JP4805461B2 - 血小板接着の阻止用タンパク質 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の概要)
コラーゲンに強く結合し、したがってコラーゲンに対する本来の血小板接着の阻害剤として作用する、医用ヒル(Hirudo medicinalis)の唾液から単離される天然に存在するタンパク質が記載される。このタンパク質は、分子量が約12,000であり、酸性の等電点を有し、6個のシステインを含有する。タンパク質は配列決定され、その遺伝子は、H.medicinalisのcDNAライブラリからクローニングされた。そのようなポリペプチドを組換え技術により生産するための方法が開示される。組換えならびに天然に存在するタンパク質は、コラーゲンに依存する血小板接着の強力な阻害剤であり、したがって循環系の疾患、ならびに、難病に関連する様々な症状の治療的処置に有用である。さらに、このタンパク質は、その表面を細胞に対して非接着性とする、ならびに細胞の活性化を防止する目的で、天然または人工的にコラーゲン表面をコーティングする用途に有用である。
【0002】
(発明の分野)
止血または血栓症において、血小板は、傷ついた血管の細胞の細胞外マトリックスに接着し、その損傷領域の表面を覆う。血栓症ならびに動脈閉塞の病因における、この重要な初期過程を予防することは、血栓性疾患を防止するための努力において、治療的な利益を有するはずである。コラーゲンは、最も大きな血栓形成性の表面成分であると見なされ、そして血小板の接着および凝集、ならびに、凝集物または血栓を形成する、この領域内のさらなる血小板の供給を引き起こす、その顆粒の放出に対する、強力な刺激因子であることが明らかにされている(Ruggeri,Z.M.他、Seminars in Hematology、1994、31、229〜39)。血管表面に対する血小板の最初の接触は、コラーゲンを結合したフォンビルブラント因子(vWF)および血小板表面の特異的なvWF受容体、糖タンパク質Ib−V−IX複合体によって介在される。さらに、ADP、エピネフリンおよび循環している凝固因子が、血小板のさらなる活性化過程を推進し、同時にトロンビン活性の増大が、架橋したフィブリン凝塊の形成に寄与している。血小板−血小板の凝集は、この過程を助け、そして糖タンパク質IIb/IIIa受容体を介して細胞の架橋を行う媒介因子としてのフィブリノーゲンによって主に推進される。
【0003】
この正常な生理学的応答は、硬化した病変部において露呈したコラーゲンへの血小板が接着し(Van der Rest M.他、FASEB Journal、1991、5、2814〜23)、そして、閉塞部の生成を開始させる病理学的過程の進行において、極めて重大である。閉塞の位置および程度に依っては、心筋梗塞、発作、炎症または肺塞栓症などの重篤な合併症が、この過程の重篤な結果となりえる。
【0004】
直接作用する抗血栓症剤として、トロンビン活性を阻止し、したがってフィブリンの多い血栓の形成を防止するヘパリンが、抗血栓症の調整において使用されている、現在最も良く知られた薬物である。ヘパリンは、不安定狭心症および急性心筋梗塞などの適応症において広く使用されている。しかし、広範な使用にも関わらず、静脈内適用、補助因子として抗トロンビンIIIを必要とすること、凝塊結合トロンビンに対する低下した親和性、いくつかの血漿タンパク質によるその不活性化、血小板減少症の偶発的な誘導、ならびにその生物学的異質性などのいくつかの重大な欠点は、依然として未解決のままである。その結果、臨床的環境におけるヘパリンの使用成果は、これまでのところ、格段に優ってはいない。
【0005】
近年の低分子量ヘパリンの開発は、皮下への適用の展開に資するものがあったものの、標準ヘパリンを上回る治療効果はそれほどではなかった。残念なことに、同じことが、ヒルジン、ヒルログおよびワルファリンなどのそれ以外の直接作用する抗トロンビンにも当てはまる。大きな問題の1つは、抗血栓症の処置下でのトロンビンの産生増大に関連しているらしいことが判明した(Rao,A.K.他、Circulation、1996、94、389〜2395)。
【0006】
したがって、他の最近の戦略は、Xa因子によって誘起されるプロトロンビンの活性化プロセスに集中している。その主要な挑戦は、この因子に対する適切な阻害剤の設計である。したがって、概説すると、このタイプの介入による、十分な治療上の可能性は未だ実現されていないと言えよう。
【0007】
別方面の治療法は、血栓溶解療法によって代表され、スタフィロキナーゼ型、ストレプトキナーゼ型、ウロキナーゼ型のプラスミノーゲン活性化因子、組織型プラスミノーゲン活性化因子、ならびにアニソイル化プラスミノーゲン−ストレプトキナーゼ活性化因子複合体の開発に集中している。再灌流を誘導するために必要な時間の差は、これらの血栓溶解剤のそれぞれで、著しく異なっているが、全体的な死亡率を低下させることに対する寄与は、これらの製品のすべてについて同等である。加えて、再閉塞ならびに長引く出血が、しばしば併発する。これは、これらの化合物のフィブリンに対する比較的に低い特異性、およびその短い血漿中半減期のためと考えられる。現在、種々のフィブリン溶解成分の様々な適用療法ならびに併用が、血栓溶解治療において、いくつかの現状の欠点を克服する目的で試験されている。しかし、期待される改善は寧ろ小さいものである。
【0008】
近年、血管形成、アテローム切除、動脈移植または血管壁拡張などの処置に起因する急性血栓性閉塞および遅発性再狭窄などの問題を抱えた、新しい患者群が現れた。可能な治療的介入には、抗血小板、抗血栓症および血栓溶解の各戦術が含まれる。ADPアンタゴニストとして作用するチクロプジンやカルシウム・イオノホアA−23187などの様々な他の薬剤、ならびに特にアスピリンは、血小板の機能に対して、直接的な影響を有し、そして、血小板凝集を妨げる、または血小板凝集を最小限にすることが示唆、あるいは実際に使用もされている。本発明にかかる、新規な抗血小板接着性物質もまた、手術時に適用された際、これらの臨床的合併症の克服に役立つ。
【0009】
この問題に関連する他の合併症が、人工の表面が血液と接触し、そして、血小板の活性化および/または凝固の誘導によって、血栓症の偶発が引き起こされる傾向が増している場合に生じている。これらの影響により、血管移植、心臓弁、ステント、カテーテル、あるいは、それ他の血液と接触するデバイスまたは材料の不調が引き起こされることもある。したがって、ここに開示されるタンパク質の血栓非形成性の表面を生み出す能力は、上記の材料およびデバイスにこのタンパク質を固定化するによって、一層発揮される。かかる処理は、その種の材料およびデバイスを生体適合性および血栓抵抗性とするものである。
【0010】
利用可能な抗血栓症剤に付随する限界のために、新たな、別に採るべきやり方および治療法が実際に待望されている。
【0011】
(発明の背景)
心血管疾患の治療における今後の改善への可能性が、本発明に開示されるような、コラーゲンおよび/またはvWF因子により誘起される血小板接着を直接妨げるやり方によって与えられる。血小板接着を妨げる、いくつかの新規な阻害剤は、vWFに対するモノクローナル抗体である。また、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤は、血小板接着の阻害において有益であり得ることも示唆されている。
【0012】
KGD阻害剤やRGDF阻害剤のような他のものは未だ研究段階であるものの、モノクローナル抗体 Ab c7E3のような、これらの阻害剤のいくつかは既に臨床試験されている。しかし、これら新規な阻害剤の大部分の特異性は、さほど詳しく調べられておらず、したがって、これらの阻害剤の使用により誘起される副作用の範囲は、依然として未解決であり、慎重な検討に値する。
【0013】
コラーゲンにより誘導される血小板接着を妨げる新しい化合物のスクリーニングに利用される、豊富なソースが、自然界において、広く吸血動物中に与えられている。文献に記載されているように、自然界から、いくつかの阻害剤が単離されている:Hirudo medicinalisから単離されたカリンと呼ばれる65kDタンパク質(米国特許第5,587,360号、国際特許出願公開WO92/07005)(Munro,R.他、 Blood Coagulation and Fibrinolysis、 1991、 2、 179〜184)およびヒル Haementeria officinalisの唾液腺から単離された16kD(LAPP)タンパク質(米国特許第5,324,715号)。このタンパク質はともに、コラーゲンに依存する血小板凝集の静的アッセイにおける試験では、凝集阻害剤として記載されている。
【0014】
証明されたインビトロ活性にも関わらず、LAPPは、いくつかの十分に確立されたインビボ・モデルにおいては、巧く作用しなかった(Schaffer L. W.他、 Arterioscler. Thromb.、 1993、 13、 1593〜1601; Connolly T.M.他、 Thromb. Haemostas.、 1993、 69、 589)。ヒメダニ Ornithodoros moubataもまた、コラーゲン誘起の血小板凝集を妨げる活性を示す、抗血小板タンパク質(モウバチン)を含んでいる(Waxman, L.他、 J. Biol. Chem.、 1993、 268、 5445〜49)。吸血昆虫由来の、他の血小板凝集阻害剤が、Noeske−Jungblut C.他による国際特許出願公開WO9309137に開示された。Smith他は、蛇の毒液から50kDaのタンパク質を単離し、また、19kDaのタンパク質が、吸血昆虫Triatoma pallidipennisの唾液から単離された。このタンパク質は、コラーゲンが誘導する血小板凝集を特異的に阻害する因子を含んでいることが見出された。パリジピンと称される、この19kDaタンパク質は、血漿中において、コラーゲンが媒介する血小板凝集を阻害する。他のエフェクター(ADP、トロンビン、トロンボキサンA2類似体U46619、ホルボールエステル)により誘起される凝集の阻害は、検出されなかった。パリジピンは、血小板のコラーゲンへの接着に対しては、何ら作用を有していないが、血小板からのATP放出を阻害していた。それは、血小板と可逆的に相互作用しており、従って、それら上の共通した標的を、コラーゲンと分け合っている可能性がある。このタンパク質の正確な作用機序および治療効果は、研究中である。Gan他は、フィブリノーゲン受容体GPIIa/IIIbへ結合する阻害剤として、エチスタチンを公表した(J. Biol. Chem.、1988、 263、 19827〜32)。
【0015】
これら目を見張らせる進展にも関わらず、凝塊形成、vWFにより誘起される血小板活性化あるいは内皮細胞活性化の阻害に増大した効力を有し、そして薬学的に使用することができ、かつ商業的に実施が可能な量で製造することができる、さらなる抗凝固剤および抗トロンビンの提供が引き続き求められている。
【0016】
これまでに記載された既知タンパク質はどれも、理想的な治療プロフィルを有する化合物まで開発されていないので、本発明の発明者らは、より適切なタンパク質を見出す目的で、新たなスクリーニング方法により進めることにした。
【0017】
(発明の説明)
本発明において、コラーゲン−血小板の相互作用に直接作用し、したがって血小板活性化ならびに初期のコラーゲン−血小板相互作用を阻害する、H.medicinalisから単離された阻害剤が記載される。
【0018】
これまで、天然に存在する化合物の供給源から凝集阻害剤ならびに溶解性タンパク質を除外するというスクリーニング手法を使用して、新しい抗接着性機構あるいは化合物を同定できることを示す明解な事例は文献にはない。しかし、この戦略を本発明においては使用している。少なくとも6個の異なる血小板表面の糖タンパク質がコラーゲン接着に関与していることが知られており、さらに、フォンビルブランド因子、フィブロネクチンおよびトロンボスポンジンなどのいくつかの血小板由来の化合物が、コラーゲン−血小板接着の間接的な媒介因子として関与していることが明らかにされているため、当初、新たな接着阻害剤が同定される望みはほとんどなかった。
【0019】
それにも関わらず、血小板受容体に直接作用する化合物と同様に、既知または未知のvWF関連阻害剤のすべてを排除できることが判り、この方法をHirudo medicinalisの唾液のスクリーニングに使用した。そして、このスクリーニングの結果は驚くべきものであり:血小板に対する抗接着活性を具えるサラチンと命名された新しいタンパク質が、Hirudo medicinalis種のよく研究されているヒルの組織および分泌物から単離できる。
【0020】
本発明は、ヒル Hirudo medicinalisから単離された活性ポリペプチドのサラチンを含む。このタンパク質は、加圧透析と、陰イオン交換クロマトグラフィなどの少なくとも1つのクロマトグラフィ・ステップと、少なくとも1つの逆相高速液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)ステップとを組合せることによって、唾液から単離された。加圧透析ステップは、高濃度の唾液が、それ以外の場合における生物活性サラチンの甚だしい損失を抑えるのに役立つため、唾液からサラチンを回収する間で、極めて重要であることが判明した。単離されたサラチンは、数種のコラーゲンに強く結合し、かつコラーゲンでコーティングされた表面などに対する血小板の接着を用量依存的に阻止する。
【0021】
スクリーニング手順を最適化するために、現在利用可能な手法を、血小板接着と血小板凝集との区別をするために発展させた:繊維を通す流れを遅延または停止させる血小板の能力、インビトロでの凝塊形成に対する血小板の寄与、ガラスビーズ接着実験、またはフィルタを通る全血の流れ、ならびに、調節された圧力勾配下における、ガラス繊維で構成されるフィルタまたはコラーゲンに対する抗凝固処理した血小板が多い血漿の血小板接着。
【0022】
このタンパク質(サラチンと称する)は、配列(配列番号2)に示されるアミノ酸配列で特徴付けられ、約12,068ダルトン±1kDaの理論的な相対分子量を与える、103個のアミノ酸から構成される。このタンパク質は、以前に記載された他の配列に対して、有意な類似性を有しない、特異な一次構造を示す。このタンパク質は、アスパラギン酸およびグルタミン酸に富み、それは、IEF−PAGEにより測定した際、その分子のpH3.7±0.5という低い等電点に寄与する。
【0023】
SDS−PAGE分析は、電気泳動の前にタンパク質を還元した際、移動度の大きな変化を示し、翻訳後の修飾を示唆している。ポリペプチドの配列決定は、タンパク質における翻訳後の修飾をもたらす6個のシステイン分子を明らかにした。サラチンのエレクトロスプレー質量分析は、実際の分子量が12061であることを明らかにし、3個までのジスルフィド結合がタンパク質の天然形態の二次構造の形成に含まれていることを示している。
【0024】
本発明の接着阻害剤は、ヒルから単離された、既知の凝集阻害剤、特にカリンまたはLAPPとは、分子量、等電点ならびにアミノ酸配列、および生物学的活性において異なるので、新規である。
【0025】
本発明はまた、このタンパク質について示されような、アミノ酸配列を有するヒル由来の血小板接着阻害剤をコードするポリヌクレオチドを含む、単離されたDNAを提供する。cDNAクローンを表す塩基配列は、配列番号1に示されている。塩基配列の位置1〜63は、仮想的な21アミノ酸のリーダー配列を表し、位置64〜372は、103個のアミノ酸残基のポリペプチド、ならびにその成熟タンパク質ついて、配列番号2に示されるようなアミノ酸配列をコードしている、オープン・リーディング・フレームを含んでいる。
【0026】
本発明はまた、本発明のヒル由来の血小板接着阻害剤をコードする合成遺伝子を含んだ組換えベクター、ならびに、その組換えベクターを保持する宿主細胞に関する。発現されたタンパク質を回収および単離する方法は、標識技術に基づく、あるいは、天然に存在するサラチンのために開発された精製スキームから応用される。適合するベクターで形質転換された酵母細胞、昆虫細胞、ベイビーハムスター腎臓細胞および大腸菌細胞における、細胞外発現または細胞内発現のために使用される個々のプロトコルに応じて、組換えタンパク質を上清または沈降物から回収する工程は、当業者に既知の技術により適合させねばならない。宿主として、pelBのリーダー配列を挿入することによって、ペリプラズムへの発現がもたらされる、大腸菌において、優れた発現が見出された。大腸菌(E.coli)からの生成物回収は、浸透圧溶解および遠心分離の後で、(5mg/l前後)が達成された。代わりの酵母用ベクターを用いたサッカロマイセス・セレビジアエ(S.cerevisiae)(>10mg/l培養液)が対比実験に使用された。分泌物質は遠心分離により単離された。精製は、クロスフローろ過およびイオン交換クロマトグラフィによって達成された。COS細胞またはCHO細胞のいずれかを使用する他の発現方法では、生成物の発現は、750ng/ml前後であった。精製された組換え物質は、電気泳動分析およびクロマトグラフィ分析によって純粋かつ均一であること、およびアミノ酸配列決定および分子量測定によって示されたように、唾液由来のサラチンと同一であることが証明された。
【0027】
本発明はまた、ヒルの粗唾液から活性なタンパク質を精製する、また、静的ならびに動的アッセイ法による血小板に対するその活性を測定するための方法、ならびに、組換えタンパク質を単離するためのこの方法の使用をも包含している。
【0028】
サラチン生産の技術は、実施例6、7、8および13を含んでいるが、但し、使用すべき発現方法は、これらの例に限定されるものではない。例えば、トランスジェニックマウス、または、他の哺乳動物を含む、その他の生物もまた、サラチンを発現させるために使用することができる。
【0029】
本発明のタンパク質は、開示された配列の活性を維持する変異体が含まれ、活性を維持するフラグメントまたはサブユニット、天然に存在する変異体、対立遺伝子変異体、ランダムに作製された人為的改変体、ならびに、付加などの意図的な配列変異が包含される。フラグメントまたはサブユニットは、完全なタンパク質よりも少ないアミノ酸を含有する配列の任意部分、例えば、完全なタンパク質のN末端および/またはC末端の部分を除く部分配列を指す。
【0030】
本発明はさらに、融合タンパク質、または発現ベクター内に含まれる多数の遺伝子の発現から生じるタンパク質などの、ハイブリッド・タンパク質にも及び、また、ペプチド結合によって第2のポリペプチドと連結され、開示されたタンパク質の特異的な活性を有するポリペプチドをも包含できる。とりわけ、本発明の他の変異体、特に、単に維持的なアミノ酸置換によって、単離されたタンパク質と異なる任意の変異体が含まれる。かかる維持的なアミノ酸置換は、Taylor他、 J. Mol. Biol.、 1986、 188、 233に定義されている。
【0031】
コラーゲン−血小板の相互作用を阻害することによって血小板の活性化を防止または遅延させるために、タンパク質を使用する方法もまた含まれる。該タンパク質は、血栓性疾患の防止、予防、治療および処置において有用である。血小板上の様々な表面タンパク質に作用する、既に記載されたこれらタンパク質すべてとは異なり、本発明かかるタンパク質は独特な作用機構を有する。それはコラーゲン表面に強固に結合し、また、1つの作用機構は、特定のコラーゲン面を覆い、血小板との相互作用および結合には、もはや利用できないようにすることでもたらされる。このタイプの新しい機構は、かかるタンパク質が適用されている間、血小板は機能的には影響されずに維持され、その結果、この処置から、非常に低い、あるいは、全く出血傾向が無いことすら期待できるという大きな利点を有する。
【0032】
別の重要な用途は、このタンパク質で様々な表面を処理し、それを血小板に対して非接着性にし、また、それによって血液適合性デバイスを作り出すことである。
【0033】
上に示したように、本発明によるポリペプチドは、薬学的な組成および配合における、薬学的に有効な化合物として好適である。
【0034】
本発明にかかる薬学的調剤は、アスピリン、ヒルジンまたはヘパリンなどの抗凝固剤、あるいはプラスミノーゲン活性化因子またはストレプトキナーゼなどの血栓溶解剤のような、さらなる活性成分を必要に応じて含むことができる。
【0035】
本発明にかかる新規なポリペプチドは、任意の非毒性の有機酸または無機酸との薬学的に受容可能な塩を形成させることができる。無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸またはリン酸、ならびにオルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムなどの酸性金属塩である。有機酸の例は、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸などのモノカルボン酸、ジカルボン酸およびトリカルボン酸、ならびに、メタンスルホン酸などのスルホン酸である。カルボキシ末端アミノ酸残基の塩には、任意の好適な無機塩基または有機塩基により形成された非毒性のカルボン酸塩が含まれる。これらの塩は、例えば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムを含むIIIA族の軽金属、ならびに、有機の第一級アミン、第二級アミン、およびトリアルキルアミンなどの第三級アミンを含み、トリエチルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、1−エテンアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジヒドロアビエチルアミンおよびN−アルキルピペリジンを含んでいる。
【0036】
ここで使用されるように、「薬学的に受容可能なキャリア」の用語は、活性化合物または患者に好ましからざる作用をしない、不活性な非毒性の固体状または液体状の充填剤、希釈剤または被覆剤を意味する。好適で、好ましくは液体状のキャリアは、この分野では周知であり、例えば、滅菌水、生理食塩水、水性デキストロース、糖の溶液、エタノール、グリコール類、ならびに、石油、動物、植物ならびに合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油および鉱物油を含むオイル等である。
【0037】
本発明による調剤は、従来の非毒性の薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、アジュバント、ならびに、非経口投与に典型的なビヒクルを含有する、用量単位として投与することができる。
【0038】
「非経口」の用語は、ここでは、皮下、静脈内、動脈内および気管内の注射および注入の手法を含む。経口投与および局所適用などの他の投与法もまた好適である。非経口用の組成物および配合物は、最も好ましくは、ボーラス形態、あるいは既知の手順による点滴として静脈内投与される。
【0039】
経口投与される錠剤およびカプセル剤は、結合剤、充填剤、希釈剤、錠剤化剤、滑沢剤、崩壊剤および湿潤化剤などの常用の賦形剤を含有する。錠剤は、当該分野で周知の方法に従ってコーティングされてもよい。
【0040】
経口用の液体調製物は、水性または油状の懸濁剤、溶液剤、エマルション剤、シロップ剤またはエリキシル剤の形態とでき、あるいは使用前に水または別の好適なビヒクルで再構成される乾燥製剤として提供することもできる。そのような液体調製物は、懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクルおよび保存剤のような常用の添加剤を含有することができる。
【0041】
局所適用剤は、水性または油状の懸濁剤、溶液剤、エマルション剤、ゼリー剤、または好ましくはエマルション軟膏の形態とできる。
【0042】
本発明による用量単位は、1日に必要とする量の本発明によるタンパク質、または所望する用量となるその分割量を含有することができる。特定の患者(ヒトを含む哺乳動物)に対する、最適な治療的に許容され得る投薬量および投与速度は、用いられる特定の活性物質の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間および投与経路、代謝速度、処置の目的(すなわち、治療または予防)、ならびに処置しようとする血栓性疾患の種類、抗血小板活性または抗凝固活性などの様々な要因に依存する。
【0043】
したがって、処置される患者(インビボ)において抗血栓症剤として有用な組成物および配合物中に、本発明のペプチドの薬学的に効果的な日用量は約0.01mg/kg体重〜100mg/kg体重の間であり、好ましくは0.1mg/kg体重〜10mg/kg体重の間である。適用形態に応じて、1つの単回用量物は、0.5mg〜10mgの間のトロンビン阻害剤を含有することができる。体外血液において抗凝固作用を達成するために、本発明のペプチドの薬学的に有効量は、体外血液当たり、0.2mg/l〜150mg/lの間であり、好ましくは1mg/l〜20mg/lの間である。
【0044】
デバイスの表面を実質的に血栓抵抗性にする目的で、上記および請求項において規定されているように固定化ポリヌクレオチドでコーティングされた、体液との接触状態で使用される、移植可能なまたは体外医療デバイスを提供することもまた本発明の目的である。本発明によるポリペプチドは医療デバイス表面に固定化され、その結果、その表面が生体適合性で血栓抵抗性にされる。そのようなデバイスは、時に、典型的には血小板凝集を誘導する表面特性を有することがあり、それは、血液または他の体液と接触する移植可能なならびに体外デバイスにおける、その本来の用途においては障害である。プラスチックス材料および合成繊維から一般に作製される、そのようなデバイスの例には、補綴物、人工器官、眼レンズ、縫合糸、人工血管セグメント、カテーテル、透析装置、血液輸送用のチューブおよび容器がある。
【0045】
後嚢混濁(PCO)は、その手法に使用される新式の外科技術ならびにレンズにも関わらず、白内障摘除(cateract extraxtion)後に頻発する合併症である。PCOは、後嚢にまたがるレンズ上皮細胞の増殖および遊走により引き起こされ、そして、視力低下をもたらす。外科的処置と同様に化学的に修飾されたレンズが、PCOの形成を低下させるために提案されている。ヘパリンのレンズコーティングまたは局所的なヘパリン点眼剤が、PCOを低下させるために使用されており、血栓形成機構がPCOの形成に関与していることを示唆している。
【0046】
サラチンは、血栓形成性の防止および阻止においてヘパリンを上回る顕著な長所を有することが明らかにされている。したがって、手術により眼内に移植され得る、屈折性の前房または後房眼インプラントに使用されるレンズ材料の血栓形成性を低下させる、サラチンを含むコーティングの提供が、本発明の別の形態である。この新しいタイプのコーティングは、刺激された細胞増殖によりもたらされる問題を回避する。例えば、細胞死をもたらす他の医薬品と組合せることにより、サラチンのコーティングは、後嚢混濁を完全に抑えることに役立つ。
【0047】
図面の詳細は実施例1〜10において説明される。
【0048】
(発明の詳細な説明)
実施例1
接着阻害剤のスクリーニング
コラーゲンに対する血小板接着は、かかる唾液成分のスクリーニングにおける、機能的背景である。さらに、AZOCOLLアッセイ、アミダーゼ活性アッセイ、フォンビルブランド依存性結合アッセイおよび血小板凝集アッセイなどの抗血栓症薬の様々な作用を評価するために利用可能な4つのさらなる試験を使用して、理想的には接着阻害剤に関連しない機能的特性を排除した。ここで使用されたこれらのアッセイの大部分は標準的なアッセイであるものの、血小板凝集アッセイは、本発明者らの特異的な必要性に合わせて、変更しなければならなかった。すなわち、ホルム(Horm)コラーゲン(Nycomed)を、濃度20μg/mlの酸性化コラーゲンを使用し、プレートを一晩インキュベーションすることによって96ウエルプレート(Nunc)にコーティングした。プレートをPBSで3回洗浄した後、ウエルの残留表面を1%BSAでブロッキングした。ヒトのシトロニル化(citronylated)血液から新しく単離した血小板を、それぞれのカラム工程に由来する画分と同時に加えた。必要に応じて、血小板の予備活性化を、使用する前に、二価マグネシウムイオンの存在下、TBS中で血小板をインキュベーションすることによって行った。総タンパク質濃度を200μg/mlに標準化した粗唾液を、阻害活性に関する対比基準として使用した。血小板阻害アッセイは、緩衝剤の交換および塩濃度の上昇に対して非常に敏感であることが判明した。サンプルのすべてをイオン交換クロマトグラフィで処理したので、阻害アッセイにおける画分の直接的な評価は、複雑になり、そして信頼できないことが判明した。したがって、試験するサンプル全てを、測定前に、同時にイオン強度を低下し、且つ濃度維持するセントリコンに基づく濃縮工程に供した。
【0049】
実施例2
天然の阻害剤の精製
本発明は、ヒルジン、エラスターゼ阻害剤、コラゲナーゼ、およびカリン(Munro,R.他、 Blood Coagulation and Fibrinolysis、 1991、 2、 179〜184)やLAPP(Schaffer,L.W.他、 Arterioscler. Thromb.、 1993、 13、 1593〜1601)のような血小板凝集阻害剤など、多数の生物活性タンパク質を含有することが知られているH.medicinalisから採取した唾液を使用した。これらの特定されているタンパク質の他に、SDS−PAGEで検出可能な約80個のタンパク質の大部分は依然として不明である。本発明において、分画化された唾液および実施例1に記載されているようなスクリーニング戦略を、血小板とコラーゲンとの相互作用を直接妨げる新規なタンパク質をスクリーニングするために使用した。
【0050】
粗唾液から接着阻害剤活性を分離することは、主として、最初のクロマトグラフィ工程における、接着阻害活性の大部分の不可逆的な喪失に起因して、決定的な課題であることが判明した。Munro.R.他が推奨するような12%エタノールおよび二価カチオンなどの添加は、状況を改善しなかった。しかし、低い総タンパク質濃度(190〜250μg/ml)に加えるに、唾液の高塩濃度が、初期の濃縮工程または緩衝液交換工程を必要とした。したがって、富化、濃縮または緩衝液交換に対する方法をいくつか探索された。伝統的な透析は活性の完全な喪失をもたらした。イオン交換、アフィニティーカラム、限外濾過(喪失はカラム樹脂とは関係がなかった)などのそれ以外の標準的な手法の大部分は、使用された分離手法の種類または緩衝剤および添加剤とは関係なく失敗した。驚くべきことに、500ml唾液の加圧透析は、唾液タンパク質を(約30倍〜40倍)濃縮し、かつ同時に望ましくない緩衝剤成分を除くことを成功させる方法であった。予想の外、この方法で処理された唾液の粗材料はさらなる精製の理想的な出発材料であり、生物活性を有する抗接着成分の唾液からの回収はもはや実際には問題とはならなかった。カチオン交換またはアフィニティーカラムは、精製において、不適当な工程であることが判明したので、DEAE−FastflowやEMD−DEAE−Fractogelなどの弱アニオン交換を使用した。12%エタノールおよび二価カチオンを試験したところ、その結果は、これらの添加剤が有っても無くとも同じようなものであった。クロマトグラフィ工程のさらなる最適化により、DEAEカラム、MonoQカラム、および最終工程としての逆相RP18カラムの順序が導かれた。クロマトグラフィ条件の最適化は、Pharmaciaから入手可能な分析カラムを使用して、BiaCoreクロマトグラフィシステムで行った。DEAEカラム、MonoQカラムならびにRP18カラムの操作に使用されたグラジエントは、図1a、図1b、図1cに示されている。BioCoreに基づく分離は、FPLC技術を使用することによってスケールアップされた。最適化された操作条件は、精製物の喪失を最小限にするために、BiaCoreの手法に維持されているRP18カラム工程を除いて、製造者の説明書に従って、セミ生産スケールに直接変換された。最後のクロマトグラフィによるRP工程からの精製タンパク質の回収は、高速真空遠心分離によって行われた。最後のRP工程から採取されたサンプルを集め、SDS−PAGEで分析した(図2)。続いて、サンプルをPBSに再懸濁して、分析ならびに機能試験を実施するために使用した。典型的には、収量約750μg/lのサラチンが未処理の唾液から回収された。
【0051】
実施例3
生化学的な特定
実施例1に開示されているようなサラチンの精製により、SDS−PAGEにおいて、還元条件下で、約21kDaの見かけ分子量を有する本質的に純粋なタンパク質が得られた(図2)。完全なアミノ酸配列が、精製タンパク質の最初の48個アミノ酸を直接配列決定することによって得られ、そして、酵素分解により生じた7個の内部ペプチドを配列決定することによって完了した。完全なタンパク質配列は配列番号2に開示されている。
【0052】
タンパク質は103個のアミノ酸から構成され、計算された分子量は12067.9であり、実際の分子量はESI質量分析により推定されるように12061.9である。理論的と実測の分子量との差は、サラチンにおいて同定された6個のシステインのすべてがS−S架橋の形成に関与していることを示唆している。この知見は、還元ならびに非還元条件下において、SDS−PAGEでクロマトグラフィした際、タンパク質移動度に明白な変化が観測されることによって裏付けられる。さらに、タンパク質は、GluおよびAspなどの酸性アミノ酸が多い。IEF−PAGE(イモビリン)法を使用する等電点フォーカシングにおいて、pH3.7±0.5の等電点が明らかにされた。比較研究において、本発明者らは、精製されたヒルのタンパク質を参照物として使用し、これと、バキュロ、酵母および大腸菌での発現による、組換えサラチンの物理化学的性質と比較した。3つのタンパク質はすべて、その性質が同一であることが判明した。クーマシー(図2)または銀染色で可視化されたSDS−PAGEによるタンパク質の特定、および/またはウエスタンブロット分析により、タンパク質は均一であり、非グリコシル化形態であることが明らかにされた。
【0053】
実施例4
mRNA調製およびcDNA合成
RNAを、チオシアン酸グアニジニウム法を使用して、医用ヒル H.medicinalisから調製した。「Oligotex mRNAキット」(QIAGEN)を使用して、mRNAを全RNAから精製した。「Marathon cDNA増幅キット」(CLONTECH)を使用して、cDNAを合成した。サラチンをコードするDNA配列を、供給者の説明書に従って、PCRオリゴヌクレオチド・プライマーを使用して先ず増幅した。cDNAを合成した後、ユニバーサル・アダプターをcDNAの両端に連結した。ユニバーサル・アダプターおよびユニバーサル・プライマーAP1またはAP2の配列は前記キットの供給者の説明書に従って選ばれた。
【0054】
実施例5
PCRによるサラチン遺伝子の増幅および単離
縮重プライマーを、サラチンのアミノ酸配列を逆翻訳したもののN末端近傍に基づいて合成した。
【0055】
このようなプライマー01およびプライマー02を、サラチンcDNAの5’末端に特異的にハイブリダイゼーションするように設計した。プライマー設計は、精製されたサラチンタンパク質の実験的に決定された8個のN末端アミノ酸のアミノ酸配列を逆翻訳したものに基づいた。プライマー01およびプライマー02の2つのプライマーは、縮重をできる限り低くし、そして、テンプレートcDNAの効率的かつ特異的な増幅を確実とする目的で、重要な3’末端にサラチンcDNA配列と完全に一致する8塩基対の並びを与えるように合成された。DNAの縮重アルファベット(IUPACコード)に従い、R=AまたはG;M=AまたはC;Y=CまたはT;およびN=AまたはGまたはCまたはTである。
【0056】
3’−RACE PCR反応を、プライマー01およびプライマー02と、ユニバーサル・プライマーAP1またはAP2の一方との混合物を使用して行った。PCR産物を、TAクローニング・ベクターのpCR2.1ベクターまたはpCR Script SK(+)ベクターにクローニングし、配列決定した。得られた3’−RACE PCRフラグメントのいくつかを配列決定した後、5’非翻訳領域、シグナルペプチド配列、および成熟タンパク質のN末端に由来する最初の8個のアミノ酸をコードする配列を除いて、サラチンの遺伝子配列が得られた。この不足しているサラチンcDNAの配列情報を得るために、5’−RACE実験を、サラチンcDNAの中央部に由来する遺伝子特異的プライマーと、ユニバーサル・プライマーAP1またはAP2の一方とを使用して行った。得られた5’−RACE PCRフラグメントのいくつかを配列決定した後、完全なサラチン遺伝子配列が得られた。サラチン遺伝子の3’末端および5’末端の両方に由来する遺伝子特異的な非縮重プライマーを使用するPCRによって、サラチン遺伝子を増幅することにより、全長のサラチン遺伝子が得られた。
【0057】
DNAの配列決定を、15個以上の異なるPCRクローンについて行った。しかし、1つのクローンだけにおいて、アミノ酸変化を生じさせる顕著な変化が1つだけ見出された。この変化はPCRによって生じたものであると可能性が高い。アミノ酸配列の変化を生じさせない別の5個のサイレントな変化が見出された。したがって、これらの変化は、同じ変化が種々のクローンで見出されたため、PCRによって生じたものではないと考えられる。
【0058】
サラチン遺伝子のORFは372bpであり、21アミノ酸のシグナル配列、および成熟タンパク質をコードする103アミノ酸の配列を含有する。PCRクローンから推定されるアミノ酸配列は、天然の唾液由来タンパク質を配列決定することによって得られた配列と同一であることが見出された。
【0059】
実施例6
COS細胞における発現および発現タンパク質の検出
サラチン遺伝子をCOSやCHOなどの哺乳動物細胞において発現させるため、サラチン遺伝子を、XhoI+XbaIを使用して、ベクターpCRScriptSK(+)から切断し、哺乳動物細胞用発現ベクターのpCI−neo(Promega)中にクローニングした。pCI−neoは、インビトロ発現に要するT7プロモーターおよびT3プロモーター、ならびにG418選抜用のネオマイシン耐性遺伝子を含有し、また、COS細胞およびCHO細胞の両方で使用できるために選ばれた。
【0060】
シグナル配列および成熟タンパク質の配列に加えて、挿入物には、5’末端に、効率的な翻訳用のKoz.配列、ならびに、3’末端(C末端)に、タンパク質発現の検出、精製および濃縮に要するhis・タグ MRGS(H)6を含有する。このプラスミド構築物はpNC−31と名付けられた。
【0061】
pNC−31プラスミドDNAを、COS細胞の形質転換に使用した。対数増殖期のCOS細胞をPBSで2回洗浄し、PBS中に1×107/mlの濃度で溶解した。その後、12μgのプラスミドDNA(H2OまたはTE緩衝液において50μl未満)を、エレクトロポレーション・キュベット中で、0.7ml〜0.8mlのCOS細胞懸濁液に加え、混合した。エレクトロポレーションを、1.9kv、25μFDで10分間行い、90mmプレートに移した。10%FCSおよび抗生物質を含有する8mlのDMEM培地を加えた後、細胞を3日間増殖させた。上清および細胞を、さらなるタンパク質単離および検出のために使用した。発現したタンパク質は、抗MRGS(H)6抗体を使用するウエスタンブロッティング法で検出された。精製を、カラムマトリックスに固定化され、かつ、Co、NiまたはCuなどの金属イオンで修飾されたNTAまたはイミド酢酸などのキレーターを使用して行った。
【0062】
実施例7
大腸菌用発現ベクターの構築および発現
異なる生物学的システムにおける、コドン使用の偏移のため、コドンの中には、大腸菌では非常に希にしか使用されないコドンがある。大腸菌において、発現を最適にすることを可能にするために、遺伝子は、標準的な手順に従って大腸菌のコドン使用に変換しなければならなかった。
【0063】
大腸菌における発現を、tetプロモーター領域を保持する、プラスミドpASK75の改変体を使用して行った。(Skerra,A.他、Gene、1994、151、131〜135)。すなわち、改変を、新しいリンカーをXbaI部位とHindIII部位との間にクローニングすることによって行った(図3)。新しいリンカーは、ompAのリーダー配列、別のマルチクローニング部位、ならびにstrep標識の代わりの6×His・タグを含んでいる。
【0064】
サラチンの発現ベクターを構築するために、5’のClaI制限部位および3’のEco47III制限部位をPCR法によって導入することが必要であった。
【0065】
したがって、5’−プライマー03および3’−プライマー04を使用した。PCR産物を先ずPCRIIベクターシステム(Invitrogen)にクローニングして、配列決定した。
【0066】
第2の工程で、5’のClaI制限部位および3’のHindIII制限部位を使用して、このサラチン遺伝子を改変型pASK75ベクターにクローニングした。
【0067】
この組換えサラチンの活性を発現させて、その活性が確認した後、第2のPCR反応において、His標識を除き、また、サラチン遺伝子の開始コドンをompAのリーダー配列に直接融合させた。このPCR反応のための5’−プライマー05および3’−プライマー06は配列表に示されている。
【0068】
大腸菌における発現の例として、ompAのリーダー配列に融合させたサラチンの構造遺伝子を含有する、発現ベクターpRG72(図3)がW3110コンピテント細胞に形質導入された。細胞を中期対数期まで増殖させた後、細胞を誘導処理した。その後1時間、組換えサラチンを明瞭に検出することができる。
【0069】
実施例8
バキュロ用プラスミドの構築および発現
サラチンをバキュロウイルス・発現システムにおいて発現させるために、Gibco Life Technologiesから得られるBac−To−BacTMバキュロウイルス発現システムを使用した。選択システムを得るために、ミツバチのメリチン・リーダー配列をサラチン遺伝子に融合し、また、5’のBamHI制限部位および3’のKpnI制限部位を導入するため、1回のPCR反応を、5’−プライマー07および3’−プライマー08を使用して行った。対応するPCR産物を、PCRIIベクター(Invitrogen)にクローニングし、配列決定した。その後、メリチン−サラチン融合体を、5’のBamHI制限部位および3’のKpnI制限部位を使用して、pFastBacベクターにクローニングし、pTD13(図4)を得た。組換えバキュロウイルスの生成およびサラチン発現を、Bac−To−Bac発現システムを用いて行った。ドナー・プラスミドpTD13を、ミニ−attTn7標的部位を有するバクミド(bacmid)とヘルパー・プラスミドとを含有するDH10Bacコンピテント細胞に形質転換した。このドナー・プラスミド上のミニTn7エレメントは、ヘルパー・プラスミドにより提供される転位タンパク質の存在下、バクミド上のミニattTn7標的部位に転位できる。組換えバクミドを含有するコロニーは、lacZ遺伝子の破壊によって同定された。高分子量のミニ−プレップDNAを、組換えバクミドを含有する選択された大腸菌クローンから調製し、次いでこのDNAを昆虫細胞のトランスフェクションに用いた。詳しい説明は、発現キットの指示マニュアルに記載されている。
【0070】
実施例9
流動条件下でのコラーゲンに対する血小板接着(動的アッセイ)
血小板接着アッセイでは、ヒト全血が平行流チャンバーに灌流され、Sakariassen他(Meth. Enz.、 1988、 169、 37〜70)が最初に報じた(インビボでの動脈条件を模擬する)高剪断流下でのコラーゲン被覆カバーガラスに対する血小板の接着活性が調べられる。ヒト胎盤のIII型コラーゲン(Sigma)を、酢酸に50mmol/Lで溶解した後、清浄化されたガラス製カバーガラス(18mm×18mm)に修整用エアーブラシで噴霧した。カバーガラスをPBS中に4℃で一晩保存した。
【0071】
新鮮なヒト全血(20U/mlの低分子量ヘパリンで抗凝固処理)を使用前に37℃で10分間予熱した。本発明によるタンパク質の調製物をカバーガラスにピペットで加え(30μl/カバーガラス)、灌流チャンバーに挿入する前に、室温、加湿チャンバー内で10分間インキュベーションした。血液をチャンバーに灌流させた(1300s-1の剪断速度において、37℃5分間)。
【0072】
続いて、カバーガラスを取り出し、PBSで洗浄し、0.25%グルタルアルデヒドで30分間固定し、そして、その後、メイ−グリュンワルド・ギエムザで染色した。図9は典型例を示す。染色された血小板による甚だしい重なりが未処理のコントロール表面で認められる。サラチンで前処理された比較用表面は、劇的に減少した(80%減)血小板結合を示している。血小板接着を、図5に示されているように、コンピューター処理画像分析装置(Leica)と接続された光学顕微鏡(1000倍の倍率)で定量化した。結果は、血小板および血小板凝集で覆われた表面の百分率として表示する。
【0073】
唾液阻害活性の比較を、図6に示されているように精製タンパク質と比較した。粗唾液(#616)を用いた1300s-1の剪断速度でのIII型コラーゲン被覆カバーガラスにおける血小板接着は、コントロールと比較して約48%の阻害をもたらした。基準化されたタンパク質濃度において、精製タンパク質(#607;サラチン)は、約81%の血小板堆積の低下を示した。サラチンによって誘導される阻害は、図7に示されているように、精製タンパク質の濃度が大きくなるとともに、用量依存的に増大する。
【0074】
実施例10
免疫化および抗体
利用できる、高度に精製された天然タンパク質の最初のロットを用いて、動物の免疫化を直ちに開始した。免疫血清がウサギにおいて得られ、高力価の試薬をさらなるスクリーニングのために得ることができた。完全なタンパク質のペプチド配列が利用できるようになり、且つ、3つの合成ペプチド(アミノ酸配列83〜103、13〜30、58〜69)が合成され、標準的なリンカー手順でKLHに結合され、免疫化に使用されたところ、さらなる抗血清が、入手可能となった。N末端ペプチドセグメントに対する3つの血清、およびC末端ペプチドに特異的な2つの血清が確立された。利用可能な高力価の免疫血清を用いて、天然の精製タンパク質ならびに組換えタンパク質のモニターおよび純度定量のためのELISA技術を確立して、使用することが可能となった。したがって、時間がかかり、かつかなり手間のかかる血小板阻害アッセイは取り替えることができ、そして最終精製されたタンパク質の阻害能を確認するためにだけ適用された。
【0075】
実施例11
サラチン結合を評価するための免疫アッセイ
酸性化ホルム−コラーゲン(Nycomed)を、96ウエル・マイクロタイタープレート(Nunc)をコーティングするために使用した。50μlのコラーゲン溶液(20μg/ml)を使用して、プレートを一晩コーティングした。試験する前に、プレートをPBSで3回洗浄し、非特異的な接着を防止するために、BSA溶液(1%)でインキュベーションした。一連の希釈した、50μlのサラチンを加え、1時間インキュベーションした。検出用の抗サラチン抗体を加える前に、プレートを3回洗浄した。さらに1時間のインキュベーション工程の後、余分な抗体を除き、ビオチン標識二次抗体を検出のために使用した。検出は、ODB錠(Dako)などの基質による、ストレプトアビジン−POD触媒発色反応によって行い、490nmで測定した。
【0076】
実施例12
阻害剤をスクリーニングするための競合的アッセイ
実施例7に記載されているようにして調製された組換え標識化サラチン(His・タグ)を、コラーゲン結合について天然の未標識のサラチンと比較した。酸性化ホルム−コラーゲン(Nycomed)でコーティングされたプレートを実施例11に記載されているようにして調製した。検出を、ウサギ抗サラチン抗体を用いて行った。標識および未標識サラチンは同一の結合特性を示した。あるいは、未標識のサラチン体をビオチン化(Pierce、ビオチン化キット)によって修飾し、未修飾サラチンと比較した。コラーゲンに対する結合特性は同一であった。さらに、ビオチン化サラチンを使用して、未修飾サラチン、ペプチド、唾液由来サラチン、完全な唾液、またはサラチンに対する抗体との交差競合のために実験を行った。コラーゲンに対する様々な「競合剤」の結合を、検出のためにストレプトアビジン−POD結合体およびOBD基質の反応を利用して、ビオチン化サラチンの結合を評価することによって調べた。ビオチン化サラチンを含むこのアッセイは、典型的には、唾液中のサラチン濃度(750μg/l)の評価、サラチンに対する抗体のエピトープマッピング、生物活性サラチンの評価、変異サラチンのために使用された。アッセイの有効性を調べるために、特異的なサラチンペプチドで惹起させた、阻止性ならびに非阻止性抗サラチン抗体を使用した。
【0077】
実施例13
酵母用発現ベクターおよび発現
ピチア(pichia)多コピー発現システム(Invitrogen)を酵母発現の典型例として使用した。酵母用発現ベクターの構築は図8に示されている。サラチン発現ベクターを作製するために、PCR増幅法を使用して、適切なベクター(pPIC9K)への連結に適合する、制限部位(5’のEcoRI、3’のNotI)を作製した。下記の5’−プライマー09および3’−プライマー10を用いた。
【0078】
ピチアのスフェロプラストを形質転換する前に、発現ベクターをSalIで線状化した。サラチン遺伝子の組込みを検証するために、コロニーをHis+Mut+陽性変異体についてスクリーニングした。典型的な増殖条件は、28℃〜30℃、OD2〜6の光学密度に達するまでとした。発現の誘導は、遠心分離した細胞を培地に再懸濁し、メタノールを最終濃度0.5%まで添加し、そして典型的には24時間となる、長時間にわたってこの条件を維持して行った。6日の典型的な発酵期間の後、生成物が上清から回収され、SDS−PAGEおよびELISAで分析された。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 唾液成分の分離を示す図である。サラチンの溶出には、*の印を付してある。 DEAE陰イオン交換後の唾液の分離プロフィルを示す。サラチン画分をピーク3から集めた(実施例2)。
【図1b】 唾液成分の分離を示す図である。サラチンの溶出には、*の印を付してある。 MonoQ HR5/5による、前記プール画分の再クロマトグラフィを示す。サンプルは、バーにより表示される、主ピークの最後の部分から集めた(実施例2)。
【図1c】 唾液成分の分離を示す図である。サラチンの溶出には、*の印を付してある。 MonoQ HR5/5から採取されたサラチン陽性画分の、セミ調製用の分析RP−HPLCによる最後のクロマトグラフィ・ステップを示す(実施例2)。活性なサラチンは主ピークから回収された。
【図2】 RP−HPLCから採取された画分のSDS−PAGEを示す図である。サラチン陽性画分には、*の印が付してある(実施例2および3)。
【図3】 サラチンの大腸菌用発現ベクター(実施例7)を示す図である。
【図4】 サラチンのバキュロドナー・プラスミド(実施例8)を示す図である。
【図5】 全血を、人工コラーゲン表面にさらし、次いで、血小板凝集を染色により可視化した。サラチンは阻害剤(タンパク質#607)として使用した(実施例9)。
【図6】 III型コラーゲンがコーティングされたカバーガラスにおける剪断条件下での血小板凝集の阻害を示す図である。唾液およびサラチンの比較(実施例9)。
【図7】 サラチンは、III型コラーゲンがコーティングされたカバーガラスに対する剪断条件下での血小板結合接着の用量依存的な阻害を示している(実施例9)。
【図8】 サラチンの酵母用発現ベクター(実施例13)を示す図である。
【配列表】
Figure 0004805461
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Claims (21)

  1. 12±1kDの分子量を有し、かつコラーゲン依存性の血小板接着の阻害剤としての生物学的活性を有する、H.medicinalisから単離されたポリペプチドであって、
    該ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含んでなる
    ことを特徴とする、ポリペプチド。
  2. pH3.7±0.5の等電点を有する、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. −S−S−架橋を形成し得るシステイン分子6個を有する、請求項1または2に記載にポリペプチド。
  4. 12±1kDの分子量を有し、かつコラーゲン依存性の血小板接着の阻害剤としての生物学的活性を有する、組み換え発現ポリペプチドであって、
    該ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含んでなる、
    ことを特徴とする、ポリペプチド。
  5. 配列番号1のDNA配列を含んでなるポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を含んでなる、組み換え発現ポリペプチドであって、
    該配列番号1のDNA配列を含んでなるポリヌクレオチドは、配列番号2に開示されるアミノ酸配列をコードしている
    ことを特徴とする、ポリペプチド。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のH.medicinalisから単離されたポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
  7. 配列番号1のDNA配列または前記DNA配列に相補的なDNA配列を含んでなる、単離されたポリヌクレオチドであって、
    前記単離されたポリヌクレオチドは、請求項1〜3のいずれか一項に記載のH.medicinalisから単離されたポリペプチドをコードしている
    ことを特徴とする、単離されたポリヌクレオチド。
  8. 配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  9. 配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなる発現ベクターであって、
    該配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、請求項6のポリヌクレオチド、請求項7の単離されたポリヌクレオチド、請求項8のポリヌクレオチドからなる群より選択される
    ことを特徴とする、発現ベクター。
  10. 請求項9に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。
  11. 請求項10に記載の宿主細胞を含んでなる発現システム。
  12. 請求項4に記載の組み換え発現ポリペプチドの生産方法であって、
    該生産方法は、
    請求項10の宿主と、前記組み換え発現ポリペプチドの産生に十分な条件下で前記宿主を培養する工程;および
    培養上清または細胞残渣から前記組み換え発現ポリペプチドを回収する工程を含む
    ことを特徴とする、生産方法。
  13. 請求項4に記載の組み換え発現ポリペプチドに対する、免疫特異的な抗体。
  14. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のH.medicinalisから単離されたポリペプチドに対する、免疫特異的な抗体。
  15. コラーゲン依存性の血小板接着の阻害用の薬学的活性薬剤であって、
    該薬剤は、配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドと、それに対する薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤とを含んでなる
    ことを特徴とする、薬剤。
  16. 該薬学的活性薬剤は、付加的薬物をも含み、
    前記付加的薬物は、アスピリン、ヘパリンまたはストレプトキナーゼ、ならびに、その組合せから選択される
    ことを特徴とする、請求項15に記載の薬剤。
  17. コラーゲン依存性の血小板接着の阻害用の薬剤を製造するための、請求項4または5に記載の組み換え発現ポリペプチドの使用。
  18. 人工物の表面をコーティングするための、請求項4または5に記載の組み換え発現ポリペプチドの使用。
  19. レンズ材料の血栓形成性の低減を目的とする、眼内レンズを修飾するための、請求項4または5に記載の組み換え発現ポリペプチドの使用。
  20. レンズ表面を接触させるための、請求項4または5に記載の組み換え発現ポリペプチドの使用。
  21. レンズ材料を修飾するため、共有結合架橋させるための、請求項4または5に記載の組み換え発現ポリペプチドの使用。
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