JP5241162B2 - 画像投射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光源ランプからの光を用いて画像を投射する画像投射装置に関し、さらに詳しくは、光源ランプの冷却構造に関する。
液晶プロジェクタ等の画像投射装置には、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀放電ランプ等の放電型の光源ランプが用いられる。
このような光源ランプは、ガラス管の両端に電極を有し、該ガラス管の中に水銀等を含むガスが封入された放電発光管と、該放電発光管からの光束を平行光束や収束光束に変換するための凹面鏡(リフレクタ)とを有する。
図7には、一般的な光源ランプの形状を示す。放電発光管101は、球体状の発光部101Aと、その前後に延びる第1及び第2のシール部(電極部)101c,101dとを有する。放電発光管101は、結合部材103によりリフレクタ102と結合される。放電発光管101のうち発光部101Aと第1のシール部101cは、リフレクタ102の内部に配置され、第2のシール部101dは、結合部材103により覆われてリフレクタ102の外部(背面側)に配置される。
このような光源ランプ(放電発光管)を良好な放電発光状態に維持するためには、図7に示す球体形状の発光部101Aの上部101a及び下部101bをそれぞれ、例えば900℃以上1000℃以下、及び900±20℃の範囲内にて温度管理する必要がある。また、シール部101c,101dについても、例えば420℃以下での温度管理が求められる。
したがって、ほとんどの画像投射装置では、光源ランプの近傍に冷却ファンを配置し、ダクト等の導風部材を用いて光源ランプを強制冷却している。
特許文献1には、冷却ファンからの冷却風を、リフレクタの内部を冷却する冷却風と、リフレクタの外周部を冷却する冷却風と、外装ケースの内側を冷却する冷却風とに分割するダクト構造を有する画像投射装置が開示されている。
また、特許文献2には、冷却ファンからの冷却風を、リフレクタの内部において発光管の発光部に向かう冷却風とシール部に向かう冷却風とに分割することで、光源ランプにおける各部位を適切に冷却する画像投射装置が開示されている。
特開2002−174857号公報 特開平6−338212号公報
画像投射装置には、より高輝度化が求められているとともに、さらなる静音化も求められている。画像投射装置からの騒音は、主として冷却ファンによる発熱箇所の冷却に伴って発生する。このため、静音化のためには、できるだけ冷却ファンの回転数を低下させ、少ない風量で各発熱箇所を適切に冷却することが必要となる。

光源ランプについて言えば、前述した発光部の上部と下部に効率良く冷却風を導き、かつリフレクタの外部に配置されたシール部にも適切な風量の冷却風を導くことが求められる。
このことについて、図7を用いてより詳しく説明する。放電現象によって発光する発光部101Aの上部101aは、発光管101のうち最も高温となる部位である。ここが高温になりすぎると、発光管101を構成するガラスの熱変形が生じたり、発光管101内の蒸気圧が異常に高くなったりする等、発光管101の故障につながる。
一方、発光部101Aの下部101bは、その周囲の空気の自然対流の影響により、発光部101A内では温度が比較的低い部位である。ただし、下部101bに対しても適切な温度管理をしなければ、発光メカニズムのサイクルに異常を生じる等、発光管101の寿命や発光効率に影響する。
また、シール部101c,101dは、発光管101内のガスを封止する部位であるとともに電極部が設けられている部位であり、ここが高温になりすぎると、内部の金属材料(モリブデン等)が酸化して溶断するおそれがある。
このように、発光管のうち上記4つの部位に対して適切な温度管理を行うことが重要である。これに対し、上記4つの部位以外の部位、例えば、図9に示す発光部101Aの側面101eについては、冷却による温度管理を積極的に行わなくても発光管としての性能や寿命にほとんど影響がない。
しかしながら、特許文献1,2に開示された装置では、図8に示すように、発光部101Aの側面101eに向けて冷却風を導いている。言い換えれば、発光部101Aの上部101a、下部101b及び側面101eをまとめて冷却している。つまり、特許文献1,2の構成では、発光管101の冷却が最適化されておらず、その分、多くの冷却風をリフレクタ102内に導入している。このため、冷却ファンの回転数の上昇及びこれに伴う騒音の増大を招く。
本発明は、リフレクタ内外における発光管の温度管理が必要な部位に対して効率良く冷却風を導き、静音化を図ることができる画像投射装置を提供する。
本発明の一側面としての画像投射装置は、リフレクタの内部に配置された発光部、及びリフレクタの外部に配置された電極部を有する放電発光管を備えた光源ランプと、冷却ファンにより発生した冷却風を光源ランプに導くダクトとを有する。ダクトは、冷却風の一部を発光部の外周面における互いに反対側の第1の領域及び第2の領域に向かわせる第1の導風部及び第2の導風部と、冷却風の他の一部を電極部側に向かわせる第3の導風部とを有し、投射画像の短辺が延びる方向を上下方向とするとき、第1及び第2の領域は、発光部の外周面における上下の領域であり、第3の導風部は、第1及び第2の導風部の間に設けられており、冷却ファンは、シロッコファンであり、第1、第2、及び第3の導風部は、リフレクタの開口面側から冷却風を導くことを特徴とする。
なお、上記画像投射装置と、該画像投射装置に画像情報を供給する画像供給装置とを有する画像表示システムも本発明の他の側面を構成する。
本発明によれば、第1及び第2の導風部によって冷却風の一部を発光部の外周面における互いに反対側の第1及び第2の領域(例えば、上下の領域)に向かわせる。そして、該第1及び第2の領域の冷却に使用されない冷却風(他の一部)を第3の導風部によってリフレクタの外部の電極部側に向かわせる。これにより、リフレクタ内外における発光管の温度管理が必要な部位に対して効率良く冷却風を導くことができ、この結果、発光管の性能や寿命を低下させることなく、装置の静音化を図ることができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
(プロジェクタの全体構成)
図3には、本発明の実施例1である液晶プロジェクタ(画像投射装置)の構成を示している。
この図において、1は光源ランプ(以下、単にランプという)であり、本実施例では、高圧水銀放電ランプが用いられている。ただし、光源ランプ1として、高圧水銀放電ランプ以外の放電型ランプ(例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ)を用いてもよい。
2はランプ1を保持するランプホルダ、3は防爆ガラス、4はガラス押えである。αはランプ1からの光束を均一な明るさ分布を有する平行光束に変換する照明光学系、βは照明光学系αからの光を色分解して、後述するRGBの3色用の液晶パネルに導き、さらに該液晶パネルからの光を色合成する色分解合成光学系である。
5は色分解合成光学系βからの光(画像)を図示しないスクリーン(被投射面)に投射する投射レンズ鏡筒である。投射レンズ鏡筒5内には、後述する投射光学系が収納されている。
6はランプ1、照明光学系α及び色分解合成光学系βを収納するとともに、投射レンズ鏡筒5が固定される光学ボックスである。該光学ボックス6には、ランプ1の周囲を囲むランプケース部材6aが形成されている。
7は光学ボックス6内に照明光学系α及び色分解合成光学系βを収納した状態で蓋をする光学ボックス蓋である。8は商用電源から各基板へのDC電源を作り出すPFC電源基板、9は電源フィルタ基板、10はPFC電源基板8とともに動作してランプ1を点灯駆動するバラスト電源基板である。
11はPFC電源基板8からの電力により、液晶パネルの駆動とランプ1の点灯制御を行う制御基板である。12A,12Bはそれぞれ、後述する下部外装ケース21の吸気口21aから空気を吸い込むことで、色分解合成光学系β内の液晶パネルや偏光板等の光学素子を冷却するための第1及び第2光学系冷却ファンである。13は両光学系冷却ファン12A,12Bからの風を、色分解合成光学系β内の光学素子に導く第1RGBダクトである。
14はランプ1に対して吹き付け風を送り、ランプ1を冷却するランプ冷却ファンである。15はランプ冷却ファン14を保持しつつ、冷却風をランプ1に導く第1ランプダクトである。16はランプ冷却ファン14を保持して、第1ランプダクト15とともにダクトを構成する第2ランプダクトである。
17は下部外装ケース21に設けられた吸気口21bから空気を吸い込み、PFC電源基板8とバラスト電源基板10内に風を流通させることで、これらを冷却するための電源冷却ファンである。18は排気ファンであり、ランプ冷却ファン14からランプ1に送られてこれを冷却した後の熱風を、後述する第2側板B24に形成された排気口24aから排出する。
下部外装ケース21は、ランプ1、光学ボックス6及び電源系基板8〜10及び制御基板11等を収納する。22は下部外装ケース21に光学ボックス6等を収納した状態で蓋をするための上部外装ケースである。23は第1側板であり、第2側板24とともに外装ケース21,22により形成される側面開口を閉じる。下部外装ケース21には、上述した吸気口21a,21bが形成されており、第2側板24には上述した排気口24aが形成されている。下部外装ケース21、上部外装ケース22、第1側板23及び第2側板24によって、該プロジェクタの筐体が構成される。
25は各種信号を取り込むためのコネクタが搭載されたIF基板であり、26は第1側板23の内側に取り付けられたIF補強板である。
27はランプ1からの排気熱を排気ファン18まで導き、筐体内に排気風を拡散させないようにするための排気ダクトである。
28はランプ蓋である。ランプ蓋28は、下部外装ケース21の底面に着脱可能に配置され、不図示のビスにより固定される。また、29はセット調整脚である。セット調整脚29は、下部外装ケース21に固定されており、その脚部29aの高さを調整可能となっている。脚部29aの高さ調整により、プロジェクタの傾斜角度を調整できる。
30は下部外装ケース21の吸気口21aの外側に取り付けられる不図示のフィルタを保持するRGB吸気プレートである。
31は色分解合成光学系βを保持するプリズムベースである。32は色分解合成光学系β内の光学素子と液晶パネルを冷却するために、第1及び第2光学系冷却ファン12A,12Bからの冷却風を導くダクト形状部を有するボックスサイドカバーである。33はボックスサイドカバー32と合わさってダクトを形成する第2RGBダクトである。
34は色分解合成光学系β内に配置される液晶パネルから延びたフレキシブル基板が接続され、制御基板11に接続されるRGB基板である。
(光学構成)
次に、前述したランプ1、照明光学系α、色分解合成光学系β及び投射レンズ鏡筒(投射光学系)5により構成される光学系の構成について図4を用いて説明する。図4において、(A)は光学系の水平断面を、(B)は垂直断面をそれぞれ示す。
同図において、41は連続スペクトルで白色光を発光する放電発光管(以下、単に発光管という)である。42は発光管41からの光を所定の方向に集光する凹面鏡を有するリフレクタである。発光管41とリフレクタ42により光源ランプ1が構成される。
43aは図4(A)に示す水平方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズセルを複数配列した第1シリンダアレイである。43bは第1シリンダアレイ43aの個々のレンズセルに対応したシリンドリカルレンズセルを複数有する第2シリンダアレイである。44は紫外線吸収フィルタ、45は無偏光光を所定の偏光光に変換する偏光変換素子である。
46は図4(B)に示す垂直方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたフロントコンプレッサである。47はランプ1からの光軸を、ほぼ90度(より詳しくは88度)折り曲げるための反射ミラーである。
43cは垂直方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズセルを複数配列した第3シリンダアレイである。43dは第3シリンダアレイ43cの個々のレンズセルに対応したシリンドリカルレンズアレイを複数有する第4シリンダアレイである。
50は色座標を所定値に調整するために特定波長域の色をランプ1に戻すためのカラーフィルタである。48はコンデンサーレンズである。49は垂直方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたリアコンプレッサである。以上により、照明光学系αが構成される。
58は青(B:例えば430〜495nm)と赤(R:例えば590〜650nm)の波長領域の光を反射し、緑(G:例えば505〜580nm)の波長領域の光を透過するダイクロイックミラーである。59は透明基板に偏光素子を貼り付けたG用の入射側偏光板であり、P偏光光のみを透過する。60は多層膜により構成された偏光分離面においてP偏光光を透過し、S偏光光を反射する第1偏光ビームスプリッタである。
61R,61G,61Bはそれぞれ、入射した光を反射するとともに画像変調する光変調素子(若しくは画像形成素子)としての赤用反射型液晶パネル、緑用反射型液晶パネル及び青用反射型液晶パネルである。62R,62G,62Bはそれぞれ、赤用1/4波長板、緑用1/4波長板及び青用1/4波長板である。
64aはR光の色純度を高めるためにオレンジ光をランプ1に戻すトリミングフィルタである。64bは透明基板に偏光素子を貼り付けたRB用入射側偏光板であり、P偏光のみを透過する。
65はR光の偏光方向を90度変換し、B光の偏光方向は変換しない色選択性位相差板である。66は偏光分離面においてP偏光を透過し、S偏光を反射する第2偏光ビームスプリッタである。
68BはB用射出側偏光板(偏光素子)であり、B光のうちS偏光成分のみを整流する。68GはG光のうちS偏光成分のみを透過させるG用出側偏光板である。69はR光及びB光を透過し、G光を反射するダイクロイックプリズムである。
以上のダイクロイックミラー58〜ダイクロイックプリズム69により、色分解合成光学系βが構成される。
本実施例において、偏光変換素子45はP偏光をS偏光に変換するが、ここでいうP偏光とS偏光は、偏光変換素子45における光の偏光方向を基準として述べている。一方、ダイクロイックミラー58に入射する光は、第1及び第2偏光ビームスプリッタ60,66での偏光方向を基準として考え、P偏光光であるとする。すなわち、本実施例では、偏光変換素子45から射出された光をS偏光光とするが、同じS偏光光をダイクロイックミラー58に入射する場合はP偏光光として定義する。
(光学的作用)
次に、光学的な作用を説明する。
発光管41から発した光はリフレクタ42により所定の方向に集光される。リフレクタ42は放物面形状の凹面鏡を有し、放物面の焦点位置からの光は該放物面の対称軸に平行な光束となる。但し、発光管41からの光源は理想的な点光源ではなく、有限の大きさを有しているので、集光する光束には放物面の対称軸に平行でない光の成分も多く含まれている。これらの光束は、第1シリンダアレイ43aに入射する。第1シリンダアレイ43aに入射した光束は、シリンダレンズセルの数に応じた複数の光束に分割されて集光され、垂直方向に並ぶ帯状の複数の光束となる。そして、これら複数の分割光束は、紫外線吸収フィルタ44及び第2シリンダアレイ43bを経て、複数の光源像を偏光変換素子45の近傍に形成する。
偏光変換素子45は、偏光分離面と反射面と1/2波長板とを有する。複数の光束は、それぞれの列に対応した偏光分離面に入射し、これを透過するP偏光成分とここで反射するS偏光成分とに分割される。反射されたS偏光成分は反射面で反射し、P偏光成分と同じ方向に射出する。一方、偏光分離面を透過したP偏光成分は、1/2波長板を透過してS偏光成分と同じ偏光成分に変換される。こうして、同じ偏光方向を有する複数の光束が射出する。
偏光変換された複数の光束は、偏光変換素子45から射出した後、フロントコンプレッサ46で圧縮され、反射ミラー47によって88度反射され、第3シリンダアレイ43cに入射する。
第3シリンダアレイ43cに入射した光束は、シリンダレンズセルの数に応じた複数の光束に分割されて集光され、水平方向に並ぶ帯状の複数の光束となる。該複数の分割光束は、第4シリンダアレイ43d及びコンデンサーレンズ48を介してリアコンプレッサ49に入射する。
フロントコンプレッサ46、コンデンサーレンズ48及びリアコンプレッサ49の光学作用によって、複数の光束によって形成される矩形像は互いに重なり合い、矩形の均一な明るさの照明エリアを形成する。この照明エリアに、反射型液晶パネル61R,61G,61Bが配置される。
偏光変換素子45によってS偏光とされた光は、ダイクロイックミラー58に入射する。以下、ダイクロイックミラー58を透過したG光の光路について説明する。
ダイクロイックミラー58を透過したG光は、入射側偏光板59に入射する。G光はダイクロイックミラー58によって分解された後もP偏光(偏光変換素子45を基準とする場合はS偏光)となっている。そして、G光は入射側偏光板59から射出した後、第1偏光ビームスプリッタ60に対してP偏光として入射し、その偏光分離面を透過してG用反射型液晶パネル61Gへと至る。
ここで、該プロジェクタのIF基板25には、パーソナルコンピュータ、DVDプレーヤ、テレビチューナ等の画像供給装置80が接続されている。制御基板11は、画像供給装置80から入力された画像情報に基づいて反射型液晶パネル61R,61G,61Bを駆動し、これらに各色用の原画を形成させる。これにより、各反射型液晶パネルに入射した光は、反射されるとともに原画に応じて変調(画像変調)される。画像供給装置80とプロジェクタとにより画像表示システムが構成される。
G用反射型液晶パネル61Gにおいては、G光が画像変調されて反射される。画像変調されたG光のうちP偏光成分は、再び第1偏光ビームスプリッタ60の偏光分離面を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたG光のうちS偏光成分は、第1偏光ビームスプリッタ60の偏光分離面で反射され、投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
このとき、すべての偏光成分をP偏光に変換した状態(黒を表示した状態)において、第1偏光ビームスプリッタ60とG用反射型液晶パネル61Gとの間に設けられた1/4波長板62Gの遅相軸を所定の方向に調整する。これにより、第1偏光ビームスプリッタ60とG用反射型液晶パネル61Gで発生する偏光状態の乱れの影響を小さく抑えることができる。
第1偏光ビームスプリッタ60から射出したG光は、ダイクロイックプリズム69に対してS偏光として入射し、該ダイクロイックプリズム69のダイクロイック膜面で反射して投射レンズ鏡筒5へと至る。
一方、ダイクロイックミラー58で反射したR光とB光は、トリミングフィルタ64aに入射する。R光とB光はダイクロイックミラー58によって分解された後もP偏光となっている。そして、R光とB光は、トリミングフィルタ64aでオレンジ光成分がカットされた後、入射側偏光板64bを透過し、色選択性位相差板65に入射する。
色選択性位相差板65は、R光の偏光方向のみを90度回転させる作用を有し、これによりR光はS偏光として、B光はP偏光として第2偏光ビームスプリッタ66に入射する。
S偏光として第2偏光ビームスプリッタ66に入射したR光は、該第2偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面で反射され、R用反射型液晶パネル61Rへと至る。また、P偏光として第2偏光ビームスプリッタ66に入射したB光は、該第2偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面を透過してB用反射型液晶パネル61Bへと至る。
R用反射型液晶パネル61Rに入射したR光は、画像変調されて反射される。画像変調されたR光のうちS偏光成分は、再び第2偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面で反射されて光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたR光のうちP偏光成分は、第2偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面を透過して、投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
また、B用反射型液晶パネル61Bに入射したB光は、画像変調されて反射される。画像変調されたB光のうちP偏光成分は、再び第2偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたB光のうちS偏光成分は、第2偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面で反射して、投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
このとき、第2偏光ビームスプリッタ66とR用,B用反射型液晶パネル61R,61Bとの間に設けられた1/4波長板62R,62Bの遅相軸を調整することにより、G光の場合と同じように、R,B光それぞれの黒表示状態での調整を行うことができる。
こうして1つの光束に合成されて第2偏光ビームスプリッタ66から射出したR光とB光は、射出側偏光板68Bで検光されてダイクロイックプリズム69に入射する。また、R光はP偏光のまま射出側偏光板68Bを透過して、ダイクロイックプリズム69に入射する。
射出側偏光板68Bで検光されることにより、B光は、該B光が第2偏光ビームスプリッタ66、B用反射型液晶パネル61B及び1/4波長板62Bを通ることによって生じた無効な成分がカットされた光となる。
そして、ダイクロイックプリズム69に入射したR光とB光は、ダイクロイック膜面を透過して、該ダイクロイック膜面にて反射したG光と合成されて投射レンズ5に至る。
そして、合成されたR,G,B光は、投射レンズ5によってスクリーンなどの被投射面に拡大投影される。
以上説明した光路は、反射型液晶パネルが白表示状態の場合である。以下では、反射型液晶パネルが黒表示状態の場合での光路について説明する。
まず、G光の光路について説明する。ダイクロイックミラー58を透過したG光のP偏光光は、入射側偏光板59に入射し、その後第1偏光ビームスプリッタ60に入射してその偏光分離面で透過され、G用反射型液晶パネル61Gへと至る。しかし、反射型液晶パネル61Gが黒表示状態であるため、G光は画像変調されずに反射される。このため、G用反射型液晶パネル61Gで反射された後も、G光はP偏光光のままである。したがって、G光は再び第1偏光ビームスプリッタ60の偏光分離面を透過し、入射側偏光板59を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。
次に、R光とB光の光路について説明する。ダイクロイックミラー58で反射したR光とB光のP偏光光は、入射側偏光板64bに入射する。そして、入射側偏光板64bから射出した後、色選択性位相差板65に入射する。色選択性位相差板65は、R光の偏光方向のみを90度回転する作用を持つため、R光はS偏光として、B光はP偏光として第2偏光ビームスプリッタ66に入射する。
S偏光として第2偏光ビームスプリッタ66に入射したR光は、その偏光分離面で反射され、R用反射型液晶パネル61Rへと至る。また、P偏光として第2偏光ビームスプリッタ66に入射したB光は、その偏光分離面を透過してB用反射型液晶パネル61Bへと至る。
ここで、R用反射型液晶パネル61Rは黒表示状態であるため、R用反射型液晶パネル61Rに入射したR光は画像変調されないまま反射される。このため、R用反射型液晶パネル61Rで反射された後も、R光はS偏光光のままである。したがって、R光は再び第2偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面で反射し、入射側偏光板64bを通過して光源側に戻され、投射光から除去される。これにより、黒表示がなされる。
一方、B用反射型液晶パネル61Bに入射したB光は、B用反射型液晶パネル61Bが黒表示状態であるため、画像変調されないまま反射される。このため、B用反射型液晶パネル61Bで反射された後も、B光はP偏光光のままである。したがって、B光は再び第2偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面を透過し、色選択性位相差板65によりP偏光に変換され、入射側偏光板64bを透過して、光源側に戻され、投射光から除去される。
(冷却構造)
次に、本実施例のプロジェクタにおける冷却構成について、図5を用いて説明する。前述したように、本プロジェクタ内には、5つのファン12A,12B,14,17,18が収納されており、以下に示す複数の流路に空気流を流してそれぞれの冷却対象を冷却する。
図5中に実線矢印で示す流路B(第1の流路)では、ランプ冷却ファン14によって吸い込まれた筐体内の空気が、ダクト15,16を介して冷却風としてランプ1まで送られる。ランプ1を冷却した空気流は、排気ボックス27に導かれ、排気ファン18によって筐体外部に排気される。
図5中に点線矢印で示す流路A(第2の流路)では、投射レンズ鏡筒5の下側の吸気口21aから第1及び第2冷却ファン12A,12B(12Bは投射レンズ鏡筒5の下側に配置されている)によって筐体外部から吸い込まれた空気が流入する。該空気流による冷却風は、光学ボックス6内に配置された色分解合成系βの光学素子を冷却する。そして、その冷却風の多くは、光学ボックス6に隣接するPFC電源基板8及びバラスト電源基板10に向かって流れ、該基板9,10に実装された電気部品を冷却した後、排気ファン18及び電源冷却ファン17によって筐体外部に排出される。
さらに、図5中に一点鎖線矢印で示す流路Cでは、下部外装ケース21の吸気口21b(図5中には示していない)から吸い込まれた空気が流入する。該空気流による冷却風は、筐体内の空気とともに電源冷却ファン17もしくは排気ファン18による吸い込み力によってバラスト電源基板10及びPFC電源基板8に導かれる。そして、これら基板8,10を冷却した後、電源冷却ファン17及び排気ファン18によって筐体外部に排出される。
以上のように構成される冷却構造において、ランプ1の周辺の構成について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1は、リフレクタ42の内部が見え易いようにランプ1の断面を示している。
発光管41は、球体状の発光部41Aと、その前後に延びる第1及び第2のシール部(電極部)41c,41dとを有する。発光管41は、結合部材(図7の103参照)によりリフレクタ42と結合される。発光管41のうち発光部41Aと第1のシール部41cは、リフレクタ42の内部に配置され、第2のシール部41dは、結合部材により覆われてリフレクタ42の外部(背面側)に配置される。
前述した第1ランプダクト15と第2ランプダクト16が組み合わされることによって、角筒状のダクト156が形成される。ランプダクト15,16によって保持されたランプ冷却ファン14からの冷却風は、ダクト156内を通ってランプ1の近傍に導かれ、ダクト156の先端に形成された開口Apを通じてランプ1に供給される。なお、本実施例では、ランプ冷却ファン14としてシロッコファンを用いている。
前述したように、リフレクタ42と防爆ガラス3(図1では省略されている)は、ランプホルダ2(図1では省略されている)により保持されている。ランプホルダ2におけるダクト156の開口Apと対向する位置には、リフレクタ42の内部に冷却風を導入するための不図示の開口が形成されている。
一方、ダクト156の開口Apには、第1〜第3の導風部Ap21〜Ap23が設けられている。具体的には、第1及び第2の導風部Ap21,Ap22が上下に分かれて形成され、これら第1及び第2の導風部Ap21,Ap22の間に第3の導風部Ap23が形成されている。
第1及び第2の導風部Ap21,Ap22は、開口Apに到達した冷却風の一部(W21,W22)を、発光管41のうちリフレクタ42の内部に配置された発光部41Aの外周面における上下の領域41a,41bに向かわせるガイド面として形成されている。より具体的には、第1及び第2の導風部Ap21,Ap22は、斜面又は曲面形状に形成されている。そして、それら斜面又は曲面の延長線上に発光部41Aの上下の領域41a,41bが位置するように形成されている。
ここにいう上下の領域とは、プロジェクタが画像を投射する状態、すなわち台の上に設置されたり天井から吊り下げられたりした状態で、投射画像(例えば、長辺:短辺=4:3又は16:9)の短辺が延びる方向を上下方向としたときの上下の領域を意味する。別の言い方をすれば、上下の領域とは、発光部41Aの外周面における互いに反対側の第1及び第2の領域に相当する。
また、ダクト156の開口Apの上下面156a,156bは、冷却風W21,W22の上下方向での広がりを抑えて、冷却風W21,W22を発光部41Aの上下の領域41a,41bに向けて絞る絞り形状を有する。
さらに、第3の導風部Ap23は、第1及び第2の導風部Ap21,Ap22の間に溝形状を有するように形成されている。この第3の導風部Ap23は、開口Apに到達した冷却風の他の一部(W23)を、リフレクタ42の背面側に配置された第2のシール部(電極部)41d側にガイドして向かわせる。
このように、第1〜第3の導風部Ap21〜Ap23は、開口Apに到達した冷却風を分割して、温度管理が必要な発光部41Aの上下の領域41a,41bと第2のシール部42d(電極部側)とに向かわせ、これらの部位を冷却する。発明者の検討によれば、冷却風W21の風量:冷却風W22の風量:冷却風W23の風量を1:1:1又はこれに近い割合とすることで、発光部41Aの上下の領域41a,41b及び第2のシール部41dを適正に冷却できることが分かった。
本実施例では、第1及び第2の導風部Ap21,Ap22を上下に分離させ、これら第1及び第2の導風部Ap21,Ap22の間に第3の導風部Ap23を設けている。これにより、温度管理が重要な発光部41Aの上下の領域41a,41bに直接冷却風W21,W22を吹き付ける一方、温度管理が重要ではない発光部41Aの側面領域には冷却風を導かない。そして、発光部41Aの側面領域に導かれない冷却風を利用して、第3の導風部Ap23を通じて、温度管理が重要な第2のシール部41d側に供給する。
なお、リフレクタ42の内部に配置されているもう一方の第1のシール部(電極部)41cも、温度管理されることは重要である。しかし、発光部41Aのような高温にはならないので、リフレクタ42内での冷却風W21,W22の循環やリフレクタ42内での空気の対流によって適切な温度範囲内に冷却される。
また、リフレクタ42の外部に配置された第2のシール部41dも、発光部41Aのような高温にはならず、前述したランプ排気ファン18によって光源ランプ1の周囲に空気流が生じることによっても冷却される。このため、第3の導風部Ap23を通じて第2のシール部41d側に導く冷却風W23は、発光管41を冷却する冷却風W21,W22に比べて少ない風量でよい。
以上の構成より、ランプ冷却ファン14からの冷却風の風量が少なくても、ランプ1における冷却が必要な部位を効率良くかつ適正に冷却することができる。したがって、発光管41の性能や寿命を低下させることなく、ランプ冷却ファン14の回転数を低減させることができ、騒音が低いプロジェクタを実現することができる。
また、前述したように、プロジェクタは、台の上に設置されたり天上に上下逆さまに吊り下げられて使用されたりし、そのような使用形態によって発光部41Aの上下が変化する。しかし、本実施例では、発光部41Aの上下の領域に冷却風を吹き付けるので、使用形態にかかわらずランプ1における冷却が必要な部位を効率良くかつ適正に冷却することができる。
さらに、第2のシール部41d側に導かれた冷却風W23は、ランプ1を覆うランプケース部材6aやランプ蓋28、さらにはその外側に近接して配置された外装部材(下部外装ケース21、上部外装ケース22及び第2側板24)の冷却にも使用される。ランプケース部材6aや外装部材は、本来排気ファン18により形成される空気流によって冷却される。しかし、この冷却のためにランプ冷却ファン14からの冷却風の一部W23を加えることで、外装部材の温度をより低下させつつ、排気ファン18の回転数も減少させることがで、さらなる静音化を図ることができる。
図6には、本発明の実施例2である液晶プロジェクタにおけるランプ1の冷却構造を示している。本実施例の液晶プロジェクタの基本構成は、実施例1と同じである。また、図6において、実施例1と共通する部分又は共通する機能を有する部分には実施例1と同符号を用いる。
本実施例では、ランプ冷却ファン14からの冷却風が、ダクト156の中間においてリフレクタ42の内部に供給される冷却風(W41+W42)と、第2のシール部41d側に供給される冷却風W43とに2分割される。その後、冷却風(W41+W42)が、第1及び第2の導風部Ap41,Ap42によって冷却風W41と冷却風W42とによって分離され、それぞれ発光部41Aの外周面における上下の領域に向かう。
第1及び第2の導風部Ap41,Ap42は、実施例1と同様に、斜面又は曲面形状のガイド面として形成され、その延長線上に発光部41Aの上下の領域が位置するように形成されている。また、第1及び第2の導風部Ap41,Ap42の間には、冷却風W41,W42を上下に分離する壁部157が形成されている。壁部157は、ダクト156において第1の導風部Ap41の上側及び第2の導風部Ap42の下側に形成された面とともに、冷却風W41,W42を発光部41Aの上下の領域に向けて絞り込む絞りとして機能する。
また、冷却風W43は、ダクト156の最先端部に形成された第3の導風部Ap43によってガイドされ、第2のシール部41d側に向かう。
本実施例でも、実施例1と同様に、ランプ冷却ファン14からの冷却風の風量が少なくても、ランプ1における冷却が必要な部位を効率良くかつ適正に冷却することができる。したがって、発光管41の性能や寿命を低下させることなく、ランプ冷却ファン14の回転数を低減させることができ、騒音が低いプロジェクタを実現することができる。
また、第2のシール部41d側に導かれた冷却風W43が、ランプケース部材6a、ランプ蓋28及び外装部材の冷却にも使用される。これにより、外装部材の温度をより低下させつつ、排気ファン18の回転数をも低下させることができ、さらなる静音化を図ることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。例えば、ランプ冷却ファンはシロッコファンに限らず、軸流ファンを用いてもよい。また、反射型液晶パネルに代えて、透過型液晶パネルやデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を用いてもよい。
本発明の実施例1である液晶プロジェクタにおける冷却構造の一部を示す斜視図(部分断面図)。 実施例1の冷却構造を示す斜視図。 実施例1の液晶プロジェクタの全体構成を示す分解斜視図。 実施例1の液晶プロジェクタの光学構成を示す平面図及び側面図。 実施例1の液晶プロジェクタにおける冷却風の流れを示す平面図。 本発明の実施例2である液晶プロジェクタにおける冷却構造の一部を示す斜視図。 光源ランプの断面図。 従来の光源ランプの冷却構造を示す斜視図。 光源ランプの説明図。
符号の説明
1 光源ランプ
2 ランプホルダ
3 防爆ガラス
5 投射レンズ鏡筒
6 光学ボックス
14 ランプ冷却ファン
15,16 ランプダクト
18 排気ファン
41 放電発光管
41A 発光部
41a,41b (発光部の)上下領域
41c,41d シール部
42 リフレクタ
Ap 開口
Ap21,Ap22,Ap41,Ap42 第1及び第2の導風部
Ap23,Ap43 第3の導風部
W21,W22,W23,W41,W42,W43 冷却風

Claims (5)

  1. 光源からの光を用いて画像を投射する画像投射装置であって、
    リフレクタの内部に配置された発光部、及び前記リフレクタの外部に配置された電極部を有する放電発光管を備えた光源ランプと、
    冷却ファンにより発生した冷却風を前記光源ランプに導くダクトとを有し、
    前記ダクトは、前記冷却風の一部を前記発光部の外周面における互いに反対側の第1の領域及び第2の領域に向かわせる第1の導風部及び第2の導風部と、前記冷却風の他の一部を前記電極部側に向かわせる第3の導風部とを有し、
    投射画像の短辺が延びる方向を上下方向とするとき、
    前記第1及び第2の領域は、前記発光部の外周面における上下の領域であり、
    前記第3の導風部は、前記第1及び第2の導風部の間に設けられており、
    前記冷却ファンは、シロッコファンであり、
    前記第1、第2、及び第3の導風部は、前記リフレクタの開口面側から冷却風を導くことを特徴とする画像投射装置。
  2. 前記冷却風の他の一部は、前記リフレクタの外側を通って前記電極部側に向かうことを特徴とする請求項1に記載の画像投射装置。
  3. 前記第1、第2、及び第3の導風部は、前記ダクトの開口部に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像投射装置。
  4. 前記ダクトは、前記リフレクタの一側面に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の画像投射装置。
  5. 請求項1からのいずれか1つに記載の画像投射装置と、
    該画像投射装置に画像情報を供給する画像供給装置とを有することを特徴とする画像表示システム。
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