JP5400460B2 - 流体噴射装置 - Google Patents
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特許文献1におけるインクジェットプリンターは、複数のインクジェットヘッドをメンテナンスすべく、インクジェットヘッドの下方に配置されている紙葉類を支持する無端状の搬送ベルトを弛ませてインクジェットヘッドと搬送ベルトとの間を離間させた後、メンテナンスユニットを上昇させてインクジェットヘッドのノズル面にキャップを密着させて所望のクリーニング処理を行う構成となっている。
しかし、媒体支持部材に開口部を設けると、媒体搬送時に媒体の端部が垂れて引っ掛かりやすくなり、ジャム等が生じる虞がある。本発明者らは、この更なる課題を解決すべく、以下の構成を提案する。
また、本発明においては、流体を噴射する複数のノズルから上記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、上記流体噴射ヘッドと対向して配置されて上記流体を受ける流体受け部材と、上記媒体の搬送路の一部を構成すると共に上記流体噴射ヘッドと上記流体受け部材との間に設けられて上記媒体を支持し、且つ、上記媒体を支持する支持面に垂直な方向に貫通して上記流体噴射ヘッドと対向する上記流体受け部材を露出させる開口部を備える媒体支持部材とを有し、上記開口部の上記搬送方向下流側の端壁部は、上記搬送方向下流側に向かうに従って上記支持面側に近づく方向に傾斜する第1傾斜形状、及び、上記支持面に沿った上記搬送方向と直交する開口幅が上記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる第2傾斜形状を備えており、上記第2傾斜形状は、上記支持面において上記媒体の幅方向の中心が搬送される搬送基準線に対して離間する方向に、上記開口幅が上記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる先細り形状であるという構成を採用する。
また、本発明においては、流体を噴射する複数のノズルから上記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、上記流体噴射ヘッドと対向して配置されて上記流体を受ける流体受け部材と、上記媒体の搬送路の一部を構成すると共に上記流体噴射ヘッドと上記流体受け部材との間に設けられて上記媒体を支持し、且つ、上記媒体を支持する支持面に垂直な方向に貫通して上記流体噴射ヘッドと対向する上記流体受け部材を露出させる開口部を備える媒体支持部材とを有し、上記開口部の上記搬送方向下流側の端壁部は、上記搬送方向下流側に向かうに従って上記支持面側に近づく方向に傾斜する第1傾斜形状、及び、上記支持面に沿った上記搬送方向と直交する開口幅が上記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる第2傾斜形状を備えており、上記第2傾斜形状は、上記支持面において上記媒体の幅方向の一端が搬送される搬送基準線に対して離間する方向に、上記開口幅が上記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる先細り形状であるという構成を採用する。
また、本発明においては、流体を噴射する複数のノズルが設けられた噴射面から上記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、上記流体噴射ヘッドと対向して配置されて上記流体を受ける流体受け部材と、上記媒体の搬送路の一部を構成すると共に上記流体噴射ヘッドと上記流体受け部材との間に設けられて上記媒体を支持し、且つ、上記媒体を支持する支持面に垂直な方向に貫通して上記流体噴射ヘッドと対向する上記流体受け部材を露出させる開口部を備える媒体支持部材とを有し、上記開口部の上記搬送方向下流側の端壁部は、上記搬送方向下流側に向かうに従って上記支持面側に近づく方向に傾斜する第1傾斜形状、及び、上記支持面に沿った上記搬送方向と直交する開口幅が上記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる第2傾斜形状の少なくともいずれか一方を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、第1傾斜形状により開口部に垂れた媒体の端部を上方に持ち上げて、搬送方向下流側の端壁部での引っ掛かりを抑制することが可能となる。また、本発明では、第2傾斜形状により開口幅が搬送方向下流側に向かうに従って狭くなると、相対的に媒体支持面の幅が搬送方向下流側に向かうに従って広くなるため媒体の端部の垂れ量が小さくなり、搬送方向下流側の端壁部での引っ掛かりを抑制することが可能となる。
このような構成を採用することによって、本発明では、第2傾斜形状により媒体の端部の垂れ量を低減すると共に、第1傾斜形状により最後の掬い上げをすることが可能となり、この相乗効果により搬送方向下流側の端壁部での引っ掛かりをより確実に抑制することが可能となる。
このような構成を採用することによって、本発明では、開口部の搬送方向下流側をV字形状にすることにより媒体の端部の垂れを低減する。
媒体サイズは大小さまざまあるが、この構成によれば、媒体の幅方向の端部が開口部にかかり垂れたとしても、媒体が搬送方向下流側に向かうに従って第2傾斜形状により徐々に支持されていく面が広くなるので、垂れが抑制できる。
媒体サイズは大小さまざまあるが、この構成によれば、媒体の幅方向の端部が開口部にかかり垂れたとしても、媒体が搬送方向下流側に向かうに従って第2傾斜形状により徐々に支持されていく面が広くなるので、垂れが抑制できる。
このような構成を採用することによって、本発明では、各流体噴射ヘッドに対応して個々に開口部を設けることで、媒体支持部材に対する開口部の領域を必要限に抑えて支持面積を広く確保できる。
このような構成を採用することによって、本発明では、開口部を噴射面から噴射された流体が通過可能な大きさとすることで、媒体支持部材に対する開口部の領域を必要限に抑えて支持面積を広く確保できる。
このような構成を採用することによって、本発明では、流体受け部材を開口部を通過させて噴射面と当接させることで流体噴射ヘッドをキャッピングすることが可能となり、流体の増粘対策、あるいは流体の吸引動作をすることが可能となる。
なお、図2及び図3に示すように、記録用紙(媒体)Pの搬送方向をX方向と、該搬送方向と直交する搬送路幅方向をY方向と、X方向及びY方向と直交する高さ方向をZ方向と称して以下説明する場合がある。
記憶装置3は、記録処理に係る各種構成機器の動作プログラムや入力装置2から入力されるデータを記憶するものである。
制御装置4は、各種構成機器の動作を電気的に制御するものであり、入力装置2、記憶装置3、記録用紙搬送装置5、記録ヘッド6との間でデータ授受を行う各種入出力インターフェイス回路や、該データに基づき所定の演算処理等を行うCPU等を有する。
図4は、本発明の実施形態におけるノズル形成面21Aにおけるノズル17の配列状態を示す図である。図5は、本発明の実施形態における記録ヘッド6の内部構成を示す部分断面図である。
記録ヘッド6は、インクを噴射する複数のノズル17が設けられたノズル形成面(噴射面)21Aを有する。この記録ヘッド6は、ノズル形成面21Aが−Z方向に向くように配置されている。
なお、開口部91を大きくして、2つ以上の記録ヘッド6に対応させても良いが、記録用紙Pを支持する表面81Aが小さくなるので、本実施形態では各記録ヘッド6に対応して個々に開口部91を設けて、その大きさをインクが通過できる大きさとすることで、プラテン81に対する開口部91の領域を必要限に抑えて支持面積を広く確保する構成となっている。
この第1傾斜形状93及び第2傾斜形状94は、プラテン81(プラテン81a、プラテン82b)に設けられた開口部91のそれぞれの搬送方向下流側の端壁部92に備えられて、記録用紙Pの引っ掛かりを抑制する。
図7は、本発明の実施形態におけるインクジェットプリンター1の記録処理及びクリーニング処理の際の動作を示す図である。
記録処理を開始する際、制御装置4は、図7(a)に示すように、記録用紙搬送装置5に駆動指令を与えて記録用紙Pを搬送させ、記録ヘッド6からインクを噴射して印字を行う。
例えば、制御装置4は、印字枚数(例えば5〜10枚)毎に、クリーニング処理が必要であると判断し、記録ヘッド6のフラッシング動作を実行させる。
クリーニング処理が必要であると判断した場合、制御装置4は、次の記録用紙Pが搬送されるインターバルの間において、記録ヘッド6から流体受け部材71へインクを吐出(噴射)するフラッシング動作を実行させる(図7(b)参照)。
なお、プラテン81は、記録用紙Pを支えるものであるため板形状に薄くすることができ、流体受け部材71と記録ヘッド6との隙間は大きくならず、フラッシング動作時に噴射されたインクがミスト化することがない。
キャップ部材71´には、インクを吸引する吸引ポンプ(吸引装置)72と、大気開放バルブ73とが設けられる。キャップ部材71´は、各記録ヘッド6に対応して複数設けられる。キャップ部材71´は、ゴム部材等の弾性部材から形成されて複数のノズル17を囲うようにノズル形成面21Aと当接可能なリップ部(当接部)71Aを有する。キャップ部材71´は、ラック・ピニオン機構やカム機構等を備えるキャップ部材移動装置71Bにより、上下方向(Z方向)に移動可能な構成となっている。そして、開口部91は、キャップ部材71´が通過できる大きさで形成されている。
この場合であっても、プラテン81が板形状であるため記録ヘッド6と流体受け部材71との間の距離を短くすることが可能であり、キャップ部材71´を記録ヘッド6に当接させる時間の短縮に寄与することができ、クリーニング処理と記録処理とを迅速に切り替えることができる。
図9は、記録用紙Pの搬送が、記録用紙Pの幅方向のセンターを基準とした場合における端壁部92の傾斜形状を示す。搬送基準線Lを挟んで設けられた複数の開口部91において、各端壁部92が備える第2傾斜形状94は、搬送基準線Lを挟んで対称形状となっている。より詳しくは、各第2傾斜形状94は、搬送方向下流側に向かうに従って、搬送基準線Lに対して離間する方向に傾斜する構成となっている。記録用紙Pのサイズは大小さまざまあるが、この構成によれば、記録用紙Pの幅方向の端部が開口部91にかかり、垂れたとしても、記録用紙Pが搬送方向下流側に向かうに従って第2傾斜形状94により徐々に支持されていく面が広くなるので、垂れが抑制できる。
図10は、記録用紙Pの搬送が端基準の場合における端壁部92の傾斜形状を示す。搬送基準線Lが通る開口部91以外の開口部91の端壁部92の第2傾斜形状94は、搬送方向下流側に向かうに従って、搬送基準線Lに対して離間する方向に傾斜する構成となっている。一方、搬送基準線Lが通る開口部91の端壁部92の第2傾斜形状94は、それらと対称形状となっている。図8と同様に、この構成によれば、記録用紙Pのサイズは大小さまざまあるが、記録用紙Pの幅方向の端部が開口部91にかかり垂れたとしても、記録用紙Pが搬送方向下流側に向かうに従って第2傾斜形状94により徐々に支持されていく面が広くなるので、垂れが抑制できる。なお、搬送基準となる記録用紙Pの端部は開口部91にかかっていなくてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、第2傾斜形状94は、V字形状であると説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、例えば、搬送方向下流側に向かうに従って開口幅が狭くなる円弧形状であっても良い。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体を例とする固体を噴射するトナージェット式記録装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。
Claims (6)
- 流体を噴射する複数のノズルから前記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、
前記流体噴射ヘッドと対向して配置されて前記流体を受ける流体受け部材と、
前記媒体の搬送路の一部を構成すると共に前記流体噴射ヘッドと前記流体受け部材との間に設けられて前記媒体を支持し、且つ、前記媒体を支持する支持面に垂直な方向に貫通して前記流体噴射ヘッドと対向する前記流体受け部材を露出させる開口部を備える媒体支持部材とを有し、
前記開口部の前記搬送方向下流側の端壁部は、前記搬送方向下流側に向かうに従って前記支持面側に近づく方向に傾斜する第1傾斜形状、及び、前記支持面に沿った前記搬送方向と直交する開口幅が前記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる第2傾斜形状を備えており、
前記第2傾斜形状は、前記開口幅が前記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなるV字形状であることを特徴とする流体噴射装置。 - 流体を噴射する複数のノズルから前記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、
前記流体噴射ヘッドと対向して配置されて前記流体を受ける流体受け部材と、
前記媒体の搬送路の一部を構成すると共に前記流体噴射ヘッドと前記流体受け部材との間に設けられて前記媒体を支持し、且つ、前記媒体を支持する支持面に垂直な方向に貫通して前記流体噴射ヘッドと対向する前記流体受け部材を露出させる開口部を備える媒体支持部材とを有し、
前記開口部の前記搬送方向下流側の端壁部は、前記搬送方向下流側に向かうに従って前記支持面側に近づく方向に傾斜する第1傾斜形状、及び、前記支持面に沿った前記搬送方向と直交する開口幅が前記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる第2傾斜形状を備えており、
前記第2傾斜形状は、前記支持面において前記媒体の幅方向の中心が搬送される搬送基準線に対して離間する方向に、前記開口幅が前記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる先細り形状であることを特徴とする流体噴射装置。 - 流体を噴射する複数のノズルから前記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、
前記流体噴射ヘッドと対向して配置されて前記流体を受ける流体受け部材と、
前記媒体の搬送路の一部を構成すると共に前記流体噴射ヘッドと前記流体受け部材との間に設けられて前記媒体を支持し、且つ、前記媒体を支持する支持面に垂直な方向に貫通して前記流体噴射ヘッドと対向する前記流体受け部材を露出させる開口部を備える媒体支持部材とを有し、
前記開口部の前記搬送方向下流側の端壁部は、前記搬送方向下流側に向かうに従って前記支持面側に近づく方向に傾斜する第1傾斜形状、及び、前記支持面に沿った前記搬送方向と直交する開口幅が前記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる第2傾斜形状を備えており、
前記第2傾斜形状は、前記支持面において前記媒体の幅方向の一端が搬送される搬送基準線に対して離間する方向に、前記開口幅が前記搬送方向下流側に向かうに従って狭くなる先細り形状であることを特徴とする流体噴射装置。 - 前記流体噴射ヘッドは、前記媒体の搬送方向と直交する前記搬送路の幅方向に複数設けられており、
前記開口部は、前記複数の流体噴射ヘッドのそれぞれに対応して、前記媒体支持部材に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体噴射装置。 - 前記開口部は、前記複数のノズルから噴射された流体が通過可能な大きさで形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
- 前記流体受け部材を前記複数のノズルを囲むように前記流体噴射ヘッドと当接自在とさせる流体受け部材移動装置を有し、
前記開口部は、前記流体受け部材が通過可能な大きさで形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
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