモニア水(NH4OH)33gを添加して混合して、アルカリ触媒溶液を得た。この時のアルカリ触媒溶液における触媒量:NH3量(NH3/(NH3+メタノール+水))は、0.68mol/Lであった。
このアルカリ触媒溶液を25℃に調整した後、攪拌しながら、テトラメトキシシラン(TMOS)100gと3.8%アンモニア水(NH4OH)79gとを、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対してNH3量が0.27molになるように流量を調整し、同時に添加を開始し、60分かけて滴下を行いシリカ粒子の懸濁液を得た。但し、テトラアルコキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液におけるアルコールのモル数に対して、0.0018mol/(mol・min)とした。
その後、溶媒を加熱蒸留により150g留去し、純水を150g加えた後、凍結乾燥機により乾燥を行い、異型状の親水性シリカ粒子を得た。
さらに、異型状の親水性シリカ粒子35gにヘキサメチルジシラザン7gを添加し、150℃で2時間反応させ、シリカ粒子の疎水化処理を行うことにより、平均粒径170nm、平均円形度[100/SF2]0.82の異型状の疎水性シリカ粒子(1)を得た。
また、得られた異型状の疎水性シリカ粒子の粗大凝集物の発生状況について評価したところ、粗大凝集物の発生は確認されなかった。
・式:円形度=4π×投影面積/(周囲長)2
アルカリ触媒溶液の調製に用いる10%アンモニア水を32g(アルカリ触媒量0.66mol/L)にした以外は、実施例1と同様にして、異型状の疎水性シリカ粒子(2)を得た。
アルカリ触媒溶液の調製に用いる10%アンモニア水を37g(触媒量0.75mol/L)にした以外は、実施例1と同様にして、平均粒径200nm、平均円形度[100/SF2]0.83の異型状の疎水性シリカ粒子(3)を得た。
テトラメトキシシランと同時に滴下するアンモニア水濃度を2.74%とし、アンモニア水滴下量を62gとすることにより、滴下するNH3量をテトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して0.15molとした以外は実施例1と同様にして、異型状の疎水性シリカ粒子(4)を得た。
テトラメトキシシランと同時に滴下するアンモニア水濃度を4.10%とし、アンモニア水滴下量を83gとすることにより、滴下するNH3量をテトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して0.30molとした以外は実施例1と同様にして、異型状の疎水性シリカ粒子(5)を得た。
テトラメトキシシランの滴下量及びアンモニア水の滴下量を調整し、滴下開始から滴下終了までの時間を30分に短縮した以外は実施例1と同様にして、異型状シリカ粒子(6)を得た。
テトラメトキシシランの滴下量及びアンモニア水の滴下量を調整し、滴下開始から滴下終了までの時間を20分に短縮した以外は実施例1と同様にして、異型状シリカ粒子(7)を得た。
テトラメトキシシランの滴下量及びアンモニア水の滴下量を調整し、滴下開始から滴下終了までの時間を15分に短縮した以外は実施例1と同様にして、異型状シリカ粒子(8)を得た。
アルカリ触媒溶液の調製に用いる10%アンモニア水を45g(触媒量0.89mol/L)にした以外は、実施例1と同様にして疎水性シリカ粒子を作製したところ、球形状の疎水性シリカ粒子(9)となった。
アルカリ触媒溶液の調製に用いる10%アンモニア水を55g(触媒量1.05mol/L)にした以外は、実施例1と同様にして疎水性シリカ粒子を作製したところ、球形状の疎水性シリカ粒子(10)となった。
テトラメトキシシランと同時に滴下するアンモニア水濃度を5.0%とし、アンモニア水滴下量を100gとすることにより、滴下するNH3量をテトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して0.45molとした以外は、実施例1と同様にして疎水性シリカ粒子を作製したところ、球形状の疎水性シリカ粒子(11)となった。
テトラメトキシシランと同時に滴下するアンモニア水濃度を1.82%とし、アンモニア水滴下量を55gとすることにより、滴下するNH3量をテトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して0.09molとした以外は、実施例1と同様にして、疎水性シリカ粒子を作製したところ、造粒中にゲル化状態となりシリカ粒子は得られなかった。
アルカリ触媒溶液の調製に用いる10%アンモニア水を10gにした以外は、実施例1と同様にして疎水性シリカ粒子を作製したところ、造粒中にゲル化状態となりシリカ粒子は得られなかった。
アルカリ触媒溶液の調製に用いる10%アンモニア水を28g(触媒量0.58mol/L)にした以外は、実施例1と同様にして疎水性シリカ粒子を作製したところ、粗大凝集物の混在する異型状の疎水性シリカ粒子(12)となった。
Claims (1)
- アルコールと水とを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
前記アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランを供給すると共に、前記テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給する工程と、
を有するシリカ粒子の製造方法。
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