JP5260017B2 - 歯科用充填修復キット - Google Patents
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Description
本実施の形態において、コンポジットレジンは、酸性基非含有ラジカル重合性単量体を含む。コンポジットレジン中に酸性基が存在する場合には、コンポジットレジンは、後述のスルフィン酸塩を含むため、酸性基と後述のスルフィン酸塩とが反応することで、コンポジットレジンの製造直後からコンポジットレジンの硬化が開始される。一方、コンポジットレジン中に酸性基が含有されていない場合には、歯牙の窩洞にコンポジットレジンを充填する前に、コンポジットレジンが硬化を開始しないために、コンポジットレジンを充填する作業の操作性が向上し、長期間保存しても硬化が進行しない。また、酸性基非含有ラジカル重合性単量体を用いると、コンポジットレジンは、塩基性の物質を吸着しないため、より着色しにくく、審美性により優れる。
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレートシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、若しくはグリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,6H−デカフルオロヘキシルメタクリレート若しくは1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート等の含フッ素(メタ)アクリレート、あるいは下記式(g)〜(q)で示される(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能ラジカル重合性単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス((メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジプロポキシフェニルプロパン、2−(4−メタクリロキシエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロキシジプロポキシフェニル−2−(4−(メタ)アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、あるいは2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシイソプロポキシフェニルプロパン等が挙げられる。
三官能ラジカル重合性単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートあるいはトリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能ラジカル重合性単量体としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、あるいはペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
酸性基非含有ラジカル重合性単量体の一部に、水溶性のラジカル重合性単量体を含むことが好ましい。酸性基非含有ラジカル重合性単量体の一部に、水溶性のラジカル重合性単量体を含むことにより、コンポジットレジンに含まれるラジカル重合性単量体の一部が水溶性であるため、プライマーに含まれるラジカル重合性単量体の酸性基に対する親和性が高い。したがって、コンポジットレジンとプライマーとの親和性が高い。そのため、コンポジットレジンとプライマーとの間のpH勾配による双方へのラジカル重合性単量体の移動がより生じやすくなり、両層のより高い融和が生じる。また、コンポジットレジンに含まれるラジカル重合性単量体がプライマー側へ進出する際に、スルフィン酸塩と同時に光重合開始剤も帯同してコンポジットレジン側からプライマー側へ移行するため、より効率よくプライマーの重合を行うことができるようになる。
本実施の形態において、コンポジットレジンがプライマー上に塗布されると、コンポジットレジン中のスルフィン酸塩は、プライマー中の酸性基含有ラジカル重合性単量体が有する酸性基の作用によりスルフィン酸になる。そして、生じたスルフィン酸は、空気に由来して存在する酸素と反応し、ラジカルを発生してラジカル重合性単量体の重合を促進する役割を有する。なお、コンポジットレジン中にスルフィン酸ではなくスルフィン酸塩を含有させることにより、コンポジットレジン中に酸性基が存在しないため、スルフィン酸塩がスルフィン酸を生じず、コンポジットレジンの重合が進行しない。したがって、コンポジットレジンを使用する前すなわちコンポジットレジンの保管中には、コンポジットレジンのゲル化あるいは硬化が進行しないため、コンポジットレジンの保存安定性が向上する。
本実施の形態において、コンポジットレジンに含まれる光重合開始剤としては、化合物そのもの自身が光照射に伴って重合可能なラジカルを生成するような光重合開始剤が好適に用いられる。そのような光重合開始剤として、例えば、α−ケトカルボニル化合物、あるいはアシルフォスフィンオキシド化合物等が挙げられる。
本実施の形態において、コンポジットレジンに含まれるフィラーは、コンポジットレジンの強度を向上させ、かつ重合時の収縮を抑えるために添加される。また、フィラーの添加量により、コンポジットレジンが硬化する前の粘度(操作性)を調節することができる。フィラーは、コンポジットレジンに含まれる酸性基非含有ラジカル重合性単量体100質量部に対して、80〜2000質量部含まれる。特に好ましいフィラーの量は、コンポジットレジンに含まれる酸性基非含有ラジカル重合性単量体100質量部に対して90〜500質量部であり、100〜230質量部が最も好ましい。また、フィラーの量が80質量部より多いと、コンポジットレジンとしての十分な強度が得られる。一方、フィラーの量が2000質量部より少ないと、粘度が高くなりすぎず、コンポジットレジンを充填する作業の操作性が向上する。また、プライマーにもフィラーを添加すると、接着強度がより強固なものとなるため、より好ましい。フィラーとしては、無機フィラー、有機フィラーあるいは無機―有機複合フィラーを適宜用いることができる。
本実施の形態に係る歯科用充填修復キットのプライマーに含まれる酸性基含有ラジカル重合性単量体は、1分子中に少なくとも1つの酸性基と1つのラジカル重合性不飽和基とを有する化合物であれば特に限定されず、公知の化合物を用いることができる。このような酸性基含有ラジカル重合性単量体は、プライマーに含まれるラジカル重合性単量体100質量部中10質量部以上含まれることが好ましく、プライマーに含まれるラジカル重合性単量体100質量部中、30質量部以上の酸性基含有ラジカル重合性単量体が含まれるのがより好ましい。また、該酸性基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン基、リン酸モノエステル基あるいはリン酸ジエステル基等を挙げることができる。その中でも、歯質に対する接着性が高い酸性基として、カルボキシル基、リン酸モノエステル基あるいはリン酸ジエステル基がより好ましい。さらに、コンポジットレジンとプライマーとの間の物質の移動を活発化させる目的で、コンポジットレジンとプライマーとの間のpH勾配をより急勾配にするため、プライマーに含まれる酸性基含有ラジカル重合性単量体の酸性基は、強酸性であることが最も好ましい。そのような強酸性の酸性基としては、リン酸モノエステル基あるいはリン酸ジエステル基が最も好ましい。
本実施の形態に係る歯科用充填修復キットのプライマーに含まれる水は、酸性基含有ラジカル重合性単量体による歯質の脱灰を助ける働きを有する。水は、プライマーに含まれるラジカル重合性単量体100質量部に対して、5〜150質量部含まれることが好ましく、特に、プライマーに含まれるラジカル重合性単量体100質量部に対して15〜110質量部の水が含まれるのがより好ましい。
[酸性基含有ラジカル重合性単量体]
「PM」:2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェートおよびビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンフォスフェートを質量比2:1の割合で混合した混合物
「MDP」:10−メタクリルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート
「MAC−10」:11−メタクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸
「D−2.6E」:2,2´−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン
「BisGMA」:2,2´−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン
「3G」:トリエチレングリコールジメタクリレート
「UDMA」:1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)2,2,4−トリメチルへキサンおよび1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)2,4,4−トリメチルヘキサンの混合物
「HEMA」:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
「14G」:ポリエチレングリコール(重合度14)ジメタクリレート(化3の構造式)
「BPE−1300」:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(化4の構造式)
「IPA」:イソプロピルアルコール
アセトン
「CQ」:カンファーキノン
「DMBE」:p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル
「TPO」:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
「BTPO」:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド
「PTSS」:パラトルエンスルフィン酸ナトリウム
「PTSTAO」:パラトルエンスルフィン酸トリエタノールアンモニウム
「BTSS」:ベンゼンスルフィン酸ナトリウム
「TPBTSS」:2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム
「HQME」:ハイドロキノンモノメチルエーテル
「BHT」:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
「F1」:球状シリカ−ジルコニア(平均粒径0.4μm)をγ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したものと、球状シリカ−チタニア(平均粒径0.08μm)γ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したものとを質量比70:30にて混合した混合物
「F2」:ヒュームドシリカ(平均粒径0.02μm)をメチルトリクロロシランにより表面処理したもの
「MF」:フルオロアルミノシリケートガラス粉末(トクソーアイオノマー、株式会社トクヤマ製)を湿式の連続型ボールミル(ニューマイミル、三井鉱山株式会社製)を用いて、平均粒径0.5μmまで粉砕し、その後、粉砕粉末1gに対して20gの5.0N塩酸にてフィラー表面を20分間改質処理したもの。
牛を屠殺し、屠殺後24時間以内に牛前歯を抜去した。抜去した牛前歯を、注水下、#600のエメリーペーパーで研磨し、唇面に平行かつ平坦になるように、エナメル質および象牙質平面を削り出した。次に、削り出した平面に圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥させた。次に、この平面に直径3mmの穴を有する両面テープを貼り付け、さらに、厚さ0.5mmおよび直径8mmの穴を有するパラフィンワックスを、先に貼り付けられた両面テープの穴の中心に、パラフィンワックスの穴の中心をあわせて固定することで、模擬窩洞を形成した。この模擬窩洞に、プライマーを塗布し、20秒間放置後、圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥した。更にその上にコンポジットレジンを充填し、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)により可視光を30秒間照射して、コンポジットレジンの厚さが0.5mmである接着試験片を作製した。
0.5mm厚コンポジットレジンの接着強度測定方法と同様の方法にて、厚さ0.5mmおよび直径8mmの穴を有するパラフィンワックスのかわりに、厚さ1.5mmおよび直径8mmの穴を有するパラフィンワックスを用いて、コンポジットレジンの厚さが1.5mmである接着試験片を作製した。そして、0.5mm厚コンポジットレジンの接着強度測定方法と同様の方法にて接着強度を測定した。
6.0gのBisGMA、3.0gの3Gおよび1.0gの14Gに対して、0.05gのBTPO、0.1gのPTSS、0.01gのHQMEおよび0.003gのBHTを加え、暗所にて均一になるまで撹拌し、マトリックスとした。得られたマトリックスと、16.3gのF1とをメノウ乳鉢で混合し、真空下にて脱泡することにより、フィラー充填率62%の光硬化型のコンポジットレジンCR1を得た。他のコンポジットレジン(CR2〜CR19)も同様の手順で、表1に示す組成にて作製した。
5.0gのPM、5.0gのHEMA、0.003gのBHT及び10.0gの蒸留水を暗所にて均一になるまで撹拌し、プライマーP1を得た。他のプライマー(P2〜P13)も同様の手順で、表2に示す組成にて作製した。
スルフィン酸塩の種類が異なるコンポジットレジンを用いて測定を行った。いずれのスルフィン酸塩を用いた場合にも、コンポジットレジンの厚みが0.5mmの場合および1.5mmの場合の両方にて、安定した接着強度を示した。
実施例1の組成で、スルフィン酸塩の配合量を変化させた実施例5〜6を作製した。具体的には、酸性基非含有ラジカル重合性単量体100質量部に対して、実施例1は、スルフィン酸塩を1質量部含有させた。同様に、酸性基非含有ラジカル重合性単量体100質量部に対して、スルフィン酸塩を2質量部含有する実施例5、酸性基非含有ラジカル重合性単量体100質量部に対して、スルフィン酸塩を0.3質量部含有する実施例6の各実施例の接着試験片を作製し、評価した。スルフィン酸塩の配合量が最も少ない実施例6は、他の実施例と比較して、コンポジットレジンの厚さが1.5mmの場合においての象牙質に対する接着強度が低下した。
実施例1と同じ組成比で、酸性基非含有かつ水溶性のラジカル重合性単量体の種類を変化させた実施例7〜9を評価した。酸性基非含有かつ水溶性のラジカル重合性単量体として、単官能ラジカル重合性単量体であるHEMAを用いた実施例8よりも、多官能ラジカル重合性単量体を用いた実施例7および9の方が、コンポジットレジンの厚さに関わらず接着強度が良好であった。特に、実施例7および実施例9は、実施例8よりも象牙質に対する接着強度が高かった。
実施例1の組成で、酸性基非含有かつ水溶性のラジカル重合性単量体の含有比を変化させた実施例10〜12を評価した。酸性基非含有かつ水溶性のラジカル重合性単量体を含まない実施例10よりも、酸性基非含有かつ水溶性のラジカル重合性単量体を含む実施例11および実施例12の方が、コンポジットレジンの厚さに関わらず接着強度が良好であった。
実施例1の組成比で、光重合開始剤の種類を変えた実施例13〜15を評価した。α―ジケトン系の重合開始剤であるCQとDMBEを両方含有するコンポジットレジンを用いた実施例13は、他の実施例と比較すると、接着強度が低下していた。
プライマー中に多価金属イオン溶出性フィラーであるMFを添加した実施例24と、表面処理されたヒュームドシリカおよびMFを無機フィラーとして添加した実施例26を評価した。その結果、コンポジットレジンの厚さが0.5mmの試験片において、MFを添加していない実施例18と比較して、実施例24は、象牙質への接着強度が向上した。さらに、実施例26は、エナメル質および象牙質への接着耐久性も向上した。また、コンポジットレジンの厚さが1.5mmの試験片では、実施例18と比較して、実施例24および実施例26の両方において、エナメル質および象牙質に対する接着強度が向上した。
プライマー中の酸性基含有ラジカル重合性単量体の種類を変えて評価を行った。その結果、酸性基含有ラジカル重合性単量体の酸性基がリン酸系エステルである実施例20は、酸性基含有ラジカル重合性単量体の酸性基がカルボキシル基であるMAC−10を一部用いた実施例21よりも、コンポジットレジンの厚さに関わらず良好な接着強度を示した。さらに、酸性基含有ラジカル重合性単量体としてMAC−10のみを用いた実施例22は、実施例20〜21よりもコンポジットレジンの厚さに関わらず接着強度が低かった。
プライマー中に重合開始剤を含有させた実施例25、および重合開始剤および2種類の無機フィラーを加えた実施例27を評価した。実施例18と比較して、実施例25は、コンポジットレジンの厚さに関わらず、象牙質に対する接着強度が向上した。また、無機フィラーおよび重合開始剤の両方を添加した実施例27は、コンポジットレジンの厚さに関わらず、前述の実施例26とほぼ同程度の良好な接着強度を示した。
ラジカル重合性単量体として、酸性基非含有ラジカル重合性単量体を含み、かつスルフィン酸塩を含まないコンポジットレジンを用い、プライマーの種類を変化させた比較例1〜5について評価した。その結果、まず、コンポジットレジンの厚さが1.5mmである場合は、コンポジットレジンの厚さが0.5mである場合と比較して接着強度が大きく低下していた。また、象牙質に対する接着強度は、厚みに関わらず実施例と比較して低下していた。
酸性基含有ラジカル重合性単量体を含み、かつスルフィン酸塩を含まないコンポジットレジンを用い、プライマーの種類を変化させた比較例6〜9について評価した。その結果、まず、コンポジットレジンの厚さが1.5mmである場合は、コンポジットレジンの厚さが0.5mである場合と比較して接着強度が比較例1〜5よりも大きく低下していた。また、象牙質に対する接着強度は、厚みに関わらず実施例と比較して低下していた。
酸性基含有ラジカル重合性単量体およびスルフィン酸塩を両方含むコンポジットレジンを調製した。その結果、コンポジットレジンは、使用前にゲル化してしまった。
Claims (2)
- (a)酸性基非含有ラジカル重合性単量体100質量部、(b)スルフィン酸塩、(c)α−ケトカルボニル化合物(第3級アミン類と併用される場合に限る)およびアシルフォスフィンオキシド化合物から選択される光重合開始剤ならびに(d)フィラー80〜2000質量部を含む(A)光重合性充填修復材((A)光重合性充填修復材の包装形態として、(A)光重合性充填修復材を構成する各成分のうちの一部の成分と他の成分とが互いに分離して包装される態様を除く)と、
(e)酸性基含有ラジカル重合性単量体および(f)水を含む(B)前処理材と、
を含んでなることを特徴とする歯科用充填修復キット。 - 前記(a)酸性基非含有ラジカル重合性単量体100質量部は、(a1)酸性基非含有かつ水溶性のラジカル重合性単量体3〜30質量部を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の歯科用充填修復キット。
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