JP4960194B2 - 発光素子パッケージ用基板の製造方法および発光素子パッケージ - Google Patents

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Description

本発明は、LEDチップ等の発光素子をパッケージ化する際に使用する発光素子パッケージ用基板の製造方法、およびこの製造方法で製造された発光素子パッケージ用基板を用いた発光素子パッケージに関する。
近年、軽量・薄型化および省電力化が可能な照明・発光手段として、発光ダイオードが注目されている。発光ダイオードの実装形態としては、発光ダイオードのベアチップ(LEDチップ)を配線基板に直接実装する方法と、LEDチップを配線基板に実装し易いようにLEDチップを小型基板にボンディングしてパッケージ化し、このLEDパッケージを配線基板に実装する方法とが知られている。
従来のLEDパッケージは、LEDチップを小型基板にダイボンドし、LEDチップの電極部分とリードの電極部分との間をワイヤボンド等で接続し、透光性を有する封止樹脂で封止した構造であった。
一方、LEDチップは、照明器具としての通常の使用温度領域において、低温になるほど発光効率が高く、高温になるほど発光効率が低下する性質を有する。このため、発光ダイオードを用いる光源装置では、LEDチップで発生した熱を速やかに外部に放熱し、LEDチップの温度を低下させることが、LEDチップの発光効率を向上させる上で非常に重要な課題となる。また、放熱特性を高めることによって、LEDチップに大きな電流を通電して使用することができ、LEDチップの光出力を増大させることができる。
そこで、従来の発光ダイオードに代えて、LEDチップの放熱特性を改善すべく、LEDチップを熱伝導性の基板に直接ダイボンドした光源装置も幾つか提案されている。例えば、下記の特許文献1には、アルミニウムの薄板からなる基板にプレス加工を施すことによって凹所を形成し、その表面に絶縁体薄膜を形成した後、凹所の底面に絶縁体薄膜を介してLEDチップをダイボンドし、絶縁体膜層上に形成された配線パターンとLEDチップ表面の電極との間をボンディングワイヤを介して電気的に接続し、凹所内に透光性を有する封止樹脂を充填したものが知られている。しかし、この基板では、構造が複雑となり、加工コストが高くなるなどの問題があった。
また、下記の特許文献2には、発光素子搭載用基板として、金属基板と、その金属基板の発光素子の搭載位置にエッチングで形成された金属柱状体(金属凸部)と、その金属柱状体の周囲に形成された絶縁層と、前記金属柱状体の近傍に形成された電極部とを備えるものが開示されている。
特開2002−94122号公報 特開2005−167086号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、LEDチップを配線基板に実装する場合には、その搭載位置に金属柱状体を設けることが重要となるが、LEDパッケージを実装する場合には、配線基板には必ずしも金属柱状体を設ける必要がないことが判明した。つまり、LEDパッケージを実装する場合には、LEDパッケージを搭載する基板の絶縁層の材料として、高熱伝導性の無機フィラーを含有する樹脂を使用することにより、十分な放熱性が得られることが判明した。
この観点から、特許文献2を参照とすると、この文献に記載された発光素子搭載用基板では、LEDチップをパッケージ化する際に、金属柱状体の貫通構造、給電のための配線、絶縁層などについて、更に改良の余地があった。また、金属柱状体の形成方法として、製造コスト低減の観点から製造工程数の見直しも望まれていた。
また、LEDチップのパッケージ化のための小型基板として、絶縁層がセラミックスからなるものが知られているが、製造の際にセラミックスの焼成等が必要なため、製造コスト等の面で有利とは言えず、大量生産には不向きであった。
そこで、本発明の目的は、発光素子のパッケージ化のための基板として、発光素子から十分な放熱効果が得られ、大量生産、低コスト化や小型化が可能な発光素子パッケージ用基板、その製造方法、およびそれらに係る発光素子パッケージ用基板を用いた発光素子パッケージを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
本発明に係る発光素子パッケージ用基板は、発光素子の実装位置下方に形成される金属肉厚部を備える発光素子パッケージ用基板であって、
前記発光素子の実装位置下方に、熱伝導性フィラーを含む樹脂から構成された1.0W/mK以上の熱伝導率を有する絶縁層と、
前記絶縁層の内部に配置される当該金属肉厚部を有する金属層と、を備え、
前記金属肉厚部の頂部に熱伝導性マスク部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、熱伝導性の良好な絶縁層の内部に金属肉厚部が立設するように配置され、さらに、熱伝導性マスク部が金属肉厚部の頂部にトップコートされて(設けられて)いるため、例えば、絶縁層の一方面側の実装面に発光素子を実装した場合、発光素子で発生する熱が、高熱伝導率の絶縁層、熱伝導性マスク部および金属肉厚部により効率よく伝熱される。また、金属肉厚部と対向する金属層表面側に発光素子を実装した場合、発光素子で発生する熱が、熱伝導性マスク部および金属肉厚部により効率よく伝熱され、その熱が更に高熱伝導率の絶縁層により効率よく伝熱される。このように、パッケージ化のための基板として十分な放熱効果が得られる。
熱伝導性マスク部は、例えば、金属肉厚部の形成工程におけるエッチング用レジストをそのまま用いることが好ましい。レジスト除去工程を省略でき、作業効率、製造コスト等の面から改善効果が大きい。
また、他の本発明の発光素子パッケージ用基板の製造方法は、
発光素子の実装位置下方に形成される金属肉厚部を備える発光素子パッケージ用基板の製造方法であって、
熱伝導性フィラーを含む樹脂から構成された1.0W/mK以上の熱伝導率を有する絶縁接着剤および金属層部材を有する積層体と、熱伝導性マスク部が設けられた金属肉厚部を有する金属層部材とを、積層一体化する積層工程を有することを特徴とする。
この構成によれば、熱伝導性の良好な絶縁接着剤および金属層部材を有する積層体と、熱伝導性マスク部が設けられた金属肉厚部を有する金属層部材とを積層一体化することができる。積層体を予め製造しておくことで、発光素子パッケージ用基板の製造を容易に行なえ、大量生産性に優れ、低コスト化、パッケージの小型化が可能となる。そして、例えば、絶縁層の一方面側の実装面に発光素子を実装した場合、発光素子で発生する熱が、高熱伝導率の絶縁層、熱伝導性マスク部および金属肉厚部により効率よく伝熱される。また、金属肉厚部と対向する金属層表面側に発光素子を実装した場合、発光素子で発生する熱が熱伝導性マスク部および金属肉厚部により効率よく伝熱され、その熱が更に高熱伝導率の絶縁層により効率よく伝熱される。このように、パッケージ化のための基板として十分な放熱効果が得られる。
また、本発明の好適な実施形態の一例として、絶縁接着剤および金属層部材を有する積層体、および/または、熱伝導性マスク部が設けられた金属肉厚部を有する金属層部材が、予めロール状に構成されていることが好ましい。この構成によれば、枚葉単位の生産と比較し、連続生産性や大量生産性に優れ、歩留まり効率もよい。
また、他の本発明の発光素子パッケージは、上記の発光素子パッケージ用基板または、上記の製造方法で製造された発光素子パッケージ用基板を用いて構成されている。よって、発光素子パッケージを低コストにかつ小型に製造することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1、2は、本発明の発光素子パッケージ用基板の一例を示す断面図であり、発光素子を実装してパッケージ化した状態を示している。
本発明の一例の発光素子パッケージ用基板は、図1に示すように、熱伝導性フィラー1b,1cを含む樹脂1aから構成された絶縁層1と、絶縁層1の内部に配置される当該金属肉厚部2を有する金属層21と、を備え、金属肉厚部2の頂部に熱伝導性マスク部22が設けられている。そして、絶縁層1の実装側面に発光素子4が設置され、また、絶縁層1の実装側面に表面電極部3が設けられている。
また、他の発光素子パッケージ用基板は、図2に示すように、熱伝導性フィラー1b,1cを含む樹脂1aから構成された絶縁層1と、発光素子4の実装位置の下方には、その頂部に熱伝導性マスク部22が設けられた金属肉厚部2を有する金属層21と、絶縁層1の実装側面に形成された表面電極部3とを備えている。そして、金属層21の実装面2aに発光素子4が直接実装されている。金属肉厚部2は、実装面2aから絶縁層1の裏面側に向けて肉厚に形成され、その頂部側が絶縁層1の内部に含まれている(埋め込まれた状態)。
このように、金属肉厚部2の頂部側が絶縁層1を貫通していない構造の場合、後述するロール等を用いたプレス、または間欠式プレスによって製造が可能であるため、大量生産、低コスト化や小型化が可能となる。
絶縁層1は、1.0W/mK以上の熱伝導率を有し、1.2W/mK以上の熱伝導率を有することが好ましく、1.5W/mK以上の熱伝導率を有することがより好ましい。これによって、金属肉厚部2および熱伝導性マスク部22からの熱を効率良くパッケージ全体に放熱することができる。ここで、絶縁層1の熱伝導率は、適宜、熱伝導性フィラーの配合量および粒度分布を考慮した配合を選択することで決定されるが、硬化前の絶縁性接着剤(例えば、下記の熱硬化性樹脂等)の塗工性を考慮すると、一般的には10W/mK程度が上限として好ましい。
絶縁層1は金属酸化物及び/又は金属窒化物である熱伝導性フィラー1b,1cと樹脂1aとで構成されることが好ましい。金属酸化物並びに金属窒化物は、熱伝導性に優れ、しかも電気絶縁性のものが好ましい。金属酸化物としては酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ベリリウム、酸化マグネシウムが、金属窒化物としては窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウムが選択され、これらを単独または2種以上を混合して用いることができる。特に、前記金属酸化物のうち、酸化アルミニウムは電気絶縁性、熱伝導性ともに良好な絶縁接着剤層を容易に得ることができ、しかも安価に入手可能であるという理由で、また、前記金属窒化物のうち窒化硼素は電気絶縁性、熱伝導性に優れ、更に誘電率が小さいという理由で好ましい。
熱伝導性フィラー1b、1cとしては、小径フィラー1bと大径フィラー1cとを含むものが好ましい。このように2種以上の大きさの異なる粒子(粒度分布の異なる粒子)を用いることで、大径フィラー1c自体による伝熱機能と、小径フィラー1bにより大径フィラー1c間の樹脂の伝熱性を高める機能により、絶縁層1の熱伝導率をより向上させることができる。このような観点から、小径フィラー1bのメディアン径は、0.5〜2μmが好ましく0.5〜1μmがより好ましい。また、大径フィラー1cのメディアン径は、10〜40μmが好ましく15〜20μmがより好ましい。
また、金属肉厚部2および熱伝導性マスク部22が絶縁層1内部に入り込んでおり、熱伝導マスク部22と絶縁層1のフィラー(1b、1c)が接触することで、発光素子から生じる熱の放熱性が向上する。
絶縁層1を構成する樹脂1aとしては、前記の金属酸化物及び/又は金属窒化物を含みながらも、硬化状態下において、表面電極部3及び金属パターン5との接合力に優れ、また耐電圧特性等を損なわないものが選択される。
このような樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂の他、各種のエンジニアリングプラスチックが単独または2種以上を混合して用いることができるが、このうちエポキシ樹脂が金属同士の接合力に優れるので好ましい。特に、エポキシ樹脂のなかでは、流動性が高く、前記の金属酸化物及び金属窒化物との混合性に優れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂構造を両末端に有するトリブロックポリマー、ビスフェノールF型エポキシ樹脂構造を両末端に有するトリブロックポリマーが一層好ましい樹脂である。
本発明における金属肉厚部2を有する金属層21、表面電極部3及び金属パターン5は、種々の金属が使用できるが、通常、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫、銀、チタニウムのいずれか、または、これらの金属を含む合金等が使用でき、特に熱伝導性や電気伝導性の点から、銅が好ましい。
金属肉厚部2は、金属層21に設けられている。金属層21の厚みよりも金属肉厚部2の厚みの方が大きい。また、金属層21の厚み(h1:図3参照)、金属肉厚部2および熱伝導性マスク部22の厚み(h2:図3参照)としては、発光素子4からの熱を十分に絶縁層1に伝熱する観点から、31〜275μmが好ましく、35〜275μmがより好ましい。また、同様の理由から、金属肉厚部2および熱伝導性マスク部22のうち絶縁層1内部に含まれている部分の厚みは、絶縁層1の厚みの30〜100%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。
また、発光素子4からの熱を十分に絶縁層1に伝熱する観点から、金属肉厚部2の平面視形状は、適宜選択されるが、更に好ましくは、三角形や四角形などの多角形や、五芒星や六芒星などの星形多角形、これらの角部を適当な円弧で丸めたもの、更には金属肉厚部2の2a面から表面電極部3に向けて逐次的に変化した形状も可能である。また、同様の理由から、金属肉厚部2の平面視における最大幅は、1〜10mmが好ましく、1〜5mmがより好ましい。
金属肉厚部2を金属層21に形成する方法は、公知の形成方法が採用でき、例えば、フォトリソグラフィ法によるエッチング、プレス、印刷、接着、公知のバンプ形成法によって形成することができる。また、エッチングにより金属肉厚部2を形成する場合、保護金属層が介在するものでもよい。保護金属層としては、例えば金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、ロジウム、鉛−錫系はんだ合金、又はニッケル−金合金等が使用できる。
金属肉厚部2の頂部に設けられた熱伝導性マスク部22は、1.0W/mK以上の熱伝導率を有し、1.2W/mK以上の熱伝導率を有することが好ましく、1.5W/mK以上の熱伝導率を有することがより好ましい。特に、絶縁層1と同等以上の熱伝導率を有するとともに熱容量が小さいことが好ましい。
また、熱伝導性マスク部22を金属肉厚部2の頂部に形成する方法としては、例えば、印刷、接着等が例示される。また、金属肉厚部2をフォトリソグラフィ法によるエッチングにより形成する場合、エッチング用レジストとして、熱伝導性マスク部を用いることが好ましく、この熱伝導性マスク部を除去する工程を省略することができる。
熱伝導性マスク部22の厚みは、1μm以上であり、例えば10〜100μmが例示される。厚すぎると、絶縁層1との積層の際に、端部の形状変化が大きくなり好ましくなく、薄すぎると、熱伝導性が低下するため好ましくない。
熱伝導性マスク部22の材料としては、例えば、絶縁層1以外の層間絶縁材、エッチング用レジスト、ドライフィルムレジスト、半田、半田ペースト、導電性接着剤、熱伝導性接着剤、あるいは、ソルダー用レジスト、フラックスなどが例示される。中でも、絶縁層1以外の層間絶縁材、エッチング用レジストが好適に用いられる。
表面電極部3の厚みは、例えば25〜70μm程度が好ましい。また、金属パターン5aを設ける場合、金属パターン5aの厚みは、例えば25〜70μm程度が好ましい。なお、金属パターン5aは、絶縁層1の裏面全体を覆うものでもよいし、また、金属層21と同じく金属肉厚部2を有していてもよい。金属パターン5aは、表面電極部3の短絡を避ける上で、少なくとも両側の表面電極部3の裏面の金属パターン5aが導通していないことが好ましい。特に、金属パターン5aにも金属肉厚部2を有するときには、下記の積層一体化の工程において、位置ずれが生じないように注意する必要がある。また、金属パターン5aは、絶縁接着剤のBステージ状態において予め形成されていることが好ましい。
金属肉厚部2、金属層21、表面電極部3には、反射効率を高めるために銀、金、ニッケルなどの貴金属によるメッキを行うのが好ましい。また、従来の配線基板と同様にソルダレジストを形成したり、部分的に半田メッキを行ってもよい。
(製造方法)
次に、以上のような本発明の発光素子パッケージ用基板の好適な製造方法について図3を用いて説明する。図3に示すように、熱伝導性マスク部22を頂部に設けた金属肉厚部2が形成された長尺状の金属層21を巻き取った金属層ロール体211を準備する。幅方向サイズ、金属肉厚部2の配置等は、適宜設定される。金属肉厚部2をフォトリソグラフィ法によるエッチングにより形成し、熱伝導性マスク部22は、そのエッチング用レジストとして用いられたものそのものである。
また、長尺状のBステージ状態の絶縁層1と長尺状の金属層5の積層体24を巻き取った絶縁層ロール体241を準備する。幅方向サイズは、適宜設定されるが、金属層ロール体211の幅方向サイズと同程度であることが好ましい。長尺状の絶縁層1の表面には、剥離保護層が設けられていてもよい。この場合、金属層21と積層する場合に剥離保護層が剥離される。
積層するためのロールは、図3に示すように、一対のロール(30a、30b)で構成される。また、ロール対(30a、30b)は、複数のロール対で構成されていてもよい。また、ロール対(30a、30b)は、板状体(一方側または両方側:不図示)を介して金属層21および積層体24をプレスするように構成できる。また、ロール対と、板状体介在ロール対とを組み合わせた構成も可能である。ロール材料やロールのサイズ等は、金属層21と積層体24とを積層一体化した積層体25(基板部材)の仕様によって適宜設定される。板状体は、平面性がよく、硬質の金属板、硬質樹脂板が例示できる。また、ベルトプレスを使用することも可能である。更には、金属層21および積層体24の繰り出しをステッピング的に行なうことで、間欠式のプレス機を用いることも可能である。
ロール対(30a、30b)間距離は、調節可能に構成されている。金属層21および積層体24を積層した積層体25の厚み、金属肉厚部2のうち絶縁層1内部に含まれる部分の厚み、積層工程運転条件(搬送速度等)等の条件によって、この距離は設定される。ロール対(30a、30b)のプレス力は、金属層21、積層体24を構成する絶縁層1、それらを積層した積層体25のそれぞれの仕様に応じて設定される。また、ロール対(30a、30b)間距離は、積層体25を形成する際に、固定されていてもよく、積層体25に対し垂直方向に移動可能に構成してもよい。垂直方向に移動可能に構成する場合、公知の手段が適用でき、例えば、スプリング、油圧シリンダ、弾性部材等が例示できる。
以下、図3に示す製造方法について説明する。まず、金属層ロール体211から長尺状の金属層21が繰り出され、ロール対(30a、30b)側に送り出される。それと同期するように、Bステージ状態の絶縁層1と金属層5との積層体24のロール体241から長尺状の積層体24が繰り出され、ロール対(30a、30b)側に送り出される。次いで、ロール対(30a、30b)の間に搬送され、金属層21と積層体24に対してロール対(30a、30b)によるプレス作用が施され、金属層21と積層体24が積層され一体化されて積層体25が形成される。図3において、熱伝導性マスク部22および金属肉厚部2は、積層体24の絶縁層1の内部に埋め込まれた状態として積層体25が形成される。
また、ロール自体を加熱し、その熱を作用させながらプレス(同時加熱プレス)する構成が可能である。絶縁層1が加熱された場合に、金属層21との接合性が向上する場合に有効である。さらに、ロール対(30a、30b)の上流側および/または下流側に、加熱装置を設置するように構成でき、これにより絶縁層1と金属層21との接合を効率よく行なうことができる。
また、金属層21および/または絶縁層1の積層面側に、接着剤を塗布するように構成でき、これにより接合力を強化できる。
また、ロール対(30a、30b)の下流側に、厚み保持・安定化を目的として、複数のローラ対(押えローラ対)および/または平面板部対を設置するように構成でき、これによって、積層体25の厚み精度を高精度にできる。また、ロール対(30a、30b)の下流側に、冷却目的として冷却ローラ、冷却装置等も備えることができる。
ロールを用いて金属層21と積層体24とを積層した積層体25は、適切な条件の加熱装置の内部に導入して通過させることにより、Bステージ状態の絶縁層1を、Cステージ状態に硬化させる。次いで、これを、ダイサー、ルータ、ラインカッター、スリッター等の切断装置を用いて、所定のサイズに切断する。なお、積層体25の硬化は、切断後に行なうことも可能であり、また、切断前に硬化反応を進めた上で、切断後にさらにアフターキュアを行なうことも可能である。この場合、切断前にインラインの加熱装置を設けることも可能であるし、ロール状に巻き取ってからオフラインで加熱装置にて硬化反応を行なうことも可能である。
次いで、積層体25は、フォトリソグラフィ法によるエッチング等により、両面をパターン形成することにより、表面電極部3および金属パターン5aを形成することで、本発明の発光素子パッケージ用基板を得ることができる。また、例えば、図1に示すように、金属層21の一部が除去され、残部が金属パターン5aを形成し、金属層5の一部が除去され、残部が表面電極部3を形成するように構成してもよい。また、図2に示すように、金属層21の一部が除去され、残部が表面電極部3を形成し、金属層5の一部が除去され、残部が金属パターン5aを形成するように構成してもよい。
本発明の発光素子パッケージ用基板は、図1、2に示すように、単数の発光素子を実装するタイプでも、また複数の発光素子を実装するタイプでもよい。特に後者の場合、表面電極部3の間を配線する配線パターンを有することが好ましい。
また、発光素子パッケージ用基板は、例えば、図2に示すように、発光素子パッケージ用基板の金属肉厚部2の上方の金属層21に発光素子4を実装し、封止樹脂7により発光素子4が封止されて使用される。
つまり、発光素子パッケージは、熱伝導性フィラー1b,1cを含む樹脂1aから構成された絶縁層1と、発光素子4の実装位置の下方に形成された金属肉厚部2を設けた金属層21と、絶縁層1の実装側面に形成された表面電極部3とを備える発光素子パッケージ用基板と、金属肉厚部2の上方に実装した発光素子4と、その発光素子4を封止する封止樹脂7とを備えている。
実装する発光素子4としては、LEDチップ、半導体レーザチップ等が挙げられる。LEDチップでは、上面に両電極が存在するフェイスアップ型の他、裏面の電極により、カソードタイプ、アノードタイプ、フェイスダウン型(フリップチップタイプ)などがある。本発明では、フェイスアップ型を用いることが、放熱性の点から優れている。
金属層21の実装面への発光素子4の搭載方法は、導電性ペースト、両面テープ、半田による接合、放熱シート(好ましくはシリコーン系放熱シート)、シリコーン系又はエポキシ系樹脂材料を用いる方法など何れのボンディング方法でもよいが、金属による接合が放熱性の点から好ましい。
また、発光素子4は、両側の表面電極部3と導電接続されている。この導電接続は、発光素子4の上部電極と各々の表面電極部3とを、金属細線8によるワイヤボンディング等で結線することで行うことができる。ワイヤボンディングとしては、超音波やこれと加熱を併用したものなどが可能である。
本実施形態の発光素子パッケージは、封止樹脂7をポッティングする際の堰部6を設けた例を示すが、堰部6を省略することも可能である。堰部6を形成する方法としては、環状部材を接着する方法、ディスペンサーで紫外線硬化樹脂等を立体的に環状に塗布して硬化させる方法など、が挙げられる。
ポッティングに用いる樹脂としては、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂等が好適に使用できる。封止樹脂7のポッティングは、凸レンズの機能を付与する観点から上面を凸状に形成するのが好ましいが、上面を平面状や凹状に形成してもよい。ポッティングした封止樹脂7の上面形状は、使用する材料の粘度、塗布方法、塗布表面との親和性などで制御することができる。
本発明では、封止樹脂7の上方に、凸面の透明樹脂レンズを備えていてもよい。透明樹脂レンズが凸面を有することで、効率良く基板から上方に光を発射させることができる場合がある。凸面を有するレンズとしては、平面視形状が円形、楕円形のものなどが挙げられる。なお、透明樹脂や透明樹脂レンズは、着色されたもの又は蛍光物質を含むものでもよい。特に、イエロー系蛍光物質を含む場合、青色発光ダイオードを用いて、白色光を発生させることができる。
[別の実施形態]
(1)前述の実施形態では、フェイスアップ型の発光素子を搭載する例を示したが、本発明では、一対の電極を底面に備えるフェイスダウン型の発光素子を搭載してもよい。その場合、ソルダ接合を行うこと等によって、ワイヤボンディング等を不要にできる場合がある。また、発光素子の表面と裏面とに電極を有する場合には、ワイヤボンディング等を1本にすることが可能である。
(2)前述の実施形態では、配線層が単層である配線基板に対して発光素子を搭載する例を示したが、本発明では、配線層が2層以上の多層配線基板に対して発光素子を搭載してもよい。その場合の導電接続構造の形成方法の詳細は、国際公開公報WO00/52977号に記載されており、これらをいずれも適用することができる。
(3)また、別実施形態として、積層体24がロール状に構成されていない場合がある。この場合、ロール状の金属層5を繰り出しながら、絶縁接着剤を表面に連続的に塗布することで、積層体24を構成する。この積層体24に対して、前記のプロセスを用いて、金属層21を連続的に積層して、積層体25を得る。このとき、金属層21との積層前に、積層体24の絶縁接着剤をBステージ状態に半硬化させることも可能である。
(4)別実施形態として、金属層21のベース金属を繰り出しながら、前記プロセスを用いて金属肉厚部を連続的に形成して、金属層21を得る。この金属層21に対して、前記のプロセスを用いて、積層体24を連続的に積層して、積層体25を得る。
本発明の発光素子パッケージ用基板の一例を示す断面図 本発明の発光素子パッケージ用基板の他の例を示す断面図 本発明の発光素子パッケージ用基板の製造方法の一例を示す図
符号の説明
1 絶縁層
2 金属肉厚部
3 表面電極部
4 発光素子
7 封止樹脂
21 金属層
22 熱伝導性マスク部
24 積層体
25 積層体(基板部材)
30a、30b ロール

Claims (5)

  1. 発光素子の実装位置下方に形成される金属肉厚部を備える発光素子パッケージ用基板であって、
    前記発光素子の実装位置下方に、熱伝導性フィラーを含む樹脂から構成された1.0W/mK以上の熱伝導率を有する絶縁層と、
    前記絶縁層の内部に配置される当該金属肉厚部を有する金属層と、を備え、
    前記金属肉厚部の頂部に熱伝導性マスク部が設けられている発光素子パッケージ用基板。
  2. 発光素子の実装位置下方に形成される金属肉厚部を備える発光素子パッケージ用基板の製造方法であって、
    熱伝導性フィラーを含む樹脂から構成された1.0W/mK以上の熱伝導率を有する絶縁接着剤および金属層部材を有する積層体と、熱伝導性マスク部が設けられた金属肉厚部を有する金属層部材とを、積層一体化する積層工程を有する発光素子パッケージ用基板の製造方法。
  3. 前記絶縁接着剤および金属層部材を有する積層体、および/または、熱伝導性マスク部が設けられた金属肉厚部を有する金属層部材が、予めロール状である請求項2に記載の発光素子パッケージ用基板の製造方法。
  4. 前記請求項1の発光素子パッケージ用基板を用いた発光素子パッケージ。
  5. 前記請求項2または3で製造された発光素子パッケージ用基板を用いた発光素子パッケージ。
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