JP4778438B2 - 新規な17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼI型阻害剤 - Google Patents

新規な17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼI型阻害剤 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼI型(17β−HSD1)酵素の阻害化合物を表す新規な3,15−置換されたエストロン誘導体、その塩、これらの化合物を含有する医薬調製物、および、これらの化合物の調製方法に関連する。さらに、本発明は前記新規な3,15−置換されたエストロン誘導体の治療的使用に関係し、具体的には、ステロイドホルモン依存性の疾患または障害(例えば、17β−HSD1酵素の阻害を必要とし、かつ/または、内因性17β−エストラジオール濃度を低下させることを必要とするステロイドホルモン依存性の疾患または障害など)を処置または防止することにおけるそれらの使用に関係する。加えて、本発明は、良性の婦人科障害(具体的には、子宮内膜症)を処置および防止するための、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性をさらには全く有しないか、または、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性のみをさらには有する選択的な17β−HSD1阻害剤の一般的な使用に関連する。
背景
本発明の背景を例示するために本明細書中で使用される刊行物および他の資料、ならびに、特に、実施に関するさらなる詳細を提供するための事例は参考として組み込まれる。
哺乳動物の17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(17β−HSD)は、他の反応に加えて、男性ホルモンおよび女性ホルモンの生合成において最後のいくつかの工程を触媒するNAD(H)依存性またはNADP(H)依存性の酵素である。これらの酵素は不活性な17−ケトステロイドをその活性な17β−ヒドロキシ形態に転換するか、または、17−ケトステロイドへの17β−ヒドロキシ形態の酸化を触媒する。エストロゲン類およびアンドロゲン類はともに17β−ヒドロキシ形態でそれらの受容体に対して最大の親和性を有するので、17β−HSD酵素は、性ステロイドホルモンの活性の組織特異的な調節において不可欠な役割を果たしている。
現在、17β−HSD酵素ファミリーの10個のヒト酵素が記載されている(1型〜5型、7型、8型、10型〜12型)。ヒト17β−HSDファミリーの酵素はそれらの一次構造において30%未満の類似性を互いに有する。これらの17β−HSDは、異なるが、一部の場合には重複するパターンで発現される。異なるタイプの17β−HSDはまた、その基質特異性および補因子特異性が異なる。培養状態での無傷の細胞では、17β−HSDは反応を一方向で触媒する:1型、3型、5型および7型はNADP(H)を補因子として使用し、還元反応(活性化)を触媒し、一方、2型、4型、8型および10型は、NAD(H)を補因子として使用して酸化反応(不活性化)を触媒する[例えば、Labrie他(2000)、Trends Endocrinol Metab、11:421〜7、および、Adamski&Jakob(2001)、Mol Cell Endocrinol、171:1〜4を参照のこと。]。
性ステロイドホルモンの活性の組織特異的な調節におけるそれらの不可欠な役割のために、様々な17β−HSDが、エストロゲン感受性の病理(例えば、乳ガン、卵巣ガンおよび子宮内膜ガンなど)およびアンドロゲン感受性の病理(例えば、前立腺ガン、良性の前立腺肥大、さ瘡、男性型多毛症など)の発生および発達に関与し得る。その上、多くのタイプの17β−HSDがヒトの特定の障害の病理発生に関与していることが示されている。例えば、17β−HSD3が偽半陰陽の発症に関与することが知られており、17β−HSD8が腎多嚢胞性疾患において役割を果たしており、また、17β−HSD4が二機能酵素欠損の発生に関係づけられている。従って、17β−HSD酵素の特異的阻害剤の投与による性ステロイド感受性疾患の処置が、場合により強力かつ特異的な抗エストロゲン剤および抗アンドロゲン剤との併用で提案されている[Labrie F他(1997)、Steroids、62:148〜58]。
各タイプの17β−HSDが、選択的な基質親和性、無傷な細胞における方向性の(還元的または酸化的)活性、および、特定の組織分布を有するという事実により、薬物作用の選択性を、特定の17β−HSDイソ酵素を標的化することによって達成することができる。特定の17β−HSDを個々に調節することによって、異なる標的組織におけるエストロゲン類およびアンドロゲン類の局所的濃度およびパラクリン濃度に影響を及ぼすことが可能であり、または、そのような濃度を制御することさえ可能である。
17β−HSDファミリーの最も良く特徴づけられている酵素は17β−HSD1[EC.1.1.1.62]である。この酵素は、(例えば、リガンドおよび/または補因子を伴って、また、リガンドおよび/または補因子を伴うことなく)種々の機能性状態で結晶化させることができる。インビトロでは、17β−HSD1酵素はエストロン(E1)とエストラジオール(E2)との間での還元および酸化を触媒する。しかしながら、生理学的なインビボ条件のもとでは、この酵素はエストロン(E1)からエストラジオール(E2)への還元反応を触媒するだけである。17β−HSD1は、様々なホルモン依存性組織で、例えば、胎盤、乳腺組織、または、子宮および子宮内膜の組織などでそれぞれ発現することが見出されていた。エストラジオール自体は、特に、著しくそれほど活性でないエストロンとの比較では、核のエストロゲン受容体に結合することによって様々な遺伝子の発現を調節し、また、標的細胞の増殖および分化において不可欠な役割を果たす非常に強力なホルモンである。生理学的ならびに病理学的な細胞増殖はエストラジオール依存性であり得る。特に、多くの乳ガン細胞は、局所的に上昇したエストラジオール濃度によって刺激される。その上、良性の病理(例えば、子宮内膜症、子宮平滑筋腫(類線維腫または筋腫)、腺筋症、月経過多、子宮出血および月経困難症など)の発生または経過が、著しく高いエストラジオールレベルの存在に依存している。
子宮内膜症は、生殖可能な年齢の女性の10%〜15%が罹る広く知られている婦人科障害である。子宮内膜症は、生存可能な子宮内膜の腺細胞および基質細胞が子宮腔の外側に存在するとして定義される良性の疾患である。子宮内膜症は骨盤域において最も頻繁に見出される。子宮内膜症を発症している女性において、逆行性月経(最も可能性のある機構)によって腹膜腔に進入する子宮内膜細胞は、腹膜裏層に接着し、侵入する能力を有しており、その後、潜り込み、成長することができる。潜り込んだ細胞は、子宮における子宮内膜と同様な方法で月経周期のステロイドホルモンに対して応答する。浸潤した病巣、および、塊から離れることができないこれらの病巣からの血液により、周りの組織の炎症が引き起こされる。子宮内膜症の最も一般的な症状は、月経困難症、性交疼痛および(慢性的な)腹痛である。これらの症状の発生は病巣の程度には関連しない。重症の子宮内膜症の女性の一部は無症状であり、一方で、軽度の子宮内膜症の女性がひどい痛みを有する場合がある。今日まで、子宮内膜症を診断するための確実な非浸襲的検査は得られていない。腹腔鏡検査を、この疾患を診断するために行わなければならない。子宮内膜症は、アメリカ不妊症学会(AFS)によって示された4つの病期に従って分類される。子宮内膜症の位置および程度によって、第I期は極微の疾患に対応し、第IV期は重症である。子宮内膜症は不妊症女性の50%までに見出される。しかしながら、現時点では、因果関係が、軽度の子宮内膜症と、不妊症との間では証明されていない。中程度〜重症の子宮内膜症は、不妊症を生じさせる卵管の損傷および癒着を引き起こすことがある。子宮内膜症の処置の目的は、痛みの緩和、子宮内膜症組織を消散させること、および、(所望されるならば)受胎能力の回復である。2つの一般的な処置が、手術、あるいは、抗炎症治療および/またはホルモン治療、あるいは、それらの併用である。
子宮平滑筋腫(類線維腫または筋腫)は良性のクローン性腫瘍であり、ヒト子宮の平滑筋細胞から生じる。子宮平滑筋腫は、臨床的には25%までの女性において見られ、子宮摘出のためのただ一つの最も一般的な適応である。子宮平滑筋腫は重大な病的状態を引き起こし、これらには、長引く重い月経出血、骨盤の圧迫および痛み、泌尿器系の問題、ならびに、希な場合には生殖機能不全が含まれる。筋腫の病態生理学は十分には理解されていない。筋腫は、粘膜下(子宮内膜の下)、粘膜内(子宮筋層の内部)および漿膜下(子宮の漿膜区画から突き出て)に見出され、しかし、ほとんどがこれら3つの異なるタイプの混合型形態である。平滑筋腫細胞におけるエストロゲン受容体の存在がTamaya他[Tamaya他(1985)、Acta Obstet Gynecol Scand、64:307〜9]によって研究されている。Tamaya他は、プロゲステロン受容体およびアンドロゲン受容体のレベルと比較されたエストロゲン受容体の比率が、平滑筋腫では、対応する正常な子宮筋層よりも大きかったことを示している。手術が、これまで長い間、筋腫に対する主要な処置であった。その上、筋腫を処置するために提案されている医学的治療は、様々なステロイド剤(例えば、アンドロゲン様ステロイド(ダナゾールまたはゲストリノン)、GnRHアゴニスト、およびプロゲストゲン類など)の投与を含んでおり、それにより、その投与は、多くの場合、様々な重篤な副作用を伴う。
子宮平滑筋腫および子宮内膜症の処置に関して上記で述べられていることはすべて、他の良性の婦人科障害(特に、腺筋症、機能的な月経過多および子宮出血)に対して等しく適用される。これらの良性の婦人科障害はすべてがエストロゲン感受性であり、子宮平滑筋腫および子宮内膜症に関して以前に本明細書中に記載されたように同程度の方法で処置される。しかしながら、利用可能な薬学的処置は同じ大きな欠点に悩まされている。すなわち、利用可能な薬学的処置は、副作用が処置すべき症状よりもひどくなると中断しなければならず、また、症状が、治療を中断した後に再び現れる。
上記の悪性および良性の病理はすべてが17β−エストラジオール依存性であるので、それぞれの組織における内因性17β−エストラジオール濃度の減少は、前記組織における17β−エストラジオール細胞の損なわれた増殖または低下した増殖をもたらす。従って、17β−HSD1酵素の選択的阻害剤は、筋腫、子宮内膜症組織、腺筋症組織および子宮内膜組織におけるエストロゲン類の内生的産生(特に、17β−エストラジオールの内生的産生)を弱めるためのその使用に十分に適すると結論することができる。還元反応を優先的に触媒する17β−HSD1に対して選択的阻害剤として作用する化合物の適用は、活性なエストラジオールへのエストロンの還元的転換が低下するか、または抑制されるので、低下した細胞内エストラジオール濃度をもたらす。従って、17β−HSD1の可逆的阻害剤、または、17β−HSD1の不可逆的阻害剤でさえ、ステロイドホルモン依存性(特に、17β−エストラジオール依存性)の障害または疾患の予防および/または処置において著しい役割を果たし得る。その上、17β−HSD1の可逆的阻害剤、または、17β−HSD1の不可逆的阻害剤でさえ、エストラジオール受容体(特に、エストロゲン受容体αサブタイプ)に対する純粋な拮抗的結合活性を全く有しないか、またはエストラジオール受容体(特に、エストロゲン受容体αサブタイプ)に対する純粋な拮抗的結合活性のみを有するに違いない。これは、エストロゲン受容体の作動的結合は活性化をもたらし、従って、様々な遺伝子の調節によって標的細胞の増殖および分化を生じさせるからである。対照的に、エストロゲン受容体のアンタゴニスト(いわゆる、抗エストロゲン剤)は特定の受容体タンパク質に競合的に結合し、従って、内因性エストロゲン類がそれらの特定の結合部位に接近することを妨げる。
現在、乳ガン、前立腺ガン、卵巣ガン、子宮ガン、子宮内膜ガンおよび子宮内膜過形成のようないくつかの悪性疾患が、選択的な17β−HSD1阻害剤の投与によって処置され得ることが文献において記載されている。その上、選択的な17β−HSD1阻害剤は、上記のホルモン依存性ガン(特に、乳ガン)を防止するために有用であり得る。国際特許出願公開WO2004/080271は、17HSD1酵素活性によって引き起こされる障害(特に、乳ガン)を防止または処置するためのある種の17β−HSD1阻害剤(いわゆる、化合物A)の使用を開示する。さらに、国際特許出願公開WO03/017973は、子宮平滑筋腫、子宮内膜症、腺筋症、機能性な月経過多および子宮出血からなる群から選択される女性における良性の婦人科障害を処置または防止する方法において使用される薬物送達ビヒクルの製造における選択的エストロゲン酵素調節剤(SEEM)の使用を記載しており、この場合、その方法は、良性の婦人科障害に罹患している女性に、前記良性の婦人科学害の症状を防止または軽減するための治療効果的な投薬量で、アロマターゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)阻害剤、17β−HSD1阻害剤、およびそれらの組合せからなる群から選択されるSEEMを膣内投与することを含む。
ステロイド起源およびさらには非ステロイド起源の17β−HSD1酵素の可逆的阻害剤または不可逆的阻害のいくつかが既に文献から知られている。これらの阻害分子(これらは主として基質コア構造または補因子様コア構造を有する)の特徴が文献に報告されている[Poirier D.(2003)、Curr Med Chem、10:453〜77に総説される]。
例えば、TremblayおよびPoirierはエストラジオール誘導体の16−[カルバモイル−(ブロモメチル)アルキル]エストラジオールを記載しており、酵素17β−HSD1によって触媒されるエストラジオール形成のその阻害に関して誘導体を試験した[TremblayおよびPoirier(1998)、J.Steroid Biochem.Molec.Biol.、66:179〜191]。Poirierおよび共同研究者らはエストラジオールの6β−チアヘプタン−ブチル−メチル−アミド誘導体を17β−HSD1酵素の強力かつ選択的な阻害剤として記載する[Poirier他(1998)、J.Steroid Biochem.Molec.Biol.、64:83〜90]。さらに、Poirierおよび共同研究者らは、17β−HSD酵素の潜在的な阻害剤であり得る、3つの異なる長さ(n=8、10または12)のN−ブチル、N−メチルのアルキルアミド側鎖を15位に有する新しい17β−エストラジオール誘導体を記載する[Poirier他(1991)、Tetrahedron、47(37):7751〜7766]。これらの化合物の生物学的活性は、エストロゲン受容体結合親和性、エストロゲン様活性および抗エストロゲン様活性に関して調べられただけであった[Poirier他(1996)、Bioorg Med Chem Lett、6(21):2537〜2542]。加えて、PelletierおよびPoirierは、17β−HSD酵素の潜在的な阻害剤であり得る、異なるブロモアルキル側鎖を有する新規な17β−エストラジオール誘導体を記載する[PelletierおよびPoirier(1996)、Bioorg Med Chem、4(10):1617〜1628]。Samおよび共同研究者らは、17β−HSD1阻害特性を有する、ハロゲン化アルキル側鎖がステロイドD環の16α位または17α位に存在するエストラジオール誘導体をいくつか記載する[Sam他(1998)、Drug Design and Discovery、15:157〜180]。さらに、一部の抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェンなど)が弱い17β−HSD阻害特性を有するという発見は、同様に抗エストロゲン様でもある強力な17β−HSD1阻害剤を開発することが可能であり得ることを示唆していた[Poirier D.(2003)、Curr Med Chem、10:453〜77に総説される]。上記の既に知られている化合物のいくつかはまた抗エストロゲン特性を示す(例えば、Poirierおよび共同研究者らによって記載されるエストラジオールの6β−チアヘプタン−ブチル−メチル−アミド誘導体[Poirier他(1998)、J.Steroid Biochem.Molec.Biol.、64:83〜90])。上記化合物はどれも、これまで臨床的に使用されていない。
さらに、国際特許出願公開WO2004/085457は、種々の置換基をC3位、C6位、C16位および/またはC17位に有する様々なエストロン誘導体を強力な17β−HSD1阻害剤として開示する。
さらに、B環、C環およびD環が置換された種々のエストラジオールカルボン酸エステルの合成がLabaree他によって記載されていた[Labaree他(2003)、J.Med.Chem.、46:1886〜1904]。しかしながら、これらのエステルはそのエストロゲン様能力に関して分析されただけであった。関連した国際特許出願公開WO2004/085345は、−(CH−CO−O−R側鎖(式中、Rは、H、少なくとも1つのハロゲン基で場合により置換されるC〜Cアルキル基(例えば、CHCHFまたは他の基(例えば、CHCHF基、CHCF基またはCF基)など)である;mは0〜5である)を有する15α置換されたエストラジオール化合物を開示する。この15αエストラジオールエステルは、著しい全身作用を有しない局所的に活性なエストロゲン剤として記載される。
従って、17β−HSD1酵素を、望ましくは、17β−HSDタンパク質ファミリーの他の酵素、あるいは、性ステロイドの分解または活性化の触媒を実質的に阻害することなく、選択的に阻害することによってステロイドホルモン依存性の疾患または障害(例えば、乳ガン、子宮内膜症および子宮平滑筋腫など)を処置および/または防止するために適する化合物の開発が求められている。具体的には、17β−HSD1酵素の選択的阻害剤(それにより、化合物は、エストロゲン受容体(サブタイプαおよびサブタイプβの両方)に対する純粋な拮抗的結合親和性をさらには全く有しないか、または、エストロゲン受容体(サブタイプαおよびサブタイプβの両方)に対する純粋な拮抗的結合親和性のみをさらには有する)を開発することが本発明の目的の1つである。さらに、特に閉経期前および閉経期の女性について、エストロゲン依存性の良性の婦人科障害に対する新しいタイプの治療様式(それにより、治療は重篤な副作用を生じさせてはならない)を提供することが依然として求められている。
発明の概要
従って、有益な薬理学的性質を有し、かつ、エストロゲン依存性の疾患および障害を処置するために適する、酵素17β−HSD1の新規な阻害剤を開発することが本発明の目的の1つである。
今回、アミド型、エステル型、カルボニル型、ヒドロゾン型、アルコール型、エーテル型、ウレア型、カルバマート型、「レトロ」−アミド型、スルホニルウレア型、スルファミド型、スルファマート型、「レトロ」−スルホンアミド型、「レトロ」−カルバマート型、「レトロ」−エステル型またはスルホニルカルバマート型の側鎖を15位に有する新規な3,15−置換されたエストロン誘導体が、17β−HSD酵素の阻害を必要とする治療において、特に、ステロイドホルモン依存性の疾患または障害の処置または防止において有益であることが見出されている。特に、式(I)の化合物は17β−HSD酵素の強力な阻害剤を表しており、悪性のステロイド依存性の疾患または障害(例えば、乳ガン、前立腺ガン、卵巣ガン、子宮ガン、子宮内膜ガンおよび子宮内膜過形成など)を処置するために、しかし、また、良性のステロイド依存性の疾患または障害(例えば、子宮内膜症、子宮類線維腫、子宮平滑筋腫、腺筋症、月経困難症、月経過多、子宮出血、前立腺炎、良性の前立腺肥大、排尿障害または下部尿路症候群など)を処置および/または予防するために有益な薬理学的性質を有する。本発明の化合物の有効量を用いて処置および/または防止され得るさらなるエストロゲン依存性疾患には、多発性硬化症、リウマチ様関節炎、結腸ガン、組織創傷、皮膚のしわ、および白内障がある。
さらに、17β−HSD1酵素の選択的阻害剤の有効量の投与によって良性の婦人科疾患または障害(例えば、子宮内膜症、子宮類線維腫、子宮平滑筋腫、腺筋症、月経困難症、月経過多、子宮出血または排尿障害など)を処置するための新しい治療様式を提供することが本発明の目的の1つであった。好ましくは、17β−HSD1酵素の選択的阻害剤は、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性を全く有しないか、または、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性のみを有する。特に、エストロゲン依存性の良性の障害に対するこの新規なタイプの治療様式は閉経期前および閉経期の女性に適する。
従って、本発明は、下記の一般式I:
Figure 0004778438
[式中、
(i)Xは、
(a)結合、
(b)−NR−、または
(c)−O−
を表す;
Aは、
(a)−CO−
を表すか、または
(b)Xが結合または−NR−を表すという条件のもとで、Aは−SO−を表す;
Yは、
(a)−NR−、
(b)Xが−NR−を表すという条件のもとで、−O−、
(c)結合、
(d)Xが−NR−を表し、かつ、Aが−CO−を表すという条件のもとで、−NH−SO−、
(e)Xが−O−を表すという条件のもとで、−NH−SO−NR−、または
(f)Xが結合を表すという条件のもとで、−NH−NR
を表す;
あるいは
(ii)−X−A−Y−は一緒になって−O−を表す;
かつ、
およびRは、独立して、
(a)−H、
(b)ハロゲン、ニトリル、−OR、−SRまたは−COORで場合により置換される−(C〜C)アルキル(ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては3までであり、前記ハロゲン基、ニトリル基、−OR基、−SR基または−COOR基の任意の組合せについては2までである)、
(c)ハロゲン、ニトリル、−OR、−SR、−Rまたは−COORで場合により置換される−フェニル(ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについてはペルハロまでであり、前記ハロゲン基、ニトリル基、−OR基、−SR基、−R基または−COOR基の任意の組合せについては2までである)、
(d)アルキル部分が3つまでのハロゲンで場合により置換され、かつ、フェニル部分が、ハロゲン、ニトリル、−OR、−SR、−Rまたは−COORで場合により置換される−(C〜C)アルキル−フェニル(ただし、前記フェニル部分における置換基の数は、ハロゲンについてはペルハロまでであり、前記ハロゲン基、ニトリル基、−OR基、−SR基、−R基または−COOR基の任意の組合せについては2までである)
から選択される;
およびRは、独立して、
(a)−H、ただし、Xが結合を表し、Aが−CO−を表し、かつ、Yが−O−または結合を表すならば、Rは−Hとは異なる;
(b)場合により置換されたアルキル、
(c)Yが−NH−NR−を表すという条件のもとで、場合により置換されたアシル、
(d)場合により置換されたアリール、
(e)場合により置換されたヘテロアリール、および
(f)場合により置換されたシクロヘテロアルキル
から選択される;
あるいは、Yが、−NR−、−NH−NR−または−NH−SO−NR−を表すという条件のもとで、
およびRは、RおよびRが結合している窒素原子と一緒になって、場合により飽和、部分的不飽和または芳香族である複素環状の4員環、5員環、6員環、7員環または8員環を形成し、この場合、前記環は、N、OまたはSから選択される3つまでのさらなるヘテロ原子(ただし、さらなるN原子の数は、0、1、2または3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが、0、1または2である)を場合により含有し、かつ、前記環は場合により多環縮合環系の一部である(ただし、環または環系は場合により置換される);
は、H、−(C〜C)アルキルまたはハロゲン化−(C〜C)アルキルを表す;かつ
nは、0、1、2、3、4、5または6を表し、ただし、Xが−NR−または−O−を表すならば、nは0とは異なる]の化合物、ならびに、そのすべての立体異性体、薬理学に許容され得る塩およびプロドラッグに関連する。
従って、本発明は、
−X−A−Y−が一緒になって、
(a)−CO−NR−、
(b)−CO−O−、
(c)−CO−、
(d)−CO−NH−NR−、
(e)−NR−CO−NR−、
(f)−NR−CO−O−、
(g)−NR−CO−、
(h)−NR−CO−NH−SO−、
(i)−NR−SO−NR−、
(j)−NR−SO−O−、
(k)−NR−SO−、
(l)−O−CO−NR−、
(m)−O−CO−、
(n)−O−CO−NH−SO−NR−、または
(o)−O−
を表す一般式Iの化合物に関連する。
さらなる実施形態において、本発明は、下記の式(II):
Figure 0004778438
を有する光学的に純粋な15αエナンチオマーまたはその生理学的に許容され得る塩である一般式Iの化合物に関連する。さらなる実施形態において、本発明は、式(II)(式中、Xが−NR−または−O−を表すならば、nは、1、2、3または4を表す;または、Xが結合を表すならば、nは、0、1、2または3を表す)を有する15αエナンチオマーに関連する。
別の実施形態において、本発明は、下記の式(III):
Figure 0004778438
を有する光学的に純粋な15βエナンチオマーまたはその生理学的に許容され得る塩である一般式Iの化合物に関連する。さらなる実施形態において、本発明は、式(III)(式中、Xが結合を表すならば、nは、2、3、4または5を表す;または、Xが−NR−または−O−結合を表すならば、nは、3、4、5または6を表す)を有する15βエナンチオマーに関連する。
本発明の1つの好ましい実施形態は、Rが存在するならば、RおよびRが、H、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、およびフェニル(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)から独立して選択される、一般式Iの化合物に関連する。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、Rが存在するならば、RおよびRがHおよびメチルから独立して選択される、一般式Iの化合物に関連する。
本発明のさらなる好ましい実施形態は、Xが−NR−または−O−を表し、かつ、Yが−NR−を表すならば、Rが−Hである、一般式Iの化合物に関連する。
本発明の好ましい実施形態は、下記のように定義される一般式Iの化合物に関連する:
およびRが、独立して、下記の(a)〜(f)から選択される:
(a)−H、ただし、Xが結合を表し、Aが−CO−を表し、かつ、Yが−O−または結合を表すならば、Rは−Hとは異なる;
(b)下記の置換基からなる群から独立して選択される5つまでの置換基で場合により置換される−(C〜C12)アルキル:ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、ニトリル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アミド、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、スルファモイル、スルホンアミド、アシル、カルボキシル、アシルアミノ、
アリール(この場合、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシル、アシルアミノおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;または、アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基によって場合により置換される)、
ヘテロアリール(この場合、ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシル、アシルアミノ、アリール−(C〜C)アルキルおよびアリールからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される)、および
シクロヘテロアルキル(この場合、シクロヘテロアルキル基は、オキソ、(C〜C)アルキル、アリール、アリール−(C〜C)アルキル、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシルおよびアシルアミノからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される);
(c)アシル−(C=O)−R'(式中、R'は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、またはアリール−(C〜C)アルキル、またはヘテロアリール−(C〜C)アルキルを表し、この場合、前記アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される);
(d)アリール、
この場合、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、ニトロ、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシル、アシルアミノおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;または
アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基によって場合により置換される;
(e)ヘテロアリール、
この場合、ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、アリールスルホキシ、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシル、アシルアミノ、アリール−(C〜C)アルキルおよびアリールからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;または
(f)シクロヘテロアルキル、
この場合、シクロヘテロアルキルは、オキソ、(C〜C14)アルキル、アリール、アリール−(C〜C)アルキル、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシルおよびアシルアミノからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;
あるいは、Yが、−NR−、−NH−NR−または−NH−SO−NR−を表すという条件のもとで、
およびRは、RおよびRが結合している窒素原子と一緒になって、場合により飽和、部分的不飽和である複素環状の4員環、5員環、6員環、7員環または8員環を形成し、この場合、前記環は、N、OまたはSから選択される3つまでのさらなるヘテロ原子(ただし、さらなるN原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有し、かつ、前記環は場合により多環縮合環系の一部であり、この場合、環または環系は、
(i)(C〜C)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、ニトリル、(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アミド、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、スルファモイル、スルホンアミド、アリール、アリール−(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびシクロヘテロアルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基
で場合により置換され、
ただし、
前記(C〜C)アルキル基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシの中から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、それにより、(C〜C)アルコキシ基のアルキル鎖はヒドロキシルで場合により置換される;
前記アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシおよびカルボキシル−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換されるか、または、前記アリール基は、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基によって場合により置換される;
前記ヘテロアリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシおよびカルボキシル−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;
前記シクロヘテロアルキルは、オキソ、(C〜C)アルキル、アリール、アリール−(C〜C)アルキル、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキルおよびカルボキシルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合によりさらに置換される;または
(ii)同じ炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の4員環系、5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基
によって場合により置換され、
それにより、環状の環系は、オキソ、(C〜C)アルキル、アリールおよびアリール−(C〜C)アルキルから独立して選択される2つまでの置換基によって場合による置換される;
かつ、nは、
(a)Xが−NR−または−O−を表すという条件のもとで、1、2、3、4、5または6、あるいは
(b)Xが結合を表すという条件のもとで、0、1、2、3、4または5
を表す。
本発明の1つの好ましい実施形態では、一般式Iの化合物において、RおよびRは独立して−Hを表すことができ、ただし、Xが結合を表し、Aが−CO−を表し、かつ、Yが−O−または結合を表すならば、Rは−Hとは異なる。
本発明のさらなる実施形態において、用語「場合により置換されたアルキル」は、これらRおよび/またはRが独立して選択され得るが、下記の(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)または(vi)を表す:
(i)下記の(a)〜(i)からなる群から独立して選択される置換基で場合により置換される−(C〜C)アルキル:
(a)ヒドロキシル、
(b)ニトリル、
(c)−O−R7,
(d)−O−フェニル、
(e)−O−(C〜C)アルキル−フェニル、
(f)アルキルアミノ、
(g)アルキルアミド、好ましくは、カルバモイル、
(h)−S−R7,、および
(i)−(C=O)−OR8,
ただし、前記アルキル部分における置換基の数は、ヒドロキシルについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては1、2または3であり、より好ましくは2までである;
7,は、アルキル鎖において1つまたは2つのヒドロキシル基で場合により置換される(C〜C)アルキル(好ましくは、(C〜C)アルキル)を表し、かつ
8,は、水素、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)または(C〜C)アルキル−フェニル(好ましくは、ベンジル)を表す;
(ii)下記の(a)〜(c)からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される−(C〜C)アルキル:
(a)フェニル、ナフチル、インダニル、インデニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルの中から好ましくは選択されるアリール(好ましくは、アリールはフェニルまたはナフチルである)、この場合、
前記アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、スルファモイルまたはアルキルアミドで場合により置換され、ただし、前記アリール部分における置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、より好ましくは3までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までであり、より好ましくは2までである;または、前記アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、NまたはOなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される;
(b)ピロリル、チエニル、フリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフランおよびベンゾ[b]チオフェンの中から好ましくは選択されるヘテロアリール(より好ましくは、ヘテロアリールは、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピリジニル、インドリルまたはベンゾイミダゾリルである)、この場合、前記ヘテロアリールは、(C〜C)アルコキシ(好ましくは、メトキシ)または(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)からなる群から独立して選択される2つまでの置換基(好ましくは、1つの置換基)で場合により置換される;および
(c)ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロ−1H−ピロリル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピリジニル、アゼチジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニルおよびチアゼパニルからなる群から好ましくは選択されるシクロヘテロアルキル(好ましくは、シクロヘテロアルキル基はピペリジニルまたはモルホリニルである)、この場合、前記シクロヘテロアルキルは、オキソ、ヒドロキシル、(C〜C)アルキル、フェニル、−(C〜C)アルキル−フェニル(好ましくは、ベンジル)、−(C=O)−O−(C〜C)アルキルおよびアルキルアミノからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、好ましくは、シクロヘテロアルキル基は置換されない;
(iii)ヒドロキシルで場合により置換される−シクロ(C〜C)アルキル;
(iv)ヒドロキシルで場合により置換される−(C〜C)アルキル−シクロ(C〜C)アルキル;
(v)6個〜10個の炭素原子の二環状の環系、好ましくは、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノナニル、ビシクロ[3.3.1]ノナニル、ビシクロ[3.3.2]デカニル;または
(vi)10個までの炭素原子の縮合環系、好ましくは、アダマンチル。
本発明のさらなる実施形態において、用語「場合により置換されたアシル」は、これから、Rおよび/またはRが、Yが−NH−NR−を表すという条件のもとで、独立して選択され得るが、アシル−(C=O)−R'(式中、R'は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、またはアリール−(C〜C)アルキル、またはヘテロアリール−(C〜C)アルキルを表し、この場合、アリールまたはアリール−(C〜C)アルキルは、アリール(好ましくは、フェニル)部分において、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される)を示す。
本発明のさらなる実施形態において、用語「場合により置換されたアリール」は、これからRおよび/またはRが独立して選択され得るが、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルの中から好ましくは選択されるアリールを示す。本発明の1つの局面によれば、前記アリールは、
(i)ヒドロキシル、
(ii)ハロゲン、好ましくは、フッ素または塩素;
(iii)(C〜C)アルコキシ、好ましくは、(C〜C)アルコキシ、
(iv)(C〜C)アルキル、好ましくは、(C〜C)アルキル、
(v)ハロゲン化(C〜C)アルキル、好ましくは、ハロゲン化(C〜C)アルキル、より好ましくは、トリフルオロメチル、
(vi)ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、好ましくは、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、より好ましくは、トリフルオロメトキシ、
(vii)−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR8,
(viii)ニトリル、
(ix)ニトロ、
(x)スルファモイル、
(xi)−(C=O)−R8,
(xii)−(C=O)−OR8,
(xiii)−NH−(C=O)−R8,
(xiv)−S−R8,
(xv)−SO−R8,
(xvi)アルキルアミノ、
(xvii)アルキルアミド、好ましくは、カルバモイル、
(xviii)フェニル、および
(xix)(C〜C)アルキルで場合により置換されるさらなるヘテロアリール基(好ましくは、6−メチルベンゾチアゾリル)、
(上記において、R8,は、水素、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、または(C〜C)アルキル−フェニル(好ましくは、ベンジル)を表す)
からなる群から独立して選択される5つまでの置換基(より好ましくは、3つまでの置換基)で場合により置換される;
または、前記アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基によって場合により置換される。
さらなる実施形態において、アリール基は、これからRおよび/またはRが独立して選択され得るが、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、ニトロ、ニトリル、−CO−(C〜C)アルキル、−CO−O−(C〜C)アルキル、−NH−CO−(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−スルホニル、フェニルまたはヘテロアリールで場合により置換され、この場合、前記アリール部分における置換基の数は、ハロゲンについてはペルハロまでであり、前記(C〜C)アルコキシ基またはハロゲン化(C〜C)アルキル基の任意の組合せについては2までである。
本発明のさらなる実施形態において、用語「場合により置換されたヘテロアリール」は、これからRおよび/またはRが独立して選択され得るが、ピロリル、チエニル、フリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフランおよびベンゾ[b]チオフェンの中から好ましくは選択されるヘテロアリールを示し、より好ましくは、ヘテロアリールは、フリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、キノリニルまたはベンゾ[b]チオフェンである。前記ヘテロアリールは、
(i)ハロゲン、
(ii)(C〜C)アルキル、
(iii)ヒドロキシル、
(iv)ハロゲン化(C〜C)アルキル、
(v)−(C〜C)アルコキシ、
(vi)−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR8,
(vii)−O−A1,
(viii)−SO−A1,
(ix)フェニル、
(x)−(C〜C)アルキル−フェニル、
(xi)ニトリル、
(xii)アルキルアミノ、および
(xiii)アルキルアミド、好ましくは、カルバモイル、
(上記において、R8,は、水素、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、または(C〜C)アルキル−フェニル(好ましくは、ベンジル)を表す;かつ
Ar1,は、3つまでのハロゲン原子で場合により置換されるフェニルを表す)
からなる群から独立して選択される3つまでの置換基(好ましくは、2つまでの置換基)で場合により置換される。
さらに、ヘテロアリール基は、これからRおよび/またはRが独立して選択され得るが、ハロゲン、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、ハロゲン化(C〜C)アルキル(好ましくは、ハロゲン化メチル)、−(C〜C)アルキル−(C=O)−O(C〜C)アルキル、−SO−フェニル、−O−フェニルおよびフェニルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基(好ましくは、2つまでの置換基)で場合により置換される。
本発明のさらなる実施形態において、用語「場合により置換されたシクロヘテロアルキル」は、これからRおよび/またはRが独立して選択され得るが、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロ−1H−ピロリル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピリジニル、アゼチジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニルおよびチアゼパニルの中から好ましくは選択されるシクロヘテロアルキルを示し、より好ましくは、シクロヘテロアルキルは、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニルまたはアゼパニルである。前記シクロヘテロアルキルは、
(i)オキソ、
(ii)(C〜C)アルキル、
(iii)フェニル、
(iv)−(C〜C)アルキル−フェニル、
(v)ヒドロキシル、
(vi)(C〜C)アルコキシ、および
(vii)−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR8,
(ただし、Rは、水素、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、または(C〜C)アルキル−フェニル(好ましくは、ベンジル)を表す)
からなる群から独立して選択される3つまでの置換基(より好ましくは、1つまたは2つの置換基)で場合により置換される。
さらに、前記シクロヘテロアルキル基は、これからRおよび/またはRが独立して選択され得るが、オキソ、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、および(C〜C)アルキル−フェニル(好ましくは、ベンジル)からなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される。
さらなる実施形態において、本発明は、Yが、−NR−、−NH−NR−または−NH−SO−NR−を表すという条件のもとで、RおよびRが結合している窒素原子と一緒になって、RおよびRが、N、OまたはSから選択される3つまでのさらなるヘテロ原子(ただし、さらなるN原子の数は0〜3であり、O原子およびN原子の数はそれぞれが0〜2である)を含有することができる飽和または部分的不飽和であり得る複素環状の4員環、5員環、6員環、7員環または8員環(この場合、前記環は多環縮合環系の一部であり得る)を形成する、一般式Iの化合物に関連する。1つの実施形態によれば、前記環または環系は、
Figure 0004778438
からなる群から選択される。
さらにより好ましくは、前記環または環系は、
Figure 0004778438
からなる群から選択される。
前記環または環系は、
(i)ヒドロキシル、
(ii)2つまでのヒドロキシル基および/または(C〜C)アルコキシ基で場合により置換される(C〜C)アルキル、それにより、(C〜C)アルコキシ基のアルキル鎖は2つまでのヒドロキシル基(好ましくは、1つのヒドロキシル基)で場合によりさらに置換され得る;
(iii)シクロ(C〜C)アルキル;
(iv)−(C=O)−O−(C〜C)アルキル;
(v)ハロゲン、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、(C〜C)アルコキシまたはハロゲン化(C〜C)アルキル(好ましくは、ハロゲン化メチル)で場合により置換されるフェニル(ただし、フェニル基における前記置換基の数は、ハロゲンについては3までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては1または2である);
(vi)フェニル基において3つまでのハロゲンによって場合により置換されるか、あるいは、フェニル基において、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、2つまでのO原子を場合により含有する飽和または不飽和の環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換されるフェニル−(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル);
(vii)アルキルアミド、好ましくは、カルバモイル;
(viii)ピリジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、インドリル、キノリニル、ベンゾイミダゾリルまたはベンゾ[b]チオフェンからなる群から好ましくは選択されるヘテロアリール(より好ましくは、ヘテロアリールはピリジニルである);および
(ix)ピロリジニル、1,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニルおよびアゼパニルからなる群から好ましくは選択されるシクロヘテロアルキル(より好ましくは、シクロヘテロアルキル基はピロリジニルまたは1,3−ジヒドロベンゾイミダゾリルである)(この場合、前記シクロヘテロアルキル基はオキソで場合により置換される)
からなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され得る。
あるいは、前記環または環系は、同じ炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数は0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の4員環、5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基によって場合により置換され得る(それにより、環状の環系は、オキソおよびフェニルから独立して選択される2つまでの置換基で場合によりさらに置換され得る)。
1つの好ましい実施形態において、本発明は、Rが、
(a)Xが−NR−を表すという条件のもとで、または、Xが結合を表し、かつ、Yが−NR−を表すという条件のもとで、−H;
(b)下記の(i)、(ii)、(iii)または(iv)から選択されるアルキル基:
(i)ヒドロキシル、ニトリル、アルキルアミノ、−O−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される置換基で場合により置換される−(C〜C)アルキル(ただし、前記アルキル部分における置換基の数は、ヒドロキシルについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までであり、より好ましくは2までである):
(ii)アリールおよびヘテロアリールの中から独立して選択される2つまでの置換基(好ましくは、1つの置換基)で置換される−(C〜C)アルキル(好ましくは、−(C〜C)アルキル)、この場合、前記アリールはフェニルまたはナフチルであり、前記ヘテロアリールは好ましくはピリジニルである;
(iii)シクロ(C〜C)アルキル、好ましくは、シクロ(C〜C)アルキル;
(iv)シクロ(C〜C)アルキル−(C〜C)アルキル、好ましくは、シクロ(C〜C)アルキル−(C〜C)アルキル;または
(c)1つまたは2つ(好ましくは、1つ)の(C〜C)アルキル基(好ましくは、メチル基)で場合により置換されるシクロヘテロアルキル(好ましくは、ピペリジニルである)
を表す、一般式Iの化合物に関連する。
1つの実施形態において、本発明は下記の一般式VI:
Figure 0004778438
(式中、
は、H、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、またはフェニル(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)を表し、かつ
nは、0、1、2、3、4または5を表す)の化合物に関連する。
この実施形態において、Rは、好ましくは、
(i)−(C〜C)アルキル、
(ii)−(C〜C)シクロアルキル、
(iii)アリールがフェニルまたはナフチルである−(C〜C)アルキル−アリール、この場合、前記フェニルは、ヒドロキシル、ハロゲンおよび(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される;または、
前記フェニルは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、1つまたは2つのO原子を含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される;または
(iv)ヘテロアリールが、フリル、チエニル、チアゾリル、ピリジニル、インドリルまたはベンゾイミドゾリルであり、かつ、ヘテロアリールが、(C〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキル−(C=O)−O−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換されるヘテロアリールまたは−(C〜C)アルキル−ヘテロアリール
を表し、
かつ、好ましくは、Rは、Hまたは−(C〜C)アルキルから独立して選択される;あるいは、
およびRは、RおよびRが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリンおよびチオモルホリンからなる群から選択される環または環系を形成することができる。
さらなる実施形態において、本発明は下記の一般式XL:
Figure 0004778438
(式中、
は上記で定義される通りであり、好ましくは、RはHを表す;
Yは、−NH−、結合または−O−を表す;
は、H、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、またはフェニル(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)を表す;かつ
nは、1、2、3、4、5または6を表し、好ましくは、1、2、3または4を表す)の化合物に関連する。
本発明のさらなる実施形態は下記の一般式XVII:
Figure 0004778438
(式中、
は上記で定義される通りであり、好ましくは、RはHを表す;
は、H、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、またはフェニル(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)を表す;かつ
nは、1、2、3または4を表し、好ましくは、3または4を表す)の化合物に関連する。
この実施形態において、Rは、好ましくは、
(i)−(C〜C)アルキル、
(ii)−(C〜C)シクロアルキル、
(iii)−(C〜C)アルキル−(C〜C)シクロアルキル、
(iv)フェニルまたはナフチルであるアリール、この場合、前記フェニルは、ヒドロキシル、ハロゲン、−CO−O(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される;または、
前記フェニルは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、1つまたは2つのO原子を含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される;または
(iv)−(C〜C)アルキル−フェニル
を表す。
本発明のさらなる実施形態は下記の一般式XXIII:
Figure 0004778438
(式中、
は上記で義される通りであり、好ましくは、RはHを表す;
は、H、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、またはフェニル(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)を表す;かつ
nは、1、2、3または4を表す)の化合物に関連する。
この実施形態において、Rは、好ましくは、
(i)−(C〜C)アルキル、
(ii)−(C〜C)シクロアルキル、
(iii)−(C〜C)アルキル−(C〜C)シクロアルキル、
(iv)−O(C〜C)アルキルおよび−O−(C〜C)アルキル−フェニルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される−(C〜C)アルキル、
(v)ハロゲンおよび(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ、2つまたは3つの置換基で場合により置換されるフェニル、
(vi)−(C〜C)アルキル−フェニル、または
(vii)アダマンチル
を表す。
本発明のさらなる実施形態は下記の一般式XXIV:
Figure 0004778438
(式中、
は上記で定義される通りであり、好ましくは、RはHまたは−(C〜C)アルキルを表す;
は、H、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、またはフェニル(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)を表す;かつ
nは、1、2、3または4を表す)の化合物に関連する。
この実施形態において、Rは、好ましくは、下記の(i)または(ii)を表す:
(i)フェニルまたはナフチルの中から選択されるアリール、この場合、前記アリールは、ハロゲン、ニトロ、(C〜C)アルコキシおよび−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される;または
(ii)フリル、チエニル、またはチアゾリル、またはインドリルであるヘテロアリール、この場合、前記ヘテロアリールは、−SO−フェニルおよび(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される。
本発明のさらなる実施形態は下記の一般式XXVI:
Figure 0004778438
(式中、
は、H、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、またはフェニル(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)を表す;かつ
nは、3、4、5または6を表す)の化合物に関連する。
この実施形態において、Rは、好ましくは、フェニルまたはナフチルを表し、この場合、
前記フェニルは、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、−CO−O(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシおよびハロゲン化(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される;または
前記フェニルは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、1つまたは2つのO原子を含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される。
本発明のさらなる実施形態は下記の一般式XXVIII:
Figure 0004778438
(式中、
は、H、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、またはフェニル(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)を表す;かつ
nは、3、4、5または6を表す)の化合物に関連する。
この実施形態において、Rは、好ましくは、
(i)−(C〜C)アルキル、
(ii)−(C〜C)シクロアルキル、
(iii)−(C〜C)アルキル−フェニル、
(iv)フェニル、または
(v)ヘテロアリールが、フリル、チエニル、チアゾリル、ピリジニル、インドリルまたはベンゾイミドゾリルであるヘテロアリールまたは−(C〜C)アルキル−ヘテロアリール
を表し、
かつ、好ましくは、Rは、H、−(C〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキル−フェニルから独立して選択される;あるいは
およびRは、RおよびRが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリン、チオモルホリンおよびピペラジルからなる群から選択される環を形成することができ、この場合、前記環は(C〜C)アルキルで場合により置換される。
本発明のさらなる実施形態は下記の一般式XXXI:
Figure 0004778438
(式中、
は、H、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、またはフェニル(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)を表す;かつ
nは、1、2、3、4、5または6を表し、好ましくは、3または4を表す)の化合物に関連する。
本発明の好ましい実施形態は下記の化合物に関連する:
番号1. 3−ヒドロキシ−15β−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン、
番号2. 3−メトキシ−15β−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン、
番号3B. N−ベンジル−4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド、
番号3A. N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド、
番号31. 4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−[2−(7−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]ブチルアミド、
番号36. 4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−[2−(7−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]ブチルアミド、
番号37. N−(2,4−ジフルオロベンジル)−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド、
番号38. N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−ブチルアミド、
番号39. N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)ブチルアミド、
番号40. 3−ヒドロキシ−15α−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン、
番号105. 3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−カルボン酸(5−メチルチアゾール−2−イル)アミド、
番号310. N−シクロヘキシル−3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピオンアミド、
番号311. N−シクロオクチル−3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピオンアミド、
番号313. N−シクロヘキシル−3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−プロピオンアミド、
番号324. N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピオンアミド、
番号329. 3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)プロピオンアミド、
番号331. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸シクロヘキシルアミド、
番号332. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸シクロオクチルアミド、
番号333. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(フラン−2−イルメチル)アミド、
番号335. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミド、
番号338. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(ピリジン−3−イルメチル)アミド、番号339. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(ピリジン−4−イルメチル)アミド、
番号340. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸ベンジルアミド、
番号341. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸2−メトキシベンジルアミド、
番号342. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸3−フルオロベンジルアミド、
番号343. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸4−クロロベンジルアミド、
番号344. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸ベンジルメチルアミド、
番号345. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸ブチルアミド、
番号346. 5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(2−チオフェン−2−イルエチル)アミド、
番号347. 5―(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸[2−(7−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミド、
番号348. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸シクロヘキシルアミド、
番号350. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(フラン−2−イルメチル)アミド、
番号353. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミド、
番号354. 3−メトキシ−15β−(6−モルホリン−4−イル−6−オキソ−ヘキシル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン、
番号355. 3−メトキシ−15β−(6−オキソ−6−チオモルホリン−4−イルヘキシル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン、
番号356. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(ピリジン−3−イルメチル)アミド、
番号357. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(ピリジン−4−イルメチル)アミド、
番号359. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸ベンジルアミド、
番号360. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸2−メトキシベンジルアミド、
番号361. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸3−フルオロベンジルアミド、
番号363. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミド、
番号364. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3.5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸ベンジルメチルアミド、
番号365. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸ブチルアミド、
番号366. 6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(2−チオフェン−2−イルエチル)アミド、
番号443. 1−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−3−(3−メトキシフェニル)−ウレア、
番号446. 1−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−3−(4−メトキシフェニル)−ウレア、
番号449. 1−イソプロピル−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア、
番号450. 1−シクロヘキシル−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア、
番号452. 1−ベンジル−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア、
番号464. 1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア、
番号465. 1−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア、
番号477. 1−ベンジル−3−[4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチル]−ウレア、
番号488. 1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−[4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチル]−ウレア、
番号490. 4−{3−[4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)ブチル]ウレイド}安息香酸エチルエステル、
番号491. 1−シクロヘキシルメチル−3−[4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)ブチル]−ウレア、
番号661. ナフタレン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)アミド、
番号662. チオフェン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)アミド、
番号664. N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)ベンゼンスルホンアミド、
番号665. 4−フルオロ−N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)ベンゼンスルホンアミド、
番号668. N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド、
番号677. N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−3−メチルベンゼンスルホンアミド、
番号681. ナフタレン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)メチルアミド、
番号682. チオフェン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)メチルアミド、
番号684. N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
番号685. 4−フルオロ−N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
番号688. N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−4−メトキシ−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
番号693. 3−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
番号694. N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−3,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド、
番号696. 4−ベンゼンスルホニルチオフェン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)メチルアミド、
番号748. ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルカルバミン酸3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピルエステル、
番号823. 3−ヒドロキシ−15β−(3−ヒドロキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン、
または、それらの生理学的に許容され得る塩。
本発明の化合物の医薬的に許容され得る塩、ならびに、これらの化合物の一般に使用されるプロドラッグおよび活性な代謝産物もまた本発明の範囲に含まれる。
加えて、本発明は、医薬品として使用される本発明の化合物に関連する。
本発明はまた、本発明の化合物、あるいは、それらの塩またはプロドラッグの1つまたは複数を活性な薬剤として含み、かつ、少なくとも1つの医薬的に許容され得るキャリアを含む医薬組成物に関連する。
さらに、本発明は、哺乳動物(特に、ヒト)におけるステロイドホルモン依存性の疾患または障害を処置または防止するための本発明の化合物の有効量の使用に関連する。好ましくは、ステロイドホルモン依存性の疾患または障害はエストラジオール依存性の疾患または障害である。
加えて、本発明は、哺乳動物(特に、ヒト)におけるステロイドホルモン依存性の疾患または障害を処置または防止するための医薬品を製造するための本発明の化合物の使用に関連する。好ましくは、ステロイドホルモン依存性の疾患または障害はエストラジオール依存性の疾患または障害である。
本発明のさらなる実施形態において、ステロイドホルモン依存性の疾患または障害は、17β−HSD酵素(好ましくは、ヒト17β−HSD1酵素)を阻害することを必要とする。
さらに、本発明はまた、17β−HSD1酵素に関連づけられる状態を有する哺乳移動物(例えば、ヒトなど)を処置する方法に関連し、この場合、この方法は、そのような状態を処置するために効果的である量の本発明の化合物、あるいは、その塩またはプロドラッグを哺乳動物に投与することを含む。示された状態の処置において使用される他の医薬品との併用での本発明の化合物の投与が意図される。
処置される状態には、悪性のエストラジオール依存性の疾患または障害、例えば、乳ガン、卵巣ガン、子宮ガン、子宮内膜ガンおよび子宮内膜過形成が含まれるが、これらに限定されない。
本発明のさらなる局面によれば、エストラジオール依存性疾患は乳ガンであり、哺乳動物は閉経後のヒト女性である。
さらに、処置される状態には、良性のエストラジオール依存性の疾患または障害、例えば、子宮内膜症、子宮類線維腫、子宮平滑筋腫、腺筋症、月経困難症、月経過多、子宮出血および排尿障害が含まれるが、これらに限定されない。
さらなる実施形態において、本発明は、哺乳動物における上記良性の婦人科疾患または障害の1つを処置または防止するための本発明の化合物の有効量の使用に関連し、それによれば、哺乳動物はヒトであり、好ましくは、女性であり、最も好ましくは、閉経期前または閉経期の女性である。
本発明の1つの局面によれば、ステロイドホルモン依存性の疾患または障害は、前立腺ガン、前立腺炎、良性の前立腺肥大、排尿障害および下部尿路症候群からなる群から選択される。
本発明の1つの局面によれば、処置されるステロイドホルモン依存性の疾患または障害は、内因性17βエストラジオール濃度を全身的様式および/または組織特異的様式で低下させることを必要とする。
従って、有効量の本発明の化合物を用いて処置され得るさらなるエストロゲン依存性疾患は、リウマチ様関節炎、結腸ガン、組織創傷、皮膚のしわ、および白内障である。
開示された化合物はまた、17β−HSD1活性の存在または非存在についてスクリーニングするための診断剤として(例えば、診断キットにおいて、または、臨床研究室における使用のために)有用である。
加えて、本発明は、哺乳動物(特にヒト、好ましくは女性、最も好ましくは閉経期前または閉経期の女性)における良性のエストラジオール依存性の疾患または障害を処置および/または予防するための、17β−HSD1酵素の選択的阻害剤の使用に関連する。
本発明の好ましい実施形態において、良性のエストラジオール依存性の疾患または障害を処置および/または予防するために使用される17β−HSD1酵素の選択的阻害剤は、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性を全く有しないか、または、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性のみを有する。
本発明はまた、良性のエストラジオール依存性の状態を有する哺乳動物(例えば、ヒトなど)を処置する方法に関連し、この場合、この方法は、17β−HSD1酵素の選択的阻害剤の一定量を哺乳動物に投与することを含み、それによれば、前記阻害剤は、好ましくは、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性をさらには全く有しないか、または、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性のみをさらには有し、かつ、そのような量は、その状態を処置するために効果的である。エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性をさらには全く有しないか、または、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性のみをさらには有する、本発明の17β−HSD1酵素の選択的阻害剤の投与で、示された状態の処置において使用される他の医薬品との併用での投与が意図される。
17β−HSD1酵素の選択的阻害剤を用いて処置される良性のエストラジオール依存性の状態には、子宮内膜症、子宮類線維腫、子宮平滑筋腫、腺筋症、月経困難症、月経過多、子宮出血および排尿障害が含まれるが、これらに限定されない。
本発明はまた、哺乳動物における良性のエストラジオール依存性の疾患または障害を処置および/または防止するための医薬組成物を製造するための、17β−HSD1酵素の選択的阻害剤の使用に関連する。良性のエストラジオール依存性の疾患または障害は、好ましくは、子宮内膜症、子宮類線維腫、子宮平滑筋腫、腺筋症、月経困難症、月経過多、子宮出血または排尿障害である。さらに、17β−HSD1酵素の阻害剤は、好ましくは、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性を全く有しないか、または、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性のみを有する。
好ましい実施形態において、本発明は、哺乳動物における良性のエストラジオール依存性の疾患または障害を処置および/または防止するための医薬組成物を製造するための、17β−HSD1酵素の選択的阻害剤の有効量の使用に関連し、それによれば、哺乳動物はヒトであり、好ましくは女性であり、最も好ましくは閉経期前または閉経期の女性である。
加えて、本発明は、閉経後の女性における乳ガンを防止するための、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性を全く有しないか、または、エストロゲン受容体に対する純粋な拮抗的結合親和性のみを有する17β−HSD1酵素の選択的阻害剤の使用に関連し、また、閉経後の女性における乳ガンを防止するための医薬品を製造するための前記選択的阻害剤の使用に関連する。
発明の説明
定義:
下記の用語は、本発明において有用な化学的組み立ての様々な構成成分を記述するために使用される。用語は下記のように定義される:
本明細書中で使用される用語「含む("comprising"および"including")は、それらの閉じていない非限定的な意味で本明細書中では使用される。
語句「化合物」は、該化合物のありとあらゆる異性体(例えば、エナンチオマー、立体異性体、ジアステレオマー、回転異性体、互変異性体)または異性体の任意の混合物、プロドラッグ、および、任意の医薬的に許容され得る塩を包含することが本明細書中では理解されなければならない。
複数形が化合物および塩などについて使用される場合、これは、1つだけの化合物または塩なども意味するように理解される。
用語「置換された(される)」は、示された基または成分が1つまたは複数の置換基を有することを意味する。いずれかの基が複数の置換基を有することができ、かつ、様々な可能な置換基が提供される場合、置換基は独立して選択され、同じである必要はない。用語「非置換(置換されていない)」は、示された基が置換基を有しないことを意味する。用語「場合により置換される(された)」は、示された基が非置換であるか、あるいは、1つまたは複数の置換基によって置換される(されている)ことを意味する。
不斉炭素原子はいずれも、(R)、(S)または(R,S)の立体配置(好ましくは、(R)または(S)の立体配置)で存在することができ、いずれかが最も活性である。二重結合または環における置換基はシス形態(=Z形態)またはトランス形態(=E形態)で存在することができる。
式Iの化合物は、少なくとも1つのキラル炭素原子(すなわち、ステロイド構造の15位において側鎖を有する炭素原子)を含有する。従って、式Iの化合物は、2つの光学活性な立体異性形態で、またはラセミ体として存在し得る。本発明は、式Iのラセミ混合物および異性体的に純粋な化合物の両方を包含する。C15位における置換基の配置はαまたはβによって特徴づけられる。本発明によるC15α誘導体は下記の式(II)の化合物によって表される:
Figure 0004778438
これに対して、本発明によるC15β誘導体は下記の式(III)の化合物によって表される:
Figure 0004778438
本発明の化合物は、様々な置換基の性質に依存して、分子上にさらなる不斉中心を含むことができる。特定の場合には、非対称性はまた、示された化合物の2つの芳香族環を結び付ける中心の結合の周りの制限された回転のために存在する場合がある。すべての異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む)が、上記で記載されたように不斉中心の性質によるか、または制限された回転によるかのいずれかであっても、分離された純粋な、または部分精製された異性体またはそのラセミ混合物としてであっても、本発明の範囲に含まれることが意図される。
用語「ハロゲン」は、フッ素原子(F、フルオロ−)、臭素原子(Br、ブロモ−)、塩素原子(Cl、クロロ−)およびヨウ素原子(J、ヨード−)を示す。
用語「ジハロゲン」、用語「トリハロゲン」および用語「ペルハロゲン」は、フッ素原子、臭素原子、塩素原子およびヨウ素原子からなる群からそれぞれが個々に選択される2つの置換基、3つの置換基および4つの置換基をそれぞれ示す。
用語「ヒドロキシル」は−OH基を示す。
用語「オキソ」は=O基を示す。
用語「カルバモイル」は−CO−NH基を示す。
用語「チオ」は=S基を示す。
用語「チオール」は−SH基を示す。
用語「スルファニル」は−S−基を示す。
用語「スルホキシ」または用語「スルホニル」は−SO−基を示す。
用語「スルファモイル」は−SO−NH基を示す。
用語「ニトロ」は−NO基を示す。
用語「ニトリル」または用語「シアノ」は−CN基を示す。
本発明の目的のために、様々な炭化水素含有基の炭素含有量は、その基における炭素原子の最少数および最大数を示す接頭辞によって示される。すなわち、接頭辞のC〜Cは、整数「i」から整数「j」(jを含む)までに存在する炭素原子の数を定義する。従って、C〜Cアルキルは、1個〜4個(4個を含む)の炭素原子を有するアルキル、すなわち、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびそれらの異性形態を示す。
用語「アルキル」は、直鎖、環状、あるいは、1つまたは複数の枝分かれを伴う分岐状であり得る炭化水素基を意味し、それにより、アルキル基は1個〜12個の炭素原子を含む。1つの実施形態において、用語「アルキル」は、1個〜8個の炭素原子を有する直鎖のアルキル鎖あるいは(1つまたは複数の枝分かれを伴う)分岐状のアルキル鎖を意味し、これは(C〜C)アルキルの用語によって例示され、より好ましくは、1個〜6個の炭素原子を有するそのようなアルキル鎖を表し、これは(C〜C)アルキルの用語によって例示される。用語(C〜C)アルキルはさらに、メチル;エチル;;n−プロピル;イソプロピル;n−ブチル;sec−ブチル;イソブチル;tert−ブチル;nーペンチル;イソペンチル;ネオペンチル;tert−ペンチル;2−メチルペンチルまたは3−メチルペンチル;n−ヘキシル;イソヘキシル;ヘプチルおよびオクチルなどのような基によって例示される。アルキル基または(C〜C)アルキルは部分的に不飽和であってもよく、これにより、例えば、ビニル、プロペニル(アリル)、ブテニル、ペンテニル、ペンチニル、へキセニルおよびオクタジエニルなどのような基を形成する。用語「アルキル」はさらにシクロアルキル基を構成し、好ましくは、シクロ(C〜C)アルキル構成し、これは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、および、それらの異性形態(例えば、メチルシクロプロピル;2−メチルシクロブチルまたは3−メチルシクロブチル;2−メチルシクロペンチルまたは3−メチルシクロペンチルなど)を示す。シクロアルキル基もまた部分的に不飽和であってもよく、これにより、例えば、シクロヘキセニル、シクロペンテニルおよびシクロオクタジエニルなどのような基を形成する。さらに、用語「アルキル」は、4個〜12個の炭素原子を含むシクロアルキルアルキル基を構成し、好ましくは、「−(C〜C)アルキル−シクロ(C〜C)アルキル」を構成し、これは、上記のようなシクロ(C〜C)アルキルにより置換された上記のような1個〜4個の炭素原子を有するアルキル基を示し、これにより、例えば、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルエチルまたはシクロへキセニルエチルのような基を形成する。用語「アルキル」はさらに、6個〜10個の炭素原子を含む二環状の環系を構成し、好ましくは、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノナニル、ビシクロ[3.3.1]ノナニルおよびビシクロ[3.3.2]デカニルなどを構成し、好ましくは、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルを構成し、また、10個までの炭素原子を有する縮合した環系(例えば、アダマンチルなど)を構成する。
アルキル基はまた、ハロゲン、ヒドロキシル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたシクロヘテロアルキル、チオール、ニトロ、ニトリル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アミド、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、スルファモイル、スルホンアミド、アシル、カルボキシルおよびアシルアミノ(これらは本明細書中で定義される通りである)からなる群から独立して選択される5つまでの置換基(より好ましくは、3つまでの置換基)によって場合により置換される。これらの基はアルキル基の任意の炭素原子に結合することができる。置換アルキルは、好ましくは、ハロゲン、ニトリル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ(この場合、アルキル鎖は3つまでのヒドロキシル基で場合によりさらに置換される)、フェノキシ、ベンジルオキシ、C〜C−アルキルチオ、アルキルアミノ、カルボキシル基−(C=O)−OR'、およびアルキルアミド(好ましくは、カルバモイル)により置換され、ただし、前記アルキル部分における置換基の数は、ヒドロキシルについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3まで(より好ましくは、2まで)であり、また同様に、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたシクロヘテロアルキル(これらは本明細書中で定義される通りである)により置換される。シクロアルキルは、好ましくは、ヒドロキシルにより置換される。
3つまでの独立して選択されたアリール基により置換されたアルキル基は、好ましくは、「アリール−(C〜C)アルキル」または「ジアリール−(C〜C)アルキル」を示し、この場合、アリールは、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルであり、好ましくは、アリールはフェニルまたはナフチルであり、これにより、例えば、ベンジル、ジフェニルメチル、フェネチル、フェニルプロピル、ジフェニルプロピル、フェニルブチル、ナフチルメチルまたはナフチルエチルのような基を形成する。アルキル鎖は、上記で定義されたようにさらに置換される場合がある:例えば、アルキル鎖はさらなるヒドロキシル基を有することができる。さらに、アルキル鎖は部分的に不飽和であってもよい(例えば、ビニル基など)。アリール基は、本明細書中で定義されるように場合により置換される場合がある:好ましくは、アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、アルキルアミド(好ましくは、カルバモイル)、およびスルファモイルからなる群から選択される置換基により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。さらに、前記アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、NまたはOなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換され、例えば、[1,3]−ジオキソール基により置換される。
3つまでの独立して選択されたヘテロアリール基により置換されたアルキル基は、好ましくは、「ヘテロアリール−(C〜C)アルキル」を示し、この場合、ヘテロアリールは、ピロリル、チエニル、フリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラン、ベンゾ[b]チオフェンであり、好ましくは、ヘテロアリールは、フリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ピリジニル、チエニルまたはイミダゾリルであり、これにより、例えば、ベンゾイミダゾリルメチル、ピリジニルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、インドリルエチル、チエニルエチル、ピリジニルエチルまたはイミダゾリルプロピルのような基を形成する。ヘテロアリール基は上記で定義されたように場合により置換される場合がある;好ましくは、ヘテロアリール基は、(C〜C)アルコキシ(好ましくは、メトキシ)、(C〜C4)アルキル(好ましくは、メチル)、またはハロゲン化(C〜C)アルキルからなる群から選択される置換基により置換され、前記置換基の数は前記置換基の任意の組合せについて2までである。
3つまでの独立して選択されたシクロヘテロアルキル基により置換されたアルキル基は、好ましくは、「シクロヘテロアルキル−(C〜C)アルキル」を示し、この場合、シクロヘテロアルキルは、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニルまたはチアゼパニルであり、好ましくは、シクロヘテロアルキルは、ピペリジニル、ピロリジニルまたはモルホリニルであり、これにより、例えば、モルホリニルエチル、モルホリニルプロピル、ピペリジニルエチルまたはピロリジニルエチルのような基を形成する。
用語「アルコキシ」は−OR基を示し、式中、Rは、アルキル(この場合、アルキル鎖は、本明細書中で定義されるように場合によりさらに置換される場合があり、好ましくは、3つまでのヒドロキシル基または5つまでのハロゲン残基により場合によりさらに置換される場合がある)、カルボニル、または、アシル(これらは本明細書中で定義される通りである)であり得る。好ましくは、用語「アルコキシ」は−O−(C〜C)アルキル(または(C〜C)アルコキシ)を示し、この場合、(C〜C)アルキル基は上記で定義される通りであり、かつ、3つまでのヒドロキシル基で場合により置換される。
用語「アリールオキシ」は−OAr基(式中、Arは、本明細書中で定義されるようなアリールを表す)を示し、これは、アリール基において、5つまでの独立して選択された置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。好ましくは、アリールオキシは、上記で定義されるように場合により置換されるフェノキシを示す。
用語「アリールアルキルオキシ」は−O−(C〜C)アルキル−Ar基(式中、Arはアリールを表す)を示し、これは、アリール基において、5つまでの独立して選択された置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。好ましくは、アリールアルキルオキシは、上記で定義されるように場合により置換されるベンジルオキシを示す。
用語「アシル」は−(C=O)−R基を表し、式中、Rは、水素、アルキル(アルキル鎖において、5つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基(具体的には、ヒドロキシル、ハロゲンまたは(C〜C)アルコキシ)で場合により置換される)、アリールまたはアリール−(C〜C)アルキル(ともに、アリール基において、独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである)、ヘテロアリールまたはヘテロアリール−(C〜C)アルキル(ともに、ヘテロアリール基において、3つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換される)(これらは本明細書中で定義される通りである)で場合により置換される。好ましくは、用語「アシル」は−(C=O)−R'基を表し、式中、R'は、水素、(C〜C)アルキル、フェニル、またはフェニル−(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)、またはヘテロアリール−(C〜C)アルキル(好ましくは、インドリルメチル)を示し、それにより、フェニル基は、独立して選択される置換基(特に、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルキル)で場合により置換される場合があり、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。
用語「カルボニル」は、用語「アシル」の好ましい選択の1つを表し、−CHO基を示す。
用語「アルキルアシル」は、用語「アシル」の好ましい選択の1つを表し、−(C=O)アルキル基を示し、好ましくは−(C=O)−(C〜C)アルキルを示す。
用語「カルボキシル」は−(C=O)−OR基を表し、式中、Rは、水素、アルキル(アルキル鎖において、5つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基(具体的には、ヒドロキシル、ハロゲンまたは(C〜C)アルコキシ)で場合により置換される)、アリールまたはアリール−(C〜C)アルキル(ともに、アリール基において、独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである)、ヘテロアリールまたはヘテロアリール−(C〜C)アルキル(ともに、ヘテロアリール基において、3つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換される)(これらは本明細書中で定義される通りである)で場合により置換される。好ましくは、用語「カルボキシル」は−(C=O)−R'基を表し、式中、R'は、水素、(C〜C)アルキル、フェニル、またはフェニル−(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)を示し、それにより、フェニル基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される置換基で場合により置換される場合があり、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。
用語「カルボキシル−(C〜C)アルキル」および用語「カルボキシル−(C〜C)アルキル」は(C〜C)アルキル−(C=O)−OR基および−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR基をそれぞれ示し、これらは、本明細書中で定義されるような−(C=O)−OR基により置換された、上記で定義されるように1個〜6個の炭素原子および1個〜4個の炭素原子をそれぞれ有するアルキル基を示す。好ましくは、カルボキシル基は−(C=O)−R'を示し、式中、R'は、水素、(C〜C)アルキル、フェニル、または(C〜C)アルキル−フェニル(好ましくは、ベンジル)を表す。そのようなカルボキシル−(C〜C)アルキル基の好ましい例には、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、プロピオン酸ベンジルエステル、プロピオン酸エチルエステル、酪酸メチルエステルおよび3−メチル酪酸メチルエステルが含まれる。
用語「アミノ」は−NRR'基を示し、式中、RおよびR'は独立して、水素、アルキル(アルキル鎖において、5つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基(具体的には、ヒドロキシル、ハロゲンまたは(C〜C)アルコキシ)で場合により置換される)、アリールまたはアリール−(C〜C)アルキル(ともに、アリール基において、5つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである)、ヘテロアリールまたはヘテロアリール−(C〜C)アルキル(ともに、ヘテロアリール基において、3つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換される)(これらは本明細書中で定義される通りである)であり得る。
用語「アルキルアミノ」は、用語「アミノ」の好ましい選択の1つを表し、−NRR'基(式中、RおよびR'は独立して、水素または(C〜C)アルキルであり得る)を示す。
用語「アルキルチオ」または用語「アルキルスルファニル」は−SR基を示し、式中、Rは、アルキル(アルキル鎖において5つまでの上記で定義されるような置換基(好ましくは、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシまたはハロゲン)で場合により置換される)を表し、好ましくは、Rは、上記で定義されるような(C〜C)アルキル(特に、(C〜C)アルキル)を表す。
用語「アリールチオ」または用語「アリールスルファニル」は−S−Ar基(式中、Arはアリールを表す)を示し、これは、アリール基において、独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。好ましくは、アリールチオは、上記で定義されるように場合により置換されるフェニルスルファニルを示す。
用語「アリールアルキルチオ」または用語「アリールアルキルスルファニル」は−S−(C〜C)アルキル−Ar基(式中、Arはアリールを表す)を示し、これは、アリール基において、独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。好ましくは、アリールアルキルチオは、上記で定義されるように場合により置換されるベンジルスルファニルを示す。
用語「アルキルスルホニル」は−SO−R基を示し、式中、Rは、アルキル鎖において、5つまでの上記で定義されるような置換基(好ましくは、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシまたはハロゲン)で場合により置換されるアルキルを表し、好ましくは、Rは、上記で定義されるような(C〜C)アルキル(特に、(C〜C)アルキル)を表す。
用語「アリールスルホニル」は−SO−Ar基(式中、Arはアリールを表す)を示し、これは、アリール基において、独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。好ましくは、アリールスルホニルは、上記で定義されるように場合により置換されるベンゼンスルホニルを示す。
用語「アリールアルキルスルホニル」は−SO−(C〜C)アルキル−Ar基(式中、Arはアリールを表す)を示し、これは、アリール基において、独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。好ましくは、アリールアルキルスルホニルは、上記で定義されるように場合により置換されるベンジルスルホニルを示す。
用語「アミド」は−(C=O)−NRR'基を示し、式中、RおよびR'は独立して、水素、アルキル(アルキル鎖において、5つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基(具体的には、ヒドロキシル、ハロゲンまたは(C〜C)アルコキシ)で場合により置換される)、アリールまたはアリール−(C〜C)アルキル(ともに、アリール基において、独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである)、ヘテロアリールまたはヘテロアリール−(C〜C)アルキル(ともに、ヘテロアリール基において、3つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換される)(これらは本明細書中で定義される通りである)であり得る。
用語「アルキルアミド」は、用語「アミド」の好ましい選択の1つを表し、−(C=O)−NRR'基(式中、RおよびR'は独立して、水素または(C〜C)アルキルから独立して選択され得る)を示す。
用語「アシルアミド」は−NR−CO−R'基を示し、式中、RおよびR'は独立して、水素、アルキル(アルキル鎖において、5つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基(具体的には、ヒドロキシル、ハロゲンまたは(C〜C)アルコキシ)で場合により置換される)、アリールまたはアリール−(C〜C)アルキル(ともに、アリール基において、独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである)、ヘテロアリールまたはヘテロアリール−(C〜C)アルキル(ともに、ヘテロアリール基において、3つまでの独立して選択される上記で定義されるような置換基で場合により置換される)(これらは本明細書中で定義される通りである)であり得る。好ましはくは、アシルアミドは−NH−CO−(C〜C)アルキルを示す。
用語「カルボニルアミノ」は、用語「アシルアミド」の好ましい選択の1つを表し、−NR−CO−CH−R'基(式中、RおよびR'は独立して、水素または(C〜C)アルキルから独立して選択され得る)を示す。
用語「スルホンアミド」は−SO−NRR'基(式中、RおよびR'は独立して、水素または(C〜C)アルキルから独立して選択され得る)を示す。
ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシおよびハロゲン化アルキルチオは、アルキル基(好ましくは(C〜C)アルキル、より好ましくは(C〜C)アルキル、最も好ましくはメチル)が、ハロゲン(一般には、塩素および/またはフッ素)により部分的または完全のいずれかで置換されている置換基である。そのような置換基の好ましい例には、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ジクロロメチル、ペンタクロロエチル、ジクロロプロピル、フルオロメチルおよびジフルオロメチルがある。
用語「シクロヘテロアルキル」は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜1である)を含有する4員〜8員の複素環状の環を示し、そのような系は、飽和、部分的不飽和またはヒドロ芳香族であってもよく、また、そのような環は、一部の環が芳香属であり得る多環縮合環系の一部であることが可能である。そのようなシクロヘテロアルキルの例には、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロピリジニル、アゼチジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、ジヒドロ−1H−ピロリル、3,6−ジヒドロ−2H−ピリジニルおよび1,3−ジヒドロベンゾイミダゾリルなどが含まれる。そのようなシクロヘテロアルキル基の好ましい例は、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニルまたはアゼパニルである。
シクロヘテロアルキル基は、オキソ、アルキル、アリールまたはアリール−(C〜C)アルキル、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシまたはアリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオまたはアリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシルおよびアシルアミノ(これらは本明細書中で定義される通りである)からなる群から独立して選択される3つまでの置換基によって場合により置換される場合があり、それにより、アリール基は、独立して選択される本明細書中で定義されるような置換基で場合により置換され、具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシで場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。シクロヘテロアルキル基の置換基はシクロヘテロアルキル基の任意の炭素原子に結合することができる。置換シクロヘテロアルキルは、好ましくは、オキソ、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、フェニル、および/またはフェニル−(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)により置換されている。
用語「アリール」または用語「Ar」は、6個〜14個(より好ましくは、6個〜10個)の炭素原子を含み、かつ、少なくとも1つの芳香族環または多数の環縮合環(この場合、少なくとも1つの環が芳香族である)を有する芳香族の炭素環基を示す。好ましくは、アリールは、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルである。
用語「ヘテロアリール」は、6個〜14個(より好ましくは、6個〜10個)の環原子を含み、かつ、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜1である)を少なくとも1つの環に含有する、1つだけの4員環〜8員環または多数の環縮合環を有する芳香族の炭素環基を示し、そのような基において、少なくとも1つの複素環が芳香族である。そのような基の例には、ピロリル、チエニル、フリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、1,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル、ベンゾフランおよびベンゾ[b]チオフェンなどが含まれる。好ましくは、ヘテロアリールは、キノリニル、フリル、ベンゾイミダゾリル、ピリジニル、チエニル、インドリル、ベンゾ[b]チオフェン、ピリジニル、イミダゾリル、ピラゾリルまたはチアゾリルである。
アリール基およびヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、オキソ、チオール、ニトロ、ニトリル、スルファニル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシまたはアリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオまたはアリールアルキルチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノ、アミド、アシルならびにアシルアミノ(これらは本明細書中で定義される通りである)からなる群から独立して選択される置換基により場合により置換される場合があり、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までであり、それにより、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、アリールチオ基またはアリールアルキルチオ基は、アリール成分において、独立して選択される本明細書中で定義されるような置換基(具体的には、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシ)で場合によりさらに置換される場合があり、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。ヘテロアリール基はアリールで場合によりさらに置換される場合があり、また、ヘテロアリール基は、アリール成分において、置換基(特に、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシ)で場合により置換される場合があり、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである。アリール基はヘテロアリール基または別のアリール基で場合によりさらに置換される場合がある。
置換アリールは、好ましくは、(C〜C)アルキル、ハロゲン、ハロゲン化(C〜C)アルキル(好ましくは、ハロゲン化メチル)、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、ヒドロキシル、アルキルアシル、カルボキシル、ニトロ、ニトリル、アシルアミノ、(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニルおよびスルファモイルからなる群から選択される置換基によって置換されており、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までであり、好ましくは2までである。好ましくは、置換アリールは置換フェニルである。
アリール基はさらに、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環、7員環または8員環系になる2つの基によってさらに置換される場合がある。好ましくは、そのような2つの基は、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、NまたはOなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる。このような環状の環系はオキソ基によって場合によりさらに置換される場合がある。そのような置換アリール基の好ましい例が[1,3]−ジオキソールおよび1,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−2−オンである。
置換ヘテロアリールは、好ましくは、カルボキシル基−(C=O)−OR'(式中、R'は、水素、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、または(C〜C)アルキル−フェニル(好ましくは、ベンジル)を表す)とともに、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、ハロゲン化(C〜C)アルキル(好ましくは、ハロゲン化メチル)、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、フェノキシ(3つまでのハロゲンで置換され、好ましくは、1つのハロゲンで場合により置換される)、ベンジルオキシ、ベンゼンスルホニル、フェニルまたはカルボキシル−(C〜C)アルキルからなる群から選択される3つまでの置換基(好ましくは、2つまでの置換基)によって置換される。
2つの側鎖が1つのNにおいて見出されるとき、それらは、それらが結合しているNを含めて一緒になって、飽和、部分的不飽和または芳香族が可能であり、かつ、N、OまたはSから選択される3つまでのさらなるヘテロ原子(ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有することができる、4原子、5原子、6原子、7原子または8原子の複素環状の環になり得るということが述べられ、この場合、そのような環は、いくつかの環が芳香族であり得る多環縮合環系の一部であり得る。それぞれの側鎖が結合しているNを含むそのような複素環状環系の好ましい例には、下記がある:
Figure 0004778438
上記の複素環状環系は、複素環状環系の任意の炭素原子または窒素原子に結合し得る3つまでの置換基によって場合により置換され得る。置換された複素環状環系の好ましい例には、下記がある:
Figure 0004778438
複素環状環系についての3つの独立して選択される選択可能な置換基は、場合により置換されたアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオール、ニトロ、ニトリル、(C〜C)アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、場合により置換されたシクロヘテロアルキル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アミド、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、スルホンアミド、アシル、カルボキシルおよびアシルアミド(これらは本明細書中で定義される通りである)の中から選ぶことができ、それにより、すべてのアリール基またはヘテロアリール基は、5つまで(好ましくは、3つまで)の独立して選択される本明細書中で定義されるような置換基で場合により置換される場合がある。好ましくは、複素環状環系は、ヒドロキシル、オキソ、カルボキシル、カルボキシル−(C〜C)アルキル、アミド;場合により置換されたシクロヘテロアルキル;アリールまたはアリール−(C〜C)アルキル(ともに、アリール基において、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシの中から独立して選択される置換基で場合により置換される場合があり、ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである;または、アリール基は、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環、7員環または8員環系になる2つの基によって場合により置換される場合がある)、ヘテロアリールおよび(C〜C)アルキル(ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシの中から独立して選択される5つまでの置換基で場合により置換され、それにより、(C〜C)アルコキシ基のアルキル鎖が3つまでのヒドロキシル基で場合によりさらに置換される場合がある)のからなる群から独立して選択される置換基で場合により置換され、ただし、前記置換基の数は、前記置換基の任意の組合せについて3までであり、より好ましくは2までである。さらにより好ましくは、複素環状環系は、ヒドロキシル、オキソ、アルキルアミド(好ましくは、カルバモイル);(C〜C)アルキル;シクロ(C〜C)アルキル;カルボキシル基−(C=O)−OR'(式中、R'は、水素または(C〜C)アルキルを表す);2つまでのヒドロキシル基および/または(C〜C)アルコキシ基で場合により置換され得る(C〜C)アルキル(それにより、(C〜C)アルコキシ基のアルキル鎖が2つまでのヒドロキシル基(好ましくは、1つのヒドロキシル基)で場合によりさらに置換される場合がある);ハロゲン、(C〜C)アルキル(好ましくは、メチル)、(C〜C)アルコキシまたはハロゲン化(C〜C)アルキル(好ましくは、ハロゲン化メチル)で場合により置換されるフェニル(この場合、フェニル基における前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである);フェニル−(C〜C)アルキル(好ましくは、ベンジル)、これは、フェニル基において、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシまたはハロゲン化(C〜C)アルキルの中から独立して選択される置換基(好ましくは、ハロゲン)(この場合、前記置換基の数は、ハロゲンについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては3までである)によって場合により置換されるか、または、フェニル基において、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、2つまでのO原子を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系または6員環になる2つの基によって場合により置換される);ヘテロアリール(好ましくは、ピリジニル)、ヘテロアリール−(C〜C)アルキル、または、オキソで場合により置換されるシクロヘテロアルキル(好ましくは、ピロリジニルまたは1,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル)からなる群から独立して選択される置換基で場合により置換される。
さらに、上記の複素環状環系は、同じ炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の4員環、5員環系、6員環、7員環または8員環系になる2つの基によって置換される場合がある。このような環系は、オキソ、(C〜C)アルキル、アリール(好ましくは、フェニル)、およびアリール(C〜C4)アルキル(好ましくは、ベンジル)から独立して選択される3つまでの置換基によって場合によりさらに置換される場合がある。そのような置換された複素環状環系の好ましい例が、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン、1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン、1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−4−オン、1−フェニル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン、および1−フェニル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−4−オンである。
本明細書中で使用される用語「プロドラッグ」は、患者への投与後、薬物を化学的プロセスまたは生理学的プロセスによって生体内に放出する薬物前駆体である本発明の化合物の誘導体を表す。具体的には、プロドラッグは、官能基が生体内の生理学的条件のもとで切断され得るさらなる置換基を有し、それにより、化合物の活性的本質を遊離することができる本発明の化合物の誘導体である(例えば、プロドラッグは、生理学的pHにさらされたとき、または酵素作用を受けたとき、所望の薬物形態に転換される)。
用語「医薬的に許容され得る塩」は、本発明の化合物が投与されている対象に対して、薬理学的に受容可能であり、かつ、実質的に非毒性である塩形態を示す。式Iの化合物の医薬的に許容され得る塩には、好適な非毒性の有機酸もしくは無機酸または無機塩基から形成される従来の化学量論的な酸付加塩または塩基付加塩が含まれる。例えば、塩基性窒素原子を有する式Iの化合物に由来する酸付加塩が、好ましくは、有機酸または無機酸により形成される。好適な無機酸は、例えば、ハロゲン酸(例えば、塩酸など)、硫酸またはリン酸である。好適な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸またはスルホン酸であり、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、サリチル酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、グルタル酸、2−グリセロリン酸または3−グリセロリン酸、ならびに、当業者に広く知られている他の無機酸およびカルボン酸である。塩は、従来の様式で、遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させて、塩を生成させることによって調製される。酸性置換基を含有する化合物もまた、無機塩基または有機塩基との塩を形成させることができる。塩形成のための好適な塩基の例には、無機塩基、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムまたはマグネシウム)の水酸化物、および、水酸化アンモニウムに由来する塩基(例えば、水酸化第四級アンモニウム、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムなど)が含まれるが、これらに限定されない。医薬的に許容され得るアミン(例えば、アンモニア、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、N−メチルグルカミン、ベンジルアミン類、ピペリジン類およびピリジン類など)を用いて形成される塩もまた意図される。ある種の化合物は事実上、酸性である(例えば、カルボキシル基またはフェノール性ヒドロキシル基を有するそのような化合物)。フェノール類の塩を、当業者に広く知られている手法に従って、酸性化合物を上記塩基のいずれかとともに加熱することによって作製することができる。
本明細書中で使用される用語「組成物」は、示された成分を示された量で含む製造物、ならびに、示された成分を示された量で組み合わせることから直接的または間接的に生じる任意の製造物を包含することが意図される。
本明細書中で使用される用語「有効量」は、処置される症状および/または状態を有意かつ好ましく変化させるために、(例えば、陽性の臨床的応答をもたらすために)十分に十分である化合物または組成物の量を意味する。医薬組成物において使用される有効成分の有効量は、処置されている特定の状態、状態の重篤度、処置の継続期間、同時治療の種類、用いられている特定の有効成分、利用される特定の医薬的に許容され得る賦形剤/キャリア、主治医の知識および専門家としての知識に含まれる同様の要因により変化する。
投与形態物
本発明の方法は、ステロイドホルモン依存性の疾患または障害(特に、エストラジオール依存性の疾患または障害)の哺乳動物(好ましくは、ヒトおよび他の霊長類)における処置のために主に意図され、この場合、ステロイドホルモン依存性の疾患または障害は、好ましくは、17β−HSD酵素(好ましくは、17β−HSD1酵素)の阻害を必要とする。
本発明の化合物は、投薬単位配合物で、経口的に、皮膚に、非経口的に、または、注射により、肺送達もしくは鼻腔送達により、または、舌下に、直腸もしくは膣に投与することができる。用語「注射による投与」は、静脈内注射、関節内注射、筋肉内注射(例えば、活性な化合物がデポー剤から血液内にゆっくり放出され、血液から標的器官に運ばれるデポー注射による)、腹腔内注射、皮内注射、皮下注射、およびクモ膜下注射、ならびに、注入技術の使用を包含する。皮膚投与は局所適用または経皮適用を含むことができる。1つまたは複数の化合物を、1つまたは複数の非毒性の医薬的に許容され得る補助物質(例えば、賦形剤、佐剤(例えば、緩衝剤)、キャリア、不活性な固体希釈剤、懸濁化剤、保存剤、増量剤、安定化剤、酸化防止剤、食品添加物、生物利用能増強剤、コーティング物質、造粒剤および崩壊剤、結合剤など)、および、所望されるならば、他の有効成分と一緒に存在させることができる。
医薬組成物は、例えば、即時放出配合物、徐放性配合物、パルス状放出配合物、2段階以上の放出の配合物、デポー配合物、または、他の種類の放出配合物として配合することができる。
本発明による医薬組成物の製造は、この分野で知られている様々な方法に従って行うことができ、下記においてさらに詳しく説明される。一般に知られ、かつ使用されている医薬的に許容され得る補助物質、ならびに、さらなる好適な希釈剤、矯味矯臭剤、甘味剤、着色剤などを、意図された投与様式、ならびに、使用される活性な化合物の特定の特性(例えば、溶解性、生物利用能など)に依存して使用することができる。そのため、好適な補助物質およびさらなる成分が、調剤、化粧品および関連分野のために推奨され、それらは、好ましくは、欧州薬局方に収載されており、またはFDAにより承認されており、または“GRAS”リスト(「安全と一般に認められる」食品添加物のFDAリスト(GRAS))に示されている。
一般式(I)の化合物、あるいは、前記化合物の1つまたは複数を含む医薬組成物の1つの適用様式は、例えば、錠剤、ピル、糖衣錠、硬ゲルカプセルまたは軟ゲルカプセル、顆粒剤、ペレット、水溶液剤、脂質溶液剤、油性溶液剤または他の溶液剤、エマルション(例えば、水中油型エマルションなど)、リポソーム、水性懸濁物または油性懸濁物、シロップ、エリキシル剤、固体エマルション、固体分散物または分散性粉末剤による経口適用である。経口投与される医薬組成物の調製については、上記で定義されたような本発明の目的のために好適な化合物を、一般に知られ、かつ使用されている佐剤および賦形剤と混合することができ、例えば、アラビアゴム、タルク、デンプン、糖(例えば、マンニトース、メチルセルロース、ラクトースなど)、ゼラチン、表面活性剤、ステアリン酸マグネシウム、水性溶媒または非水性溶媒、パラフィン誘導体、架橋剤、分散化剤、乳化剤、滑剤、保存剤、矯味矯臭剤(例えば、エーテル性オイル)、溶解性強化剤(例えば、安息香酸ベンジルまたはベンジルアルコール)または生物利用能増強剤(例えば、Gelucire(商標))と混合することができる。医薬組成物において、有効成分はまた、マイクロ粒子(例えば、ナノ粒子)組成物に分散させることができる。
非経口投与については、活性な薬剤を、生理学的に許容され得る希釈剤に、例えば、水、緩衝液、オイルに、溶解剤、表面活性剤、分散化剤または乳化剤とともに、あるいは、溶解剤、表面活性剤、分散化剤または乳化剤を伴うことなく溶解または懸濁することができる。オイルとしては、例として、かつ、非限定的には、オリーブ油、ピーナッツ油、綿実油、ダイズ油、ひまし油およびゴマ油を使用することができる。より一般的に言えば、非経口投与のための調製物については、活性な薬剤は、水性、脂質、油性または他の種類の溶液または懸濁物の形態が可能であり、あるいは、リポソームまたはナノ懸濁物の形態で投与することさえできる。
経皮適用を、場合により特定の透過性増強剤の存在下で活性な薬剤の経皮送達のために特に設計された、この分野で一般に知られているような好適なパッチによって達成することができる。さらに、エマルション、軟膏、ペースト、クリームまたはゲルもまた経皮送達のために使用することができる。
別の好適な投与様式は、長期間にわたる活性な薬剤の制御された放出のためのリザーバーを含有する膣内デバイス(例えば、膣リング)または子宮内システム(IUS)を介してである。薬物の直腸投与または膣投与のために、化合物はまた、坐薬の形態で投与することができる。このような組成物は、薬物を、通常の温度では固体であるが、直腸または膣の温度では液体であり、従って、直腸または膣において融解して、薬物を放出する好適な非刺激性の賦形剤と混合することによって調製することができる。
別の適用様式は、不活性なキャリア物質(例えば、生物学的に分解可能なポリマーなど)または合成シリコーン(例えば、シリコーンゴムなど)を含むデポーインプラントの埋め込みによる。そのようなインプラントは、活性な薬剤を長期間(例えば、3年〜5年)にわたって制御された様式で放出するように設計される。
特定の投与方法は様々な要因(そのすべてが、治療剤を投与するときに通常的であると見なされる)に依存することが当業者によって理解される。しかしながら、任意の特定の患者についての本発明の薬剤の実際の投薬量は、用いられる具体的な化合物の活性、配合された特定の組成物、投与様式、投与時間、投与経路、および、特定の部位、宿主、ならびに、処置されている疾患、そして、さらには、患者の年齢、患者の体重、患者の全身的健康状態、患者の性別、患者の食事、排出速度、薬物の組合せ、ならびに、治療を受けている状態の重篤度(これらに限定されない)をはじめとする様々な要因に依存することもまた理解される。最適な処置経過、すなわち、処置様式、および、規定された日数にわたって与えられる式Iの化合物またはその医薬的に許容され得る塩の1日の服用回数が、従来の処置試験を使用して当業者によって確認され得ることが当業者によってさらに理解される。特定の状態群についての最適な投薬量が、特定の化合物についての実験データを考慮して、従来の投薬量決定試験を使用して当業者によって確認され得る。経口投与については、一般的に用いられる例示的な1日用量は約0.01μg/kg体重〜約100mg/kg体重であり、それにより、処置クールを適切な時間間隔で繰り返すことができる。プロドラッグの投与は、完全に活性な化合物の重量レベルに対して化学的に等価である重量レベルで施すことができる。非経口投与のための1日投薬量は一般には約0.01μg/kg総体重〜約100mg/mg総体重である。1日あたりの直腸投薬療法は一般には約0.01μg/kg総体重〜約200mg/mg総体重である。1日あたりの膣投薬療法は一般には約0.01μg/kg総体重〜約100mg/mg総体重である。1日あたりの局所的投薬療法は、1日に1回〜4回の間で投与されるとき、一般には約0.1μg〜約100mgである。経皮濃度は、一般には、0.01μg/kg総体重〜100mg/kg総体重の1日用量を維持するために要求される濃度である。
略号および頭字語
本明細書中で用いられるとき、下記の用語は示された意味を有する。
ACN アセトニトリル
Bn ベンジル
BOC tert−ブトキシカルボニル
conc. 濃縮された
EtOAc 酢酸エチル
d 日
DCM ジクロロメタンCHCl
DHP 3,4−ジヒドロ−[2H]−ピラン
Dibal ジイソブチルアルミニウムヒドリド
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
E1 エストロン
E2 エストラジオール
EDCl・HCl 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
ER エストロゲン受容体
h 時間
HMPA ヘキサメチルホスホルアミド
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HSD ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ
NAD(P)[H] ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)[還元型NAD(P)]
NMR 核磁気共鳴
MeOH メタノール
min 分
PG 保護基
pTosOH パラ−トルエンスルホン酸
RT 室温
TBME tert−ブチルメチルエーテル
THF テトラヒドロフラン
THP テトラヒドロピラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMSCl トリメチルシリルクロリド
一般的調製方法
本発明の化合物は、知られている化学反応および化学的手法の使用によって調製することができる。それにもかかわらず、下記の一般的調製方法が、17β−HSD1阻害剤を合成することにおいて読者を助けるために示され、また、具体的な詳細が、実施例を例示するために下記において実験の節に提供される。
これらの方法の様々な基のすべては、下記において具体的に規定されないならば、一般的な記載において記載される通りである。
それぞれの要求される選択可能な官能基を有する本発明の化合物は、下記に示される方法のそれぞれによって調製できないことがあることが認められる。それぞれの方法の範囲において、場合に応じて使用される官能基は、保護基または他の場合には非関与基として作用し得る試薬または中間体において存在する場合がある。当業者に広く知られている方法を利用することにより、これらの基は、本発明の化合物を提供する合成スキームの経過途中で導入および/または除去される。
流れ図
ある種の式Iの化合物(この場合、Xが結合を表し、AがCOを表し、YがNHまたはNRを表し、かつ、nが0〜5の整数を表す)を、下記の流れ図Iaに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図Ia
Figure 0004778438
遊離酸(IV)を、SOCl、COCl、PClまたはPBrなどとの反応によって反応性のアシルハリド(V)(具体的には、酸クロリド)に転換することができる。アミド誘導体(VI)を塩基触媒による付加−脱離反応によって調製することができ、この場合、ハロゲン残基が塩基(例えば、DIPEA)の存在下で適切なアミン(RNHまたはRNHR)により置換される。あるいは、n>2である誘導体については特に適するが、アミド誘導体を適切なアミンとの求核置換によって遊離酸から直接的に調製することができる。あるいは、アミド誘導体を、下記の流れ図Ibに示されるように、適切なアミンとの求核置換によって遊離酸から直接的に調製することができる:
流れ図Ib
Figure 0004778438
ある種の式Iの化合物(この場合、Xが結合を表し、AがCOを表し、YがOを表し、かつ、nが0〜5の整数を表す)を、下記の流れ図IIに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図II
Figure 0004778438
エステル誘導体(VII)を適切なアルコールR−OHとのエステル化によって遊離酸(IV)から調製することができる:
ある種の式Iの化合物(この場合、Xが結合を表し、AがCOを表し、Yが結合を表し、かつ、nが0〜5の整数を表す)を、下記の流れ図IIIに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図III
Figure 0004778438
アルコール(XXXI)をDess−Martin酸化によって対応するアルデヒド(XXXIII)に転換することができる。続いて、アルデヒドは、適切なR2残基により置換されたグリニャール試薬または他の有機金属試薬との求核付加−脱離反応によって対応する第二級アルコール(XXI)に転換することができ、第二級アルコール(XXI)は、その後、所望のケトン(VIII)に再び酸化することができる。
ある種の式Iの化合物(この場合、Xが結合を表し、AがCOを表し、YがNH−NRまたはNH−NHを表し、かつ、nが0〜5の整数を表す)を、下記の流れ図IVaに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図IVa
Figure 0004778438
遊離酸(IV)を、SOCl、COCl、PClまたはPBrなどとの反応によって反応性のアシルハリド(V)(具体的には、酸クロリド)に転換することができる。ヒドラジド誘導体(XLI)を塩基触媒による付加−脱離反応によって調製することができ、この場合、ハロゲン残基が塩基(例えば、DIPEA)の存在下で適切なヒドラジン(HN−NHRまたはHN−NR)により置換される。あるいは、n>2である誘導体については特に適するが、ヒドラジド誘導体を、下記の流れ図IVbに示されるように、例えば、ポリマー結合のカルボジイミド、HOBTおよびDCMを使用して、適切なヒドラジンとの求核置換によって遊離酸から直接的に調製することができる:
流れ図IVb
Figure 0004778438
ある種の式Iの化合物(この場合、XがNHを表し、AがCOを表し、YがNHを表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図Vaに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図Va
Figure 0004778438
一般式(XVII)のウレア誘導体を、アミン構成単位(XV)と、適切に置換されたイソシアナート(R−N=C=O)との反応によって調製することができる。付加後、ケタール官能基がケト官能基に転換される。あるいは、アミンをカルボジイミダゾールまたはトリホスゲンと最初に反応して、反応性のカルバモイル化合物を形成させ、その後、カルバモイル化合物は好適なアミンR−NHとさらに反応させることができる。さらなる合成変法では、下記の流れ図Vbに示されるように、非保護アミン(XXIX)を、適切に置換されたイソシアナート(R−N=C=O)との反応のための出発物質として使用することができる。
流れ図Vb
Figure 0004778438
ある種の式Iの化合物(この場合、XがNRを表し、AがSOを表し、YがNHを表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図VIに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図VI
Figure 0004778438
最初の工程で、アミン構成単位(XV)を、適切に保護されたクロロスルホニルイソシアナートとの反応によって、保護された(例えば、Boc保護された)スルファミド化合物に転換することができる。次の工程で、保護されたスルファミド化合物を適切なブロモ試薬(R−Br)と反応させて、式(XVIII)の依然として保護されている置換されたスルファミド誘導体を得ることができる。脱保護の後、式(XIX)の所望するN−置換スルファミド誘導体が得られる。
ある種の式Iの化合物(この場合、XがNRを表し、AがCOを表し、YがOを表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図VIIに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図VII
Figure 0004778438
一般式(XX)のカルバマート誘導体を、アミン構成単位(XV)と、適切なクロロギ酸エステル(R−O−CO−Cl)との反応によって調製することができる。付加−脱離反応の後、次の工程で、ケタール官能基がケト官能基に転換される。
ある種の式Iの化合物(この場合、XがNRを表し、AがSOを表し、YがOを表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図VIIIに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図VIII
Figure 0004778438
一般式(XXII)のスルファマート誘導体を、アミン構成単位(XV)と、適切なクロロスルホン酸エステル(R−O−SO−Cl)との反応によって調製することができる。付加−脱離反応の後、次の工程で、ケタール官能基がケト官能基に転換される。
ある種の式Iの化合物(この場合、XがNRを表し、AがCOを表し、Yが結合を表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図IXaに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図IXa
Figure 0004778438
一般式(XXIII)の「レトロ」−アミド誘導体を、アミン構成単位(XV)と、適切な酸ハリド(例えば、酸クロリド(R−CO−Cl))との反応によって調製することができる。付加−脱離反応の後、次の工程で、ケタール官能基がケト官能基に転換される。あるいは、適切な酸ハリド(例えば、酸クロリド(R−CO−Cl))との反応を、下記の流れ図IXbに示されるように、エストロンのアミノ塩酸塩(XXIX)を出発物質として使用して行うことができる:
流れ図IXb
Figure 0004778438
ある種の式Iの化合物(この場合、XがNRを表し、AがSOを表し、Yが結合を表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図Xaに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図Xa
Figure 0004778438
一般式(XXIV)のスルホンアミド誘導体を、アミン構成単位(XV)と、適切なスルホン酸ハリド(例えば、スルホン酸クロリド(R−SO−Cl))との反応によって調製することができる。付加−脱離反応の後、次の工程で、ケタール官能基がケト官能基に転換される。あるいは、適切なスルホン酸ハリド(例えば、スルホン酸クロリド(R−CO−Cl))との反応を、下記の流れ図Xbに示されるように、エストロンのアミノ塩酸塩(XXIX)を出発物質として使用して行うことができる:
流れ図Xb
Figure 0004778438
ある種の式Iの化合物(この場合、XがNRを表し、AがCOを表し、YがNH−SOを表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図XIに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図XI
Figure 0004778438
一般式(XXV)のスルホニルウレア誘導体を、アミン構成単位(XV)と、適切に置換されたスルホニルイソシアナート(R−SO−N=C=O)との反応によって調製することができる。付加−脱離反応の後、ケタール官能基がケト官能基に転換される。
ある種の式Iの化合物(この場合、XがOを表し、AがCOを表し、YがNRを表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図XIIに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図XII
Figure 0004778438
一般式(XXVI)の「レトロ」−カルバマート誘導体を、エストロンアルコール構成単位(XXXI)と、適切に置換されたイソシアナート(R−N=C=O)との反応、および、その後の精製によって調製することができる。
ある種の式Iの化合物(この場合、XがOを表し、AがCOを表し、Yが結合を表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図XIIIに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図XIII
Figure 0004778438
一般式(XXVII)の「レトロ」−エステル誘導体を、エストロンアルコール構成単位(XXXI)の適切なカルボン酸(R−COOH)によるエステル化、および、その後の精製によって調製することができる。
ある種の式Iの化合物(この場合、XがOを表し、AがCOを表し、YがNH−SO−NRを表し、かつ、nが1〜6の整数を表す)を、下記の流れ図XIVに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図XIV
Figure 0004778438
一般式(XXVIII)のスルホニルカルバマート誘導体を2工程の合成によって調製することができる。最初の工程で、エストロンアルコール構成単位(XXXI)がクロロスルホニルイソシアナートとの反応によってクロロスルホニルカルバマート中間体に転換される。続いて、この中間体は、所望するスルホニルカルバマート誘導体を得るために、適切な第一級アミンまたは第二級アミン(HNR)と反応させることができる。
ある種の式Iの化合物(この場合、X−A−YがOを表し、かつ、R2がHとは異なる)を、下記の流れ図XVに示されるような反応によって調製することができる:
流れ図XV
Figure 0004778438
一般式(XXX)のエーテル誘導体を、適切なグリニャール試薬(BrMg−(CH−O−R、n=3〜6について)と、式Xの15,16−不飽和エストロン誘導体との反応によって調製することができる。あるいは、エーテル誘導体を一般式(XXXI)の対応するアルコールの誘導体化によって調製することができる。
一般式(XXXI)によるある種の式Iの化合物(この場合、X−A−YがOを表し、かつ、R2がHを表し、かつ、nが1〜6の整数である)の合成が「中間体」の節で記載される。
Figure 0004778438
化合物式および中間体の番号付け
一般構造式が、典型的には、ローマ字様式での番号により示され、この後に、必要ならば、エストロンコアのC−15原子における立体化学を示すαまたはβが続く。C15位において結合しているメチレン基の数(すなわち、「n」の値)が指定されるならば、ローマ数字の後に、ハイフン、および、メチレン基の量を示す数字が続く。最後に、a、bまたはcの文字が数字「n」の後に付けられ、これにより、エストロンコアのC3位に存在するO原子における置換基R1の種類が示される(a=水素、b=メチル、およびc=ベンジル)。
例えば、下記の化合物IVは一般的な酸構成単位である:
Figure 0004778438
従って、化合物IVβ−3aは、βの立体化学をC15において有し、3つのメチレン基および1つのヒドロキシ基をC3に有するIVの誘導体、すなわち、
Figure 0004778438
を表す。
一般式に含まれる合成された実施例の特定の構造が示されるならば、その一般式の表示の後に、この実施例の特定の数字が続く。すなわち、式(XXXIIIα−1a)−652の実施例番号652:
Figure 0004778438
この実施例652は、R2が4−フルオロフェニル残基である一般式XXXIIIα−1aの特定の化合物である。
中間体
I.式Xの15,16−不飽和エストロン
Figure 0004778438
=ベンジルを保護基として有する式Xのエノン中間体を、Labareeによって記載され、また、下記のスキーム1に描かれる手順[Labaree他(2003)、J.Med.Chem.46:1886〜1904]に従って調製することができる。
スキーム1
Figure 0004778438
例えば、式(IXa)の出発化合物(ケタール)をNambara[Nambara他(1976)、Steroids、27:111〜122]に従って調製することができる。式(IXb)のメチル誘導体(R1=CH)が、MeJおよびアセトンを使用して調製され、これに対して、式(IXc)のベンジル誘導体(R1=ベンジル)が、臭化ベンジル、DIPEAおよびアセトンを使用して調製される。Rにおける他の置換基(具体的には、場合により置換されたC〜Cアルキル)を有するエノン中間体を、適切な、場合により置換されたC〜C−アルキルブロミドまたはC〜C−アルキルヨージドを使用することによってそれに従って調製することができる。最後に、ケタール誘導体が加水分解されて、適切なエノン誘導体X(R1=CHについてはXb、R1=ベンジルについてはXc)が得られる。あるいは、式Xのエノン中間体は、Poirier他により記載される手順[Poirier他(1991)、Tetrahedron、47(37):7751〜7766]に従って調製することができる。
II.式XIII−0のエストロン−15−α−イル−カルバルデヒドのケタール誘導体
Figure 0004778438
式XIII−0の保護されたアルデヒド中間体で、R=CHである中間体(XIIIb)またはR=ベンジルである中間体(XIIIc)を、下記のスキーム2に描かれる手順に従って調製することができる:
スキーム2
Figure 0004778438
式(X)の15,16−不飽和エストロンを、D環におけるシアニドのマイケル付加によって、対応するシアノエストロン(XI)に転換した。ニトリルが、2D−NMRによって証明されるように、βの立体配置で導入された。この立体中心のエピマー化が下記の工程で達成されている。最初に、ケトン官能基をアセタール(XII)として保護し、その後、ニトリルへのDibal−Hの付加、および、イミン生成物の連続した加水分解によって、ニトリルを対応するアルデヒド(XIII−0)に転換した。この段階では、エピマー化が約90%(2D−NMR)について生じた。重炭酸塩水溶液による混合物の連続した洗浄により、d.e.≦98%のα−異性体が得られた。
詳細な合成
シアノエストロンXIb:3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−カルボニトリル
シアノエストロンXIc:3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−カルボニトリル
KCN(17.0g、261mmol)(NaCNもまた使用することができる)を周囲温度でDMF(200mL)に加えた。HO(100mL〜200mL;最少量)を、ほとんど透明な溶液が得られるまで加えた。不飽和エストロン(XbまたはXc)(25mmol)をDMF(400mL)に溶解し、KCN溶液に8時間〜10時間の期間中にできる限りゆっくり滴下して加えた(その間、透明な溶液が維持される)。添加が完了した後、反応混合物を一晩撹拌した。水(1L〜2L)を、撹拌している反応混合物にゆっくり加えた。生成物をろ過によって単離し、HOとともに2回粉砕した。白色の固体をDCMに溶解し、残留する水を除き、有機相をNaSOにより乾燥した。乾固するまでエバポレーションすることにより、シアノエストロンXIbを白色の泡状物として54%から90%まで変化する収率(0.21molスケール)で得た。シアノエストロンXIcは、カラムクロマトグラフィー(DCM/TBME、0〜20%のグラジエント)によるさらなる精製を必要とした:20mmolスケールで行ったとき、白色の泡状物として51%の収率。
ケタールXIIb:3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−カルボニトリルのケタール
ケタールXIIc:3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−カルボニトリルのケタール
シアノエストロン(XIbまたはXIc)(89.2mmol)、エチレングリコール(11.7mL、178mmol)およびp−TSA(0.6g、触媒)を含むジグリム(500mL)における懸濁物を一晩撹拌した。ほとんどの場合において、透明な溶液が得られた。反応混合物を、沈殿化が始まるまで70℃の湯浴において真空下で濃縮した。RTに冷却した後、生成物をろ過によって集めた。母液をエバポレーションして乾固し、残渣をジグリムから再結晶した。XIIbの収量:28.6g(100%)、白色のフレークとして。4.4mmolスケールでは、化合物XIIcもまた100%の収量で得られた。
アルデヒドXIII−0b:3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−カルバルデヒドのケタール
アルデヒドXIII−0c:3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−カルバルデヒドのケタール
ケタール(XIIbまたはXIIc)(3.7mmol)を含む乾燥THF(50mL)における溶液を、−80℃で、THFにおけるDibal−H(20mL、トルエンにおいて25%、30mmol)に滴下して加えた。添加が完了した後、反応液を20分間撹拌し、RTに一晩ゆっくり加温した。反応を、気体がそれ以上発生しなくなるまで、30%のAcOH/HO(100mL〜300mL)の添加によって−10℃〜0℃で停止させた。EtOAc(200mL)を加え、層を分離した。水層をEtOAc(200mLで3回)により抽出した。有機層を一緒にして、気体が発生しなくなるまでNaHCO(aq)により洗浄し、NaSOにより乾燥した。カラムクロマトグラフィー(不純物を除くためにDCM、生成物を集めるためにTBME/DCM(1:1))により、XIII−0c(1.0g)を62%の収率で、また、XIII−0bを85%の収率で得た(0.14molのフラッシュCHCl)。
III.式IVの化合物(酸構成単位):エストロン−15−イル−C 〜C −アルキルカルボン酸
酸構成単位IV−0:(n=0)
IV−0b:(n=0およびR1=CH ):3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルカルボン酸
IV−0c:(n=0およびR1=Bn):3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルカルボン酸
Figure 0004778438
式IV−0bの酸構成単位の合成における個々の工程が下記のスキーム3に描かれる。
スキーム3
Figure 0004778438
式XIII−0の17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルカルバルデヒドのケタール誘導体を対応するカルボン酸に酸化し、式IV−0の保護されていない15α−置換エストロン誘導体に転換する。
詳細な合成
IV−0b:(n=0およびR1=CH ):3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルカルボン酸
O(80mL)に溶解したKMnO(7.5g、47.6mmol)を、45℃<T<55℃であるような速度で、アルデヒドXIII−0b(10.0g、28mmol)を含むアセトン(400mL)における溶液に滴下して加えた。添加が完了した後、混合物を50℃で1時間撹拌し、RTに冷却し、紫色が消失するまでNaHSO(aq)により(滴下して)処理した。反応混合物をセライトでろ過し、連続してHO(400mL)およびAcOH(20mL)を加えた。得られたエマルションを、粘着性オイルがフラスコの底に得られるまでエバポレーションした。透明な上清をデカンテーションによって除いた。オイルを真空下で乾燥したとき、黄色がかった泡状物が得られた(10.0g、100%)。泡状物をCHCl(100mL〜200mL)に溶解し、週末の期間中、HCl(100mL、30%水溶液)とともに撹拌した。水層をCHCl(200mLで2回)により抽出した。有機層を一緒にして、4NのNaOH(200mLで3回)により抽出した。水層を約1のpHに酸性化し、CHClにより抽出した。有機層をNaSOにより乾燥し、約20mLに濃縮し、シリカカラム(CHCl)に移した。CHCl/AcOH(99:1)による溶出により、化合物IV−0bを得た(4.6g、50%、90%の純度)。最終的な精製は、周囲温度で、また、結晶化が生じるまで還流温度でのCHClのエバポレーションによるCHCl/ヘプタンからの再結晶化(3回)であった。
酸構成単位IV−1:(n=1):
IV−1b:(n=1およびR1=CH ):3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル酢酸
IV−1c:(n=1およびR1=Bn):3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル酢酸
Figure 0004778438
酸構成単位IV−1は2つの異なる経路によって合成することができる。酸構成単位IV−1の第1の合成経路の個々の工程が下記のスキーム4に描かれる。
同じ種類の手順を、n=2について、また、R位置における他の側鎖について適用することができる。
スキーム4
Figure 0004778438
式XIII−0の17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルカルバルデヒドのケタール誘導体をMeOCHLiP(Ph)とのWittig反応によって式XXXIVのメチルエノールエーテルに転換した。HCl(aq)による加水分解は、保護されていないアセトアルデヒド誘導体XXXIII−1をもたらした。その後、このアセトアルデヒド誘導体をさらに、対応するカルボン酸IV−1に酸化する。
詳細な合成
XXXIVb:3−メトキシ−15α−(2−メトキシ−ビニル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
n−BuLi(16.8mL、2.5Mヘキサン溶液、42mmol)を、(メタオキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(14.4g、42mmol)を含むTHF(120mL)における懸濁物に−78℃で滴下して加えた。反応液をRTにゆっくり加温したとき、オレンジ色の懸濁物は強い赤色の透明な溶液になった。3時間後、反応混合物を−78℃に冷却し、アルデヒドXIII−0b(10.0g、28mmol)を含むTHF(100mL)における溶液を加えた。反応混合物をRTに一晩加温し、エバポレーションして乾固した。残渣をNaOH(1N、200mL)に懸濁した。CHClによる抽出、その後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/ヘプタン、1:1)を行って、主要な不純物(OP(Ph))を除き、XXXIVbの粗混合物を白色の泡状物として得た(8.9g)。
XXXIII−1b:3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルアセトアルデヒド
HCl(aq)(6N、200mL)を、CHCl(200mL)に溶解したXXXIVb(8.9g)を含有する混合物に加え、この反応混合物を一晩撹拌した。有機層を乾燥(NaSO)し、乾固するまでエバポレーションし、その後、カラムクロマトグラフィー(CHCl/ヘプタン(1:1)、徐々に極性をCHCl/TBME(8:3)に増大させる)を行った。アルデヒドXXXIII−1bを主生成物として得た(2.89g、30%)。
IV−1b:(n=1およびR1=CH ):3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル酢酸
XXXIII−1b(2.3g、6.7mmol)の酸化をIV−0bについての手順(上記参照)と同様に行って、化合物IV−1bを得た(2.1g、91%、ほぼ95%の純度)。生成物をカラムクロマトグラフィー(CHCl/AcOH(95:5))によって、また、CHCl/ヘプタンからの連続した結晶化(3回)によってさらに精製した。
酸構成単位IV−1:(n=1)のための代わりの合成経路:
IV−1b:(n=1およびR1=CH ):3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル酢酸
あるいは、化合物IV−bは下記のスキーム5に従って式Xのエノン誘導体から直接的に調製することができる:
スキーム5
Figure 0004778438
エノン誘導体へのジメチルマロナートアニオンのマイケル付加はジエステルXXXVIbをもたらし、これを、アルカリでのエステル加水分解、および、還流する酢酸における脱カルボキシル化によって式IV−bの酸構成単位に転換した。
詳細な合成
XXXVIb:エストロンカルバルデヒドのジメチルエステル
マロン酸ジメチルのアニオンを、マロン酸ジメチル(18.7g、142mmol)のTHF(200mL)における溶液をNaH(7.42g、170mmol)のTHF(200mL)における懸濁物に0℃で滴下して加えることによって調製した。反応混合物を0℃で1時間保った。反応混合物は灰色の固体物になり、これは、エノンXb(10g、35.5mmol、240mLのTHFにおいて)を滴下して加え、週末の期間中RTで撹拌することによる反応のときに消失した。反応を、HOを滴下して加えることによって停止させた。続いて、HO(400mL)を加え、THFのほとんどを減圧下でのエバポレーションによって除いた。生成物をろ過によって単離し、ヘプタンを用いて粉砕した。固体をEtOAc(200mL〜300mL)に溶解し、NaSOにより乾燥した。乾固するまでエバポレーションして、XXXVIb(11.0g、84%)を無色のオイルとして得た。オイルは、放置したとき、固化した。
IV−1b:(n=1およびR1=CH ):3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル酢酸
ジエステルXXXVIb(11.0g、29.8mmol)の加水分解を、THFに溶解し、濃NaOH(aq)(50mL)を加え、一晩撹拌することによって行った。有機溶媒を真空下でのエバポレーションによって除き、残渣を、約1のpHになるまで、HCl(30%)により酸性化した。生成物をCHCl(200mLで2回)により抽出した。有機層を一緒にして、NaSOにより乾燥し、乾固するまでエバポレーションした。残渣は、(一部が脱カルボキシル化された)化合物の混合物であった。残渣をAcOH(200mL)に溶解し、一晩還流することにより、完全な脱カルボキシル化がもたらされた。乾固するまでのエバポレーション、および、カラムクロマトグラフィー(CHCl/AcOH(95:5))によって、白色の固体物IV−1bを得た(4.92g、52%)。生成物を、カラムクロマトグラフィー(CHCl/AcOH(95:5))によって、また、CHCl/ヘプタンからの連続した結晶化(3回)によってさらに精製した。
酸構成単位IVβ−2、IVβ−3、IVβ−4、IVβ−5、IVβ−6(n=2、3、4、5、6):
IVβ−3b(n=3およびR1=CH3):4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)酪酸
Figure 0004778438
式IVβ−3bの酸構成単位の合成における個々の工程が下記のスキーム6に描かれる。同じ種類の手順を、適切なBrMg−C〜C−アルコキシ−THPをグリニャール試薬として使用して、n=4、5または6について、また、R位置における他の側鎖について適用することができる。さらに、この反応スキームはまた、エストロンアルコール構成単位を式XXXIβ−4bの中間体の形態でもたらす。
スキーム6
Figure 0004778438
スキーム6(続き)
Figure 0004778438
4−ブロモブタノール−THPエーテルを、HBr溶液を還流中のTHFに加えることによって調製した。得られたブロミドをCHClに溶解し、p−TosOHおよびDHPを0℃で加えて、保護されたアルコールを得た。これをSiOでろ過し、カラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。2工程で9.3%の収率であった。保護されたアルコールをTHFに溶解し、活性化マグネシウムに加え、得られたグリニャール試薬をHMPAにおけるCuIに加えた。式Xbの15,16−不飽和エストロン誘導体を乾燥THFに溶解し、TSMClを−40±5℃で加えた。続いて、シリルエーテルを加水分解した後、得られた化合物XXX−4b−THPをp−TosOH/MeOHにより脱保護して、アルコール誘導体XXX−4bを得た。これを、精製することなく、Jones酸化によって遊離酸IV−3bに転換した。オイルをカラムクロマトグラフィーによって精製し、式IV−3bの遊離酸を3工程での30%の収率で得た。
詳細な合成:
4−ブロモブタノール
HBr溶液(48%HBr水溶液、1280ml、11.22mol)を、2.25時間の期間をかけて、還流している乾燥THF(810ml、9.99mol)に滴下して加えた。添加が完了した後、サンプルの1H−NMR分析は、反応が完了していることを示した。反応混合物をRTに冷却し、10lの反応フラスコに移し、機械的に撹拌しながら、NaHCO溶液で注意深く中和した。層を分離し、有機層をブラインにより洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。得られた黄色オイルを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
2−(4−ブロモブトキシ)テトラヒドロピラン
粗生成物の4−ブロモブタノールをDCM(500ml)に溶解し、NaSOで乾燥し、pTosOH(500mg)を加えた。ジヒドロピラン(1181ml)を0℃で滴下して加え、添加期間中、温度を8℃未満で保った。反応液を一晩RTにし、飽和NaHCO溶液(300mlで2回)およびブライン(9.3l)により洗浄した。水層をTBME(300ml)により洗浄し、有機層を一緒にして、無水KCOで乾燥した。混合物をろ過し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。これにより、593g(収率=25%、2工程で)を得た。得られた4−ブロモブタノール−THPエーテルをSiOで2回ろ過した(1%のMeOHを含むDCM)。最後に、化合物をカラムクロマトグラフィー(20lのSiO、1%のMeOHを含むDCM)によって精製した。これにより、220.6gの2−(4−ブロモブトキシ)テトラヒドロピラン(収率=9.3%、2工程で)をTLC純粋の明黄色オイルとして得た。
3−メトキシ−15β−[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ブチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXX−4b−THP)
マグネシウム(29.6g、2.0mol)を火炎乾燥の3つ口フラスコにおいてN下で破砕ガラスとともに一晩撹拌した。マグネシウムを、少量のヨウ素の添加および数滴の純粋な2−(4−ブロモブトキシ)テトラヒドロピランの添加によってさらに活性化した。グリニャール反応が開始した後、500mlの乾燥THFにおける2−(4−ブロモブトキシ)テトラヒドロピラン(121g、510mmol)を、穏やかな還流を維持しながら滴下して加えた。反応混合物の添加が完了した後、反応混合物を0.5時間撹拌した。溶液を、ヨウ化銅(I)(9g、47mmol)およびHMPA(100ml)を含有する火炎乾燥の3つ口フラスコに移した。得られた反応混合物を−40±5℃に冷却し、その後、式Xbの15,16−不飽和エストロン(24g、85mmol)およびTMSCl(21ml、196mmol)の混合物を、乾燥THF(500ml)に溶解して、滴下して加えた。添加が完了した後、混合物を3日間RTにした。
10%NHCl(氷水において、1l)を反応混合物に加えた。層を分離し、水層をEtOAc(500mlで2回)により抽出した。有機層を一緒にして、ブライン(500ml)により洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。これにより、103.6gの黄色オイルが得られ、これはHMPAを含有していた。その後、オイルを、N下、メタノール(2.75l)中でKCO(12.1g、87mmol)とともに撹拌して、シリルエーテルを加水分解した。加水分解をTLC(EtOAc/ヘプタン:1/9)によって追跡し、TLCは、40分後、反応が完了していることを示した。0.75lの水を加え、メタノールのほとんどをローターリーエバポレーターで除いた。500mlのEtOAcを加え、層を分離し、水層をEtOAc(500mlで2回)により抽出した。有機層を一緒にし、NaSOで乾燥し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。これにより、82.5gの黄色オイルが得られ、これは、生成物XXX−4b−THP、HMPAおよびシリル残渣を含有していた。
15β−(4−ヒドロキシブチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXX1β−4b)
粗化合物XXX−4b−THP(82.5g、黄色オイル)をMeOH(2.5L)に溶解し、p−TosOH(5g、32mmol)を加えた。反応をTLC(トルエン/アセトン:3/1)および1H−NMRによって追跡し、1時間後、反応は完了していた。MeOHのほとんどをローターリーエバポレーターで除き、この後、1lの水を加えた。得られた混合物をDCM(400mlで3回)により抽出した。有機層を一緒にし、NaSOで乾燥し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。これにより、46.8gを得た。これをカラムクロマトグラフィー(400gのSiO、トルエン/アセトン:3/1)によって精製して、31.9gのXXXIβ―4bを、不純物を含む黄色のオイルとして得た。
4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)酪酸(IVβ―3b)
アルコールXXXIβ−4b(31.9g、89mmol)を含むアセトン(1l)における0℃での冷却された溶液に、140mlのジョーンズ試薬(700mlの水、300mlのHSOおよび100gのCrOから調製されたもの)を滴下して加えた。各液滴はオレンジ色を留めており、オレンジ色は形成直後に消失した。色は最終的には緑色に変化した。添加が完了した後、反応をTLC(EtOAc/ヘプタン:1/1)によって追跡し、反応は、10分後、完了していた。反応液をさらに30分間撹拌し、その後、反応を500mlの冷飽和NaS溶液および500mlの水により停止させた。生じた混合物をEtOAc(400mlで3回)により抽出した。有機層を一緒にし、NaSOで乾燥し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。得られたオイルをカラムクロマトグラフィー(SiO;トルエン/アセトン:3/1)によって精製した。これにより、9.2g(3工程で30%)の式(IVβ−3b)の化合物を、93%の純度を有する黄色の固体として得た。
IVβ−2b(n=2およびR1=CH3):3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピオン酸
Figure 0004778438
n=2について、対応するカルボン酸IVβ−2bを、カルボン酸IVβ−3bの調製に従って、式XXXIβ−3bのアルコール誘導体の酸化によって調製することができる(XXXIβ−3bの合成については、下記のアルコール誘導体の調製のための節を参照のこと)。
LC−MS(ES−):rt5.25分、m/z(相対強度)355[(M−H)、100%]
[α] 20=+79.6(c=0.304、MeOH)
H−NMR(400MHz、CDCl)(ppm)1.05(s、3H)、1.42〜1.58(m、4H)、1.63〜1.81(m、3H)、1.90〜2.05(m、2H)、2.09〜2.14(m、1H)、2.28〜2.51(m、7H)、2.85〜3.01(m、2H)、3.78(s、3H)、6.65(d、1H)、6.71(dd、1H)、7.19(d、1H)。
13C−NMR(100.6MHz、CDCl)δ(ppm)17.8、25.5、26.0、26.7、29.5、33.6、33.9、34.0、36.0、42.0、44.6、47.1、52.7、55.3、111.5、114.0、126.0、132.2、137.7、157.8、178.5、220.4。
酸構成単位IVβ−3c:4−(3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)酪酸
Figure 0004778438
式IVβ−3cの酸構成単位の合成における個々の工程が、下記のスキーム7に描かれる手順に従って行われる。さらに、この反応スキームはまた、エストロンアルコール構成単位を式XXXIβ−4cの中間体の形態でもたらす。同じ種類の手順を、適切なBrMg−C〜C−アルコキシ−THPをグリニャール試薬として使用して、n=4、5または6について、また、R位置における他のアルキルアリール置換基について適用することができる。
スキーム7
Figure 0004778438
4−ブロモブタノール−THPエーテルを、HBr溶液を還流中のTHFに加えることによって調製した。得られたブロミドをCHClに溶解し、p−TosOHおよびDHPを0℃で加えて、保護されたアルコールを得た。これをSiOでろ過し、カラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。2工程で9.3%の収率であった。保護されたアルコールをTHFに溶解し、活性化マグネシウムに加え、得られたグリニャール試薬をHMPAにおけるCuIに加えた。式Xcの15,16−不飽和エストロン誘導体を乾燥THFに溶解し、TSMClを−40±5℃で加えた。続いて、得られた化合物XXX−4c−THPをp−TosOH/MeOHにより脱保護して、XXXβ−4cを2工程で47%で得た。これを、精製することなく、Jones酸化によって遊離酸IVβ−3cに96%の収率で転換した。
詳細な合成:
4−ブロモブタノールおよび2−(4−ブロモブトキシ)テトラヒドロピラン:上記参照
3−ベンジルオキシ−15β−[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)ブチル]エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXX−4c−THP)
マグネシウム(10g、425mmol)を火炎乾燥の3つ口フラスコにおいてN下で破砕ガラスとともに一晩撹拌した。マグネシウムを、少量のヨウ素の添加および数滴の純粋な2−(4−ブロモブトキシ)テトラヒドロピランの添加によってさらに活性化した。グリニャール反応が開始した後、200mlの乾燥THFにおける2−(4−ブロモブトキシ)テトラヒドロピラン(25.2g、106mmol)を、穏やかな還流を維持しながら滴下して加えた。反応混合物の添加が完了した後、反応混合物を0.5時間撹拌した。溶液を、ヨウ化銅(I)(1.8g、9.5mmol)およびHMPA(20ml)を含有する火炎乾燥の3つ口フラスコに移した。得られた反応混合物を−40±5℃に冷却し、その後、式Xcの15,16−不飽和エストロン誘導体(6g、18mmol)およびTMSCl(4.5ml、35mmol)の混合物を乾燥THF(100ml)に溶解して、滴下して加えた。添加が完了した後、混合物を3日間RTにした。
10%NHCl(氷水において、200ml)を反応混合物に加えた。層を分離し、水層をEtOAc(150mlで2回)により抽出した。有機層を一緒にして、ブライン(150ml)により洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。これにより、22.7gの黄色オイルが得られ、これはHMPAを含有していた。その後、オイルを、N下、メタノール(650ml)中でKCO(3g、22mmol)とともに撹拌して、シリルエーテルを加水分解した。加水分解をTLC(EtOAc/ヘプタン:1/9)によって追跡し、TLCは、60分後、反応が完了していることを示した。200mlの水を加え、メタノールのほとんどをローターリーエバポレーターで除いた。150mlのEtOAcを加え、層を分離し、水層をEtOAc(150mlで2回)により抽出した。有機層を一緒にし、NaSOで乾燥し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。これにより、15.1gの黄色オイルが得られ、これは、生成物、HMPAおよびシリル残渣を含有していた。
3−ベンジルオキシ−15β−(4−ヒドロキシブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−4c)
粗化合物(XXX−4c−THP)(15.1g、黄色オイル)をMeOH(500ml)に溶解し、p−TosOH(1.2g、6.3mmol)を加えた。反応をTLC(トルエン/アセトン:3/1)および1H−NMRによって追跡した。1.5時間後、反応は完了した。MeOHのほとんどをローターリーエバポレーターで除き、この後、200mlの水を加えた。得られた混合物をDCM(300mlで3回)により抽出した。有機層を一緒にし、NaSOで乾燥し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。これにより、8.2gを得た。これをカラムクロマトグラフィー(400gのSiO、トルエン/アセトン:3/1)によって精製して、3.6gのXXXIβ−4c(8.3mmol、2工程で47%)を黄色のオイルとして得た。
4−(3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)酪酸(IVβ―3c)
アルコールXXXIβ−4c(3.6g、8.3mmol)を含むアセトン(100ml)における0℃での冷却された溶液に、13.3mlのジョーンズ試薬(700mlの水、300mlのHSOおよび100gのCrOから調製されたもの)を滴下して加えた。各液滴はオレンジ色を留めており、オレンジ色は形成直後に消失した。色は最終的には緑色に変化した。添加が完了した後、反応をTLC(EtOAc/ヘプタン:1/1)によって追跡し、10分後、反応は完了していた。その後、反応を100mlの冷飽和NaS溶液により停止させた。その間に、温度が6℃から18℃に上昇した。300mlの水および200mlのEtOAcを加えた。得られた混合物を一晩撹拌し、その後、層を分離し、水層をEtOAc(100mlで2回)により抽出した。有機層を一緒にし、NaSOで乾燥し、溶媒をローターリーエバポレーターで除いた。これにより、3.6gのIVβ−3c(8.0mmol、y=97%)を黄色のオイルとして得た。
αの立体化学をC15において有する酸構成単位:
IVα−3a(n=3およびR1=H):4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)酪酸
Figure 0004778438
式IVα−3aの酸構成単位の合成における個々の工程が、下記のスキーム8に描かれる手順に従って行われる。さらに、この反応スキームはまた、依然としてケタール保護されているエストロンアルコール構成単位を式XLIVα−1cの中間体の形態でもたらす。脱ベンジル化および脱保護により、エストロンアルコールXXXIα−1aがもたらされる。
スキーム8
Figure 0004778438
NaBHによるアルデヒドXIII−0cの還元(EtOH、2時間、RT)はアルコールXLIVα−1cをもたらし、これをさらに、ヨウ素、トリフェニルホスフィンおよびイミダゾールにより処理して、ヨージドXLVを得た。続いて、アクリル酸エチルをヨージドXLVにカップリングし、化合物XLVIをカラムクロマトグラフィーによる精製の後で得た。化合物XLVIの還元をH雰囲気下で行って、化合物XLVIIを得た。これを、けん化によって、保護されたカルボン酸構成単位XLVIIIα−3aに転換した。カルボン酸IVα−3aを脱保護によって得た。
詳細な説明
3−ベンジルオキシ−15−ヒドロキシメチル−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンの17−ケタール誘導体(XLIVα−1c)
アルデヒドXIII−0c(1.23g、2.84mmol)をEtOH(13mL)に溶解し、0℃に冷却した。NaBH(32.8mg、0.89mmol)を加え、温度をRTにした。RTで2時間後、酢酸(0.313mL)およびHO(33mL)を注意深く加えた。反応混合物をRTで30分間撹拌し、その後、CHCl(25mLで2回)により抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濃縮して、1.2gの無色のオイルを得た。精製をカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル、3:1、Rf=0.3)によって行って、1.09g(88%)のアルコールXLIVα−1cを白色の固体として得た。
3−ベンジルオキシ−15−ヨードメチル−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体(XLV)
イミダゾール(749mg、11.0mmol)、PPh(1.44g、5.5mmol)およびI(1.33g、5.2mmol)をCHCl(20mL)において30分間撹拌した。混合物を0℃に冷却した。アルコールXLIVα−1c(1.09g、2.50mmol)を含むCHCl(10mL)における溶液を10分間かけて滴下して加えた。反応フラスコをアルミニウム箔で覆い、混合物をRTで90分間撹拌した。固体をセライトでろ過して除き、ろ液を10%のNa水溶液により洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濃縮して、オイルを得た。オイルをカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル、1:1、Rf=0.8)によって精製して、0.944g(69%)のヨージドXLVを白色の泡状物として得た。
4−(3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)酪酸エチルエステルのケタール誘導体(XLVI)
NiCl・6HO(409mg、1.72mmol)をピリジン(7.3mL)に懸濁した。続いて、活性化亜鉛(566mg、8.66mmol)およびアクリル酸エチル(868μL、8.0mmol)を加え、混合物を56℃で20分間撹拌した。触媒量のヨウ素を加え、加熱を止めた。温度が40℃になったとき、XLV(944mg、1.73mmol)を含むピリジン(5.2mL)における溶液を滴下して加え、撹拌をRTで90分間続けた。固体をろ過して除き、ろ液を濃縮した。EtOAc(25mL)を加え、有機層をブライン(10mLで3回)により洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濃縮して、1.18gのオイルを得た。オイルをカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル、5:1、Rf=0.4)によって精製して、0.449g(50%)のエチルエステルXLVIを無色のオイルとして得た。
4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)酪酸エチルエステルのケタール誘導体(XLVII)
エチルエステルXLVI(0.499g、0.86mmol)をTHF(15mL)に溶解した。小さじ量のPd/Cを含むTHF(2mL)における懸濁物を加え、反応混合物を1barのH圧とともにRTで3日間撹拌した。固体をセライトでろ過して除き、THF(10mL)により洗浄した。有機層の濃縮により、0.375mgの化合物XLVIIを黄色の泡状物として得た。精製をカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル、5:1、Rf=0.2)によって行って、0.313g(84%)の化合物XLVIIを白色の固体として得た。
4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)酪酸のケタール誘導体(XLVIIIα−3a)
フェノールXLVII(0.313g、0.73mmol)を含むMeOH(12mL)における加熱された(60℃)溶液に2NのKOH水溶液(3.52mL)を加えた。混合物を60℃で30分間撹拌した。混合物を、氷を混合物に加えることによって冷却した。pHを、5Naq.HClを使用して注意深く3〜4に調節した。カルボン酸XLVIII−3aをTBME(50mL)により抽出し、有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、0.266g(91%)のカルボン酸XLVIIIα−3aを白色の固体として得た。精製は必要なかった。
4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)酪酸(IVα−3a)
必要ならば、保護されていないカルボン酸を、無機酸によるケタール誘導体XLVIIIα−3aの処理、および、その後の精製によって得ることができる。
IV.式XXXIの化合物(アルコール誘導体):15−ヒドロキシ−C 〜C −アルキルエストロン
アルコールXXXIα−1a:15α−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
アルコールXXXIα−1b:15α−ヒドロキシメチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
アルコールXXXIα−1c:3−ベンジルオキシ−15α−ヒドロキシメチル−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
Figure 0004778438
アルコール誘導体のXXXIα−1a(R=H)、XXXIα−1b(R=CH)およびXXXIα−1c(R=ベンジル)の合成が下記のスキーム9に描かれる:
スキーム9
Figure 0004778438
NaBHを使用したアルデヒド(XIII−0bまたはXIII−0c)の還元、それに続くケタールの加水分解により、対応するアルコール(XXXIα−1bおよびXXXIα−1c)を得た。アルコールXXXIα−1cは、Pd/Cおよび5barの水素雰囲気を使用して脱ベンジル化されて、XXXIα−1aを与えた。
詳細な合成
アルコールXXXIα−1b:15α−ヒドロキシメチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
アルコールXXXIα−1c:3−ベンジルオキシ−15α−ヒドロキシメチル−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
NaBH(500mg、13.2mmol)を、10分あたり100mgの割合で、アルデヒド(XIII−0bまたはXIII−0c)(2.3mmol)を含むTHF(20mL)における溶液に加え、反応を一晩続けた。反応をMeOH(20mL)の添加で停止させた。反応混合物をエバポレーションして乾固した(高真空)。残渣をCHCl(50mL)に溶解し、72時間にわたってHCl(15%、50mL)とともに撹拌した。CHCl(50mL)を加え、有機層をNaSOで乾燥し、エバポレーションして乾固した。95%〜98%の収率が両方の生成物について得られた(HPLC−MS;90%純粋)。95%+の純度を有するXXXI−1bのサンプル(230mg)が、空気に対して放置したとき、CHCl/MeOHからの結晶化によって得られた。化合物XXXIα−1cを、さらに精製することなく、次に工程で使用した。
アルコールXXXIα−1a:15α−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
エストロンXXXIα−1c(0.81g、90%純粋)、Pd/C(50mg〜100mg、触媒)を含むMeOH(100mL)における懸濁物を、5barのH雰囲気で30分間撹拌した。Pd/Cをセライトによるろ過によって除いた。乾固するまでのエバポレーション(0.52g、90%純粋)、および、MeOHからの残渣の再結晶により、XXXIα−1aを灰白色の固体として得た(308mg)。
アルコール構成単位XXXI−3(n=3):
15β−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−3b):
Figure 0004778438
詳細な合成:
2−(3−ブロモプロピルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(4.45g、19.95mmol)を含む乾燥THF(50mL)における溶液に、窒素雰囲気下−78℃で、t−BuLi(ペンタンにおける1.5M溶液、25mL、37.5mmol)を加えた。30分間の撹拌の後、CuCN(0.89g、9.94mmol)を加えた。反応混合物を−40℃にしながら、混合物をさらに30分間撹拌した。−78℃に冷却した後、式Xbの15,16−不飽和エストロン誘導体(1.50g、5.24mmol)およびTMSCl(1.3mL、10mmol)を含む50mLのTHFにおける溶液を15分間かけて滴下して加えた。混合物を(4時間かけて)0℃にした。その後、飽和NHCl溶液を加え、層を分離し、水相を酢酸エチルにより抽出した。粗生成物をメタノール(250mL)に溶解し、KCO(0.80g、5.97mmol)を加えた。RTで2時間撹拌した後、水(50mL)を加え、メタノールのほとんどをエバポレーションした。混合物をEtOAcにより希釈し、層を分離し、水層をEtOAcにより抽出した。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションした。粗生成物をメタノール(250mL)に溶解し、p−TosOH(0.80g、4.21mmol)を加えた。反応混合物を90分間撹拌した。メタノールのほとんどをローターリーエバポレーターで除いた。水を加え、水相をDCMにより抽出した(3回)。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、溶媒を除いた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/酢酸エチル、1:1)によって精製して、化合物XXXI−3b(0.81g、45%)を無色のオイルとして得た。
LC−MS(ES+):rt5.75分、m/z(相対強度)343[(M+H)、40%]、360[(M+NH 、100%]
H−NMR(400MHz、CDCl)δ(ppm)1.03(s、3H)、1.44〜1.76(m、9H)、1.88〜1.92(m、1H)、2.03〜2.07(m、1H)、2.27〜2.48(m、5H)、2.91〜2.95(m、2H)、3.65〜3.69(m、2H)、3.78(s、3H)、6.65(d、1H)、6.71(dd、1H)、7.19(d、1H)。
13C−NMR(100.6MHz、CDCl)δ(ppm)17.8、25.5、26.8、27.2、29.5、32.8、34.0、34.2、36.1、42.7、44.6、47.1、52.9、55.2、62.6、76.7、77.0、77.4、111.5、113.9、126.0、132.4、137.7、157.7、221.0。
[α] 20=+79.6(c=0.314、MeOH)
アルコール構成単位XXXI−3cおよびXXXI−3a(n=3、R =ベンジル、n=3、R =H):
3−ベンジルオキシ−15β−(3−ヒドロキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−3c)
3−ヒドロキシ−15β−(3−ヒドロキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−3a)
Figure 0004778438
式XXXI−3cおよび式XXXI−3aのアルコール構成単位の合成が下記のスキーム10に描かれる。
スキーム10
Figure 0004778438
XXXV−3c−ケタール
詳細な合成
3−ベンジルオキシ−15β−(プロパ−2−エニル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXV−3c)
3つ口フラスコにCuI(18.76g、98.5mol)および塩化リチウム(4.17g、98.4mol)を仕込み、排気およびNパージを行った(2回)。THF(乾燥、150mL)を加え、混合物をRTで20分間撹拌した。得られた透明な緑色溶液を−78℃に冷却した。アリルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテルにおける1.0M溶液、100mL、100mmol)を−78℃で滴下して加えた。添加が完了した後、トリメチルシリルクロリド(9.1mL、71.2mmol)を加え、直ちに、15,16−不飽和エストロンXc(10.08g、28.1mmol)を含むTHF(乾燥、120mL)における溶液を滴下して加えた。添加が完了した後、懸濁物を−78℃で1時間撹拌した。混合物をRTに加温し、3日間撹拌した。飽和NHCl溶液(500mL)を加え、層を分離した。水層をEtOAc(300mLで2回)により抽出した。有機層を一緒にして、HCl(1M、300mLで2回)およびアンモニア水(25%、300mLで3回)により洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションした。得られた褐色のオイルをEtOAcから結晶化させて、XXXV−3cを得た(5.81g、51%)。
3−ベンジルオキシ−15β−(プロパ−2−エニル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−ジオキソラン(XXXV−3c−ケタール)
オルトギ酸トリエチル(25mL、150mmol)およびエチレングリコール(11mL、197mmol)をXXXV−3c(10g、25.0mmol)に加えた。p−TosOH(0.40g、2.10mmol)をスラリーに加え、これを一晩35℃に加熱した。その後、反応混合物を氷(100mL)に注ぎ、ピリジン(3mL)を加えた。この混合物を5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルにより希釈し、層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)により抽出した。有機層を水(100mLで2回)により洗浄し、NaSOで乾燥し、エバポレーションした。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc、9:1)によって精製して、XXXV−3c−ケタールを得た(9.94g、90%)。
3−ベンジルオキシ−15β−(3−ヒドロキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−ジオキソラン(XXXII−3c)
化合物XXXV−3c−ケタール(9.94g、22.36mmol)をTHF(500mL)に溶解した。ボランジメチルスルフィド(ジエチルエーテルにおける2M、72mL、144mmol)を加え、溶液を2時間にわたって加熱還流した。その後、溶液を氷浴で冷却し、NaOH(3M、99mL)を滴下して加えた。その後、H(35%、50mL)を加え、得られた二相系を40℃で一晩撹拌した。過剰な過酸化物をジメチルスルフィドの添加によって消失させた。後処理の後、約40%の副生成物を含有するXXXII−3c(8.22g)を得た。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
3−ベンジルオキシ−15β−(3−ヒドロキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXX−3c)
粗生成物XXXII−3c(8.22g)をアセトン(88mL)および水(22mL)に溶解し、p−TosOH(0.36g、1.89mmol)を加えた。溶液をRTで3日間撹拌した。後処理の後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc、1:1、R0.3)によって精製して、化合物XXX−3cを得た(2.90g、2工程で31%)。
3−ヒドロキシ−15β−(3−ヒドロキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXX−3a)
化合物XXX−3c(2.90g、6.93mmol)をMeOH(250mL)に溶解し、Pd/CをMeOHにおけるスラリーとして加えた。混合物を、H雰囲気下、RTで一晩撹拌した。反応混合物をセライトでろ過した。ろ液をエバポレーションし、生成物をEtOAc(50mL)に溶解し、針状物として結晶化させ、これをろ過し、ペンタンにより洗浄して、化合物XXX−3aを得た(1.63g、72%)。(LC−MS(ES−);rt5.75分、m/z(相対強度)327[(M+H)、100%])。
アルコール構成単位XXXI−4b、XXXI−5b、XXXI−6b(n=4、5、6):
15β−(4−ヒドロキシ−C 〜C −アルキル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
Figure 0004778438
式XXXI−4/5/6bのアルコール構成単位の一般的合成が下記のスキーム11に描かれる。
スキーム11
Figure 0004778438
一般的手順
マグネシウム(3当量〜10当量)をN雰囲気で乾燥3つ口フラスコに加え、ヨウ素によって活性化する。乾燥THFに溶解したブロモ化合物(2当量〜6.5当量)を前記マグネシウムに滴下して加える。反応混合物をRTまたは還流下で1時間〜2時間反応させる。溶液を、CuI(0.06当量〜0.7当量)およびDMPUまたはHMPA(2当量〜7当量)を−40℃に冷却された乾燥THFに含有する乾燥3つ口フラスコに移す。得られた混合物を−40℃で30分間撹拌し、その後、THFに溶解した式Xの15,16−不飽和エストロン誘導体(1当量)およびTMSCl(2当量〜2.5当量)の混合物を滴下して加える。添加が完了した後、混合物をRTにする。その後、NHCl溶液を加え、層を分離し、水相を酢酸エチルにより抽出する(3回)。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションする。粗生成物をメタノールに溶解し、KCO(1当量)を加えて、シリルエーテルを加水分解する。加水分解が完了した後、水を加え、メタノールのほとんどをエバポレーションする。混合物をEtOAcにより希釈し、層を分離し、水層をEtOAcにより抽出する。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションする。その後、一般式XXXの得られた生成物をさらに処理して、一般式XXXIのアルコールを得る。
詳細な合成
XXXI−4b(n=4およびR1=CH ):15β−(4−ヒドロキシブチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
この化合物の詳細な合成は上記の式IV−3bの酸構成単位の合成のための節に既に示されている。
XXXI−5b(n=5およびR1=CH ):15β−(4−ヒドロキシペンチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
スキーム11に示される一般的手順に従って、銅試薬を、マグネシウム(3.80g、156mmol)、2−(5−ブロモペンチルオキシ)−THP(23.6g、94.00mmol)、CuI(0.54g、2.83mmol)およびDMPU(12ml、100mmol)からTHF中で調製した。THFにおける式Xbのエストロン誘導体(13.68g、48.5mmol)およびTMSCl(13mL、100mmol)の混合物を滴下して加えた。反応混合物をRTにし、2日間撹拌した。後処理およびシリルエーテルの加水分解の後、粗生成物をメタノール(50mL)に溶解し、p−TosOH(11.4g、60mmol)を加えた。反応混合物を一晩撹拌した。メタノールのほとんどをロータリーエバポレーターで除いた。水を加え、水相をDCMにより抽出した(3回)。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、溶媒を除いた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、10:1から2:1へのシクロヘキサン/酢酸エチルのグラジエント)によって精製して、XXXI−5bを得た(14.21g、79%)。
LC−MS(ES+);rt6.31分、m/z(相対強度)388[(M+NH、100%]。
[α] 20=+85.7(c=0.105、CHCl
XXXI−6b(n=6およびR1=CH ):15β−(4−ヒドロキシヘキシル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
スキーム11に示される一般的手順に従って、銅試薬を、マグネシウム(2.19g、91.00mmol)、2−(6−ブロモヘキシルオキシ)−THP(20.67g、78.00mmol)、CuI(1.98g、10.40mmol)およびDMPU(9.4ml、78mmol)からTHF中で調製した。THFにおける式Xbのエストロン誘導体(7.33g、26.00mmol)およびTMSCl(5.56g、52.00mmol)の混合物を滴下して加えた。反応混合物をRTにし、2日間撹拌した。後処理およびシリルエーテルの加水分解の後、粗生成物をメタノール(200mL)に溶解し、p−TosOH(0.95g、5.00mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌した。メタノールのほとんどをロータリーエバポレーターで除いた。水を加え、水相をDCMにより抽出した(3回)。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、溶媒を除いた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、10:1から2:1へのシクロヘキサン/酢酸エチルのグラジエント)によって精製して、XXXI−6bを得た(7.50g、75%)。
LC−MS(ES−);rt6.63分、m/z(相対強度)443[(M+OAc)、100%]。
アルコール構成単位XXXI−4c(n=4、R =ベンジル)およびXXXI−4a(n=4、R =H)
3−ベンジルオキシ−15β−(4−ヒドロキシブチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−4c)
3−ヒドロキシシ−15β−(4−ヒドロキシブチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−4a)
この化合物の詳細な合成は上記の式IV−3cの酸構成単位の合成のための節に既に示されている。3−ヒドロキシ誘導体をXXXI−4c化合物の加水分解によって得ることができる。
アルコール構成単位XXXI−5cおよびXXXI−5a(n=5、R =ベンジル、n=3、R =H):
3−ベンジルオキシ−15β−(4−ヒドロキシペンチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−5c)
3−ヒドロキシシ−15β−(4−ヒドロキシペンチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−5a)
Figure 0004778438
式XXXI−5cおよび式XXXI−5aのアルコール構成単位の合成が下記のスキーム12に描かれる。
スキーム12
Figure 0004778438
詳細な説明:
3−ベンジルオキシ−15β−(ペンタ−4−エニル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXV−5c)
マグネシウム削り片(4,43g、0.182mol)を1粒のI結晶および1滴の純粋なブロミドの添加によって活性化した。5−ブロモ−1−ペンテン(19.5mL、0.164mol)を含むTHF(乾燥、160mL)における溶液を、還流を維持しながら滴下して加えた。添加が完了した後、混合物をRTで1時間撹拌した。3つ口フラスコにCuI(30.47g、0.159mol)および塩化リチウム(6.78g、0.159mol)を仕込み、排気およびNパージを行った(2回)。THF(乾燥、240mL)を加え、混合物をRTで20分間撹拌した。得られた透明な緑色溶液を−78℃に冷却した。グリニャール試薬を−78℃〜−70℃の間で滴下して加えた。添加が完了した後、トリメチルシリルクロリド(20.4mL、0.159mol)を−78℃で褐色の反応混合物に加え、直ちに、15,16−不飽和エストロンXc(22.94g、0.064mol)を含むTHF(乾燥、280mL)における溶液を滴下して加えた。添加が完了した後、懸濁物を−78℃で1時間撹拌した。混合物をRTに加温し、3日間撹拌した。飽和NHCl溶液(500mL)を加え、層を分離した。水層をEtOAc(300mLで3回)により抽出した。有機層を一緒にして、HCl(1M、300mLで2回)およびアンモニア水(25%、300mLで3回)により洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションした。得られた褐色のオイルをEtOAcから結晶化させて、XXXV−5cを得た(18g、66%)。
3−ベンジルオキシ−15β−(ペンタ−4−エニル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−ジオキソラン(XXXV−5c−ケタール)
オルトギ酸トリエチル(42mL、252mmol)およびエチレングリコール(19mL、340mmol)を化合物XXXV−5c(18g、42.0mmol)に加えた。p−TosOH(0.67g、3.52mmol)をスラリーに加え、これを一晩35℃に加熱した。その後、反応混合物を氷(100mL)に注ぎ、ピリジン(3mL)を加えた。この混合物を5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルにより希釈し、層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)により抽出した。有機層を水(100mLで2回)により洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションした。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc、9:1)によって精製して、XXXV−5c−ケタールを得た(18.85g、95%)。
3−ベンジルオキシ−15β−(5−ヒドロキシペンチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−ジオキソラン(XXXII−5c)
化合物XXXV−5c−ケタール(18.85g、39.88mmol)をTHF(850mL)に溶解した。ボランジメチルスルフィド(ジエチルエーテルにおける2M、128mL、256mmol)を加え、溶液を2時間にわたって加熱還流した。その後、溶液を氷浴で冷却し、NaOH(3M、176mL)を滴下して加えた。その後、H(35%、89mL)を加え、得られた二相系を40℃で一晩撹拌した。過剰な過酸化物をジメチルスルフィド(380mL)の添加によって消失させた。溶媒をエバポレーションし、水(500mL)および酢酸エチル(500mL)を加えた。層を分離し、水層を酢酸エチル(500mL)により抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションして、XXXII−5cを得た(15.36g)。この粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
3−ベンジルオキシ−15β−(5−ヒドロキシペンチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−5c)
粗化合物XXXII−5c(15.36g)をアセトン(135mL)および水(35mL)に溶解し、p−TosOH(0.62g、3.26mmol)を加えた。溶液をRTで3日間撹拌した。飽和NaHCO溶液(50mL)を加え、溶媒をエバポレーションした。さらなる飽和NaHCO溶液(20mL)を加え、混合物をCHCl(100mLで2回)により抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションした。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc、1:1、R0.3)によって精製して、XXXI−5cを得た(8.65g、2工程で49%)。
3−ヒドロキシ−15β−(5−ヒドロキシペンチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−5a)
化合物XXXI−5c(8.65g、19.37mmol)をMeOH(95mL)に溶解し、Pd/C(2.3g)を少量のMeOHにおけるスラリーとして加えた。ギ酸アンモニウム(9.77g、154.9mmol)を加え、溶液をRTで撹拌した。1時間45分後、NMR(CDClにて)は、転換が完了したことを示した。反応混合物をセライトでろ過し、MeOH(300mL)により洗浄した。ろ液をエバポレーションし、これにより、残留する粘着性物質が残留し、これを水(100mL)においてRTで撹拌した。化合物は5時間後には固体になり、水をデカンテーションした。EtOH(100mL)を加え、エバポレーションして水を除いた。オイルをEtOAc(100mL)から2回エバポレーションし、6gの白色の泡状物を得た。これは10%の第二級アルコールを不純物として含有していた。副生成物を、(ピリジンおよび無水酢酸を用いた)酢酸エステルへの転換、およびカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc、2:1〜1:2)による分離によって除いた。エステルをMeOH中での炭酸カリウムとの加熱によって切断した。後処理の後、化合物XXXI−5a(2.21g、32%)を無色の泡状物としてを得た。
LC−MS(ES−);rt5.23分、m/z(相対強度)355[(M−H)、100%]。
アルコール構成単位XXXI−6cおよびXXXI−6a(n=6、R =ベンジル、n=3、R =H):
3−ベンジルオキシ−15β−(4−ヒドロキシヘキシル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−6c)
3−ヒドロキシシ−15β−(4−ヒドロキシヘキシル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−6a)
Figure 0004778438
3−ベンジルオキシ−15β−(6−ヒドロキシヘキシル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−6c)
スキーム11に示される一般的手順に従って、銅試薬を、マグネシウム(6.56g、270mmol)、2−(6−ブロモヘキシルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(47.2g、180mmol)、CuI(3.18g、17mmol)およびHMPA(33mL、190mmol)からTHF中で調製した。THFにおける15,16−不飽和エストロン誘導体Xc(10.1g、28.00mmol)およびTMSCl(8ml、63mmol)の混合物を滴下して加えた。反応混合物をRTにし、一晩撹拌した。後処理およびシリルエーテルの加水分解の後、粗生成物をメタノール(890mL)に溶解し、p−TosOH(3.30g、17.35mmol)を加えた。反応混合物を一晩撹拌した。メタノールのほとんどをロータリーエバポレーターで除いた。水を加え、水相をDCMにより抽出した(3回)。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、溶媒を除いた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル、2;1)によって精製して、XXXI−6cを得た(7.99g、62%)。
3−ヒドロキシシ−15β−(6−ヒドロキシヘキシル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXI−6a)
化合物XXXI−6c(7.99g、17.35mmol)をMeOHに溶解し、Pd/C(水において、2.3g)を加え、その後、ギ酸アンモニウム(8.58g、136mmol)を加えた。混合物をRTで1.5時間撹拌し、その後、混合物をセライトでろ過した。ろ液をエバポレーションし、EtOAc(200mL)および水(150mL)に溶解した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションした。カラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/EtOAc、1:1)による精製により、#を得た(2.69g、42%)。
LC−MS(ES−);rt5.49分、m/z(相対強度)369[(M−H)、100%]。
V.式XVの化合物(保護されたアミン構成単位)(n=1〜6);R (好ましくは)=H
Figure 0004778438
XV−1:(n=1):
XV−1b:15α−アミノメチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
XV−1c:15α−アミノメチル−3−ベンジルオキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
Figure 0004778438
式XV−1のアミン構成単位の合成における個々の工程が下記のスキーム13に描かれる。
スキーム13
Figure 0004778438
アルデヒドXIII−0b(R=CH)またはアルデヒドXIII−0c(R=ベンジル)をベンジルアミンに溶解し、THF中での残留イミンの還元により、ベンジルアミンXIV−1b(R=CH)およびベンジルアミンXIV−1c(R=ベンジル)が得られ、これらを、Pd/Cおよび5barでのHを使用して脱ベンジル化して、XV−1b(R=CH)およびXV−1c(R=H)を得た。これらを希HClに溶解して、それぞれのアンモニウムクロリドXXIX−1b(R=CH)およびアンモニウムクロリドXXIV−1a(R=H)を得た。標準的な精製方法は、これらのアンモニウム塩の不安定性であると考えられるために失敗した。これらのアミンについて、遊離アミン(エン−アミン)は安定でないので、これらはHCl塩として処理しなければならないことが知られていた。しかし、そのような塩でさえ、少なくともに敏感であるようである。粗反応混合物は約90%の純度を有する(HPLC−MS)。
詳細な合成
XIV−1b:15α−(ベンジルアミノメチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール
XIV−1c:15α−(ベンジルアミノメチル)−3−ベンジルオキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール
アルデヒドXIIIbまたはアルデヒドXIIIc(0.93mmol)を、加熱しながらベンジルアミン(0.4mL、3.9mmol)およびMeOH(10mL)に溶解し、混合物を30分間撹拌し、エバポレーションして乾固した。残渣を乾燥THFに溶解し、50mg量のNaBHを、300mg(4.0mmol)が加えられるまで1時間毎に加えた。混合物を一晩撹拌した。基線スポットのみがTLC(TBME)で認められた。混合物をエバポレーションして乾固し、残渣を、気体がそれ以上発生しなくなるまで、NaHCO(aq)(200mL)とともに撹拌した。懸濁物をCHCl(200mLで2回)により抽出し、有機層をNaSOで乾燥し、乾固するまでエバポレーションしたとき、化合物XIVbおよび化合物XIVcを無色のオイルとして得た(収率、92%〜100%)。
XV−1b:15α−アミノメチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
XV−1a:15α−アミノメチル−3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
ベンジルアミンXIVbまたはベンジルアミンXIVc(22mmol)およびPd/C(10%、1.0g、触媒)を含むMeOH(500mL)における懸濁物を、5barのH雰囲気で48時間撹拌した。セライトによるろ過、および、乾固するまでエバポレーションにより、粗アミン(XV−1aおよびXV−1b)を得た。アミンXV−1aをカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH(7N NH);925:75)によって精製して、XV−1aを無色のオイルとして得た(5.0g、アルデヒドXIIIcから出発する3工程について63%)。アミンXV−1bは、一晩放置したとき、多くの生成物において分解した。従って、別の試みでは、アミンXV−1bを、精製することなく直ちに、次の工程で使用した。
XXIX−1b:15α−アミノメチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン/HCl
XXIV−1a:15α−アミノメチル−3−ベンジルオキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン/HCl
アミンXV−1b(1.1mmol)を含むMeOH(10mL)における溶液をHCl(5mL、HOにおいて30%)に加えた。反応混合物を一晩撹拌し、結晶化が始まるまで濃縮した。ろ過により、生成物XXIX−1bを得た(130mg、33%)。
XXIX−1aの純粋なサンプル(95%+)を、XV−1aを1NのHCl(20mL)に溶解し、XXIX−1aを調製用HPLCによって単離すること(反応混合物の1mLの注入を20回)によって得た。溶出液の真空下での40℃〜45℃におけるエバポレーションは3%〜4%について分解生成物を持ち込んだ。
化合物XIV−1は、R残基が水素以外である本発明による化合物のさらなる合成のための構成単位として使用することができる第二級アミンについての一例である。構成単位として使用することができる式XIV−1によるさらなる第二級アミンを、上記の示された合成スキーム13の最初の工程における適切な第一級アミンの付加によって合成することができる。
構成単位として使用することができる第二級アミンについてのさらなる一例が15α−(メチルアミノメチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンである。
XXXVIII−1a:15α−(メチルアミノメチル)−3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール
XXXVIII−1b:15α−(メチルアミノメチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール
XXXVIII−1c:15α−(メチルアミノメチル)−3−ベンジルオキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール
Figure 0004778438
式XXXVIII−1aの第二級アミン構成単位の合成における個々の工程が下記のスキーム14に描かれる。
スキーム14
Figure 0004778438
アルデヒドXIIIcを、Ti(i−OPr)を使用してそのメチルイミンに転換し、連続してイミンを還元することにより、メチルアミンXXXVIII−1cを得た。XXXVIII−1cの脱ベンジル化はXXXVIII−1aをもたらした。XXXVIII−1aを希HClに溶解し、MeOH/HOから結晶化することにより、XXXIX−1aを得た。
式XXXVIII−1bおよび式XXXVIII−1cの第二級アミン構成単位の合成における個々の工程が下記のスキーム15に描かれる。
スキーム15
Figure 0004778438
アルデヒドXIIIb(R=CH)およびアルデヒドXIIIc(R=ベンジル)を、Ti(i−OPr)を使用してそのメチルイミンに転換し、連続してイミンを還元することにより、それぞれのメチルアミン(XXXVIII−1cおよびXXXVIII−1b)を得た。XXXVIII−1cまたはXXXVIII−1bを希HClに溶解し、MeOH/HOから結晶化することにより、XXXIX−1b(R=CH)およびアルデヒドXXXIX−1c(R=ベンジル)を得た。
詳細な合成
XXXVIII−1b:15α−(メチルアミノメチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール
XXXVIII−1c:15α−(メチルアミノメチル)−3−ベンジルオキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール
NHMe(9.26mL、MeOHにおける2.0M、18.52mmol)を、アルデヒドXIIIbまたはアルデヒドXIIIc(1.85mmol)を含むTi(i−OPr)(0.84mL、2.78mmol)における懸濁物に加えた。懸濁物は、2.5時間撹拌したとき、透明な溶液になった。この反応はTLC(TBME/CHCl、1:1)によって追跡しなければならない。反応が完了したとき、NaBH(500mg、13.2mmol)を加え、反応を一晩続けた。NaHCO(aq)(200mL)を加え、混合物をエバポレーションして乾固した。残渣を、超音波を使用して、CHCl(100mL)により抽出した。この抽出を、少なくとも75%の収率が得られるまで繰り返した。
XXXVIII−1a:15α−(メチルアミノメチル)−3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール
XXXVIII−1cの脱ベンジル化を、MeOH(500mL)中でPd/C(10%、1.0g、触媒)を用いて5barのH雰囲気で48時間行うことにより、粗アミンXXXVIII−aを得た。
XXXVIII−1a:15α−(メチルアミノメチル)−3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
XXXVIII−1b:15α−(メチルアミノメチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
アミンXXXVIII−1bまたはアミンXXXVIII−1a(1.1mmol)を含むMeOH(10mL)における溶液をHCl(5mL、HOにおいて30%)に加えた。反応混合物を一晩撹拌し、エバポレーションして乾固した。XXXIX−1aの場合、MeOHからの残渣(約90%純粋)の分別結晶化は純粋な物質をもたらした(110mg)。XXXIX−1bの場合、サンプル(100mg)をカラムクロマトグラフィー(CHCl/NEt/MeOH、17:2:1)によって単離した。
アミン構成単位XVα−3:(n=3):
XVα−3a:15α−アミノプロピル−3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
XVα−3b:15α−アミノプロピル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
Figure 0004778438
式XVα−3aのアミン構成単位の合成における個々の工程が下記のスキーム16に描かれる。
スキーム16:
Figure 0004778438
式(XIIIα−0)の保護されたアルデヒド誘導体をWittig反応によって対応するアミノプロペニルに転換する(スキーム4もまた参照のこと)。その後、アミノプロペニル(XXXVII−3)を式XVα−3の15−アミノプロピル誘導体に還元する。保護しているケタール基を酸加水分解により17−オキソ基に転換する。
同じ種類の手順を、より長い側鎖(すなわち、n=4、5または6)を有するアミン構成単位を得るために、一般式Hal(Ph)P−(CHn=3〜5−R(式中、Rは、例えば、−N=P(Ph)、−Nまたは−NH−CO−O−CHを表す)の種々のWittig試薬を使用して適用することができる。
アミン構成単位XVα−4:(n=4):
XVα−4a:15α−アミノブチル−3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
XVα−4b:15α−アミノブチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
Figure 0004778438
さらに、アミン構成単位XVα−4bを、HalPhP−CH−CH−CH−NをWittig試薬として使用してスキーム16に従って合成した。(LC−MS(ES+):rt4.57分、m/z(相対強度)386[(M+H)+、100%])。
XVβ−4:(n=4):
XVβ−1b:15β−アミノブチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
XVβ−1c:15β−アミノブチル−3−ベンジルオキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンのケタール誘導体
Figure 0004778438
β立体配置をステロイドコアのC15原子に有する式XVβ−4のアミン構成単位の合成における個々の工程が下記のスキーム17に描かれる。
スキーム17
Figure 0004778438
最初の工程で、式XXXIβ−4(式XXXIβ−4の合成については上記を参照のこと)のブタノール誘導体の17位のオキソ官能基をケタール基(式XXXIIβ−4の化合物)に転換する。その後、アルコール官能基を選択的にアルデヒドに還元して、式XIIIβ−3の化合物を得る。式XIIIβ−3の保護されたアルデヒド誘導体を、ベンジルアミンの付加およびその後の還元(還元的アミン化)によって第二級アミンに転換する。第二級アミンのさらなる還元は、式XVβ−4の所望する、依然として保護されているアミン構成単位をもたらす。保護しているケタール基は酸加水分解によって17−オキソ基に転換することができる。
同じ種類の手順を、n=5または6について、また、R位における他の置換基について適用することができる。
さらに、化合物XIVβ−4は、R残基が水素以外である本発明による化合物のさらなる合成のための構成単位として使用することができる第二級アミンについての一例である。構成単位として使用することができるさらなる第二級アミンを、上記の示された合成スキーム17の最初の工程における適切な第一級アミンの付加によって合成することができる。
一般式XXIXのアミン構成単位(n=1〜6):R (好ましくは)=H
Figure 0004778438
あるいは、一般式XXIXのアミン構成単位の合成はまた、下記の一般スキーム18に従って、活性化アルコール官能基およびその後の置換反応を使用して行うことができ、エストロンのC−17ケト官能基の保護を何ら必要としない。
スキーム18
Figure 0004778438
実施例:XXIXβ−4b:15α−アミノブチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
Figure 0004778438
詳細な合成
XLIIβ−4b:メタンスルホン酸4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ブチルエステル(XLII、n=4およびR =CH であり、かつ、β立体配置をC15に有する)
4g(11.22mMol)のアルコール(XXXIβ−4b)誘導体を50mlのTHFに溶解して、乾燥条件下で0℃に冷却し、その後、1当量のTEAおよび1当量のメタンスルホン酸クロリドを滴下して加えた。0℃で3時間撹拌した後、さらに0.25当量のTEAおよびメタンスルホン酸クロリドを加えた:この手順を2時間後に繰り返して、反応を完了させた。後処理のために、翌朝、反応混合物を氷/水に注いだ。水をEEにより2回抽出し、その後、EE抽出液を一緒にして、1モル濃度のNaHCO溶液により洗浄した。エバポレーション後、化合物XLIIβ−4bを含有する5.19gのオイル(LC MS:MH+ 435、rt6.50分、少しの溶媒残渣を依然として含有する)が得られ、これを、何ら精製することなく、さらに使用した。
XLIIIβ−4b:15−(4−アジドブチル)−3−メトキシ−13−メチル−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XLIII、n=4およびR =CH であり、かつ、β立体配置をC15に有する)
前の工程で得られた5.19gのXLIIβ−4b(約11mmol)および0.91gのNaNを150mlのエタノールに溶解し、還流下で10時間保った。翌朝、エタノールのほとんどを減圧下で留去した。続いて、残渣を水とEEとの間で分配した。水層をEEにより2回抽出した。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、エバポレーションして、4.4gのオイルXLIIIβ−4bを得た(LC−MS:MH+=382、rt7.32分、少しの溶媒残渣を依然として含有する)。これは、精製することなく使用することができる。
XXIXβ−4b:15β−アミノブチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
3.3gのアジド(XLIIIβ−4b)を300mlのエタノールに溶解した。20mlの18%HClaqおよび50mgのPd/C(5%)を加えた。懸濁物を振とう装置に置き、3barの水素により6時間加圧した。ろ過後、ろ液をエバポレーションし、残留する固体を真空乾燥器おいて60℃で4時間乾燥して、3.2gのアミン塩酸塩XXIXβ−4bを得た(LC−MS:MH+:356;rt:4.84分)。
実験
本発明の化合物の調製例が下記の詳細な合成手順で示される。下記の化合物の表において、各化合物の合成はこれらの例示的な調製工程に対して参照される。
1つだけの化合物の合成において、ならびに、コンビナトリアル合成において、すべての反応液は、別途示されない限り、磁石により撹拌されたか、または、旋回振とう機を用いて振とうされた。敏感な液体または溶液はシリンジまたはカニューレによって移され、ゴムセプタムを介して反応容器に導入された。このような場合、反応は乾燥アルゴンまたは乾燥窒素の陽圧下で行われた。市販規格の試薬および溶媒を、さらに精製することなく使用した。
別途言及されない限り、用語「減圧下での濃縮」は、BuchiまたはHeidolphのロータリーエバポレーター(「Rotavapor」)または真空遠心分離機(「GeneVac」)の約15mmHgでの使用を示す。すべての温度は、摂氏度(℃)で未補正のまま報告される。別途示されない限り、すべての部および百分率は体積比である。
薄層クロマトグラフィー(TLC)をMerck(登録商標)プレコート型のガラス基板シリカゲルまたはアルミニウムシート60A F−254の250μmプレートで行った。プレートの可視化を下記技術の1つまたは複数によって行った:(a)紫外線照射(254nmまたは266nm)、(b)ヨウ素蒸気への暴露、(c)Schlittler試薬溶液をプレートに噴霧し、その後、加熱する、(d)アニスアルデヒド溶液をプレートに噴霧し、その後、加熱する、および/または(e)Rauxz試薬溶液をプレートに噴霧し、その後、加熱する。カラムクロマトグラフィー(フラッシュクロマトグラフィー)を、230メッシュ〜630メッシュのICN SiliTech 60Aシリカゲルを使用して行った。
融点(mp)を、Reichert Thermovar融点装置またはMettler DSC822自動融点装置を使用して測定した。融点は未補正である。
フーリエ変換赤外スペクトルを、Perkin Elmer分光光度計を使用して得た。
プロトン(1H)核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、MeSi(δ0.00)または残留プロトン化溶媒(CHCl、δ7.26;CHDOD、δ3.30;DMSO−d、δ2.50)のいずれかを標準として用いてBruker ARX(400MHz)分光計またはBruker ADVANCE(500MHz)分光計により測定した。炭素(13C)NMRスペクトルを、MeSi(δ0.00)または溶媒(CDCl、δ77.05;CDOD、δ49.0;DMSO−d、δ39.45)のいずれかを標準として用いてBruker ARX(100MHz)分光計により測定した。
HPLCエレクトロスプレー質量スペクトル(HPLC ES−MS)を、下記の方法および装置を使用して得た:サンプルを、四重極MSに接続された逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって分離した。HPLCを、XterraMS C18カラム(内径:4.6mm、長さ:50mm、粒子サイズ:2.5μm)またはPhenomenex Luna C18(2)304.6mmカラムを使用して、1000μl/分の流速で行った。ほとんどのサンプルについては、0%の溶出液Bから95%のBまでのグラジエントを10分で行った:この場合、溶出液Aは、水、10mMの酢酸アンモニウム(pH5)+5%アセトニトリルからなり、溶出液Bはアセトニトリルからなった。2つの異なる構成を使用した:1.Waters Alliance2795、これは、Waters ZQ MS、Waters2996ダイオードアレイ検出器(DAD)およびエバポレーション可能な光散乱検出器(ELSD、EL−ELS1000、PolymerLabs)に接続された。イオン化:エレクトロスプレー、正モードおよび負モード(ES+/−)。あるいは、2.LC200ポンプ(PE)、これは、API100 MS(Applied Biosystems Sciex)、可変波長検出器Waters2487(225nmに設定)、およびELSD(Sedex75)(ES+)に接続された。両方の構成形式において、スペクトルを100〜800または100〜900のm/zの走査範囲により走査した。
ガスクロマトグラフィー−質量スペクトル(GC−MS)分析を、DB−5MSカラム(内径:0.25、長さ:30m)およびAgilent5973MSD四重極検出器(70eVでの電子衝撃(EI)によるイオン化;供給源温度:230℃)を備えたAgilent6890ガスクロマトグラフを用いて行った。
元素分析を、C、HおよびNの決定のためにVarioEL元素分析計(Elementar Analysen−systeme)によって行った。アセトアニリドを条件設定および校正のために使用した。
化合物のNMRスペクトル、LRMS、元素分析およびHRMSは、特定された構造と一致していた。
実施例
本発明の本質および本発明の本質を実施する様式をより詳しく例示するために、下記の実施例が示されるが、それらは限定として理解してはならない。
実施例1、2、3A、3Bおよび4B:
番号1. 3−ヒドロキシ−15β−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(VIβ−3a)−1
番号2. 3−メトキシ−15β−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(VIβ−3b)−2
番号3.A. N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド(VIβ−3a)−3A
番号3.B. N−ベンジル−4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド(VIβ−3b)−3B
番号4.B. 4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−ブチルアミド(VIβ−3b)−4B
実施例1、実施例2、実施例3.A.、実施例3.B.および実施例4.B.の合成における個々の工程が下記のスキーム19に描かれる。
スキーム19
Figure 0004778438
式IVβ−3bの遊離型の酸構成単位を用いて出発したとき、対応する酸クロリドを、オキサリルクロリドを使用して調製した。酸クロリドを一般構造RNHのアミン(これは、化合物番号1および化合物番号2の合成についてはモルホリンを表し、化合物番号3Aおよび化合物番号3Bについてはベンジルアミンを表し、化合物番号4Bについてはメチルアミンを表す)と反応させ、これにより、最初の合成工程の後で、一般式(VIβ−3b)のアミドを得た:化合物番号2(−NR=モルホリンを有する)、化合物番号3B(−NR=−NH−ベンジルを有する)、および化合物番号4(−NR=−NH−CHを有する)。化合物3Bを、カラムクロマトグラフィー、続いて、EtOおよび少量のMeOHとともに粉砕することによって精製し、8%の収率で単離した。化合物4Bを、EtOとともに粉砕することによって精製し、48%の収率で単離した。化合物2をカラムクロマトグラフィーによって精製し、33%の収率で得た。
3−ヒドロキシ官能基の脱メチル化は、化合物番号2および化合物番号3BについてはBBrを用いて成功し、化合物番号1および化合物番号3Aを表す一般式(VIβ−3a)のアミドをそれぞれ21%および48%の収率でもたらした。化合物番号1は、カラムクロマトグラフィー後、α異性体およびβ異性体の混合物として得られた。化合物番号3Aの精製がカラムクロマトグラフィーによって達成された。
詳細な合成
実施例番号2:
式(VIβ−3b)−2の3−メトキシ−15β−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
Figure 0004778438
酸構成単位IVβ−3b(1.1g、2.7mmol)をDCM(20ml)に溶解し、1滴のDMFを加えた。反応混合物を0℃に冷却し、オキサリルクロリド(0.25ml、2.7mmol)を滴下して加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した後、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。酸クロリドをDCM(20ml)に溶解し、モルホリン(0.31ml、3.51mmol)を滴下して加えた。反応混合物を一晩撹拌した。水(20ml)およびDCM(30ml)を加えた。層を分離した後、水層をDCM(25mlで2回)により抽出した。有機層を一緒にして、水(20ml)およびブライン(60ml)により洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。これにより、1.3gの黄色のオイルを得た。これをTBMEおよびEtO/EtOHに溶解し、少量の褐色の固体が沈殿した。液相をデカンテーションし、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。これにより、865mgの黄/白色の固体を得た。HPLC分析は、この化合物が約80%純粋であることを示した。固体をカラムクロマトグラフィー(50gのSiO、EtOAc/ヘプタン:1/2)によって精製した。これにより、670mgが得られ、HPLCにより86%の純度を有していた。カラムクロマトグラフィー(25gのSiO、EtOAc/ヘプタン:2/1)による2回目の精製により、最終的には、414mg(0.94mmol、33%)の所望する化合物番号2を、HPLCにより96%の純度を有する白色の固体として得た[MS m/z 439.1]。
実施例番号1:
(VIβ−3a)−13−ヒドロキシ−15β−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
Figure 0004778438
メトキシ化合物(VIβ−3b)−2(898mg、2.0mmol)をDCM(20ml)に溶解し、0℃に冷却した。BBr溶液(12.3ml、CHClにおける1M)を、温度を0℃で維持しながら滴下して加えた。色が無色から黄/オレンジ色になり、そしてオレンジ/赤色に、そしてピンク色に変化した。反応をTLC(SiO、EtOAc)によって追跡し、13/4時間後、反応は完了していた。40mlの水を加え、続いて、30mlの飽和NaHCO溶液を加え、さらに200mlの水を加えた。層を分離し、水層をDCMにより抽出した。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。これにより、915mgの黄色の油状固体を得た。生成物をカラムクロマトグラフィー(50gのSiO、トルエン/アセトン:3/1)によって精製して、183mg(0.43mmol、21%)の所望する化合物番号1を、95%の純度を有する黄色の固体として得た[MS m/z 425.2]。
実施例番号3B
式(VIβ−3b)−3BのN−ベンジル−4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド
Figure 0004778438
酸構成単位IVβ−3b(1.2g、3.3mmol)をDCM(20ml)に溶解し、1滴のDMFを加えた。反応混合物を0℃に冷却し、オキサリルクロリド(0.28ml、3.3mmol)を滴下して加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。酸クロリドを20mlのDCMに溶解し、ベンジルアミン(0.48ml、4.34mmol)を滴下して加えた。黄/オレンジ色の溶液が濁った黄/白色になった。撹拌をRTで0.5時間続け、その後、20mlの水および25mlのDCMを加えた。水層をDCM(20mlで2回)により抽出し、有機層を一緒にして、水(20ml)およびブライン(20ml)により洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。これにより、1.3gの黄色のオイル(HPLC分析により56%純粋)が得られ、その後、これをカラムクロマトグラフィー(53gのSiO、TBME/ヘプタン:2/1)によって精製した。この精製により、668mgの白色の固体を得た(44%、HPLC分析により87%純粋)。400mgを、(VIβ−3a)−3Aを調製するための脱メチル化のために使用した。268mgをEtOとともに粉砕して、HPLCにより94%の純度を有する124mgの白色の固体(0.27mmol、8%)を得た[MS m/z 459.1]。
実施例3A
式(VIβ−3a)−3AのN−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド
Figure 0004778438
メトキシ化合物(VIβ−3a)−3B(400mg、0.87mmol)を含むDCM(100ml)における溶液に、0℃で、DCMにおけるBBrの1M溶液の5.2mlを、温度が0℃で維持されるような速度で滴下して加えた。色が無色からオレンジ色に変化した。添加が完了した後、反応をTLC(EtOAc/ヘプタン:2/1)によってモニターした。反応が、1.5時間後、完了していた。その後、水(40ml)、飽和NaHCO溶液、さらに水(150ml)を加えた。層を分離し、水層をDCM(100mlで2回)により抽出した。有機層を一緒にして、NaSOで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。これにより、310mgの赤/紫色の生成物が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(15gのSiO、トルエン/アセトン:3/1)によって精製して、82%の純度を有する173mgの黄色の泡状物を得た。精製物を再びカラムクロマトグラフィー(11gのSiO、トルエン/アセトン:3/1)によって精製した。この精製により、HPLCにより93%の純度を有する160mgの黄色の固体(0.36mmol、41%)を得た[MS m/z 445.1]。
実施例4B:
式(VIβ−3b)−4Bの4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−ブチルアミド
Figure 0004778438
酸構成単位IVβ−3b(846mg、2.3mmol)をDCM(20ml)に溶解し、1滴のDMFを加えた。反応混合物を0℃に冷却し、オキサリルクロリド(0.20ml、2.3mmol)を滴下して加えた。0℃で1時間撹拌した後、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。酸クロリドをDCM(20ml)に溶解し、THFにおけるメチルアミンの2M溶液の5.7mlを滴下して加えた。反応混合物を0.5時間撹拌した。水(20ml)およびDCM(25ml)を加えた。層を分離した後、水層をDCM(25mlで2回)により抽出した。有機層を一緒にして、水(20ml)およびブライン(20ml)により洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。これにより、593mgの固体が得られ、これをEtOおよび少量のMeOHにおいて撹拌した。白色の固体を単離し、ろ過し、乾燥した。これにより、HPLCにより95%の純度を有する424mg(1.1mmol、48%)を得た[MS m/z 383.2]。
実施例4Aおよび実施例4C:
番号4.A. 4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−ブチルアミド(VIβ−3a)
番号4.C. 4−(3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−ブチルアミド(VIβ−3a)
実施例番号4A(化合物(VIβ−3a)−4A)および実施例番号4C(化合物(VIβ−3c)−4C)の合成における個々の工程が下記のスキーム20(これは一般的流れ図Ibに従う)に描かれる。
スキーム20
Figure 0004778438
式IVβ−3cの遊離型の酸構成単位を用いて出発したとき、対応する酸クロリドを、オキサリルクロリドを使用して調製し、これをアミド(VI−β3c)−4Cに転換した(y=26%)。最後に、このアミドを脱ベンジル化して、化合物(VIβ−3a)−4A(y=13%)を、83%の純度を有する白色の固体(α異性体およびβ異性体の混合物)として得た。
詳細な合成
番号4C:4−(3−ベンジルオキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−ブチルアミド(VIβ−3c)−4C
Figure 0004778438
酸構成単位IVβ−3c(1.9g、4.4mmol)をDCM(40ml)に溶解し、1滴のDMFを加えた。反応混合物を0℃に冷却し、オキサリルクロリド(0.38ml、4.4mmol)を滴下して加えた。0℃で1時間撹拌した後、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。酸クロリドをDCM(20ml)に溶解し、THFにおけるメチルアミンの2M溶液の13.1mlを滴下して加えた。反応混合物を一晩撹拌した。明るい黄色の混合物に水(40ml)およびDCM(50ml)を加えた。層を分離した後、水層をDCM(40mlで2回)により抽出した。有機層を一緒にして、水(40ml)およびブライン(40ml)により洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除いた。これにより、1.4gの固体が得られ、これをカラムクロマトグラフィー(42gのSiO、トルエン/アセトン:3/1)によって精製した。これにより、509mg(11.2mmol、26%)の化合物(VIβ−3c)−4Cを、HPLCにより91%の純度を有する黄/白色の固体として得た。
番号4A:4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−ブチルアミド(VIβ−3a)−4A
Figure 0004778438
化合物(VIβ−3c)−4C(509mg、11.2mmol)をMeOH(75ml)に溶解し、Nを数分間吹き込んだ。Pd/C(500mg)を加え、Hの風船をフラスコに設置した。混合物を一晩撹拌した。その後、混合物をセライトでろ過し、MeOHを、結晶化が始まるまでロータリーエバポレーターで除いた。白色の析出物をろ過し、乾燥した。この精製により、54mg(0.146mmol)の化合物(VIβ−3a)−4A(13%)を、α異性体およびβ異性体の混合物(HPLCにより83%の純度を有する)として得た[MS m/z 369.1]。
実施例5〜実施例35
式Iの様々な化合物(実施例5〜実施例35)(この場合、Xが結合を表し、AがCOを表し、YがNRを表し、nが3であり、RがCHを表し、かつ、C15がβ位で置換される)を、下記のスキーム21(これは一般的流れ図Ibに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した:
スキーム21
Figure 0004778438
0.13mmolの式(IVβ−3b)の酸構成単位、0.19mmolのそれぞれのアミン(R−NHまたはR−NH−R)、0.19mmolのヒドロキシベンゾトリアゾール、0.19mmolのN−メチルモルホリンおよび0.19mmolのEDClの混合物をDCMに溶解し、RTで24時間撹拌した。DCMをエバポレーションし、EtOAcによって置き換えた。有機層を水により2回洗浄した。必要ならば、生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。その後、この物質をLC−MSによって分析した。
下記の化合物群をこの方法によって調製した(第1表):
第1表:N−"R"−4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミドの一般名を有する式VIβ−3bの化合物(この場合、RがHであり、Rが変化する)
Figure 0004778438
実施例36〜実施例38
さらに、一般式(VIβ−3a)の下記の化合物(番号36〜38)を、実施例番号4Aの合成について記載される方法による酸構成単位(VIβ3c)の脱ベンジル化によって調製したが、しかし、THFを溶媒として使用し、かつ、得られた酸構成単位(IVβ3a)と、対応するアミンとのその後の反応は、スキーム21に記載される方法に従った。
番号36:4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−[2−(7−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]ブチルアミド(VIβ−3a)−36
Figure 0004778438
13 NMR:(溶媒、dDMSO):16.6、17.15、25.33、26.09、28.84、29.63、33.47、33.54、35.15、35.6、39.24、39.45、41.97、43.85、46.28、51.76、112.22、112.58、114.83、115.71、118.28、120.27、121.26、122.09、125.58、126.8、130.15、135.64、136.99、154.94、171.76、219.82ppm。
番号37:N−(2,4−ジフルオロベンジル)−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド(VIβ−3a)−37
Figure 0004778438
LC−MS:MH+ 482;rt5.50分;フラグメント:M−17:464;M−17:464;M−287:194;M−324:157;M−354:127
番号38:N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−ブチルアミド(VIβ−3a)−38
Figure 0004778438
Mp:160〜162℃
LC−MS:MH+ 560、Rt5.77分
13−NMR:221.23、173.42/172.95(アミド回転異性体)、154.13、137.92、137.28/136.53(アミド回転異性体)、131.88、128.99、128.62、128.02、127.72/127.43(アミド回転異性体)、126.20、126.00、115.34、112.80、53.48/50.97(アミド回転異性体)、52.84、47.15、44.51、42.76/42.72(アミド回転異性体)、35.99、34.89/34.38(アミド回転異性体)、34.33/34.27(アミド回転異性体)、33.89、33.36/332.83(アミド回転異性体)、30.85、29.29、26.70、25.53、25.41/25.17(アミド回転異性体)、17.72/17.68(アミド回転異性体)
実施例39:N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)ブチルアミド(VIα−3a)−39
Figure 0004778438
化合物(VIα−3a)−39を、下記のスキーム22に示されるように、ケタール保護の酸構成単位XLVIIIα−3aから開始する2工程の合成で調製した。最初の工程において、酸構成単位XLVIIIα−3aを、EDCl、HOBtをカップリング試薬として使用してベンジルアミンと反応させ、次いで精製する。ケトンの脱保護により、所望する化合物(VIα−3a)を得た。
スキーム22
Figure 0004778438
詳細な合成
N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)ブチルアミドのケタール(XLIXα−3a)
カルボン酸XLVIIIα−3a(0.236g、0.664mmol)を含むTHF(12.4mL)における溶液に、ベンジルアミン(85mg、796mmol)、N−メチルモルホリン(218μL、1.98mmol)、HOBt(107mg、793mmol)およびEDCi(152mg、796mmol)を加えた。反応混合物をRTで32時間撹拌し、濃縮して、CHCl(50mL)に溶解し、1N(aq.)HClにより洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、0.353gの粗ベンジルアミドXLIXα−3aを得た。精製をカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン/酢酸エチル、1:1;Rf=0.4)によって行って、0.220g(67%)のベンジルアミドXLIXα−3aをほぼ白色のオイルとして得た。
N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)ブチルアミド(VIα−3a)−39
ベンジルアミドXLIXα−3a(0.220g、0.44mmol)を含むTHF(11mL)における溶液に4N(aq.)HCl(2.8mL)を加えた。RTで1時間後、CHCl(25mL)およびHO(25mL)を加えた。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、0.178gの白色の泡状物を得た。精製をカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル、Rf=0.8)によって行って、0.170gの白色の固体を得た。固体を、EtO(50mL)において30分間撹拌することによってさらに精製した。固体をろ過し、EtO(20mL)により洗浄し、乾燥して、120mg(60%)の純粋な(VIα−3a)−39を白色の固体として得た(純度:LC−MSに基づいて95+%)。
13−NMR:(溶媒、CDCl):219.6;172.5;153.7;138.2;137.6;131.8;128.8(2);127.9(2);127.7;127.0;115.0;113.1;54.8;50.4;44.2;43.8;43.1;39.7;36.8;36.3;36.1;31.6;29.8;27.8;26.5;24.4;15.7ppm
実施例40
3−ヒドロキシ−15α−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(VIα−3a)−40
Figure 0004778438
さらに、化合物1のα立体異性体に相当する一般式(VIα−3a)の下記の化合物番号40を、式(XLVIIIα−3a)の酸構成単位および適切なアミン(モルホリン)を用いて開始するスキーム22に示される方法、および、化合物番号39の合成について記載される手順に従ったその後のケタール切断に従って調製した。
13−NMR:(溶媒、CDCl):219.7;171.7;154.2;137.5;131.3;126.82;115.1;113.14;66.9;66.8;54.7;50.4;46.1;44.1;43.1;42.1;39.6;36.3;36.1;33.2;31.6;29.8;27.75;26.5;23.8;15.7ppm
実施例41〜実施例309−アミド
Xが結合を表し、AがCOを表し、YがNRを表し、RがCHを表し、nが0(スキーム23)または1(スキーム24)であり、かつ、C15がα位で置換される式Iの様々な化合物(実施例41〜実施例309)を、下記の反応スキーム23および反応スキーム24(これらは一般的な流れ図Iaに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した。
スキーム23
Figure 0004778438
スキーム24
Figure 0004778438
酸クロリド(V−0bおよびV−1b)の調製;
1.714gの化合物IV−0b(5.219mmol)を85mLのトルエンに溶解し、55.2mLの0.189MのSOCl溶液(10.438mmolのSOCl)(これは、25mlの溶液が得られるまで5.613gのSOClをトルエンに溶解することによって調製された)を加え、RTで17時間撹拌した。反応が依然として完了していなかったので、再度、55.2mLの0.189MのSOCl溶液(10.438mmolのSOCl)を加え、RTでさらに24時間撹拌した。LC−MSによる分析により、酸クロリドV−0bの遊離体(educt)の96%の転換が示される(ピロリジンによる検出)。
1.670gの化合物IV−1b(4.877mmol)を85mLのトルエンに溶解し、51.6mLの0.189MのOCl溶液(9.754mmolのSOCl)(これは、25mlの溶液が得られるまで5.613gのSOClをトルエンに溶解することによって調製された)を加え、RTで17時間撹拌した。LC−MSによる分析により、酸クロリドV−1bの遊離体の99%の転換が示される(ピロリジンによる検出)。
両方の溶液を、ロタベーパーを使用して40℃でエバポレーションした。油状の残渣を0.25Mの濃度でTHFに溶解した。
アミド(VI0bおよびVI1b)の調製:
DIPEAをTHFに溶解して、0.25M溶液を作製した。種々のアミン(RNHおよびRNHR)のストック溶液(B)を0.25Mの濃度でTHFにおいて調製した。反応を24ウエル形式で行った。各ウエルにおいて、100μlのそれぞれの酸クロリド(V−0bまたはV−1b)を100μlのアミン溶液(B)および100μlのDIPEA溶液と混合した。24ウエルプレートにおける反応混合物を、振とうしながら30℃で17時間、次いで、振とうしながら15℃でさらに48時間反応させた。溶液を、GeneVacを使用して、5mbarの最終圧力において40℃で180分間エバポレーションした。それぞれの油状残渣に1000μlの5%NaHCO溶液を加えた。溶液を1.5mlのEtOAcにより2回抽出し、得られた抽出液を500μlの水により2回洗浄した。洗浄したEtOAc溶液を回収バイアルに移し、その後、上記と同じ条件のもとでGeneVacでエバポレーションした。得られた生成物をESI−MSによって分析した。
下記の化合物群をこの方法によって調製した(n=0については第2表〜第4表、n=1については第5表〜第7表):
第2表:3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−カルボン酸"R"アミドの一般名を有する式VI−0bの化合物(この場合、RがHであり、Rが変化する)
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第3表:15−["(−NR)"カルボニル]−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンの一般名を有する式VI−0bの化合物(この場合、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、様々な環または環系を形成する)
Figure 0004778438
第4表:3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−カルボン酸"R"−"R"アミドの一般名を有する式VI−0bの化合物(この場合、RおよびRが個々に変化する)
Figure 0004778438
第5表:2−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)−N−(R)−アセトアミドの一般名を有する式VI−1bの化合物(この場合、RがHであり、Rが変化する)
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第6表:15−[2−("−NR)"−2−オキソ−エチル]−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンの一般名を有する式VI−1bの化合物(この場合、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、様々な環または環系を形成する)
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第7表:2−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)−N−"R"−N−"R"−アセトアミドの一般名を有する式VI−1bの化合物(この場合、RおよびRが個々に変化する)
Figure 0004778438
実施例310〜実施例368−アミド
Xが結合を表し、AがCOを表し、YがNRを表し、RがCHを表し、かつ、C15が、異なる長さ(n=2、n=4およびn=5)の側鎖によりβ位で置換される式Iのさらなる化合物(実施例310〜実施例368)を、出発物質として下記の構成単位(IV−2b、IV−4bおよびIV−5b)を用いてスキーム21に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した。
Figure 0004778438
下記の化合物群をこの方法によって調製した(第8表、第9表および第10表)。
第8表:式VI−2bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第9表:式VI−4bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第10表:式VI−5bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
実施例329A:
3−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)プロピオンアミド
Figure 0004778438
式(VI−2a)−329Aの実施例329Aを、出発物質としての酸構成単位IVβ−2cと、適切なアミンとを使用するスキーム20に示される方法、ならびに、化合物番号4Cおよび化合物番号4Aの合成について記載される手順に従ったその後の脱ベンジル化に従って合成した。
13C−NMR(ppm)219.76、170.78、156.18、155.05、137.17、134.61、130.19、125.90、125.75、114.96、112.67、51.73、46.38、44.09、41.47、35.62、34.73、33.75、33.40、28.98、26.13、25.92、25.15、17.34、11.05
実施例363A:
6−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ヘキサン酸[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミド
Figure 0004778438
式(VI−5a)−363Aの実施例363Aを、出発物質としての酸構成単位IVβ−5cと、適切なアミンとを使用するスキーム20に示される方法、ならびに、化合物番号4Cおよび化合物番号4Aの合成について記載される手順に従ったその後の脱ベンジル化に従って合成した。
13C−NMR(ppm)214.67、166.64、147.42、146.66、129.27、122.90、121.75、121.20(2)、117.39、106.73、106.63(2)、104.28、44.58、38.96、36.38、34.28、32.65、28.05、27.55、26.21、26.17、25.65、22.56、21.03、20.89、20.67、18.51、17.49、17.24、8.74
実施例369:6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ヘキサン酸イソプロピルエステル
Xが結合を表し、AがCOを表し、YがOを表し、nが5であり、かつ、C15がβ位で置換される式Iの1つの化合物(VII−5b−369)を、下記のスキーム25(これは一般的な流れ図IIに従う)に示されるような反応によって調製した:
スキーム25
Figure 0004778438
6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ヘキサン酸イソプロピルエステル(VII−5b)−369
0.13mmolの式(IV−5b)の遊離酸、0.26mmolのイソプロパノール、026mmolのヒドロキシベンゾトリアゾール、0.26mmolのN−メチルモルホリンおよび0.26mmolのEDCl・HClの混合物をDCMに溶解し、RTで4時間撹拌した。ろ過後、有機層を1MのKHSO溶液により2回洗浄した。物質を、エバポレーション後、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EE、5:1−>4:1)によって精製し、29mgの白色の泡状物(VII−5b)−369を得た(LC−MS:MH+ 441;rt7.81分)。
13−NMR:(溶媒、CDCl):17.74、21.89、21.89、25.58、26.81、29.53、31.00、33.95、34.39、34.61、36.08、42.88、44.55、47.17、52.95、55.25、67.44、111.47、113.96、125.99、132.47、137.77、157.73、173.24、221.22
実施例370:3−メトキシ−15−(3−オキソ−ペンチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン
Xが結合を表し、AがCOを表し、Yが結合を表し、nが2であり、かつ、C15がβ位で置換される式Iの1つの化合物(VIII−2b−370)を、下記のスキーム26(これは一般的な流れ図IIIに従う)に示されるような反応によって調製した:
スキーム26
Figure 0004778438
詳細な合成
3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)プロピオンアルデヒド(XXXIII−2b):
505mgのアルコール(XXX1−3b)(1.47mmol)を50mlのDCMに溶解し、0℃に冷却した。その後、4.5ml(2.2mmol)のDess Martin試薬を0℃で加え、反応混合物をさらに1時間撹拌した。その後、有機層を飽和NaHCOにより洗浄し、次いで1MのNa溶液により2回洗浄し、NaSOで乾燥し、エバポレーションした。物質をフラッシュクロマトグラフィー(溶媒、シクロヘキサン/EE、3:1)によって精製した後、420mgの固体物質XXXIII−2bを得た。
15−(3−ヒドロキシペンチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXI−2b)−370
式XXXIII−2bのアルデヒドを20mlの乾燥THFに溶解し、0℃に冷却した。この温度で、ともに別々に溶解された臭化エチルマグネシウムおよびテトラメチルジアミノエタンをゆっくり加えた。さらに2時間撹拌した後、反応混合物を室温で一晩放置した。その後、5mlの飽和NHCl溶液を加え、混合物を50mlのEEにより数回抽出した。一緒にした有機層をNaSOで乾燥し、溶媒をエバポレーションした後、160mgの固体物質(XXI−2b)を得た。これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した(LCMS:MH+;371;rt6.35分)。
3−メトキシ−15−(3−オキソ−ペンチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(VIII−2b)−370
前記で得られたアルコール(XXI−2b)−370を10mlのアセトンに溶解し、0℃に冷却した。その温度で、Jones試薬を、反応混合物の色が緑色のままになるまで加えた。反応液をRTで1時間撹拌し、その後、過剰なJones試薬を、2mlのイソプロパノールを加えることによって無効にした。その後、反応混合物を200mlのEEおよび100mlの飽和NaCl溶液により希釈した。分離後、有機層を飽和NaCl溶液により2回洗浄し、その後、NaSOで乾燥し、減圧下でエバポレーションして乾固した。得られた物質をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EE、3:1)によって精製して、33mgの固体物質(VIII−2b)−370を得た。
13−NMR:(溶媒、CDCl):220.4;210.8;157.6;137.7;132.2;125.9;113.8;111.4;55.2;52.7;47.0;44.6;42.0;41.54;36.1;36.0;33.9;33.8;29.5;26.7;25.4;24.7;17.8;7.8ppm
実施例371〜実施例418−ヒドラジド
Xが結合を表し、AがCOを表し、YがNH−NRまたはNH−NHを表し、かつ、C15が、異なる長さ(n=2、3、4または5)の側鎖によりβ位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム27(これは一般的な流れ図IVbに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した:
スキーム27
Figure 0004778438
一般式IVの酸(0.057mmol/反応)をDCMにおけるストック溶液として使用し、それぞれのヒドラジンHN−NR(0.8当量)、ポリマー結合のカルボジイミド(3当量)、HOBt(1.7当量)および5mlのDCMの混合物に加えた。RTで24時間撹拌した後、約40mgのポリマー結合のトリスアミノメチルを加えて、過剰な酸を除いた。さらに24時間の反応時間の後、懸濁物をろ過し、ろ液を減圧下でエバポレーションした。得られた一般式XLIの生成物をLC−MSによって分析した。
式XLI−2b、式XLI−3b、式XLI−4b、式XLI−5bに従う4つの化合物群を、下記の第11表、第12表、第13表および第14表に表されるように、この方法によって調製した。
第11表:式XLI−2bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第12表:式XLI−3bの化合物
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第13表:式XLI−4bの化合物
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第14表:式(XLI−5b)の化合物
Figure 0004778438
Figure 0004778438
実施例419〜実施例440−ウレア誘導体
XがNHまたはNCHを表し、AがCOを表し、YがNHを表し、nが1を表し、かつ、C15がα位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム28Aおよびスキーム28B(これらは一般的な流れ図Vaに従う)にそれぞれ示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した:
スキーム28A
Figure 0004778438
スキーム28B
Figure 0004778438
詳細な合成
工程1:0.11mmolのイソシアナート(R−N=C=O)を2mlのACNに溶解した。この溶液に、ACNに溶解された2mlの式XV−1aまたは式XXXVIII−1aのアミン構成単位(0.09mmol)を加えた。反応混合物をRTで24時間撹拌した。未反応のイソシアナートまたはアミンを除くために、ポリマー結合のイソシアナートおよびトリスアミンを加えた。再び反応混合物をRTで24時間撹拌した。固体物質をろ過によって除いた。溶媒を真空遠心分離機でエバポレーションした。さらに精製することなく、この物質を次の工程で使用した。
工程2:工程1で得られた物質を2mlのアセトンに溶解した。2mgのpTsOHを加えた。反応混合物を、密封したチューブで、電子レンジにおいて150℃で3分間保った。その後、溶媒を真空遠心分離機で除いた。得られた物質を、EtOAcと、NaHCO溶液との間で分離した。有機層を集め、再びエバポレーションした。その後、物質をLC−MSによって分析した。
式XVII−1bに従う2つの化合物群を、下記の第15表および第16表に表されるように、この方法によって調製した。
第15表:式XVII−1bの化合物(R=H)
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第16表:式XVII−1bの化合物(R=CH
Figure 0004778438
Figure 0004778438
実施例441〜実施例489−ウレア誘導体
XがNHを表し、AがCOを表し、YがNHを表し、nが3または4を表し、かつ、C15がβ位で置換される式Iのさらなる化合物を、下記のスキーム29Aおよびスキーム29B(これらは一般的な流れ図Vbに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した:
スキーム29A
Figure 0004778438
スキーム29B
Figure 0004778438
詳細な合成
0.11mmolのイソシアナート(R−N=C=O)を2mlのACNに溶解した。この溶液に、ACNに溶解された2mlの式XXIX−3bまたは式XXIX−4bのアミン構成単位(0.09mmol)、および、約40mgのポリマー結合のジイソプロピルエチルアミンを加えた。反応混合物をRTで24時間撹拌した。未反応のイソシアナートまたはアミンを除くために、ポリマー結合のイソシアナートおよびトリスアミンを加えた。再び反応混合物をRTで24時間撹拌した。固体物質をろ過によって除いた。溶媒を真空遠心分離機でエバポレーションした。得られた物質をLC−MSによって分析した。
式XVII−3bおよび式XVII−4bに従う2つの化合物群を、下記の第17表および第18表に表されるように、この方法によって調製した。
第17表:式XVII−3bの化合物
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第18表:式XVII−4bの化合物
Figure 0004778438
Figure 0004778438
実施例490〜実施例492−ウレア誘導体
XがNHを表し、AがCOを表し、YがNHを表し、nが4を表し、かつ、C15がα位で置換される式Iのさらなる3つの化合物を、スキーム28Cに示され、また、スキーム28Aについて上記で記載されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した(これらは一般的な流れ図Vaに従う)。式XVIIα−4aの個々の化合物を第19表に表す。
スキーム28C
Figure 0004778438
第19表:式XVIIα−4aの化合物
Figure 0004778438
実施例493〜実施例537−スルファミド
XがNHを表し、AがSOを表し、YがNHを表し、nが2を表し、かつ、C15がα位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム30(これは一般的な流れ図VIに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製することができる:
スキーム30
Figure 0004778438
詳細な合成
工程1:tert.ブチルアルコール(6.5ml=5.13g=69.3mmol)を30mlのDCMに溶解して、クロロスルホニルイソシアナートの6.0ml(9.76g=68.9mmol)を含む40mlのDCMにおける冷溶液に滴下して加える。30分後、混合物をDCMにより100mlに希釈して、0.854モル濃度のストック溶液にする(18.29g/100ml;密度、1.318g/ml;LC−MSにより、216の質量M+Hが見出された)。この溶液の2mlを、DCMに溶解された式XV−1bのアミン構成単位(0.5mMol)および(1mMol)トリエチルアミンに0℃で加える。混合物をRTで一晩撹拌する。反応混合物をDCM/水による液/液抽出によって処理する。粗生成物を、DCMを溶出液とするシリカゲルで精製する。
工程2:工程1で得られるBoc保護スルファミドの0.1mMolをアセトンに溶解する。0.3mMolのKCOおよび0.1mMolのブロモアルカン(または対応するブロモ試薬)を加える。反応液を60℃で24時間保つ。ろ過および濃縮の後、粗混合物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製する。
工程3:工程2で得られる物質を2mlのアセトンに溶解する。2mgのp−TosOHを加えた。反応混合物を、密封したチューブで、電子レンジにおいて150℃で3分間保つ。その後、溶媒を真空遠心分離機で除く。得られる物質を、EtOAcと、NaHCO溶液との間で分離する。有機層を集め、再びエバポレーションする。その後、物質をLC−MSによって分析する。
式XIX−2bに従う一群の化合物をこの方法によって調製することができる。第12表に示される化合物は、式XV−2bの化合物と、ブロモ試薬(R−Br)との反応生成物を表す。
第12表:様々なR−Br化合物との反応によって調製される式XIX−2bの化合物:
Figure 0004778438
実施例538および実施例539−カルバマート
XがNHを表し、AがCOを表し、YがOを表し、nが1を表し、かつ、C15がα位で置換される式Iの2つの化合物を、下記のスキーム31(これは一般的な流れ図VIIに従う)に示されるような反応を使用して調製した:
スキーム31
Figure 0004778438
詳細な合成
工程1:0.132mMolのクロロギ酸エステル(R−O−CO−Cl)を2mlのDCMに溶解した。この溶液に、DCMに溶解された2mlの式XV−1aのアミン構成単位(0.112mMol)を加えた。反応混合物をRTで24時間撹拌した。未反応のクロロギ酸エステルまたはアミンを除くために、ポリマー結合のイソシアナートおよびトリスアミンを加えた。再び反応混合物をRTで24時間撹拌した。固体物質をろ過によって除いた。溶媒を真空遠心分離機でエバポレーションした。さらに精製することなく、この物質を次の工程で使用した。
工程2:工程1で得られた物質を2mlのアセトンに溶解した。2mgのp−トルエンスルホン酸を加えた。反応混合物を、密封したチューブで、電子レンジにおいて150℃で3分間保った。その後、溶媒を真空遠心分離機で除いた。得られた物質を、EtOAcと、NaHCO溶液との間で分離した。有機層を集め、再びエバポレーションした。その後、物質をLC−MSによって分析した。
一般式XX−1aに従う2つの化合物を、第21表に表されるように、この方法によって調製した。
第21表:式XX−1aの化合物
Figure 0004778438
実施例540〜実施例543−スルファマート
XがNHを表し、AがSOを表し、YがOを表し、nが、例えば、1を表し、かつ、C15がα位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム32(これは一般的な流れ図VIIIに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応反応によって調製することができる:
スキーム32
Figure 0004778438
詳細な合成
工程1:0.132mmolのクロロスルホン酸エステル(R−O−SO−Cl)を含む2mlのDCMにおける溶液に、2mlのDCMに溶解された0.112mmolのアミン構成単位XV−1b、および、過剰なポリマー結合のモルホリンを−40℃で連続して加える。1時間後、反応混合物を20℃に加熱し、一晩放置する。未反応のクロロスルホン酸エステルおよびアミンを除くために、ポリマー結合のイソシアナートおよびトリスアミンを加える。再び反応混合物をRTで24時間撹拌する。固体物質をろ過によって除く。溶媒を真空遠心分離機でエバポレーションする。さらに精製することなく、この物質を次の工程で使用する。
工程2:工程1で得られる物質を2mlのアセトンに溶解する。2mgのp−TosOHを加える。反応混合物を、密封したチューブで、電子レンジにおいて150℃で3分間保つ。その後、溶媒を真空遠心分離機で除く。得られる物質を、EtOAcと、NaHCO溶液との間で分離する。有機層を集め、再びエバポレーションする。その後、物質をLC−MSによって分析する。
一般式XXII−1bに従う一群の化合物をこの方法によって調製することができる。これらの化合物は、式XV−1bの化合物と、クロロスルホン酸エステル(R−O−SO−Cl)との反応生成物に相当する。第14表は、多数のそのような反応生成物を、対応するクロロスルホン酸エステル(R−O−SO−Cl)と一緒に示す。
第14表:R−O−SO−Clとの反応によって調製される式XXII−1bの化合物:
Figure 0004778438
実施例544〜実施例570−「レトロ」−アミド
Xが−NHを表し、AがCOを表し、Yが結合を表し、nが1を表し、RがCHを表し、Rが変化し、かつ、C15がα位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム33(これは一般的な流れ図Xaに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した。この方法によって調製される化合物群を第23表に示す。
スキーム33
Figure 0004778438
詳細な合成
工程1:0.132mMolの適切な酸クロリド(R−CO−Cl)を2mlのDCMに溶解した。この溶液に、DCMに溶解された2mlの式XV−1bのアミン構成単位(0.112mMol)、および、160mgのモルホリンのポリマー結合体を加えた。反応混合物をRTで48時間撹拌した。未反応の酸クロリドまたはアミンを除くために、ポリマー結合のイソシアナートおよびトリスアミンを加えた。再び反応混合物をRTで24時間撹拌した。固体物質をろ過によって除いた。溶媒を真空遠心分離機でエバポレーションした。さらに精製することなく、この物質を次の工程で使用した。
工程2:工程1で得られた物質を2mlのアセトンに溶解した。2mgのp−トルエンスルホン酸を加えた。反応混合物を、密封したチューブで、電子レンジにおいて150℃で3分間保った。その後、溶媒を真空遠心分離機で除いた。得られた物質を、EtOAcと、NaHCO溶液との間で分離した。有機層を集め、再びエバポレーションした。その後、物質をLC−MSによって分析した。
第23表:Rが変化する式XXIII−1bの化合物:
Figure 0004778438
実施例571〜実施例593−「レトロ」−アミド
Xが−NHを表し、AがCOを表し、Yが結合を表し、nが4を表し、RがHを表し、Rが変化し、かつ、C15がα位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム34に記載され、また、スキーム33について上記で記載されたような反応を使用する同様な化学反応によって調製した(これらは一般的な流れ図IXaに従う)。これらの化合物を第24表に示す。
スキーム34
Figure 0004778438
第24表:Rが変化する式XXIIIα−4aの化合物
Figure 0004778438
実施例594〜実施例651−「レトロ」−アミド
Xが−NHを表し、AがCOを表し、Yが結合を表し、nが3または4を表し、RがHまたはCHを表し、Rが変化し、かつ、C15がα位またはβ位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム35A、スキーム35Bおよびスキーム35C(これらは一般的な流れ図IXbに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した。
スキーム35A
Figure 0004778438
スキーム35B
Figure 0004778438
スキーム35C
Figure 0004778438
詳細な合成:
0.132mMolの適切な酸クロリド(R−CO−Cl)を2mlのDCMに溶解した。この溶液に、DCMに溶解された2mlの式XXIXα−3a、式XXIXβ−3bまたは式XXIXβ−4bのアミン構成単位(0.112mMol)、および、160mgのモルホリンのポリマー結合体を加えた。反応混合物をRTで48時間撹拌した。未反応の酸クロリドまたはアミンを除くために、ポリマー結合のイソシアナートおよびトリスアミンを加えた。再び反応混合物をRTで24時間撹拌した。固体物質をろ過によって除いた。溶媒を真空遠心分離機でエバポレーションした。その後、物質をLC−MSによって分析した。
一般式XXIIIα−3a、一般式XXIIIβ−3bまたは一般式XXIIIβ−4bに従う3つの化合物群を、下記の第25表、第26表および第27表にそれぞれ表されるように、この方法によって調製した。
第25表:Rが変化する式XXIIIα−3aの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第26表:Rが変化する式XXIIIβ−3bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第27表:Rが変化する式XXIIIβ−4bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
実施例652〜実施例660−「レトロ」−アミド
あるいは、Xが−NHを表し、AがCOを表し、Yが結合を表し、Rが変化する式Iのある種の化合物を、下記のスキーム36(これは一般的な流れ図IXbに従う)に示されるような反応を使用して、しかし、酸クロリド(R−CO−Cl)の代わりに、適切な遊離酸(R−COOH)を使用して個々に調製した。
スキーム36
Figure 0004778438
詳細な合成:
0.132mmolの適切な酸(R−COOH)を2mlのDCMに溶解した。この溶液に、DCMにおける2mlの一般式XXIXのアミン構成単位ストック溶液(各バイアル、0.112mmol)、約120mgのポリマー結合のモルホリン、120mgのポリマー結合のカルボジイミド、および、125mgのポリマー結合のHOBTを加えた。反応混合物をRTで2日間撹拌した。未反応の酸およびアミンを除くために、約40mgのポリマー結合のイソシアナートおよびトリスアミンを加えた。反応混合物をさらに24時間撹拌した後、固体物質をろ過によって除いた。溶媒を減圧下で除いた後、サンプルをLC−MSによって分析した。
実施例652:4−フルオロ−N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イルメチル)ベンズアミド
Figure 0004778438
式(XXXIIIα−1a)−652の実施例652を、XXIXα−1aを出発物質として使用してスキーム36に従って合成した(MH+ 422、Rt5.34分)。
実施例653:3,4−ジクロロ−N−[3−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)プロピル]ベンズアミド
Figure 0004778438
式(XXXIIIα−3a)−653の実施例653を、XXIXα−3aを出発物質として使用してスキーム36に従って合成した(MH+ 500;Rt4.17分)。
実施例654:3,4−ジクロロ−N−[4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ブチル]ベンズアミド
Figure 0004778438
式(XXXIIIα−4a)−654の実施例654を、XXIXα−4aを出発物質として使用してスキーム36に従って合成した(MH+ 514;Rt6.31分)。
実施例655:
2−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ブチル]アセトアミド
Figure 0004778438
式(XXXIIIα−4a)−655の実施例655を、XXIXα−4aを出発物質として使用してスキーム36に従って合成した(MH+ 478;Rt5.72分)。
実施例656:4−フルオロ−N−[4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ブチル]ベンズアミド
Figure 0004778438
式(XXXIIIα−4a)−656の実施例656を、XXIXα−4aを出発物質として使用してスキーム36に従って合成した(MH+ 464;Rt5.70分)。
実施例657:2,4−ジフルオロ−N−[4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ブチル]ベンズアミド
Figure 0004778438
式(XXXIIIα−4a)−657の実施例657を、XXIXα−4aを出発物質として使用してスキーム36に従って合成した(MH+ 482;Rt5.86分)。
実施例658:N−[5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ペンチル]ベンズアミド
Figure 0004778438
式(XXXIIIβ−5b)−658の実施例658を、XXIXβ−5bを出発物質として使用してスキーム36に従って合成した(MH+ 474;Rt6.80分)。
実施例659:N−[5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ペンチル]アセトアミド
Figure 0004778438
式(XXXIIIβ−5b)−659の実施例659を、XXIXβ−5bを出発物質として使用してスキーム36に従って合成した(MH+ 412;Rt6.90分)。
実施例660:4−フルオロ−N−[5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ペンチル]ベンズアミド
Figure 0004778438
式(XXXIIIβ−5b)−660の実施例660を、XXIXβ−5bを出発物質として使用してスキーム36に従って合成した(MH+ 492;Rt6.68分)。
実施例661〜実施例697−「レトロ」−スルホンアミド
XがNHまたはNCHを表し、AがSOを表し、Yが結合を表し、nが1を表し、かつ、C15がα位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム37(これは一般的な流れ図Xaに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した。式XXIV−1aおよび式XXIX−1aに従う2つの化合物群をこの方法によって調製した。これらの化合物を下記の第28表および第29表に示す。
スキーム37
Figure 0004778438
詳細な合成:
工程1:0.062mmolのそれぞれのスルホン酸クロリド(R−SO−Cl)を2mlのDCMに溶解した。この溶液に、DCMに溶解された2mlの式XV1−aまたは式XXXVIII−1aのアミン構成単位(0.056mmol)、および、100mgのモルホリンのポリマー結合体を加えた。反応混合物をRTで24時間撹拌した。未反応のスルホン酸クロリドを除くために、ポリマー結合のトリスアミンを加えた。再び反応混合物をRTで24時間撹拌した。固体物質をろ過によって除いた。溶媒を真空遠心分離機でエバポレーションした。さらに精製することなく、この物質を次の工程で使用した。
工程2:工程1で得られた物質を2mlのアセトン/メタノール/水(1:10:0.1)に溶解した。2mgのp−TosOHを加えた。反応混合物を、密封したチューブで、電子レンジにおいて150℃で3分間保った。その後、溶媒を真空遠心分離機で除いた。得られた物質を、EtOAcと、NaHCO溶液との間で分離した。有機層を集め、再びエバポレーションした。その後、物質をLC−MSによって分析した。
式XXIV−1aおよび式XXIV−1aに従う2つの化合物群をこの方法によって調製した(第28表および第29表)。
第28表:式XXIV−1aの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第29表:式XXIV−1aの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
実施例698〜実施例737−「レトロ」−スルホンアミド
XがNHを表し、AがSOを表し、Yが結合を表し、nが3または4を表し、かつ、C15がβ位で置換される式Iのさらなる化合物を、下記のスキーム38Aおよびスキーム38B(これらは一般的な流れ図Xbに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した。
スキーム38A
Figure 0004778438
スキーム38B
Figure 0004778438
詳細な合成
0.062mMolのそれぞれのスルホン酸クロリド(R−SO−Cl)を2mlのDCMに溶解した。この溶液に、DCMに溶解された2mlの式XXIXβ−3bまたは式XXIXβ−4bのアミン構成単位(0.056mMol)、および、100mgのモルホリンのポリマー結合体を加えた。反応混合物をRTで24時間撹拌した。未反応のスルホン酸クロリドを除くために、ポリマー結合のトリスアミンを加えた。再び反応混合物をRTで24時間撹拌した。固体物質をろ過によって除いた。溶媒を減圧下で除いた後、サンプルをLC−MSによって分析した。
式XXIVβ−3bおよび式XXIVβ−4bに従う2つの化合物群をこの方法によって調製した(第30表および第31表)。
第30表:式XXIVβ−3bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第31表:式XXIVβ−4bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
実施例738および実施例739−「レトロ」−スルホンアミド
XがNHまたはNCHを表し、AがSOを表し、Yが結合を表し、nが3または5を表し、かつ、C15がβ位で置換される式Iのさらなる2つの化合物を、それぞれのアミン構成単位を出発物質として使用して、スキーム38Aおよびスキーム38B(これらは一般的な流れ図Xbに従う)に示されるような反応に従って個々に調製した。
実施例738:
N−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)プロピル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド
Figure 0004778438
式(XXIVβ−3b)−738の実施例738を、XXIXβ−3bを出発物質として使用してスキーム38Aに従って合成した(MH+ 496;Rt6.85分)。
実施例739:
N−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ペンチル]−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド
Figure 0004778438
式(XXIVβ−5b)−739の実施例739を、XXIXβ−5bを出発物質として使用してスキーム38Bに従って合成した(MH+ 524;Rt6.91分)。
実施例740〜実施例743−スルホニルウレア誘導体
XがNHを表し、AがCOを表し、YがNH−SO−を表し、nが、例えば、2を表し、かつ、C15がα位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム39(これは一般的な流れ図XIに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製することができる:
スキーム39
Figure 0004778438
詳細な合成
工程1:0.224mMolの適切なスルホニルイソシアナートを2mlのTHFに溶解する。この溶液に、THFに溶解された2mlの式XV−bのアミン構成単位(0.112mMol)を加える。反応混合物を60℃で5時間撹拌した。未反応のスルホニルイソシアナートを除くために、ポリマー結合のトリスアミンを加える。反応混合物をRTでさらに24時間撹拌する。固体物質をろ過によって除く。溶媒を真空遠心分離機でエバポレーションする。さらに精製することなく、この物質を次の工程で使用する。
工程2:工程1で得られる物質を2mlのアセトンに溶解する。2mgのp−tosOHを加える。反応混合物を、密封したチューブで、電子レンジにおいて150℃で3分間保つ。その後、溶媒を真空遠心分離機で除く。得られる物質を、EtOAcと、NaHCO溶液との間で分離する。有機層を集め、再びエバポレーションする。その後、物質をLC−MSによって分析する。
式XXV−2bに従う一群の化合物をこの方法によって調製することができる。これらの化合物は、式XV−2bの化合物と、スルホニルイソシアナート(R−SO−N=C=O)との反応生成物に相当する。第17表は、多数のそのような反応生成物を、対応するスルホニルイソシアナート(R−SO−N=C=O)と一緒に示す。
第32表:様々なスルホニルイソシアナート(R−SO−N=C=O)との反応によって調製することができる式XXV−2bの化合物:
Figure 0004778438
実施例744〜実施例773−「レトロ」−カルバマート
XがOを表し、AがCOを表し、YがNHを表し、RがCHを表し、nが、3、4、5または6であり、かつ、C15がβ位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム40(これは一般的な流れ図XIIに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した:
スキーム40
Figure 0004778438
詳細な合成
0.06mmolのエストロンアルコールXXXIを5mlのアセトニトリルに溶解した。この溶液に、0.072mmolのそれぞれのイソシアナートを加えた。反応混合物全体をRTで24時間撹拌した。その後、過剰なイソシアナートを、ポリマー結合のトリスアミノ−エチルアミン(約20mg)を加え、さらに4時間撹拌することによって除いた。懸濁物をろ過した。固体残渣を0.5mlのアセトニトリルにより2回洗浄した。ろ液を真空遠心分離機において減圧下でエバポレーションした。LC−MSによる確認では、さらなる精製が必要であることを示していた。従って、ポリマー結合のイソシアナートを加えて、残留するエストロンアルコールを上記と同じ方法で除いた。さらなる精製が必要である場合には、フラッシュクロマトグラフィーまたは調製用HPLCのいずれかを使用した。
下記の化合物群をこの方法によって調製した(n=3については第33表、n=4については第34表、n=5については第35表、n=3については第36表)。
第33表:式XXVIβ−3bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第34表:式XXVIβ−4bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第35表:式XXVIβ−5bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第36表:式XXVIβ−6bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
実施例774および実施例775−「レトロ」−エステル
XがOを表し、AがCOを表し、Yが結合を表し、RがCHを表し、nが4または5であり、かつ、C15がβ位で置換される式Iの2つの化合物を、下記のスキーム41(これは一般的な流れ図XIIIに従う)に示されるような反応によって個々に調製した:
スキーム41
Figure 0004778438
詳細な合成
番号774:2,2−ジメチルプロピオン酸4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ブチルエステル
124.6mg(0.35mmol)のエストロンアルコールXXXIβ−4b、71.4(0.4mmol)のピバル酸、0.7mmolの4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)および0.7mmolのEDClを50mlの乾燥ジクロロメタンに溶解し、RTで20時間撹拌した。TLCによる確認では、完全な転換を示した。後処理のために、混合物を20mlの1M KHSO溶液および20mlの1M NaHCO溶液により2回抽出した。エバポレーション後、残渣をシクロヘキサン/酢酸エチル(99/1から90/10への比率)によるシリカゲル60でのフラッシュクロマトグラフィーによってさらに精製した。184mgのオイルが得られ、これをエーテル中で一晩結晶化させ、結晶をろ過し、乾燥して、87mgの純粋な物質(XXVIIβ−4b)−774を得た。
Mp:75〜84℃
LC−MS:MH+ 441、Rt7.85分
番号775:2,2−ジメチルプロピオン酸5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ペンチルエステル
化合物(XXVIIβ−5b)−775を、エストロンアルコールXXXIβ−5bを出発物質として使用してそれに応じて調製した。
LC−MS:MH+ 455、Rt8.07分
実施例776〜実施例819−スルホニルカルバマート
XがOを表し、AがCOを表し、YがNH−SO−NRを表し、RがCHを表し、nが、3、4、5または6であり、かつ、C15がβ位で置換される式Iの様々な化合物を、下記のスキーム42(これは一般的な流れ図XIVに従う)に示されるような反応を使用する同様な化学反応によって調製した:
スキーム42
Figure 0004778438
詳細な合成
エストロンアルコールXXXI(0.55mmol)を1mlのDCMに溶解して、これを、1.1当量のクロロスルホニルイソシアナート(CSI)を含む0.5mlのDCMにおける冷溶液に滴下して加えた。混合物をRTで30分間放置した。その後、1.2当量のDIPEAおよび1.1当量のアミンを加え、溶液を一晩撹拌した。所望するならば、TLC(シリカゲル60;溶出液:80トルエン/20エタノール/1アンモニア)を使用して、反応を確認することができる。反応混合物の後処理を、1Mクエン酸による抽出によって行った。エバポレーション後、固体物質が得られ、これをフラッシュクロマトグラフィーによるさらなる精製に供した。この手順を、1つだけの化合物の合成のために、そして同様に、ライブラリー製造のために使用した。
下記の化合物群をこの方法によって調製した(n=5については第37表(1つだけの化合物の合成)、n=3については第38表、n=4については第39表、n=5については第40表、n=6については第41表(すべてライブラリー製造)):
第37表:個々に調製された式XXVIIIβ−5bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
生成物のほかに、2つの副生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって単離することができた。これらは下記の構造を示し、おそらくは、反応混合物に水が混入したことにより得られたと考えられる。
実施例785
カルバミン酸5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ペンチルエステル(XXVIβ−5b)−785
Figure 0004778438
LC−MS rt:4.53分、MH+ 414
実施例786
スルファミン酸5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)ペンチルエステル(786)
Figure 0004778438
LC−MS rt:4.37分、MH+ 450
第38表:ライブラリー合成によって調製された式XXVIIIβ−3bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第39表:ライブラリー合成によって調製された式XXVIIIβ−4bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第40表:ライブラリー合成によって調製された式XXVIIIβ−5bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
第41表:ライブラリー合成によって調製された式XXVIIIβ−6bの化合物:
Figure 0004778438
Figure 0004778438
実施例820〜実施例834−アルコール
一般式XXXIの下記のエストロンアルコール誘導体(これらもまた17β−HSD1阻害特性を示した)の合成が「中間体、第IV章」の節に記載される。
実施例820:15α−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIα−1a)
実施例821:15α−ヒドロキシメチル−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(1O)−トリエン−17−オン(XXXIα−1b)
実施例822:3−ベンジルオキシ−15α−ヒドロキシメチル−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIα−1c)
実施例823:3−ヒドロキシ−15β−(3−ヒドロキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−3a)
実施例824:15β−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−3b)
実施例825:3−ベンジルオキシ−15β−(3−ヒドロキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−3c)
実施例826:3−ヒドロキシ−15β−(4−ヒドロキシブチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−4a)
実施例827:15β−(4−ヒドロキシブチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−4b)
実施例828:3−ベンジルオキシ−15β−(4−ヒドロキシブチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−4c)
実施例829:3−ヒドロキシ−15β−(5−ヒドロキシペンチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−5a)
実施例830:15β−(5−ヒドロキシペンチル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−5b)
実施例831:3−ベンジルオキシ−15β−(5−ヒドロキシペンチル)−エストラ−−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−5c)
実施例832:3−ヒドロキシ−15β−(6−ヒドロキシヘキシル)−3−エストラ−−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−6a)
実施例833:15β−(6−ヒドロキシヘキシル)−3−メトキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−6b)
実施例834:3−ベンジルオキシ−15β−(6−ヒドロキシヘキシル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXIβ−6c)
実施例835および実施例836−エーテル誘導体
X−A−YがOを表し、RがCHを表し、nが3または4であり、かつ、C15がβ位で置換される式Iの2つの化合物を、一般的な流れ図XVに従って個々に調製した。
実施例835:3−メトキシ−15β−(3−メトキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXβ−3b)−835
化合物(XXXβ−3b)−835を下記のスキーム43に描かれるように調製した。
スキーム43
Figure 0004778438
詳細な合成
スキーム11について記載される一般的手順に従って、銅試薬を、マグネシウム(0.252g、10.50mmol)、1−ブロモ−3−メトキシプロパン(0.813g、5.31mmol)、CuI(0.200mg、1.05mmol)およびDMPU(0.53mL、4.40mmol)からTHF中で調製した。THFにおける15,16−不飽和エストロンXb(0.500mg、1.77mmol)およびTMSCl(0.56mL、4.38mmol)の混合物を滴下して加えた。反応混合物をRTにし、一晩撹拌した。後処理および加水分解の後、化合物(XXXβ−3b)−835(0.605g、96%)を得た(HPLCによる純度、>99%)。
LC−MS(ES+);rt6.8分、m/z(相対強度)374[(M+NH、100%]。
実施例836:3−メトキシ−15β−(4−フェノキシブチル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(XXXβ−4b)−836
化合物(XXXβ−4b)−836を下記のスキーム44に描かれるように調製した。
スキーム44
Figure 0004778438
詳細な合成
スキーム11について記載される一般的手順に従って、銅試薬を、マグネシウム(0.212g、8.72mmol)、3−フェノキシブチルブロミド(0.917g、4.00mmol)、CuI(0.133mg、0.70mmol)およびDMPU(0.45mL、3.73mmol)からTHF中で調製した。THFにおける15,16−不飽和エストロンXb(0.282mg、1.00mmol)およびTMSCl(0.32mL、2.5mmol)の混合物を滴下して加えた。反応混合物をRTにし、一晩撹拌した。後処理、および、シリルエーテルの加水分解の後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、シクロヘキサン/酢酸エチル、10:1)によって精製して、(XXXβ−4b)−836を得た(0.240g、55%)。
LC−MS(ES+);rt7.77分、m/z(相対強度)450[(M+NH、100%]。
生物学的試験 材料および方法
1.17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型酵素の阻害
17β−HSD1の精製:組換えバキュロウイルスを「Bac to Bac発現システム」(Invitrogen)によって作製した。組換えバクミドを、「Cellfectin試薬」(Invitrogen)を使用してSf19昆虫細胞にトランスフェクションした。60時間後の細胞を集めた。ミクロソーム画分を、Puranen他(1994)によって記載されるように単離した。小分け物を酵素活性の測定まで凍結保存した。
アッセイ−組換えヒト17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害:組換えタンパク質(0.1μg/ml)を、20mMのKHPO(pH7.4)において、1μMまたは0.1μMの濃度での潜在的な阻害剤の存在下、30nMの3H−エストロンおよび1mMのNADPHとRTで30分間インキュベーションした。阻害剤ストック溶液をDMSOにおいて調製した。DMSOの最終濃度はすべてのサンプルで1%に調節した。酵素反応を10%トリクロロ酢酸(最終濃度)の添加によって停止させた。サンプルをマイクロタイタープレートにおいて4000rpmで10分間遠心分離した。上清を、Waters Sentry Guardカラムを備えるWaters Symmetry C18カラムでの逆相HPLCに加えた。イソクラティックHPLC運転を、溶出溶媒としてアセトニトリル:水が48:52である1ml/分の流速においてRTで行った。放射能をPackard Flow Scintillation Analyzerによって溶出液においてモニターした。エストロンおよびエストラジオールについての総放射能を各サンプルで測定し、エストロンからエストラジオールへの転換率を下記の式に従って計算した:
%転換=100x{(阻害剤を含むサンプルでのエストラジオールcpm)/[(阻害剤を含むサンプルでのエストロンcpm)+(阻害剤を含むサンプルでのエストラジオールcpm)]}/{(阻害剤を含まないサンプルでのエストラジオールcpm)/[(阻害剤を含まないサンプルでのエストロンcpm)+(阻害剤を含まないサンプルでのエストラジオールcpm)]}。
阻害率を次のように計算した:%阻害=100−%転換
「%阻害」の値を、例示された化合物について求めた。結果を第42表にまとめる。
第42表:I型17β−HSDの阻害
Figure 0004778438
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2.エストロゲン受容体結合アッセイ
エストロゲン受容体αおよびエストロゲン受容体βに対する本発明の化合物の結合親和性を、Koffmann他[Koffmann他(1991)、J.Steroid.Biochem.Med.Biol.、38:135]によって記載されるインビトロER結合アッセイに従って測定することができる。あるいは、エストロゲン受容体結合アッセイを国際特許出願PCT/US/17799(WO00/07996として公開)に従って行うことができる。
3.エストロゲン受容体トランス活性化アッセイ
エストロゲン受容体に対する結合親和性を示す本発明の化合物は、それらの個々のエストロゲン様または抗エストロゲン様の潜在的能力(ERαまたはERβに対するアゴニスト的結合またはアンタゴニスト的結合)に関してさらに調べることができる。エストロゲン受容体アゴニスト活性の測定を、例えば、米国特許第出願第10/289079号(US2003/0170292として公開)に記載されるMMTV−ERE−LUCレポーターシステムを使用するインビトロアッセイシステムに従って行うことができる。
エストロゲン受容体アゴニスト活性をアッセイするために、Hela細胞を24ウエルマイクロタイタープレートで成長させ、その後、リポフェクタミンを使用して2つのプラスミドによる一過性の同時トランスフェクションを行う。第1のプラスミドは、ヒトのエストロゲン受容体(ER−αまたはER−βのいずれか)をコードするDNAを含み、第2のプラスミドは、ルシフェラーゼレポーター遺伝子(LUC)(その転写は、マウス乳腫瘍ウイルス(MMV)プロモーター内にクローン化された4コピーのビテロゲニンのエストロゲン応答エレメント(ERE)を含む上流側の調節エレメントの制御下にある)を含むエストロゲン駆動のレポーターシステムを含む(このレポーターシステムに対する完全な名称は「MMTV−ERE−LUC」である)。細胞を、10%の活性炭処理ウシ胎児血清、2mMのL−グルタミン、0.1mMの非必須アミノ酸および1mMのピルビン酸ナトリウムが補充されたRPMI1640培地で、5%二酸化炭素インキュベーターにおいて37℃で42時間〜48時間、本発明の化合物にさらす。同時に、エストラジオール(1nM)にさらされた細胞は陽性コントロールとして役立つ。本発明の化合物が溶解される溶媒(すなわち、エタノールまたはメタノール)にさらされた控えのウエルは陰性コントロールとして使用される。42時間〜48時間のインキュベーション期間の後、細胞をリン酸塩緩衝化生理的食塩水(PBS)により洗浄し、溶解緩衝液(Promega Corp)を加え、細胞溶解物をルミノメーターによるルシフェラーゼ活性の測定のために集める。本発明の化合物のエストロゲン様活性は、陰性のコントロール細胞において観測される活性と比較して、ルシフェラーゼ活性の増大倍数として表される。
あるいは、エストロゲン受容体トランス活性化活性の測定(エストロゲン作用アッセイまたはアゴニストアッセイ)、および、トランス活性化活性の阻害能力の測定(抗エストロゲン作用アッセイまたはアンタゴニストアッセイ)を、国際特許出願PCT/US/17799(WO00/07996として公開)に従って行うことができる。
引用文献
・Adamski J & Jakob FJ(2001)、「17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの指針」、Molecular and Cellular Endocrinology、171:1〜4
・Koffmann B他(1991)、J.Steroid.Biochem.Mol.Biol.、38:135
・Labaree DC他(2003)、「局所活性なエストロゲン剤としての、B環、C環およびD環が置換されたエストラジオールカルボン酸エステルの合成および評価」、J.Med.Chem.、46:1886〜1904
・Labrie F他(2000)、「末梢イントラクリン(intracrine)組織における性ステロイド形成における17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの役割」、Trends Endocrinol Metab.、11:421〜7
・Labrie F他(1997)、「性ステロイド生物学における17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの重要な役割」、Steroids、62:148〜58
・Nambara T他(1976)、「エステトロールモノグルクロニドの合成」、Steroids、27:111〜122
・Pelletier JD & Poirier D(1996)、「エストロゲン様活性を有しない17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害剤としての、16α−(ブロモアルキルアミド)側鎖、16α−(ブロモアルキル)側鎖または16α−(ブロモアルキニル)側鎖を有するエストラジオール誘導体の合成および評価」、Bioorg Med Chem、4(10):1617〜1628
・Poirier D(2003)、「17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの阻害剤」、Curr Med Chem.、10:453〜77
・Poirier D他(1998)、「17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害剤としてのエストラジオールの6β−(チアヘプタンアミド)誘導体」、J.Steroid Biochem.Molec.Biol.、64:83〜90
・Poirier D他(1996)、「エストラジオールのD環アルキルアミン誘導体:ER結合親和性および抗エストロゲン様活性に対する影響」、Bioorg Med Chem Lett、6(21):2537〜2542
・Poirier D他(1991)、「N−ブチル、N−メチルのアルキアミド側鎖を15位に有する17β−エストラジオール誘導体の合成」、Tetrahedron、47(37):7751〜7766
・Sam KM他(1998)、「17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害剤としてのエストラジオールのC16およびC17の誘導体:化学合成および構造−活性の関係」、Drug Design and Discovery、15:157〜180
・Tamaya他(1985)、「子宮平滑筋腫および子宮筋層におけるステロイド受容体の細胞レベルの比較」、Acta Obstet Gynecol Scand.、64:307〜9
・Tremblay MR & Poirier D(1998)、「エストロゲン様活性を有しないI型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤を設計するための合理的方法の概観:化学合成および生物学的評価」、J.Steroid Biochem.Molec.Biol.、66:179〜191
・WO03/017973−良性の婦人科障害を処置するための方法およびそのような方法において使用される薬物送達ビヒクル
・WO2004/080271−乳ガンの進行を予測するための方法およびその防止または処置に有用な化合物
・WO02004/085345−局所活性なエストロゲン剤としての15α−置換のエストラジオールカルボン酸エステル
・WO2004/085457−化合物

Claims (43)

  1. 下記の一般式I:
    Figure 0004778438
    [式中、
    (i)Xは、
    (a)結合、
    (b)−NR−、または
    (c)−O−
    を表す;
    Aは、
    (a)−CO−を表すか、または
    (b)Xが−NR−を表すという条件のもとで、Aは−SO−を表す;
    Yは、
    (a)−NR−、
    (b)Xが結合または−NR−を表すという条件のもとで、−O−、
    (c)結合、
    (d)Xが−NR−を表し、かつ、Aが−CO−を表すという条件のもとで、−NH−SO−、
    (e)Xが−O−を表すという条件のもとで、−NH−SO−NR−、または
    (f)Xが結合を表すという条件のもとで、−NH−NR
    を表す;
    あるいは
    (ii)−X−A−Y−は一緒になって−O−を表す;
    かつ、
    は、独立して、
    (a)−H、
    (b)ハロゲン、ニトリル、−OR、−SRまたは−COORで場合により置換される−(C〜C)アルキル(ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについては3までであり、前記ハロゲン基、ニトリル基、−OR基、−SR基または−COOR基の任意の組合せについては2までである)、
    (c)ハロゲン、ニトリル、−OR、−SR、−Rまたは−COORで場合により置換される−フェニル(ただし、前記置換基の数は、ハロゲンについてはペルハロまでであり、前記ハロゲン基、ニトリル基、−OR基、−SR基、−R基または−COOR基の任意の組合せについては2までである)、
    (d)アルキル部分が3つまでのハロゲンで場合により置換され、かつ、フェニル部分が、ハロゲン、ニトリル、−OR、−SR、−Rまたは−COORで場合により置換される−(C〜C)アルキル−フェニル(ただし、前記フェニル部分における置換基の数は、ハロゲンについてはペルハロまでであり、前記ハロゲン基、ニトリル基、−OR基、−SR基、−R基または−COOR基の任意の組合せについては2までである)
    から選択される;
    は、独立して、
    (a)−H、ただし、Xが結合を表し、Aが−CO−を表し、かつ、Yが−O−または結合を表すならば、Rは−Hとは異なる;
    (b)場合により置換されたアルキル、
    (c)Yが−NH−NR−を表すという条件のもとで、場合により置換されたアシル、
    (d)場合により置換されたアリール、
    (e)場合により置換されたヘテロアリール、および
    (f)場合により置換されたシクロヘテロアルキル
    から選択される;
    あるいは、Yが、−NR−、−NH−NR−または−NH−SO−NR−を表すという条件のもとで、
    は、R が結合している窒素原子と一緒になって、場合により飽和、部分的不飽和または芳香族である複素環状の4員環、5員環、6員環、7員環または8員環を形成し、この場合、前記環は、N、OまたはSから選択される3つまでのさらなるヘテロ原子(ただし、さらなるN原子の数は、0、1、2または3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが、0、1または2である)を場合により含有し、かつ、前記環は場合により多環縮合環系の一部である(ただし、環または環系は場合により置換される);
    は、H、−(C〜C)アルキルまたはハロゲン化−(C〜C)アルキルを表す;かつ
    (a)Xが−NR −若しくは−O−を表すという条件のもとで若しくはX−A−Y−が−O−を表し及びR が−Hを表すという条件のもとで、nは1、2、3、4、5または6を表し、または
    (b)Xが結合を表すという条件のもとで、nは0、1、2、3、4または5を表す]の化合物またはそのすべての立体異性体若しくは薬理学的に許容され得る塩。
  2. が、独立して、下記の(a)〜(f)から選択される:
    (a)−H、ただし、Xが結合を表し、Aが−CO−を表し、かつ、Yが−O−または結合を表すならば、Rは−Hとは異なる;
    (b)下記の置換基からなる群から独立して選択される5つまでの置換基で場合により置換される−(C〜C12)アルキル:ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、ニトリル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アミド、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、スルファモイル、スルホンアミド、アシル、カルボキシル、アシルアミノ、
    アリール(この場合、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシル、アシルアミノおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;または、アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(N、OまたはSから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基によって場合により置換される)、
    ヘテロアリール(この場合、ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシル、アシルアミノ、アリール−(C〜C)アルキルおよびアリールからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
    それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される)、および
    シクロヘテロアルキル(この場合、シクロヘテロアルキル基は、オキソ、(C〜C)アルキル、アリール、アリール−(C〜C)アルキル、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシルおよびアシルアミノからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
    それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される);
    (c)アシル−(C=O)−R’(式中、R’は、水素、(C〜C)アルキル、アリール、またはアリール−(C〜C)アルキル、またはヘテロアリール−(C〜C)アルキルを表し、この場合、アリールまたはアリール−(C〜C)アルキルは、アリール基において、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される);
    (d)アリール、
    この場合、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、ニトロ、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシル、アシルアミノおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;または
    アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(N、OまたはSから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基によって場合により置換される;
    (e)ヘテロアリール、
    この場合、ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、アリールスルホキシ、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシル、アシルアミノ、アリール−(C〜C)アルキルおよびアリールからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
    それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;または
    (f)シクロヘテロアルキル、
    この場合、シクロヘテロアルキルは、オキソ、(C〜C14)アルキル、アリール、アリール−(C〜C)アルキル、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、チオール、ニトリル、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、(C〜C)アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アミノ、アミド、アシルおよびアシルアミノからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
    それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合によりさらに置換される;
    あるいは、Yが、−NR−、−NH−NR−または−NH−SO−NR−を表すという条件のもとで、
    は、R が結合している窒素原子と一緒になって、場合により飽和、部分的不飽和または芳香族である複素環状の4員環、5員環、6員環、7員環または8員環を形成し、この場合、前記環は、N、OまたはSから選択される3つまでのさらなるヘテロ原子(ただし、さらなるN原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有し、かつ、前記環は場合により多環縮合環系の一部であり、この場合、環または環系は、
    (i)(C〜C)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、ニトリル、(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキル、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アミド、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、スルファモイル、スルホンアミド、アリール、アリール−(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびシクロヘテロアルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基
    で場合により置換され、
    この場合、
    前記(C〜C)アルキル基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシの中から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、それにより、(C〜C)アルコキシ基のアルキル鎖はヒドロキシルで場合により置換される;
    前記アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシおよびカルボキシル−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換されるか、または、前記アリール基は、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(N、OまたはSから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基によって場合により置換される;
    前記ヘテロアリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシおよびカルボキシル−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;
    前記シクロヘテロアルキルは、オキソ、(C〜C)アルキル、アリール、アリール−(C〜C)アルキル、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、カルボキシル−(C〜C)アルキルおよびカルボキシルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、それにより、各アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合によりさらに置換される;または
    (ii)同じ炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(N、OまたはSから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の4員環系、5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基
    によって場合により置換され、
    それにより、環状の環系は、オキソ、(C〜C)アルキル、アリールおよびアリール−(C〜C)アルキルから独立して選択される2つまでの置換基によって場合により置換される;
    かつ
    (a)Xが−NR −若しくは−O−を表すという条件のもとで若しくはX−A−Y−が−O−を表し及びR が−Hを表すという条件のもとで、nは1、2、3、4、5または6を表し、または
    (b)Xが結合を表すという条件のもとで、nは0、1、2、3、4または5を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. が、独立して、下記の(a)〜(e)から選択される:
    (a)−H、ただし、Xが結合を表し、Aが−CO−を表し、かつ、Yが−O−または結合を表すならば、Rは−Hとは異なる;
    (b)ハロゲン、ヒドロキシル、ニトリル、−O−R、−O−Ar、−O−(C〜C)アルキル−Ar、アルキルアミノ、アルキルアミド、−S−R、−S−Ar、−S−(C〜C)アルキル−Ar、−(C=O)−OR、アリール、ヘテロアリールおよびシクロヘテロアルキルからなる群から独立して選択される5つまでの置換基で場合により置換される−(C〜C12)アルキル、
    この場合、
    前記アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR、ニトリル、スルファモイル、−(C=O)−OR、−O−Ar、−O−(C〜C)アルキル−Ar、(C〜C)アルキルチオ、−S−Ar、−S−(C〜C)アルキル−Ar、アルキルアミノおよびアルキルアミドからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換されるか、または、前記アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(NまたはOから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される;
    前記ヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR、ニトリル、スルファモイル、−(C=O)−OR、−O−Ar、−O−(C〜C)アルキル−Ar、(C〜C)アルキルチオ、−S−Ar、−S−(C〜C)アルキル−Ar、アルキルアミノ、アルキルアミド、−(C〜C)アルキル−ArおよびArからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;かつ
    前記シクロヘテロアルキル基は、オキソ、(C〜C)アルキル、Ar、−(C〜C)アルキル−Ar、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR、ニトリル、−(C=O)−OR、−O−Ar、−O−(C〜C)アルキル−Ar、(C〜C)アルキルチオ、−S−Ar、−S−(C〜C)アルキル−Ar、アルキルアミノおよびアルキルアミドからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;
    (c)アリール、
    この場合、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR、ニトロ、ニトリル、スルファモイル、−(C=O)−OR、−(C=O)−R、−O−Ar、−O−(C〜C)アルキル−Ar、(C〜C)アルキルチオ、−S−Ar、−S−(C〜C)アルキル−Ar、(C〜C)アルキルスルホニル、−SO−Ar、アルキルアミノ、アルキルアミド、−NH−CO−R、Arおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;または
    アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(NまたはOから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される;
    (d)ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR、ニトリル、スルファモイル、−(C=O)−OR、−O−Ar、−O−(C〜C)アルキル−Ar、(C〜C)アルキルチオ、−S−Ar、−S−(C〜C)アルキル−Ar、(C〜C)アルキルスルホニル、−SO−Ar、アルキルアミノ、アルキルアミド、−(C〜C)アルキル−ArおよびArからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換されるヘテロアリール;
    (e)オキソ、(C〜C)アルキル、Ar、−(C〜C)アルキル−Ar、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR、ニトリル、−(C=O)−OR、−O−Ar、−O−(C〜C)アルキル−Ar、(C〜C)アルキルチオ、−S−Ar、−S−(C〜C)アルキル−Ar、アルキルアミノおよびアルキルアミドからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換されるシクロヘテロアルキル;
    上記において、
    は、アルキル鎖において3つまでのヒドロキシル基で場合により置換される(C〜C)アルキル、または、ハロゲン化(C〜C)アルキルを表す;
    は、水素、(C〜C)アルキル、フェニルまたは(C〜C)アルキル−フェニルを表し、ただし、フェニル基は、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;かつ
    Arは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換されるフェニルまたはナフチルを表す;
    あるいは、Yが、−NR−、−NH−NR−または−NH−SO−NR−を表すという条件のもとで、
    およびRが結合している窒素原子と一緒になってRおよびRによって形成される環または環系は、
    Figure 0004778438
    からなる群から選択され、
    この場合、環または環系は、
    (i)(C〜C)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR8’、ニトリル、−(C=O)−OR8’、−O−Ar、−O−(C〜C)アルキル−Ar(C 〜C )アルキルチオ、アルキルアミノ、アルキルアミド、アリール、アリール−(C〜C)アルキル、ヘテロアリールおよびシクロヘテロアルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
    前記アリール基およびアリール−(C〜C)アルキル基は、アリール部分において、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキル、およびハロゲン化(C〜C)アルコキシおよびハロゲン化(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換されるか、または、前記アリール成分は、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(N、OまたはSから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基によって場合により置換される;かつ
    前記(C〜C)アルキル基は、ヒドロキシル、ハロゲン、ハロゲン化(C〜C)アルコキシまたは(C〜C)アルコキシの中から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換され、
    それにより、(C〜C)アルコキシ基のアルキル鎖は3つまでのヒドロキシルで場合により置換される;
    前記ヘテロアリールは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシおよびカルボキシル−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;かつ
    前記シクロヘテロアルキルは、オキソ、(C〜C)アルキル、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、−(C=O)−ORおよび−(C〜C)アルキル−(C=O)−ORからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される;または
    (ii)同じ炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(N、OまたはSから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子およびS原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の4員環系、5員環系、6員環系、7員環系または8員環系になる2つの基
    によって場合により置換され、
    それにより、環状の環系は、オキソ、(C〜C)アルキル、アリールおよびアリール−(C〜C)アルキルから独立して選択される3つまでの置換基によって場合により置換される;
    上記において、
    Arは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキルまたはハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換されるフェニルまたはナフチルを表す;
    は、水素、(C〜C)アルキル、フェニルまたは(C〜C)アルキル−フェニルを表し、それにより、フェニルは、ヒドロキシル、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキルおよびハロゲン化(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される3つまでの置換基で場合により置換される、
    請求項2に記載の化合物。
  4. が、独立して、下記の(a)〜(e)から選択され得る:
    (a)−H、ただし、Xが結合を表し、Aが−CO−を表し、かつ、Yが−O−または結合を表すならば、Rは−Hとは異なる;
    (b)下記の(i)〜(vi)から選択されるアルキル基:
    (i)ヒドロキシル、ニトリル、−O−R7,、−O−フェニル、−O−(C〜C)アルキル−フェニル、アルキルアミノ、アルキルアミド、−S−R7,および−(C=O)−OR8,からなる群から独立して選択される置換基で場合により置換される−(C〜C)アルキル(ただし、前記アルキル部分における置換基の数は、ヒドロキシルについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては1、2または3である);
    (ii)アリール、ヘテロアリールおよびシクロヘテロアルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される−(C〜C)アルキル、この場合、
    前記アリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、スルファモイルまたはアルキルアミドで場合により置換され、ただし、前記アリール部分における置換基の数は、ハロゲンについては3までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては1または2である;または、前記アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(NまたはOから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される;
    前記ヘテロアリールは、(C〜C)アルコキシまたは(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される;
    (iii)ヒドロキシルで場合により置換される−シクロ(C〜C)アルキル;
    (iv)ヒドロキシルで場合により置換される−(C〜C)アルキル−シクロ(C〜C)アルキル;
    (v)ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノナニル、ビシクロ[3.3.1]ノナニルおよびビシクロ[3.3.2]デカニルからなる群から選択される、6個〜10個の炭素原子の二環状の環系;
    (vi)アダマンチル;
    (c)アリール、
    この場合、アリールは、ハロゲン、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン化(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルコキシ、ニトロ、ニトリル、−CO−(C〜C)アルキル、−CO−O−(C〜C)アルキル、−NH−CO−(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキル−スルホニル、フェニルまたはヘテロアリールで場合により置換され、ただし、前記アリール部分における置換基の数は、ハロゲンについては3までであり、前記他の基の任意の組合せについては1または2である;または、アリールは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(NまたはOから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子の数はそれぞれが0〜2である)を場合により含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される;
    (d)ハロゲン、(C〜C)アルキル、ハロゲン化(C〜C)アルキル、−(C〜C)アルキル−(C=O)−OR8,、−O−Ar1,、−SO−Ar1,およびフェニルからなる群から独立して選択される2つまでの置換基で場合により置換されるヘテロアリール;または
    (e)オキソ、(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルキル−フェニルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換されるシクロヘテロアルキル;
    上記において、
    7,は、アルキル鎖において1つまたは2つのヒドロキシル基で場合により置換される(C〜C)アルキルを表し、
    8,は、水素、(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルキル−フェニルを表し、かつ
    Ar1,は、3つまでのハロゲン原子で場合により置換されるフェニルを表す;
    あるいは、Yが、−NR−、−NH−NR−または−NH−SO−NR−を表すという条件のもとで、
    およびRが結合している窒素原子と一緒になってRおよびRによって形成される環または環系は、
    Figure 0004778438
    からなる群から選択され、
    この場合、環または環系は、
    (i)
    (a)ヒドロキシル、
    (b)オキソ、
    (c)2つまでのヒドロキシル基および/または(C〜C)アルコキシ基で場合により置換される(C〜C)アルキル、それにより、(C〜C)アルコキシ基のアルキル鎖は1つまたは2つのヒドロキシル基で場合によりさらに置換され得る;
    (d)シクロ(C〜C)アルキル;
    (e)−(C=O)−O−(C〜C)アルキル;
    (f)ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシまたはハロゲン化(C〜C)アルキルで場合により置換されるフェニル(ただし、フェニル基における前記置換基の数は、ハロゲンについては3までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては1、2または3である);
    (g)フェニル基において3つまでのハロゲンによって場合により置換されるか、あるいは、フェニル基において、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、2つまでのO原子を場合により含有する飽和または不飽和の環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換されるフェニル−(C〜C)アルキル;
    (h)アルキルアミド;
    (i)ピリジニル、フリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、インドリル、キノリニル、ベンゾイミダゾリルまたはベンゾ[b]チオフェンからなる群から選択されるヘテロアリール;および、
    (j)ピロリジニル、1,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニルまたはアゼパニルからなる群から選択され、かつ、オキソで場合により置換されるシクロヘテロアルキル、
    からなる群から独立して選択される3つまでの置換基
    で場合により置換される;または
    (ii)同じ炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、3つまでのヘテロ原子(NまたはOから独立して選択され、ただし、N原子の数は0〜3であり、O原子の数は0〜2である)を場合により含有する飽和または部分的不飽和の環状の5員環系、6員環系または7員環系になる2つの基
    によって場合により置換され、
    それにより、環状の環系は、オキソおよびフェニルから独立して選択される2つまでの置換基で場合によりさらに置換され得る、請求項3に記載の化合物。
  5. 下記の式(II):
    Figure 0004778438
    を有する光学的に純粋なエナンチオマー、またはその生理学的に許容され得る塩である、請求項1〜4のいずれかに記載の一般式Iの化合物。
  6. 下記の式(III):
    Figure 0004778438
    を有する光学的に純粋なエナンチオマー、またはその生理学的に許容され得る塩である、請求項1〜5のいずれかに記載の一般式Iの化合物。
  7. が、H、(C〜C)アルキルまたはフェニル(C〜C)アルキルを表す、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
  8. が、H、メチルまたはベンジルを表す、請求項7に記載の化合物。
  9. が、存在するならば、H、(C〜C)アルキルまたはフェニル(C〜C)アルキルを表す、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
  10. が、H、メチルまたはベンジルを表す、請求項9に記載の化合物。
  11. が、存在するならば、
    (a)−H、
    (b)
    (i)ヒドロキシル、ニトリル、アルキルアミノ、(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される置換基で場合により置換される−(C〜C)アルキル(ただし、前記アルキル部分における置換基の数は、ヒドロキシルについては5までであり、前記他の置換基の任意の組合せについては2までである);
    (ii)アリールがフェニルまたはナフチルであり、ヘテロアリールがピリジニルであるアリール−(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール−(C〜C)アルキル;
    (iii)シクロ(C〜C)アルキル;
    (iv)シクロ(C〜C)アルキル−(C〜C)アルキル−
    から選択されるアルキル基;または
    (c)(C〜C)アルキル基で場合により置換されるピペリジニル
    を表す、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物。
  12. Xが−NR−または−O−を表し、かつ、Yが−NR−を表すならば、Rが−Hである、請求項11に記載の化合物。
  13. Xが結合を表す;
    Aが−CO−を表す;
    Yが、
    (a)−NR−、
    (b)−O−、
    (c)結合、または
    (d)−NH−NR
    を表す;かつ
    nが、0、1、2、3、4または5を表す、請求項1に記載の化合物。
  14. Yが−NR−を表し、かつ、nが、0、1、2、3、4または5を表す、請求項13に記載の化合物。
  15. が、
    (i)−(C〜C)アルキル、
    (ii)−(C〜C)シクロアルキル、
    (iii)アリールがフェニルまたはナフチルである−(C〜C)アルキル−アリール、この場合、前記フェニルは、ヒドロキシル、ハロゲンおよび(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される;または、前記フェニルは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、1個または2個のO原子を含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される;または
    (iv)ヘテロアリールが、フリル、チエニル、チアゾリル、ピリジニル、インドリニルまたはベンゾイミダゾリルであり、かつ、ヘテロアリールが、(C〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキル−(C=O)−O−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換されるヘテロアリールまたは−(C〜C)アルキル−ヘテロアリール
    を表し、
    かつ、Rが、Hまたは−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される;あるいは、
    およびRは、RおよびRが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリン、チオモルホリンおよびピペラジルからなる群から選択される環または環系を形成する、請求項14に記載の化合物。
  16. Xが−NH−を表す;
    Aが−CO−を表す;
    Yが、
    (a)−NH−、
    (b)−O−、または
    (c)結合、
    を表す;かつ
    nが、1、2、3、4、5または6を表す、請求項1に記載の化合物。
  17. Xが−NH−を表す;
    Yが−NH−または結合を表す;かつ
    nが、1、2、3または4を表す、請求項16に記載の化合物。
  18. Yが−NH−を表す、請求項17に記載の化合物。
  19. が、
    (i)−(C〜C)アルキル、
    (ii)−(C〜C)シクロアルキル、
    (iii)−(C〜C)アルキル−(C〜C)シクロアルキル、
    (iv)フェニルまたはナフチルであるアリール、この場合、前記フェニルは、ヒドロキシル、ハロゲン、−CO−O(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される;または、前記フェニルは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、1個または2個のO原子を含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される;または
    (v)−(C〜C)アルキル−フェニル
    を表す、請求項18に記載の化合物。
  20. Yが結合を表す、請求項17に記載の化合物。
  21. が、
    (i)−(C〜C)アルキル、
    (ii)−(C〜C)シクロアルキル、
    (iii)−(C〜C)アルキル−(C〜C)シクロアルキル、
    (iv)−O−(C〜C)アルキルおよび−O−(C〜C)アルキル−フェニルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される−(C〜C)アルキル、
    (v)ハロゲンおよび(C〜C)アルコキシからなる群から独立して選択される1つ、2つまたは3つの置換基で場合により置換されるフェニル、
    (vi)−(C〜C)アルキル−フェニル、または
    (vii)アダマンチル
    を表す、請求項20に記載の化合物。
  22. Xが−NR−を表す;
    Aが−SO−を表す;
    Yが、
    (a)−NH−、
    (b)−O−、または
    (c)結合
    を表す;かつ
    nが、1、2、3または4を表す、請求項1に記載の化合物。
  23. Yが結合を表し、かつ、RがHまたは−(C〜C)アルキルを表す、請求項22に記載の化合物。
  24. が、
    (i)ハロゲン、ニトロ、(C〜C)アルコキシおよび−(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される、フェニルおよびナフチルの中から選択されるアリール;または、
    (ii)−SO−フェニルおよび(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換される、フリル、チエニル、またはチアゾリル、またはインドリルであるヘテロアリール
    を表す、請求項23に記載の化合物。
  25. Xが−O−を表す;
    Aが−CO−を表す;
    Yが、
    (a)−NH−、
    (b)結合、または
    (c)−NH−SO−NR−、
    を表す;かつ
    nが、1、2、3、4、5または6を表す、請求項1に記載の化合物。
  26. Yが−NH−を表し、かつ、nが、3、4、5または6を表す、請求項25に記載の化合物。
  27. がフェニルまたはナフチルを表し、この場合、前記フェニルは、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、−CO−O(C〜C)アルキルおよび(C〜C)アルコキシ、およびハロゲン化(C〜C)アルキルからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で場合により置換されるか、または、前記フェニルは、隣接する炭素原子に結合し、かつ、一緒になって、1個または2個のO原子を含有する飽和した環状の5員環系または6員環系になる2つの基によって場合により置換される、請求項26に記載の化合物。
  28. Yが−NH−SO−NR−を表す、請求項25に記載の化合物。
  29. が、
    (i)−(C〜C)アルキル、
    (ii)−(C〜C)シクロアルキル、
    (iii)−(C〜C)アルキル−フェニル、
    (iv)フェニル、または
    (v)ヘテロアリールが、フリル、チエニル、チアゾリル、ピリジニル、インドリルまたはベンゾイミダゾリルであるヘテロアリールまたは−(C〜C)アルキル−ヘテロアリール
    を表し、
    かつ、Rが、H、−(C〜C)アルキルおよび−(C〜C)アルキル−フェニルからなる群から独立して選択される;あるいは、
    およびRは、RおよびRが結合している窒素原子と一緒になって、モルホリン、チオモルホリンおよびピペラジルからなる群から選択される環を形成し、かつ、前記環は(C〜C)アルキルで場合により置換される、請求項28に記載の化合物。
  30. −X−A−Y−が−O−を表し、かつ、Rが−Hを表し、かつ、nが、1、2、3、4、5または6を表す、請求項1に記載の化合物。
  31. 以下の実施例の化合物からなる群から選択される化合物またはそれらの生理学的に許容され得る塩である、請求項1に記載の化合物、
    3−ヒドロキシ−15β−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(実施例1)、
    3−メトキシ−15β−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(実施例2)、
    N−ベンジル−4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド(実施例3B)、
    N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド(実施例3A)、
    4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−[2−(7−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]ブチルアミド(実施例31)、
    4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−[2−(7−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]ブチルアミド(実施例36)、
    N−(2,4−ジフルオロベンジル)−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチルアミド(実施例37)、
    N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−ブチルアミド(実施例38)、
    N−ベンジル−4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)ブチルアミド(実施例39)、
    3−ヒドロキシ−15α−(4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(実施例40)、
    3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−カルボン酸(5−メチルチアゾール−2−イル)アミド(実施例105)、
    N−シクロヘキシル−3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピオンアミド(実施例310)、
    N−シクロオクチル−3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピオンアミド(実施例311)、
    N−シクロヘキシル−3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−メチル−プロピオンアミド(実施例313)、
    N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピオンアミド(実施例324)、
    3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)プロピオンアミド(実施例329)、
    3−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−イル)−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)プロピオンアミド(実施例329A)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸シクロヘキシルアミド(実施例331)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸シクロオクチルアミド(実施例332)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(フラン−2−イルメチル)アミド(実施例333)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミド(実施例335)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(ピリジン−3−イルメチル)アミド(実施例338)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(ピリジン−4−イルメチル)アミド(実施例339)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸ベンジルアミド(実施例340)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸2−メトキシベンジルアミド(実施例341)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸3−フルオロベンジルアミド(実施例342)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸4−クロロベンジルアミド(実施例343)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸ベンジルメチルアミド(実施例344)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸ブチルアミド(実施例345)、
    5−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸(2−チオフェン−2−イルエチル)アミド(実施例346)、
    5―(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ペンタン酸[2−(7−メチル−1H−インドール−3−イル)エチル]アミド(実施例347)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸シクロヘキシルアミド(実施例348)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(フラン−2−イルメチル)アミド(実施例350)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)アミド(実施例353)、
    3−メトキシ−15β−(6−モルホリン−4−イル−6−オキソ−ヘキシル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(実施例354)、
    3−メトキシ−15β−(6−オキソ−6−チオモルホリン−4−イルヘキシル)エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(実施例355)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(ピリジン−3−イルメチル)アミド(実施例356)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(ピリジン−4−イルメチル)アミド(実施例357)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸ベンジルアミド(実施例359)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸2−メトキシベンジルアミド(実施例360)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸3−フルオロベンジルアミド(実施例361)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミド(実施例363)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3.5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸ベンジルメチルアミド(実施例364)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸ブチルアミド(実施例365)、
    6−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ヘキサン酸(2−チオフェン−2−イルエチル)アミド(実施例366)、
    1−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−3−(3−メトキシフェニル)−ウレア(実施例443)、
    1−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−3−(4−メトキシフェニル)−ウレア(実施例446)、
    1−イソプロピル−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア(実施例449)、
    1−シクロヘキシル−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア(実施例450)、
    1−ベンジル−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア(実施例452)、
    1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア(実施例464)、
    1−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3−[3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピル]−ウレア(実施例465)、
    1−ベンジル−3−[4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチル]−ウレア(実施例477)、
    1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−[4−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)ブチル]−ウレア(実施例488)、
    4−{3−[4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)ブチル]ウレイド}安息香酸エチルエステル(実施例490)、
    1−シクロヘキシルメチル−3−[4−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ1,3,5(10)−トリエン−15α−イル)ブチル]−ウレア(実施例491)、
    ナフタレン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)アミド(実施例661)、
    チオフェン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)アミド(実施例662)、
    N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)ベンゼンスルホンアミド(実施例664)、
    4−フルオロ−N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)ベンゼンスルホンアミド(実施例665)、
    N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(実施例668)、
    N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−3−メチルベンゼンスルホンアミド(実施例677)、
    ナフタレン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)メチルアミド(実施例681)、
    チオフェン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)メチルアミド(実施例682)、
    N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(実施例684)、
    4−フルオロ−N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(実施例685)、
    N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−4−メトキシ−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(実施例688)、
    3−クロロ−N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(実施例693)、
    N−(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)−3,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド(実施例694)、
    4−ベンゼンスルホニルチオフェン−2−スルホン酸(3−ヒドロキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15α−イルメチル)メチルアミド(実施例696)、
    ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルカルバミン酸3−(3−メトキシ−17−オキソ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−15β−イル)プロピルエステル(実施例748)、
    3−ヒドロキシ−15β−(3−ヒドロキシプロピル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(実施例823)。
  32. 請求項1〜31のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
  33. 請求項1〜31のいずれかに記載される式(I)の化合物を活性な薬剤として含み、かつ、医薬的に許容され得るキャリアを少なくとも含む医薬組成物。
  34. 哺乳動物におけるステロイドホルモン依存性の疾患または障害を処置または防止するための、有効量の請求項1〜31のいずれかに記載される式(I)の化合物を含む医薬組成物。
  35. 哺乳動物におけるステロイドホルモン依存性の疾患または障害を処置または防止するための医薬品を製造するための、請求項1〜31のいずれかに記載される式(I)の化合物を含む医薬組成物。
  36. ステロイドホルモン依存性の疾患または障害がエストラジオール依存性の疾患または障害である、請求項34または35に記載の医薬組成物。
  37. エストラジオール依存性の疾患または障害が悪性であり、かつ、乳ガン、卵巣ガン、子宮ガン、子宮内膜ガンおよび子宮内膜過形成からなる群から選択される、請求項36に記載の医薬組成物。
  38. エストラジオール依存性の疾患が乳ガンであり、かつ、哺乳動物が閉経後のヒト女性である、請求項37に記載の医薬組成物。
  39. エストラジオール依存性の疾患または障害が良性であり、かつ、子宮内膜症、子宮類線維腫、子宮平滑筋腫、腺筋症、月経困難症、月経過多、子宮出血および排尿障害からなる群から選択される、請求項36に記載の医薬組成物。
  40. 哺乳動物が閉経期前または閉経期のヒト女性である、請求項37または39に記載の医薬組成物。
  41. ステロイドホルモン依存性の疾患または障害が、前立腺ガン、前立腺炎、良性の前立腺肥大、排尿障害および下部尿路症候群からなる群から選択される、請求項34または35に記載の式(I)の医薬組成物。
  42. ステロイドホルモン依存性の疾患または障害の処置または防止が、内因性17β−エストラジオール濃度を全身的様式および/または組織特異的様式で低下させることを必要とする、請求項34または35に記載の式(I)の医薬組成物。
  43. ステロイドホルモン依存性の疾患または障害が、結腸ガンである、請求項42に記載の医薬組成物。
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