JP4845676B2 - 電動車両とこれに搭載される電源装置 - Google Patents

電動車両とこれに搭載される電源装置 Download PDF

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Description

本発明は、走行用のモータとこれに電力を供給する電源装置を搭載する電動車両と、この電動車両に搭載される電源装置に関する。
モータで走行する電気自動車、あるいはモータとエンジンの両方で走行するハイブリッドカー等の電動車両は、電池を電池箱に収納している電源装置を搭載する。この電源装置は、モータで自動車を走行させるので出力を大きくするために、多数の電池を直列に接続して出力電圧を高くしている。たとえば、電動車両に搭載される電装用のバッテリの電圧は、ほとんど例外なく12Vであるが、走行用のモータを駆動する電源装置の出力電圧は、一般的には200V以上と極めて高電圧である。
現在市販されているハイブリッドカーは、モータ出力を数十kW、電源装置の出力電圧を200〜300Vの範囲としている。電源装置は、このような大出力に耐えるように設計されるので、万一、自動車の衝突事故等で破損して内部でショートすると、極めて大きな電流が流れて車両火災等の原因となる。このような弊害を防止するために、電動車両のクラッシャブルゾーンに搭載される電源装置であって、クラッシュするときに破壊される状態をコントロールする電源装置が開発されている(特許文献1参照)。
特開2003−45392号公報
この公報に記載される電源装置は、ケースを前方の電池収納部と後方の衝撃吸収部に分割している。この電源装置は、クラッシャブルゾーンにあって、後方から追突されるときには、衝撃吸収部を前方の電池収納部の下に押し込む状態として、衝撃を吸収しながらクラッシュする構造としている。すなわち、衝撃吸収部を電池収納部の下に押し込んで、電池収納部を水平な姿勢から垂直方向に傾動させて、安全性を確保しながらクラッシュさせる。
以上の電源装置は、複数に分割してクラッシュさせる構造で、衝撃を吸収して安全性を向上する。ただ、このことを実現するには、クラッシュのときに確実に分割されるように、電池箱を複数に分割して製作する必要があり、しかも、衝撃で破壊される独特の複雑な連結構造とする必要があって、製造コストが極めて高くなる欠点がある。また、電池収納部と衝撃吸収部の連結部を、特定の衝撃で確実に分離されるように製作するのが難しく、このことによっても製造コストは高くなる。さらに、分割して別々に製作される電池収納部と衝撃吸収部は、分離されない状態で防水構造とする必要がある。このため、衝撃で分離される連結部を含む状態で防水構造とする必要があり、連結部の防水構造も複雑になる。
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、構造を簡単にして製造コストを低減しながら、クラッシュによる破壊を有効に防止して、安全性を向上し、さらに耐衝撃強度も向上できる電源装置を搭載する電動車両とこれに搭載される電源装置を提供することにある。
本発明の電動車両は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
電動車両は、車両後部のクラッシャブルゾーン21に、車両走行用のモータ26に電力を供給する電源装置20を搭載している。電源装置20は、電池箱2と、この電池箱2に内蔵している複数の二次電池1とを備える。電池箱2は、車両後部面に、所定の間隔で複数の縦枠ロッド3を垂直姿勢に固定している。各々の縦枠ロッド3の上端には、電池箱2の上面に、車両の前後方向を向く姿勢で固定している上部の水平ロッド4Aを連結している。また、縦枠ロッド3の下端には、電池箱2の下面に、車両の前後方向を向く姿勢で固定している下部の水平ロッド4Bを連結している。上部の水平ロッド4Aと下部の水平ロッド4Bは、電池箱2を上下に貫通する連結ボルト5で互いに連結している。
本発明の請求項2の電動車両は、請求項1の構成に加えて、車両の後部のクラッシャブルゾーン21の床下に設けている収納部23に電源装置20を配設している。
また、本発明の請求項3の電動車両は、請求項1の構成に加えて、電源装置20の縦枠ロッド3を角パイプとし、水平ロッド4を溝型鋼とするので、縦枠ロッド3と水平ロッド4を軽くしながら、強靱な構造にできる。
また、本発明の請求項4の電動車両は、請求項1の構成に加えて、水平ロッド4の間に電池箱2の電池を冷却する冷却ダクト6を設けている。この構造によると、冷却ダクト6の間にできる無駄なスペースを有効に利用して、水平ロッド4を固定できるので、電池箱2を大きくすることなく、とくに上下寸法を大きくすることなく、水平ロッド4で補強できる。
本発明の電動車両用の電源装置は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
電動車両用の電源装置は、車両後部のクラッシャブルゾーン21に搭載されて、車両走行用のモータ26に電力を供給する。電源装置は、電池箱2と、この電池箱2に内蔵している複数の二次電池1とを備える。電池箱2は、車両後部面に、所定の間隔で複数の縦枠ロッド3を垂直姿勢に固定している。各々の縦枠ロッド3の上端には、電池箱2の上面に、車両の前後方向を向く姿勢で固定している上部の水平ロッド4Aを連結している。また、縦枠ロッド3の下端には、電池箱2の下面に、車両の前後方向を向く姿勢で固定している下部の水平ロッド4Bを連結している。上部の水平ロッド4Aと下部の水平ロッド4Bは、電池箱2を上下に貫通する連結ボルト5で互いに連結している。
また、本発明の請求項6の電源装置は、請求項5の構成に加えて、水平ロッド4の間に電池箱2の電池を冷却する冷却ダクト6を設けている。この構造によると、冷却ダクト6の間にできる無駄なスペースを有効に利用して、水平ロッド4を固定できるので、電池箱2を大きくすることなく、とくに上下寸法を大きくすることなく、水平ロッド4で補強できる。
本発明の電動車両と電源装置は、構造を簡単にして製造コストを低減しながら、クラッシュによる破壊を有効に防止して、安全性を向上し、さらに耐衝撃強度も向上できる特徴がある。それは、本発明の電動車両と電源装置が、複数の二次電池を内蔵している電池箱の車両後部面に、所定の間隔で複数の縦枠ロッドを垂直姿勢に固定し、複数の縦枠ロッドの上端には、車両の前後方向を向くように上部の水平ロッドを連結し、縦枠ロッドの下端には、車両の前後方向を向くように下部の水平ロッドを連結し、上部の水平ロッドと下部の水平ロッドを、電池箱を上下に貫通する連結ボルトで互いに連結して、縦枠ロッドと水平ロッドとで補強しているからである。この構造の電源装置は、追突時の衝撃荷重を複数の縦枠ロッドで分担し、電池箱の上下に固定している複数の水平ロッドに効率よく分散し、クラッシュによる衝撃荷重を縦枠ロッドから水平ロッドに伝達する構造によって、衝突に対して優れた衝撃吸収構造を実現して、電池箱の破損を効果的にして安全性を向上する。とくに、この構造は、電池箱に独特の構造で縦枠ロッドと水平ロッドを固定して、衝撃荷重による電池箱の損傷を防止するので、電池箱自体を重くて強靱な構造とすることなく、全体を軽くしながら、衝撃荷重による電池箱の損傷を効果的に防止できる。
また、本発明の請求項4の電動車両と請求項6の電源装置は、請求項1と請求項5の構成に加えて、水平ロッドの間に電池箱の電池を冷却する冷却ダクトを設けているので、冷却ダクトの間にできる溝状のスペースを有効に利用して、水平ロッドを固定でき、電池箱の外形を大きくすることなく、水平ロッドで補強できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための電動車両と電動車両用の電源装置を例示するものであって、本発明は電動車両と電源装置を以下のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1は、電動車両であるハイブリッドカーを示す。ただし、本発明は、電動車両を電気自動車とすることもできる。この図の電動車両は、車両を走行させるエンジン25に加えてモータ26を備える。エンジン25とモータ26は、車両の制御回路(図示せず)に制御されて車両を走行させる。電動車両は、図1に示すように、モータ26に電力を供給するために、充電できる電池を内蔵する電源装置20を、車両のクラッシャブルゾーン21に搭載している。この電源装置20は、内蔵する電池からモータ26に電力を供給する。電池の残容量が少なくなると、車両に搭載している発電機27で充電される。発電機27は、エンジン25で駆動され、さらに車両を回生制動するときのエネルギーで駆動される。
車両は、搭乗者を載せるシートのあるキャビン22の前後に、追突時の衝撃荷重を吸収してキャビン22の変形を最小限にするクラッシャブルゾーン21を設けている。クラッシャブルゾーン21は、追突時の衝撃で変形して、キャビン22の変形を防止する領域である。本発明の電源装置は、車両のクラッシャブルゾーン21、とくにキャビン22の後方、すなわち車両の後部に設けられクラッシャブルゾーン21に搭載される。
車両は、キャビン22の後方のクラッシャブルゾーン21の床下に、電源装置20の収納部23を設けている。図に示す電動車両は、後部のクラッシャブルゾーン21の床下にスペアタイヤ収容室を設けている。この電動車両は、このスペアタイヤ収容室を電源装置20の収納部23として、スペアタイヤに代わって電源装置20を収納している。近年、パンクしても走行できるランフラットタイヤが開発され、このタイヤを装着して、スペアタイヤを省略できる。したがって、タイヤをランフラットタイヤとする車両は、スペアタイヤ収容室にスペアタイヤに代わって電源装置20を搭載できる。この電動車両は、スペアタイヤ収容室を有効に利用して、電源装置20を搭載できる。ただ、本発明の電源装置は、必ずしもスペアタイヤ収容室に収納する必要はなく、車両の後部のクラッシャブルゾーンの床下に電源装置の収納部を設けて、ここに固定することができる。
クラッシャブルゾーン21に搭載される電源装置20は、クラッシュの衝撃で破損しない強度が要求される。電源装置は、電池箱に複数の電池を収納しているので、追突時の衝撃荷重で電池箱が破損するのを確実に防止する独特の構造としている。図2ないし図6の電池箱2は、車両後部面に、所定の間隔で複数の縦枠ロッド3を垂直姿勢に固定している。これらの図の電池箱2は、車両後部面に、4本の縦枠ロッド3を固定している。ただし、電池箱は、5本以上の縦枠ロッドを固定することも、また、太くて強靱な2本または3本の縦枠ロッドを電池箱の後部面に固定することもできる。縦枠ロッド3は、金属製の角パイプである。この縦枠ロッド3は、軽くて衝撃荷重に強い特徴がある。ただ、縦枠ロッドには、円パイプや中空でない金属ロッドも使用できる。縦枠ロッド3は、電池箱2の後部面に接触して固定されて、上下を電池箱2の上下に突出させている。
さらに、電源装置20は、各々の縦枠ロッド3の上端を、電池箱2の上面に車両の前後方向を向く姿勢で固定している上部の水平ロッド4Aに連結し、かつ縦枠ロッド3の下端を、電池箱2の下面に車両の前後方向を向く姿勢で固定している下部の水平ロッド4Bに連結している。電池箱2の上面と下面に固定される水平ロッド4は、金属製の溝型鋼であるチャンネル材である。電池箱2の上に固定される水平ロッド4であるチャンネル材は、溝の開口部を上に向けて固定される。また、電池箱2の下に固定される水平ロッド4であるチャンネル材は、溝の開口部を下に向けて固定される。チャンネル材は、軽くて曲げ強度に優れる特徴がある。また、上下の水平ロッド4を貫通して連結する連結ボルト5を挿通して、ボルト頭5Aを溝内に収納できる。ただし、水平ロッドには、金属パイプや中空でない金属ロッドも使用できる。とくに、水平ロッドは、縦方向に衝撃荷重が作用するので、非中空の金属ロッドを使用して、衝撃荷重に対する強度を大きくできる。
水平ロッド4は、縦枠ロッド3の上下端に連結されるので、電池箱2の上下の対向する位置に車両の前後方向となる姿勢で互いに平行に固定される。図の電源装置20は、4本の縦枠ロッド3を電池箱2に固定しているので、4本の水平ロッド4を電池箱2の上面に固定して、4本の水平ロッド4を電池箱2の下面に固定している。すなわち、電池箱2の上下に固定される水平ロッド4は、縦枠ロッド3と同じ本数となる。図の電源装置20は、電池箱2の上下に電池の冷却ダクト6を設けている。冷却ダクト6の間にできる溝型のスペースに水平ロッド4を設けている。いいかえると、水平ロッド4の間に冷却ダクト6を設けている。この構造は、上下の寸法を大きくしないで、水平ロッド4を固定できる。
角パイプの縦枠ロッド3と、チャンネル材の水平ロッド4は、図7の斜視図と図8の拡大断面図で示す構造で連結される。角パイプの縦枠ロッド3は、上下端を水平ロッド4に向かって全長を長くする方向に傾斜して切断している。縦枠ロッド3は、水平ロッド4の両端に当接して、連結金具7を介して連結される。図に示す連結金具7はU字型金具である。U字型金具である連結金具7は、両側プレート部7Bをチャンネル材である水平ロッド4に溶接して固定し、底面プレート部7Aを、縦枠ロッド3の水平ロッド4との当接面に止ネジ8で固定している。この連結構造は、縦枠ロッド3に作用する衝撃荷重を水平ロッド4の端面で支持するので、縦枠ロッド3の衝撃荷重を有効に水平ロッド4に伝達して分散できる。ただ、連結金具は、図示しないが、L金具とすることもできる。L金具である連結金具は、たとえば、チャンネル材である水平ロッドに水平片を止ネジで固定し、縦枠ロッドの水平ロッドとの当接面に垂直片を止ネジで固定することができる。
電池箱2に固定される上部の水平ロッド4Aと下部の水平ロッド4Bは、電池箱2を上下に貫通する連結ボルト5で互いに連結される。連結ボルト5は、上部の水平ロッド4Aと電池箱2と下部の水平ロッド4Bに設けた貫通孔9に挿通され、先端にナット5Bをねじ込んで連結される。電池箱2は、連結ボルト5を挿通する部分に電池1を配置せず、電池1の間に隙間を設けてここに連結ボルト5を挿通している。縦枠ロッド3と水平ロッド4を固定している電源装置20は、そのままの状態で、あるいはこれを金属製の外ケース(図示せず)に入れて、車両のクラッシャブルゾーン21に設けた収納部23に搭載される。
電源装置20は、図4と図6に示すように、電池箱2内に複数の充電できる電池1を収納している。電池1は、ニッケル水素電池である。ただし、電池には、リチウムイオン二次電池やニッケルカドミウム電池等の充電できる全ての電池とすることができる。電池1は、複数の素電池を直列に直線状に連結した電池モジュールの状態で、電池箱2に収納される。電池モジュールは、たとえば4個の素電池を直線状に連結している。ただ、電池モジュールは、3個以下、あるいは5個以上の素電池を連結することもできる。図の電池モジュールは、円筒型電池を直線状に連結して円柱状としている。
電池1である電池モジュールは、電池箱2に収納されて、バスバー(図示せず)で直列に接続される。バスバーは、電池箱2のエンドプレート(図示せず)に固定される。エンドプレートは、電池モジュールの両端面に位置して配設される。エンドプレートは、プラスチック等の絶縁材で成形されて、電池モジュールの両端に設けている電極端子に固定されるバスバーを定位置に連結している。バスバーは隣接する電池モジュールを直列に接続する金属板である。エンドプレートは、バスバーをネジ止して電池モジュールに固定されて、電池箱2の定位置に固定される。
図4と図6に示す電源装置20は、複数の電池1を電池箱2に5段に積層して収納している。図の電源装置20は、電池1を5段に収納するが、本発明の電源装置は、電池を7段以上に収納することもできる。電池箱2は、電池1の積層方向、図において上下の中間で、第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bに分割している。図の電池箱2は、第1のホルダーケース2Aを下段に、第2のホルダーケース2Bを上段に配設している。分割された第1のホルダーケース2Aは、第2のホルダーケース2Bよりも多段に電池1を収納している。図の電池箱2は、第1のホルダーケース2Aには3段に、第2のホルダーケース2Bには2段に電池1を収納している。このように、下段に配設する第1のホルダーケース2Aが、上段に配設する第2のホルダーケース2Bよりも多段に電池1を収納する電源装置20は、重心を下方に位置させて、安定して支持できる特長がある。また、第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bは、横に6列に電池1を並べて収納している。ホルダーケース2は、全ての電池1を平行な姿勢として、多段、多列に並べて収納している。ただ、ホルダーケースは、7列以上に、あるいは5列以下に電池を並べて収納することもできる。
電池箱2は、図6に示すように、分割された第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bの間に、冷却風を送風するための中間ダクト10を設けている。また、第1のホルダーケース2Aの外側である下方には、第1の冷却ダクト6Aを設け、第2のホルダーケース2Bの外側である上方には、第2の冷却ダクト6Bを設けている。以上の構造によって、電池箱2は、第1の冷却ダクト6Aと第2の冷却ダクト6Bとの間に、分割された第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bを配設し、さらに、第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bの間に中間ダクト10を配設している。ホルダーケース2は、中間ダクト10と冷却ダクト6に冷却風を送風できるように、中間ダクト10に連結して、また冷却ダクト6に連結して、冷却風の流入口11と排出口12を開口している。
図6の電源装置は、中間ダクト10からホルダーケース2に冷却風を通過させて、冷却ダクト6から排気して、ホルダーケース2内の電池1を冷却する。この電源装置は、中間ダクト10に連結する流入口11と、冷却ダクト6に連結する排出口12を電池箱2に設けている。さらに、図の電源装置は、中間ダクト10に冷却風を強制送風する冷却ファン13を、ホルダーケース2の流入口11に連結している。図の電源装置は、冷却ファン13から強制送風される冷却風を流入口11から中間ダクト10に供給し、中間ダクト10からホルダーケース2に通過させて、冷却ダクト6から排気して排出口12から排出する。ただし、電源装置は、図示しないが、冷却ダクトからホルダーケースに冷却風を通過させて中間ダクトから排気して、ホルダーケース内の電池を冷却する構造とすることもできる。
第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bの電池1を均一に冷却して、温度差を少なくするために、図6に示す電源装置は、中間ダクト10の内部を仕切板14で上下に区画している。図に示す中間ダクト10は、空気の送風方向と平行となるように、上下の中間に仕切板14を設けて、内部を第1の中間ダクト10Aと第2の中間ダクト10Bに区画している。図の中間ダクト10は、仕切板14の下側を第1の中間ダクト10Aとして第1のホルダーケース2Aに連結し、仕切板14の上側を第2の中間ダクト10Bとして第2のホルダーケース2Bに連結している。第1の中間ダクト10Aは第1のホルダーケース2Aに送風し、第2の中間ダクト10Bは第2のホルダーケース2Bに送風する。
第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bは、内部を複数の閉鎖室18に区画して、各々の閉鎖室18に複数段に電池1を収納している。第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bは、一対の対向壁15の内側に複数段に電池1を収納すると共に、一対の対向壁15の流入側と排出側を、流入壁16と排出壁17で閉塞して、一対の対向壁15と流入壁16及び排出壁17でもって閉鎖室18を形成して、閉鎖室18に電池1を収納している。
以上の電源装置20は、電池1を平行な姿勢で、冷却風の送風方向(図において上下方向)に複数段に並べて収納している。第1のホルダーケース2Aは、送風方向に向かって(図6において上から下に向かって)、電池1を3段に並べて収納している。第2のホルダーケース2Bは、送風方向に向かって(図6において下から上に向かって)、電池1を2段に並べて収納している。第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bは、収納している電池1に冷却風を送風するために、流入壁16に流入口16Aを、排出壁17に排出口17Aを開口している。流入口16Aから第1のホルダーケース2A及び第2のホルダーケース2Bに流入される冷却風は、電池1を冷却して排出口17Aから排出される。
さらに、図の第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bは、各段の電池1と対向壁15との間の送風隙間の送風状態をコントロールするために、対向壁15の内面に凸条19を突出して設けている。凸条19は、隣接して配設している電池1間に突出して設けている。図に示す第1のホルダーケース2Aと第2のホルダーケース2Bは、凸条19の内面への突出高さを、風上よりも風下で高くして、風下の電池1の送風隙間の領域、すなわち電池1との接触面積を広くし、あるいは、送風隙間の間隔を狭くしている。凸条19の突出高さは、電池1の表面に送風される冷却風の流速と接触面積を特定する。凸条19の突出高さが高くなると、凸条19が電池1の表面に接近して、電池1との間にできる送風隙間を狭くする。また、突出高さの高い凸条19は、電池1との間にできる送風隙間の面積も広くする。したがって、風下側を通過する冷却風の温度が次第に高くなることに起因する熱交換量の低下を、凸条19で補正して、全体の電池1を均一に冷却する。
本発明の一実施例にかかる電動車両の概略図である。 本発明の一実施例にかかる電源装置の斜視図である。 図2に示す電源装置の背面斜視図である。 図2に示す電源装置のA−A線断面斜視図である。 図2に示す電源装置のB−B線断面斜視図である。 図2に示す電源装置のC−C線断面図である。 縦枠ロッドと水平ロッドの連結構造を示す斜視図である。 縦枠ロッドと水平ロッドの連結構造を示す拡大断面図である。
符号の説明
1…電池
2…電池箱 2A…第1のホルダーケース
2B…第2のホルダーケース
3…縦枠ロッド
4…水平ロッド 4A…上部の水平ロッド
4B…下部の水平ロッド
5…連結ボルト 5A…ボルト頭
5B…ナット
6…冷却ダクト 6A…第1の冷却ダクト
6B…第2の冷却ダクト
7…連結金具 7A…底面プレート部
7B…両側プレート部
8…止ネジ
9…貫通孔
10…中間ダクト 10A…第1の中間ダクト
10B…第2の中間ダクト
11…流入口
12…排出口
13…冷却ファン
14…仕切板
15…対向壁
16…流入壁 16A…流入口
17…排出壁 17A…排出口
18…閉鎖室
19…凸条
20…電源装置
21…クラッシャブルゾーン
22…キャビン
23…収納部
25…エンジン
26…モータ
27…発電機

Claims (6)

  1. 車両後部のクラッシャブルゾーン(21)に、車両走行用のモータ(26)に電力を供給する電源装置(20)を搭載している電動車両であって、
    電源装置(20)が、電池箱(2)と、この電池箱(2)に内蔵している複数の二次電池(1)とを備え、
    この電池箱(2)は、車両後部面に、所定の間隔で複数の縦枠ロッド(3)を垂直姿勢に固定しており、さらに、複数の縦枠ロッド(3)の上端には、電池箱(2)の上面に、車両の前後方向を向く姿勢で固定される上部の水平ロッド(4A)が連結され、さらにまた、縦枠ロッド(3)の下端には、電池箱(2)の下面に、車両の前後方向を向く姿勢で固定される下部の水平ロッド(4B)が連結され、上部の水平ロッド(4A)と下部の水平ロッド(4B)とが、電池箱(2)を上下に貫通する連結ボルト(5)で互いに連結されてなることを特徴とする電動車両。
  2. 電源装置(20)が、車両の後部のクラッシャブルゾーン(21)の床下に設けている収納部(23)に配設されてなる請求項1に記載される電動車両。
  3. 縦枠ロッド(3)が角パイプで、水平ロッド(4)が溝型鋼である請求項1に記載される電動車両。
  4. 水平ロッド(4)の間に電池箱(2)の電池(1)を冷却する冷却ダクト(6)を設けている請求項1に記載される電動車両。
  5. 車両後部のクラッシャブルゾーン(21)に搭載されて、車両走行用のモータ(26)に電力を供給する電源装置であって、
    電池箱(2)と、この電池箱(2)に内蔵している複数の二次電池(1)とを備え、
    この電池箱(2)は、車両後部面に、所定の間隔で複数の縦枠ロッド(3)を垂直姿勢に固定しており、さらに、複数の縦枠ロッド(3)の上端には、電池箱(2)の上面に、車両の前後方向を向く姿勢で固定される上部の水平ロッド(4A)が連結され、さらにまた、縦枠ロッド(3)の下端には、電池箱(2)の下面に、車両の前後方向を向く姿勢で固定される下部の水平ロッド(4B)が連結され、上部の水平ロッド(4A)と下部の水平ロッド(4B)とが、電池箱(2)を上下に貫通する連結ボルト(5)で互いに連結されてなることを特徴とする電動車両用の電源装置。
  6. 水平ロッド(4)の間に電池箱(2)の電池を冷却する冷却ダクト(6)を設けている請求項5に記載される電動車両用の電源装置。
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