JP5450956B2 - 包装袋、その製造装置、および包装袋の製造方法 - Google Patents

包装袋、その製造装置、および包装袋の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、包装袋、その製造装置、および包装袋の製造方法に関する。
現在、年配者の増加により、食品包装などの包装袋を容易に開封できる易開封性の包装袋が必要とされている。このような包装袋としては、ミシン目加工、レーザー加工、ジッパーの取付けなどにより、容易に開封することができる包装袋が知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
特許文献1には、包装袋の一側端部に把持片が設けられ、把持片を引き上げて、他側端部に向けて表シートを引き裂くことにより開封される構成が示されている。
特許文献2には、袋本体の上部に熱融着された切断糸と、切断糸の一端に連結された摘み片とが設けられ、摘み片を摘み、切断糸とともに引っ張ることによって、袋本体を開封する構成が示されている。
特開平10−59384号公報 特開平6−286758号公報
特許文献1,2には、表基材層に把持片や摘み片を設けることにより、包装袋が開封しやすくなっている。しかし、包装袋の密封性などの表基材層の機能を奪うおそれがある。
また、フィルムを製袋する際、収納空間を設けるためにサイドシールを行う。その際、サイドシール部の収納空間側の縁に樹脂だまりが発生する。そのため、ノッチ等を入れて開封性を向上させるための構成を設けても、開封時に大きな力が必要になるおそれがある。
本発明の目的は、密封性を維持し、包装袋の初期開封強度を低減した包装袋、その製造装置、および包装袋の製造方法を提供することである。
本発明の包装袋は、フィルムの周縁が互いに重ね合わされた状態で接着されて形成されたシール部および内部に収納空間を有した包装袋であって、前記シール部に、前記シール部の厚さ寸法より薄肉で、前記シール部の外縁から前記収納空間に亘って設けられる薄肉部を備え、前記フィルムは、表基材層と、この表基材層に重ね合わされたシーラント層とを有し、前記収納空間側で開口縁に略沿って設けられた咬合具を備え、前記フィルムの周縁には、前記咬合具の端部が前記シーラント層と接着して形成されるポイントシール部が設けられ、前記薄肉部は、前記ポイントシール部に設けられたことを特徴とする。
フィルムを製袋する際、シール部の収納空間側の縁に樹脂だまりが発生する。このため、包装袋の開封が困難となる場合がある。しかし、この発明では、薄肉部が収納空間に亘って設けられているため、通常、サイドシールを行う際にできてしまう樹脂だまりがないので、包装袋が開封しやすくなっている。また、薄肉部は、表基材層が設けられることで、密封性が維持される。薄肉部の形状は、特に制限されず、四角型、半球型、三角型等でも構わない。
なお、薄肉部は、外縁から前記収納空間に亘って連続して略直線状に設けられていることが好ましい。
さらに、本発明では、前記フィルムは、表基材層と、この表基材層に重ね合わされたシーラント層とを有し、前記シーラント層の前記収納空間側で開口縁に略沿って設けられた咬合具を備え、前記フィルムの周縁には、前記咬合具の端部が前記シーラント層と接着して形成されるポイントシール部が設けられ、前記薄肉部は、前記ポイントシール部に設けられた構成としている
この発明では、薄肉部は、ポイントシール部に設けられているので、ポイントシール部から包装袋を容易に開封することができる。
また、本発明では、前記薄肉部の厚さ寸法は、前記表基材層の厚さ寸法の2倍以上前記表基材層の厚さ寸法と前記シーラント層の厚さ寸法と前記咬合具の厚さ寸法との和の2倍よりも小さいことが好ましい。
この発明では、薄肉部の厚さ寸法を所定の幅寸法としたので、さらに容易に薄肉部から包装袋を容易に開封することができる。なお、薄肉部の厚さ寸法を所定の幅寸法とする際には、表基材層が破れないことが前提となる。
本発明の包装袋製造装置は、上述の包装袋を製造することを特徴とする。
この発明では、包装袋製造装置により密封性が維持されるとともに、初期開封強度が低減した包装袋を製造することができる。
また、本発明の包装袋の製造方法は、前記ポイントシール部を形成させるポイントシール工程と、前記シール部を形成させるシール工程と、前記包装袋のシール部を冷却させる冷却工程とを備え、前記ポイントシール工程、前記シール工程、前記冷却工程、前記ポイントシール工程と前記シール工程との間の工程、前記シール工程と前記冷却工程との間の工程、前記冷却工程後の工程の少なくともいずれかの工程において前記ポイントシール部に前記薄肉部を形成させることを特徴とする。
この発明では、包装袋の製造工程において、ポイントシール部に薄肉部を形成させることができるので、製袋した後に、薄肉部を形成させる場合と比較して、効率が良い。
そして、シール工程と冷却工程との間の工程および前記冷却工程と切断工程との間の工程では、シール部を冷却させる際の温度条件にて薄肉部を形成させる。
また、ポイントシール工程とシール工程との間の工程では、ポイントシール部を形成させる際の温度条件またはシール部を形成させる際の温度条件にて薄肉部を形成させる。
さらに、本発明では、前記ポイントシール工程はポイントシールバーにて前記ポイントシール部を形成し、前記シール工程はシールバーにて前記シール部を形成し、前記冷却工程は冷却バーにて前記シール部を冷却し、前記ポイントシールバー、前記シールバー、および前記冷却バーのうち少なくともいずれかのバーに設けられた突起部にて薄肉部を形成させることが好ましい。
この発明では、ポイントシールバーが突起部を有する際には、ポイントシール部を形成させるとともに、薄肉部を形成させることができる。また、シールバーが突起部を有する際には、シール部を形成させるとともに、薄肉部を形成させることができる。さらに、冷却バーが突起部を有する際には、シール部を冷却させるとともに、薄肉部を形成させることができる。したがって、効率的に包装袋に薄肉部を形成することができる。
また、本発明では、前記ポイントシール工程と前記シール工程との間の工程、前記シール工程と前記冷却工程との間の工程、および前記冷却工程後の工程のうち少なくともいずれかの工程にて、突起部を有する薄肉部形成バーにより前記薄肉部を形成させることが好ましい。
この発明では、突起部を有する薄肉部形成バーを用いる簡単な構成により、ポイントシール部に薄肉部を形成させることができる。
そして、本発明では、前記冷却バーは、10度以上前記咬合具の融点以下で前記薄肉部を冷却して成形することが好ましい。
この発明では、冷却バーは、所定の温度範囲で冷却するので、良好に薄肉部を形成することができる。また、冷却バーは、15度以上60度以下の温度条件にて薄肉部を冷却成形することが好ましい。なお、薄肉部を冷却する際の温度はより低いほうが好ましい。
さらに、本発明では、前記ポイントシールバーまたは前記シールバーは、前記咬合具の融点以上前記表基材層の融点以下で前記薄肉部を加熱して成形することが好ましい。
この発明では、ポイントシールバーまたはシールバーは、所定の温度条件で加熱してポイントシール部を形成するとともに、薄肉部を形成することができる。また、ポイントシールバーまたはシールバーは、130度以上240度以下の温度条件にて加熱成形することが好ましい。
[第一実施形態]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、本発明における包装袋製造装置により製造された咬合具付き包装袋10(以下「包装袋10」と略記する)として、例えば、食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するための包装袋など、包装袋本体と、包装袋本体に設けられた咬合具とを備えた包装袋を例示する。
図1は、本実施の形態における包装袋を示す正面図である。図2は、図1のII−II断面図である。図3は、図1のIII−III断面図である。図4は、III−III断面図であって、本実施形態の包装袋のサイドシール部に設けられた薄肉部の拡大断面図である。
[包装袋の構成]
図1に示すように、本実施形態の包装袋10は、包材となる基材フィルム11Aを重ね合わせて、その周縁にサイドシール部12Aおよびトップシール部12Bを形成することによって形成される包装袋本体11を備え、包装袋本体11の開口部の内面には、咬合具20が取り付けられている。また、包装袋本体11には、図1、2に示すように、サイドシール部12Aおよびトップシール部12Bにより収納空間14が形成される。さらに、咬合具20の両端であり、後述する薄肉部15に、開封開始位置となる図示しないV字形のノッチがそれぞれ形成される。
咬合具20の雄部材21、雌部材22は、再開閉可能であれば特に限定されないが、一般的に使われている低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂などにて形成することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン(RPP)、プロピレン−エチレン−ブテン1ランダム三元共重合体、ポリオレフィン系特殊軟質樹脂(TPO樹脂。例えばプライムポリマーTPO)等の熱可塑性樹脂や、これらの樹脂を混合した混合物を使用することができる。
また、基材フィルム11Aは、図2、3に示すように、包装袋本体11の内面を形成する接着部としてのシーラント層13Aと、袋体の外面を形成する表基材層13Bとからなる。
袋体を形成する包材である基材フィルム11Aとしては、シーラント層13Aを積層した構成の積層フィルムを使用することが好ましいが、要求される性能に応じて、表基材層13Bとシーラント層13Aとの間に、中間層として図示しないガスバリアー層、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルム層を使用してもよい。
表基材層13Bには、二軸延伸ナイロンフィルム(ONyフィルム)のほか、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム)などの二軸延伸ポリエステルフィルムや、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などの二軸延伸ポリアミドフィルムなどを好適に使用することができるが、必要に応じて各種エンジニアリングプラスチックフィルムを使用することもできる。また、これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
中間層をガスバリアー層とする場合、中間層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を使用することができる。
また、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を使用する場合は、表基材層13Bの内面に蒸着または塗布して形成してもよく、また、別の二軸延伸ナイロンフィルム(ONyフィルム)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などに蒸着または塗布して形成しておいて、そのフィルムを中間層に積層してもよい。
これらのうち、アルミニウム箔とアルミニウム蒸着層は、不透明であるため遮光層を兼ねることもできる。
表基材層13Bと中間層のフィルムの積層には、公知のドライラミネーション法または押し出しラミネーション法(サンドイッチラミネーション法)を用いることができる。
最内層のシーラント層13Aには、直鎖状低密度ポリエチレン(LLポリエチレン)や、ポリプロピレン(CPP)などを使用することができる。
なお、シーラント層13Aの積層は、上記の樹脂をフィルム状に製膜し、ドライラミネーション法または押出ラミネーション法で積層してもよく、また、前記の樹脂を押し出しコートして積層し、基材フィルム11Aを得ることができる。
上述したように、基材フィルム11Aは、図2、3に示すように、収納空間14側に咬合具の雄部材21および雌部材22が融着されたシーラント層13Aと、シーラント層13Aの収納空間14と反対側に重ね合わされた表基材層13Bとを有する。サイドシール部12Aでは、図2に示すように、雄部材21および雌部材22が互いに熱融着によりシールされた際に形成される。サイドシール部12Aには、図3に示すように、咬合具20の端部がシーラント層13Aに熱融着される、いわゆるポイントシールされる際に形成されるポイントシール部12Cが設けられている。ポイントシール部12Cでは、雄部材21および雌部材22が互いに熱融着される。
そして、ポイントシール部12Cの略中央には、後述する薄肉部形成装置により形成された薄肉部15が設けられている。薄肉部15は、厚さ寸法がポイントシール部12Cの厚さ寸法よりも小さくなる状態に設けられている。具体的には、薄肉部15の厚さ寸法は、表基材層13Bの厚さ寸法の2倍以上であり、表基材層13Bの厚さ寸法とシーラント層13Aの厚さ寸法と雄部材21および雌部材22が互いに融着された咬合具20部分の厚さ寸法との和の2倍よりも小さく形成されている。
すなわち、図4に示すように、薄肉部15の厚さをA、表基材層13Bの厚さをB、シーラント層13Aの厚さをC、雄部材21および雌部材22が互いに融着された咬合具20部分の厚さをDとした場合では、Aの厚さ寸法は、Bの厚さ寸法の2倍以上であり、Bの厚さ寸法とCの厚さ寸法とDの厚さ寸法との和の2倍よりも小さい状態である。なお、Aの厚さ寸法の条件は、表基材層13Bが破れないことが前提である。
また、薄肉部15は、平面視で外縁から収納空間14側に亘って略直線状に設けられている。なお、直線状に限らず、屈曲した形状でもよい。さらに、薄肉部15の断面は、断面四角形状、断面三角形状、断面半球形状に限らず、他のポイントシール部12Cよりも厚さ寸法が小さく形成されていればよい。
[包装袋製造装置の構成]
包装袋製造装置は、ポイントシール装置と、サイドシール装置と、冷却装置と、薄肉部形成装置と、切断装置とを順に備える。
ポイントシール装置には、対向配置された一対のポイントシールバーが設けられ、包材送出部から送り出された一対の基材フィルム11Aの間に、テープ送出部から送り出された咬合具20を位置させて、ポイントシールバーにより咬合具20の両端部と基材フィルム11Aを熱融着させる。これにより、ポイントシール部12Cが形成される。
サイドシール装置は、対向配置された一対のサイドシールバーにより、ポイントシール装置から搬送された基材フィルム11Aの周縁部を熱融着させる。これにより、サイドシール部12Aが形成される。なお、サイドシール部12Aは、ポイントシール部12Cを含む位置に形成される。
冷却装置は、対向配置された一対の冷却バーが設けられ、これら冷却バーにより、サイドシール装置から搬送された基材フィルム11Aのサイドシール部12Aおよびポイントシール部12Cを冷却させるとともに固化させる。これにより、シール強度が増す。
薄肉形成装置は、冷却装置から搬送された基材フィルム11Aに薄肉部15を形成させる。薄肉形成装置は、基材フィルム11Aを挟んで互いに対向配置された2つの薄肉部形成バーと、薄肉部形成バーの間に包装袋10を挟む状態で、薄肉部形成バーに設けられ基材フィルム11Aに向かって突出した凸部とを備える。凸部の形状は特に限定されないが、例えば、四角型、半球型、三角形型、トット形状などである。冷却バーにて冷却されたポイントシール部12Cに対して、薄肉部形成バーが基材フィルム11Aの上から押圧することにより、ポイントシール部12Cに薄肉部15が形成される。
薄肉形成装置の薄肉部形成バーがポイントシール部12Cを押圧する際には、冷却バーがサイドシール部12Aを押圧する際の温度条件と同じ条件にて押圧する。具体的には、薄肉部15の温度が10℃以上咬合具20の融点以下となる状態で、薄肉部形成バーがポイントシール部12Cを形成する。ここで、さらに好ましい温度範囲としては、15℃以上60℃以下である。なお、薄肉形成装置としては、例えば、穴あけ装置などを改良したものが挙げられる。
切断装置では、薄肉形成装置から搬送される基材フィルム11Aの搬送方向に対して切断バーにより所定間隔で基材フィルム11Aを溶断する。
次に、本実施形態の包装袋10を開封する方法を説明する。
開封するときは、薄肉部15に形成されたノッチの開口部側の基材フィルム11Aと、収納空間14側の基材フィルム11Aとを把持し、該ノッチを切裂開始位置として、前後に切り裂くようにして開封する。その結果、薄肉部15、すなわちポイントシール部12Cから包装袋を開封することができる。
[第一実施形態の効果]
前記したような包装袋および包装袋製造装置によれば、以下に示す作用効果を奏することができる。
本実施形態の包装袋10には、外縁から収納空間14にわたって連続しポイントシール部12Cよりも厚さ寸法が小さい薄肉部15が設けられている。
このため、薄肉部が収納空間に亘って設けられているので、通常、サイドシールを行う際にできてしまう樹脂だまりがない。したがって、包装袋が開封しやすくなる。また、薄肉部15には表基材層13Bが設けられているので、密封性を維持できる。
また、薄肉部15は、ポイントシール部12Cから収納空間14側の端部にわたって略直線状に設けられている。
このため、薄肉部15が屈曲して設けられている場合やドット状に設けられている場合と比較して、容易に薄肉部15を切断して、包装袋10を開封することができる。
さらに、薄肉部15は、表基材層13Bの厚さ寸法の2倍以上表基材層13Bの厚さとシーラント層13Aの厚さ寸法と咬合具20が融着された際の咬合具20の厚さ寸法との和の2倍よりも小さい状態である。
このため、薄肉部15の厚さ寸法を所定の幅寸法としたので、さらに容易に薄肉部15を引き裂いて、包装袋10を開封させることができる。なお、薄肉部15の厚さ寸法を所定の幅寸法とする際には、表基材層13Bが破れないことが前提となる。
また、薄肉部15は、薄肉部形成バーに設けられた凸部により形成される。
このため、薄肉部形成バーに凸部を設けた簡単な構成により、薄肉部15を形成することができる。
さらに、薄肉部15は、冷却バーにて冷却されたポイントシール部12Cに形成される。
このため、ポイントシール部12Cが所定の温度で冷却されているので、薄肉部15を良好に形成することができる。
本実施形態の包装袋製造装置は、薄肉部15が設けられた包装袋10を製造する。
このため、包装袋製造装置は、包装袋の製造工程において、表基材層13Bの機能を維持し、かつ初期開封強度が低減した包装袋10を製造することができる。
[実施形態の変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、薄肉形成装置は、ポイントシール装置、サイドシール装置、冷却装置、切断装置と、それぞれ独立して設けられたが、ポイントシール装置、サイドシール装置、冷却装置、および、切断装置のうち少なくともいずれかの装置に設けられていてもよい。
すなわち、冷却装置の冷却バーは、薄肉部15を形成可能な凸部を有する構成でもよい。この場合、薄肉部15の冷却温度は、10℃以上咬合具の融点以下の温度で行うことができる。また、ポイントシール装置のポイントシールバーやサイドシール装置のシールバーも同様に、薄肉部15を形成可能な凸部を有する構成でもよい。この場合、薄肉部15の加熱温度は、咬合具20の融点以上表基材層13Bの融点以下の温度で行うことができる。さらに、切断装置の切断バーも同様に、薄肉部15を形成可能な凸部を有する構成でもよい。
また、薄肉部形成装置は、冷却装置と切断装置との間に設けられ、冷却装置から搬送された基材フィルム11Aに薄肉部15を形成させる構成を示したがこれに限られない。例えば、薄肉部形成装置は、ポイントシール装置とサイドシール装置との間に設けられていても良い。この場合では、ポイントシール装置またはサイドシール装置が加熱する温度にて薄肉部15を形成させる。
さらに、薄肉部形成装置は、サイドシール装置と冷却装置との間に設けられていても良く、冷却装置と切断工程との間に設けられていても良い。これらの場合では、冷却装置にて冷却する温度条件で薄肉部15を形成させる。
さらに、薄肉部形成装置は、基材フィルム11Aのポイントシール部12Cに薄肉部15を形成したが、サイドシール部12Aやトップシール部12Bに薄肉部15を形成してもよい。
本発明の前提技術
次に、本発明の包装袋を説明するための前提技術を説明するこの前提技術は、基材フィルム11Aの内面に咬合具を設けない点が異なる以外は第一実施形態と同様の構成であるので、説明は省略する。
包装袋10は、薄肉部形成装置により、基材フィルム11Aのサイドシール部12Aに薄肉部15が形成される。また、薄肉部15の厚さ寸法は、シーラント層13Aの厚さ寸法が表基材層13Bの厚さ寸法の2倍以上表基材層13Bの厚さ寸法とシーラント層13Aの厚さ寸法との和の2倍よりも小さい状態である。
また、サイドシール装置のシールバーは、薄肉部15を形成可能な凸部を有する構成でもよい。この場合、シーラント層13Aの融点以上表基材層13Bの融点以下の温度条件で薄肉部15を形成させる。また、冷却装置は、薄肉部15を形成可能な凸部を有する構成でもよい。この場合、10℃以上シーラント層13Aの融点以下の温度条件で薄肉部15を形成させる。
本発明の前提技術の効果]
薄肉部形成装置は、サイドシール部12Aに薄肉部15を形成する。
このため、比較的に肉厚に形成されたサイドシール部12Aにおいても、薄肉部15にてサイドシール部12Aを容易に切り裂ことができるので、包装袋10の初期開封強度が低減される。
また、薄肉部15の厚さ寸法は、表基材層13Bの厚さ寸法の2倍以上表基材層13Bの厚さ寸法とシーラント層13Aの厚さ寸法との和の2倍よりも小さい状態である。
このため、薄肉部15の厚さ寸法を所定の幅寸法としたので、容易に薄肉部15からサイドシール部12Aを引き裂くことができる。なお、薄肉部15の厚さ寸法を所定の幅寸法とする際には、表基材層13Bが破れないことが前提となる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例等の内容に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
表基材層としての二軸延伸ナイロンフィルムと、シーラント層としての直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)フィルムとをドライラミネートして積層フィルムとした。この積層フィルムを使用し、包装袋本体の内側に咬合具を熱融着させた。続けて、ポイントシール装置、サイドシール装置、および冷却装置にてポイントシール、サイドシール、および冷却を順に行った。
そして、サイドシール部を冷却させた後に、薄肉部形成装置の薄肉部形成バーによりポイントシール部に薄肉部を形成した。この際、薄肉部形成バーの凸部を四角型、薄肉部形成バーの温度を30℃、薄肉部のトータル厚み寸法を70μmとした。
なお、二軸延伸ナイロンフィルムは、厚み15μmのユニロンG100(商品名、出光ユニテック株式会社製)、L−LDPEシーランフィルムは、厚み50μmのユニラックスLS711C(商品名、出光ユニテック株式会社製)、咬合具20は、MFB−994(商品名、出光ユニテック株式会社製)である。
[実施例2]
実施例1の構成に対して、冷却装置の冷却バーによりポイントシール部に薄肉部を形成した。この際、冷却バーの温度を10℃とした。
[実施例3]
実施例1の構成に対して、ポイントシール装置のポイントシールバーによりポイントシール部に薄肉部を形成した。この際、ポイントシールバーの温度を130℃とした。
[実施例4]
実施例1の構成に対して、冷却装置の冷却バーによりサイドシール部に薄肉部を形成した。この際、冷却バーの温度を10℃とした。
[実施例5]
実施例1の構成に対して、サイドシール装置のサイドシールバーによりサイドシール部に薄肉部を形成した。この際、サイドシールバーの温度を130℃とした。
[実施例6]
実施例1の構成に対して、冷却装置の冷却バーによりポイントシール部に薄肉部を形成した。この際、冷却バーの温度を130℃とした。
[実施例7]
実施例1の構成に対して、ポイントシール装置のポイントシールバーによりポイントシール部に薄肉部を形成した。この際、ポイントシールバーの温度を220℃とした。
[比較例1]
実施例1の構成に対して、冷却装置の冷却バーによりポイントシール部に薄肉部を形成した。この際、冷却バーの温度を150℃とした。
[比較例2]
実施例1の構成に対して、ポイントシール装置のポイントシールバーによりポイントシール部に薄肉部を形成した。この際、ポイントシールバーの温度を250℃とした。
[比較例3]
実施例1の構成に対して、薄肉部を設けず、サイドシール部のトータル厚みを120μmとした。
[比較例4]
実施例1の構成に対して、薄肉部を設けず、ポイントシール部のトータル厚みを400μmとした。
<評価>
実施例1〜7および比較例1,2で得られた包装袋の薄肉部に対して、Vノッチを形成し、初期強度について評価した。また、比較例3で得られた包装袋のサイドシール部に対して、Vノッチを形成し、初期強度について評価した。さらに、比較例4で得られた包装袋のポイントシール部に対して、Vノッチを形成し、初期強度について評価した。評価内容は以下の通りである。
初期強度
A:抵抗が小さく、容易に開封可能
B:抵抗はあるが、容易に開封可能
C:抵抗はあるが、開封可能
D:抵抗が大きく、開封困難であるが開封可能
E:初期開封時に開封できない又は袋が破断
Figure 0005450956
表1から分かるように、実施例1では、抵抗が小さく、容易に開封することができた。実施例2,4では、抵抗はあるが、容易に開封することができた。実施例3,5〜7では、抵抗はあるが、開封することができた。比較例1〜3では、抵抗が大きく、開封困難であるが開封することはできた。比較例4では、初期開封時に開封できない、又は袋が破断した。
これらのことから、実施例2での冷却温度が冷却の下限であることが分かった。また、実施例3での加熱温度が加熱の下限であることが分かった。そして、実施例6での冷却温度が冷却の上限であることが分かった。さらに、実施例7での加熱温度が加熱の下限であることが分かった。そして、実施例1〜7では、開封可能な包装袋を製造することができることが分かった。
これに対して、比較例1での冷却温度が冷却の上限を超えることが分かった。また、比較例2での加熱温度が加熱の上限を超えることが分かった。
本発明は、食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するための包装袋など、咬合具の有無に関わらず利用できる。
本実施の形態における包装袋を示す正面図。 図1のII−II断面図。 図1のIII−III断面図。 図1のIII−III断面図であって、薄肉部の断面拡大図。
符号の説明
10……包装袋
11……包装袋本体
12A…サイドシール部
12C…ポイントシール部
13A…シーラント層
13B…表基材層
15……薄肉部
20……咬合具

Claims (8)

  1. フィルムの周縁が互いに重ね合わされた状態で接着されて形成されたシール部および内部に収納空間を有した包装袋であって、
    前記シール部は、一対のサイドシール部を有し、
    前記サイドシール部のそれぞれに、前記サイドシール部の厚さ寸法より薄肉で、前記サイドシール部の外縁から前記収納空間に亘って設けられる薄肉部を備え、
    前記フィルムは、表基材層と、この表基材層に重ね合わされたシーラント層とを有し、
    前記シーラント層の前記収納空間側で開口縁に略沿って設けられた咬合具を備え、
    前記フィルムの周縁には、前記咬合具の端部が前記シーラント層と接着して形成されるポイントシール部が設けられ、
    前記薄肉部は、前記ポイントシール部に設けられた
    ことを特徴とした包装袋。
  2. 請求項1に記載の包装袋であって、
    前記薄肉部の厚さ寸法は、前記表基材層の厚さ寸法の2倍以上前記表基材層の厚さ寸法と前記シーラント層の厚さ寸法と前記咬合具の厚さ寸法との和の2倍よりも小さい
    ことを特徴とした包装袋。
  3. 請求項1または請求項2に記載の包装袋を製造する包装袋製造装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の包装袋の製造方法であって、
    前記ポイントシール部を形成させるポイントシール工程と、前記シール部を形成させるシール工程と、前記包装袋のシール部を冷却させる冷却工程とを備え、前記ポイントシール工程、前記シール工程、前記冷却工程、前記ポイントシール工程と前記シール工程との間の工程、前記シール工程と前記冷却工程との間の工程、前記冷却工程後の工程の少なくともいずれかの工程にて前記ポイントシール部に前記薄肉部を形成させる
    ことを特徴とした包装袋の製造方法。
  5. 請求項4に記載の包装袋の製造方法であって、
    前記ポイントシール工程はポイントシールバーにて前記ポイントシール部を形成し、前記シール工程はシールバーにて前記シール部を形成し、前記冷却工程は冷却バーにて前記シール部を冷却し、前記ポイントシールバー、前記シールバー、および前記冷却バーのうち少なくともいずれかのバーに設けられた突起部にて薄肉部を形成させる
    ことを特徴とした包装袋の製造方法。
  6. 請求項4に記載の包装袋の製造方法であって、
    前記ポイントシール工程と前記シール工程との間の工程、前記シール工程と前記冷却工程との間の工程、および前記冷却工程後の工程のうち少なくともいずれかの工程にて、突起部を有する薄肉部形成バーにより前記薄肉部を形成させる
    ことを特徴とした包装袋の製造方法。
  7. 請求項5に記載の包装袋の製造方法であって、
    前記冷却バーは、10度以上前記咬合具の融点以下で前記薄肉部を冷却して成形する
    ことを特徴とした包装袋の製造方法。
  8. 請求項5に記載の包装袋の製造方法であって、
    前記ポイントシールバーまたは前記シールバーは、前記咬合具の融点以上前記表基材層の融点以下で前記薄肉部を加熱して成形する
    ことを特徴とした包装袋の製造方法。
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