JP4872398B2 - 咬合具及び咬合具付き包装袋 - Google Patents

咬合具及び咬合具付き包装袋

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Description

本発明は、開口部に雄部材と雌部材が相互に咬合する咬合具を備えた包装袋であって、包装袋の開口部を開状態、閉状態に保持可能な咬合具及び咬合具付き包装袋に関する。
従来より、包装袋の開口部に雄部材及び雌部材よりなる帯状の咬合具を設けることにより、開閉自在とした包装袋が使用方法の簡便性から食品、医薬品、雑貨等の分野で広く使用されている。ここで、雄部材は、開口部近傍の包装袋内面部分にヒートシール等で熱融着される帯状基部と、この帯状基部に突設され、先端が膨出する断面形状で、帯状基部の延出方向に沿って延びる雄咬合部と、を含んで構成される。
雌部材も同様に、帯状基部と、雄咬合部の先端膨出部分と咬合する湾曲状の断面形状で、帯状基部の延出方向に沿って延びる雌咬合部と、を含んで構成される。そして、前記雄咬合部および雌咬合部を互いに咬合させることにより、包装袋開口部周縁が線状に密閉されるため、食品等を漏れ出すことなく密閉収納することができる。このような咬合具付き袋に密閉収納された食品等の内容物を取り出す場合、例えば、開口部近傍の袋外側部分を摘んで外方に引っ張って開けられる。
このように、咬合具付き包装袋は、簡便に包装袋を自在に開閉できるが、咬合具は、雄部材及び雌部材とも上記のような形状をしているために包装袋本体に比べて剛性が高く、咬合具を開けて包装袋を開口しても、すぐに元の状態に戻り開口部が閉塞してしまう。このため、開封された包装袋から内容物を取り出す度毎に、その都度開口しなければならず、使い勝手が悪いという問題があった。そこで、プラスチック材料によって形成された相互に噛み合う噛合部を有する一対の帯状のファスナー部材(咬合具)が、袋本体の口部内面に装着されたパウチ容器において、前記ファスナー部材または前記ファスナー部材の装着部分が塑性変形可能な形状保持性を有していることを特徴とするパウチ容器や、前記袋本体と前記ファスナー部材との間に、塑性変形可能な線状または帯状の形状保持部材を挟み込んだパウチ容器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1にはファスナー部材またはファスナー部材の装着部分に塑性変形可能な形状保持性を付与する方法の開示がなく、また、ファスナー部材と袋本体との間に形状保持部材を挟みこむ具体的な手段の開示もない。また、この方法では一般の咬合具取付け製袋機では製造が困難で形状保持部材の供給部やファスナー部材と形状保持部材との位置合せ装置等機械改造が必要となるばかりでなく、さらに、位置合せ等の調整時間が必要となり、また、調整による製品の歩留り低下が発生し、コストアップになるという問題がある。
特開2003−40290号公報
そこで本発明は、咬合具と形状保持部材を熱融着して一体化し、包装袋の開口部内面に融着させて開閉自在な包装袋とすると共に、包装袋を開口しても元に戻らず、開口状態を保持できる形状保持機能を有する咬合具付き包装袋を提供することである。
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、請求項1記載の本発明は、相互に咬合し合う雄部材と雌部材とからなる熱可塑性樹脂製の咬合具であって、前記雄部材は、帯状の第一基部と、前記第一基部の一方の面上に突出して第一基部と連続して設けられた帯状の雄型咬合部と、前記第一基部の反対面に設けられた第一凹部と、前記第一凹部に嵌合するように熱融着により一体化されている熱可塑性樹脂製の帯状の第一形状保持部材とを備えており、第一凹部は第一基部の幅より短く且つ雄型咬合部幅よりも長い幅寸法を有しており、第一凹部は第一基部の厚みより薄い凹み寸法を有しており、帯状の第一形状保持部材は第一凹部の断面と略同形状の断面を有しており、第一基部の第一凹部を設けている面と第一形状保持部材は略同一面となるように構成されており、雄部材における第一形状保持部材及び第一凹部の位置は、雄型咬合部の中心線が第一形状保持部材及び第一凹部の幅方向の中央を通るように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明は、相互に咬合し合う雄部材と雌部材とからなる熱可塑性樹脂製の咬合具であって、前記雌部材は、帯状の第二基部と、前記第二基部の一方の面上に突出して第二基部と連続して設けられた帯状の雌型咬合部と、前記第二基部の反対面に設けられた第二凹部と、前記第二凹部に嵌合するように熱融着により一体化されている熱可塑性樹脂製の帯状の第二形状保持部材とを備えており、第二凹部は第二基部の幅より短く且つ雌型咬合部幅よりも長い幅寸法を有しており、第二凹部は第二基部の厚みより薄い凹み寸法を有しており、帯状の第二形状保持部材は第二凹部の断面と略同形状の断面を有しており、第二基部の第二凹部を設けている面と第二形状保持部材は略同一面となるように構成されており、雌部材における第二形状保持部材及び第二凹部の位置は、雌型咬合部の中心線が第二形状保持部材及び第二凹部の幅方向の中央を通るように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、相互に咬合し合う雄部材と雌部材とからなる熱可塑性樹脂製の咬合具であって、前記雄部材は、帯状の第一基部と、前記第一基部の一方の面上に突出して第一基部と連続して設けられた帯状の雄型咬合部と、前記第一基部の反対面に設けられた第一凹部と、前記第一凹部に嵌合するように熱融着により一体化されている熱可塑性樹脂製の帯状の第一形状保持部材とを備えており、第一凹部は第一基部の幅より短く且つ雄型咬合部幅よりも長い幅寸法を有しており、第一凹部は第一基部の厚みより薄い凹み寸法を有しており、帯状の第一形状保持部材は第一凹部の断面と略同形状の断面を有しており、第一基部の第一凹部を設けている面と第一形状保持部材は略同一面となるように構成されており、雄部材における第一形状保持部材及び第一凹部の位置は、雄型咬合部の中心線が第一形状保持部材及び第一凹部の幅方向の中央を通るように配置されており、
前記雌部材は、帯状の第二基部と、前記第二基部の一方の面上に突出して第二基部と連続して設けられた帯状の雌型咬合部と、前記第二基部の反対面に設けられた第二凹部と、前記第二凹部に嵌合するように熱融着により一体化されている熱可塑性樹脂製の帯状の第二形状保持部材とを備えており、第二凹部は第二基部の幅より短く且つ雌型咬合部幅よりも長い幅寸法を有しており、第二凹部は第二基部の厚みより薄い凹み寸法を有しており、帯状の第二形状保持部材は第二凹部の断面と略同形状の断面を有しており、第二基部の第二凹部を設けている面と第二形状保持部材は略同一面となるように構成されており、雌部材における第二形状保持部材及び第二凹部の位置は、雌型咬合部の中心線が第二形状保持部材及び第二凹部の幅方向の中央を通るように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の咬合具が、包装袋の開口部の内面に融着されていることを特徴とする咬合具付き包装袋である。
本発明の咬合具は、形状保持部材が熱融着されており、該咬合具を包装袋の開口部の内面に融着させることにより、包装袋の開口部の開閉が自在となる
らに、咬合具は塑性変形可能な形状保持性を有しており、雄部材と雌部材を手で引張って咬合状態を解除して包装袋を開口すると、咬合具が塑性変形して開口状態が保持されるので内容物が包装袋より容易に取出すことができ、消費者に利便性を付与できるという効果を奏する
また、本発明の咬合具は、包装袋の開口部を閉塞するには、咬合具を元の状態に戻し、手指で咬合具の雄部材と雌部材を互いに圧すると咬合されて、容易に包装袋の再封ができるものである。
また、本発明の咬合具は、熱可塑性樹脂を所定の形に押出し成形しながら、その溶融熱で熱可塑性樹脂製の形状保持部材と貼合し、一体化ができるために、一般の咬合具取付け製袋機で容易に製袋できる
したがって、製袋機の改造費用をかけることなく、経済性に優れた咬合具付き包装袋が得られるものである
上記の本発明について、図面を用いて以下に説明する。図1は本発明にかかる咬合具の一実施形態を示す断面図ある。図2は本発明にかかる咬合具の一実施形態の製造方法の説明図である。図3は本発明にかかる咬合具付き包装袋の一実施形態を示す平面図である。図4は、図3のX−X線断面図である。図5は図4の包装袋の開封に関する説明図である。図6は、図3の開封状態を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態にかかる咬合具1は、一対の雄部材10と雌部材20から構成されている。雄部材10は、帯状の第一基部11を基材として同一面上に断面略スペード形の雄型咬合部12が、雌部材20に向かって突出して第一基部11と連続して設けられ、反対面には第一凹部13が設けられ、該第一凹部13に帯状の第一形状保持部材2が嵌合されて熱融着され一体化されている。第一凹部13は、第一基部11の幅より短く、雄型咬合部12の幅よりも長い幅寸法を有し、第一基部11の雄型咬合部12方向の厚みより薄く設けられ、該第一凹部13には、第一凹部13の断面と略同形状の帯状の第一形状保持部材2が嵌合され第一基部11の面と第一形状保持部材2は略同一面となるように構成されている。また、雌部材20は、帯状の第二基部21を基材として同一面上に断面円弧状の雌型咬合部22が、雄部材10に向かって第二基部21と連続して設けられ、反対面には第二凹部23が設けられ、該第二凹部23に帯状の第二形状保持部材2’が嵌合されて熱融着されて一体化されている。第二凹部23は、第二基部21の幅より短く、雌型咬合部22の幅よりも長い幅寸法を有し、第二基部21の雌型咬合部22方向の厚みより薄く設けられ、該第二凹部23には、第二凹部23の断面と略同形状の帯状の第二形状保持部材2’が嵌合され第二基部21の面と第二形状保持部材2’は略同一面となるように構成されている。この咬合具1は、雄型咬合部12と雌型咬合部22が相互に咬合しあうようになっている。
雄部材10における第一形状保持部材2及び第一凹部13の位置は、雄型咬合部12の中心線が第一形状保持部材2及び第一凹部13の幅方向の中央を通るように配置されていることが好ましい。同様に雌部材20における第二形状保持部材2’及び第二凹部23の位置も、雌型咬合部22の中心線が第二形状保持部材2’及び第二凹部23の幅方向の中央を通るように配置されていることが好ましい。このように、第一基部11、第二基部21に比べ、剛性が強い雄型咬合部12及び雌型咬合部22の位置に配置することにより、形状保持機能を高める効果がある。
この咬合具1の雄部材10及び雌部材20は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が使用でき金型を用いて、帯状物に押出し成形される。また、第一形状保持部材2及び第二形状保持部材2’は、圧延倍率5〜16倍、延伸倍率1.3〜2.5倍及び総延伸倍率10〜40倍の延伸ポリオレフィン系等の樹脂からなる帯状物で構成されている。尚、第一形状保持部材2及び第二形状保持部材2’は、雄部材10及び雌部材20の両方に一体化した咬合具の例を示したが、これに限定されるものではなく、雄部材10又は雌部材20のいずれかに一体化されていてもよい。
つぎに、図2を用いて本発明の咬合具1の製造方法について説明する。まず、一番目の方法(以下熱ラミ方式と称する)は、金型を用いて熱可塑性樹脂を押出し成形して雌部材20を形成し、雌型咬合部22が中央となるように配置されている第二凹部23と帯状の第二形状保持部材2’を嵌合させて、雌部材20の有する溶融熱で一体化し、冷却後、雌型咬合部22と、同様に金型を用いて熱可塑性樹脂を押出し成形して形成した雄部材10の雄型咬合部12とを咬合させて、帯状の咬合具1を巻取状にして製造される。図2の(イ)は雌部材20と第二形状保持部材2’との嵌合前の状態を示し、図2の(ロ)は嵌合後の状態を示す。第二凹部23と第二形状保持部材2’とを嵌合させて、一体化する場合、第二基部21の雌型咬合部22側の面において雌型咬合部22の端縁に相当する位置から第二凹部23の端部に相当する位置までに設けられた領域aを形状保持部材2の方向に加圧することが好ましく、第二基部21と第二形状保持部材2’との密着性が増すものである。また加圧する面は雌型咬合部22の端縁から第二基部21の端部までとしてもよい。第二形状保持部材2’の幅をx、厚みをt1 第二基部21の幅をy、厚みをt2 、雌型咬合部22の端縁間の幅をzとするとy>x>z、t2 >t1 の関係となる。形状保持部材2の厚みt1 は、0.1〜1.0mmが好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。0.1mm未満となると、形状保持効果が低下し、1.0mmを超えるとコストアップになる。第二形状保持部材2’の幅xは、3mm〜10mmが好ましく、4mm〜7mmがより好ましい。3mm未満では、形状保持効果が低下し、10mmを超えるとコストアップとなる。尚、雄部材に第一形状保持部材2を熱融着させる場合も同様であり、説明を省略する。雄部材10、雌部材20に用いる熱可塑性樹脂にポリエチレンを使用する場合には、第一形状保持部材2及び第二形状保持部材2’もポリエチレンとして同系統の樹脂にすることが望ましい。
つぎに、図2を参照しながら二番目の方法(以下熱風方式と称する)について説明する。この方法は、熱ラミ方式と同様に帯状の咬合具1を巻取状にして製造され、雌部材20において第二凹部23と第二形状保持部材2’とを嵌合させて、一体化する方法及び、雄部材10において第一凹部13と第一形状保持部材2とを嵌合させて、一体化する方法が異なっている。すなわち、第二形状保持部材2’第二凹部23に嵌合される面を熱風で加熱してから第二凹部23と嵌合し、一体化するものであり、雌部材20の溶融熱と第二形状保持部材2’の予熱により、一層、融着しやすいという効果がある。また、一体化する場合に雌型咬合部22側に設けられた領域aを第二形状保持部材2’の方向に加圧することが好ましい。その他は一番目の方法と同様であり説明を省略する。
つぎに、三番目の方法(以下超音波方式と称する)について説明する。この方法も、熱ラミ方式と同様に帯状の咬合具1を巻取状にして製造され、雌部材20において第二凹部23と第二形状保持部材2’とを嵌合させて、一体化する方法及び、雄部材10において第一凹部13と第一形状保持部材2とを嵌合させて、一体化する方法が異なっている。第二形状保持部材2’第二凹部23とを嵌合後、第二基部21と第二形状保持部材2’とを加圧しながら雌型咬合部22側に設けられた領域aに相当する部分を超音波シールして第二形状保持部材2’第二基部21とを一体化するものである。超音波シールすることにより、第二基部21と第二形状保持部材2’とが融着し、接着力がより高まるものである。その他は熱ラミ方式と同様であり説明を省略する。
図3は、本発明の咬合具1を包装袋の内面の開口部に融着させた咬合具付き包装袋3を示している。図4は、図3のX−X線断面図である。咬合具付き包装袋3は、基材シート30と咬合具1とから構成される。矩形状の基材シート30は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の二軸延伸されたプラスチックフィルム並びにこれらのフィルムにポリビニルアルコール、塩化ビニリデン等のバリア材がコートされたフィルム及び酸化珪素、酸化アルミ等の無機物が蒸着されたフィルムからなる基材層とエチレンビニルアルコール等のバリアフィルム、アルミ箔及び紙等の中間層とポリエチレン、ポリプロピレン等のヒートシール層がドライラミネーション法やエクストルージョンラミネーション法等の公知の技法により貼合された積層材からなる。これらの積層構成は、包装される内容物、重量、殺菌方法等の諸条件を考慮して決定される。2枚の基材シート30の一辺の端部近傍の内面に雄部材10と雌部材20が、雄型咬合部12と雌型咬合部22が対向するように融着され、残り3辺の内面同士がヒートシールされてヒートシール部5が形成されて封止されている。融着された咬合具1の辺は開口部4が形成されており、内容物を開口部4から充填後、咬合具1が咬合され、開口部4の周縁がヒートシールされて密封される。このような咬合具付き包装袋3は、形状保持部材2が雄部材10及び/又は雌部材20と一体化されているために、従来の咬合具取付け製袋機で製造ができるものである。尚、咬合具付き包装袋3は、図3で示した平袋に限定されるものではなく、ガセット袋、自立袋、三方袋等にも使用できる。
つぎに、本発明の咬合具付き包装袋3の形状保持機能を図5、図6を参照しながら説明する。図5は、咬合具付き包装袋3の開封時の状態を示しており、咬合具付き包装袋3の開口部4に指を入れて、雄部材10の第一基部11と雌部材20の第二基部21を指で摘み、外方に引張ると雄型咬合部12と雌型咬合部22の咬合が外れて咬合具付き包装袋3が開口される。図6に示すように雄部材10及び雌部材20と融着され一体化した形状保持部材2は、塑性変形して開口状態が保持されるために内容物が容易に取出すことができる。また、内容物取出し後は、雄部材10の雄型咬合部12と雌部材20の雌型咬合部22を指で互いに圧すると、咬合されて元の状態に戻り、咬合具付き包装袋3が容易に再封ができるものである。
金型を用いて低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン190)を押出し成形して雌部材20を形成し、雌型咬合部22の中心線が第二形状保持部材2’及び第二凹部23の幅方向の中央を通るように配置されている第二凹部23に帯状の厚みt1 =0.4mm、幅x=7.0mmの第二形状保持部材2’(積水化学工業株式会社製、商品名フォルテ)を嵌合させて、雌部材20の有する溶融熱で熱ラミ方式で一体化し、冷却し、一方、雄型用金型を用いて雌部材20と同じ樹脂を押出し成形して雄部材10を形成し、雄型咬合部12の中心線が第一形状保持部材2及び第一凹部13の幅方向の中央を通るように配置されている第一凹部13と第一形状保持部材2を嵌合させて、雄部材10の有する溶融熱で一体化し、冷却後、雌部材20の雌型咬合部22と、雄部材10の雄型咬合部12とを咬合させて、雄部材10の第一基部11及び雌部材20の第二基部21の厚みt2 =0.6mm、幅y=12.0mmの帯状の咬合具1を巻取状にして作製した。
実施例1と同じ金型、同じ樹脂を用いて押出し成形して雌部材20を形成し、実施例1と同じ第二形状保持部材2’を用いて第二形状保持部材2’第二凹部23に嵌合される面を赤外線ヒーターで加熱された180℃の熱風に1秒間曝して予熱し、雌部材20の第二凹部23とを熱風方式で一体化した。雄部材には、実施例1と同じ金型、同じ樹脂を用いて、押出し成形して、形状保持部材2を使用しない雄部材を形成した。冷却後、雌部材の雌型咬合部と、雄部材の雄型咬合部とを咬合させて、帯状の咬合具を巻取状にして作製した。
実施例1と同じ金型、同じ樹脂を用いて押出し成形して雌部材20を形成し、実施例1と同じ第二形状保持部材2’を用いて第二形状保持部材2’を雌部材20の第二凹部23に嵌合後、第二基部21と第二形状保持部材2’とを加圧しながら雌型咬合部22側の面に設けられた領域aを超音波シールして第二形状保持部材2’第二基部21とを一体化した。雄部材には、実施例1で用いた同じ金型、同じ樹脂で、押出し成形して、第一形状保持部材2を使用しない雄部材を形成した。冷却後、雌部材の雌型咬合部と、雄部材の雄型咬合部とを咬合させて、帯状の咬合具を巻取状にして作製した。
[比較例1]
実施例1と同じ金型で、同じ樹脂を用いて、押出し成形し、形状保持部材を使用しない雌部材と雄部材を形成し、冷却後、雌部材の雌型咬合部と、雄部材の雄型咬合部とを咬合させて、帯状の咬合具を巻取状にして作製した。
実施例1〜3及び比較例1で得られた咬合具を、一般のジッパー(咬合具)付三方シール製袋機(西部機械(株)製)を用いて、下記積層構成の基材のヒートシール層にヒートシールして取付け、基材の三方をヒートシールしてヒートシール部5を設けて、200mm×250mmの咬合具付き包装袋3を作製した。実施例1〜3の咬合具は、比較例1の咬合具と同様に、基材に取付けることができ、良好に製袋することができた。
(基材の積層構成)ポリエチレンテレフタレート(厚み12μm)/接着剤/酸化アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(厚み12μm)/接着剤/直鎖状低密度ポリエチレン(厚み60μm)
つぎに、上記咬合具付き包装袋について、手指で包装袋の開口部を摘んで引張り、咬合具の咬合を解除して開口し、その開口状態、基材と咬合具との接着状態及び咬合具を咬合させ再封状態を官能評価した。その結果、実施例1〜3の咬合具を取付けた包装袋については、開口状態が保持され良好であった。また、再封状態も良好で元の開口前の状態戻った。咬合具も基材との剥離もなく良好に接着していた。一方、比較例1の咬合具を取付けた包装袋は、咬合具の接着状態及び再封状態は良好であったが、開口状態は、咬合具の剛性で開口してもすぐに元の状態に戻り開口部が閉塞した。
本発明の咬合具及び咬合具付き包装袋は、食品、医薬化粧品、雑貨等を包装する開封自在な袋として広く利用することができる。
本発明にかかる咬合具の一実施形態を示す断面図ある。 本発明にかかる咬合具の一実施形態の製造方法の説明図である。 本発明にかかる咬合具付き包装袋の一実施形態を示す平面図である。 図3のX−X線断面図である。 図4の包装袋の開封に関する説明図である。 図3の開封状態を示す斜視図である。
1 咬合具
第一形状保持部材
2’ 第二形状保持部材
3 咬合具付き包装袋
4 開口部
5 ヒートシール部
10 雄部材
11 第一基部
12 雄型咬合部
13 第一凹部
20 雌部材
21 第二基部
22 雌型咬合部
23 第二凹部
30 基材シート
a 領域
x 形状保持部材の幅
1 形状保持部材厚み
y 基部の幅
2 基部の厚み
z 雌型咬合部の端縁間の幅

Claims (4)

  1. 相互に咬合し合う雄部材と雌部材とからなる熱可塑性樹脂製の咬合具であって、
    前記雄部材は、帯状の第一基部と、前記第一基部の一方の面上に突出して第一基部と連続して設けられた帯状の雄型咬合部と、前記第一基部の反対面に設けられた第一凹部と、前記第一凹部に嵌合するように熱融着により一体化されている熱可塑性樹脂製の帯状の第一形状保持部材とを備えており、第一凹部は第一基部の幅より短く且つ雄型咬合部幅よりも長い幅寸法を有しており、第一凹部は第一基部の厚みより薄い凹み寸法を有しており、帯状の第一形状保持部材は第一凹部の断面と略同形状の断面を有しており、第一基部の第一凹部を設けている面と第一形状保持部材は略同一面となるように構成されており、雄部材における第一形状保持部材及び第一凹部の位置は、雄型咬合部の中心線が第一形状保持部材及び第一凹部の幅方向の中央を通るように配置されていることを特徴とする咬合具。
  2. 相互に咬合し合う雄部材と雌部材とからなる熱可塑性樹脂製の咬合具であって、
    前記雌部材は、帯状の第二基部と、前記第二基部の一方の面上に突出して第二基部と連続して設けられた帯状の雌型咬合部と、前記第二基部の反対面に設けられた第二凹部と、前記第二凹部に嵌合するように熱融着により一体化されている熱可塑性樹脂製の帯状の第二形状保持部材とを備えており、第二凹部は第二基部の幅より短く且つ雌型咬合部幅よりも長い幅寸法を有しており、第二凹部は第二基部の厚みより薄い凹み寸法を有しており、帯状の第二形状保持部材は第二凹部の断面と略同形状の断面を有しており、第二基部の第二凹部を設けている面と第二形状保持部材は略同一面となるように構成されており、雌部材における第二形状保持部材及び第二凹部の位置は、雌型咬合部の中心線が第二形状保持部材及び第二凹部の幅方向の中央を通るように配置されていることを特徴とする咬合具
  3. 相互に咬合し合う雄部材と雌部材とからなる熱可塑性樹脂製の咬合具であって、
    前記雄部材は、帯状の第一基部と、前記第一基部の一方の面上に突出して第一基部と連続して設けられた帯状の雄型咬合部と、前記第一基部の反対面に設けられた第一凹部と、前記第一凹部に嵌合するように熱融着により一体化されている熱可塑性樹脂製の帯状の第一形状保持部材とを備えており、第一凹部は第一基部の幅より短く且つ雄型咬合部幅よりも長い幅寸法を有しており、第一凹部は第一基部の厚みより薄い凹み寸法を有しており、帯状の第一形状保持部材は第一凹部の断面と略同形状の断面を有しており、第一基部の第一凹部を設けている面と第一形状保持部材は略同一面となるように構成されており、雄部材における第一形状保持部材及び第一凹部の位置は、雄型咬合部の中心線が第一形状保持部材及び第一凹部の幅方向の中央を通るように配置されており、
    前記雌部材は、帯状の第二基部と、前記第二基部の一方の面上に突出して第二基部と連続して設けられた帯状の雌型咬合部と、前記第二基部の反対面に設けられた第二凹部と、前記第二凹部に嵌合するように熱融着により一体化されている熱可塑性樹脂製の帯状の第二形状保持部材とを備えており、第二凹部は第二基部の幅より短く且つ雌型咬合部幅よりも長い幅寸法を有しており、第二凹部は第二基部の厚みより薄い凹み寸法を有しており、帯状の第二形状保持部材は第二凹部の断面と略同形状の断面を有しており、第二基部の第二凹部を設けている面と第二形状保持部材は略同一面となるように構成されており、雌部材における第二形状保持部材及び第二凹部の位置は、雌型咬合部の中心線が第二形状保持部材及び第二凹部の幅方向の中央を通るように配置されていることを特徴とする咬合具
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の咬合具が、包装袋の開口部の内面に融着されていることを特徴とする咬合具付き包装袋
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