JP4829843B2 - 記録物(印刷物)の製造方法および画像形成装置 - Google Patents

記録物(印刷物)の製造方法および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、記録物(印刷物)の製造方法および画像形成装置に関し、より詳細には、インクジェット記録における記録媒体の自由度を広げるための記録物(印刷物)の製造方法および画像形成装置に関する。
近年、インクジェット記録方式において、インクの吸収性を問わず、多種多様な記録媒体に良好な画像形成を行うことが望まれており、そのための様々な方法が提案されている。中でも中間転写体上に一旦画像形成した後にインク物性を変化させて記録媒体に転写する転写式インクジェットが注目されている。
特許文献1では、インクジェットヘッド及びインク供給系を加熱することで、ホットメルトインクを中間転写体に吐出し、放熱とともにインクを定着させる方法が提案されている。しかしながら、インクの相変化特性(熱による固液相変化)を発生させるために、着色剤に対してきわめて多くのバインダー量を含んだインクを用いざるを得ず、所望の濃度を得るためのインク付与量は多くなってしまう。結果、出力画像のインク厚みが大きいことによる画像品位の低下につながってしまう。また、定常温度で固体のインクを用いるため、立ち上げ時にはインク流路内のインクを加熱溶融させる必要があり、画像出力までの時間を要する。また、装置稼働時は常に加熱状態であるために、膨大なエネルギーが必要である。
インクジェットインクとして、環境的に最も好ましいと思われる水系インクにおいても、転写式インクジェット記録方法の提案も多数されている。しかし、中間転写体上のインク像を安定して記録媒体に転写するためには表面エネルギーの低い中間転写体を用いることが望ましい。その半面、表面エネルギーの低い中間転写体は水系インクをはじきやすく画像の形成が困難であるといった、相反する特性を持つ。実用的な製品となっているものがないのは、まさにこの点の根本的解決がなされていないためである。
特許文献2では、中間転写体表面に、HLB(hydrophile−lipophile balance)値が7〜8である界面活性剤を塗布し、水系インクをはじきやすい中間転写体表面に水系インクの親和性を高める工夫がなされている。
特開平5−330035号公報 特許第3428689号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、中間転写体上に形成されたインク像を記録媒体へと高い転写率で転写するために、中間転写体の表面を撥インク性が高い材料を用いると、界面活性剤を塗布しても界面活性剤自体を弾いてしまうことがある。すなわち、用いる界面活性剤としてより親油性のものを用いれば上記弾きは減少されるが、特許文献2では、HLB値が7〜8の界面活性剤を用いているため、上記弾きが発生してしまうのである。よって、特に写真のような高精細な画像を得るためには不十分である。
このように、インクジェット記録において、インク弾きの低減のために中間転写体上に界面活性剤を塗布する方法が有力である。しかしながら、上記インク弾きと高い転写率とを両立させ、写真のように高精細な画像を得るためにはまだ改善しなければならいない課題が残されている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、撥インク性の表面層を持つ中間転写体上に、良好な画像を形成し、高い転写率で転写可能な記録物の製造方法および画像形成装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、記録物の製造方法であって、シリコーンオイルと、該シリコーンオイルの表面張力以下の表面張力を有する水溶性界面活性剤とが表面に存在する中間転写体にインク画像を形成する形成工程と、前記形成されたインク画像を記録媒体に転写する転写工程とを有し、前記中間転写体は、前記シリコーンオイルおよび前記水溶性界面活性剤を含有した弾性体を有し、前記シリコーンオイルおよび前記水溶性界面活性剤が、前記弾性体の内部から滲み出ることによって前記表面に存在するようになることを特徴とする。
なお、本発明の、中間転写体上にインク画像を形成するインク画像形成手段としてはインクジェット方式が好適に用いられる。インクジェット方式は中間転写体に接触することなくインク滴を指定されたアドレスポイントに置いてゆくことが出来るため、離型性の高い中間転写体上に画像形成する際には有利である。
また、本明細書において「記録媒体」とは、一般的な印刷装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、ガラス、金属その他のインクを受容可能な物の総称として用いている。
本発明によれば、画像形成の前に、シリコーンオイルと、該シリコーンオイルの表面張力以下の水溶性界面活性剤とを中間転写体の表面に存在させている。従って、中間転写体上に、インク弾きを軽減した、良好な画像を形成し、該画像を高い転写率で転写することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
1.画像形成装置の概要
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図である。図1において、符号1は、軸1Aのまわりに矢印F方向に回転駆動される中間転写体を示す。この中間転写体1の表面層である弾性層2には予め、オイルと、該オイルの表面張力の0倍よりも大きく、1.1倍以下の範囲内の大きさの表面張力である水溶性界面活性剤とを含有させている。特に、オイルと、該オイルの表面張力以下の表面張力を有する水溶性界面活性剤とを中間転写体1の表面層に含有させることが好適である。図1中の符号3は界面活性剤を塗布するための塗布装置であり、中間転写体1中に含有させた界面活性剤の消費を抑制したり、異なる界面活性剤を新たに付与する事が出来る。符号4はインクと反応する反応液を塗布するための塗布装置であり、インク像を形成する前に中間転写体1上に反応液を付与することが出来る。
符号5はインクジェット記録ヘッドであり、インクが例えば滴として吐出されて、中間転写体1の表面に画像(ミラー画像)を形成させることが出来る。そして、中間転写体1上に形成された画像に記録媒体9の被記録面を接触させ、加圧ローラ10により加圧することで、記録媒体9上に画像が転写形成される。
図1に例示した画像形成装置では、中間転写体1上の画像を構成するインク中の液体成分の蒸発を促進させる為の送風機形態の水分除去促進装置7が配置されている。また、これとともに、もしくはこれに代えて、中空状とした中間転写体1の裏面側に接触して加熱を行う加熱ローラ8を用いることもできる。
上記のようにして中間転写体1を介して画像記録が行われた記録媒体9は、これを定着ローラ11で加圧することで、優れた表面平滑性を得る事も出来る。また、定着ローラ11を加熱すると即時に印刷物の堅牢性が得られる。
そして、図1に例示した装置ではさらに、インク画像を記録媒体9に受け渡した後の中間転写体1は、次の画像を受け取るのに備え、次段のクリーニングユニット12で洗浄される。
従来の転写式インクジェット記録装置では、中間転写体上に高品質な画像を形成することと、中間転写体上のインク画像を高い転写率をもって記録媒体に転写させることといった二つの特性を両立させることは非常に困難であった。そのため、例えば、記録媒体のインク吸収量に起因する画像状態の変化を克服し、写真出力など高精細な画像を出力することが困難であった。
これに対し、本発明の一実施形態は、上述したような画像形成装置に具現化した実施形態からも明らかなように、記録媒体のインク吸収量に依存することなく、幅広い媒体への品位高い画像記録が可能となる。すなわち、即時に所望の印刷物を得られるという記録自在性に優れたインクジェット記録方式の利点を有効に活用した画像形成が可能となる。
2.工程の説明
本発明は、中間転写体を製造する工程(以下、工程(a)と呼ぶ)と、製造した中間転写体を用いて画像形成する工程に大別させることが出来る。更に、画像形成工程はインクジェット記録方式により中間転写体上に画像を形成する工程(以下、工程(b)と呼ぶ)と、中間転写体1上に形成されたインク画像を、転写部により記録媒体9に転写する工程(以下、工程(c)と呼ぶ)とに分けられる。以下、これらの工程(a)〜(c)ないし実施手段について、具体例を挙げながら詳細に説明する。
2.1 工程(a)
本工程は、中間転写体1を製造する工程である。中間転写体1は、その上にインクジェット記録ヘッド5によりインク像を形成し記録媒体9に接触させることでインク像の受け渡しを行う。そのため、その表面層が弾性体であることが望ましい。インク像の転写率を向上させることは、良好な画像を安定して得るためには重要である。インク像の転写率は中間転写体表面とインクと記録媒体の物性によって決定されるが、中間転写体1の表面としては離型性が大きく関与する。離型性とは、接着難易度を示す。表面エネルギーの低い物の代表とされるようなフッ素樹脂表面はもちろん、液体による剥離層を有するような表面も離型性が高い。両方を併用することが望ましいが、本発明に於いては後者を重視している。
しかし、液体層が厚い場合はインク像が泳いでしまい、画像がゆがんでしまうため、液体層は出来る限り薄く形成した方が高品質の画像が得られる。この点、オイルを含有する弾性体、代表的な材料として挙げられるゴムなどはその内部から微量なオイルが表面ににじみ出してくる特性を持っている物が多いため好適である(下記図4(a)参照)。中でも、ゴム自体の表面エネルギーが低く、その低分子量成分を内部に含有するようなシリコーンゴムは本発明の一実施形態に係る弾性層2として最も好適とされる材料の一つである。シリコーンゴムは加硫型、一液硬化型、二液硬化型など様々なタイプがあるが、いずれも好適に用いることができる。
もちろん、本発明はシリコーンゴムに限定されるものではなく、NR、SBR、NBR、CR、IIR、EPDM、CSM、Si、FKM、U等の代表的なゴム材質に加えそれらを緻密にスポンジ加工したものを弾性層2として用いることができる。PVC系、PVA系、PU系等プラスチックの緻密スポンジ体等も使用することが出来る。含有させるオイル成分の量は、原材料としての添加量や成型後に吸収させることで調節することが出来る。オイル(オイル成分)としては使用するインクに応じて選択することが望ましいが、離型性や物理的安定性の面からシリコーンオイルは最も好適な材料である。
図4(a)は、表面層2として一般的なシリコーンゴムを用いた例を示しており、詳しくは、表面層であるシリコーンゴムに含有されるシリコーンオイルが表面に滲みでてくる様子を示した図である。この図4(a)のように、シリコーンゴム内部に存在するシリコーンオイルは表面にブリードアウトしてくる。これにより、シリコーンゴムの表面には常にシリコーンオイルが微量に存在している状態となり、ゴム表面は撥インク性に保持される。
しかしながら、このような材料の表面は、そのままでは特に水系インクをはじきやすく、このままでは転写体の表面にインク弾きのない画像を形成することができない。そこで、本発明の一実施形態は、オイルを含有する弾性層2に水溶性界面活性剤を添加させる事で、弾性層の表面特性を改質する。すなわち、オイルを含有した弾性体に、水溶性界面活性剤を添加して弾性体に上記水溶性界面活性剤を含有することによって、弾性層2の表面の親水性を高めることができる。本発明の一実施形態で示す水溶性とは、界面活性剤もしくは界面活性剤の一部がわずかでも水に溶解すれば良く、実験的に水に対する溶解度が質量基準で100ppm程度であっても効果が得られた事から、この程度以上の溶解性を持つ界面活性剤を指す。なお、弾性層2に含有した水溶性界面活性剤の表面張力を調整することによって、オイルと共に水溶性界面活性剤が表面ににじみ出てくるようにすることができる(下記図4(c)参照)。
本発明の一実施形態において添加の方法としては、ゴム原材料等の弾性体にオイルや水溶性界面活性剤を添加してから混練しゴム化(加硫、硬化)させる方法や、水溶性界面活性剤をブレンドさせたオイルを成型後に弾性体に吸収させる等の方法が適用出来る。このようにして、オイルおよび水溶性界面活性剤を含有した弾性層2が形成される。
添加する水溶性界面活性剤は、含有させるオイルに合わせて選択する事が重要である。その指標は表面張力であり、用いる水溶性界面活性剤の表面張力はオイルに対し、同等以下とすることが重要である。水溶性界面活性剤の表面張力は水溶性界面活性剤濃度を0.1%とした水溶液でウイルヘルミー法で測定した。実験の結果、水溶性界面活性剤の表面張力はオイルに対し、低ければ問題なく使用出来るが、5%以上大きいとインク弾き抑制効果が大きく減少してゆき、10%を上回るとほぼインク弾き抑制効果は消滅することが判明した。すなわち、此処で示す同等とは10%までを示す。すなわち、本発明の一実施形態では、水溶性界面活性剤の表面張力を、含有させるオイルの表面張力の0倍よりも大きく、1.1倍以下の範囲内の大きさに調整すれば良い。特に、水溶性界面活性剤の表面張力を、オイルの表面張力以下に調整することが好適である。
ここで、水溶性界面活性剤の表面張力と上述のインク弾き抑制効果との関係について図4(b)、(c)を参照しながら説明する。
図4(b)は、シリコーンオイルの表面張力の1.1倍より大きな表面張力を有する水溶性界面活性剤をシリコーンゴムに含有させたものを表面層2として用いた例を示している。水溶性界面活性剤の表面張力がシリコーンオイルの表面張力よりも大きいと、水溶性界面活性がシリコーンオイルと馴染みにくい。このような場合、図4(b)に示されるように、シリコーンゴム内部に水溶性界面活性剤は取り残され、シリコーンオイルだけが表面にブリードアウトしてくる。従って、表面層2の表面には水溶性界面活性剤が存在せず、インク弾き抑制効果は得られない。
一方、図4(c)は、シリコーンオイルの表面張力以下の表面張力を有する水溶性界面活性剤をシリコーンゴムに含有させたものを表面層2として用いた例を示している。水溶性界面活性剤の表面張力がシリコーンオイルの表面張力よりも小さいと、水溶性界面活性がシリコーンオイルと馴染みやすい。このような場合、図4(c)に示されるように、水溶性界面活性剤はシリコーンオイルと共に、表面にブリードアウトしてくる。従って、表面層2の表面には水溶性界面活性剤とシリコーンオイルとが共存するようになり、界面活性剤によるインク弾き抑制効果とオイルによる離型性効果(高転写率効果)とを両立させることができる。
水溶性界面活性剤に対する制約事項はこれのみで、その他の特性は自由に選択することが出来る。具体的に、水溶性界面活性剤としては、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、弗素系界面活性剤、およびシリコーン系界面活性剤等を用いることができる。特に、弗素系界面活性剤は特に低い表面張力を実現出来るために好適であり、中でもパーフルオロアルキル基を有するものは特筆すべき効果を発揮する。
本発明の一実施形態では、目的とする、インク弾きの無い、ないしはインク弾きを軽減した中間転写体表面を得るためには、上記表面に水溶性界面活性剤を存在させることが重要である。これと同時に、もう一つの目的である高い転写率を得るためには、上記表面にオイルを存在させることが重要である。このように、画像形成の前に上記2つの成分を弾性層2上に存在させることによって、水溶性界面活性剤の作用によりインク弾きを抑制することができ、オイルの作用により転写率を向上することができる。
また、本発明の一実施形態で重要なことは、含有させる、オイルと水溶性界面活性剤との表面張力の関係である。すなわち、本発明の一実施形態では、表面張力が、含有させるオイルの表面張力以下の水溶性界面活性剤、ないしは、上記オイルの表面張力よりも大きな表面張力であっても、該表面張力の1.1倍以下である水溶性界面活性剤を用いることが重要である。
すなわち、中間転写体1表面には、オイルと水溶性界面活性剤とが同時に存在することが必要である。それはにじみ出してくるオイルと親和性がよい、つまり表面張力がオイルの表面張力と同等以下の水溶性界面活性剤を添加させることで、図4(c)に示したようにオイルと共に水溶性界面活性剤は中間転写体上に程良くにじみ出してくるのである。これにより、中間転写体1の表面にはオイルと水溶性界面活性剤とが常に存在するようになる。
このように、上記表面張力の関係を用いることにより、中間転写体1の表面に、オイルと水溶性界面活性剤とを良好に存在させることができるのである。よって、インク弾きが軽減されたインク像を中間転写体1上に形成することができ、この高品位なインク像を高い転写率で記録媒体9に転写することができる。従って、写真等の高精細の画像も高品位に形成することができるのである。
弾性層2のゴム硬度としては、これと接触させる記録媒体9の厚みや堅さ等に影響を受けるので、それぞれに最適化することが望ましい。特に、国際ゴム硬さ(IRHD)10〜100°の範囲のものを用いれば効果が得られ、さらには40〜80°の範囲のものであれば、殆どの記録用紙に対応できる。
表面凹凸の大きい記録媒体を対象とする場合は、低いゴム硬度を選択することで追従性を高めることが出来る。
こうして選択された材料を中間転写体1に加工してゆく。弾性は表面に必要な特性であり、寸法精度を高めるため、安定形状の支持体上に弾性層2が形成される。
図1に於いてはアルミニウム合金等の軽量金属製のドラムを支持体として用い、その表面に弾性層2を設けることで、中間転写体1が構成されている。しかし、本発明ではこの形状に限定されることなく例えばローラ状、ベルト状、シート状のもの等も使用することができる。また、線接触するものだけではなく、例えばパッド印刷において用いられるパッドのような弾性変形の大きい材料も、中間転写体として用いることができる。
中間転写体1としての表面は一般的に平滑面の方が高精細の画像が得られるために好適とされるが、粗い表面を用いればマット調の画像を作り出す事も出来る。
なお、上述の形態では、オイルと水溶性界面活性剤とを、弾性層2に含有しているが、この場合、含有された両成分は弾性層2の表面に滲み出てくる。この滲み出しは、温度が高いほど促進される。よって、本発明の一実施形態では、この滲み出しを促進するために、中間転写体1の表面、すなわち弾性層2を加熱する手段を用いても良い。このような手段としては、アルミニウム合金等の、中間転写体1の支持体を熱するように配置されたヒータや、弾性層2を熱するように配置されたヒータ等、結果的に弾性層2を熱することができればその形態は問わない。
さて、上述の形態では、弾性層2にオイルと水溶性界面活性剤とを含有させ、それらが表面に滲み出てくる作用を利用して、弾性層2の表面にオイルと水溶性界面活性剤とを存在させているが、上記2つの成分を含有させることが本質ではない。本発明の一実施形態では、インクジェット記録ヘッド5による画像形成の前に、中間転写体1の表面(弾性層2)の、少なくとも画像が形成される領域に、オイルと水溶性界面活性剤とを存在させることが重要なのである。よって、画像形成動作の前に、中間転写体1の表面に、オイルおよび水溶性界面活性剤を付与することによって、上記表面にオイルおよび水溶性界面活性剤を存在させるようにしても良い。この場合は、ロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、または記録ヘッドなどの手段によって、上記成分を付与すれば良い。また、オイルおよび水溶性界面活性剤のいずれか一方を、弾性層2に含有させ、他方を画像形成に先立って、弾性層2に付与するようにしても良い。さらに、弾性層2が、別個にオイルを添加しなくても、弾性体に含まれているオイル成分が十分に表面に滲み出るのであれば、オイルを別個に添加しなくても良い。
2.2 工程(b)
中間転写体1上に画像を形成する工程である。図1ではインクジェット記録ヘッド5により画像形成を行うが、これに限定されるものではない。本発明の中間転写体は水溶性界面活性剤の添加によりインク(インキ)受理性を高め、且つオイルの微量滲みだしによる離型効果を有するため、一般の印刷のような版を用いた画像形成システムにも適応可能である。しかし、本発明の利点を最大限に生かす画像形成方法はインクジェット方式に他ならない。
中間転写体1表面(弾性層2表面)は、添加された水溶性界面活性剤の作用で十分親水化されているので、水系インクを用いたインクジェト記録を行う場合にも、インクが弾かれること無く、ないしはインクの弾きを抑えて画像形成を行うことが可能である。ただし高速記録を行う場合、中間転写体上に先に付与されたインク滴が十分乾燥し、流動性が低下する前に次のインク滴が接触すると、ビーディングやブリーディングを生じ、画像が乱れてしまう場合もある。これらの不具合を防止、ないしは軽減するために、実用的には中間転写体1上にインク反応することで、色材を含むインクの流動性を低下させるための反応液をあらかじめ塗布しておくことが有効である。
中間転写体1表面(弾性層2表面)は、添加された水溶性界面活性剤の作用で十分親水化されているので、水系インクを用いたインクジェト記録を行う場合にも、インクが弾かれること無く、ないしはインクの弾きを抑えて画像形成を行うことが可能である。ただし高速記録を行う場合、中間転写体上に先に付与されたインク滴が十分乾燥し、流動性が低下する前に次のインク滴が接触すると、ビーディングやブリーディングを生じ、画像が乱れてしまう場合もある。これらの不具合を防止、ないしは軽減するために、実用的には中間転写体1上にインク反応することで、色材を含むインクの流動性を低下させるための反応液をあらかじめ塗布しておくことが有効である。
図1に例示した装置を用いる場合には、塗布装置4により反応液を、中間転写体1上に塗布する。ここで用いる反応とは、インクを構成している組成物の一部である色材や樹脂等が化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインク全体の粘度上昇が認められる場合を含む意である。また、これのみならず、インクの組成物の固形分の凝集により局所的に粘度上昇を生じる場合をも含む意である。
このように反応液とは、着色インクの流動性を低下させるための材料である。すなわち、インクとの接触によって中間転写体上におけるインクの流動性を低下させ、中間転写体上に着弾したインクを極力着弾位置に保持させる役割を担う液体である。このように、撥インク性(離型性)の中間転写体1上に着弾したインクの流動性を低下させることにより、ビーディングやブリーディングをより一層軽減することができる。すなわち、反応液を用いてインクと反応させることにより、それと接触したインクの流動性を低下させ、撥インク性の中間転写体1上に着弾されたインクを着弾位置に保持させることができる。これにより、中間転写体上でインク滴同士が接触しても、ビーディングやブリーディングの発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態では、上述のように、弾性層2の表面には均一に水溶性界面活性剤が存在している。よって、反応液についても、弾かれること無く、ないしは弾かれたとしてもその弾きの程度が軽減されて、均一に弾性層2の表面に存在することができる。よって、上記効果を余すことなく実現することができる。このように実現できるのも、オイルと水溶性界面活性剤との間の表面張力の関係を上述のように設定することにより、水溶性界面活性剤を、弾性層2の表面に均一に存在させることができるからである。
特許文献2では、上述したように、中間転写体の表面を撥インク性にすると、付与される界面活性剤自体も弾かれてしまうことがある。この場合は、中間転写体の表面には、界面活性剤が不均一に存在することになる。よって、反応液を付与した場合、該付与された反応液も、界面活性剤が存在しない領域では弾かれる等して、不均一に存在することになる。しかしながら、本発明の一実施形態では、上述の関係により、反応液を中間転写体1の表面に均一に付与することができる。
なお、図1では、反応液塗布用の塗布装置4をインクジェット記録ヘッド5の前段に設けているが、インクジェット記録ヘッド5の後段、すなわち、インクジェット記録ヘッド5と加圧ローラ10との間に設けても良い。この場合は、形成されたインク像6に対して反応液を付与することになるので、記録ヘッドにより反応液を付与すれば良い。
使用する反応液は、画像形成に用いるインクの種類によって適切に選択するのが望ましい。例えば、染料系のインクに対しては高分子凝集剤を用いることが有効であり、微粒子が分散されてなる顔料系のインクに対しては、多価金属イオンを使用することが有効である。さらに、染料系インクに対して、多価金属イオンを組み合わせて用いる場合には、インク中に染料成分と同等色の顔料成分を混合させると良い。あるいは、色目に影響の少ない白色もしくは透明色の微粒子を混合させるか、または金属イオンと反応する水溶性樹脂を添加するとよい。
反応液として使用する高分子凝集剤としては、例えば、陽イオン性高分子凝集剤、陰イオン性高分子凝集剤、非イオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤等が挙げられる。また、金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+およびZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。そして、これらのイオンを塗布する場合には、金属塩水溶液として塗布することが望ましい。金属塩の陰イオンとしては、Cl-、NO3 -、SO4 2-、I-、Br-、ClO3 -、RCOO-(Rはアルキル基)等が挙げられる。
反応液の塗布量は、インク画像の流れや乾燥性の面から少ない方がよく、濃度や成分を選択する必要がある。ただし、反応が強すぎる場合は、中間転写体表面に接着し、インク画像が転写不完全になってしまったり、中間転写体そのものが繰り返し使用不可能となってしまう事があるため、これらのことを十分に考慮し選択する必要がある。例として挙げるならば、一般的な顔料インクであれば、上記に列挙した金属塩の5〜10質量%水溶液程度の濃度のものを使用すれば塗布層は薄くても十分に機能するものとなる。
反応液の塗布手段としては、図1では好適なものとしてロールコーター形態の塗布装置4を例示しているが、これに限定されることなく、例えばスプレーコーターやブレードコーターを用いることもできる。また、インクジェット方式により反応液を吐出する記録ヘッド等を用いることもできる。反応液の塗布後に乾燥工程を加えて、十分に乾燥させた後にインクを付与した方がよい場合もあり、そのような場合には塗布装置4とインクジェット記録ヘッド5との間に乾燥手段を設ければ良い。
また、最終的に形成された画像の堅牢性を向上させるために、水溶性樹脂や水溶性架橋剤を反応液に添加することもできる。用いられる材料としては反応液と共存できるものであれば制限は無い。水溶性樹脂としては、例としてPVA,PVPなどが好適に用いられる。水溶性架橋剤としてはオキザゾリンやカルボジイミド、アジリジン等を使用するとインク中での色材分散のために好適に用いられるカルボン酸と反応し、高い堅牢性を得ることが出来る。
また、反応液を均一塗布するために、反応液中に界面活性剤を添加することや、反応液を付与する前に塗布装置3にて、中間転写体に添加した水溶性界面活性剤や他種の界面活性剤を付与することもできる。この際にも、中間転写体1表面は、予め添加されている界面活性剤により十分親水化がなされているため、未処理では弾いて付与出来ないような材料でも均一に付与させることが出来る。
画像形成のために使用されるインクジェット記録ヘッド5は、そのインク吐出方式や形態について特に限定されるものではない。コンティニュアス方式のほか、電気熱変換素子(発熱素子)や電気機械変換素子(ピエゾ素子)などを用いるオンデマンド方式にてインク吐出を行うものを用いることもできる。また、インクジェット記録ヘッド5の形態としては、例えば図1の構成に関して言えば、中間転写体1の軸方向(図面に直交する方向)にインク吐出口を配列してなるラインヘッド形態のインクジェットヘッドを用いるものとすることができる。また、中間転写体1の接線または周方向の所定範囲に吐出口が配列されたヘッドを用い、これを軸方向に走査しながら記録を行うものでもよい。さらに、画像形成に使用するインクの色に応じた数のヘッドを用いることができる。
画像形成に使用されるインクも特に限定されるものではなく、インクの色材として染料や顔料、およびこれを溶解および/または分散させた画像形成用インクが一般的である。これの他にも各種産業用の様々なパターニング用インクでも問題なく使用出来るが、以降の説明は画像形成用のインクを用いて行う。画像形成用インクに於いても水系、非水系インクがあり、どちらでも用いることが出来るが、環境安全的にも水系インクが好ましく使われる。
具体的に、染料としては、限定ではなく例えば、C.Iダイレクトブルー6等、C.Iアシッドブルー9等、C.Iダイレクトレッド1等、C.Iアシッドレッド1等を用いることができる。また、C.Iダイレクトイエロー12等、C.Iアシッドイエロー1等、C.Iフードブラック1等、C.Iアシッドブラック2等を用いても良い。
顔料としては、限定ではなく例えば、C.Iピグメントブルー1等、C.Iピグメントレッド5等、C.Iピグメントイエロー1等、カーボンブラックNo2300等、MCF88(三菱化成製)を用いることができる。また、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL330R等、MOGUL(キャボット製)、Color Black FW1等、Printex35(デグッサ製)等を用いても良い。
これらの顔料は、形態としての限定を受けず、例えば、自己分散タイプ、樹脂分散タイプ、マイクロカプセルタイプ等のものをいずれも使用することが可能である。その際に使用する顔料の分散剤としては、水溶性で、重量平均分子量が1,000〜15,000程度の分散樹脂が好適に使用できる。具体的には、限定ではなく例えば、ビニル系水溶性樹脂や、スチレンおよびその誘導体等が挙げられる。
また、最終的に形成された画像の堅牢性を向上させるために、水溶性樹脂や水溶性架橋剤を添加することもできる。用いられる材料としてはインク成分と共存できるものであれば制限は無い。水溶性樹脂としては上記した分散樹脂等をさらに添加することが好適に用いられる。水溶性架橋剤としては、反応性の遅いオキザゾリンやカルボジイミドがインク安定性の面で好適に用いられる。
上記した色材と共にインクを構成する水系液媒体中には、有機溶剤を含有させることができ、この有機溶剤量は、転写時のインクの物性を決めるファクターとなる。本発明に係る中間転写体を用いる方式においては、記録媒体に転写するときのインクは、ほぼ色材と高沸点有機溶剤だけとなるので、その最適値に設計する。使用する有機溶剤としては、下記するような、高沸点で蒸気圧の低い水溶性の材料であることが好ましい。
限定ではなく例えば、ポリエチレングリコールや、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン等が挙げられる。また、これらの中から選択した2種類以上のものを混合して用いることもできる。また、粘度、表面張力等を調整する成分として、エチルアルコールやイソプロピルアルコール等のアルコール類や各種界面活性剤をインク中に添加することもできる。
インクを構成する成分の配合比についても限定を受けることがなく、選択したインクジェットヘッドの吐出力、ノズル径等から吐出可能な範囲で、適宜に調製することが可能である。一般的には、質量基準で、色材0.1〜10%、溶剤5〜40%、界面活性剤0.01〜5%以下とし、残りを純水で調整したインクを用いることができる。
2.3 工程(c)
本工程は、中間転写体1上に形成されたインク画像6を記録媒体9に転写する工程である。図1の装置では、ロール紙やファンフォールド紙などの連続紙の形態を図示しているが、カットシートであっても問題なく使用出来る。記録媒体9は、加圧ローラ10によって中間転写体1の画像形成面と接触してインクを受容する。図1に示す形態によれば、この段階では中間転写体1上で時間経過とともにインク中の水分は蒸発し濃縮、高粘度化されるので、インク吸収量の少ない記録媒体上にも良好な画像を形成させることができる。
しかし、インク画像形成から転写までの時間が極端に短いと、自然蒸発ではインク中の水分量が記録媒体で許容される水分量まで下がらない場合が考えられる。かかる場合を考慮して、図1の画像形成装置では、インク画像形成が行われる位置から転写が行われる位置までの間に送風機形態の水分除去促進装置7(温風を送風するものでもよい)を配置し、インク中の水分除去を促進させるようにしている。水分除去を促進させる手段としては、その他、例えばインク画像形成面側から加熱を行うものでもよく、中空状とした中間転写体1の裏面側に接触して加熱を行う加熱ローラ8を用いることもできる。
さらに、上記のようにして中間転写体1を介して画像記録された記録媒体は、これを定着ローラ11で加圧することで、優れた表面平滑性を有するものとなる。また、併せて定着ローラ11を加熱して用いれば、印刷物に即時に堅牢性を持たせることもできる。
図1に例示した装置では、インク画像を受け渡した後の中間転写体1はさらに、次の画像を受け取るのに備えて次段に配置されているクリーニングユニット12で洗浄される。当該洗浄を行う手段としては、シャワー状に水を当てながらの水洗もしくは水拭き、水面に接触させる等の直接洗浄、あるいは濡らしたモルトンローラを表面に当接させる等の払拭を行う手段を用いることが望ましい。また、別の方法として粘着フィルムや粘着ローラーを接触させることで水を用いずに洗浄することも出来る。勿論、これらを併用することも可能である。
さらに、必要であれば、洗浄後に乾いたモルトンローラを当接させたり、送風を行う等により、中間転写体表面を乾燥させることも有効である。
3.制御系および制御手順の例
上述した実施形態において採用した各部装置を用いて図1の画像形成装置を構成する場合には、次に述べるように制御系を構成することができる。
図2は図1の画像形成装置に対応して構成することのできる制御系の一例である。全体を符号100で示す画像形成装置において、符号101は系全体の主制御部をなすCPUであり、各部を制御する。符号103はメモリであり、CPU101の基本プログラムを格納したROMのほか、各種データの一時保存や画像データの処理その他ワーク用に使用されるRAM等により構成される。符号105はホストコンピュータその他の形態を可とする画像データの供給源である画像供給装置110との間でデータやコマンドなどの情報を授受するためのインターフェースである。
符号107は上記工程(a)〜(c)に際して中間転写体1を回転駆動するための駆動部である。符号109は記録媒体9の搬送系であり、加圧ローラ10および定着ローラ11の駆動部等を含む。符号120はバスラインであり、以上の各部のほか、例えば塗布装置3、塗布装置4、インクジェット記録ヘッド5、水分除去促進装置7、加熱ローラ8およびクリーニングユニット12を接続し、CPU101の制御信号を伝達する。また、制御対象である各部には、状態検出用センサが配設され、その検出信号をバスライン120を介してCPU101に伝達することができる。
図3はかかる制御系を用いた画像形成処理手順の一例を示すフローチャートである。
画像供給装置110から画像データが送信され、記録が指示されると、まずその画像データについてインクジェット記録ヘッド5にて画像形成を行うための所要の画像処理が行われる(ステップS1)。画像供給装置が予めミラー反転したデータを送ってくるのでなければ、この画像処理過程には当該反転処理を含めることができる。
そして、インクジェット記録ヘッド5が画像形成を行う準備が整えば、中間転写体1を回転させ(ステップS3)、中間転写体1に画像形成を行う工程(b)に関連した塗布装置およびインクジェット記録ヘッド5の駆動を実行する(ステップS5)。次いで、記録媒体9への転写を行う工程(c)に関連した水分除去促進装置7および加熱ローラ8、記録媒体搬送系109およびクリーニングユニット12の駆動(ステップS7)を実行する。この際、表面改質が行われてから画像形成が行われるよう、また画像形成が行われた位置と記録媒体上の転写位置とが揃うよう、各部は同期して駆動される。またインクジェット記録ヘッド5がシリアル記録方式のものであれば、インクジェットヘッドの主走査と中間転写体1の所定量の回動とを交互に繰り返しながら画像形成が行われる。そして、指示された量の画像データについての処理が終われば、本手順を終了する。
以上説明したように、本発明によれば、記録媒体のインク吸収量に依存することなく、幅広い媒体への品位高い画像記録が可能となる。即時に所望の印刷物を得られるという記録自在性に優れたインクジェット記録方式の利点を有効に活用した画像形成が可能となる。
4.具体的な実施例
次に、いくつかの実施例を挙げ、それぞれの記録態様を各工程に沿って具体的に説明する。なお、以下の説明において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(4.1)実施例1
(a)転写体の作成
本実施例では、中間転写体原料として、NBRを用いた。通常のNBRはそのままではオイル成分のにじみ出し量が少ないため、原料ゴムに対し、10%のシリコーンオイル(TSF451−100:東芝GEシリコーン社製・表面張力20.9mN/m)を添加した。さらに、上記原料ゴムに対し、7%の界面活性剤(サーフロンS121:セイミケミカル製・表面張力16.2mN/m−水0.1%)を添加した。これに、加硫剤、促進剤、老化防止剤、補強剤、充填剤、可塑剤、粘着剤、着色剤をゴム硬度60°となる通常の割合で加え、精練した。精練したゴム原料をカレンダー作業を経て表面に接着剤加工を施した0.2mmアルミニウム板(ベース)上に0.2mm厚に平面整形し加硫することで中間転写体の表面層を作成した。
これをアルミニウム製ドラムに巻き付けて固定し、中間転写体とした。
(b)中間転写体上の画像形成
次に、インクジェット記録部(ノズル密度1200dpi(ドット/インチ;参考値)、吐出量5pl、駆動周波数12kHz)にて、中間転写体上に、下記組成の水性インクを用いてミラー反転させた文字画像を形成した。この際、記録画像が中間転写体上に形成された時点で、ビーディングは起こらなかった。
インクの組成
染料 : 4部
ブラック:CI.フードブラック2
有機溶剤
グリセリン :10部
ジエチレングリコール : 5部
界面活性剤 : 1部
(アセチレノールEH:川研ファインケミカル製)
イオン交換水 :80部
(c)転写
表面に文字画像が形成された中間転写体と、インク吸収性の高い記録媒体(オフィスプランナー:キヤノン株式会社製・普通紙)を加圧ローラにて接触させ、中間転写体上の記録画像を転写した。このとき、印刷用紙上の画像にはビーディングは見られず、良好な文字品位が得られた。更に、画像形成後の記録媒体は波打つことなく品位の低下は見られなかった。また、転写後の中間転写体表面には残存インクが殆どなく、そのまま次の画像を受けても、悪影響はみられなかった。
(4.2)実施例2
(a)転写体の作成
本実施例では、中間転写体原料として、ゴム硬度50°のミラブルタイプのシリコーンゴム(KE505−U:信越化学製)を用いた。このシリコーンゴムはオイルを添加しなくとも十分なオイルブリードが発生するために添加するのは原料ゴムに対し、10%の水溶性界面活性剤(サーフロンS141:セイミケミカル製・表面張力15.5mN/m−水0.1%)のみとした。なお、このシリコーンゴムからにじみ出してくる微量オイル成分の表面張力は約22mN/mであり、添加した水溶性界面活性剤の表面張力はこれより十分低い。
これに所定量の加硫剤を加え精練し、表面にプライマー処理を施した0.2mmアルミニウム板(ベース)上に0.2mm厚に平面整形し加硫した。
これをアルミニウム製ドラムに巻き付けて固定し、中間転写体とした。
(b)中間転写体上の画像形成
次に、中間転写体表面に、下記組成の反応液をロールコーターにて膜厚約1ミクロンに薄層塗布した。続いてインクジェット記録部(ノズル密度1200dpi、吐出量5pl、駆動周波数10kHz)にて、下記組成の4色のインクを用いてミラー反転させた写真画像(平均duty:約130%)を形成した。この際、記録画像が中間転写体上に形成された時点で、ビーディングおよびブリーディングは起こらなかった。
反応液の組成
金属塩 :5部
(塩化アルミニウム・6水和物:試薬)
界面活性剤 :0.5部
(アセチレノールEH:川研ファインケミカル製)
有機溶剤 :10部
(ジエチレングリコール:試薬)
イオン交換水 :84.5部
インクの組成
顔料 : 3部
ブラック:カーボンブラック(MCF88:三菱化学製)
シアン :ピグメントブルー15
マゼンタ:ピグメントレッド7
イエロー:ピグメントイエロー74
分散樹脂 : 1部
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000)
有機溶剤
グリセリン :5部
ジエチレングリコール :5部
界面活性剤 :1部
(アセチレノールEH:川研ファインケミカル製)
イオン交換水 :85部
(c)転写
まず、インクジェット記録部と加圧ローラとの間に設置した送風装置によって、中間転写体上の記録画像表面に送風した。その後に、この中間転写体と、インク吸収性のない記録媒体(表面未処理PETフイルム:市販品)とを加圧ローラにて接触させ、記録画像を転写した。この結果、通常の直接記録方式では画像形成することが出来ないPETフイルム上には、ビーディングおよびブリーディングの無い、良好な品位の画像が得られた。
(4.3)実施例3
(a)転写体の作成
本実施例では、中間転写体原料として、ゴム硬度40°の2液型RTVタイプのシリコーンゴム(KE−12:信越化学製)を用いた。このシリコーンゴムはオイルを添加しなくとも十分なオイルブリードが発生するために添加するのは原料ゴムに対し、10%の水溶性界面活性剤(サーフロンS131:セイミケミカル製・表面張力15.5mN/m−水0.1%)のみとした。なお、このシリコーンゴムからにじみ出してくるオイル成分の表面張力は約20mN/mであり、添加した水溶性界面活性剤の表面張力はこれより十分低い。
これに所定量の硬化剤を加え混練し、表面にプライマー処理を施した0.2mmアルミニウム板(ベース)上に0.2mm厚に塗布し平面整形した。
硬化後これをアルミニウム製ドラムに巻き付けて固定し、中間転写体とした。
(b)中間転写体上の画像形成
次に、その中間転写体表面に、下記組成の反応液をロールコーターにて膜厚約0.7ミクロンに薄層塗布した。続いてインクジェット記録部(ノズル密度1200dpi、吐出量5pl、駆動周波数12kHz)にて、実施例2と同組成の4色のインクを用いてミラー反転させた写真画像(平均duty:約130%)を形成した。この際、記録画像が中間転写体上に形成された時点で、ビーディングおよびブリーディングは起こらなかった。
反応液の組成
金属塩 :10部
(塩化カルシウム・2水和物:試薬)
界面活性剤 :0.5部
(アセチレノールEH:川研ファインケミカル製)
有機溶剤 :20部
(ジエチレングリコール:試薬)
イオン交換水 :69.5部
(c)転写
まず、中間転写体裏面に接する位置に設置した加熱ローラ(表面温度50℃)と温風送風装置によって、中間転写体上のインク画像の水分蒸発を加速させた。その後にこの中間転写体と、インク吸収性の少ない記録媒体(日本製紙製印刷用紙 オーロラコート A判 連量40.5kg)とを加圧ローラにて接触させ、記録画像を転写した。この結果、通常の直接記録方式では画像形成することが非常に困難な印刷用紙上でもビーディングおよびブリーディングの無い、良好な品位の画像が得られた。
次いで、中間転写体上に僅かに残った残留インクを、濡らしたモルトンローラを接触させて除去した。このとき、残留インクは簡単に除去することができた。
(4.4)比較例1
比較例として、水溶性界面活性剤を添加しない中間転写体を用いた場合の画像を作成し、品位を比較した。
(a)転写体の作成
実施例3で用いた、ゴム硬度40°の2液型RTVタイプのシリコーンゴム(KE−12:信越化学製)に所定量の硬化剤を加え混練し、表面にプライマー処理を施した0.2mmアルミニウム板(ベース)上に0.2mm厚に塗布し平面整形した。
これをアルミニウム製ドラムに巻き付けて固定し、中間転写体とした。
(b)中間転写体上の画像形成
実施例3とまったく同じ条件で中間転写体上に同反応液を塗布し、同インクジェット記録部にて、実施例3と同写真画像を形成した。この際、中間転写体上のインクは弾いてしまい見た目にも濃度が薄く、非常に粒状性が大きい低品位の画像になってしまった。
(c)転写
実施例3と同様に、インクジェット記録部と加圧ローラとの間に設置した送風装置によって、中間転写体上の記録画像表面に送風した。その後に、この中間転写体と、表面コートされたインク吸収性の少ない印刷用紙(日本製紙製 Npiコート A判 連量40.5kg)とを加圧ローラにて接触させ、記録画像を転写した。転写は行われたが、画像品位に変化はなかった。
(4.5)比較例2
比較例として、オイルより高い表面張力(オイルの表面張力の1.1倍より大きな表面張力)を有する水溶性界面活性剤を添加した中間転写体を用いた場合の画像を作成し、品位を比較した。
(a)転写体の作成
実施例3で用いた、ゴム硬度40°の2液型RTVタイプのシリコーンゴム(KE−12:信越化学製)の原料ゴムに対し、10%の水溶性界面活性剤(SILWET L−7001:日本ユニカー製・表面張力30.5mN/m−水0.1%)を添加した。なお、このシリコーンゴムからにじみ出してくるオイルの表面張力は約20mN/mであり、添加した水溶性界面活性剤の表面張力はこれより高い。すなわち、水溶性界面活性剤の表面張力は、オイルの表面張力の1.1倍よりも大きい。
これに所定量の硬化剤を加え混練し、表面にプライマー処理を施した0.2mmアルミニウム板(ベース)上に0.2mm厚に塗布し平面成型した。
これをアルミニウム製ドラムに巻き付けて固定し、中間転写体とした。
(b)中間転写体上の画像形成
実施例3とまったく同じ条件で中間転写体上に同反応液を塗布し、同インクジェット記録部にて、実施例3と同写真画像を形成した。この際、中間転写体上のインクは弾いてしまい見た目にも濃度が薄く、非常に粒状性が大きい低品位の画像になってしまった。なお、この画像は比較例1とほぼ同程度の品位であり、界面活性剤の効果は見られなかった。
(c)転写
実施例3と同様に、インクジェット記録部と加圧ローラとの間に設置した送風装置によって、中間転写体上の記録画像表面に送風した。その後に、この中間転写体と、表面コートされたインク吸収性の少ない印刷用紙(日本製紙製 Npiコート A判 連量40.5kg)とを加圧ローラにて接触させ、記録画像を転写した。転写は行われたが、画像品位に変化はなかった。
(4.6)比較例3
従来の技術例として、界面活性剤を練り込んだシリコーンゴムを用いて反応液を使用しない方法を用いた場合の画像を作成し、品位を比較した。なお、本比較例では、後述の通り、シリコーンゴムのオイル成分の表面張力よりもかなり高い表面張力を有する界面活性剤をシリコーンゴムに練りこんだ。
(a)転写体の作成
実施例3の、ゴム硬度40°の2液型RTVタイプのシリコーンゴム(KE−12:信越化学製)の原料ゴムに対し、10%の界面活性剤(SILWET FZ−2164:日本ユニカー製・表面張力34.3mN/m−水0.1%・HLB値=8)を添加した。なお、このシリコーンゴムからにじみ出してくるオイル成分の表面張力は約20mN/mであり、添加した界面活性剤の表面張力はこれより高い。
これに所定量の硬化剤を加え混練し、表面にプライマー処理を施した0.2mmアルミニウム板(ベース)上に0.2mm厚に塗布し平面整形した。
これをアルミニウム製ドラムに巻き付けて固定し、中間転写体とした。
(b)中間転写体上の画像形成
実施例3とまったく同じ条件で中間転写体上に同反応液を塗布し、同インクジェット記録部にて、実施例3と同写真画像を形成した。この際、中間転写体上のインクは酷く弾いてしまい見た目にも濃度が薄く、非常に粒状性が大きい画像として認識することが不可能なほど低品位の画像になってしまった。なお、この画像は比較例1及び比較例2より更に格段に低い品位であった。
(c)転写
実施例3と同様に、インクジェット記録部と加圧ローラとの間に設置した送風装置によって、中間転写体上の記録画像表面に送風した。その後に、この中間転写体と、表面コートされたインク吸収性の少ない印刷用紙(日本製紙製 Npiコート A判 連量40.5kg)とを加圧ローラにて接触させ、記録画像を転写した。転写は行われたが、画像品位に向上は見られなかった。
(4.7)実施例4
(a)転写体の作成
実施例3で用いた原料シリコーンゴムに対し、表面張力の異なる各種界面活性剤を10%添加し、実施例3と同様にして中間転写体を作製した。
(b)中間転写体上の画像形成
実施例3とまったく同じ条件で中間転写体上に同反応液を塗布し、同インクジェット記録部にて、実施例3と同写真画像を形成した。中間転写体上に形成された画像を目視にて○(良い)、△(許容範囲)、×(悪い)で判断した結果を下記表に示す。
Figure 0004829843
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図である。 図1の画像形成装置に対応して構成することのできる制御系の一例を示すブロック図である。 図2の制御系を用いた画像形成処理手順の一例を示すフローチャートである。 中間転写体の表面層に含有させたオイル、あるいは、オイルと水溶性界面活性剤とが表面に滲み出てくる様子を示す図である。
符号の説明
1 中間転写体
2 弾性層
3 界面活性剤用の塗布装置
4 反応液用の塗布装置
5 インクジェット記録ヘッド
6 インク像
7 水分除去促進装置
8 加熱ローラ
9 記録媒体
10 加圧ローラ
11 定着ローラ
12 クリーニングユニット

Claims (9)

  1. シリコーンオイルと、該シリコーンオイルの表面張力以下の表面張力を有する水溶性界面活性剤とが表面に存在する中間転写体にインク画像を形成する形成工程と、
    前記形成されたインク画像を記録媒体に転写する転写工程と
    を有し、
    前記中間転写体は、前記シリコーンオイルおよび前記水溶性界面活性剤を含有した弾性体を有し、
    前記シリコーンオイルおよび前記水溶性界面活性剤が、前記弾性体の内部から滲み出ることによって前記表面に存在するようになる
    ことを特徴とする記録物の製造方法。
  2. 前記形成工程の前に、前記シリコーンオイルおよび前記水溶性界面活性剤を前記中間転写体に付与して、前記シリコーンオイルおよび前記水溶性界面活性剤を前記表面に存在させる工程をさらに有することを特徴とする請求項記載の記録物の製造方法。
  3. 前記弾性体がシリコーンゴムであり、前記水溶性界面活性剤が弗素系界面活性剤であることを特徴とする請求項記載の記録物の製造方法。
  4. 前記形成工程では、前記中間転写体に対して記録ヘッドによりインクを付与して、前記中間転写体上に前記インク画像を形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の記録物の製造方法。
  5. 前記転写工程の前に、前記中間転写体に対して、インクと反応する材料を付与する工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の記録物の製造方法。
  6. シリコーンオイルと、該シリコーンオイルの表面張力以下の表面張力を有する水溶性界面活性剤とが含有された弾性体を有する中間転写体の前記弾性体に対して記録ヘッドによりインクを付与し、前記中間転写体上にインク画像を形成する形成工程と、
    前記中間転写体上に形成されたインク画像を記録媒体へ転写する転写工程と
    を有し、
    前記形成工程では、前記シリコーンオイルと前記水溶性界面活性剤とが前記弾性体の内部から滲み出ることによって表面に存在している状態の前記弾性体に対して前記記録ヘッドからインクを付与する
    ことを特徴とする記録物の製造方法。
  7. シリコーンオイルと該シリコーンオイルの表面張力以下の表面張力を有する水溶性界面活性剤とが含有された弾性体を有する中間転写体と、
    前記中間転写体の前記弾性体にインク画像を形成する形成手段と、
    前記形成されたインク画像を記録媒体に転写するための転写部とを備え、
    前記形成手段は、前記シリコーンオイルと前記水溶性界面活性剤とが前記弾性体の内部から滲み出ることによって前記弾性体の表面に存在している状態の前記弾性体に対して前記インク画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記中間転写体の前記弾性体に前記水溶性界面活性剤を付与するための付与手段を更に備えたことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  9. 表面にインク画像を形成する中間転写体であって、
    シリコーンオイルと、該シリコーンオイルの表面張力以下の表面張力を有する水溶性界面活性剤とが含有された弾性体を備え、
    前記シリコーンオイルおよび前記水溶性界面活性剤が前記弾性体内部から滲み出ることによって、前記弾性体の表面に前記シリコーンオイルおよび前記水溶性界面活性剤が存在していることを特徴とする中間転写体。
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