JP5350945B2 - 無線タグ通信装置 - Google Patents

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本発明は、インクカートリッジに設けられた無線タグとの間で通信を行う無線タグ通信装置に関する。
一般に、インクジェットプリンタでは、インクカートリッジが挿抜される複数のスロットが設けられており、各スロットに挿入されたインクカートリッジからインクが供給されることで、インクジェットヘッドからインクを吐出させることが可能となっている。
このようなインクジェットプリンタでは、各スロットにおけるインクカートリッジの挿入の有無、各スロットに挿入されたインクカートリッジの種別、インク色、インク残量などを把握する必要がある。このため、従来は、インクカートリッジに、識別番号、インク色、インク残量などのインク関連情報が記録されたICチップが取り付けられていた。そして、インクジェットプリンタは、このICチップからインク関連情報を読み取ることで、各スロットにおけるインクカートリッジの挿入の有無、各スロットに挿入されたインクカートリッジの種別、インク色、インク残量などを検知している。
ところで、近年、RFIDなどの近距離無線通信の進歩により、インク情報を記録した無線タグをインクカートリッジに取り付けておき、インクジェットプリンタに搭載された無線タグ通信装置により、この無線タグからインク情報を読み出す技術が考えられてきた。この無線タグ通信装置は、インクカートリッジが装着される全てのスロットにアンテナと送受信回路とを設けており、無線タグ通信装置から情報要求信号の送信、無線タグから送信されたインク関連情報の受信、及び、この受信したインク関連情報の解析を一連の処理として、これらの一連の処理を全てのボートに対して順次行っている。そして、特許文献1では、アンテナ(アンプ)を選択的に切り替えることにより、各スロットに挿入されたインクカートリッジの無線タグと一対一で通信を行うことで、低消費電力化を図ることが考えられている。
特開2006−211303号公報
しかしながら、従来の無線タグ通信装置は、スロット毎に上述した一連の処理を順次行うため、全体の通信時間がスロットの数に比例して長くなり、インク関連情報の読み出し中に停電などの不測の事態が発生する可能性が高くなるという問題があった。
もし、インク関連情報の読み出し中に停電などの不測の事態が発生すると、全ての無線タグからインク関連情報が読み出せなくなり、各スロットに挿入されたインクカートリッジの種別、インク色、インク残量などを誤って把握する可能性がある。その結果、実際にはインク残量が無いにも拘らず、インクジェットプリンタはインク残量が有ると判断するなど、実際の状態とインクジェットプリンタが把握している状態とに食い違いが生じ、印刷ミスが発生するという問題が生ずる。
そこで、本発明は、インクジェットプリンタに複数のインクカートリッジが装着される場合に、インクカートリッジに設けられた無線タグとの通信時間を短縮することができる無線タグ通信装置を提供することを目的とする。
本発明に係る、無線タグ通信装置は、インクカートリッジにはインク関連情報が記録された無線タグが設けられるとともに、インクジェットプリンタの複数のスロットに挿入された複数のインクカートリッジの無線タグからインク関連情報を読み出す無線タグ通信装置であって、各スロットに対応して設けられた複数のアンテナと、各アンテナから情報要求信号を一斉送信する送信部と、各スロットに対応して設けられて、各スロットに挿入されたインクカートリッジの無線タグから送信されたインク関連情報を受信する複数の受信部と、各スロットに対応して設けられて、各受信部で受信したインク関連情報を記憶する複数の記憶部と、各記憶装置からインク関連情報を順次読み出して解析する解析部と、を有することを特徴とする。
本発明に係る無線タグ通信装置によれば、アンテナが各スロットに対応して設けられているため、これらのアンテナを介して情報要求信号を一斉送信することができる。これにより、1回の送信処理で、各スロットに挿入されている全てのインクカートリッジの無線タグに情報要求信号を送信することができる。また、受信部及び記憶部が各スロットに対応して設けられているため、各無線タグから送信されるインク関連情報を略同時に受信することができる。しかも、この受信したインク関連情報を記憶部に記憶しておくことで、解析部は、インク関連情報を各記憶部から順次読み出して解析することができる。このため、インクジェットプリンタに複数のインクカートリッジが装着される場合に、インク関連情報を適切に読み出して、インクカートリッジに設けられた無線タグとの通信時間を短縮することができる。これにより、例えば、停電時などでも、無線タグからインク関連情報を適切に読み出すことができるため、実際の状態とインクジェットプリンタが把握している状態との食い違いに起因する印刷ミスを防止することができる。
この場合、解析部は、予め決められた順に各記憶装置からインク関連情報を読み出してもよい。このように構成することで、インク関連情報の読み出し制御を簡略化することができる。
一方、解析部は、インク関連情報が記憶された順に記憶部からインク関連情報を読み出してもよい。このように構成することで、解析部によるインク関連情報の読み出し時間及びその解析時間を短縮することができる。
本発明によれば、インクジェットプリンタに複数のインクカートリッジが装着される場合に、インク関連情報を適切に読み出して、インクカートリッジに設けられた無線タグとの通信時間を短縮することができる。これにより、停電時などでも、無線タグからインク関連情報を適切に読み出すことができるため、実際の状態とインクジェットプリンタが把握している状態との食い違いに起因する印刷ミスを防止することができる。
実施形態に係る無線タグ通信装置が搭載されたインクジェットプリンタを示すブロック図である。 無線タグに記録されているインク関連情報を示す図である。 無線タグ通信装置を示すブロック図である。 比較例の無線タグ通信装置を示すブロック図である。 図4に示す無線タグ通信装置の通信時間を説明するための図である。 実施形態に係る無線タグ通信装置の通信時間を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る無線タグ通信装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1は、実施形態に係る無線タグ通信装置が搭載されたインクジェットプリンタを示すブロック図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、4つのインクカートリッジ10が着脱可能に装着されるものであり、印刷部20と、制御部30と、スロット40と、無線タグ通信装置50とを備えている。
印刷部20は、制御部30の制御により、メディアに画像を印刷する印刷機構部である。この印刷部20は、メディアを搬送方向に搬送する搬送ローラ(不図示)と、走査方向に移動するとともにインク液滴を吐出するインクジェットヘッド(不図示)とを主要構成要素としている。
制御部30は、インクジェットプリンタ1を統括制御する制御部であり、印刷部20を制御することで、メディアに画像を印刷する。具体的に説明すると、制御部30は、インクジェットヘッドの移動制御を行い、インクジェットヘッドを走査方向に移動させる。また、制御部30は、インクジェットヘッドの吐出制御を行い、インクジェットヘッドから所定のタイミングで所定の色のインク液滴を吐出させる。また、制御部30は、搬送ローラの搬送制御を行い、メディアを搬送方向に移動させる。そして、制御部30は、これらの移動制御、吐出制御及び搬送制御を統括的に行うことで、インクジェットヘッドを走査方向に移動させながらインク液滴を吐出させ、メディアを搬送方向に移動させることで、メディアに画像を印刷する。なお、制御部30は、例えば、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。そして、以下に説明する制御部30の各機能は、CPUやRAM上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませ、CPUの制御のもとで動作させることで実現される。
スロット40は、インクカートリッジ10が挿抜可能に装着されるものである。このスロット40は、印刷部20のインクジェットヘッドに対応して、インクジェットヘッドと同数だけ設けられている。
インクカートリッジ10は、インクジェットヘッドに供給するインクが充填されたカートリッジである。このインクカートリッジ10には、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の基本色のインクや、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、W(ホワイト)などの特色などのインクが充填されている。そして、各インクカートリッジ10には、インク関連情報が記録された無線タグ11が取り付けられている。
無線タグ11は、無線タグ通信装置50との間において非接触で近距離通信を行う情報記録用タグである。図2は、無線タグに記録されているインク関連情報を示す図である。図2に示すように、無線タグ11には、インク関連情報として、インクカートリッジ10のシリアル番号、充填されたインクのインク色、充填されたインクの残量などの情報が記録されている。そして、この無線タグ11は、無線タグ通信装置50から電波信号が送信されると、この電波による電磁誘導により起電する。そして、無線タグ11は、この電波信号がインク関連情報を要求する情報要求信号であると判断すると、内部に記録しているインク関連情報を電波信号として送信する。
図3は、無線タグ通信装置を示すブロック図である。図3に示すように、無線タグ通信装置50は、無線タグ11との間において非接触で近距離通信を行う送受信装置である。このため、無線タグ通信装置50は、1つのロジック部51と、1つの変調回路52と、4つのアンプ53と、4つのアンテナ54と、4つの受信回路55と、4つのメモリ56と、を備えている。すなわち、無線タグ通信装置50には、ロジック部51及び変調回路52が1つずつ設けられるとともに、アンプ53、アンテナ54、受信回路55及びメモリ56がスロット40毎に設けられている。
ロジック部51は、制御部30からの指示に基づいて、情報要求信号を生成するとともに、インク関連情報を解析するものである。すなわち、ロジック部51は、制御部30からインク関連情報の読み出し要求を受けると、情報要求信号及びこの情報要求信号を変調するための搬送波を生成する。一方、ロジック部51は、各無線タグ11から返送されたインク関連情報が各メモリ56に記憶されると、各メモリ56から順次インク関連情報を読み出して、このインク関連情報を解析する。この情報要求信号には、インク関連情報を全て読み出すものの他、インク残量のみなど、インク関連情報の一部の情報のみを読み出すものがある。
変調回路52は、ロジック部51で生成された情報要求信号及び搬送波に基づいて、情報要求信号の変調信号を生成するものである。そして、変調回路52は、この情報要求信号の変調信号を全てのアンプ53に一斉送信する。
アンプ53は、変調回路52から一斉送信された変調信号の出力を増幅するものである。
アンテナ54は、アンプ53で増幅された変調信号を電波信号として送信するとともに、無線タグ11から返信された電波信号を補足するものである。
受信回路55は、アンテナ54で捕捉した電波信号を復調して、インク関連情報を検出するものである。
メモリ56は、受信回路55で受信したインク関連情報を一時的に記憶する記憶装置である。なお、各スロット40に対応して設けられた各メモリ56は、物理的に各スロット40に対応付けられていてもよく、論理的に各スロット40に対応付けられていてもよい。
そして、このように構成される無線タグ通信装置50では、変調回路52、アンプ53及びアンテナ54が送信部として機能し、アンテナ54及び受信回路55が受信部として機能する。
次に、本実施形態に係る無線タグ通信装置50の処理動作について説明する。なお、以下の説明では、制御部30からインク関連情報のうちインク残量のみの読み出し要求を受ける場合について説明する。
まず、制御部30からインク残量(インク関連情報の一部)の読み出し要求を受けると、ロジック部51において、インク残量を読み出す情報要求信号(送信データ)が生成されるとともに、この情報要求信号を変調するための搬送波が生成される。そして、この情報要求信号及び搬送波がロジック部51から変調回路52に送信される。
次に、変調回路52において、ロジック部51から送信された搬送波によって情報要求信号が変調されて、情報要求信号の変調信号が生成される。そして、この変調信号が、変調回路52から全てのアンプ53に一斉送信される。
そして、各アンプ53において、この変調信号が増幅されるとともに、アンテナ54から、この増幅された変調信号が電波信号として送信される。このとき、各スロット40にインクカートリッジ10が挿入されているか否かに関わらず、全てのアンテナ54から変調信号が一斉送信される。
一方、各アンテナ54から送信された電波信号は、スロット40に挿入されているインクカートリッジ10の無線タグ11で受信される。そして、各無線タグ11は、受信した電波信号を解析し、この電波信号の内容がインク残量を読み出す情報要求信号であると判断すると、内部に記録されているインク関連情報のうちインク残量を電波信号として返信する。
このとき、全ての無線タグ11は、各アンテナ54から送信された電波信号を略同時に受信する。このため、全ての無線タグ11において上記処理が同時並列的に処理され、全ての無線タグ11から略同時にインク残量の電波信号が無線タグ通信装置50に返信される。
そして、各無線タグ11から返信されたインク残量の電波信号は、各スロット40のアンテナ54で捕捉されて、各受信回路55で受信される。すなわち、各受信回路55は、アンテナ54で捕捉した電波信号を復調して、インク残量を検出する。
このとき、アンテナ54及び受信回路55は、スロット40ごとに設けられているため、各無線タグ11から返信されたインク残量の電波信号を略同時に一斉受信することができる。
そして、各受信回路55は、受信したインク残量を各メモリ56に記憶させる。
その後、ロジック部51は、各メモリ56との間で選択的に順次通信を行い、当該メモリ56に記憶されているインク残量を読み出す。そして、ロジック部51は、読み出したインク残量を解析して、メモリ56に対応するスロット40番号と、インクカートリッジ10のインク残量とを検出し、その解析結果を制御部30に送信する。なお、スロット40にインクカートリッジ10が装着されていない場合は、当該スロット40に対応するメモリ56にインク残量が記録されていないため、メモリ56にインク残量が記録されていない場合は、当該スロットにインクカートリッジ10が装着されていないとの解析結果を制御部30に送信する。
そして、制御部30は、ロジック部51から送信された解析結果に基づいて、各スロット40に装着されているインクカートリッジ10のインク残量が十分であるか否かを判断し、この判断結果に基づいて適切な制御を行う。例えば、インク残量が少ないと判断すると、ユーザに対してインクカートリッジ10の交換を促すメッセージを表示したり、印刷部20に対する印刷制御を停止したりする。
ここで、図4〜図6を参照して、無線タグと一対一で近距離無線通信を行う比較例の無線タグ通信装置と、本実施形態に係る無線タグ通信装置50との通信時間について対比する。
図4は、比較例の無線タグ通信装置を示すブロック図である。図5は、比較例の無線タグ通信装置の通信時間を説明するための図である。図6は、実施形態に係る無線タグ通信装置の通信時間を説明するための図である。
図4に示すように、比較例の無線タグ通信装置100は、ロジック部51、変調回路52及び受信回路55が1つずつ設けられており、アンプ53及びアンテナ54が、スロット40毎に設けられている。そして、この無線タグ通信装置100は、ロジック部51により各アンプ53(アンテナ54)を選択的に切り替えることで、無線タグ通信装置100と各無線タグ11との送受信を一対一で行っている。
図5に示すように、無線タグ通信装置100は、各無線タグ11との間で、無線タグ11に対する情報要求信号の送信、無線タグ11からの応答待ち、無線タグ11から送信されたインク関連情報の受信、インク関連情報の解析、という一連の処理により、無線タグ11からインク関連情報を読み出す。そして、無線タグ通信装置100は、選択的に各無線タグ11と一対一で通信を行うため、各無線タグ11に対して上記の一連の処理を順次行わなければならない。このため、無線タグ通信装置100では、全ての無線タグ11からインク関連情報を読み出す時間が、スロット40及びスロット40に装着されたインクカートリッジ10の数に比例して長くなる。
これに対し、図6に示すように、本実施形態に係る無線タグ通信装置50は、全ての無線タグ11に対して情報要求信号を一斉送信するとともに、全ての無線タグ11から送信されたインク関連情報を一斉受信することができる。すなわち、無線タグ11に対する情報要求信号の送信、無線タグ11からの応答待ち、無線タグ11から送信されたインク関連情報の受信を、同時並列的に行うことができる。このため、無線タグ通信装置50では、比較例の無線タグ通信装置100に対して極めて短時間で、全ての無線タグ11からインク関連情報を読み出すことができる。
一般的に、停電が発生すると、外部から電源供給を受けることができないが、内部に蓄積されている電力により、僅かな時間だけ通信を行うことができる。この停電時に通信が行える電力の持続時間は、インクジェットプリンタ1によって多少異なるが、概ね10msとなる。そこで、無線タグ11に対する情報要求信号の送信、無線タグ11からの応答待ち、無線タグ11から送信されたインク関連情報の受信に要する時間が1.5ms、メモリ56からロジック部51にインク関連情報を転送する時間が50μsであり、インクジェットプリンタ1に8個のスロット40が設けられている場合における、比較例の無線タグ通信装置100と本実施形態に係る無線タグ通信装置50との通信時間について考える。
すると、比較例の無線タグ通信装置100では、全ての無線タグ11からインク関連情報を読み出すのに、1.5ms×8個=12msという長い時間を要してしまう。このため、無線タグ通信装置100では、停電時に維持できる電力によって、全ての無線タグ11からインク関連情報を読み出すことができない。
これに対し、本実施形態に係る無線タグ通信装置50では、1.5ms+50μs×8個=1.9msという極めて短時間で、全ての無線タグ11からインク関連情報を読み出すことができる。このため、無線タグ通信装置50では、停電時に維持できる電力によって、十分な余裕を持って全ての無線タグ11からインク関連情報を読み出すことができる。
このように、本実施形態に係る無線タグ通信装置50によれば、アンプ53及びアンテナ54が各スロット40に対応して設けられているため、これらのアンプ53及びアンテナを介して情報要求信号を一斉送信することができる。これにより、1回の送信処理で、各スロット40に挿入されている全てのインクカートリッジ10の無線タグ11に情報要求信号を送信することができる。また、アンテナ54、受信回路55及びメモリ56が各スロット40に対応して設けられているため、各無線タグ11から送信されるインク関連情報を略同時に受信することができる。しかも、この受信したインク関連情報をメモリ56に記憶させておくことで、ロジック部51は、インク関連情報を各メモリ56から順次読み出して解析することができる。このため、インクジェットプリンタ1に複数のインクカートリッジ10が装着される場合に、インク関連情報を適切に読み出して、インクカートリッジ10に設けられた無線タグ11との通信時間を短縮することができる。これにより、例えば、停電時などでも、無線タグ11からインク関連情報を適切に読み出すことができるため、実際の状態と制御部30が把握している状態との食い違いに起因する印刷ミスを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、インクジェットプリンタ1には、スロット40が4個設けられており、無線タグ通信装置50には、このスロット40に対応して、アンプ53、アンテナ54、受信回路55及びメモリ56が4個ずつ設けられるものとして説明したが、無線タグ通信装置50のアンプ53、アンテナ54、受信回路55及びメモリ56がスロット40の数に対応していれば、如何なる個数であってもよい。
また、上記実施形態において、スロット40は、インクジェットヘッドに対応してインクジェットヘッドと同数だけ接続されるものとして説明したが、1つのインクジェットヘッドに対して、複数のスロット40が接続されるものとしてもよい。これにより、インクジェットヘッドには、何れか一つのスロット40に挿入されたインクカートリッジ10からインクを供給し、当該インクカートリッジ10が空になると、インクを供給するスロット40を切り替え、他のスロット40に挿入されたインクカートリッジ10からインクを供給することができる。この場合、無線タグ通信装置50は、全てのスロット40に対して情報要求信号を送信して、スロット40に挿入されている全てのインクカートリッジ10からインク関連情報を取得してもよいが、インクジェットヘッドにインクを供給するスロット40に対してのみ情報要求信号を送信して、当該スロット40に挿入されているインクカートリッジ10のみからインク関連情報を取得してもよい。
具体的に説明すると、通常時は、インクの供給を受けているスロット40に対してのみ情報要求信号を送信することで、インクを供給しているインクカートリッジ10のインク残量を監視する。監視の結果、インクを供給しているインクカートリッジ10のインク残量が所定値以下になると、同一のインクジェットヘッドに対応付けられている他のスロット40に対しても情報要求信号を送信し、インクが十分に充填されているインクカートリッジ10が挿入されているスロット40を検出する。そして、インクが十分に充填されているインクカートリッジ10が挿入されているスロット40に、インクを供給するスロット40を切り替え、その後、切り替えられたスロット40に対してのみ情報要求信号を送信することで、再度、インクを供給しているインクカートリッジ10のインク残量を監視する。このようにすることで、通信の効率化を図りつつ、インクの供給を受けるスロットを適切に切り替えることができる。
また、上記実施形態において、無線タグ通信装置50は、インクジェットプリンタ1に設けられる装置であるものとして説明したが、インクジェットプリンタ1から分離可能な装置であってもよい。
また、上記実施形態において、無線タグ11に記録されているインク関連情報として、識別番号、インク色、インク残量を例示的に示したが、これらに限定されることなく、例えば、使用条件、使用有効期限、使用温度、インクの組成情報、インクカートリッジ10の使用時間などの情報が含まれていてもよい。そして、上記実施形態において、情報要求信号は、インク残量のみを読み出すもとして説明したが、これに限定されることなく、インク関連情報の一部または全部を読み出すものであってもよい。
また、上記実施形態において、ロジック部51は、各メモリ56からインク関連情報を読み出す順序については特に指定しなかったが、例えば、予め決められた順序で、各メモリから56からインク関連情報を読み出してもよく、インク関連情報が記憶された順序で、各メモリから56からインク関連情報を読み出してもよい。前者の場合、インク関連情報の読み出し制御を簡略化することができ、後者の場合、インク関連情報の読み出し時間及びその解析時間を短縮することができる。
1…インクジェットプリンタ、10…インクカートリッジ、11…無線タグ、20…印刷部、30…制御部、40…スロット、50…無線タグ通信装置、51…ロジック部、52…変調回路、53…アンプ、54…アンテナ、55…受信回路、56…メモリ、100…無線タグ通信装置。

Claims (3)

  1. インクカートリッジにはインク関連情報が記録された無線タグが設けられるとともに、インクジェットプリンタの複数のスロットに挿入された複数の前記インクカートリッジの前記無線タグからインク関連情報を読み出す無線タグ通信装置であって、
    前記各スロットに対応して設けられた複数のアンテナと、
    前記各アンテナから情報要求信号を一斉送信する送信部と、
    前記各スロットに対応して設けられて、前記各スロットに挿入された前記インクカートリッジの前記無線タグから送信された前記インク関連情報を受信する複数の受信部と、
    前記各スロットに対応して設けられて、前記各受信部で受信した前記インク関連情報を記憶する複数の記憶部と、
    前記各記憶装置から前記インク関連情報を順次読み出して解析する解析部と、
    を有することを特徴とする無線タグ通信装置。
  2. 前記解析部は、予め決められた順に前記各記憶装置から前記インク関連情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の無線タグ通信装置。
  3. 前記解析部は、前記インク関連情報が記憶された順に前記記憶部から前記インク関連情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の無線タグ通信装置。

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