本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、二つの導電層の間に有機化合物を含む層が設置された記憶素子と、二つの導電層の間に前記記憶素子と同じ有機化合物を含む層が設置された容量素子とからなる半導体装置の一構成例に関して図面を用いて説明する。
本発明に係わる半導体装置は、図1に示すように、基板100上に形成された記憶素子108と、容量素子109とが設けられている。
図1に示す記憶素子108は第1の導電層101と有機化合物を含む層104と第2の導電層106とが積層されて形成される。また、容量素子109は第1の導電層102と記憶素子部と同一の材料を用いた有機化合物を含む層105と第2の導電層107とが積層されて形成される。隔壁層110a、110b、110cは第1の導電層101と第2の導電層106、あるいは第1の導電層102と第2の導電層107とが直接接触されることを防ぐ働きを持つ。
第1の導電層101、102、103と、有機化合物を含む層104、105と、第2の導電層106、107と、隔壁層110a、110b、110cとはそれぞれ同一のプロセスで形成することができる。したがって、記憶素子108と容量素子109とは同一のプロセスでそれぞれの層を同時に形成することが可能である。
上記の構成において、第1の導電層101、102、103と、第2の導電層106、107には、導電性の高い元素や化合物等用いる。代表的には、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなり、単層または積層構造を用いることができる。上記元素を複数含んだ合金としては、例えば、AlとTiを含んだ合金Al、TiとCを含んだ合金、AlとNiを含んだ合金、AlとCを含んだ合金、AlとNiとCを含んだ合金またはAlとMoを含んだ合金等を用いることができる。上記材料は蒸着法、スパッタ法、CVD法、印刷法または液滴吐出法を用いて形成することができる。例えば、Agを液滴吐出法で形成したり、Alを蒸着法により形成することができる。
また、第1の導電層101、102、103、第2の導電層106、107のうち、一方または両方が透光性を有するように設けてもよい。透光性を有する導電層は、透明な導電性材料を用いて形成するか、または、透明な導電性材料でなくても光を透過する厚さで形成する。透明な導電性材料としては、インジウム錫酸化物(ITO、Indium Tin Oxide)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることが可能である。ITO及び酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(以下、ITSOと記す)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。
有機化合物を含む層104、105は有機化合物、電気的作用により導電性が変化する有機化合物、または有機化合物と無機化合物とが混合してなる層で形成する。有機化合物を含む層104、105は、単層で設けてもよいし、複数の層を積層させて設けてもよい。また、電気的作用により導電性が変化する有機化合物からなる層を積層させて設けてもよい。
有機化合物を含む層104、105を構成することが可能な有機化合物としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、エポキシ等に代表される有機樹脂等である。
また、有機化合物を含む層104、105を構成することが可能な、電気的作用により導電性が変化する有機化合物としては、正孔輸送性を有する有機化合物材料又は電子輸送性を有する有機化合物材料等である。
正孔輸送性を有する有機化合物材料としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物やフタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。
電子輸送性を有する有機化合物材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料を用いることができる。また、この他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。
さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。
作製法としては、蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法等を用いて形成することができる。また、有機化合物と無機化合物とを含む混合層は、各々の材料を同時に成膜することにより形成することができ、抵抗加熱蒸着同士による共蒸着法、電子ビーム蒸着同士による共蒸着法、抵抗加熱蒸着と電子ビーム蒸着による共蒸着法、抵抗加熱蒸着とスパッタリングによる成膜、電子ビーム蒸着とスパッタリングによる成膜など、同種、異種の方法を組み合わせて形成することができる。また塗布法や、液滴吐出法、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など選択的にパターン形状で形成される方法)などを用いることもできる。
また、有機化合物を含む層104、105に誘電率の高い材料を用いることで、容量素子109の単位面積当たりの容量値を向上させることができる。
隔壁層110a、110b、110cとしては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムその他の無機絶縁性材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いる。また、ベンゾシクロブテン、パリレン、フッ化アリレンエーテル、ポリイミドなどの有機材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物材料等を用いてもよい。作製法としては、プラズマCVD法や熱CVD法などの気相成長法やスパッタリング法を用いることができる。また、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)を用いることもできる。塗布法で得られるTOF膜やSOG膜なども用いることができる。
また、液滴吐出法により、導電層、絶縁層などを、組成物を吐出し形成した後、その平坦性を高めるために表面を圧力によってプレスして平坦化してもよい。プレスの方法としては、ローラー状のものを表面に走査することによって、凹凸をならすように軽減したり、平坦な板状な物で表面を垂直にプレスしたりしてもよい。プレスする時に、加熱工程を行っても良い。また溶剤等によって表面を軟化、または融解させエアナイフで表面の凹凸部を除去しても良い。また、CMP法を用いて研磨しても良い。この工程は、液滴吐出法によって凹凸が生じる場合に、その表面の平坦化する場合適用することができる。
複数の有機化合物層を用いて記憶素子部および容量素子を形成した例を図13に示す。
図13では、記憶素子108は第1の導電層101上に第1の有機化合物を含む層113が形成され、第1の有機化合物層を含む層113の上に第1の有機化合物を含む層113を覆う形状で第2の有機化合物を含む層114が形成され、第2の有機化合物を含む層114の上に第2の導電層106が形成されている。また、容量素子109は第1の導電層102上に第1の有機化合物を含む層115が形成され、第1の有機化合物を含む層115の上に第1の有機化合物を含む層115を覆う形状で第2の有機化合物を含む層116が形成され、第2の有機化合物を含む層116の上に第2の導電層107が形成されている。
また、記憶素子、容量素子のどちらか一方を積層とする場合は、1層目の有機化合物を含む層と第2の導電層の間に、選択的に2層目の有機化合物を含む層を形成してもよい。
また、本実施の形態の上記構成において、記憶素子108の第1の導電層101と有機化合物を含む層104との間に、整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子としては、ゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、またはダイオードである。このように、整流性があるダイオードを設けることにより、1つの方向にしか電流が流れないために、誤差が減少し、読み出しマージンが向上する。なお、整流性を有する素子は、有機化合物を含む層104と第2の導電層106との間に設けてもよい。
隔壁層110a、110b、110cは前述したように、第1の導電層101と第2の導電層106、あるいは第1の導電層102と第2の導電層107とが直接接触されることを防ぐ働きを持つが、第1の導電層の膜厚が十分薄く、端など段差が生じる領域において有機化合物を含む層が断裂するおそれがない場合には隔壁層110a、110b、110cの一部もしくはすべてを除くことができる。
隔壁層を用いない構成をとった半導体装置の構成例を図2(A)に示す。図2(A)では、記憶素子108は第1の導電層101の全面を有機化合物を含む層104で覆うように形成され、さらに第2の導電層106が覆うように形成されている。容量素子109も同様に、第1の導電層102を有機化合物を含む層105で覆い、さらに第2の導電層107が覆うように形成されている。隔壁層を形成しないことによりプロセスの簡略化に寄与する。
なお、第2の導電層106と107とは通常電気的に切り離されているが、記憶素子部の電極の一方と容量素子の一端とが同一の電位で用いることができるような場合には、第2の導電層106と107とを接続してもよい。
このような構成をとった半導体装置の構成例を図2(B)に示す。図2(B)では、記憶素子108と容量素子109を形成する有機化合物を含む層と第2の導電層を共通して用いたものであり、記憶素子108では第1の導電層101と有機化合物を含む層112と第2の導電層111との積層構造をとり、容量素子109では第1の導電層102と有機化合物を含む層112と第2の導電層111との積層構造をとる。記憶素子部の電極の一方と容量素子の一端とが同一の電位で用いることができるような場合にはこのような構成をとってもよい。
このような構成をとることにより、プロセスを増やすことなく同一基板上に記憶素子と容量素子とを同時に形成することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、二つの導電層の間に有機化合物を含む層が設置された記憶素子と、二つの導電層の間に前記記憶素子と同じ有機化合物を含む層が設置された容量素子とからなる半導体装置の一構成例に関して実施の形態1とは異なる構成例を図面を用いて説明する。
図1では基板100上に記憶素子108と容量素子109を設ける構成を示したが、これに限られず、図3に示すように、基板100上にトランジスタ群200を設け、その上に記憶素子108と容量素子109を形成してもよい。図3では、トランジスタ群200の直上に容量素子109を形成し、電極の一端を配線150と接続した構成を示している。これにより容量素子109はトランジスタ群200と配線150間の容量として働く。
トランジスタ群200は図3では薄膜トランジスタ(TFT)を設けているが、これは一例であって公知のものであれば、どのような構成を用いてもよい。例えばCMOSトランジスタや電界効果トランジスタなどを用いることができる。また、トランジスタ群200に含まれる半導体層の構造もどのようなものを用いてもよく、例えば不純物領域(ソース領域、ドレイン領域、LDD領域を含む)を形成してもよいし、pチャネル型またはnチャネル型のどちらで形成してもよい。
また、用いられるトランジスタのチャネル形成領域は、一つで形成されるシングルゲート構造でもよいし、二つで形成されるダブルゲート構造または三つで形成されるトリプルゲート構造であってもよい。本発明とシングルゲート構造を組み合わせて用いることにより、さらに微細化された半導体装置を得ることができる。また、本発明とダブルゲートまたはトリプルゲート構造を組み合わせることにより、オフ電流のばらつきをさらに低減することができ、信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
また、ゲート電極の側面と接するように絶縁層(サイドウォール)を形成してもよいし、ソース、ドレイン領域とゲート電極の一方または両方にシリサイド層を形成してもよい。シリサイド層の材料としては、ニッケル、タングステン、モリブデン、コバルト、白金等を用いることができる。
なお、ここでは、トランジスタ群200上に記憶素子108と容量素子109を形成した例を示したが、記憶素子108と容量素子109と、トランジスタ群200とを別工程で作製し、導電性フィルムなどを用いて貼りあわせて設けてもよい。
また、図3ではトランジスタ群200の直上に容量素子109を形成し接続した例を示したが、容量素子に接続するものはトランジスタに限られず、配線でもよい。配線の直上に容量素子を形成し接続した例を図4に示す。
図4では配線250の直上に容量素子109を形成し、容量素子109の第2の導電層は第1の導電層103を介して配線150に接続された構成をとっている。これにより、容量素子109は配線150と配線250間の容量として働く。
さらに、容量素子を形成する領域は直接接続するトランジスタや配線の上である必要はなく、任意に決定することができる。図5はトランジスタ300およびトランジスタ群310上に記憶素子108と容量素子109とを形成した例を示した図である。図5において容量素子109は、容量素子109とは接続されていないトランジスタ群310の直上で形成されている。
同様に、容量素子と直接接続しない配線の直上にも容量素子を形成することは可能である。図6は配線150、350、351、352、および353上に記憶素子108と容量素子109とを形成した例を示した図である。図6において容量素子109は、容量素子と109とは接続されていない配線351、352、353の直上で形成されている。
図5および図6のような構成をとることにより、本発明の容量素子は直接接続しない回路および配線の直上にも形成することが可能である。
このように、容量素子を本発明の形態のような構成とすることにより、半導体層とゲート電極を用いた従来の容量素子の全部もしくは一部を削減し、回路や配線上に配置することが可能となる。その結果、半導体装置の面積縮小化に寄与することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、二つの導電層の間に有機化合物を含む層が設置された記憶素子と、二つの導電層の間に前記記憶素子と同じ有機化合物を含む層が設置された容量素子とからなる半導体装置の一構成例に関して実施の形態1および実施の形態2とは異なる構成例を図面を用いて説明する。
本発明による容量素子は、既存の容量素子と組み合わせることで容量の増加を図ることも可能である。図7は半導体層とゲートメタルを用いた従来の容量素子と本発明の容量素子を組み合わせた例である。
図7に示す例では、基板100上に既存の容量素子400を形成し、その上に記憶素子108と容量素子109が形成されている。容量素子400は、従来使用されている容量素子であり、TFTのソース電極層とドレイン電極層と接続することで、半導体層とゲート電極間の容量を用いた容量素子として働く。
また、配線150と既存の容量素子400内のゲート電極とを接続することにより、配線150と既存の容量素子400のドレイン・ソース電極間に既存の容量素子400の容量と容量素子109の容量とを足し合わせた容量が発生する。
このような構成をとることにより、容量素子と、半導体層とゲート電極を用いた従来の容量素子とを同時に用いることができる。そのため、従来よりもチップ面積を増やすことなく容量を増やすことができ、回路の機能向上を図ることが可能となる。
また、素子に掛かる電圧によって用いる容量素子を使い分けることも可能である。例えば、高電圧が発生し本発明による容量素子では破損するような領域での容量は既存の容量素子を用い、それ以外の低電圧を扱う領域での容量は本発明の容量素子を用いるというように、領域によって用いる容量素子を変えてもよい。
さらに、上記実施の形態と組み合わせることにより、従来の容量素子を削減しつつ本発明による容量素子を大幅に増やすことにより、チップ面積を縮小化させつつ機能向上を果たすことも可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では上記実施の形態で示す容量素子と有機メモリを形成し、アンテナを搭載したRFIDチップの構成例を図面を用いて説明する。
本実施の形態で示すRFIDチップは、非接触でデータの読み出しと書き込みが可能であることを特徴としており、データの伝送形式は、一対のコイルを対向に配置して相互誘導によって交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する電波方式の3つに大別されるが、いずれの方式を用いてもよい。また、データの伝送に用いるアンテナは2通りの設け方があり、1つは複数の素子および記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合、もう1つは複数の素子および記憶素子が設けられた基板に端子部を設け、当該端子部に別の基板に設けられたアンテナを接続して設ける場合がある。
まず、複数の素子および記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合のRFIDチップの一構成例を、図面を用いて説明する。
図8はRFIDチップの概略を示した図である。図8に示すように、基板1100上にアンテナ回路1101、クロック発生回路1104、電源回路1105、制御回路1112、メモリ回路1113を有する。アンテナ回路1101はアンテナ1102と共振容量1103を有し、電源回路1105は平滑化回路1106と昇圧回路1107を有する。さらに、平滑化回路1106は交流信号を整流するダイオード1108と平滑化容量1109を有し、昇圧回路1107は電圧を昇圧するためのダイオード群1110と容量素子群1111を有する。図示しないが、これらの回路以外にデータ変調/復調回路、センサ、インターフェース回路などを有していてもよい。
本発明により、共振容量1103、平滑化容量1109、容量素子群1111の一部もしくはすべて上記実施形態のように有機メモリを構成する導電層および有機化合物を用いた容量素子に置き換えることが可能である。
ただし、容量素子群1111の最終段のように記憶素子が破壊できるほどの高電圧がかかるような領域に本発明の構成を適用する場合には、有機メモリを構成する導電層および有機化合物を用いた容量素子が破壊されないような手段をとる必要がある。例えば該当部分の容量素子の絶縁層の膜厚を局所的に増やす、または該当部分の容量素子の絶縁層を他の絶縁層に置き換える、もしくは他の絶縁層を追加して形成する、などである。
もちろん、従来の容量素子と置き換えてもよく、使用領域に合わせた容量素子の置き換えは上記の例に限定はされず、チップ内の容量素子を備えた回路におけるすべての容量素子に対して適用することが可能であることは言うまでもない。
図9(A)はアクティブマトリクス型で構成される記憶装置を有するRFIDチップの上面図であり、記憶素子の上部電極および本発明の容量素子における上部電極として用いられる導電層とアンテナとして機能する導電層とが形成される位置を上面から見た図である。図9(A)では基板1000上にメモリ1001、アンテナ回路1005、電源回路1009を有する。図示しないが、これらの回路以外に制御回路、クロック発生回路を有し、データ変調/復調回路、センサ、インターフェース回路などを有していてもよい。
メモリ1001はメモリセル1002を複数配置して構成されたメモリセルアレイ1003を有し、メモリセルアレイ1003を覆う形状で導電層1004が形成される。アンテナ回路1005はアンテナ1006と共振容量1007とを有し、共振容量1007を覆う形状で導電層1008が形成される。電源回路1009は平滑化回路1010と昇圧回路1013を有する。平滑化回路1010はさらに平滑化回路1012を有し、平滑化回路1012を覆う形状で導電層1011が形成される。昇圧回路1013は容量1015、1017、1019、1021、1023を有し、それぞれの容量を覆う形状で導電層1014、1016、1018、1020、1022が形成される。
導電層1004、1008、1011、1014、1016、1018、1020、1022はすべて同一の材料であり、同一のプロセスで同時に形成される。
なお、アンテナ1006は共振容量1007と電源回路1009とを囲むような形状になっているが、これは一例であって実際のアンテナの形状はこれに限定されない。また、形成した容量の数や形状、配置などの構成は一例であり、実際の容量の構成はこれに限定されない。
図9(B)に示すのはアクティブマトリクス型で構成される記憶装置の一構成例である。メモリセル1002がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ1003、カラムデコーダ1076aと読み出し回路1076bとセレクタ1076cを有するビット線駆動回路1076、ロウデコーダ1074aとレベルシフタ1074bを有するワード線駆動回路1074、書き込み回路等を有し外部とのやりとりを行うインターフェース1073を有している。なお、ここで示すメモリ1001の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
メモリセル1002は、ワード線Wy(1≦y≦n)を構成する第1の配線と、ビット線Bx(1≦x≦m)を構成する第2の配線と、トランジスタ1060と、記憶素子1065とを有する。記憶素子1065は、一対の導電層の間に、有機化合物層が挟まれた構造を有する。
図9(A)において、AB間の断面の構成を示した図が図10である。図10に、アクティブマトリクス型で構成される記憶装置を有する半導体装置を示す。基板500上にトランジスタ510a、510bを有するトランジスタ部530と、トランジスタ520a、520bを有するトランジスタ部540と、トランジスタ550a、550bを有するトランジスタ部560と、絶縁層501a、501b、508、509、511、516、514を含む素子形成層535が設けられ、素子形成層535の上方に記憶素子部525、記憶素子と同一の材料を用いて形成した容量素子570、アンテナとして機能する導電層543が設けられている。
なお、ここでは素子形成層535の上方に記憶素子部525、容量素子570、アンテナとして機能する導電層543を設けた場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子部525、容量素子570、アンテナとして機能する導電層543を、素子形成層535の下方の層に設けることも可能である。
記憶素子部525は、記憶素子515a、515bで構成される。記憶素子515aは、第1の導電層506a上に、隔壁層(絶縁層)507a、隔壁層(絶縁層)507b、有機化合物を含む層512及び第2の導電層513が積層して構成される。記憶素子515bは、第1の導電層506b上に、隔壁層(絶縁層)507b、隔壁層(絶縁層)507c、有機化合物を含む層512及び第2の導電層513が積層して設けられている。また、第2の導電層513を覆って保護膜として機能する絶縁層514が形成されている。
また、複数の記憶素子515a、515bが形成される第1の導電層506a、第1の導電層506bは、トランジスタ510a、トランジスタ510bそれぞれのソース電極層又はドレイン電極層に、接続されている。すなわち、記憶素子はそれぞれひとつのトランジスタに接続されている。また、有機化合物を含む層512が第1の導電層506a、506bおよび隔壁層(絶縁層)507a、507b、507cを覆うように全面に形成されているが、各メモリセルに選択的に形成されていてもよい。なお、記憶素子515a、515bは上記実施の形態で示した材料または作製方法を用いて形成することができる。
第1の導電層506a、506b、および第2の導電層513に電圧を印加することにより、有機化合物を含む層512に電流が流れる。よって、ジュール熱によって有機化合物を含む層512の温度は上昇して、流動化し、流動性を有する組成物は固体状態の形状を維持せずに移動する。よって、有機化合物を含む層512の膜厚は不均一となり、有機化合物を含む層512が変形し、第1の導電層506a、506bと第2の導電層513とが短絡する。よって、電圧印加前後での記憶素子の導電性が変化する。
データの読み出しは各記憶素子における導電性の変化を読み出すことで行われる。読み出し方法の一例として図12を用いて説明する。
図12(A)は、アクティブマトリクス型の記憶素子およびその駆動回路の模式図であり、ワード線駆動回路724、ビット線駆動回路726、そしてビット線Bxとワード線Wyが接続された記憶素子部721から構成される。ビット線駆動回路726の中にはカラムデコーダ726aと読み出し回路726bとセレクタ726cとを有する。また、読み出し回路726bはセンスアンプ747と抵抗素子746を有する。なお、ここで示す構成はあくまで一例であり、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
図12(B)は、記憶素子部に「0」のデータの書き込みを行った記憶素子部の電流電圧特性701と、「1」のデータの書き込みを行った記憶素子部の電流電圧特性702と、抵抗素子746の電流電圧特性703を示しており、ここでは抵抗素子746としてトランジスタを用いた場合を示す。また、データを読み出す際の動作電圧として、第1の導電層506aと第2の導電層513の間に3Vを印加した場合について説明する。
図12において、「0」のデータの書き込みが行われた記憶素子部を有するメモリセルでは、記憶素子部の電流電圧特性701とトランジスタの電流電圧特性703との交点704が動作点となり、このときのノードαの電位はV2(V)となる。ノードαの電位はセンスアンプ747に供給され、当該センスアンプ747において、上記メモリセルが記憶するデータは、「0」と判別される。
一方、「1」のデータの書き込みが行われた記憶素子部を有するメモリセルでは、記憶素子部の電流電圧特性702とトランジスタの電流電圧特性703との交点705が動作点となり、このときのノードαの電位はV1(V)(V1>V2)となる。ノードαの電位はセンスアンプ747に供給され、当該センスアンプ747において、上記メモリセルが記憶するデータは、「1」と判別される。
このように、記憶素子部721の抵抗値に従って、抵抗分割された電位を読み取ることによって、メモリセルに記憶されたデータを判別することができる。
また、記憶素子515aにおいて、第1の導電層506aと有機化合物を含む層512、もしくは有機化合物を含む層512と第2の導電層513との間に整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子とは、ゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、又はダイオードである。例えば、N型半導体層およびP型半導体層を積層させて設けられたPN接合ダイオードを用いることができる。このように、整流性があるダイオードを設けることにより、1つの方向にしか電流が流れないために、誤差が減少し、読み出しマージンが向上する。なお、ダイオードを設ける場合、PN接合を有するダイオードではなく、PIN接合を有するダイオードやアバランシェダイオード等の、他の構成のダイオードを用いてもよい。なお、記憶素子515bにおいても同様である。
容量素子570は、第1の導電層506a、506bと同一の層で形成された第1の導電層561上に、隔壁層(絶縁層)507d、隔壁層(絶縁層)507e、有機化合物を含む層512と同一の層で形成された有機化合物を含む層562及び第2の導電層513と同一の層で形成された第2の導電層563が積層して設けられている。また、第2の導電層563を覆って保護膜として機能する絶縁層514が形成され。さらに、第2の導電層563は、第1の導電層561とは分離された導電層564を通して配線565と接続され、配線565を通して他の回路に接続される。このような構造をとることにより、トランジスタや配線の直上に容量素子を配することが可能となる。
アンテナとして機能する導電層543は第2の導電層513と同一の層で形成された導電層542上に設けられている。なお、第2の導電層513と同一の層でアンテナとして機能する導電層を形成してもよい。また、導電層542は、第1の導電層506a、506bと同一の層で形成された導電層541上に設けられている。導電層541は、トランジスタ520aのソース電極層又はドレイン電極層に接続されている。
アンテナとして機能する導電層543の材料としては、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金等を用いることができる。また、アンテナとして機能する導電層543の形成方法は、蒸着、スパッタ、CVD法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の各種印刷法または液滴吐出法等を用いることができる。
素子形成層535に含まれるトランジスタ510a、510b、520a、520b、550a、550bは、pチャネル型TFT、nチャネル型TFTまたはこれらを組み合わせたCMOSで設けることができる。また、トランジスタ510a、510b、520a、520b、550a、550bに含まれる半導体層の構造もどのようなものを用いてもよく、例えば不純物領域(ソース領域、ドレイン領域、LDD領域を含む)を形成してもよいし、pチャネル型またはnチャネル型のどちらで形成してもよい。また、ゲート電極の側面と接するように絶縁層(サイドウォール)を形成してもよいし、ソース、ドレイン領域とゲート電極の一方または両方にシリサイド層を形成してもよい。シリサイド層の材料としては、ニッケル、タングステン、モリブデン、コバルト、白金等を用いることができる。
また、素子形成層535に含まれるトランジスタ510a、510b、520a、520b、550a、550bは、半導体層も非晶質半導体、結晶性半導体、多結晶半導体、微結晶半導体など様々な半導体を用いることができ、構成する半導体層を有機化合物で形成する有機トランジスタで設けてもよい。この場合、基板500としてプラスチック等の可撓性を有する基板上に、直接印刷法や液滴吐出法等を用いて有機トランジスタからなる素子形成層535を形成することができる。印刷法や液滴吐出法等を用いて形成することによってより低コストで半導体装置を作製することが可能となる。
また、素子形成層535、記憶素子515a、515b、容量素子570、アンテナとして機能する導電層543は、上述したように蒸着、スパッタ法、CVD法、印刷法または液滴吐出法等を用いて形成することができる。なお、各領域によって異なる方法を用いて形成してもかまわない。例えば、高速動作が必要とされるトランジスタは基板上にSi等からなる半導体層を形成した後に熱処理により結晶化させて設け、その後、素子形成層の上方にスイッチング素子として機能するトランジスタを印刷法や液滴吐出法を用いて有機トランジスタとして設けることができる。
なお、トランジスタに接続するセンサを設けてもよい。センサとしては、温度、湿度、照度、ガス(気体)、重力、圧力、音(振動)、加速度、その他の特性を物理的又は化学的手段により検出する素子が挙げられる。センサは、代表的には抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオードなどの半導体素子で形成される。
次に、複数の素子および記憶素子が設けられた基板に端子部を設け、当該端子部に別の基板に設けられたアンテナを接続して設ける場合の半導体装置の一構成例に関して図11を用いて説明する。
図11に、アクティブマトリクス型の記憶装置を有する半導体装置を示す。基板600上にトランジスタ610a、610bを有するトランジスタ部630と、トランジスタ620a、トランジスタ620bを有するトランジスタ部640と、トランジスタ650a、トランジスタ650bを有するトランジスタ部660と、絶縁層601a、601b、608、609、611、616、614を含む素子形成層635が設けられている。また、素子形成層635の上方に記憶素子部625、記憶素子の材料を用いて形成した容量素子670が設けられている。さらに、基板646に設けられたアンテナとして機能する導電層643が素子形成層635と接続するように設けられている。
なお、ここでは素子形成層635の上方に記憶素子部625またはアンテナとして機能する導電層643を設けた場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子部625、容量素子670、アンテナとして機能する導電層643を素子形成層635の下方に設けることも可能である。
記憶素子部625は、記憶素子615a、615bで構成され、記憶素子615aは第1の導電層606a上に、隔壁層(絶縁層)607a、隔壁層(絶縁層)607b、有機化合物を含む層612及び第2の導電層613が積層して構成され、記憶素子615bは、第1の導電層606b上に、隔壁層(絶縁層)607b、隔壁層(絶縁層)607c、有機化合物を含む層612及び第2の導電層613が積層して設けられている。また、第2の導電層613を覆って保護膜として機能する絶縁層614が形成されている。
また、複数の記憶素子615a、615bが形成される第1の導電層606a、第1の導電層606bは、トランジスタ610a、トランジスタ610bそれぞれのソース電極層又はドレイン電極層に、接続されている。すなわち、記憶素子はそれぞれひとつのトランジスタに接続されている。また、有機化合物を含む層612が第1の導電層606a、606bおよび隔壁層(絶縁層)607a、607b、607cを覆うように全面に形成されているが、各メモリセルに選択的に形成されていてもよい。なお、記憶素子615a、615bは上記実施の形態で示した材料または作製方法を用いて形成することができる。
第1の導電層606a、606bと、第2の導電層613に電圧を印加することにより、有機化合物を含む層612に電流が流れる。よって、ジュール熱によって有機化合物を含む層612の温度は上昇して、流動化し、流動性を有する組成物は固体状態の形状を維持せずに移動する。よって、有機化合物を含む層612の膜厚は不均一となり、有機化合物を含む層612が変形し、第1の導電層606a、606bと第2の導電層613とが短絡する。よって、電圧印加前後での記憶素子の導電性が変化する。
データの読み出しは前述のように、各記憶素子における導電性の変化を読み出すことで行われる。
また、記憶素子615aにおいて、第1の導電層606aと有機化合物を含む層612、もしくは有機化合物を含む層612と第2の導電層613との間に整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子とは、ゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、又はダイオードである。例えば、N型半導体層およびP型半導体層を積層させて設けられたPN接合ダイオードを用いることができる。このように、整流性があるダイオードを設けることにより、1つの方向にしか電流が流れないために、誤差が減少し、読み出しマージンが向上する。なお、ダイオードを設ける場合、PN接合を有するダイオードではなく、PIN接合を有するダイオードやアバランシェダイオード等の、他の構成のダイオードを用いてもよい。なお、記憶素子615bにおいても同様である。
容量素子670は、第1の導電層606a、606bと同一の層で形成された第1の導電層661上に、隔壁層(絶縁層)607d、隔壁層(絶縁層)607e、有機化合物を含む層612と同一の層で形成された有機化合物を含む層662及び第2の導電層613と同一の層で形成された第2の導電層663が積層して設けられている。また、第2の導電層663を覆って保護膜として機能する絶縁層614が形成されている。さらに、第2の導電層663は第1の導電層661とは分離された導電層664を通して配線665と接続され、配線665を通して他の回路に接続される。このような構造をとることにより、トランジスタや配線の直上に容量素子を配することが可能となる。
また、素子形成層635と記憶素子部625と容量素子670とを含む基板600と、アンテナとして機能する導電層643が設けられた基板646は、接着性を有する樹脂645により貼り合わされている。そして、素子形成層635と導電層643とは樹脂645中に含まれる導電性微粒子644を介して電気的に接続されている。また、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合を行う方法を用いて素子形成層635と記憶素子部625と容量素子670とを含む基板600と、アンテナとして機能する導電層643が設けられた基板646とを貼り合わせてもよい。
アンテナとして機能する導電層643の材料としては、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金等を用いることができる。また、導電層643の形成方法は、蒸着、スパッタ、CVD法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の各種印刷法または液滴吐出法等を用いることができる。
このように、配線もしくはトランジスタの直上に容量素子を配した記憶装置およびアンテナを備えたRFIDチップを形成することができる。また、本実施の形態では、基板上に薄膜トランジスタを形成して素子形成層を設けることもできるし、基板としてSi等の半導体基板を用いて、基板上に電界効果トランジスタを形成することによって素子形成層を設けてもよい。また、基板としてSOI基板を用いて、その上に素子形成層を設けてもよい。この場合、SOI基板はウェハの貼り合わせによる方法や酸素イオンをSi基板内に打ち込むことにより内部に絶縁層を形成するSIMOXと呼ばれる方法を用いて形成すればよい。
さらには、記憶素子部および容量素子を、アンテナとして機能する導電層が設けられた基板に設けてもよい。またトランジスタに接続するセンサを設けてもよい。
なお、本実施の形態では、アクティブマトリクス型のメモリの場合の適用例を説明したが、公知の方法で作られたパッシブマトリクス型のメモリにおいても、同様に適用が可能である。
図17(A)はパッシブマトリクス型で構成される記憶装置を有するRFIDチップの上面図であり、記憶素子の上部電極および本発明の容量における上部電極として用いられる導電層とアンテナとして機能する導電層とが形成される位置を上面から見た図である。図17(A)では基板1000上にメモリ1201、アンテナ回路1005、電源回路1009を有する。図示しないが、これらの回路以外に制御回路、クロック発生回路を有し、データ変調/復調回路、センサ、インターフェース回路などを有していてもよい。
メモリ1201はメモリセル1202を複数配置して構成されたメモリセルアレイ1203を有し、メモリセル1列分をまたぐ形状で導電層1204がメモリセルの行数分形成される。導電層1204は、導電層1008、1011、1014、1016、1018、1020、1022と同一の材料、同一のプロセスで同時に形成される。
なお、図17(A)では導電層1204はメモリセル1列分をまたぐ形状で形成されているが、この形状には限定されず、メモリセル1行分をまたぐ形状で形成してもよい。
図17(B)に示すのは、パッシブマトリクス型の記憶装置が有する一構成例である。メモリセル1202がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ1203、カラムデコーダ1226aと読み出し回路1226bとセレクタ1226cを有するビット線駆動回路1226、ロウデコーダ1224aとレベルシフタ1224bを有するワード線駆動回路1224、書き込み回路等を有し外部とのやりとりを行うインターフェース1223を有している。なお、ここで示すメモリ1201の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
メモリセル1202は、ワード線Wy(1≦y≦n)を構成する第1の導電層と、ビット線Bx(1≦x≦m)を構成する第2の導電層と、有機化合物を含む層とを有する。有機化合物を含む層は、第1の導電層と第2の導電層の間に単層または積層して設けられている。
図17(A)において、AB間の断面の構成を示した図が図18である。図18に、パッシブマトリクス型で構成される記憶装置を有する半導体装置を示す。基板1500上にトランジスタ1520a、1520bを有するトランジスタ部1540、トランジスタ1550a、1550bを有するトランジスタ部1560、絶縁層1501a、1501b、1508、1509、1511、1516、1514を含む素子形成層1535が設けられる。また、素子形成層1535の上方に記憶素子部1525、記憶素子と同一の材料を用いて形成した容量素子1570、アンテナとして機能する導電層1543が設けられている。
なお、ここでは素子形成層1535の上方に記憶素子部1525、容量素子1570、アンテナとして機能する導電層1543を設けた場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子部1525、容量素子1570、アンテナとして機能する導電層1543を、素子形成層1535の下方の層に設けることも可能である。
記憶素子部1525は、記憶素子1515a、1515bで構成される。記憶素子1515aは、第1の導電層1506上に、隔壁(絶縁層)1507a、隔壁(絶縁層)1507b、有機化合物を含む層1512a及び第2の導電層1513aが積層して構成される。記憶素子1515bは、第1の導電層1506上に、隔壁(絶縁層)1507b、隔壁(絶縁層)1507c、有機化合物を含む層1512b及び第2の導電層1513bが積層して設けられている。また、第2の導電層1513a、1513bを覆って保護膜として機能する絶縁層1514が形成されている。また、複数の記憶素子1515a、1515bが形成される第1の導電層1506は、配線1530に接続されている。即ち、第1の導電層1506がワード線、第2の導電層1513a、1513bがビット線として機能する。
もちろん、第1の導電層をビット線として用い、第2の導電層をワード線として用いるような構成でもよい。そのように形成した構成例を図19に示す。図19では、第1の導電層1600a、1600bをビット線、第2の導電層1601をワード線として用いている。第1の導電層1600a、1600bと第2の導電層1601の間に形成される有機化合物を含む層1602は記憶素子ごとに分離してもよい。
なお、素子形成層1535、記憶素子部1525、容量素子1570、アンテナとして機能する導電層1543は上記実施の形態で示した材料または作製方法を用いて形成することができる。
また、本実施の形態で作製したRFIDチップを、基板より公知の剥離工程により剥離し、フレキシブルな基板上に接着することで、フレキシブルな基体上に設けることができ、可撓性を有する半導体装置を得ることができる。フレキシブルな基体とは、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなるフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどに相当する。フィルムは、被処理体と加熱処理と加圧処理が行われるものであり、加熱処理と加圧処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。また、基体に接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層に相当する。
本発明の容量素子および有機メモリを本実施形態のように適用することにより、配線もしくはトランジスタの直上に容量素子を形成することができ、そしてその容量素子は有機メモリの形成と同時に形成可能である。このように、配線もしくはトランジスタの直上に容量素子を形成することにより、面積の縮小化、容量が増えることによる特性の向上、およびその双方を満たした記憶装置およびアンテナを備えたRFIDチップが提供される。
(実施の形態5)
本実施の形態では、薄膜トランジスタ、記憶素子、容量素子およびアンテナを含む本発明の半導体装置の作製方法について、図14〜16を参照して説明する。
まず、基板2000上に、下地となる絶縁層2001、2002を形成する(図14(A))。基板2000は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁層を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いるとよい。このような基板2000であれば、その面積や形状に大きな制限はないため、基板2000として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。また、基板2000と絶縁層2001との間に、剥離層を用いれば、薄膜トランジスタを有する層を、導電膜等が形成された基板へ転置することができ、その結果、薄膜トランジスタに接続された導電膜と、転置先の基板上の導電膜との接続を簡便なものとすることができる。
次に、絶縁層2001を1層目として窒化酸化珪素層で形成し、絶縁層2002を2層目として酸化窒化珪素層で形成する。絶縁層2001、2002は、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等)により、珪素の酸化物または珪素の窒化物を含む層を形成する。珪素の酸化物材料とは、珪素(Si)と酸素(O)を含む物質であり、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等が該当する。珪素の窒化物材料とは、珪素と窒素(N)を含む物質であり、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等が該当する。下地となる絶縁層は単層または積層であってもよく、例えば、下地となる絶縁層が3層構造の場合、1層目の絶縁層として酸化珪素層を形成し、2層目の絶縁層として窒化酸化珪素層を形成し、3層目の絶縁層として酸化窒化珪素層を形成するとよい。または、1層目の絶縁層として酸化窒化珪素層を形成し、2層目の絶縁層として窒化酸化珪素層を形成し、3層目の絶縁層として酸化窒化珪素層を形成するとよい。下地となる絶縁層は、基板2000からの不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能する。
次に、絶縁層2002上に非晶質半導体層2003(例えば非晶質珪素を含む層)を形成する(図14(B))。非晶質半導体層2003は、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。続いて、非晶質半導体層2003を公知の結晶化法(レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とレーザ結晶化法を組み合わせた方法等)により結晶化して、結晶質半導体層を形成する。その後、得られた結晶質半導体層を所望の形状にパターニングして、結晶質半導体層2004〜2009を形成する(図14(C))。
結晶質半導体層2004〜2009の作成工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚66nmの非晶質半導体層を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体層上に保持させた後、非晶質半導体層に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体層を形成する。その後、必要に応じてレーザ光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理によって結晶質半導体層2004〜2009を形成する。レーザ結晶化法で結晶質半導体層を形成する場合、連続発振またはパルス発振の気体レーザ又は固体レーザを用いる。気体レーザとしては、エキシマレーザ、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、Ti:サファイアレーザ等を用いる。固体レーザとしては、Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmがドーピングされたYAG、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶を使ったレーザを用いる。
また、結晶化を助長する金属元素を用いて非晶質半導体層の結晶化を行うと、低温で短時間の結晶化が可能となるうえ、結晶の方向が揃うという利点がある一方、金属元素が結晶質半導体層に残存するためにオフ電流が上昇し、特性が安定しないという欠点がある。そこで、結晶質半導体層上に、ゲッタリングサイトとして機能する非晶質半導体層を形成するとよい。ゲッタリングサイトとなる非晶質半導体層には、リンやアルゴンの不純物元素を含有させる必要があるため、好適には、アルゴンを高濃度に含有させることが可能なスパッタ法で形成するとよい。その後、加熱処理(RTA法やファーネスアニール炉を用いた熱アニール等)を行って、非晶質半導体層中に金属元素を拡散させ、続いて、当該金属元素を含む非晶質半導体層を除去する。そうすると、結晶質半導体層中の金属元素の含有量を低減又は除去することができる。
次に、結晶質半導体層2004〜2009を覆うゲート絶縁層2010を形成する(図14(D))。ゲート絶縁層2010は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタ法)により、珪素の酸化物又は珪素の窒化物を含む層を、単層又は積層して形成する。具体的には、酸化珪素を含む層、酸化窒化珪素を含む層、窒化酸化珪素を含む層を、単層又は積層して形成する。
次に、ゲート絶縁層2010上に、第1の導電層と第2の導電層を積層して形成する。第1の導電層は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)により、20〜100nmの厚さで形成する。第2の導電層は、公知の手段により、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電層と第2の導電層は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。第1の導電層と第2の導電層の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル(TaN)層とタングステン(W)層、窒化タングステン(WN)層とタングステン層、窒化モリブデン(MoN)層とモリブデン(Mo)層等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、第1の導電層と第2の導電層を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造に限らず、2層以上の積層構造、または単層構造であってもよい。なお、3層構造の場合は、モリブデン層とアルミニウム層とモリブデン層の積層構造を採用するとよい。
また、本実施の形態では、LDDを設けないシングルドレイン構造のトランジスタを用いているが、これは一例であって公知のものであれば、どのような構造を用いてもよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、ゲート電極として機能する導電層(ゲート電極層とよぶことがある)2011〜2016を形成する(図15(A))。
次に、フォトリソグラフィ法により、レジストからなるマスクを形成して、結晶質半導体層2004〜2009に、イオンドープ法又はイオン注入法により、N型またはP型の所望の不純物領域2017b〜2022bと、チャネル形成領域2017a〜2022aを形成する(図15(B))。例えば、N型を付与する場合、N型を付与する不純物元素として、15族に属する元素を用いれば良い。例えばリン(P)、砒素(As)を用いて不純物元素を添加し、N型の不純物領域を形成する。次に、P型を付与する場合、フォトリソグラフィ法によりレジストからなるマスクを形成して、所望の結晶質半導体層に、P型を付与する不純物元素、例えばボロン(B)を添加して、P型不純物領域を形成する。
次に、ゲート絶縁層2010と導電層2011〜2016を覆うように、絶縁層2023、2024を形成する(図15(C))。絶縁層2023、2024は、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)により、珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ、シロキサン等の有機材料等で形成する。シロキサンとは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基とフルオロ基とを用いてもよい。また、導電層を覆う絶縁層は単層または積層であってもよく、3層構造の場合、1層目の絶縁層に酸化珪素を含む層を形成し、2層目の絶縁層に樹脂を含む層を形成し、3層目の絶縁層に窒化珪素を含む層を形成するとよい。
なお、絶縁層2023、2024を形成する前、又は絶縁層2023、2024のうちの1つ又は複数の薄膜を形成した後に、半導体層の結晶性の回復や半導体層に添加された不純物元素の活性化、半導体層の水素化を目的とした加熱処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザアニール法又はRTA法などを適用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法により絶縁層2023、2024をエッチングして、不純物領域2017b〜2022bを露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電層を形成し、当該導電層をパターン加工して、ソースドレイン配線として機能する導電層2025〜2037を形成する(図15(D))。
導電層2025〜2037は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)により、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ネオジウム(Nd)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電層2025〜2037は、例えば、バリア層とアルミニウムシリコン(Al−Si)層とバリア層の積層構造、バリア層とアルミニウムシリコン(Al−Si)層と窒化チタン(TiN)層とバリア層の積層構造を採用するとよい。なお、バリア層とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電層2025〜2037を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア層を形成すると、結晶質半導体層上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体層と良好なコンタクトをとることができる。
次に、導電層2025〜2037を覆うように、絶縁層2038、2039を形成する(図16(A))。絶縁層2038、2039は、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。
続いて、フォトリソグラフィ法により絶縁層2038、2039をエッチングして、導電層2025〜2037を露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電層を形成する。導電層は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)を用いて、導電性材料により形成する。次に、導電層をパターン加工して、導電層2040〜2044を形成する(図16(A))。なお、導電層2040、2041は、記憶素子が含む一対の導電層のうちの一方の導電層となる。従って、好適には、導電層2040〜2044は、チタン、又はチタンを主成分とする合金材料若しくは化合物材料により、単層又は積層で形成するとよい。チタンは、抵抗値が低いため、記憶素子のサイズの縮小につながり、高集積化を実現することができる。また、導電層2040〜2044を形成するためのフォトリソグラフィ工程においては、下層の薄膜トランジスタにダメージを与えないために、ウエットエッチング加工を行うとよく、エッチング剤にはフッ化水素(HF)又はアンモニア過水を用いるとよい。
次に、導電層2040〜2044を覆うように、絶縁層を形成し、フォトリソグラフィ法により、絶縁層をエッチングして、導電層2040〜2044を露出させるコンタクトホールを形成し、隔壁層(絶縁層)2045〜2049を形成する。隔壁層2045〜2049は、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)を用いて、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。また、隔壁層2045〜2049は、好適には、0.75μm〜3μmの厚さで形成する。
次に、導電層2040、2041、2043に接するように有機化合物を含む層2050、2051を形成する(図16(B))。有機化合物を含む層2050、2051は液滴吐出法、印刷法またはスピンコート法等を用いることができるが、特にスピンコート法を用いることによって作業効率を向上させることができる。スピンコート法を用いた場合、あらかじめマスクを設けておくか、または全面に形成した後にフォトリソグラフ工程等を用いることにより選択的に有機化合物層を設けることができる。また、液滴吐出法や印刷法を用いて行うことによって、材料の利用効率を向上させることができる。
続いて、有機化合物を含む層2050、2051に接するように、導電層2052、2054を、導電層2042に接するように導電層2053を形成する。導電層2052〜2054は、公知の手段(プラズマCVD法、スパッタリング法、印刷法、液滴吐出法)により形成することができる。
次に、導電層2053に接し、アンテナとして機能する導電層2055を形成する(図16(B))。導電層2055は、公知の手段(プラズマCVD法、スパッタリング法、印刷法、液滴吐出法)を用いて、導電性材料により形成する。好ましくは、導電層2055は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。具体的には、導電層2055は、スクリーン印刷法により、銀を含むペーストを用いて形成し、その後、50〜350度の加熱処理を行って形成する。又は、スパッタリング法によりアルミニウム層を形成し、当該アルミニウム層をパターン加工することにより形成する。アルミニウム層のパターン加工は、ウエットエッチング加工を用いるとよく、ウエットエッチング加工後は200〜300度の加熱処理を行うとよい。
次に、導電層2052〜2055を覆うように保護膜として機能する絶縁層2056を設ける(図16(B))。絶縁層2056は、液滴吐出法、印刷法またはスピンコート法等を用いて単層または積層構造で形成することができる。
以上の工程を経て、導電層2040、有機化合物を含む層2050及び導電層2052の積層体からなる記憶素子部と、導電層2041、有機化合物を含む層2050及び導電層2052の積層体からなる記憶素子部と、導電層2043、有機化合物を含む層2051及び導電層2054の積層体からなる容量素子とが完成することができ、アクティブマトリクス型の記憶素子と、容量素子を含む回路とを構成する半導体装置を形成することができる。
本発明の容量素子および有機メモリを本実施形態のように作製することにより、配線もしくはトランジスタの直上に容量素子を形成することができ、そしてその容量素子は有機メモリの形成と同時に形成可能である。このように、配線もしくはトランジスタの直上に容量素子を形成することにより、面積の縮小化、容量が増えることによる特性の向上、およびその双方を満たした記憶装置およびアンテナを備えたRFIDチップが提供される。