JP5008440B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
なお、庫内負荷が多い場合も、冷蔵室の温度上昇が抑制されて冷却運転の停止時間が長くなり、同じく高湿度にある状態がより長くなるためにさらに結露しやすくなっていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、庫内設定温度が高い方の貯蔵室における結露を抑制するところにある。
庫内設定温度が高い方の貯蔵室において、周囲温度センサにより検知された周囲温度が所定温度以下のときは、冷却器の冷却動作の停止からその再開に切り替わる温度となる庫内設定温度の上限値が下方修正される。これにより、各冷却停止時間すなわち高湿度状態となる時間が短縮され、庫内設定温度が低い方の貯蔵室との間の区画壁に結露することが抑制される。そのため、庫内設定温度が高い方の貯蔵室に貯蔵された食材が濡れることが防止され、より衛生的に保存することが可能となる。
なお、各貯蔵室の冷却器は、個別に設けられた冷凍装置と循環接続されることで独立して冷凍サイクルが構成されており、したがって庫内設定温度が高い方の貯蔵室における冷却器は、対応する冷凍サイクルの圧縮機の運転と停止とに伴って、冷却動作の実行とその停止とが制御される。各貯蔵室について独立した冷凍サイクルが装備された形式のものに適用可能である。
庫内設定温度が高い方の貯蔵室において、タイマにより計測された冷却器の冷却動作の各停止時間が所定時間以上となったときは、冷却動作の停止からその再開に切り替わる温度となる庫内設定温度の上限値が下方修正される。これにより、各冷却停止時間すなわち高湿度状態となる時間が長くなることが防止され、庫内設定温度が低い方の貯蔵室との間の区画壁に結露することが抑制される。そのため、庫内設定温度が高い方の貯蔵室に貯蔵された食材が濡れることが防止され、より衛生的に保存することが可能となる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。この実施形態では、4ドア型の冷凍冷蔵庫を例示している。
冷凍冷蔵庫は、図1及び図2に示すように、前面開口のやや縦長の断熱箱体からなる本体10を有しており、本体10内には、間口方向の中央部に断熱性の仕切壁11が設けられることで、正面から見た左側に冷蔵室12Rが、右側に冷凍室12Fが形成されている。本体10の前面開口部には、観音開き式の断熱扉13が上下2段に分かれて装着されている。本体10は、底面に配された図示4本の脚14で支持されているとともに、本体10の上面には、パネルで囲まれることにより機械室16が形成されている。
一方、冷蔵室12Rの天井部分における窓孔30の下面側には、ドレンパンを兼ねたエアダクト33が張られることで冷却器室34が形成されている。冷却器室34内には上記した冷却器25Rが収容され、またエアダクト33の手前側(同図の右側)には吸込口36が設けられて冷却ファン37が装備されているとともに、奥側には吹出口38が設けられている。
したがって冷却ファン37が駆動されると、図2の矢線に示すように、冷蔵室12Rの空気が吸込口36から冷却器室34内に吸い込まれ、冷却器25Rを流通したのち吹出口38から冷蔵室12Rに向けて吹き出されるといった循環流が生じるようになっている。
なお、冷凍室12F側における冷凍サイクル20Fの配設構造、ならびに空気の循環流通形態は、上記した冷蔵室12R側と同様である。
冷凍室12F側でも、冷却ファン37が駆動される一方、庫内温度センサ41Fによる検知温度が、庫内設定温度TFの上限値TF_u(−25℃+2K)に上昇したら、対応する冷凍サイクル20Fの圧縮機21Fが運転され、同庫内設定温度TFの下限値TF_d(−25℃−2K)に下降したら圧縮機21Fが停止され、この動作が繰り返されることで、冷凍室12Fの庫内温度が、ほぼ設定温度TF(−25℃)に維持されるようになっている。
そのため、上記した圧縮機21R,21Fの運転と停止を制御する制御装置40の入力側には、上記周囲温度を検知する周囲温度センサ45が接続されている。この周囲温度センサ45は、図2に示すように、制御装置40等を格納して機械室16内に装備された電装箱46の外面等に装着されている。
冷蔵室12Rの庫内設定温度TRは「5℃」、冷凍室12Fの庫内設定温度TFは「−25℃」に設定されている。冷凍室12F側では、冷却ファン37が連続して駆動される一方、庫内温度センサ41Fによる検知温度が、庫内設定温度の上限値TF_u(−25℃+2K)に上昇したら、対応する冷凍サイクル20Fの圧縮機21Fが運転され、同庫内設定温度の下限値TF_d(−25℃−2K)に下降したら圧縮機21Fが停止され、この動作が繰り返されることで、冷凍室12Fの庫内温度が、ほぼ設定温度(−25℃)に維持される。
周囲温度Tsが「15℃」まで上昇したら、庫内設定温度の上限値TR_uが「庫内設定温度TR+2K」に戻される。
これにより、冷蔵室12R内が高湿度状態となる時間が短縮され、冷凍室12Fとの間の仕切壁11に結露することが抑制される。そのため、冷蔵室12Rに貯蔵された食材が濡れることが防止され、より衛生的に保存できる。
次に、本発明の実施形態2を図6及び図7によって説明する。
この実施形態では、圧縮機21Rの停止時間(圧縮機21Rがオフとなってから再度オンされるまでの時間)が長くなり勝ちな条件として、庫内負荷、すなわち貯蔵された食材の量が多い場合を想定している。食材の量が多いと、冷蔵室12R全体の熱容量が大きくなるために、庫内温度が一旦下がったのちは上昇し難くなり、結果、圧縮機21Rの停止時間が長くなる。本実施形態では、庫内負荷の多少を、圧縮機21Rの停止時間を直接に見ることで判断するようになっている。
冷凍室12F側は、実施形態1と同様の冷却制御運転がなされて、ほぼ設定温度TF(−25℃)に維持される。
冷蔵室12R側では、図7のタイミングチャートに示すように、冷却ファン37が連続して駆動された状態において、圧縮機21Rの各停止時間Sが「1時間」未満の間は、庫内温度が、庫内設定温度の上限値TR_u(5℃+2K=7℃)に上昇したら、対応する冷凍サイクル20Rの圧縮機21Rが運転され、同庫内設定温度の下限値TR_d(5℃−2K=3℃)に下降したら圧縮機21Rが停止されることが繰り返される。
圧縮機21Rの停止時間Sが「30分」以下となったことが計測されたら、庫内設定温度の上限値TR_uが「庫内設定温度+2K」に戻される。
また、圧縮機21Rの各停止時間が短縮されることで、1日単位で見た場合には冷却運転時間が長くなることに伴い冷蔵室12R内の温度が少し(1℃程度)下がる可能性があるが、それによって食材の品質低下に繋がるおそれがないことも、実施形態1で説明したと同様である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)実施形態1において例示した庫内設定温度の上限値を補正するべく周囲温度はあくまでも一例であって、任意に設定できる。また、同上限値の下げ幅も変更可能である。
(2)実施形態2において例示した庫内設定温度の上限値を補正するべく圧縮機の停止時間はあくまでも一例であって、任意に設定できる。同じく上限値の下げ幅も変更可能である。
Claims (2)
- 断熱箱体からなる貯蔵庫本体内には複数の貯蔵室が断熱性の仕切壁により区分して形成され、各貯蔵室には、圧縮機を有する個別の冷凍装置と循環接続されることで独立した冷凍サイクルを構成する冷却器と、冷却ファンと、庫内温度を検知する庫内温度センサとがそれぞれ設けられるとともに、互いに高低異なる庫内設定温度が設定されるようになっており、
各貯蔵室では、庫内温度センサで検知された検知温度が対応する庫内設定温度の上限値に達したら、対応する冷凍サイクルの圧縮機の運転を伴って冷却器の冷却動作を実行し、同庫内設定温度の下限値に達したら、同冷凍サイクルの圧縮機の停止に伴って冷却器の冷却動作を停止することを繰り返すことにより、庫内が対応する庫内設定温度に維持されるようにした冷却貯蔵庫において、
当該冷却貯蔵庫の設置位置の周囲温度を検知する周囲温度センサが具備されるとともに、
この周囲温度センサの検知温度が所定温度以下であるときには、庫内設定温度が高い方の貯蔵室のみにおいて同庫内設定温度の上限値を下げるように補正する補正手段が設けられていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 断熱箱体からなる貯蔵庫本体内には複数の貯蔵室が断熱性の仕切壁により区分して形成され、各貯蔵室には、圧縮機を有する個別の冷凍装置と循環接続されることで独立した冷凍サイクルを構成する冷却器と、冷却ファンと、庫内温度を検知する庫内温度センサとがそれぞれ設けられるとともに、互いに高低異なる庫内設定温度が設定されるようになっており、
各貯蔵室では、庫内温度センサで検知された検知温度が対応する庫内設定温度の上限値に達したら、対応する冷凍サイクルの圧縮機の運転を伴って冷却器の冷却動作を実行し、同庫内設定温度の下限値に達したら、同冷凍サイクルの圧縮機の停止に伴って冷却器の冷却動作を停止することを繰り返すことにより、庫内が対応する庫内設定温度に維持されるようにした冷却貯蔵庫において、
庫内設定温度が高い方の貯蔵室における冷却器の冷却動作の停止時間を計測するタイマが具備され、
このタイマの計測時間が所定時間以上であるときには、庫内設定温度が高い方の貯蔵室のみにおいて同庫内設定温度の上限値を下げるように補正する補正手段が設けられていることを特徴とする冷却貯蔵庫。
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