JP4982991B2 - 非互着性ゴム組成物ペレット、及びその製造方法 - Google Patents

非互着性ゴム組成物ペレット、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンブラック、シリカ等の補強材とオイル等の軟化材を含むゴム組成物のペレットに関する。特に保管、輸送又は加工装置への供給などの際の取扱いに優れた非互着性ゴム組成物ペレット、さらに該ペレットの製造方法に関する。
ペレットの互着性は、ペレットを紙製の袋等に充填し、積層し、保管する状態を再現した試験方法により評価される。すなわち、ビーカー等、容積の固定された容器にペレットを充填し、実際の保管状態と同じ圧力がかかるように荷重を負荷する。そして、想定される保管環境下において重負荷状態を保持した後、容器から排出する際の状態、例えば容器を傾けただけで個々のペレットがバラバラ状で排出できるのか、手で取出さないと排出できないなのか、また、排出したペレットの塊が多少の力を加えることにより個々にバラバラに崩れるのか等のペレットの排出状態を観察することにより評価が行われる。
この評価から、ペレットの互着性は、ペレット表面のタック性のみならず、ペレットの変形し難さも影響しているのではないかと考えられる。すなわち、タック性の低いペレットであっても、圧力により変形し易いペレットは、ペレット同士の接触面積が増加し、お互いの摩擦力から、ペレットを入れた容器を傾けただけでは、ペレットが排出され難くなると考えられる。よって、ペレットの互着性を改良するためには、ペレット表面のタック性を改善するだけでなく、ペレット自体を変形し難くすることが重要であると考えられる。
非互着性ペレットとして、粘着性ポリマーを熱可塑性樹脂で被覆し、加圧変形後、切断することによって、ほとんど互着しない非互着性ペレットが得られることが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1によれば、粘着性ポリマーはタルク、マイカ等の無機充填材、オイル等を含有できること、となっているが、その組成物の具体的な性状については言及されていない。さらに被覆するための熱可塑性樹脂は結晶性ポリオレフィンが好ましく、その結晶性ポリオレフィンのDSCによる結晶融解ピーク温度は、互着防止の観点から60℃以上、特に好ましくは120℃以上、となっている。
ここで、粘着性ポリマーがゴム類と無機充填材、オイル等の混合物であるゴム組成物であり、後工程において加硫を行う場合、得られたゴム組成物ペレットに加硫剤等を混練する必要があり、この混練工程は、加硫剤による架橋反応が進行しない様、加硫剤の反応温度未満で行う必要があることから、被覆材として用いる熱可塑性樹脂には、結晶融解ピークが加硫剤の分解温度よりも低くい性状が必要となる。
しかしながら、このような性状の熱可塑性樹脂を用いた場合、用いる熱可塑性樹脂が柔軟となることから、ペレットの互着性の観点からは好ましくないと考えられる。この問題に対する改善についても特許文献1には言及されていない。
特開2005−199706号公報
本発明が解決しようとする課題は、少なくともゴム類、補強材、軟化材を含むゴム組成物を結晶融解ピーク温度の低い熱可塑性樹脂で被覆し、切断することによって得られる非互着性ゴム組成物ペレットにおいて、ペレット互着性を満足しうるゴム組成物ペレットを提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、芯材に用いるゴム組成物の応力緩和Log4を0.090よりも高くすることで、ペレットの互着性が満足できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、芯材を下記の被覆材で被覆してなるペレットである。
芯材:ゴム類、補強材及び軟化材を含み、下記式(1)を充足するゴム組成物
応力緩和Log4=F100/F0.01>0.090 (1)
0.01:20%の圧縮歪付与0.01秒後の荷重(N)
100:20%の圧縮歪付与100秒後の荷重(N)
被覆材:DSC測定による結晶融解ピーク温度が90℃未満であり、かつビカット軟化温度が40℃より高い熱可塑性樹脂
本発明によれば、少なくともゴム類、補強材、軟化材を含むゴム組成物を結晶融解ピーク温度の低い熱可塑性樹脂で被覆し、切断することによって得られる非互着性ゴム組成物ペレットにおいて、ペレット互着性を満足しうるゴム組成物ペレットを提供することが可能である。
本発明におけるゴム類としては、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、SBSゴム、水添SBSゴム、液状重合スチレン−ブタジエンゴムなどのスチレン共重合ゴム、その他、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、ビニルピリジンゴム、シリコーンゴム、ブタジエン−メチルメタクリレートゴム、アクリルゴム、ウレタンゴムなどが挙げられる。
スチレン共重合ゴムとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)などが挙げられる。
用いるゴム類の中でもエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムは、低コストかつ耐候性に優れることから特に好ましい。
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムとは、エチレン単位と炭素数3以上のα−オレフィン単位と、炭素数5以上の非共役ジエン単位とからなる共重合ゴムである。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムに用いるα−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、中でもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。
また、用いられる非共役ジエンとしては、例えばジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエンが例示される。これら単独で用いてもかまわないが、2種以上の非共役ジエンを組合せて用いてもかまわない。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムとして、例えばエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合ゴムおよびエチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン−ジシクロペンタジエン共重合ゴムがあげられる。
これらエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムの製造方法としては、公知のオレフィン重合触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン錯体や非メタロセン錯体などの錯体触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法が挙げられる。
これらゴム類は単独でも使用できるが、他のゴム類同士、同じモノマー単位からなるゴム類であっても各モノマー単位の組成比が異なるゴム類同士を混合して使用することもできる。
また、用いられる補強材としては、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カーボンブラック等の無機充填材や、シリカ、ガラス繊維等の補強用短繊維等をあげることができる。これらは、単独でもかまわないが、混合して用いてもかまわない。
カーボンブラックは補強効果が高いことから特に好ましい。カーボンブラックの種類としては、ゴムの分野で通常用いられる、SRF(N770)、GPF(N660)、FEF(N550)、HAF(N330)、ISAF(N220)、SAF(N110)、FT(N880)及びMT(N990)をあげることができる。好ましくは平均粒子径が50nm以上のカーボンブラックであり、該平均粒子径が50nm未満であると、カーボンブラックの分散不良を生じ易く、混練加工性及び押出加工性が悪影響を及ぼす場合がある。添加量は、ゴム類100重量部あたり10phr以上200phr以下である。含有量が10phr未満であると十分な補強効果が得られない。
さらに、用いられる軟化材としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチ、ヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、アタクチックポリプロピレン、及びクマロンインデン樹脂、を例示することができる。中でも、プロセスオイルが特に好ましい。プロセスオイルとしては、パラフィンオイル、ナフテンオイル、アロマテックオイル等をあげることができる。
ゴム組成物として、さらに混合可能なのは、酸化亜鉛、ステアリン酸、金属石けん、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、パラフィンワックス等の加工助剤、アミン系、フェノール系、イミダゾール系、リン系などの老化防止剤、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ハロゲン化合物などの難燃剤、粘着付与剤、補強材用カップリング剤、等である。
本発明のゴム組成物を被覆するに用いる熱可塑性樹脂としては、示差走査熱量測定(DSC)において結晶融解ピークが90℃未満に観察され、ビカット軟化点が40℃よりも高い熱可塑性樹脂が好ましい。結晶融解ピーク温度が90℃未満であれば、ゴム組成物ペレットに加硫剤、発泡剤等を混練する工程において、その加工温度を90℃未満とすることが可能なため、加硫剤による架橋反応が進行し難く、最終混練物のスコーチが発生し難いため好ましい。更にはビカット軟化点が40℃より高温であれば、ペレット同士の互着を防止し易くなるため好ましい。さらにDSCによる結晶融解ピーク温度が70℃未満に観察される熱可塑性樹脂がより好ましい。
この様な物性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、結晶性ポリオレフィン、ポリスチレン、ナイロン、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンらがあげられる。これらの中でも、入手の容易さ、ペレットへの加工の容易さから結晶性ポリオレフィンが好ましい。
上記結晶性ポリオレフィンとは、炭素数2〜20からなるオレフィンを重合し、結晶性を示す熱可塑性樹脂を意味する。該結晶性ポリオレフィンとして、プロピレン単独重合体;プロピレン−エチレン共重合体;プロピレン−ブテン−1共重合体;プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体;低密度ポリエチレン;中密度ポリエチレン;高密度ポリエチレン;エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、およびエチレン−デセン−1共重合体のようなエチレン−α−オレフィン共重合体;ならびに、エチレン−酢酸ビニル共重合体および該共重合体のけん化物のようなエチレンとの共重合体、を例示することができる。
これらの結晶性ポリオレフィンは、たとえばアクリル酸、メタアクリル酸などのα,β−不飽和カルボン酸、脂環族カルボン酸(たとえば、ステアリン酸)、もしくは無水マレイン酸;または、これらの酸の誘導体(たとえば、メタクリルアクリル酸メチル、アクリル酸ナトリウム)で変性されたポリマーであってもよい。
また、これらの結晶性ポリオレフィンの製造方法としては、公知のオレフィン重合触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン錯体や非メタロセン錯体などの錯体触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法、溶液重合法等が挙げられる。特にメタロセン錯体などの活性サイトが均一である触媒で重合された結晶性ポリオレフィンが好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂には、必要に応じて炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カーボンブラック等の無機充填材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、増核剤、防曇剤、難燃剤などを含ませることもできる。
前記、ゴム組成物を得る際に用いられる装置には、バンバリーミキサー等の密閉式混合機、一軸スクリュー、同方向、異方向の二軸スクリュー押出機、多段混合域を備えた二軸スクリュー押出機等がある。特にゴム組成物の混練とシート成形が連続で可能なことから、スクリュー押出機が好ましい。
得られたゴム組成物をシート状にする方法としても、これらに限定されるものではないが、例えば、スリット状、あるいはサーキュラー状ダイスの備わった押出機を用いてシート化する方法やカレンダーロールによりシート化する方法が挙げられる。
積層シートの作製方法についても、これらに限定されるものではないが、例えば、少なくとも2本の加熱ロールを用いて、ゴム組成物を連続的にシート状に成形しつつ、そのシート状ゴム組成物の両表面に熱可塑性樹脂のフィルムを供給し、貼合して得られる。又は、ゴム組成物を芯層とし、熱可塑性樹脂を表層として積層し、スリット状、あるいはサーキュラー状ダイスにてシート化する多層押出成形が挙げられる。多層押出成形はゴム組成物の混練と熱可塑性樹脂との積層化が連続で可能なことから、特に好ましい。
また、熱可塑性樹脂からフィルムを得る方法としては、これらに限定されるものではないが、例えばTダイ法又はインフレーション法など公知の方法が適用可能である。フィルムの厚みは、一般的に1〜500μm、好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜100μmである。
上記フィルムは、延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムは、テンター延伸法やチューブラー延伸法などの公知の方法によって得ることができ、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムのいずれであってもよい。また、二軸延伸フィルムにおいては、逐次二軸延伸、同時二軸延伸のいずれであってもよい。
さらに、上記フィルムは多層フィルムでもよい。多層フィルムは公知の共押出法又はラミネート法によって得ることができる。
熱可塑性樹脂をゴム組成物シートに貼合する際の加熱ロールのサイズは特に制限はなく、ロール面長及びロール直径は任意に選択することができる。加熱ロール表面は、鏡面仕上げ、粗面仕上げのいずれでもよい。近接した加熱ロール表面間の距離は、成形しようとするシート厚みによって適宜調整することができる。
加熱ロールの加熱温度は、好ましくは約30℃〜150℃、より好ましくは約40℃〜100℃である。なお、単位時間当たりの成形量が多いと、加熱不足となる場合があるが、この場合は加熱ロールの直径を大きくとる、加熱ロール本数を3本以上に増やすなどの方法、あるいはゴム組成物を供給段階で予備加熱するなどの方法を採用すればよい。
前記シート状の被覆体の厚みは、フィルムを含めた総厚みで好ましくは約0.5mm〜10mm、より好ましくは約0.8mm〜5mmである。なお、通常はフィルムで覆われている面の形状が四角形となる。
押出機により多層成形された積層シートの熱可塑性樹脂層の厚みは、1〜500μm、好ましくは10〜100μmである。
以下、上記の積層シートを切断して、ペレットを製造する方法について説明するが、いずれの積層シートについても同様にして製造することができ、これらに限定されるものではない。
積層シートは、30〜150℃の温度で、切断部を加圧変形後、切断することによってペレットを製造する。
積層シートの温度は、例えば、積層シートの製造時の温度を保持して、加熱ローラを通して加熱して、上下に設置した加熱器で加熱して、及び/又は切断部を加熱することによって、30〜150℃にされる。
積層シートの加圧変形及び切断を同一の刃で行う場合について説明する。
まず、切断刃によって切断部を徐々に加圧して、切断刃の先端を被覆体に押込む。これによって、表面の熱可塑性樹脂フィルムは延伸し、切断部のゴム組成物は周辺に押出され、上下の熱可塑性樹脂フィルムは接近する。次いで、更に加圧することによって、最終的に被覆体を切断する。被覆体の変形は、変形前の厚さの約10〜30%にするのが好ましい。
得られるペレットの断面は、ほぼ熱可塑性樹脂フィルムで覆われ、ゴム組成物の露出は僅かである。
積層シートに高い圧力をかけて一気に切断すると、積層シートが十分に変形する前に切断してしまい、切断面の熱可塑性樹脂フィルムによる被覆が不十分になる。また、最初にかける圧力が弱く、変形が十分でない状態で切断しても同様に切断面の被覆は不十分になる。従って、ある程度の圧力をかけて上下の熱可塑性樹脂フィルムが接近した状態にした後に切断を行う。
積層シートにかける圧力は、連続して徐々に加えて十分に変形した後に切断されるように調整しても良いし、初めに変形する圧力をかけ、次に切断する圧力をかける2段階にしても良い。それぞれのかける圧力及び速度は、積層シートの種類によって変わり、予めテストして決定される。
図1にこれらの方法を実施する装置の概略図を示す。
送出しロール9及び支持ロール11によって被覆体1がアンビルロール5上に搬送される。被覆体を支持するアンビルロール5上には被覆ポリマー1を介してアンビルロール5と接する型押しロール6が配置されている。型押しロール6の表面には型押し刃が設けられており、これによって加圧して切断部を変形させる。被覆体の進行方向に対して型押しロール6の後方に切断ロール7が配置されている。切断ロール7の表面には切断刃が設けられており、これによって変形された切断部を切断する。成形されたペレットはコンベアからなるペレットキャッチャー8に落下し、集められる。
ペレットの大きさについても特に制限されるものではないが、加工装置に定量供給することを考慮すると、フィルムで覆われている面の一辺が約2mm〜10mmであることが好ましい。
非互着性を完全なものとするために、得られた非互着性ゴム組成物ペレットに対し、その表面に、無機微粉体又は有機微粉体が打粉されていてもよく、また、液状の防着剤でもよい。粉体、又は液状の防着剤を塗布すると、ペレットの熱可塑性樹脂で覆われていない部分に粉体、防着剤が付着し、非互着性を完全にする効果がある。
粉体としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ステアリン酸カルシウム又はポリオレフィンパウダーが挙げられる。液状の防着剤としては、たとえばノニオン界面活性剤、合成ワックスと長鎖脂肪酸塩とのエマルジョンである精工化学社製のニューエイドDF−30(商品名)を例示することができる。
非互着性ゴム組成物ペレットを用いた加硫ゴム製品は、概ペレットと加硫剤、加硫促進剤等をロール、ニーダーなどの通常の混練機を用いて、加硫剤の架橋反応が進行し難い、90℃未満で混合し、熱プレス、射出成形機、圧縮成形機、押出成形により成形し、通常、120℃以上、好ましくは140℃〜240℃の温度にて約1〜60分間加硫を行うことにより得られる。さらに加硫スポンジ製品は、概ペレットに加硫剤、加硫促進剤、発泡剤等を加硫ゴム製品同様混練、成形、発泡、加硫して得られる。特に押出機を用いて、連続的に混練、成形し、発泡、加硫する場合、概ペレットと加硫剤、加硫促進剤、発泡剤を押出機投入、混練し、ダイスにて成形する。続いて熱風加硫装置、あるいは/かつ高周波加硫装置で発泡、加硫を行うことができる。
本発明における非互着性ゴム組成物ペレットを加硫ゴム製品、特にグラスランチャネル、ドアシールスポンジ、ウェザーストリップ等の自動車用部品、ガスケット等の建材用部品に適用すれば、連続的効率良く、安定的に生産可能となる。
以下、実施例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明における物性測定は、下記の方法で行った。
(I)ゴム組成物のムーニー粘度ML1+4(100℃)の測定
JIS K6300に準拠し、L型ローターを用い、測定温度100℃にて測定した。
(II)ブレンドしたゴム類のムーニー粘度ML1+4(121℃)の測定
JIS K6300に準拠し、L型ローターを用い、測定温度121℃にて、下記手順により測定した。
(1)80℃に加熱したオープンロールを用いて、所定の配合にてゴム類をブレンドした。
(2)ブレンド後、同じオープンロールを用いて、厚み3mmtのシート作製した。
(3)作製したシートから試験片を切出し、ムーニー粘度を測定した。
(III)ゴム組成物の応力緩和Log4の測定
装置に全自動4点掛け応力緩和計(アイランド工業社製)を用い、圧縮歪20%、測定温度40℃とし、下記の手順により測定した。
(1)バンバリーミキサーにて混練したゴム組成物を100℃に加熱したプレス機を用いて、厚み4mmtのプレスシートを作製した。
(2)厚み4mmtのプレスシートから打抜き機を用いて、8mmφの試験片を作製した。
(3)得られた試験片を応力緩和計にセットし、試験片を測定温度に馴染ませた後、所定の歪で圧縮し、下式により応力緩和Log4を算出した。
Log4=F100/F0.01
ここに、Log4:応力緩和
0.01:圧縮変形付与0.01秒後の荷重(N)
100:圧縮変形付与100秒後の荷重(N)
(IV)ペレット互着性の評価
(1)100gのペレットを用意する。
(2)500mLのテフロン(登録商標)製ビーカーに(1)のペレットを仕込み、荷重2kgの重りを載せる。
(3)重りを載せた状態で、40℃/24時間状態調整を行う。
(4)状態調整後、重りを外し、ビーカーからペレットを取出した時の下記の状態により互着性を判定し、評価○以上を合格とした。
◎:個々のペレットがバラバラと崩れて出てきた
○:ペレットがバラバラと崩れて出てきたが、ペレットの小凝集体あり
△:ペレットが塊状で、塊を軽く押すと崩れた
×:ペレットが塊状で、塊を強く押さないと崩れなかった
実施例1
(1)ゴム組成物の作製
表1の配合に従いゴム類としては、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムである住友化学社製エスプレン グレード名:5527F(C2含量=54重量%、共役ジエン含量=8.5重量%、ML1+4(125℃)=130)、補強材として旭カーボン社製カーボンブラック グレード名:旭#50HG(平均粒子径85nm)、軟化材として出光興産社製パラフィンプロセスオイル グレード名PS−430を用い、内容積1.5リットルのバンバリーミキサーでローター回転数60rpm/混練時間5分間の条件にて混練することによってゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度ML1+4(100℃)、応力緩和Log4を測定した。結果を表1に示す。
(2)ゴム組成物ペレットの作製
105℃に加熱したプレス成形機を用いて、150mm×150mm×3mm厚みのゴム組成物シートを作製し、熱可塑性樹脂として住友化学社製LLDPEであるエクセレンFX、グレード名:CX4002(結晶融解ピーク温度=68℃、ビカット軟化点=47℃)からなる40μm厚みのフィルムでゴム組成物シートを挟み、110℃に加温したプレス成形を用いて概フィルムを貼合した。
得られた積層シートを図2に示す打抜き機を用いて打抜き、この打抜いたシートを90°回転させて、さらに打抜くことによって10mm×10mm×3mmtサイズの直方体状のペレットを得た。
さらに液状の防着剤であるニューエイドDF−30(精工化学社製)の原液を7倍に薄めた水溶液に、得られたゴム組成物ペレットをディッピングすることにより、防着剤をペレット表面にコーティングした。
得られたゴム組成物ペレットの互着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2及び比較例1、2
表1の配合に示す通り補強材と軟化材の配合量を変更した以外は、実施例1同様にゴム組成物ペレットを作製した。ゴム組成物の評価結果、ゴム組成物ペレットの評価結果を表1に示す。
実施例3
ゴム類として、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムである住友化学社製エスプレン グレード名:555(C2含量=54重量%、共役ジエン含量=9.4重量%、ML1+4(125℃)=59)を用い、実施例1に用いた補強材、軟化材を表1に示した通り配合を行い、実施例1同様にゴム組成物ペレットを作製した。ゴム組成物の評価結果、ゴム組成物ペレットの評価結果を表1に示す。
表1で明らかな通り、用いるゴム類は同一であっても、補強材と軟化材の配合量を適宜調整することにより、ゴム組成物の応力緩和Log4を0.090よりも大きくすることで、ペレット互着性を満足するゴム組成物ペレットを得ることが可能である。
実施例4及び比較例3〜6
ゴム類としては、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムである住友化学社製エスプレン グレード名:5527F(C2含量=54重量%、共役ジエン含量=8.5重量%、ML1+4(125℃)=130)と、グレード名:5214(C2含量=51重量%、共役ジエン含量=11.2重量%、ML1+4(100℃)=35)を表2に示す通り配合し、80℃のオープンロールにて予めブレンドした。ブレンドしたゴム類のムーニー粘度ML1+4(121℃)の測定結果、及び比較としてブレンドゴムと同条件で測定した各単独ゴム類のムーニー粘度ML1+4(121℃)の測定結果を表2に示す。これら単独ゴム類、及びブレンドゴム類100phrに対して、表2に示す配合にした以外は、実施例1同様にゴム組成物ペレットを作製した。ゴム組成物の評価結果、ゴム組成物ペレットの評価結果を表2に示す。
表2で明らかな通り、補強材、軟化材などの配合が一定であっても、用いるゴム類の粘度を適宜調整することにより、ゴム組成物の応力緩和Log4を0.090よりも大きくすることで、ペレット互着性を満足するゴム組成物ペレットを得ることが可能である。
実施例5、6
ゴム類としては、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムである住友化学社製エスプレン グレード名:505(C2含量=50重量%、共役ジエン含量=9.9重量%、ML1+4(125℃)=59)と、グレード名:600F(C2含量=66重量%、共役ジエン含量=4.0重量%、ポリマーに対する伸展オイル量=50重量%、ML1+4(100℃)=63)、グレード名:606F(C2含量=61重量%、共役ジエン含量=5.9重量%、ポリマーに対する伸展オイル量=28.6重量%、ML1+4(125℃)=82)を用い、補強材として旭カーボン社製カーボンブラック グレード名:旭#60G(平均粒子径45nm)、軟化材として出光興産社製パラフィンプロセスオイル グレード名:PW−380を用い、表3に示す配合にした以外は、実施例1同様にゴム組成物ペレットを作製した。ゴム組成物の評価結果、ゴム組成物ペレットの評価結果を表3に示す。
表3で明らかな通り、ゴム組成物のムーニー粘度が低くとも、使用するゴム類を適宜選択することにより、ゴム組成物の応力緩和Log4を0.090よりも大きくすることで、ペレット互着性を満足するゴム組成物ペレットを得ることが可能である。
Figure 0004982991






















Figure 0004982991























Figure 0004982991
本発明に用いるゴム組成物ペレットの製造装置例の概略図である。 本発明の実施例に用いたゴム組成物ペレットの製造装置の概略図である。
符号の説明
[図1について]
1 積層シート
2 切断刃支持板
3 プレス
4 架台
5 アンビルロール
6 型押しロール
7 切断ロール
8 ペレットキャッチャー
9 送出しロール
10 ヒーター
11 支持ロール
[図2について]
1 エアシリンダー
2 カット刃
3 積層シート
4 打抜き台
5 スポンジ

Claims (6)

  1. 下記の芯材を下記の被覆材で被覆してなるペレット。
    芯材:ゴム類、補強材及び軟化材を含み、下記式(1)を充足するゴム組成物
    応力緩和Log4=F100/F0.01>0.090 (1)
    0.01:20%の圧縮歪付与0.01秒後の荷重(N)
    100:20%の圧縮歪付与100秒後の荷重(N)
    被覆材:DSC測定による結晶融解ピーク温度が90℃未満であり、かつビカット軟化温度が40℃より高い熱可塑性樹脂
  2. 芯材のゴム類がエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴムである請求項1記載のペレット。
  3. 被覆材の熱可塑性樹脂が均一活性サイトを有する触媒で重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体である請求項1記載のペレット。
  4. ゴム組成物の性状が下記を満足する請求項1〜3のいずれか一項に記載のペレット。
    ゴム組成物のムーニー粘度ML1+4(100℃)≧36
  5. 材用組成物を、ダイスを有する押出機又はカレンダーロールによりシート状に成形し、熱可塑性樹脂フィルムを芯材シートの上下表面に貼合して積層シートを作製し積層シートを賽の目状に切断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のペレットの製造方法。
  6. 芯材用組成物を押出機で混練し、熱可塑性樹脂と多層押出してシート状に成形して積層シートを作製し積層シートを賽の目状に切断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のペレットの製造方法。
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