JP4937878B2 - 車両用制御装置 - Google Patents
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Description
そして、このような制御装置においては、運転者の運転操作に応じた車両の走行挙動に運転者の意思を適切に反映させつつ、燃費を向上させることが望まれている。
この実施形態による車両用制御装置10は、例えば図1に示すように、駆動源として内燃機関Eを搭載した車両1を制御するものであって、内燃機関Eの駆動力はトランスミッションTを介して駆動輪Wに伝達される。
車両用制御装置10は、例えば処理装置11と、DBW(Drive By Wire)ドライバ12と、DBW駆動部13とを備えて構成されている。
この車両1において内燃機関Eの吸気系は吸入空気量を調整するスロットル弁(図示略)を備え、このスロットル弁の弁開度(スロットル開度)は、DBWドライバ12およびDBW駆動部13を介して、処理装置11により電子制御される。
また、DBW駆動部13は、スロットル弁のスロットル開度を検出するセンサ(図示略)を備え、このセンサの出力値(TH開度検出値)をDBWドライバ12に出力し、DBWドライバ12は、TH開度検出値に基づき、TH開度指令に対応した実際のスロットル開度(実TH開度)を算出し、この実TH開度を処理装置11に出力する。
そして、FIECU21は、例えば各種のマップ等を記憶する記憶部22を備えている。
前処理部51は、例えばアクセルペダルセンサ32から出力されるアクセルペダル開度APの検出信号を入力信号AP(in)として、この入力信号AP(in)に対して、例えば所定のノイズ除去処理を実行し、ノイズ除去処理後の信号を微分処理部52に出力する。
微分処理部52は、前処理部51から出力される信号(つまり、ノイズが除去されたアクセルペダル開度APの検出信号)に対して微分処理を行い、微分処理後の信号(AP微分値の信号)を後処理部53に出力する。このAP微分値の信号は、直流分が除去されているため、例えば図3に示すように、ゼロを中心として変化する信号となる。
後処理部53は、微分処理部52から出力されるAP微分値の信号に対して、例えば所定のノイズ除去処理を実行し、ノイズ除去処理後の信号を周期算出部54に出力する。
周波数算出部55は、周期算出部54にて算出された周期Tの2倍の値(2T)に基づき、周波数Fn(=1/2T)を算出する。
目標変速比取得部61は、車速センサ31から出力される車速Vと、アクセルペダルセンサ32から出力されるアクセルペダル開度APとに基づき、例えば予め設定された所定マップに対するマップ検索等により、目標変速比R(例えば、トランスミッションTでの減速比に対する目標値等)を取得する。
なお、この所定マップは、例えば車速Vおよびアクセルペダル開度APと、目標変速比Rとの所定の対応関係を示すマップであって、例えば図4に示すように、車速Vの減少に伴い、あるいは、アクセルペダル開度APの増大に伴い、目標変速比Rが増大傾向に変化するように設定されている。
なお、この所定マップは、例えば車速Vおよび目標変速比Rと、設定周波数Fcとの所定の対応関係を示すマップであって、例えば図5に示すように、車速Vおよび目標変速比Rの増大に伴い、設定周波数Fcが増大傾向に変化するように設定されている。
そして、設定周波数Fcは、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作のうち、車両1の走行挙動に影響を与えない(つまり、車両1の走行挙動に対する影響が所定程度未満となる)高周波数成分を減衰または除去するための下限閾周波数である。
なお、所定程度未満の影響とは、例えば、車両1の推進力に寄与しない程度の加速度が発生すること、あるいは、車両1の乗員が認識することができない程度の加速度が発生すること等である。
周波数差分算出部71は、周波数算出部41から出力される周波数Fnと、設定周波数算出部42から出力される設定周波数Fcとの周波数差分ΔF(=Fn−Fc)を算出する。
なお、この所定マップは、例えば設定周波数Fcと、補正係数kとの所定の対応関係を示すマップであって、例えば図6に示すように、設定周波数Fcの増大に伴い、補正係数kが減少傾向に変化するように設定されている。
なお、この所定マップは、例えば周波数差分ΔFと補正係数kとを乗算して得た値(ΔF×k)と、設定パラメータGとの所定の対応関係を示すマップであって、周波数差分ΔFがゼロ以上(ΔF≧0)であれば、例えば図7に示すように、値(ΔF×k)の増大に伴い、設定パラメータGが所定値に収束するようにしてゼロから増大傾向に変化するように設定されている。そして、周波数差分ΔFがゼロ未満(ΔF<0)であれば、設定パラメータGはゼロとされている。
ここで、フィルタ処理部44の減衰対象となる入力信号AP(in)の周波数成分(つまり、設定周波数Fcよりも高い周波数成分)は、設定周波数Fcよりも周波数が高くなることに伴い、減衰量が増大傾向に変化するようになっている。
次に、ステップS02においては、後述する設定周波数算出処理として、入力信号AP(in)および車速Vに基づき設定周波数Fcを算出する。
次に、ステップS03においては、後述する低域通過フィルタ処理として、周波数差分ΔFと補正係数kとを乗算して得た値(ΔF×k)に基づき設定パラメータGを算出し、この設定パラメータGに応じて入力信号AP(in)にフィルタ処理を行い、このフィルタ処理後の出力信号AP(out)を出力し、一連の処理を終了する。
先ず、例えば図9に示すステップS11においては、アクセルペダルセンサ32から出力されるアクセルペダル開度APの信号を入力信号AP(in)として、この入力信号AP(in)に対して、例えば所定のノイズ除去処理を実行すると共に、微分処理を行い、例えば図3に示すように、直流分が除去されてゼロを中心として変化する信号を取得する。
そして、ステップS13においては、周期Tの2倍の値(2T)に基づき、周波数Fn(=1/2T)を算出し、一連の処理を終了する。
先ず、例えば図10に示すステップS21においては、車速センサ31から出力される車速Vと、アクセルペダルセンサ32から出力されるアクセルペダル開度APとに基づき、例えば予め設定された所定マップに対するマップ検索等により、目標変速比R(例えば、トランスミッションTでの減速比に対する目標値等)を取得する。
先ず、例えば図11に示すステップS31においては、周波数Fnと設定周波数Fcとの周波数差分ΔF(=Fn−Fc)を算出する。
そして、ステップS32においては、設定周波数Fcに基づき、例えば予め設定された所定マップに対するマップ検索等により、周波数差分ΔFを補正する補正係数kを取得する。
そして、ステップS34においては、設定パラメータG、つまり低域通過フィルタ(LPF)を調整するパラメータに基づき、入力信号AP(in)にフィルタ処理を行い、このフィルタ処理後の出力信号AP(out)を出力し、一連の処理を終了する。
これに伴い、入力信号AP(in)の周波数が設定周波数Fcに到達する時刻t1以前においては、入力信号AP(in)と出力信号AP(out)とが同等の波形となる。
そして、入力信号AP(in)の周波数が設定周波数Fcに到達する時刻t1以降においては、出力信号AP(out)の振幅が減衰される。
そして、入力信号AP(in)の周波数が設定周波数Fcに到達する時刻t1以降においては、入力信号AP(in)に対して出力信号AP(out)の位相に遅れが生じる。
これに対して、例えば図13に示す第1比較例のように、設定パラメータGによる調整が行われず、適宜のカットオフ周波数よりも高い周波数成分を減衰または除去する、従来技術に係る低域通過フィルタでは、入力信号AP(in)の周波数がカットオフ周波数(例えば、図13の第1比較例では実施例の設定周波数Fcと同等の値)に到達する時刻t1以前においても、入力信号AP(in)に対して出力信号AP(out)の位相に遅れが生じてしまうという問題が生じる。
これに伴い、例えば図17に示すように、実施例に比べて、周波数の全域に亘って相対的に大きな応答遅れが生じてしまう第1比較例では、この応答遅れを修正するようにして運転者による過剰なアクセルペダル操作が行われることになり、単位時間当たりのアクセルペダル操作量が不必要に増大してしまうという問題が生じる。
これに対して、実施例では、設定周波数Fcよりも高い周波数成分、つまり車両1の走行挙動に対する影響が所定程度未満となる不要な高周波数成分に対して応答遅れが生じるだけであるから、運転者による過剰なアクセルペダル操作は行われず、例えば第2比較例のように、入力信号AP(in)に対して適宜の低域通過フィルタによるフィルタ処理を行わない場合の単位時間当たりのアクセルペダル操作量と同等の変化を示し、フィルタ処理部44でのフィルタ処理によって、例えばアクセルペダルの操作性が劣化してしまうことを防止することができる。
すなわち、運転者によるアクセルペダル操作の信号(入力信号AP(in))のうち、設定周波数Fcよりも高い周波数成分を減衰または除去することにより、車両1の走行挙動に影響を与えない(つまり、車両1の走行挙動に対する影響が所定程度未満となる)不要な高周波数成分を適切に減衰または除去することができ、車両1の走行挙動に寄与しない不要な燃料消費が生じてしまうことを防止し、燃費を向上させることができる。
しかも、この設定周波数Fcを、例えば車速Vおよび目標変速比Rに応じて設定することから、減衰または除去する周波数成分を車両1の走行状態に応じて適切に設定することができる。
このハイブリッド車両2は、例えば内燃機関Eと、電動機Mと、トランスミッションTとを直列に直結したパラレル型のハイブリッド車両であり、内燃機関Eおよび電動機Mの両方の駆動力は、トランスミッションTを介して駆動輪Wに伝達される。また、ハイブリッド車両2の減速時に駆動輪W側から電動機M側に駆動力が伝達されると、電動機Mは発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。さらに、ハイブリッド車両2の運転状態に応じて、電動機Mは内燃機関Eの出力によって発電機として駆動され、発電エネルギーを発生するようになっている。
パワードライブユニット14は、例えばトランジスタのスイッチング素子を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路を具備するパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータを備えて構成されている。
そして、パワードライブユニット14は、処理装置11からの制御指令を受けて電動機Mの駆動および発電を制御する。例えば電動機Mの駆動時には、処理装置11から出力されるトルク指令に基づき、高圧バッテリ15から出力される直流電力を3相交流電力に変換して電動機Mへ供給する。一方、電動機Mの発電時には、電動機Mから出力される3相交流電力を直流電力に変換して高圧バッテリ15を充電する。
処理装置11により電力変換動作が制御されるDC−DCコンバータ17は、例えば双方向のDC−DCコンバータであって、高圧バッテリ15の端子間電圧、あるいは、電動機Mを回生作動または昇圧駆動した際のパワードライブユニット14の端子間電圧を、所定の電圧値まで降圧して12Vバッテリ16を充電すると共に、高圧バッテリ15の残容量(SOC:State Of Charge)が低下している場合には、12Vバッテリ16の端子間電圧を昇圧して高圧バッテリ15を充電可能である。
12 DBWドライバ(吸入空気量調整手段)
13 DBW駆動部(吸入空気量調整手段)
21 FIECU(吸入空気量調整制御手段)
22 記憶部(アクセル操作変化記憶手段)
31 車速センサ(車速検出手段)
32 アクセルペダルセンサ(アクセル操作検出手段)
41 周波数算出部(周波数算出手段)
43 設定パラメータ算出部(調整手段)
44 フィルタ処理部(フィルタ手段)
61 目標変速比取得部(変速比取得手段)
Claims (2)
- 車両の駆動力を発生する内燃機関の吸気系において吸入空気量を調整する吸入空気量調整手段を具備する車両の車両用制御装置であって、
運転者によるアクセル操作を検出するアクセル操作検出手段と、
前記吸入空気量調整手段の動作を制御する吸入空気量調整制御手段と、
前記アクセル操作検出手段から出力される前記アクセル操作の信号から周波数を算出する周波数算出手段とを備え、
前記吸入空気量調整制御手段は、前記アクセル操作検出手段から出力される前記アクセル操作の信号と、前記周波数算出手段により算出された前記周波数とに基づき、前記吸入空気量調整手段の動作を制御しており、
前記アクセル操作検出手段から出力される前記アクセル操作の信号の周波数が所定の設定周波数よりも高いときには、前記設定周波数よりも高い高周波数成分を減衰または除去し、該高周波数成分が減衰または除去された前記アクセル操作の信号に基づき、前記吸入空気量調整手段の動作を制御し、
車両の速度を検出する車速検出手段と、
前記内燃機関の駆動力を駆動輪に伝達する変速機の変速比を取得する変速比取得手段とを備え、
前記吸入空気量調整制御手段は、前記設定周波数を、前記車速検出手段により検出される速度と、前記変速比取得手段により取得される変速比とに基づき、前記速度および前記変速比の増大に伴い、前記設定周波数が増大傾向に変化するように設定し、かつ前記設定周波数よりも高い高周波数成分を減衰させる際に、前記アクセル操作の信号の周波数が前記設定周波数よりも高くなるにつれて減衰量を増大させており、
前記アクセル操作検出手段から出力される前記アクセル操作の信号を入力信号として、前記入力信号のうち所定の設定周波数よりも高い周波数成分を減衰または除去して得た信号を出力信号として出力するフィルタ手段と、
前記周波数算出手段により算出された前記周波数と、前記設定周波数とに基づき、前記フィルタ手段を調整する調整手段とを備え、
該調整手段は、前記周波数と前記設定周波数との差分がゼロ以上である場合に、前記設定周波数の増大に伴い減少傾向に変化する補正係数と前記差分とを乗算して得られる乗算値の増大に伴い所定値に収束するようにゼロから増大傾向に変化し、かつ前記差分がゼロ未満である場合にゼロとなる設定パラメータを導出し、
該設定パラメータがゼロの場合には、前記入力信号と前記出力信号との振幅および位相が等しくなるように前記フィルタ手段を調整し、
前記設定パラメータがゼロ以外の場合には、該設定パラメータに応じた前記減衰量にて前記出力信号の振幅が減衰され、かつ前記入力信号に対して前記出力信号の位相に遅れが生じるように前記フィルタ手段を調整することを特徴とする車両用制御装置。 - 車両の速度を検出する車速検出手段と、
前記内燃機関の駆動力を駆動輪に伝達する変速機の変速比を取得する変速比取得手段とを備え、
前記調整手段は、前記設定周波数を、前記車速検出手段により検出される速度と、前記変速比取得手段により取得される変速比とに基づき設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
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