JP5216075B2 - ブレード着脱装置 - Google Patents
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Description
即ち、このブレード着脱装置の構成によれば、ナット及びフランジを同時に保持することによってその脱落を防止することができると共に、スピンドルの先端装着部位に対してナット及びフランジを同時に着脱することができると云った利点がある。
例えば、スピンドルの先端装着部位にフランジの装着状態を確認しながら該フランジの装着操作を行うようなときは、ブレード着脱装置にナットを保持していない方が効率良く且つスムーズに操作できる場合がある。また、フランジの装着操作を行いながらナットの装着操作を同時に行うようなときは、より慎重な両者の装着操作が必要となるため、この作業に熟練性が求められることになる。
前記ブレード装着部位に対してブレード挟圧用のフランジDを着脱操作するフランジ把持部1と、前記ブレード装着部位に対してブレード着脱用ナットEを着脱操作するナット回転支持部2とを含み、
また、前記フランジ把持部1と前記ナット回転支持部2との両者を相互に嵌合可能に且つ着脱可能に構成し、
また、前記フランジ把持部1は、スリーブ状のフランジ把持部本体10と、前記フランジ把持部本体10における周方向の等間隔位置に設けた少なくとも三個のフランジ把持手段11と、前記三個のフランジ把持手段11の操作部材12とから構成し、
更に、前記三個のフランジ把持手段11は、一端側を軸支11aした係合爪11bを前記軸支11a点を中心として前記フランジ把持部本体10の半径方向へ回動可能に設けると共に、前記係合爪11bを弾性部材11cの弾性にて前記フランジ把持部本体10の軸心とは反対側となる外方向へ弾性押動するように付勢し、
また、前記三個のフランジ把持手段の操作部材12は、前記フランジ把持部本体10の外周面に嵌装されると共に、前記フランジ把持部本体10の軸方向へ摺動させて、前記三個のフランジ把持手段11における前記係合爪11bを、前記弾性部材11cの弾性に抗して、前記フランジ把持部本体10の軸心側となる前記フランジ把持部本体10の内方向へ同時に回動させる係合爪11bの閉操作を行うことによって前記各係合爪11bを前記フランジDの外周面に形成された周溝D1に同時に係合するように設け、逆に、前記各係合爪11bを前記弾性部材11cの弾性にて前記フランジ把持部本体10の軸心とは反対側となる外方向へ同時に弾性回動させる係合爪11bの開操作を行うことによって、前記各係合爪11bを前記フランジDの外周面の周溝D1から同時に離脱するように構成し、
また、前記ナット回転支持部2は、ナット回転支持部本体20と、前記ナット回転支持部本体20と前記フランジ把持部1との係脱部材21と、前記ナット回転支持部本体20に設けたナット回転支持部材22とから構成し、
更に、前記フランジ把持部との係脱部材21は、一端側を軸支21aした係合爪21bを前記軸支21a点を中心として前記ナット回転支持部本体20の半径方向へ回動可能に設けると共に、前記係合爪21bを弾性部材21cの弾性にて、前記ナット回転支持部本体20の軸心とは反対側となる外方向へ弾性押動するように付勢し、
前記係合爪21bが前記フランジ把持部本体10の内周面に形成された周溝10aに係合することによって、前記フランジ把持部1と前記ナット回転支持部2との両者が嵌合状態に止着され、逆に、その係合爪21bを前記弾性部材21cの弾性に抗して前記ナット回転支持部本体20の軸心側に向かって回動させると共に、前記係合爪21bと前記フランジ把持部本体10の内周面に形成された周溝10aとの係合状態を解くことによって、前記フランジ把持部1と前記ナット回転支持部2との両者を分離することが可能となるように構成したことを特徴とする。
また、前記フランジ把持部1と前記ナット回転支持部2との両者を分離して個別に用いることにより、スピンドルBの先端装着部位に対して前記ナットE及びフランジDを個々に着脱操作することができる。
従って、スピンドルBの先端装着部位に対するナットE及びフランジDの多様な着脱作業(操作)に適応することができるブレード着脱装置を提供することができる。
この装置は、半導体ウェハ等の被加工物の所定位置を切断して最小単位に分割加工するための切削加工装置におけるスピンドルBの先端装着部位に対して、切削用のブレードCと該ブレード挟持用のフランジD、及び、固着用のナットEを着脱操作する場合に用いられる。
そして、このフランジ把持部1とナット回転支持部2との両者は相互に嵌合可能に且つ着脱可能に構成されている。
なお、このフランジ把持手段は、必要とされる最少限のフランジ把持機能を備えた簡略な構造を目的として、フランジ把持部本体10における周方向の等間隔位置に三個を配設した場合を図示しているが、フランジDの構造や重量、その他の要請事項等に対応して、該フランジ把持部本体における周方向の等間隔位置に、これよりも多い個数のフランジ把持手段11を配設するようにしても差し支えない。
そして、図2(1) に示すように、操作部材12をフランジ把持部本体10の軸方向(図においては、右方向)へ摺動させて、三個のフランジ把持手段11における係合爪11bを弾性部材11cの弾性に抗してフランジ把持部本体10の軸心側となる該フランジ把持部本体の内方向へ同時に回動させる係合爪11bの閉操作を行うことによって、各係合爪11bをフランジDの外周面に形成された周溝D1に同時に係合することができるように設けられている。
逆に、図2(2) に示すように、操作部材12をフランジ把持部本体10の軸方向(図においては、左方向)へ摺動させて、係合爪11bを弾性部材11cの弾性にてフランジ把持部本体10の軸心とは反対側となる外方向へ同時に弾性回動させる係合爪11bの開操作を行うことによって、各係合爪11bをフランジDの周溝D1から同時に離脱することができるように設けられている。
なお、このとき、フランジ把持部1とナット回転支持部2との両者は、係合爪21bと周溝10aとの係合によって止着され且つ一体化された状態にあるが、この係合爪21bと周溝10aとは周溝10aの方向へ相対的に回転することが可能な状態にある。
また、図3(1) に示すように、係合爪21bを弾性部材21cの弾性に抗してナット回転支持部本体20の軸心側に向かって回動させると共に、この係合爪21bとフランジ把持部本体の周溝10aとの係合状態を解くことができ、更に、この状態で、フランジ把持部1とナット回転支持部2との両者を軸方向へ相対的に摺動させることによって、両者を簡単に分離させることができるように構成されている。
そして、この嵌合凹部21d内には、後述する固着用ナットEの係合孔と係合する二個のナット回転支持部材22が突設されている。
また、ナット回転支持部材22は嵌合凹部21d内において固設した場合を図示しているが、固着用ナットEの厚さや係合孔の形状等に対応できるように、例えば、該ナット回転支持部材をバネ等の弾性部材の弾性にて軸方向へ弾性突出させておき、軸方向への進退調整が可能となる弾性伸縮手段(図示なし)を併用するように構成しても差し支えない。
また、符号B1は、スピンドルB側に設けられたスピンドル回転防止用の工具3との係合溝を示している(図4(2) 参照)。
また、符号E1は、固着用ナットEに設けられた係合孔である(図6参照)。
まず、図5(1) に示すように、操作部材12をフランジ把持部本体10の軸方向(左方向)へ摺動させて、フランジ把持手段11における各係合爪11bを各弾性部材11cの弾性にて外方向へ同時に弾性回動させる各係合爪11bの開操作を行う。
次に、この状態にて、ブレード着脱装置の端面(右端面)を、図5(2) に示すように、スピンドルBの先端装着部位に接合させて、該ブレード着脱装置のフランジ把持手段11における各係合爪11bをフランジDの外周面に形成された周溝D1に同時に係合させると共に、該ブレード着脱装置のナット回転支持部本体20側の端面(右端面)に設けた凹部21d内に該スピンドルの先端装着部位に装着されたナットEの全体を嵌合させる。
また、上記した回転支持部材22と係合孔E1との嵌合操作を経た後に、図5(2) 及び図6に示すように、操作部材12をフランジ把持部本体10の軸方向(右方向)へ摺動させて、フランジ把持手段11における各係合爪11bを各弾性部材11cの弾性に抗して内方向へ同時に回動させる各係合爪11bの閉操作を行う。これにより、フランジDの外周面の周溝D1に係合させた各係合爪11bを該周溝内に確実に係合させることができ、且つ、各係合爪11bにてフランジDを確実に把持させることができる。
このとき、係脱部材21の係合爪21bはフランジ把持部本体10の周溝10aに係合されているため、ナット回転支持部本体20(ナット回転支持部2)とフランジ把持部本体10(フランジ把持部1)とは一体化されて軸方向等へ同時に移動することになるが、各係合爪21bが周溝10a内を周方向へ回転することは可能であるから、ナット回転支持部本体20とフランジ把持部本体10とは相対的に周方向へ回転することができる。
また、このとき、ナットEはナット回転支持部本体20の凹部21d内における二個の回転支持部材22に係合された状態で凹部21d内に保持された状態となる。
従って、該ナット回転支持部本体と一体化されたフランジ把持部本体10も同じ方向へ同時に移動することになり、その結果、該フランジ把持部本体の各係合爪11bにより把持されたフランジDもナットEと同時にスピンドルBの先端装着部位から取り外すことができる。
これによって、スピンドルBの先端装着部位から取り外されたフランジD及びナットEは、図7に示すように、ブレード着脱装置に同時に確実に保持された状態にある。
このため、ブレード着脱装置による着脱操作時において、スピンドルBの先端装着部位やブレード着脱装置からフランジDやナットEを脱落させる等の作業上の弊害・問題点を解消することが可能となる。
従って、このような場合は、図4(2) に示すように、ナット回転支持部本体20の貫通孔24を通して、トルクレンチ等の工具3の先端部をスピンドルの係合溝B1に係合させて該スピンドルの回転を停止させることができるので、この状態で、ナット回転支持部本体20を回転させるようにすればよい。
例えば、ブレード交換時等のように、交換前ブレードを取り外したスピンドルBの先端装着部位に、予め、新たなブレードを嵌合装着した状態にあり、そして、該先端装着部位に、まず、フランジDを嵌合装着し、次に、ナットEを装着することにより、この新たなブレードを該先端装着部位の所定位置に固着するような場合について説明する。
なお、このとき、ナット回転支持部2における凹部21d内にはスピンドルBの先端装着部位から取り外したナットEを保持し、また、フランジ把持手段11における各係合爪11bには該先端装着部位から取り外したフランジDを把持しているものとする。
そこで、係脱部材21を介して各係合爪21bとフランジ把持部本体の周溝10aとの係合状態を解いて、図3(1) に示すように、フランジ把持部1とナット回転支持部2とを分離させる。
なお、このとき、分離したフランジ把持部1にはフランジDが把持されており、また、ナット回転支持部2にはナットEが保持されている。
そして、この状態で、フランジ把持部1をスピンドルBの先端装着部位に嵌合させると共に、フランジDを該先端装着部位におけるフランジ取付位置に嵌合装着し、次に、操作部材12を軸方向(左方向)へ摺動させて各係合爪11bの開操作を行うことにより、各係合爪11bをフランジDの外周面に形成された周溝D1から同時に離脱させることができる。従って、その後、フランジ把持部1を該先端装着部位から後退させればよい。
そして、この状態で、ナット回転支持部2をスピンドルBの先端装着部位に接合させ且つ凹部21d内のナットEを該先端装着部位のナット取付位置(ねじ部)に嵌合装着し、次に、ナット回転支持部2を周方向へ回転させてナットEを締め付ける(緊締する)ことにより、新たなブレード(C)を該先端装着部位の所定位置に固着することができる。従って、その後、ナット回転支持部2を該先端装着部位から後退させればよい。
なお、上記した場合において、スピンドルBがロックされておらず回転可能な状態にある場合は、ナット回転支持部2によるナットEの回転操作時にスピンドルBが共回りすることを防止する必要があるため、図4(2) に示すように、ナット回転支持部の貫通孔24から工具3の先端部を挿通し且つ該工具の先端部をスピンドルBの係合溝B1に係合させて該スピンドルの回転を停止させ、この状態で、ナット回転支持部2を回転させるようにすればよい。
従って、切削加工装置を作動させた実際の切削加工作業において要請される多様な着脱作業(着脱操作)に適応した最適な操作手順を適宜に選択して行うことが可能となると云った実用的な効果を奏する。
また、ナットEとフランジDとをブレード着脱装置に同時に、又は、各別に保持することができるので、ブレード着脱装置の着脱操作時において、該ナットやフランジを誤って脱落させる等の作業上の弊害・問題点を解消することが可能となる。
なお、本実施例において前実施例と異なる点は次のとおりであり、その他の点については前実施例について説明した事項と同様である。従って、説明の重複を避けるため、両者に共通する構成については同じ符号を付している。
また、同様に、ナット回転支持部本体20の外周面に、断面凹凸形状や溝、或は、粗面等から形成した滑止め手段20aを施した点である。
更に、操作部材12の軸方向への摺動作用を、より効率良く且つ確実に行うためには、該操作部材の外周面に複数本の周溝を形成することが好ましい。
また、ナット回転支持部本体20の周方向(回転方向)への回転作用を、より効率良く且つ確実に行うためには、該ナット回転支持部本体の外周面に軸方向への多数本の溝を形成することが好ましい。
従って、スピンドルの先端装着部位に対してナット及びフランジの多様な着脱作業を適確に行うことができ、或は、その多様な着脱作業を適確に補助することができると云った実用的な効果を奏する。
なお、本実施例において前各実施例と異なる点は次のとおりであり、その他の点については前各実施例について説明した事項と同様である。従って、説明の重複を避けるため、両者に共通する構成については同じ符号を付している。
図には、フランジ把持手段11における係合爪11bの端部(図例では、右端部)に、操作部材12の摺動を規制する突起状のストッパー11dを設けた場合を示している。
このストッパー11dは、特別なストッパー機構を採用することなく、係合爪11bの成形時において該係合爪と一体的に形成することができる点で有利である。
しかしながら、このようなストッパーをフランジ把持部本体10の端部(右端部)の外周面に一体的に形成するようにしても差し支えない。
B1 係合溝
C ブレード
D ブレード挟圧用のフランジ
D1 周溝
E ブレード着脱用のナット
E1 係合孔
1 フランジ把持部
2 ナット回転支持部
3 工具
10 フランジ把持部本体
10a 周溝
11 フランジ把持手段
11a 軸支
11b 係合爪
11c 弾性部材
11d ストッパー
12 操作部材
12a 滑止め手段
20 ナット回転支持部本体
20a 滑止め手段
21 係脱部材
21a 軸支
21b 係合爪
21c 弾性部材
21d 凹部
22 ナット回転支持部材
24 貫通孔
Claims (3)
- 被加工物を切削加工する切削加工装置のスピンドルに設けられる切削用ブレードの装着部位に対して、ブレード挟圧用のフランジ及びブレード着脱用のナットを含む着脱具を用いて切削用ブレードを着脱操作するブレード着脱装置であって、
前記ブレード装着部位に対してブレード挟圧用のフランジを着脱操作するフランジ把持部と、前記ブレード装着部位に対してブレード着脱用のナットを着脱操作するナット回転支持部とを含み、
また、前記フランジ把持部と前記ナット回転支持部との両者を相互に嵌合可能に且つ着脱可能に構成し、
また、前記フランジ把持部は、スリーブ状のフランジ把持部本体と、前記フランジ把持部本体における周方向の等間隔位置に設けた少なくとも三個のフランジ把持手段と、前記三個のフランジ把持手段の操作部材とから構成し、
更に、前記三個のフランジ把持手段は、一端側を軸支した係合爪を前記軸支点を中心として前記フランジ把持部本体の半径方向へ回動可能に設けると共に、前記係合爪を弾性部材によって前記フランジ把持部本体の軸心とは反対側となる外方向へ弾性押動するように付勢し、また、前記三個のフランジ把持手段の操作部材は、前記フランジ把持部本体の外周面に嵌装すると共に、前記フランジ把持部本体の軸方向へ摺動させて、前記三個のフランジ把持手段における前記係合爪を、前記弾性部材の弾性に抗して、前記フランジ把持部本体の軸心側となる前記フランジ把持部本体の内方向へ同時に回動させる係合爪の閉操作を行うことによって、前記各係合爪を前記フランジの外周面に形成された周溝に同時に係合するように設け、逆に、その係合爪を前記弾性部材の弾性によって前記フランジ把持部本体の軸心とは反対側となる外方向へ同時に弾性回動させる係合爪の開操作を行うことによって、前記各係合爪を前記フランジの外周面に形成された周溝から同時に離脱するように構成し、
また、前記ナット回転支持部は、ナット回転支持部本体と、前記ナット回転支持部本体と前記フランジ把持部との係脱部材と、前記ナット回転支持部本体に設けたナット回転支持部材とから構成し、
更に、前記フランジ把持部との係脱部材は、一端側を軸支した係合爪を前記軸支点を中心として前記ナット回転支持部本体の半径方向へ回動可能に設けると共に、前記係合爪を弾性部材によって前記ナット回転支持部本体の軸心とは反対側となる外方向へ弾性押動するように付勢し、前記係合爪が前記フランジ把持部本体の内周面に形成された周溝に係合することによって、前記フランジ把持部と前記ナット回転支持部との両者が嵌合状態に止着され、逆に、その係合爪を、前記弾性部材の弾性に抗して、前記ナット回転支持部本体の軸心側に向かって回動させると共に、前記係合爪と前記フランジ把持部本体の内周面に形成された周溝との係合状態を解くことによって、前記フランジ把持部と前記ナット回転支持部との両者を分離することが可能となるように構成したことを特徴とするブレード着脱装置。 - 前記ナット回転支持部及び前記操作部材の外周面に滑止め手段を設けて構成したことを特徴とする請求項1に記載のブレード着脱装置。
- 前記フランジ把持部に、操作部材の摺動を規制するストッパーを設けて構成したことを特徴とする請求項1、又は、請求項2に記載のブレード着脱装置。
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