JP2009123823A - 発光素子パッケージおよびそれを実装した発光装置 - Google Patents

発光素子パッケージおよびそれを実装した発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、簡単な構造で十分な放熱効果が得られるとともに、光の取り出し効率も高く、装置全体の小型化や製造コストを低く抑えることができる発光素子パッケージおよび発光装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の発光素子パッケージは、発光素子11と、発光素子11の電極部と電気的に接続される第1パターン金属部152と、当該第1パターン金属部152と電気的に接続される第2パターン金属部153とを有する樹脂基材層15と、を備え、樹脂基材層15に当該樹脂基材層15を貫設する金属貫通部15aを設け、当該金属貫通部上に発光素子11を実装するように構成し、樹脂基材層15の第2パターン金属部面側を平坦にするように充填部31を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、LEDチップ等の発光素子を搭載した発光素子パッケージ、およびこの発光素子パッケージを基板に実装した発光装置に関する。
近年、軽量・薄型化および省電力化が可能な照明・発光手段として、発光ダイオードが注目されている。発光ダイオードの実装形態としては、発光ダイオードのベアチップ(LEDチップ)を配線基板に直接実装する方法と、LEDチップを配線基板に実装し易いようにLEDチップを小型基板にボンディングしてパッケージ化し、このLEDパッケージを配線基板に実装する方法とが知られている。
従来のLEDパッケージは、LEDチップを小型基板にダイボンドし、LEDチップの電極部分とリードの電極部分との間をワイヤボンド等で接続し、透光性を有する封止樹脂で封止した構造であった。
一方、LEDチップは、照明器具としての通常の使用温度領域において、低温になるほど発光効率が高く、高温になるほど発光効率が低下する性質を有する。このため、発光ダイオードを用いる光源装置では、LEDチップで発生した熱を速やかに外部に放熱し、LEDチップの温度を低下させることが、LEDチップの発光効率を向上させる上で非常に重要な課題となる。また、放熱特性を高めることによって、LEDチップに大きな電流を通電して使用することができ、LEDチップの光出力を増大させることができる。
特許文献1は、実装基板への実装面積を小さくすることができ且つ外部への光取り出し効率を向上可能な発光ダイオード用パッケージおよびそれを用いた発光装置について開示している。すなわち、パッケージは、半導体基板たるシリコン基板の厚み方向の一面側に発光ダイオードチップを収納する収納凹所が形成されるとともに、他面側に外部接続用電極が形成され、収納凹所の内底面に発光ダイオードチップを金バンプを介して接続するチップ接続用電極が形成され、チップ接続用電極と外部接続用電極とを接続する配線がシリコン基板における収納凹所の内底面と上記他面との間の部分からなる実装部に貫設されている。収納凹所の内周面には反射膜が形成されている。
特開2005−19609号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発光ダイオード用パッケージは、シリコン基板に発光ダイオードチップを収納する凹所が形成されているため、その形成加工の問題がある。また、発光ダイオードチップの放熱構造として、当該チップに直接接する放熱用金属部が、実装部に貫設された熱結合部を介して放熱用電極に接続されている構造であり、複雑な構造であり、加工コスト、放熱性能が低い等の問題がある。また、発光ダイオードチップの電極部が収納凹所の内底面側に接するように構成されているため、光の取り出し効率の観点から問題がある。
そこで、上記問題に鑑みて本発明はなされたものであり、本発明の目的は、簡単な構造で十分な放熱効果が得られるとともに、光の取り出し効率も高く、装置全体の小型化や製造コストを低く抑えることができる発光素子パッケージおよびこの発光素子パッケージを実装した発光装置を提供することにある。
本発明の発光素子パッケージは、発光素子と、発光素子の電極部と電気的に接続される第1パターン金属部と、当該第1パターン金属部と電気的に接続される第2パターン金属部とを有する樹脂基材層と、を備え、樹脂基材層に当該樹脂基材層を貫設する金属貫通部を設け、当該金属貫通部上に前記発光素子を実装するように構成し、樹脂基材層の第2パターン金属部面側を平坦にするように充填部を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、発光素子を樹脂基材層に貫設された金属貫通部上に実装しているため、金属貫通部による高伝熱性能によって発光素子が発する熱を好適に放熱することができる。また、樹脂基材層の第2パターン金属部面側を平坦にするように充填部を設けた構造にしたため、樹脂基材層の表面を平坦にでき、発光装置の基板への実装を容易にすることができる。また、樹脂基材層の上部に発光素子が実装されているため、光の取り出し効率が高いものとなる。また、発光素子パッケージは、発光素子を樹脂基材層に貫設された金属貫通部上に実装する構成であるため簡単な加工で製造でき、かつ、小型化に適した構成である。
また、本発明の発光装置は、上記の発光素子パッケージと、この発光素子パッケージを少なくとも金属層を介して実装される基板と、を備え、金属層は、金属貫通部からの熱を基板側に伝熱する伝熱金属部と、第2パターン金属部と電気的に接続される電極金属部を有するように構成したことを特徴とする。
この構成によれば、樹脂基材層の表面が平坦に形成された発光素子パッケージを少なくとも金属層を介して基板に実装することができる。この金属層は、金属貫通部からの熱を基板側に伝熱する伝熱金属部を有して構成されているため、発光素子が発する熱を金属貫通部を介して伝熱金属部へ好適に伝熱し、さらに基板に好適に伝熱することができ、放熱性の高いものとなる。また、発光素子パッケージを小型化できるため、装置全体の小型化が簡単に行なえる。また、発光装置の基本構造要素が、発光素子、樹脂基材層、基板であり、夫々の構成が簡単であるため加工コストを低く抑えることができる。
また、上記発光装置において、前記基板が黒鉛およびアルミニウム合金の複合材料で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、基板が黒鉛およびアルミニウム合金の複合材料で構成されているため、伝熱効果が高く、よって、発光素子の熱を好適に放熱することができる。
また、上記発光装置において、前記基板が黒鉛、セラミックスおよびアルミニウム合金の複合材料で構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、基板が黒鉛、セラミックスおよびアルミニウム合金の複合材料で構成されているため、伝熱効率が高く、よって、発光素子の熱を好適に放熱することができる。さらに、黒鉛、セラミックスおよびアルミニウム合金の複合材料は、黒鉛およびアルミニウム合金の複合材料で構成されているものよりも、強度等の機械的特性に優れるため、機械的特性が要求される車載用途等の発光装置に好適である。
また、上記発光装置において、樹脂基材層上に光を反射する反射部を設け、反射部を壁として透明樹脂で封止することを特徴とする。
この構成によれば、透明樹脂で形成されたレンズ体によって、光を外部に好適に放射することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の発光装置および発光素子パッケージの一例を示す断面図である。図2は他例の発光装置である。
図1に示すように、発光素子パッケージは、発光素子11と、発光素子11の電極部と電気的に接続される第1パターン金属部152と、当該第1パターン金属部152と電気的に接続される第2パターン金属部153とを有する樹脂基材層15とを備えて構成されている。樹脂基材層15には、当該樹脂基材層15を貫設する金属貫通部15aが設けられている。当該金属貫通部15aの頂部に発光素子11が実装される。直接実装されてもよいが、図1に示すように反射層154cを介して実装されてもよい。第2パターン金属部153は厚み(例えば25μm〜70μmの厚み)があり、この厚みによって基板のへの実装を困難にすることを回避するために、第2パターン金属部面側を平坦にするように充填部31が設けられている。充填部31および金属貫通部15aについては後述する。
発光装置1は、上記の発光素子パッケージを金属層12および絶縁層13を介して基板14に実装されて構成されている。金属層12は、金属貫通部15aからの熱を基板14側に伝熱する伝熱金属部12aと、第2パターン金属部153と電気的に接続される電極金属部12bを有するようにパターン形成されている。
発光素子11は、光を発する素子であり、例えば、LEDチップ、半導体レーザチップ等が挙げられる。LEDチップでは、上面に両電極が存在するフェイスアップ型の他、裏面の電極により、カソードタイプ、アノードタイプ、フェイスダウン型(フリップチップタイプ)などがある。本発明では、フェイスアップ型を用いることが、放熱性の点から優れている。
基板14は、発光素子パッケージを実装するための基板であり、熱伝導性の良い材料で構成されている。熱伝導性の良い材料としては、金属、セラミックス、熱伝導性フィラーを含む樹脂等が例示されるが、本発明においては、黒鉛およびアルミニウム合金の複合材料、黒鉛、セラミックスおよびアルミニウム合金の複合材料で基板14を構成することが好ましい。特に、黒鉛およびアルミニウム合金の複合材料よりも黒鉛、セラミックスおよびアルミニウム合金の複合材料で構成することが強度等の機械的特性の観点から好ましい。
黒鉛−アルミニウム合金複合体(複合材料)及び黒鉛−セラミックス−アルミニウム合金複合体(複合材料)は、黒鉛成形体または黒鉛−セラミックス成形体にアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金を溶湯鍛造法にて、20MPa以上の圧力で加圧含浸することで製造することができる。黒鉛成形体は、市販の人造黒鉛成形体を用いることもできるし、人造黒鉛粉末を成形して用いることもできる。また、黒鉛−セラミックス成形体は、黒鉛粉末と炭化珪素等のセラミックス粉末を所定の割合で混合した後、成形して用いることができる。本発明に用いる成形体の気孔率は、10〜35体積%が好ましく、15〜25体積%がより好ましい。
黒鉛−アルミニウム合金複合体及び黒鉛−セラミックス−アルミニウム合金複合体のアルミニウム合金は、含浸時にプリフォームの空隙内に十分にアルミニウム合金を浸透させるため、アルミニウム合金の融点がなるべく低いことが好ましく、シリコンを5〜25質量%含有したアルミニウム合金を用いる場合もある。アルミニウム合金中のシリコン以外の金属成分に関しては、極端に特性が変化しない範囲であれば特に制限はなく、例えばマグネシウム、銅等が含まれていても良い。
黒鉛−アルミニウム合金複合体及び黒鉛−セラミックス−アルミニウム合金複合体は、上述した方法によりブロック形状の複合体を作製し、切断加工して板状複合体とすることもできるし、板状の成形体を作製した後、アルミニウム合金を加圧含浸して板状複合体を作製することもできる。また、黒鉛−アルミニウム合金複合体及び黒鉛−セラミックス−アルミニウム合金複合体は、加工性に優れ、通常の機械加工にて容易に加工することが出来る。この場合、黒鉛、セラミックスおよびアルミニウム合金の複合材料におけるセラミックス粒子は、加工性の点からメディアン径が100μm以下で添加量が10〜30体積%であることが好ましい。さらに、黒鉛およびアルミニウム合金の複合材料及び黒鉛、セラミックスおよびアルミニウム合金の複合材料を基板として用いる場合、素材のまま用いる場合と表面をメッキ処理して用いる場合がある。
黒鉛−アルミニウム合金複合体及び黒鉛−セラミックス−アルミニウム合金複合体の特性としては、熱伝導率が200W/mK以上であることが好ましい。本発明では、当該複合材を放熱部品として使用する為、熱伝導率が200W/mK未満では、十分な放熱特性を発揮できないためである。
基板14は、放熱性の観点から導電性材料で構成される場合には、図1に示すように、基板14に絶縁層13が設けられる。この絶縁層13は、熱伝導性の高い材料で構成され、例えば、熱伝導性フィラーを含む樹脂等が例示される。絶縁層13を基板14に形成する方法は、公知の印刷方法、塗工方法、接着方法が適用できる。
絶縁層13は、1.0W/mK以上の熱伝導率を有し、1.2W/mK以上の熱伝導率を有することが好ましく、1.5W/mK以上の熱伝導率を有することがより好ましい。これによって、金属層12からの熱を効率良く基板14側に放熱することができる。ここで、絶縁層13の熱伝導率は、適宜、熱伝導性フィラーの配合量および粒度分布を考慮した配合を選択することで決定されるが、硬化前の絶縁性接着剤の塗工性を考慮すると、一般的には10W/mK程度が上限として好ましい。
絶縁層13は金属酸化物及び/又は金属窒化物である熱伝導性フィラーと樹脂とで構成されることが好ましい。金属酸化物並びに金属窒化物は、熱伝導性に優れ、しかも電気絶縁性のものが好ましい。金属酸化物としては酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ベリリウム、酸化マグネシウムが、金属窒化物としては窒化硼素、窒化珪素、窒化アルミニウムが選択され、これらを単独または2種以上を混合して用いることができる。特に、前記金属酸化物のうち、酸化アルミニウムは電気絶縁性、熱伝導性ともに良好な絶縁接着剤層を容易に得ることができ、しかも安価に入手可能であるという理由で、また、前記金属窒化物のうち窒化硼素は電気絶縁性、熱伝導性に優れ、更に誘電率が小さいという理由で好ましい。
熱伝導性フィラーとしては、小径フィラーと大径フィラーとを含むものが好ましい。このように2種以上の大きさの異なる粒子(粒度分布の異なる粒子)を用いることで、大径フィラー自体による伝熱機能と、小径フィラーにより大径フィラー間の樹脂の伝熱性を高める機能により、絶縁層13の熱伝導率をより向上させることができる。このような観点から、小径フィラーのメディアン径は、0.5〜2μmが好ましく0.5〜1μmがより好ましい。また、大径フィラーのメディアン径は、10〜40μmが好ましく15〜20μmがより好ましい。
絶縁層13を構成する樹脂としては、金属酸化物及び/又は金属窒化物を含みながらも、硬化状態下において、金属層12との接合力に優れ、また耐電圧特性等を損なわないものが選択される。このような樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂の他、各種のエンジニアリングプラスチックが単独または2種以上を混合して用いることができるが、このうちエポキシ樹脂が金属同士の接合力に優れるので好ましい。特に、エポキシ樹脂のなかでは、流動性が高く、前記の金属酸化物及び金属窒化物との混合性に優れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂構造を両末端に有するトリブロックポリマー、ビスフェノールF型エポキシ樹脂構造を両末端に有するトリブロックポリマーが一層好ましい樹脂である。
また、図1に示すように、基板14の発光素子パッケージの実装位置に、放熱性の観点から伝熱効率の高い金属層12が絶縁層13の上面に設けられている。金属層12は、発光素子11が実装される金属貫通部15aと直接或いは接着部材を介して接する伝熱金属部12aと、この伝熱金属部12aと電気的に分離され、後述する第2パターン金属部153と電気的に接続される電極金属部12bとを有してパターン形成されている。なお、この配線パターンは、図1に限定されず、目的に応じて変更できるものである。
金属層12は、種々の金属で構成されうるが、通常、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫、銀、チタニウムのいずれか、または、これらの金属を含む合金等が使用でき、特に熱伝導性や電気伝導性の点から、銅が好ましい。
金属層12を絶縁層13に形成する方法は、公知の方法が適用でき、金属箔の接着、印刷、エッチング等を用いることができる。また、金属層12と絶縁層13を基板14に形成した後に、伝熱金属部12aと電極金属部12bを形成するために金属層12のパターン形成を行なうことができる。また、金属層12は、絶縁接着剤のBステージ状態にある絶縁層13において予め形成し、その後に基板14と熱プレスして、基板14、絶縁層13、金属層12を一体に構成することもできる。
充填部31は、基材14との接合性の観点から埋め込み用途の樹脂材料で構成されることが好ましい。この樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂または後述する樹脂部151と同様の材料が例示される。充填部31を樹脂基材層15の第2パターン金属部153同士の隙間に、平坦に設ける方法は、公知の方法が適用でき、例えば、印刷、埋め込み、塗布等の方法が例示され、さらに余分な樹脂を除去したり、硬化後に平坦研磨する場合もある。
樹脂基材層15は、絶縁性の樹脂部151を基材とし、その上面側(反射部16が設置される面)に発光素子11の電極部と電気的に接続される第1パターン金属部152が形成され、当該樹脂部151の下面側(基板14側)に第2パターン金属部153が形成されている。この第1パターン金属部152は、樹脂部151を貫設された層間接続部(不図示)を介して第2パターン金属部153と電気的に接続されている。層間接続部としては、メッキスルーホール、レーザビア、金属バンプ等が挙げられ、その場合の導電接続構造の形成方法の詳細は、国際公開公報WO00/52977号に記載されており、これらをいずれも適用することができる。
樹脂部151を構成する樹脂としては、金属酸化物及び/又は金属窒化物を含みながらも、硬化状態下において、第1、第2パターン金属部152、153との接合力に優れ、また耐電圧特性等を損なわないものが選択される。このような樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂の他、各種のエンジニアリングプラスチックが単独または2種以上を混合して用いることができるが、このうちエポキシ樹脂が金属同士の接合力に優れるので好ましい。特に、エポキシ樹脂のなかでは、流動性が高く、前記の金属酸化物及び金属窒化物との混合性に優れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主体とした樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂が一層好ましい樹脂である。
第1、第2パターン金属部152、153は、種々の金属で構成されうるが、通常、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫、銀、チタニウムのいずれか、または、これらの金属を含む合金等が使用でき、特に熱伝導性や電気伝導性の点から、銅が好ましい。
樹脂部151に、第1、第2パターン金属部152、153を形成する方法としては、公知の方法が適用でき、例えば、印刷、フォトリソグラフィ法によるエッチング等の方法が例示される。
金属貫通部15aは、金属層12と同様の材料で形成することが熱伝導性(放熱性)の観点から好ましい。樹脂基材層15に金属貫通部15aを形成する方法は、特に制限されず公知の形成方法が採用でき、例えば、レーザーで貫通孔を設けた後に金属バンプを形成する方法等が挙げられる。
図1に示すように、第1パターン金属部152の上面に光を反射する反射層154が形成されている。反射層154は、反射効率の高い銀、金、ニッケルなどの貴金属材料で構成されることが好ましく、メッキによって形成されるのが好ましい。なお、反射層154の形成パターンは図1に限定されず、他のパターンでもよく、また、反射層154が形成されていなくともよい。
また、反射部16を樹脂基材層15の上面に設置し、これを壁として透明樹脂19で封止することで、透明樹脂19で形成されたレンズ体によって、光を外部に好適に放射することができる。
金属層12および第1パターン金属部152の厚みは、例えば25〜70μm程度が例示できるが、目的に応じて適宜設定される。
以下において、発光装置1および発光素子パッケージの好適な製造方法の一例について説明する。先ず、発光素子パッケージの製造工程について説明する。
(1)樹脂基材層15を準備する。樹脂部151の両面に金属箔を形成し、次いで、金属貫通部15aを形成する。次いで、全体にメッキを施して金属貫通部15a表面、金属箔表面に反射層154を形成する。次いで、反射層154および金属箔をエッチングして、第1、第2パターン金属部152、153を形成する。次いで、充填部31を形成し、樹脂基材層15が製造される。次いで、樹脂基材層15を、ダイサー、ルータ、ラインカッター、スリッター等の切断装置を用いて、目的に応じた所定のサイズに切断する。
(2)反射部16を、樹脂基材層15の上面側に設ける(図1参照)。反射部16は、光を反射する材料で構成され、アルミニウム等の金属が好ましく、さらに、反射面に反射効率の高い銀、金、ニッケルなどの貴金属材料でメッキが施されていることがより好ましい。反射部16は、接着等の公知の方法で樹脂基材層15に設けることができる。
(3)発光素子11を金属貫通部15aに実装する。金属貫通部15aへの発光素子11の搭載方法は、導電性ペースト、両面テープ、半田による接合、放熱シート(好ましくはシリコーン系放熱シート)、シリコーン系又はエポキシ系樹脂材料を用いる方法など何れのボンディング方法でもよいが、金属による接合が放熱性の点から好ましい。
(4)発光素子11の電極部と両側の第1パターン金属部152とを導電接続する。この導電接続は、発光素子11の上部電極と各々の第1パターン金属部152とを、反射層154a、154bを介して金属細線17によるワイヤボンディング等で結線することで行うことができる。ワイヤボンディングとしては、超音波やこれと加熱を併用したものなどが可能である。図1の場合、反射層154a、154bを介して接続されているが、これに制限されず、反射層154a、154bはなくてもよい。
(5)反射部16を壁として、その内部を透明の封止樹脂19により封止する。封止樹脂としては、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂等が好適に使用できる。封止樹脂のポッティングは、凸レンズの機能を付与する観点から上面を凸状に形成するのが好ましいが、上面を平面状や凹状に形成してもよい。ポッティングした封止樹脂の上面形状は、使用する材料の粘度、塗布方法、塗布表面との親和性などで制御することができる。以上の工程を経て発光素子パッケージが製造される。
次いで、発光装置1の製造工程について説明する。先ず、(1)基板14を準備する。基板14に絶縁層13および金属箔を設け、金属箔をパターン形成した金属層12を形成する。このパターン形成によって、伝熱金属部12aおよび電極金属部12bが形成される。
(2)上記で製造された発光素子パッケージを基板14上に設ける。金属貫通部15aは伝熱金属部12a上に設けられ、第2パターン金属部153は電極金属部12b上に設けられる。それら各々の接続方法としては、例えば、導電性ペースト、半田による接続等が例示される。以上の構成を経て発光装置1が製造される。
次いで、基板14の製造方法の一例を以下に示す。
(基板の実施例1)
市販人造黒鉛材(密度:1.85g/cm)から、100mm×100mm×70mmのブロックを70mm厚方向に黒鉛粒子が配向する様に切り出した。得られた成形体は、電気炉で窒素雰囲気中、温度700℃に予備加熱した後、予め加熱しておいた内径Φ300mm×300mmtのプレス型内に収め、シリコンを12質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を注ぎ、100MPaの圧力で20分間加圧して、成形体にアルミニウム合金を含浸させた。次に、室温まで冷却した後、湿式バンドソーでアルミニウム合金及び鉄製容器部分を切断し、100mmL×100mmW×70mmHの黒鉛−アルミニウム合金複合体を得た。得られた複合体は、含浸時の歪み除去の為、温度500℃で2時間のアニール処理を行った。
次に、得られた複合体より、研削加工により、熱伝導率測定用試験体(25mm×25mm×1mm)、強度試験体(3mm×4mm、長さ40mm)を作製し、温度25℃での熱伝導率をレーザーフラッシュ法(アルバック社製;TC3000)及び3点曲げ強度(JIS−R1601に準拠)を測定した。熱伝導率及び3点曲げ強度を測定した結果、温度25℃での熱伝導率は、70mmH方向が350W/mK、100mmL方向が215W/mK、100mmW方向が210W/mKであった。また、3点曲げ強度は、15MPaであった。
得られた黒鉛−アルミニウム合金複合体は、100mmW×70mmHの面に平行となるように、ダイヤモンドカッターで厚み1.2mmtの板状に切断し、更に、外周部分を切断加工して95mm×65mmとした後、平面研削盤で、厚み1mmtとなる様に研削加工を行った。次に、得られた板状複合体は、無電解Ni―Pめっきを行い、複合体表面に6μm厚のめっき層を形成した。
(基板の実施例2)
粒子径0.1mm〜2mmの人造黒鉛粉末1600gとメディアン径7μmの炭化珪素粉末(大平洋ランダム社製/NC#2000)600gとをV型混合機にて混合した後、内径寸法が100mmL×100mmW×150mmHの鉄製容器に充填し、面圧100MPaの圧力で成形して、100mmL×100mmW×90mmHの成形体を作製した。得られた成形体は、鉄製容器ごと電気炉で窒素雰囲気中、温度700℃に予備加熱した後、予め加熱しておいた内径Φ300mm×300mmtのプレス型内に収め、シリコンを12質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を注ぎ、100MPaの圧力で20分間加圧して、成形体にアルミニウム合金を含浸させた。次に、室温まで冷却した後、湿式バンドソーでアルミニウム合金及び鉄製容器部分を切断し、100mmL×100mmW×90mmHの黒鉛−炭化珪素−アルミニウム合金複合体を得た。得られた複合体は、含浸時の歪み除去の為、温度500℃で2時間のアニール処理を行った。
次に、得られた複合体より、研削加工により、熱伝導率測定用試験体(25mm×25mm×1mm)、強度試験体(3mm×4mm長さ40mm)を作製し、温度25℃での熱伝導率をレーザーフラッシュ法(アルバック社製;TC3000)及び3点曲げ強度(JIS−R1601に準拠)を測定した。その結果、温度25℃での熱伝導率は、90mmH方向が220W/mK、100mmL方向が280W/mK、100mmW方向が275W/mKであった。また、3点曲げ強度は、70MPaであった。
得られた黒鉛−炭化珪素−アルミニウム合金複合体は、100mmW×90mmHの面に平行となるように、ダイヤモンドカッターで厚み1.2mmtの板状に切断加工し、更に、外周部分を切断加工して95mm×85mmとした後、平面研削盤で、厚み1mmtとなるように研削加工を行った。
(別実施形態)
(1)金属層12および/または絶縁層13の積層面側に、接着剤を塗布して接着層を設けて構成でき、これにより接合力を強化できる。また、図2に示すように、樹脂部151と第1、第2パターン金属部152、153との両方或いはいずれか一方の積層面側に接着剤を塗布して接着層21を設けて構成でき、これにより接合力を強化できる。
(2)図1の発光装置1は、単数の発光素子パッケージを実装する構成であるが、複数の発光素子パッケージを実装することもできる。また、発光素子パッケージは、単数の発光素子11を実装する構成に限らず、複数の発光素子11を実装することもできる。
(3)図1の発光素子11は、金属製の反射部16が設けられ封止樹脂がポッティングされている構成であるが、金属製の反射部16の代わりに、予め封止樹脂で環状に構成された環状体を樹脂基材層15に接着することもでき、また、ディスペンサーで紫外線硬化樹脂等を立体的に環状に塗布して硬化させて環状体を形成することもできる。この環状体の内表面には反射層を形成することが好ましい。
(4)封止樹脂の上方に、凸面の透明樹脂レンズを備えていてもよい。透明樹脂レンズが凸面を有することで、効率良く基板から上方に光を発射させることができる場合がある。凸面を有するレンズとしては、平面視形状が円形、楕円形のものなどが挙げられる。なお、透明樹脂や透明樹脂レンズは、着色されたもの又は蛍光物質を含むものでもよい。特に、イエロー系蛍光物質を含む場合、青色発光ダイオードを用いて、白色光を発生させることができる。
(5)図1の発光装置1は、フェイスアップ型の発光素子を搭載する例を示したが、本発明では、一対の電極を底面に備えるフェイスダウン型の発光素子を搭載してもよい。その場合、ソルダ接合を行うこと等によって、ワイヤボンディング等を不要にできる場合がある。また、発光素子の表面と裏面とに電極を有する場合には、ワイヤボンディング等を1本にすることが可能である。
(6)図1の発光装置1は、配線層に相当する単層の金属層12を設けた基板14に対して発光素子パッケージを搭載する装置の例を示したが、本発明では、配線層が2層以上の多層配線基板に対して発光素子パッケージを搭載してもよい。その場合の導電接続構造の形成方法の詳細は、国際公開公報WO00/52977号に記載されており、これらをいずれも適用することができる。
本発明の発光装置の一例を示す断面図 本発明の発光装置の一例を示す断面図
符号の説明
1 発光装置
11 発光素子
12 金属層
12a 伝熱金属部
12b 電極金属部
13 絶縁層
14 基板
15 樹脂基材層
15a 金属貫通部
16 反射部
151 樹脂
152 第1パターン金属部
153 第2パターン金属部
154 反射層
31 充填部

Claims (4)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子の電極部と電気的に接続される第1パターン金属部と、当該第1パターン金属部と電気的に接続される第2パターン金属部とを有する樹脂基材層と、を備え、
    前記樹脂基材層に当該樹脂基材層を貫設する金属貫通部を設け、当該金属貫通部上に前記発光素子を実装するように構成し、
    前記樹脂基材層の第2パターン金属部面側を平坦にするように充填部を設けた発光素子パッケージ。
  2. 請求項1に記載の発光素子パッケージと、
    前記発光素子パッケージを少なくとも金属層を介して実装される基板と、を備え、
    前記金属層は、前記金属貫通部からの熱を前記基板側に伝熱する伝熱金属部と、前記第2パターン金属部と電気的に接続される電極金属部を有するように構成した発光装置。
  3. 前記基板が黒鉛およびアルミニウム合金の複合材料で構成された請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記基板が黒鉛、セラミックスおよびアルミニウム合金の複合材料で構成された請求項2に記載の発光装置。
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