JP4759500B2 - ベンゾ[b]チオフェン誘導体、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
[式中、R17 〜R20は同時またはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくはシアノ基を表す。Xはヒドロキシル基またはハロゲン原子を表す。]
に示される、3−置換−ベンゾチオフェン誘導体は、薬理学的に活性な化合物の製造における中間体として極めて重要である。例えば式(XIII)で示される3−置換−ベンゾ[b]チオフェン誘導体のうち、R17からR20が水素原子、かつXが臭素原子で示される化合物、R17がメチル基でR18からR20が水素原子、かつXが臭素原子で示される化合物、R18がメチル基でR17、R19、R20が水素原子、かつXが臭素原子で示される化合物、R17、R19がメチル基でR18、R20が水素原子、かつXが臭素原子で示される化合物は、WO01/53291に示されているベンズイミダゾール誘導体の、合成中間体の原料等になりうるものであり、薬理学的に活性な化合物の製造における中間体として極めて重要といえる。WO01/53291に示されているベンズイミダゾール誘導体は、医薬上有用なベンズイミダゾール誘導体であり、気管支喘息等の呼吸器疾患、硬化性血管病変、血管内狭窄、末梢循環器障害を始めとする様々な疾患に対する予防剤及び/または治療剤に応用可能な化合物として有望と考えられる。
[式中、R1はハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。Xはヒドロキシル基またはハロゲン原子を表す。]
で示される3,4−二置換−ベンゾ[b]チオフェン誘導体はその構造的特徴により、ベンゾ[b]チオフェン骨格合成の際に4位、6位の異性体が発生する。そして、その異性体の分離が非常に困難なため、3,4−二置換−ベンゾ[b]チオフェン誘導体は合成された報告がない。しかしながら、3,4−二置換−ベンゾ[b]チオフェン誘導体は、その特徴ある構造ゆえ、医薬品開発における高活性物質の原料として非常に期待される。
[式中、R21、R22は全て水素原子、またはR21,R22でベンゼン環を形成しても良い。]
で示される化合物を得、それを熱転移反応に供して下記式(XV)
[式中、R21、R22は全て水素原子、またはR21,R22でベンゼン環を形成しても良い。]
で示される化合物を得、さらにp‐トルエンスルホン酸存在下、水−ジオキサン中で熱転移反応に供して下記式(XVI)
[式中、R21、R22は全て水素原子、またはR21,R22でベンゼン環を形成しても良い。]
が得られる反応が報告されている。
また、3−ハロメチル−ベンゾ[b]チオフェン誘導体の効率的、かつ簡便な合成法についても、望まれていた。
[式中、R1はハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。Xはヒドロキシル基またはハロゲン原子を表す。]
で示される3,4−二置換−ベンゾ[b]チオフェン誘導体である。
また、前記式(I)において、Xがハロゲンであることが好ましく、さらに、R1がメチル基、Xが臭素原子であることがより好ましい。
[式中、R1はハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。]
と下記式(III)
[式中、R2はハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。]
で示されるベンゾ[b]チオフェン誘導体を含む混合物を、溶媒中で結晶化させることによって、前記式(II)で示されるベンゾ[b]チオフェン誘導体を得る方法である。結晶化させる前記溶媒は、炭素数5〜8の直鎖、環状、もしくは分岐状の炭化水素と炭素数2から6のカルボン酸エステルの混合溶媒、または炭素数5〜8の直鎖、環状、もしくは分岐状の炭化水素と炭素数6から8の芳香族炭化水素の混合溶媒、またはアセトニトリルであることが好ましい。
[式中、R3が水素でかつR4はハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基を表すか、またはR3がハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基でかつR4は水素を表す。]
で示される化合物に、炭素数1〜4のカルボン酸、もしくはそのカルボン酸無水物、またはトリフルオロ酢酸、もしくはそのトリフルオロ酢酸無水物のうちの1種類もしくは2種類以上と反応させることによって、下記式(V)
[式中、R3およびR4は上記式(IV)に同じ。R5は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、またはトリフルオロメチル基を表す。]
で示されるベンゾ[b]チオフェン誘導体の製造方法である。
[式中、R6はハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。]
で示される化合物を得、
次にこれを酸化して下記式(VII)
[式中、R6は上記式(VI)の定義に同じ。]
で示される化合物を得、
さらにこれを熱転移反応に供して、前記式(IV)で示される化合物を得、
これを、炭素数1〜4のカルボン酸もしくはそのカルボン酸無水物、またはトリフルオロ酢酸もしくはそのトリフルオロ酢酸無水物のうちの1種類もしくは2種類以上と反応させることによって、前記式(V)で示される化合物を得た後に、
エステル基をヒドロキシル基に変換して得られる前記式(II) で示されるベンゾ[b]チオフェン誘導体及び前記式(III)で示されるベンゾ[b]チオフェン誘導体の混合物を、溶媒中で晶析することによる、前記式(II)で示される4−置換−3−ヒドロキシメチル−ベンゾ[b]チオフェン誘導体の製造方法である。前記式(VI)において、R6がメチル基であることが好ましい。
[式中、R1はハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。R7はハロゲン原子を表す。]
で示される4−置換−3−ハロメチル−ベンゾ[b]チオフェン誘導体の製造方法である。前記式(VIII)において、R1がメチル基であることが好ましい。
[式中、R8からR11は同時またはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基、炭素数1〜4のアシルアミノ基、もしくはトリハロメトキシ基を表す。]
で示される化合物を等量以上の酸と反応させることによって、下記式(X)
[式中、R8からR11は一般式(IX)と同じ。R12はハロゲン原子を表す。]
で示される3−ハロメチル−ベンゾ[b]チオフェン誘導体化合物の製造方法である。
[式中、R13及びR15が同時に、かつR14が独立にハロゲン原子、トリハロメチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基、炭素数1〜4のアシルアミノ基、もしくはトリハロメトキシ基で、かつR16が水素原子を表すか、あるいは、R16がハロゲン原子、トリハロメチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基、炭素数1〜4のアシルアミノ基、もしくはトリハロメトキシ基、かつR13〜R15が同時またはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基、炭素数1〜4のアシルアミノ基、もしくはトリハロメトキシ基を表す。]
で示される化合物を得、化合物(XI)を酸化して、下記式(XII)
[式中、R13からR16は前記式(XI)に同じ。]
で示される化合物を得、
式(XII)で示される化合物を熱転移反応に供して、前記式(IX)で示される化合物を得、これを等量以上の酸と反応させて、式(X)で示される化合物を製造する方法である。
さらに本発明は、前記式(I)または前記式(X)から、一般式(XX)で表されるベンズイミダゾール誘導体(一般式(XX))を製造する方法である。
[式(XX)中、R23およびR24は、同時にもしくはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、シアノ基、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、またはR23およびR24は一緒になって−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−、もしくは−CH2CH2CH2−(この場合、その炭素原子は1つもしくは複数の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。
Mは、単結合または−S(O)m−を表し、mは0〜2の整数である。
GかつJは、前記式(I)、または前記式(X)を表す。但し、Gは前記式(I)、並びに前記式(X)のベンゾチオフェンの3位のメチレンを表し、前記式(I)のX、並びに前記式(X)のR12は、ベンズイミダゾール環上の窒素原子に置き換わる。
Xは、−CH=または窒素原子を表す。]
まず、3,4−二置換−ベンゾ[b]チオフェン誘導体およびその製造方法の例を以下に挙げる。
[式中、R1はハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。Xはヒドロキシル基もしくはハロゲン原子を表す。]
で示される3,4−二置換−ベンゾ[b]チオフェン誘導体である。R1は、好ましくは、トリハロメチル基、メチル基を挙げることができ、さらに好ましくはメチル基を挙げることができる。また、Xは、好ましくはヒドロキシル基、臭素原子、塩素原子を挙げることができる。
[式中、R3が水素でかつR4はハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を表すか、またはR3がハロゲン原子、トリハロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基でかつR4は水素を表す。]
で示される化合物に、炭素数1〜4のカルボン酸、もしくはトリフルオロ酢酸、またはそのカルボン酸無水物もしくはトリフルオロ酢酸無水物のうちの1種類もしくは2種類以上と反応させることによって、式(V)
[式中、R3及びR4は、式(IV)の定義に同じ。R5は水素原子か、または炭素数1〜3のアルキル基またはトリフルオロメチル基を表す。]
で示される化合物を製造する。
必要に応じて、得られた式(II)で表される化合物のヒドロキシル基をハロゲン原子に変換することによって、式(VIII)で示される4−置換−3−ハロメチル−ベンゾチオフェン誘導体を得ることができる。
本工程は(XVII)で表されるm−トルエンチオールのメルカプト基にプロパルギル基を導入して、(VI)で表される化合物を製造する工程である。
プロパルギル基の導入は、ハロゲン化プロパルギル、例えば、臭化プロパルギル、塩化プロパルギル等を用い、塩基性物質の存在下に行う。塩基性物質としては、例えば無機塩基では炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等、有機塩基では、例えばトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等を用いる。溶媒としては、トルエン、アセトン、酢酸エチルエステル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、2−ブタノン等が挙げられ、その中でもトルエン、2−ブタノンを好ましい溶媒としてあげることができる。反応は室温から還流温度で、数十分〜数時間で得ることができる。
本工程は、化合物の酸化により、式(VI)から式(VII)で表される化合物を製造する工程である。硫黄原子の酸化反応は、例えば過硫酸カリウムや過酸化水素水、メタ過ヨウ素酸塩類、過塩素酸塩類、m−クロロ安息香酸等の酸化剤と、適当な溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アルコール類、アセトン、水を単独もしくは組み合わせて用い、反応を行う。本工程では、1〜1.2等量のメタ過ヨウ素酸ナトリウムを、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール−水の溶媒中、室温で数十分〜数時間攪拌する方法が好ましい例として挙げることができる。
本工程は、スルホキシドの転移環化反応によって、式(VII)から式(IV)で表される化合物を製造する工程である。
本発明において使用するスルホキシドの場合、好ましい溶媒としては、ジオキサン、酢酸プロピル、トルエン、キシレン等が挙げられ、より好ましくは、ジオキサン、トルエン、特により好ましくはトルエンを挙げることができる。溶媒の量は、好ましくは基質重量の10倍量以上、さらに好ましくは、基質重量15倍量から30倍量である。
反応温度は、60度以上が好ましく、特に好ましくは80度から100度である。
本工程において、式(VII)で表される化合物は、溶媒に溶かした後に加熱しても反応は進行するが、溶媒をあらかじめ、該反応温度に加熱しておき、加熱された溶媒に式(VII)で表される化合物の溶液を滴下する方法が好ましい。
加熱時間については特に制限しないが、好ましくは、該反応温度で滴下してから、数十分〜二時間、特に好ましくは基質滴下終了からの加熱時間を1時間以内にすることが望ましい。
これらの条件で反応させることで、副生成物の生成を極端に抑え、収率を向上させることができる。
本工程は、第3工程で得られた環化体(式(IV))をさらにカルボン酸、またはカルボン酸無水物と反応させ、式(V)で表される化合物を製造する工程である。
本工程では、溶媒は、第3工程で使用した反応溶媒を濃縮することなく、その反応系にカルボン酸、またはカルボン酸無水物を添加することで、エステル化転移反応が進行する。また、第3工程での溶媒を濃縮し、別の溶媒下で反応させても、同様の反応が進行する。本工程のカルボン酸としては、トリフルオロ酢酸、カルボン酸無水物としては、トリフルオロ酢酸無水物が好ましい。カルボン酸、またはカルボン酸無水物は、基質の0.5〜1.2等量が好ましく、特に好ましくは0.5〜0.8等量を、基質溶液に滴下することが好ましい。
本工程の反応におけるカルボン酸、またはカルボン酸無水物の滴下時の反応温度としては、0℃から50℃が好ましく、20℃から30℃で行うことがより好ましい。
本工程の反応は室温で行った場合、数分〜数時間で終了する。
本工程は第4工程で得られた式(V)で表されるエステル体のヒドロキシル化によって、式(II)または式(III)で表される化合物を製造する工程である。
条件としては、塩基性加水分解、または水素化金属錯化合物による還元が好ましい。塩基性加水分解の塩基としては、特に限定しないが、好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムを挙げることができる。加水分解の溶媒については特に限定しないが、テトラヒドロフラン−水系が好ましい。また、水素化金属錯化合物による還元の場合、水素化金属錯化合物としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノトリヒドロほう酸ナトリウム等が挙げられるが、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムを挙げることができる。塩基性加水分解の塩基または水素化金属錯化合物の量は、基質の0.5〜1等量であることが好ましい。
反応系の溶媒は特に限定しないが、好ましくは、テトラヒドロフラン、トルエンを挙げることができる。
本工程は、式(II)で示される4−置換−3−ヒドロキシメチル−ベンゾ[b]チオフェン誘導体と、式(III)で示される6置換−3−ヒドロキシメチル−ベンゾ[b]チオフェン誘導体の混合物から、式(II)と式(III)で表される化合物を分離する工程である。
本工程での晶析化する溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン−酢酸エチル、またはヘキサン−トルエン系を好ましい溶媒として挙げることができる。好ましい晶析条件の例としては、ヘキサン:酢酸エチル=1:2〜5:1か、シクロヘキサンとヘキサンの混合溶媒:酢酸エチル=1:2〜5:1、ヘキサン:トルエン=1:2〜3:1、シクロヘキサンとヘキサンの混合溶媒::トルエン=1:2〜3:1等を挙げることができる。なお、シクロヘキサンとヘキサンの好ましい比率としては、シクロヘキサン:ヘキサン=1:3〜3:1を挙げることができる。
基質に対する溶媒の量は、特に限定しないが、好ましくは基質重量に対し、1倍量から10倍量、特に好ましくは、基質重量の2倍量から5倍量を挙げることができる。
本工程によって、式(II)と式(III)で表される化合物の混合物から、式(II)で表される化合物を晶析によって分離することができる。
また、式(II)で示される化合物から、式(VIII)で示される化合物の合成法としては、特に限定しないが、以下に示す方法がより好まれる。
ハロゲン交換のハロメチル化の試薬としては、ハロゲン化水素、ハロゲン化リン、スルホン酸クロリド、ハロゲン化チオニル等が挙げられるが、好ましくは、ハロゲン化リン、ハロゲン化チオニル、特に好ましくは三臭化リンを挙げることができる。
[式中、R8からR11は同時またはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基、炭素数1〜4のアシルアミノ基、もしくはトリハロメトキシ基を表す。]
で示される化合物を等量以上の酸と反応させることで、式(X)
[式中、R8からR11は式(IX)に同じ。R12はハロゲン原子を表す。]
で示される3−ハロメチル−ベンゾチオフェン誘導体の製造する方法である。
また、水素原子、アルキル基の位置は、同時またはそれぞれ独立に任意であるが、特に、全てが水素原子、またはR8,R10,及びR11が水素原子でR9が炭素数1〜4のアルキル基、またはR9,及びR11が水素原子、R8,R10が炭素数1〜4のアルキル基の場合が好ましい。
式(X)の化合物としては、具体的には表2に記載したものが好ましい。表中、特に好ましい化合物は、化合物番号7,8,9の化合物である。
本発明における反応温度としては、0℃から50℃が好ましく、特に0℃から30℃で行うことが好ましい。
本工程は、式(XVIII)で表される置換ベンゼンチオールのメルカプト基にプロパルギル基を導入して、式(XI)で表される化合物を製造する工程である。
プロパルギル基の導入は、ハロゲン化プロパルギル、例えば、臭化プロパルギル、塩化プロパルギル等を用い、塩基性物質の存在下に行う。塩基性物質としては、例えば、無機塩基では炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等、有機塩基では、例えばトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等を用い、アセトン、酢酸エチルエステル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、2−ブタノン、トルエン等の溶媒中で、室温から還流温度で、数時間でプロパルギル基を導入することができる。
本工程は、式(XI)で表される化合物を酸化することによって、式(XII)で表される化合物を製造する工程である。本工程では、1.2等量のメタ過ヨウ素酸ナトリウムを、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール−水の溶媒系で、室温で攪拌する方法が好ましい。本反応は、上記条件で、数時間で反応が完了する。
本工程は、式(XII)で表される化合物のスルホキシドの転移環化反応によって、式(IX)で表される化合物を製造する工程である。本工程の熱転移反応においては、J.C.S.Chem.Comm.,848-849,1974に記載の方法が参考になる。
本発明において使用するスルホキシドの反応の場合、ジオキサン、酢酸プロピル、トルエン、キシレン等が好ましい溶媒として挙げられる。溶媒の量は、特に制限しないが、好ましくは基質重量の10倍量以上、さらに好ましくは、基質重量15倍量から30倍量である。この溶媒量で反応させることで、副生成物の生成を極端に抑え、収率を向上させることができる。反応温度は、特に制限しないが、80度以上が好ましく、さらに100度から上記溶媒の還流温度で行うことが好ましい。
反応は、還流温度で行った場合、数十分から数時間で達成される。
本工程は、第3工程で得られた式(IX)で表される化合物の環化体を、さらに酸と反応させて、式(X)で表される化合物を製造する工程である。
本工程における溶媒は、第3工程で使用した反応溶媒を濃縮することなく、その反応系に酸を添加することで、ハロメチル化転移反応が進行する。また、第3工程での溶媒を濃縮し、別の溶媒下で反応させても、同様の反応が進行する。本反応における酸としては、塩化水素ガス、臭化水素ガス、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、塩化水素−ジオキサン溶液等が好ましい。本反応における反応温度は、0℃から50℃、好ましくは、0℃から30℃で行うことが好ましい。反応は、数十分から数時間程度で達成される。
[式(XX)中、R23およびR24は、同時にもしくはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基、シアノ基、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、またはR23およびR24は一緒になって−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−、もしくは−CH2CH2CH2−(この場合、その炭素原子は1つもしくは複数の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。
Mは、単結合または−S(O)m−を表し、mは0〜2の整数である。
G、かつJは前記式(I)、または(X)を表す。但し、Gは前記式(I)、並びに(X)のベンゾチオフェンの3位のメチレンを表し、前記式(I)のX、並びに前記式(X)のR12はベンズイミダゾール環上の窒素原子を表す。
Xは、−CH=または窒素原子を表す。]
なお、環化反応はザ・ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)1993年36巻1175−1187頁に記載されている。
5L3つ口フラスコに冷却管、内温計、メカニカルスターラー、滴下ロートを取り付けた。炭酸カリウム673gとメチルエチルケトン1500mLをフラスコに入れた。滴下ロートにm―トルエンチオール500gとメチルエチルケトン200mLを入れ、10分で滴下した。そのまま室温で1時間攪拌した。内温は28度まで上昇した。水浴バスにつけ、プロパルギルブロマイド333mLとメチルエチルケトン300mLを滴下ロートに入れて滴下を開始した。滴下をコントロールすることにより、内温が55〜65度付近を保持させながら20分間で滴下した。そのまま、水浴下で50分間攪拌した。そのまま、酢酸エチル900mLで洗いこみを行いながら、ヌッチェでろ過して減圧濃縮し、酢酸エチル1500mLと水2L、さらに1NHCl100mLを加えて有機層と水層を分離し、500mLの酢酸エチルで2回抽出した。飽和食塩水1000mLで2回洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、濃縮して粗体601.14g(収率92%、純度88%)を得た。粗体300gのみを蒸留した。100〜102℃/7mmHgで3−メチル−1−プロピ−2−インイルチオベンゼンを239.68g(回収率80%、純度>98%)得た。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.36-7.03(4H,m,Ar),3.56(2H,d,CH2),2.34,(3H,s,Me),2.24(1H,t,CH)
10L3つ口フラスコに内温計、メカニカルスターラー、1L滴下ロートを取り付けた。過ヨウ素酸ナトリウム427.78gと水2000mLとメタノール2000mLをフラスコに入れた。そのまま室温で1時間攪拌するが完全に溶解しなかったため、さらに2000mLの水を加えた。完全に過ヨウ素酸ナトリウムの溶解を確認後、滴下ロートに3−メチル−1−プロピ−2−インイルチオベンゼン(300.01g)とメタノール(1000mL)を入れ、30分で滴下して室温で攪拌した。2時間後、1時間かけて氷浴冷却後、ヌッチェでろ過を行った。酢酸エチル2Lで濾物をよく洗い、減圧濃縮した。4Lの水層より、酢酸エチル1000mLで3回抽出した。有機層を飽和食塩水1000mLで2回洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、濃縮することで3−メチル−1−プロピ−2−インイルスルイルフィニルベンゼンのオイル314.45gを得た。この粗体を3000mLのメタノール溶液にして、3000mLのヘキサンで2回抽出することにより純度98%以上の目的物3−メチル−1−プロピ−2−インイルスルイルフィニルベンゼンを得た(収率79%、収量248.42g)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,ppm)2.27(s,1H,CH),2.37(s,3H,Me),3.56(abq,2H,-CH2-),7.27(dt,1H,Ar),7.34(t,1H,Ar),7.41(dt,1H,Ar),7.47(dt,1H,Ar)
10L3つ口フラスコに内温計、マグネティックスターラー、1000mL滴下ロートを取り付けた。トルエン3000mLをフラスコに入れ、バス温95度のオイルバスにつけた。内温85度を確認の後、700mLのトルエンに溶解した3−メチル−1−プロピ−2−インイルスルフィニルベンゼン(251.25g)を15分かけて滴下した。滴下終了時、内温を85〜95度の間で保持するためトルエン500mLを滴下した。原料滴下終了から40分後から、1時間かけて20度まで冷却した。反応容器を氷浴にして滴下ロートにトリフルオロ酢酸無水物(120mL)を入れた。氷浴下、20分で滴下した。そのまま、30分室温で攪拌した。この反応溶液を4L飽和炭酸水素ナトリウム水にゆっくり注いだ。有機層と水層を分離、トルエン500mLで抽出した。有機層を飽和食塩水1500mLで2回洗った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮し、橙色のオイル、(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル 2,2,2−トリフルオロアセテート及び(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル 2,2,2−トリフルオロアセテートの混合物(356.72g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,ppm) 2.47(s,4.5H), 2.72(s,3H), 5.56(s,2H,), 5.67(s,3H), 7.16-7.28(m,8H), 7.45(s,1.5H), 7.49(s,1H), 7.58-7.78(m,4H)
300mL3つ口フラスコに、スターラーバーと100mL滴下ロートと内温計をつけた。実施例3の反応で得られた(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル 2,2,2−トリフルオロアセテート及び(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル 2,2,2−トリフルオロアセテート混合物30.05gを、テトラヒドロフラン100mLに溶かして、フラスコに入れた。そのまま内温20℃まで冷却した。滴下ロートに1規定水酸化ナトリウム水溶液(100mL)を入れた。10分で滴下、そのまま、60分室温で攪拌した。この反応溶液を500mL分液ロートに入れ、さらにヘキサン300mLを加えた。そのまま有機層と水層を分離、有機層を水500mLで3回、飽和食塩水500mLで2回洗った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮し、褐色のオイル、(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オール及び(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オール混合物(28.24g)を得た。
実施例4で得られた褐色オイルに酢酸エチル20mLを加え、10分攪拌した。その後、ヘキサン100mLを3回に分けて加えた。そのまま、2時間攪拌した後にろ過、乾燥し、淡橙色結晶であった(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オールを8.33g得た(収率27.8%)。純度は98%であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,ppm)2.82(s,3H,4-Me), 5.00(s,2H,-CH2-OH),7.10(d,1H,J5,6=8Hz,H-5), 7.24(t,1H,J5,6=J6,7=8Hz,H-6),7.40(s,1H,H-2),7.70(d,1H,J6,7=8Hz,,H-7)
13C-NMR(100MHz,CDCl3,ppm)20.8(4-Me), 61.4(-CH2-OH), 120.8(C-7), 122.6(C-6), 124.5(C-2), 126.2(C-5), 133.7(C-4), 136.2(C-3a), 137.4(C-3), 141.9(C-7a)
3000mL3つ口フラスコに、メカニカルスターラーと200mL滴下ロートと内温計をつけた。実施例3の反応で得られた(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル 2,2,2−トリフルオロアセテート及び(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル 2,2,2−トリフルオロアセテート混合物(300.00g)をトルエン1500mLに溶かしたものを、フラスコに入れてフラスコを水浴につけた。水素化ホウ素ナトリウム30.00gを、フラスコに投入した。滴下ロートにメタノール(150mL)を入れた。60分で滴下しそのまま、60分室温で攪拌した。フラスコに水(1000mL)を加えて、セライトろ過を行った。有機層と水層を分離、水層をトルエン500mLで抽出。有機層を飽和食塩水1000mLで2回洗った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮し、黄色のオイル、(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オール及び(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オールの混合物(295.12g)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,ppm) 2.387(s,3H), 2.67(s,5H), 4.77(s,2H,), 4.87(s,3H), 7.02-7.16(m,6H), 7.55-7.63(m,5H)
実施例6で得られた黄色オイルに、酢酸エチル100mLを加え、10分攪拌した。その後、ヘキサン400mLを4回に分けて加える。そのまま、2時間攪拌した後にろ過、乾燥し、白色から淡黄色結晶(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オールを80.05g得た(収率27%)。純度は98%以上であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,ppm) 2.77(s,3H,4-Me), 4.99(d,2H,-CH2-OH), 7.12(dt,1H,J5,6=8Hz,J5,Me=0.8Hz,H-5), 7.21(t,1H,J5,6=J6,7=8Hz,H-6),7.38(s,1H,H-2), 7.68(dd,1H,J6,7=8Hz,H-7)
(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オールと(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オール(4メチル体/6メチル体の比率=約6/1)の混合物4.95gに、アセトニトリル25mlを加え、還流し、その後室温で冷却、更に一晩冷蔵庫で冷却した。後にろ過、アセトニトリルで洗浄、乾燥し、3.15gの白色から淡黄色結晶、(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オールを得た(回収率=64%)。純度=99%であった
1H-NMR(400MHz, CDCl3, ppm):
2.82(s,3H,4-Me), 5.00(s,2H,-CH2-OH),7.10(d,1H,J5,6=8Hz,H-5), 7.24(t,1H,J5,6= J6,7=8Hz, H-6), 7.40(s,1H,H-2), 7.70(d,1H,J6,7=8Hz,,H-7)
13C-NMR(100MHz,CDCl3, ppm):
20.8(4-Me), 61.4(-CH2-OH), 120.8(C-7), 122.6(C-6), 124.5(C-2), 126.2(C-5), 133.7(C-4), 136.2(C-3a), 137.4(C-3), 141.9(C-7a)
(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オールと(6−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オール(4メチル体/6メチル体の比率=約4/3)の混合物26gにトルエン26mlを加え、還流し、その後室温で冷却、ヘキサン26mlを加えて、更に一晩室温で攪拌した。後にろ過、結晶をトルエン‐ヘキサン(1/1)20ml、ヘキサン10mlで洗浄した後に乾燥し、7.3gの白色から淡黄色結晶、4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オールを得た(回収率=28%)。純度=99%であった。
1H-NMR(200MHz, CDCl3, ppm):
2.79(s,3H, 4-Me), 5.01(d,2H,-CH2-OH),7.10-7.24(m,2H,H-5,H-6), 7.41(s,1H,H-2), 7.69(d,1H,J6,7=8Hz,,H-7)
1L3つ口フラスコに、マグネティックスターラーと100mL滴下ロートと内温計をつけた。(4−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メタン−1−オール(69.95g)を、シクロヘキサン200mLに溶かしてフラスコに入れた。滴下ロートに3臭化リン(18mL)を入れた。室温で、20分かけて滴下し(内温は30度まで上昇)、60分室温で、1時間60度で攪拌した。溶液を氷水(1L)に加えて、有機層と水層を分離、水層をトルエン1Lで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水(1L)で2回洗い、飽和食塩水(1L)で2回洗った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮し、淡黄色固体(99.69g)を得た。得られた粗体を熱シクロヘキサン200mLで再結晶を行い、3−(ブロモメチル)−4−メチルベンゾ[b]チオフェンを白色固体(52.19g、収率55%)で得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,ppm)2.90(s,3H,4-Me), 4.89(s,2H,-CH2-Br),7.15(d,1H,J5,6=8Hz, H-5), 7.24(t,1H,J5,6=J6,7=8Hz,H-6), 7.48(s,1H,H-2), 7.68(d,1H,J6,7=8Hz,,H-7)
p−トルエンチオール40g(322mmol)に2−ブタノン200ml、炭酸カリウム53.4g(386mmol)を加えて氷冷し、1−ブロモ−プロピン26.7ml(354mmol)を加えて、反応容器を水冷しながら2時間攪拌した。2時間後、反応系を濾過し、沈殿物を2−ブタノン50mlで洗浄、ろ液を減圧濃縮して、黄色透明オイルの4−メチル−1−プロピ−2−インイルチオベンゼン(一般式(XI))49.9gを得た。(粗収率:96%)
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.38(2H,d,Ar), 7.06(2H,d,Ar), 3.56(2H,s,CH2), 2.33,(3H,s,Me), 2.21(1H,t,CH)
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.61(2H,d,Ar), 7.34(2H,d,Ar), 3.62(2H,dd,CH2), 2.33,(3H,s,Me), 2.32(1H,t,CH)
チオフェノール(55.34g,502.3mmol)をアセトニトリル150mlに溶解し、炭酸カリウム(2.07g,15.0mmol)を加えて水浴し、プロパルギルブロミド49.2ml(652.9mmol)を30分間かけて滴下し、さらにアセトニトリル100mlを加えた。その後、室温で1時間20分攪拌、1時間35分後にプロパルギルブロミド(3ml)を追加してさらに15分間攪拌した。その後、ろ過、減圧濃縮し、減圧乾燥して71.50gのオイルを得た。このうちの70.50g(0.476mol)のオイルを、メタノール500mlに溶解させ、過ヨウ素酸ナトリウム(108.3g,0.506mol)の水溶液500mlに加えて、室温で攪拌した。1時間後、ろ過、減圧濃縮し、下層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出(250ml×3)して、有機層と前述の下層をボウ硝で乾燥、減圧濃縮、乾燥して、(プロピ−2−インイルスルフィニル)ベンゼンを77.8g合成した。粗収率=96%だった。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.53-7.74(5H, m, Ar), 3.65(2H, ddd, CH2), 2.35(1H, t, CH)
3,5−ジメチルベンゼンチオール5.56g(40.2mmol)をアセトニトリル20mlに溶解し、プロパルギルブロミド3.63ml(48.3mmol)、炭酸カリウム6.91g(50mmol)を順に加えた。その後還流し、1時間後にろ過、減圧濃縮し、減圧乾燥して7.79gのオイルを得た。それをメタノール70mlに溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム(9.19g,43mmol)の水溶液40mlを滴下、さらにメタノール30ml、水20mlを追加して室温で攪拌した。1.5時間後にろ過、沈殿をメタノールで洗浄後、減圧濃縮し、水層を酢酸エチルで抽出(100ml×2)して、有機層をボウ硝で乾燥、減圧濃縮、乾燥して、3,5−ジメチル−1−(プロピ−2−インイルスルフィニル)ベンゼンを7.66g合成した。粗収率は99%だった。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.31(2H, s, Ar), 7.15(1H, s, Ar), 3.63(2H, t, CH2), 2.39(6H, 2, Me), 2.35(1H, t, CH)
実施例11で得られた化合物107.0mg(0.6mmol)を酢酸プロピル1.6mlに溶解させ、20分間、還流した。続いて、減圧濃縮、乾燥させ、5−メチルー3−メチレンー2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−オール108.5mgを得た。粗収率は105%だった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):7.24(1H, s, Ar), 7.05(2H, s, Ar),6.17(1H, d, CH) 5.78(1H, s, =CH), 5.49(1H, s, =CH), 2.30(3H, s, Me)
実施例12で得られた化合物301mgをジオキサン4.5mlに溶解し、100度で2時間加熱した。冷却後、減圧濃縮し、黄色透明オイル状の3−メチレン−2−ヒドロベンゾ[b]チオフェン−2−オールを292mg合成した。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.06-7.48 (4H, m, Ar), 6.15(1H,d, CH),5.84(1H, s, =CH), 5.55(1H, s, =CH), 2.45(3H, s, Me)
実施例13で得られた化合物117.6mg(0.61mmol)を酢酸プロピル2mlに溶解し、20分間還流し、冷却後、減圧濃縮、乾燥して、2,3−ジハイドロ−4,6−ジメチル−3−メチレン−ベンゾ[b]チオフェン−2−オールを合成した。粗収率は95%だった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):6.89 (1H, s, Ar), 6.72(1H, s, Ar),5.94(1H, d, CH) 5.69(1H, s, =CH), 5.61(1H, s, =CH), 2.43(3H, s, Me) , 2.26(3H, s, Me)
実施例14で得られた化合物71.9mg(0.40mmol)を酢酸プロピル1mlに溶解し、48%臭化水素酸0.0569ml(0.5mmol)を加え,室温で20分間、放置した。その後,酢酸エチル3mlを加え,水で洗浄し,有機層を硫酸マグネシウムで乾燥,減圧濾過,乾燥して、3−(ブロモメチル)−5−メチルベンゾ[b]チオフェン88.2mgを得た。収率は91%だった。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.68(1H, d, H-7), 7.65(1H, s, H-4), 7.41(1H, s, H-2), 7.15(1H, dd, H-6), 4.67(2H, s, CH2), 2.45(3H,s,Me)
実施例15で得られた化合物270mg(1.64mmol)を酢酸プロピル4mlに溶解し、4M塩化水素ジオキサン溶液0.0615ml(2.46mmol)を加え,室温で30分間、放置した。その後、濃縮し、水10mlを加え,酢酸エチルで抽出、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濾過、乾燥して、3−(クロロメチル)−ベンゾ[b]チオフェン271mgを得た。収率は90%だった。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.88-7.90(2H, m, Ar), 7.30-7.50(3H, m, Ar), 4.86(2H, s, CH2)
実施例16で得られた化合物55.3mgを酢酸プロピル1mlに溶解し、48%臭化水素酸39.9μlを加え、室温で放置した。20分後に酢酸エチル3mlを加え、水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮、乾燥して3−(ブロモメチル)−4,6−ジメチルベンゾ[b]チオフェンを合成した。収率は90%だった。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.40(1H, d, H-5), 7.33(1H, s, H-5), 6.92(1H, s, H-2), 4.81(2H, s, CH2), 2.81(3H,s,4-Me) , 2.34(3H,s,6-Me)
実施例11で得られた化合物873.4mg(4.9mmol)をジオキサン15mlに溶解させ、100℃で70分加熱攪拌した。反応系を室温に冷却し、4M塩化水素‐ジオキサン1.5ml(6mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応系を減圧濃縮し、シクロヘキサン0.80mlを加え、10分間70℃で加熱、室温まで冷却し、沈殿物をろ過、590.6mgの3−(クロロメチル)−5−メチルベンゾ[b]チオフェンを得た。収率は61%だった。
計算値M=196.70,分析値m/z=196[M+]
実施例11で得られた化合物7.18g(40.3mmol)をジオキサン110mlに溶解させ、100℃で100分間還流した。その後冷却し、48%臭化水素酸7.42g(44mmol)を加えて1時間室温で放置した。その後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、9.04gの3−(ブロモメチル)−5−メチルベンゾ[b]チオフェンを得た。収率は93%だった。
計算値M=241.10,分析値m/z=241[M+]
実施例11で得た化合物(29.7g, 167mmol)を酢酸プロピル445mlに溶解させ、100度で1時間加熱した。その後、氷冷して内温を10度にした後、48%臭化水素酸22.8mlを加えて氷冷下、1時間30分放置した。水層を分離、水50mlで洗浄して、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮、乾燥して、茶色透明オイル状の3−(ブロモメチル)ー5−メチルベンゾ[b]チオフェン35.3gを合成した。(収率=88%)
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.74(1H, d, H-7), 7.68(1H, s, H-4), 7.47(1H, s, H-2), 7.23(1H, dd, H-6), 4.73(2H, s, CH2), 2.51(3H,s,Me)
実施例12で得られた化合物5.02g(30.6mmol)を1,4−ジオキサン50mlに溶解し、100度に加熱、5時間30分後に冷却し、反応系内温を10度とした。続いて、4M塩化水素−ジオキサン溶液8.42ml(33.7mmol)を加えて室温に放置した。15分後に反応液を濃縮し、酢酸エチル50mlに溶解させ、水40mlで洗浄、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、ジオキサン除去のため、再度酢酸エチル50mlに溶解させ、水40mlで3回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮して、3−(クロロメチル)−ベンゾ[b]チオフェン5.18gを得た。収率は93%だった。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.91-7.85(2H, m, Ar), 7.36-7.48(3H, m, Ar ), 4.85(2H, t, CH2)
実施例13で得られた化合物2.26g(11.7mmol)を、酢酸プロピル40mlに溶解させ、30分間還流した。その後冷却し、48%臭化水素酸1.59ml(14mmol)を加えて30分間、室温で放置した。その後、酢酸エチルを加え、水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、2.49gの3−(ブロモメチル)−4,6−ジメチルベンゾ[b]チオフェンを得た。収率は84%だった。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.46(1H, s, H-5), 7.38(1H, s, H-7 ), 6.98(1H, s, H-2 ),4.85(2H, s, CH2), 2.85(3H, s, 4-Me ), 2.40(3H, s, 6-Me )
J.Chem.Soc.,Chem.Comm.,848(1974)に準じ、報告されている条件で下記のとおり行った。
3−メチル−フェニル−プロパルギル−スルホキシド218.4mgをジオキサン3ml(15倍量)に溶解し、2時間30分還流した。その後、水1ml、p−トルエンスルホン酸一水和物21.7mgを加え、70度にて2時間加熱した。この段階でTLC(ヘキサン−酢酸エチル=5:1)では、Rf=0.23に主生成物、0.41,0.55,0.70,0.83に副生成物のスポットが確認された。減圧濃縮後、水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮して280.1mgの残渣を得た。これを薄相クロマトグラフィー(Merck製1.13794 PLC plates 20×20cm kisei gel 60 0.5mmを2枚使用、展開系:ヘキサン−酢酸エチル=5:1)で精製し、主生成物の画分を回収し、131.5mgの褐色オイルを得た。この画分の1H−NMR、及び2次元NMRから、3−ヒドロキシ−4−メチル−ベンゾ[b]チオフェンと3−ヒドロキシ−6−メチル−ベンゾ[b]チオフェンの比率が約3:2であることが判明した。なお、この画分を放置しても、部分的に固化するのみで、3−ヒドロキシ−4−メチル−ベンゾ[b]チオフェンは単離できなかった。
1H-NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm):7.12-7.75(11H, m, Ar, 4-Me-deriv., 6-Me-deriv.), 5.00(3H, s, CH2, 4-deriv.), 4.90(2H, s, CH2, 6-deriv.), 2.79(4.5H, s, Me, 4-deriv.), 2.47(3H, s, Me, 6-deriv.), 1.77(2H, brs, OH, 4-Me-deriv., 6-Me-deriv.)
Claims (4)
- 下記式(I)
で示される3,4−二置換ベンゾ[b]チオフェン誘導体。 - 前記式(I)において、R1がメチル基である、請求項1に記載の3−ヒドロキシメチル−4−メチル−ベンゾ[b]チオフェン。
- 式(II)
で示される4−置換−3−ヒドロキシメチル−ベンゾ[b]チオフェン誘導体のヒドロキシル基を、炭化水素又は芳香族炭化水素の溶媒中において、ハロゲン化水素、ハロゲン化リン、スルホン酸クロリド、又はハロゲン化チオニルによって、室温から還流温度で、数十分から数時間で、ハロゲン原子に変換することを特徴とする、下記式(VIII)
で示される4−置換−3−ハロメチル−ベンゾ[b]チオフェン誘導体の製造方法。 - 前記式(VIII)において、R1がメチル基である請求項3に記載の4−メチル−3−ハロメチル−ベンゾ[b]チオフェン誘導体の製造方法。
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