以下、発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、各図面において共通の部分は同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
(実施形態1)
本実施形態においては、結晶性半導体膜を有する逆スタガ型TFTの作製工程を、図1〜図3及び図39を用いて説明する。
図1(A)に示すように、基板101上に第1の導電層102を形成し、第1の導電層上に感光性材料103、104を塗布又は吐出し乾燥焼成する。次に、感光性材料103、104にレーザビーム105、106を照射して、図1(B)に示すような第1のマスク111、112を形成する。
基板101としては、ガラス基板、石英基板、アルミナなどのセラミック等絶縁物質で形成される基板、シリコンウェハ、金属板等を用いることができる。また、基板101として、320mm×400mm、370mm×470mm、550mm×650mm、600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mmのような大面積基板を用いることができる。
第1の導電層102は、膜厚500〜1000nmの液滴吐出法、印刷法、無電界メッキ法等により所定の領域に形成する。また、PVD法(Physical Vapor Deposition)、CVD法(Chemical Vapor Deposition)、蒸着法等により基板全面に形成しても良い。なお、ここで、液滴吐出法、印刷法、を用いることにより、所定の領域に形成するため、後のエッチング工程により除去する領域が少なく、原料を削減することが可能である。
第1の導電層102は、高融点材料を用いて形成することが好ましい。高融点材料を用いることにより、後の結晶化工程、ゲッタリング工程、活性化工程等の加熱工程が可能となる。高融点材料としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物を適宜用いることができる。また、これら複数の層を積層して形成しても良い。代表的には、基板表面側から窒化タンタル膜及びその上に形成されるタングステン膜、窒化タンタル膜及びその上に形成されるモリブデン膜、窒化チタン膜及びその上に形成されるタングステン膜、窒化チタン膜及びその上に形成されるモリブデン膜等の積層構造としてもよい。また、リンを含有する珪素膜(非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を含む)、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛、又は酸化珪素を含む酸化インジウムスズを用いることもできる。
感光性材料103、104の材料としては、紫外光から赤外光に感光する材料ネガ型感光性材料又はポジ型感光性材料を用いる。感光性材料の代表例としては、エポキシ樹脂、クリル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の感光性を示す樹脂材料を用いる。また、ベンゾシクロブテン、パリレン、フレア、ポリイミドなどの感光性を示す有機材料等を用いることができる。また、代表的なポジ型感光性樹脂として、ノボラック樹脂と感光剤であるナフトキノンジアジド化合物を有する感光性樹脂が挙げられ、ネガ型感光性樹脂として、ベース樹脂、ジフェニルシランジオール及び酸発生剤などを有する感光性樹脂が挙げられる。ここでは、ネガ型感光性材料を用いる。
次に、感光性材料103、104にレーザビーム直接描画装置を用いてレーザビーム105、106を照射する。
レーザビーム描画装置について、図39を用いて説明する。図39に示すように、レーザビーム描画装置1001は、レーザビームを照射する際の各種制御を実行するパーソナルコンピュータ(以下、PCと示す。)1002と、レーザビームを出力するレーザ発振器1003と、レーザ発振器1003の電源1004と、レーザビームを減衰させるための光学系(NDフィルタ)1005と、レーザビームの強度を変調するための音響光学変調器(AOM)1006と、レーザビームの断面の拡大又は縮小をするためのレンズ、光路の変更するためのミラー等で構成される光学系1007、Xステージ及びYステージを有する基板移動機構1009と、PCから出力される制御データをデジタルーアナログ変換するD/A変換部1010と、D/A変換部から出力されるアナログ電圧に応じて音響光学変調器1006を制御するドライバ1011と、基板移動機構1009を駆動するための駆動信号を出力するドライバ1012とを備えている。
レーザ発振器1003としては、紫外光、可視光、又は赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。レーザ発振器としては、KrF、ArF、KrF、XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO4、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使った固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波の第1高調波〜第5高調波を適用するのが好ましい。
次に、レーザビーム直接描画装置を用いた感光性材料の感光方法について述べる。基板1008が基板移動機構1009に装着されると、PC1002は図外のカメラによって、基板に付されているマーカの位置を検出する。次いで、PC1002は、検出したマーカの位置データと、予め入力されている描画パターンデータとに基づいて、基板移動機構1009を移動させるための移動データを生成する。この後、PC1002が、ドライバ1011を介して音響光学変調器1006の出力光量を制御することにより、レーザ発振器1003から出力されたレーザビームは、光学系1005によって減衰された後、音響光学変調器1006によって所定の光量になるように光量が制御される。一方、音響光学変調器1006から出力されたレーザビームは、光学系1007で光路及びビーム形を変化させ、レンズで集光した後、基板上に塗布された感光性材料に該ビームを照射して、感光性材料を感光する。このとき、PC1002が生成した移動データに従い、基板移動機構1009をX方向及びY方向に移動制御する。この結果、所定の場所にレーザビームが照射され、感光性材料の露光が行われる。
この結果、図1(B)に示すように、レーザビームが照射された領域に第1のマスク111、112が形成される。ここでは、感光性材料としてネガ型を用いているため、レーザビームが照射された領域がレジストマスクとなる。レーザ光のエネルギーの一部は、レジストで熱に変換され、レジストの一部を反応させるため、レジストマスクの幅は、レーザビームの幅より若干大きくなる。また、短波長のレーザ光のほど、ビーム径を短く集光することが可能であるため、微細な幅のレジストマスクを形成するためには、短波長のレーザビームを照射することが好ましい。
また、レーザビームの感光性材料表面でのスポット形状は、点状、円形、楕円形、矩形、または線状(厳密には細長い長方形状)となるように光学系で加工されている。なお、スポット形状は円形であっても構わないが、線状にした方が、幅が均一なレジストマスクを形成することができる。
また、図39に示した装置は、基板の表面側からレーザ光を照射して露光する例を示したが、光学系や基板移動機構を適宜変更し、基板の裏面側からレーザ光を照射して露光するレーザビーム描画装置としてもよい。
なお、ここでは、基板を移動して選択的にレーザビームを照射しているが、これに限定されず、レーザビームをXY軸方向に走査してレーザビームを照射することができる。この場合、光学系1007にポリゴンミラーやガルバノミラーを用いることが好ましい。
次に、図1(C)に示すように、第1のマスクを用いて、第1の導電層102をエッチングして、第2の導電層121a、121bを形成する。第2の導電層121aは、ゲート電極として機能し、第2の導電層121bは、ゲート電極においてゲート配線と接続する領域(以下、ゲート電極の接続部と示す。)である。なお、図1(C)においては、第2の導電層121a、121bは分断された状態で表示されているが、実際には図3(C)に示すように、接続された同一の領域である。
次に、第1のマスクを除去した後、第1の絶縁膜を形成する。ここで第1の絶縁膜として膜厚50〜100nmの絶縁膜123a及び膜厚50〜100nmの絶縁膜123b及び膜厚0.3〜5nmの絶縁膜123cを積層させて形成する。その後第1の絶縁膜上に触媒元素を有する層125を形成する。
第1の絶縁膜である絶縁膜123a、123b、123cは、ゲート絶縁膜として機能する。絶縁膜123a、123bは、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)などを適宜用いることができる。更には、第2の導電層121a、121bを陽極酸化して、絶縁膜123a、123bの代わりに、陽極酸化膜を形成しても良い。なお、基板側から不純物などの拡散を防止するため、基板側に接する絶縁膜123aとしては、窒化珪素(SiNx)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)などを用いて形成することが望ましい。また絶縁性や膜中欠陥が及ぼすデバイス特性の影響を低減するために、絶縁膜123bとしては、酸化珪素(SiOx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)などを用いて形成することが望ましい。しかしながら、該構造に限定されず、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等のいずれかを適宜組み合わせて積層構造としてもよい。なお、酸化珪素(SiOx)膜には、水素が含まれている。
半導体膜に接する絶縁膜123cは、膜厚0.3nm〜5nmの窒化珪素膜、あるいは窒化珪素酸化膜を形成すると好ましい。本実施の形態では、半導体膜に結晶化を促進する金属元素(本実施の形態ではニッケルを用いる)を添加し、その後ゲッタリング処理を行って除去する。酸化珪素膜と珪素膜とは界面状態は良好であるが、界面において珪素膜中の金属元素と酸化珪素中の酸素が反応し、酸化金属物(本実施の形態では酸化ニッケル(NiOx))になりやすく、金属元素がゲッタリングされにくくなる場合がある。また、窒化珪素膜は、窒化珪素膜の応力や、トラップの影響により、半導体膜との界面状態に悪影響を与える恐れがある。よって、半導体膜に接する絶縁層の最上層に、膜厚0.3〜5nmの窒化珪素膜、あるいは窒化酸化珪素膜を形成する。本実施の形態では、基板101及び、第2の導電層121a、121b上に絶縁膜123aとして窒化酸化珪素膜さらに絶縁膜123bとして酸化窒化珪素膜を積層した後、酸化窒化珪素膜上に膜厚0.1nm〜10nm、好ましくは1〜3nmの絶縁膜123cとして窒化酸化珪素膜を形成し、3層の積層構造とする。このような構造であると、半導体膜中の金属元素のゲッタリング効率も上がり、かつ半導体膜への窒化珪素膜の悪影響も軽減できる。また積層される絶縁層は同チャンバー内で真空を破らずに同一温度下で、反応ガスを切り変えながら連続的に形成するとよい。真空を破らずに連続的に形成すると、積層する膜同士の界面が汚染されるのを防ぐことができる。
触媒元素を有する層125の形成方法としては、PVD法、CVD法、蒸着法等により第1の絶縁膜表面に、触媒元素又は触媒元素の珪化物の薄膜を形成する方法、第1の絶縁膜表面に触媒元素を含む溶液を塗布する方法などがある。触媒元素としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の一つ又は複数を用いて形成することができる。また、上記触媒元素で形成される電極を用いて、半導体膜表面をプラズマ処理してもよい。ここでは、1〜200ppm、10〜150ppmのニッケルを含む溶液を塗布する。なお、ここでは触媒元素とは半導体膜の結晶化を促進又は助長させる元素のことである。
次に図1(D)に示すように、触媒元素を有する層125上に膜厚50〜250nmの第1の半導体膜124を形成し、第1の半導体膜124上にドナー型元素が含まれる膜厚80〜250nmの第2の半導体膜132を形成する。
第1の半導体膜124としては、非晶質半導体、非晶質状態と結晶状態とが混在したセミアモルファス半導体(SASとも表記する)、非晶質半導体中に0.5nm〜20nmの結晶粒を観察することができる微結晶半導体、及び結晶性半導体から選ばれたいずれかの状態を有する膜で形成する。特に、0.5nm〜20nmの結晶を粒観察することができる微結晶状態はいわゆるマイクロクリスタル(μc)と呼ばれている。いずれも、シリコン、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)等を主成分とする膜厚は半導体膜を用いることができる。
なお、後の結晶化で良質な結晶構造を有する半導体膜を得るためには、第1の半導体膜124の膜中に含まれる酸素、窒素などの不純物濃度を5×1018/cm3(以下、濃度はすべて二次イオン質量分析法(SIMS)にて測定した原子濃度として示す。)以下に低減させておくと良い。これらの不純物は、触媒元素と反応しやすく、後の結晶化を妨害する要因となり、また、結晶化後においても捕獲中心や再結合中心の密度を増加させる要因となる。
第2の半導体膜132としては、珪化物気体にリン、ヒ素のようなドナー型元素を有する気体を加えたプラズマCVD法で成膜する。このような手法により第2の半導体膜を形成することで、第1の半導体膜と第2の半導体膜との界面が形成される。また、ドナー型元素が含まれる第2の半導体膜132としては、第1の半導体膜と同様の半導体膜を形成した後、ドナー型元素をイオンドープ法又はイオン注入法により添加して形成することができる。このときの、第2の半導体膜132では、リンの濃度が1×1019〜3×1021/cm3であることが好ましい。
さらには、上記プラズマCVD法、又はイオンドープ法、イオン注入法を用いて、第1の半導体膜124に接する側に、低濃度領域(以下、n-領域と示す。)、その上に高濃度領域(以下、n+領域と示す。)の積層構造としても良い。このとき、n-領域のドナー型元素の濃度は、1×1017〜3×1019/cm3、好ましくは1×1018〜1×1019/cm3とし、n+領域のドナー型元素の濃度は、n-領域のドナー型元素の10〜100倍とする。また、n-領域の膜厚は50〜200nmであり、n+領域の膜厚は30〜100nm好ましくは40〜60nmである。ここでは、第2の半導体膜132として、破線より第1の半導体膜124側の領域をn-領域とし、その表面にn+領域を示す。
このときのドナー型元素が含まれる第2の半導体膜の不純物のプロファイルを図19に示す。図19(A)は、第1の半導体膜124上に、プラズマCVD法によりドナー型元素が含まれる第2の半導体膜132aを形成した時の、ドナー型元素のプロファイル150aを示す。なお、第2の半導体膜132aは、表面からn+領域144a及びn-領域144bの界面までは、膜の深さ方向に対して一定の濃度(第1の濃度)のドナー型元素が分布している。また、n+領域144a及びn-領域144bの界面から、第1の半導体膜124の界面までは、膜の深さ方向に対して一定の濃度(第2の濃度)のドナー型元素が分布している。このとき、第1の濃度は第2の濃度より高い。
一方、図19(B)は、第1の半導体膜124上に、非晶質半導体、SAS、微結晶半導体、及び結晶性半導体から選ばれたいずれかの状態を有する膜の半導体膜を形成し、イオンドープ法又はイオン注入法により該半導体膜にドナー型元素を添加して第2の半導体膜132bを形成した時の、ドナー型元素のプロファイル150bを示す。図19(B)に示すように、第2の半導体膜の表面付近は、ドナー型元素濃度が比較的高い。この領域をn+領域144aと示す。一方、第1の半導体膜124に近づくにつれ、ドナー型元素濃度が比較的濃度が減少している。ドナー型元素濃度が1×1017〜3×1019/cm3の領域、好ましくは1×1018〜1×1019/cm3の領域をn-領域144bと示す。また、n+領域144aのドナー型元素の濃度は、n-領域のドナー型元素の10〜100倍である。
n+領域144aは後にソース領域及びドレイン領域として機能し、n-領域144bはLDD領域として機能する。なお、n+領域とn-領域それぞれの界面は存在せず、相対的なドナー型元素濃度の濃度の大小によって変化する。このようにイオンドープ法又はイオン注入法により形成されたドナー型元素が含まれる第2の半導体膜は、添加条件によって濃度プロファイルを制御することが可能であり、n+領域とn-領域の膜厚を適宜制御することが可能である。
なお、ドナー型元素が含まれる第2の半導体膜132は、希ガス元素、代表的にはアルゴンが添加されることにより、結晶格子の歪が形成され、後に行われるゲッタリング工程で、より触媒元素をゲッタリングすることが可能である。
なお、第1の半導体膜124を形成後、TFTのチャネル領域となる領域に3族元素(13族元素、以下、アクセプター型元素と示す。)、または5族元素(15族元素、以下、ドナー型元素と示す。)を低濃度に添加するチャネルドープ工程を全面または選択的に行ってもよい。このチャネルドープ工程は、TFTしきい値電圧を制御するための工程である。なお、ここではジボラン(B2H6)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法でボロンを添加する。なお、質量分離を行うイオン注入法を用いてもよい。
次に、第1の半導体膜と第2の半導体膜とを加熱して、図1(E)に示すように、第1の結晶性半導体膜141を形成する。この場合、結晶化を助長する金属元素が接した半導体膜の部分でシリサイドが形成され、それを核として結晶化が進行する共に、図1(E)の矢印で示すように、第1の半導体膜を結晶化した触媒元素を第2の半導体膜132に移動させて、触媒元素のゲッタリングを行う。この工程により、触媒元素の濃度をデバイス特性に影響を与えない程度まで低減することができる。即ち、膜中のニッケル濃度が1×1018/cm3以下、望ましくは1×1017/cm3以下となる第1の結晶性半導体膜141を形成することができる。また、ゲッタリング後の触媒元素が移動した第2の半導体膜も同様に結晶化されているため、第2の結晶性半導体膜142と示す。
ここでは、脱水素化のための熱処理(400〜550℃、0.5〜2時間)の後、結晶化のための熱処理(550℃〜650℃で1〜24時間)を行う。また、RTA、GRTAにより結晶化を行っても良い。ここで、レーザ光照射を行わず結晶化することで、結晶性のばらつきを低減することが可能であり、後に形成されるTFTのばらつきを抑制することが可能である。また、結晶表面で突起上に結晶成長するリッジ(凸凹部)が形成されにくいため、半導体領域表面が比較的平坦であり、ゲート絶縁膜と介してゲート電極との間に流れるリーク電流を抑制することが可能である。
なお、本実施形態においては、ゲッタリング工程と共に、第2の結晶性半導体膜142中のドナー型元素の活性化を行っている。
次に、図2(A)に示すように、第2の結晶性半導体膜142上に第2のマスク143を形成し、該第2のマスクを用いて第2の結晶性半導体膜142及び第1の結晶性半導体膜141をエッチングして、図2(B)に示すような第1の半導体領域152及び第2の半導体領域151を形成する。
第2のマスク143は、液滴吐出法、印刷法等により、有機樹脂を所定の領域に形成する。また、第1のマスクのように、感光性材料を塗布又は吐出した後、レーザ光を感光性材料に照射して露光した後、現像して形成することができる。該手法により第2のマスクを形成することで、後に形成される半導体領域の面積を縮小することが可能であり、半導体素子の高集積化や透過型液晶表示装置の開口率を高めることが可能である。
なお、以下の実施形態及び実施例のマスク形成工程において、半導体材料で形成される膜又は領域上に感光性材料を塗布する前には、半導体膜又は領域表面に、膜厚が数nm程度の絶縁膜を形成することが好ましい。この工程により半導体材料と感光性材料とが直接接触すること回避することが可能であり、不純物が半導体膜中に侵入するのを防止できる。なお、絶縁膜の形成方法としては、オゾン水等の酸化力のある溶液を塗布する方法、酸素プラズマ、オゾンプラズマを照射する方法等が挙げられる。
第2の結晶性半導体膜及び第1の結晶性半導体膜は、Cl2、BCl3、SiCl4もしくはCCl4などを代表とする塩素系ガス、CF4、SF6、NF3、CHF3などを代表とするフッ素系ガス、あるいはO2を用いてエッチングすることができる。第2の結晶性半導体膜をエッチングして、第1の半導体領域152を形成し、第1の結晶性半導体膜をエッチングして第2の半導体領域151を形成する。
次に、第2のマスクを除去した後、図2(C)に示すように、膜厚500〜1500nm、好ましくは500〜1000nmの第3の導電層153を成膜する。次に、第3の導電層上に感光性材料154を塗布又は吐出し、レーザビーム直接描画装置を用いてレーザ光155を感光性材料154に照射し露光した後、現像して、図2(D)に示すような第3のマスク161を形成する。ここでは、感光性材料154として、ポジ型感光性材料を用いる。
第3の導電層153の材料としては、導電体を溶媒に溶解又は分散させたものを用いる。導電体としては、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、Ba等の金属、又はハロゲン化銀等の微粒子、若しくは分散性ナノ粒子を用いることができる。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成することもできる。さらには、上記金属の微粒子又は分散ナノ粒子を複数種有してもよい。これらの材料からなる導電層を積層して第3の導電層を形成することができる。第3の導電層153は配線として機能する。また、配線抵抗を低下させるため、低抵抗材料を用いることが好ましい。
なお、吐出口から吐出する組成物は、比抵抗値を考慮して、金、銀、銅のいずれかの材料を溶媒に溶解又は分散させたものを用いることが好ましい。より好ましくは、低抵抗且つ安価な銀又は銅を用いるとよい。但し、銅を用いる場合には、不純物対策のため、合わせてバリア膜を設けるとよい。溶媒は、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、アセトン等の有機溶剤等を用いればよい。
ここで、銅を配線として用いる場合のバリア膜としては、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化タンタル(TaN:Tantalum Nitride)など窒素を含む絶縁性又は導電性の物質を用いると良く、これらを液滴吐出法で形成しても良い。
なお、液滴吐出法に用いる組成物の粘度は5〜20mPa・sが好適であり、これは、乾燥が起こることを防止し、吐出口から組成物を円滑に吐出できるようにするためである。また、表面張力は40mN/m以下が好ましい。なお、用いる溶媒や用途に合わせて、組成物の粘度等は適宜調整するとよい。銀を溶媒に溶解又は分散させた組成物の粘度は5〜20mPa・s、金を溶媒に溶解又は分散させた組成物の粘度は10〜20mPa・sである。
組成物を吐出する工程は、減圧下で行っても良い。これは、組成物を吐出して被処理物に着弾するまでの間に、該組成物の溶媒が揮発し、後の乾燥と焼成の工程を省略又は短くすることができるためである。溶液の吐出後は、溶液の材料により、常圧下又は減圧下で、レーザ光の照射や瞬間熱アニール、加熱炉等により、乾燥と焼成の一方又は両方の工程を行う。乾燥と焼成の工程は、両工程とも加熱処理の工程であるが、例えば、乾燥は100度で3分間、焼成は200〜350度で15分間〜120分間で行うもので、その目的、温度と時間が異なるものである。乾燥と焼成の工程を良好に行うためには、基板を加熱しておいてもよく、そのときの温度は、基板等の材質に依存するが、100〜800度(好ましくは200〜350度)とする。本工程により、溶液中の溶媒の揮発又は化学的に分散剤を除去し、周囲の樹脂が硬化収縮することで、融合と融着を加速する。雰囲気は、酸素雰囲気、窒素雰囲気又は空気で行う。但し、金属元素を分解又は分散している溶媒が除去されやすい酸素雰囲気下で行うことが好適である。
レーザ光の照射は、連続発振またはパルス発振の気体レーザ又は固体レーザを用いれば良い。前者の気体レーザとしては、エキシマレーザ、YAGレーザ等が挙げられ、後者の固体レーザとしては、Cr、Nd等がドーピングされたYAG、YVO4等の結晶を使ったレーザ等が挙げられる。なお、レーザ光の吸収率の関係から、連続発振のレーザを用いることが好ましい。また、パルス発振と連続発振を組み合わせた所謂ハイブリッドのレーザ照射方法を用いてもよい。但し、基板の耐熱性に依っては、レーザ光の照射による加熱処理は、数マイクロ秒から数十秒の間で瞬間に行うとよい。瞬間熱アニール(RTA)は、不活性ガスの雰囲気下で、紫外光乃至赤外光を照射する赤外ランプやハロゲンランプなどを用いて、急激に温度を上昇させ、数マイクロ秒から数分の間で瞬間的に熱を加えて行う。この処理は瞬間的に行うために、実質的に最表面の薄膜のみを加熱することができ、下層の膜には影響を与えないという利点がある。
ここでは、Agを含む組成物(以下「Agペースト」という。)を選択的に吐出し、上記に示すようなレーザビーム照射又は熱処理による乾燥及び焼成を適宜行い膜厚600〜800nmの第3の導電層153を形成する。このとき導電層は、導電体である微粒子が3次元に不規則に重なり合って形成されている。即ち、3次元凝集体粒子で構成されている。このため、表面は微細な凹凸を有する。また、導電層が加熱される温度及びその時間により、微粒子が焼成され、粒子の粒径が増大するため、表面の高低差が大きい層となる。
なお、この焼成をO2雰囲気中で行うと、Agペースト内に含まれているバインダ(熱硬化性樹脂)などの有機物が分解され、有機物をほとんど含まないAg膜を得ることができる。また、プレス機等を用いて膜表面を平滑にすることができる。
なお、実施形態及び実施例の導電膜形成工程において、感光性樹脂の塗布又は吐出工程時に半導体膜表面に絶縁膜を形成した場合は、コンタクト抵抗を下げるため、導電膜を成膜する前に該絶縁膜をエッチングすることが好ましい。
次に、第3のマスク161を用いて第3の導電層153を所望の形状にエッチングして、第4の導電層162、163を形成する。第4の導電層162、163は、ソース電極及びドレイン電極として機能する。このとき、第3の導電層を分断して、ソース電極及びドレイン電極を形成すると共に、ソース配線として機能するソース電極、又はドレイン配線として機能するドレイン電極の幅が細くなるようにエッチングすることで、後に形成される液晶表示装置の開口率を高めることが可能である。
次に、第3のマスク161を用いて、第1の半導体領域152の露出部をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域として機能する第3の半導体領域164、165を形成する。このとき、第2の半導体領域151の一部がオーバーエッチングされても良い。このときのオーバーエッチングされた第2の半導体領域を第4の半導体領域166と示す。第4の半導体領域166はチャネル形成領域として機能する。
次に、第3のマスクを除去した後、図2(E)に示すように、第4の導電層162、163及び第4の半導体領域166表面上に、パッシベーション膜として機能する膜厚100〜300nmの第2の絶縁膜171を成膜することが好ましい。パッシベーション膜は、プラズマCVD法又はスパッタリング法などの薄膜形成法を用い、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、または酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素(CN)、その他の絶縁性材料を用いて形成することができる。なお、パッシベーション膜は単層でも積層構造でもよい。ここでは、第4の半導体領域166の界面特性から酸化珪素、又は酸化窒化珪素を形成し、その上に窒化珪素膜、又は窒化酸化珪素膜を成膜することが好ましい。
この後、第4の半導体領域を水素雰囲気又は窒素雰囲気で加熱して水素化することが好ましい。なお、窒素雰囲気で加熱する場合は、第2の絶縁膜に水素を含む絶縁膜を形成することが好ましい。
以上の工程により、結晶性半導体膜を有する逆スタガ型TFTを形成することができる。
次に、第2の絶縁膜171上に、膜厚500〜1500nmの第3の絶縁膜172を形成する。第3の絶縁膜としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムその他の無機絶縁性材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシリカガラスに代表されるシロキサンポリマー系材料を出発材料として形成された珪素、酸素、水素からなる化合物のうちSi−O−Si結合を含む無機シロキサンポリマー、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーに代表される珪素上の水素がメチルやフェニルのような有機基によって置換された有機シロキサンポリマー系の絶縁材料を用いることができる。形成方法としては、CVD法、塗布法、印刷法等公知の手法を用いて形成する。なお、塗布法で形成することにより、第3の絶縁層の表面を平坦化することが可能である。ここでは、塗布法によりアクリル樹脂を塗布し焼成して、第3の絶縁膜を形成する。また、反射型液晶表示装置や半透過型液晶表示装置の場合、第3の絶縁膜は凹凸を有することで、光をより外部に反射することが可能となる。この場合、第3の絶縁膜を液滴吐出法、印刷法等を用いることで、凹凸を有する絶縁層を形成することが可能である。
なお、第2の絶縁膜171が、後に形成される第5の導電層173と第4の導電層162、163との間に寄生容量が生じない程度の膜厚を有する場合、第3の絶縁膜172は必ずしも必要ではない。
次に、第3の絶縁膜172上に第4のマスク(図示しない。)を形成した後、第3の絶縁膜172、第2の絶縁膜171、及び第1の絶縁膜である絶縁膜123a、123b、123cの一部をエッチングして、ゲート電極の接続部として機能する第2の導電層122bを露出する。次に、第4のマスクを除去した後、ゲート配線として機能する膜厚500〜1500nm、好ましくは500〜1000nmの第5の導電層173を形成する。第4のマスクは、第2のマスク143と同様の手法及び材料を適宜用いることが可能である。第5の導電層173の材料及び形成方法は、第3の導電層153と同様の材料及び形成方法を適宜選択すればよい。なお、配線抵抗を抑制するため、低抵抗材料を用いることが好ましい。また、第5の導電層173を、第1の導電層のようにレーザビーム直接描画装置を用いて形成したマスクによりエッチングして、線幅を細くしても良い。この工程により、画素内に占める配線面積を低減することが可能であり、透過型液晶表示装置において開口率を向上させることが可能である。ここでは、Agペーストを吐出し、乾燥焼成させて第5の導電層173を形成する。
次に、第5の導電層173及び第3の絶縁膜172上に第4の絶縁膜174を形成する。第4の絶縁膜174としては、第3の絶縁膜172と同様の材料を適宜用いることが可能である。また、反射型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置を形成する場合、第4の絶縁膜は凹凸を有することで、光をより外部に反射することが可能となる。この場合、第3の絶縁膜を液滴吐出法、印刷法等を用いることで、凹凸を有する絶縁層を形成することが可能である。
次に、第4の絶縁膜174上に第5のマスク(図示しない。)を形成した後、第4の絶縁膜174、第3の絶縁膜172及び第2の絶縁膜171の一部をエッチングして、第4の導電層163の一部を露出する。次に、第5のマスクを除去した後、画素電極として機能する膜厚100〜200nmの第6の導電層175を形成する。第5のマスクは、第2のマスク143と同様の手法及び材料を適宜用いることが可能である。第6の導電層175の代表的な材料としては、透光性を有する導電膜、又は反射性を有する導電膜がある。透光性を有する導電膜の材料としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ等が挙げられる。また、反射性を有する導電膜の材料としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、タンタル(Ta)などの金属、又は該金属と化学量論的組成比以下の濃度で窒素を含む金属材料、若しくは該金属の窒化物である窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、若しくは1〜20%のニッケルを含むアルミニウムなどが挙げられる。さらには、半透過型液晶表示装置の場合、第6の導電層を透光性を有する導電膜と、反射性を有する導電膜とで形成すれば良い。
第6の導電層175の形成方法としては、液滴吐出法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、塗布法等を適宜用いる。液滴吐出法を用いることで、選択的に第6の導電層を形成することが可能である。また、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、塗布法等を用いた場合、第2の導電層と同様にマスクを形成した後、該マスクを用いて導電膜をエッチングして第6の導電層を形成する。
なお、ここでは第5の導電層173としてはゲート配線として機能する導電層を形成し、第6の導電層175としては画素電極として機能する導電層を形成したが、これに限定されない。画素電極として機能する導電層を形成した後、ゲート配線として機能する導電層を形成してもよい。
以上の工程により、アクティブマトリクス基板を形成することが可能である。
本実施形態で形成される逆スタガ型TFTは、ゲート電極に耐熱性の高い材料を用いており、また活性化工程、ゲッタリング工程、及び結晶化工程を同時に行う加熱処理を行った後、低抵抗材料を用いて信号線、走査線等の配線を形成している。このため、結晶性を有し、不純物金属元素が少なく、配線抵抗の低いTFTを形成することが可能である。また、本発明の液晶表示装置は、絶縁膜上に画素電極を形成することが可能であり、開口率を増加させることが可能である。
このため、結晶性半導体膜で形成されるため非晶質半導体膜で形成される逆スタガ型TFTと比較して移動度が高い。また、ソース領域及びドレイン領域には、ドナー型元素に加え、触媒元素をも含む。このため、半導体領域との接触抵抗の低いソース領域及びドレイン領域が形成できる。この結果、高速動作が必要な半導体装置を作製することが可能である。
また、非晶質半導体膜で形成されるTFTと比較して、しきい値のずれが生じにくく、TFT特性のバラツキを低減することが可能である。このため、非晶質半導体膜で形成されるTFTをスイッチング素子として用いた液晶表示装置と比較して、表示ムラを低減することが可能であり、信頼性の高い半導体装置を作製することが可能である。
更には、ゲッタリング工程により、成膜段階で半導体膜中に混入する金属元素をもゲッタリングするため、オフ電流を低減することが可能である。このようなTFTを液晶表示装置のスイッチング素子に設けることにより、コントラストを向上させることが可能である。
また、本実施形態では、このため、基板全面に薄膜を成膜せずとも、液滴吐出法を用いて所定の場所に薄膜原料やレジストを吐出すればよく、フォトマスクを用いずとも、TFTを形成することができる。このため、スループットや歩留まりを向上させると共に、コストダウンを図ることが可能となる。
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1で示したアクティブマトリクス基板のソース配線、ゲート配線、及び画素電極の積層の構造について、図3を用いて説明する。
図3(A)は、本実施形態における逆スタガ型TFTと、ゲート配線として機能する第5の導電層との積層構造を示す図であり、図2(E)の断面構造及び図3(C)のA−Bの断面構造に相当する。
図3(B)は、ソース配線として機能する第4の導電層、ゲート配線として機能する第5の導電層、ゲート電極の接続部として機能する第2の導電層、及び画素電極として機能のする第6の導電層の積層構造を示す図であり、図3(C)のC−Dの断面構造に相当する。以下、ソース配線として機能する第4の導電層をソース配線162a、162b、ドレイン電極として機能する第4の導電層をドレイン電極163aのゲート配線として機能する第5の導電層をゲート配線173a、ゲート電極の接続部として機能する第2の導電層をゲート電極の接続部122a、122b、及び画素電極として機能する第6の導電層を画素電極175aと示す。
図3(B)に示すように、ゲート電極の接続部122b上に第1の絶縁膜123が形成され、第1の絶縁膜123上に、容量配線181、ソース配線162b、ドレイン電極163aが形成される。また、容量配線181、ソース配線162b、ドレイン電極163a、第1の絶縁膜123の上に第2の絶縁膜171、第3の絶縁膜172が形成され、第3の絶縁膜172上にゲート配線173aが形成される。即ち、ソース配線、容量配線は、第2の絶縁膜171、第3の絶縁膜172を介してゲート配線173aと交差している。なお、図3(A)及び図3(B)においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
図3(B)に示すように、ゲート配線173a及び第3の絶縁膜172全ての上に第4の絶縁膜174が形成され、第4の絶縁膜174上に画素電極175aが形成されている。即ち、第4の絶縁膜174を介して、ゲート配線173aの一部を画素電極175aが覆っている。画素電極175aが形成される第4の絶縁膜174は、平坦化層で形成されているため、後に画素電極間に充填される液晶材料の配向の乱れを抑制することが可能であり、液晶表示装置のコントラストを向上させることが可能である。
なお、ここでは、第4の絶縁膜174を、ゲート配線173a及び第3の絶縁膜172全ての上に形成したが、ゲート配線173a及びその周辺の第3の絶縁膜172を覆うように設けてもよい。この場合、液滴吐出法や印刷法で部分的に第4の絶縁膜を形成する。この構造の場合、部分的に第4の絶縁膜を形成するため、原材料を削減することが可能であり、低コスト化が可能である。
また、本実施形態では、図3(C)のE―Fで示すように、ソース配線上に画素電極の端部が形成されている。このため、透過型液晶表示装置の場合、画素電極端部で液晶材料の配向乱れが生じたとしても、その領域をソース配線が覆っているため、表示ムラを低減することが可能である。
(実施形態3)
本実施形態では、ゲート配線とソース配線の積層構造の異なるアクティブマトリクス基板について図4を用いて説明する。
図4(A)は、本実施形態における逆スタガ型TFTとゲート配線との積層構造を示す図であり、図4(C)のA−Bの断面構造に相当する。第1の絶縁膜123上には、第4の半導体領域、ドレイン電極として機能する第4の導電層(以下、ドレイン電極163aと示す。)163、画素電極1112、ゲート配線1113が形成される。ドレイン電極163aと画素電極1112は絶縁膜を介さないで接続されている。また、ゲート電極の接続部122aとゲート配線1113とは、第1の絶縁膜123を介して接続されている。また、ソース配線162a、ドレイン電極163a、画素電極1112、第1の絶縁膜123、ゲート配線1113上にはパッシベーション膜として機能する絶縁膜1114が形成される。なお、図4(A)及び図4(B)においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
図4(B)は、ソース配線162b、ゲート配線1113、ゲート電極の接続部122b、及び画素電極1112の積層構造を示す図であり、図4(C)のC−Dの断面構造に相当する。
図4(B)に示すように、ゲート電極の接続部122b上に第1の絶縁膜123が形成され、第1の絶縁膜123上に、容量配線181、ソース配線162b、ドレイン電極163a、ドレイン電極163aに接続する画素電極1112が形成される。また、容量配線181、ソース配線162b上に第2の絶縁膜1111が形成され、第2の絶縁膜1111上にゲート配線1113が形成される。即ち、ソース配線、容量配線は、第2の絶縁膜1111を介してゲート配線1113と交差している。ここでは、第2の絶縁膜1111を液滴吐出法、又は印刷法で形成する。
本実施形態では、ソース配線、容量配線と、ゲート配線とが交差する領域にのみ第2の絶縁膜1111を設けている。このため、実施形態2と異なり、一部分にのみ形成しているため、原材料を削減することが可能であり、低コスト化が可能である。
また、ゲート配線1113と画素電極1112とが重なる領域に第3の絶縁膜を液滴吐出法又は印刷法で形成してもよい。この場合、画素電極が形成する領域を拡大することが可能であり、開口率を増加させることが可能である。
(実施形態4)
本実施形態では、ゲート配線とソース配線の積層構造の異なるアクティブマトリクス基板について図5を用いて説明する。
図5(A)は、本実施形態における逆スタガ型TFTとゲート配線との積層構造を示す図であり、及び図5(C)のA−Bの断面構造に相当する。
図5(B)は、ソース配線162b、ゲート配線1121b、ゲート電極の接続部122b、及び画素電極1122の積層構造を示す図であり、図5(C)のC−Dの断面構造に相当する。
図5(B)に示すように、ゲート電極の接続部122a、122b上に第1の絶縁膜123が形成され、第1の絶縁膜123上に、容量配線181、ソース配線162b、ドレイン電極163aが形成される。また、容量配線181、ソース配線162b、ドレイン電極163a、及び第1の絶縁膜123の上に第2の絶縁膜171、第3の絶縁膜172が形成され、第3の絶縁膜172上にゲート配線1121bが形成される。即ち、ソース配線162b、容量配線181は、第2の絶縁膜171、第3の絶縁膜172を介してゲート配線1121bと交差している。なお、図5(A)及び図5(B)においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
なお、ここでは、図5(C)に示すように、ゲート配線1121bは、画素ごとに形成されており、隣り合う画素に設けられたゲート電極の接続部122a、122bに接続されている。このため、ゲート配線1121bの材料は、特に低抵抗材料である必要はなく、材料の選択の幅が広がる。
また、第3の絶縁膜172上に第4の絶縁膜174が形成され、第4の絶縁膜174上に画素電極1122が形成されている。即ち、第4の絶縁膜174を介して、ゲート配線1121bの一部を画素電極1122が覆ってもよい。画素電極1122が形成される第4の絶縁膜174は、平坦化層で形成されているため、後に画素電極間に充填される液晶材料の配向の乱れを抑制することが可能であり、液晶表示装置のコントラストを向上させることが可能である。
なお、ここでは、第4の絶縁膜174を、ゲート配線1121b及び第3の絶縁膜172の上に形成したが、ゲート配線1121b及びその周辺の第3の絶縁膜172を覆うように設けてもよい。この場合、液滴吐出法や印刷法で部分的に第4の絶縁膜を形成する。この構造の場合、部分的に第4の絶縁膜を形成するため、原材料を削減することが可能であり、低コスト化が可能である。
(実施形態5)
本実施形態では、ゲート配線とソース配線の積層構造の異なるアクティブマトリクス基板について図6を用いて説明する。
図6(A)は、本実施形態における逆スタガ型TFTとゲート配線との積層構造を示す図であり、図6(C)のA−Bの断面構造に相当する。第1の絶縁膜123上には、第4の半導体領域166、ドレイン電極163a、画素電極1132、ゲート配線1133aが形成される。ドレイン電極163aと画素電極1132は絶縁膜を介さないで接続されている。
図6(B)は、ソース配線162b、ゲート配線1133b、ゲート電極の接続部122b、及び画素電極1132の積層構造を示す図であり、図6(C)のC−Dの断面構造に相当する。
図6(B)に示すように、ゲート電極の接続部122b上に第1の絶縁膜123が形成され、第1の絶縁膜123上に、容量配線181、ソース配線162b、ドレイン電極163a、ドレイン電極163aに接続する画素電極1132が形成される。また、容量配線181、ソース配線162b上に第2の絶縁膜1131が形成され、第2の絶縁膜1131上にゲート配線1133bが形成される。即ち、ソース配線、容量配線は、第2の絶縁膜1131を介してゲート配線1133bと交差している。ここでは、第2の絶縁膜1131を液滴吐出法、又は印刷法で形成する。なお、図6(A)及び図6(B)においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
本実施形態では、ソース配線、容量配線と、ゲート配線とが交差する領域にのみ第2の絶縁膜1131を設けている。このため、実施形態4と異なり、一部分にのみ形成しているため、原材料を削減することが可能であり、低コスト化が可能である。
また、ゲート配線1133bと画素電極1132とが重なる領域に第3の絶縁膜を液滴吐出法又は印刷法で形成してよい。この場合、画素電極が形成する領域を拡大することが可能であり、開口率を増加させることが可能である。
(実施形態6)
本実施形態では、ゲート配線とソース配線の積層構造の異なるアクティブマトリクス基板について図7を用いて説明する。
図7(A)は、本実施形態における逆スタガ型TFTとゲート配線として機能する第5の導電層との積層構造を示す図であり、図7(C)のA−Bの断面構造に相当する。
図7(B)は、ソース配線1143b、ゲート配線1145a、1145b、ゲート電極の接続部122b、及び画素電極1142の積層構造を示す図であり、図7(C)のC−Dの断面構造に相当する。
図7(B)に示すように、ゲート電極の接続部122a、122b上に第1の絶縁膜123が形成され、第1の絶縁膜123上に、容量配線1144、ソース配線1143b、ドレイン電極1147、ゲート配線1145a、1145bが形成される。なお、ゲート配線1145a、1145bは、それぞれ第1の絶縁膜123を介してゲート電極の接続部122a、122bに接続されている。なお、図7(A)及び図7(B)においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
また、図7(C)に示すように、ゲート配線1145a、1145bは、各画素にそれぞれ設けられている。ここでは、ゲート配線1145a、1145bとソース配線1143b、ドレイン電極1147、容量配線1144それぞれは、交差していない。このためこれらの電極及び配線を液滴吐出法で形成する場合、同時に形成できるため、量産性を向上させることが可能である。
また、ゲート配線1145a、1145bとソース配線1143b、ドレイン電極1147、容量配線1144の上に第2の絶縁膜171、第3の絶縁膜172が形成され、第3の絶縁膜172上に導電層1146a、1146bが形成される。また、導電層1146bは、第2の絶縁膜171、第3の絶縁膜172を介して、ゲート配線1145a、1145bと接続している。このため、各画素に設けられたゲート配線は、導電層1146a、1146bを介して電気的に接続している。また、ソース配線は、第2の絶縁膜171、第3の絶縁膜172を介して導電層1146a、1146bと交差している。
なお、ここでは、導電層1146a、1146bは、画素ごとに形成されており、隣り合う画素に設けられたゲート電極の接続部122a、122bに接続されている。このため、導電層1146a、1146bの材料の選択の幅が広がる。
また、第3の絶縁膜172上に第4の絶縁膜174が形成され、第4の絶縁膜174上に画素電極1142が形成されている。即ち、第4の絶縁膜174を介して、導電層1146bの一部を画素電極1142が覆っている。画素電極1142が形成される第4の絶縁膜174は、平坦化層で形成されているため、後に画素電極間に充填される液晶材料の配向の乱れを抑制することが可能であり、液晶表示装置のコントラストを向上させることが可能である。
なお、ここでは、第4の絶縁膜174を、導電層1146a、1146b及び第3の絶縁膜172全ての上に形成したが、導電層1146a、1146b及びその周辺の第3の絶縁膜172を覆うように設けてもよい。
(実施形態7)
本実施形態では、ゲート配線とソース配線の積層構造の異なるアクティブマトリクス基板について図8を用いて説明する。
図8(A)は、本実施形態における逆スタガ型TFTとゲート配線との積層構造を示す図であり、図8(C)のA−Bの断面構造に相当する。第1の絶縁膜123上には、ソース配線1153a、第4の半導体領域166、ドレイン電極1157、画素電極1152、ゲート配線1155aが形成される。ドレイン電極1157と画素電極1132は絶縁膜を介さないで接続されている。
図8(B)は、ソース配線1153b、ゲート配線1155a、1155b、ゲート電極の接続部122b、及び画素電極1152の積層構造を示す図であり、図8(C)のC−Dの断面構造に相当する。
図8(B)に示すように、ゲート電極の接続部122b上に第1の絶縁膜123が形成され、第1の絶縁膜123上に、容量配線1154、ソース配線1153b、ドレイン電極1154a、ドレイン電極1157に接続する画素電極1152、ゲート配線1155a、1155bが形成される。また、容量配線1154、ソース配線1153b上に第2の絶縁膜1151が形成され、第2の絶縁膜1151上に導電層1156bが形成される。ゲート配線1155a、1155bは、各画素にそれぞれ設けられている。ここでは、ゲート配線1155a、1155bとソース配線1153b、ドレイン電極1157、容量配線1154それぞれは、交差していない。このため液滴吐出法で形成する場合、同時に形成できるため、量産性を向上させることが可能である。なお、図8(A)及び図8(B)においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
また、導電層1156bは、第2の絶縁膜1151を介して、それぞれゲート配線1155a、1155bと接続している。このため、各画素に設けられたゲート配線は、導電層1156a、1156bを介して電気的に接続している。また、ソース配線、容量配線は、第2の絶縁膜1151を介してゲート配線1155a、1155b及び導電層1156a、1156bと交差している。
本実施形態では、ソース配線、容量配線と、ゲート配線とが交差する領域にのみ第2の絶縁膜1151を設けている。このため、実施形態6と異なり、一部分にのみ形成しているため、原材料を削減することが可能であり、低コスト化が可能である。
また、導電層と画素電極1152とが重なる領域に第3の絶縁膜を液滴吐出法又は印刷法で形成してよい。この場合、画素電極が形成する領域を拡大することが可能であり、開口率を増加させることが可能である。
(実施形態8)
本実施形態では、ゲート配線とソース配線の積層構造の異なるアクティブマトリクス基板について図36を用いて説明する。
図36(A)は、本実施形態における逆スタガ型TFTとゲート配線との積層構造を示す図であり、図36(C)のA−Bの断面構造に相当する。第1の絶縁膜123上には、第4の半導体領域166、ドレイン電極1157、画素電極1152が形成される。ドレイン電極1157と画素電極1152は絶縁膜を介さないで接続されている。また、ゲート電極の接続部722a上の第1の絶縁膜は除去されており、その上にゲート配線1165aが形成されている。このような構造により、ゲート電極の接続部とゲート配線との接触抵抗を低減することが可能である。また、本実施形態のようなゲート電極の接続部722aとゲート配線1165aとの接続構造を、実施形態2乃至実施形態7それぞれに適用することが可能である。
図36(B)は、ソース配線1163b、ゲート配線1165a、1165b、導電層1166b、及び画素電極1152の積層構造を示す図であり、図36(C)のC−Dの断面構造に相当する。
図36(B)に示すように、ゲート電極721a、ゲート電極の接続部722aと同様の工程で形成された導電層1166bが基板表面には、形成されている。また、ゲート電極の接続部722a表面の第1の絶縁膜を除去するときに、導電層1166bの表面上の第1の絶縁膜を除去する。この後、導電層1166b上に第2の絶縁膜1161形成する。このとき、導電層1166bの両端部が露出するように、第2の絶縁膜1161を形成することが好ましい。
次に、第1の絶縁膜上にドレイン電極1157を形成すると同時に、導電層1166b上にゲート配線1165a、1165bを形成し、また同時に第2の絶縁膜1161上にソース配線1163b、容量配線1164を形成する。ここでは、これらの導電層は、交差していない。このため液滴吐出法で形成する場合、同時に形成できるため、量産性を向上させることが可能である。
また、本実施形態では、画素ごとに形成されたゲート配線1165a、1165bが導電層1166a、1166bを介して電気的に接続されている。また、導電層1166b上に形成された第2の絶縁膜1161を介して、ゲート配線とソース配線とが交差している。
本実施形態では、ソース配線、容量配線と、ゲート配線とが交差する領域にのみ第2の絶縁膜1161を設けている。このため、一部分にのみ形成しているため、原材料を削減することが可能であり、低コスト化が可能である。
また、ゲート配線1165a、1165b、容量配線1164、及びソース配線1163a、1163bと画素電極1152とが重なる領域に、第3の絶縁膜を液滴吐出法又は印刷法で形成してよい。この場合、画素電極を形成する領域を拡大することが可能であり、開口率を増加させることが可能である。
(実施形態9)
本実施形態においては、実施形態1における結晶化及びゲッタリング工程の変形例について、図9を用いて説明する。
図9(A)に示すように、実施形態1と同様の工程に従って、第1の導電層221a、222aを形成し、第1の絶縁膜123を形成する。ここで、第1の絶縁膜123とは、実施形態1の第1の絶縁膜と同様の構成であり、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
次に、図9(B)に示すように、実施形態1と同様の工程により、第1の半導体膜124、その上に触媒元素を有する層125、その上に第2の半導体膜132を形成する。
なお、第1の半導体膜124を形成した後、全面あるいは選択的にチャネルドープ工程を行ってもよい。
次に、図9(C)に示すように、実施形態1と同様の工程により、第1の半導体膜と第2の半導体膜とを加熱し、第1の結晶性半導体膜141及び第2の結晶性半導体膜142を形成する。結晶化は半導体の結晶化を助長する金属元素が接した半導体膜の部分でシリサイドが形成され、それを核として結晶化が進行する。
結晶化が進行すると同時に図9(C)の矢印で示すように、第1の半導体膜の結晶化に寄与した触媒元素は第2の半導体膜132に移動されて、ゲッタリングされる。触媒元素の濃度が低減されて第1の結晶性半導体膜141が形成されると共に、ゲッタリング後の触媒元素が移動した第2の半導体膜が結晶化されて第2の結晶性半導体膜142が形成される。
本実施形態では第1の半導体膜上に触媒元素を含む層を形成している。このため、実施形態1と異なり、第1の絶縁膜と第1の半導体膜とを連続成膜することで、第1の半導体膜中の酸素濃度を低減することが可能である。例えば、第1の絶縁膜として、シラン及びアンモニアガスを原料としたCVD法により窒化珪素膜を成膜し、次にアンモニアガスから酸化窒素(N2O)に切り替えてCVD法により、酸化珪素膜を成膜して、第1の絶縁膜を形成する。次ぎに、プラズマを発生させずにシランガスのみをチャンバー内に流す。このことにより、チャンバー内の酸素濃度を低減することが可能である。この後、シランガスを原料としてCVD法により第1の半導体膜を形成することで、酸素濃度の低い第1の半導体膜を形成することが可能となる。
なお、実施形態1乃至実施形態8のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態10)
本実施形態では、実施形態1と同様のゲッタリング工程を経て、チャネル保護型TFTを形成する工程について図10を用いて説明する。
図10(A)に示すように、実施形態1と同様の工程により、第1の導電層221a、222aを形成し、第1の絶縁膜123を形成し、触媒元素を有する層125を形成し、第1の半導体膜124を形成する。次に第1の半導体膜124上に第2の絶縁膜128を形成した後、第2の絶縁膜上に第2のマスク119を形成する。なお、図10においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
ここで第2の絶縁膜128としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等のいずれかの単層で形成された絶縁膜である。また、該絶縁膜を適宜組み合わせて積層構造としてもよい。
第2のマスク119は液滴吐出法または、レーザビーム直接描画装置を用いて形成する。
次に、第2のマスク119を用いて第2の絶縁膜128をエッチングして、図10(B)に示すような、第1の絶縁領域129を形成する。第1の絶縁領域129はチャネル保護層として機能する。
図10(C)に示すように、第1の半導体膜124及び第1の絶縁領域129上に第2の半導体膜132を形成し、実施形態1と同様の工程により第1の半導体膜124および第2の半導体膜132を加熱する。この結果、触媒元素の濃度が低下された第1の結晶性半導体膜141、触媒元素を有する第2の結晶性半導体膜142を形成する。加熱に伴い、図10(D)の矢印で示すように触媒元素はゲッタリングされる。
その後、実施形態1と同様の工程に従ってチャネル保護型TFTを形成することができる。なお、実施形態1乃至実施形態8のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態11)
本実施形態では実施形態12と同様のゲッタリング工程に従いチャネル保護型TFTを作成する方法について図11を用いて説明する。
図11(A)にしめすように、実施形態1と同様の工程に従い、第1の導電層221a、222aを形成し、第1の絶縁膜123を形成し、第1の半導体膜124を形成し、触媒元素を有する層125を形成し、第2の絶縁膜128を形成し、吐出法、またはレーザビーム直描装置を用いて第2のマスク119を形成する。なお、図11においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
次に第2のマスク119を用いて第2の絶縁膜128をエッチングし、図11(B)に示すように、第1の絶縁領域129を形成する。第1の絶縁領域129はエッチング保護膜として機能する。
次に図11(C)に示すように、触媒元素を有する層125及び第1の絶縁領域129上に第2の半導体膜132を形成し、実施形態1と同様の工程により第1の半導体膜および第2の半導体膜を加熱することで、触媒元素の濃度が低減された第1の結晶性半導体膜141、及び触媒元素を有する第2の結晶性半導体膜142を形成する。加熱に伴い、図10(D)の矢印で示すように触媒元素はゲッタリングされる。
その後、実施形態10と同様の工程に従うことで、チャネル保護型TFTを形成することができる。なお、実施形態1乃至実施形態8のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態12)
本実施形態では、ドナー型元素を有する半導体膜の代わりに、希ガス元素を有する半導体膜を用いて触媒元素をゲッタリングしてTFTを形成する工程について、図12を用いて説明する。
図12(A)及び図12(B)に示すように、実施形態1と同様の工程により第1の導電層221aを形成し、第1の絶縁膜123を形成し、触媒元素を有する層125を形成し、第1の半導体膜124を形成する。次いで、第1の半導体膜表面に膜厚1〜5nmの酸化膜を形成してもよい。ここでは、結晶性半導体膜の表面にオゾン水を塗布して酸化膜を形成する。なお、第1の半導体膜124を形成後、チャネルドープ工程を行っても良い。また、図12においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
次に、第1の半導体膜124上にPVD法、CVD法等の公知の手法により希ガス元素を有する第2の半導体膜232を形成する。第2の半導体膜232としては、非晶質半導体膜であることが好ましい。
次に、第1の半導体膜124及び第2の半導体膜232を実施形態1と同様の手法により加熱して、結晶化と共に、図12(C)の矢印で示すように、第1の半導体膜を結晶化した触媒元素を第2の結晶性半導体膜242に移動させて、触媒元素をゲッタリングする。この結果、触媒元素の濃度が低減された第1の結晶性半導体膜241、及び触媒元素を有する第2の結晶性半導体膜242を形成する。この工程により、実施形態1と同様に第1の結晶性半導体膜中の触媒元素がデバイス特性に影響を与えない濃度、即ち膜中の触媒元素濃度が1×1018/cm3以下、望ましくは1×1017/cm3以下とすることができる。
次に、図12(D)に示すように、第2の結晶性半導体膜242を除去した後、導電性を有する第3の半導体膜243を成膜する。ここで、第2の半導体膜としては、珪化物気体にボロン、リン、ヒ素のような13属又は15属の元素を有する気体を加えたプラズマCVD法で成膜する。なお、第3の半導体膜は、非晶質半導体、SAS、結晶性半導体、μcから選ばれたいずれかの状態を有する膜で形成すればよい。なお、第3の半導体膜が導電性を有する非晶質半導体膜、SAS、又はμcのいずれかである場合は、この後、不純物を活性化する加熱処理を行う。一方、第3の半導体膜が導電性を有する結晶性半導体である場合、加熱処理は行わなくとも良い。ここでは、プラズマCVD法により、膜厚100nmのリンが含まれる非晶質珪素膜を成膜した後、550度2時間で加熱して、不純物を活性化する。
次に、図12(E)に示すように、実施形態1と同様の工程により第1の半導体領域252、第2の半導体領域251、第3の導電層153を形成する。次に、感光性材料254を塗布又は吐出した後、感光性材料の一部にレーザ光255を照射して、図12(F)に示すようなマスク260を形成する。
次に、図12(F)に示すように、ソース電極156及びドレイン電極157を形成する。また、実施形態1と同様の工程により、第2の半導体領域及び第1の半導体領域をエッチングしてソース領域及びドレイン領域として機能する第3の半導体領域262、及びチャネル形成領域として機能する第4の半導体領域261を形成することができる。
この後、実施形態1と同様の工程により、逆スタガ型TFT及びアクティブマトリクス基板を形成することができる。本実施形態で形成されるTFTを用いることにより実施形態1と同様の効果を得ることができる。また、実施形態1乃至実施形態8のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態13)
本実施形態では、nチャネルTFTとpチャネルTFTとを同一基板に形成する工程を図13を用いて形成する。
図13(A)に示すように、実施形態1と同様に基板101上に第1の導電層301、302を形成し、第1の導電層上に第1の絶縁膜123、次に、実施形態1と同様の工程により、触媒元素を有する層、第1の半導体膜、及びその上にドナー型元素が含まれる第2の半導体膜を形成する。次に、液滴吐出法又はレーザビーム直接描画装置を用いて形成されたマスクを用いて、第1の結晶性半導体膜及び第2の半導体膜を所望の形状にエッチングして、第1の半導体領域、第2の半導体領域を形成する。なお、図13においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
次に、第1の半導体領域及び第2の半導体領域を加熱して、第2の半導体領域を結晶化すると共に、第2の半導体領域を結晶化した触媒元素を第1の半導体領域に移動させて、触媒元素をゲッタリングする。ここでは、ゲッタリング後の触媒元素が移動した第1の半導体領域を第3の半導体領域313、134と示し、金属元素濃度が低減された第2の半導体領域を第4の半導体領域311、312と示す。なお、第3の半導体領域及び第4の半導体領域は、それぞれゲッタリング工程の加熱により結晶性化されている。
本実施形態では、各半導体領域を形成した後、結晶化及びゲッタリング工程を行ったが、実施形態1のように、各半導体膜のゲッタリング工程を行った後、半導体膜を所望の形状にエッチングして、各半導体領域を形成しても良い。
次に、第3の半導体領域313、134及び第4の半導体領域311、312表面に酸化膜を形成した後、液滴吐出法又はレーザビーム直接描画装置を用いて、図13(B)に示すように、第1のマスク321、第1のマスク322を形成する。第1のマスク321は、後にnチャネル型TFTとなる第3の半導体領域313、第4の半導体領域311の全部を覆っている。一方、第1のマスク322は、後にpチャネル型TFTとなる第3の半導体領域134の一部を覆っている。このとき、第1のマスク322は、後に形成されるpチャネル型TFTのチャネル長よりも狭いことが好ましい。
次に、第3の半導体領域134の露出部に、3族元素(13族元素、以下、アクセプター型元素323と示す。)を添加し、p型不純物領域324を形成する。このとき第1のマスク322に覆われる領域は、n型不純物領域325として残存する。このとき、n型不純物領域となる第3の半導体領域134の2〜10倍の濃度となるようにアクセプター型元素を添加することにより、p型不純物領域を形成することができる。
図20に、p型不純物領域の不純物元素のプロファイルを示す。
図20(A)は、CVD法により、n-領域濃度及びn+領域濃度を有する第2の半導体膜を形成した後、アクセプター型元素を添加したときの、各元素のプロファイルを示す。ドナー型元素のプロファイル150aは図19(A)と同様に、第1の濃度及び第2の濃度を示す。また、アクセプター型元素のプロファイル603は、第2の半導体膜表面付近では、濃度が高く、第4の半導体領域312に近づくにつれ、濃度が減少している。n+領域に含まれるドナー型元素の2〜10倍の濃度のアクセプター型元素を有する領域をp+領域602aと示し、n―領域のドナー型元素の2〜10倍の濃度のアクセプター型元素を有する領域をp―領域602bと示す。
図20(B)は、非晶質半導体、SAS、微結晶半導体、及び結晶性半導体から選ばれたいずれかの状態を有する膜の半導体膜を形成し、イオンドープ法又はイオン注入法により該半導体膜にドナー型元素を添加して、n-領域濃度及びn+領域濃度を有する第2の半導体膜を形成した後、アクセプター型元素を添加したときの、各元素のプロファイルを示す。ドナー型元素のプロファイル150bは図19(A)のドナー型元素のプロファイル150aと同様である。また、アクセプター型元素のプロファイル613は、図20(A)のアクセプター型元素のプロファイル603と同様である。n+領域に含まれるドナー型元素の2〜10倍の濃度のアクセプター型元素を有する領域をp+領域612aと示し、n―領域のドナー型元素の2〜10倍の濃度のアクセプター型元素を有する領域をp―領域612bと示す。
なお、ドナー型元素が含まれる第2の半導体膜は、希ガス元素、代表的にはアルゴンが添加されることにより、結晶格子の歪が形成され、後に行われるゲッタリング工程で、より触媒元素をゲッタリングすることが可能である。
つぎに、第1のマスク321、322を除去した後、第3の半導体領域313及び1アクセプター元素が添加された第3の半導体領域134を加熱して、不純物元素を活性化する。加熱の方法としては、LRTA、GRTA、ファーネスアニール等を適宜用いることができる。ここでは、550度で1時間加熱する。
次に、図13(C)に示すように、実施形態1と同様に、第2の導電層331、332を形成する。次に、マスク333を形成して、図13(D)に示すように、ソース領域及びドレイン領域として機能する第5の半導体領域343、344と、第3の導電層351、352を形成する。次に、マスク333を除去した後第3の導電層351、352及び第5の半導体領域343、344表面上に、パッシベーション膜を成膜することが好ましい。
以上の工程により、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを形成することができる。本実施形態で形成されるTFTを用いることにより実施形態1と同様の効果を得ることができる。また、単チャネルTFTで形成される駆動回路と比較して、低電圧駆動が可能なCMOSを形成することが可能である。更には、ドナー型元素(例えば、リン)と比較してアクセプター型元素(例えば、ボロン)は原子半径が小さいため、比較的低い加速電圧及び濃度で、半導体膜中にアクセプター型元素を添加することが可能である。本実施形態では、アクセプター型元素のみ半導体膜に添加しているため、従来のCMOS回路の作製工程と比較して、短時間で、かつ省エネルギー作製することが可能であり、この結果低コスト化が可能である。
また、実施形態1乃至実施形態8のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態14)
本実施形態では、実施形態13と異なるゲッタリング工程により形成された結晶性半導体膜を有するnチャネル型TFT及びpチャネル型の作製工程について、図14を用いて説明する。
実施形態1に従って、基板101上に第1の導電層301、302を形成し、第1の絶縁膜123を形成する。次に触媒元素を含んだ層を形成し、第1の半導体膜を形成した後、第1の半導体膜表面に数nmの絶縁膜を形成する。次に、液滴吐出法又はレーザビーム直接描画装置を用いて第1のマスクを形成し、第1の結晶性半導体膜を所望の形状にエッチングして、第1の半導体領域401、402、第1の触媒元素領域125a、125bを形成する。図14においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
次に、図14(B)に示すように、第1の半導体領域401、402上に、液滴吐出法又はレーザビーム直接描画装置を用いて、第2のマスク403、404を形成した後、第1の半導体領域の露出部にドナー型元素405を添加する。このとき、ドナー型元素が添加された領域をn型不純物領域406、407と示す。ここでは、イオンドーピング法によりリンを添加する。なお、第2のマスクに覆われた第1の半導体領域には、リンは添加されないが触媒元素は含まれている。
次に、第1の半導体領域を加熱して、第1の半導体領域401、402を結晶化させるとともに、図14(C)の矢印で示すように、第1の半導体領域に含まれる触媒元素を、n型不純物領域406、407に移動させて、触媒元素をゲッタリングする。ここでは、ゲッタリング後の触媒元素が移動した第1の半導体領域をソース領域及びドレイン領域となる第3の半導体領域413、414と示し、金属元素濃度が低減された第1の半導体領域をチャネル形成領域411、412と示す。なお、第3の半導体領域413,414及び第4の半導体領域(チャネル形成領域411、412)は、それぞれゲッタリング工程の加熱により結晶性化されており、また、n型不純物領域406、407中に含まれるドナー型元素は活性化されている。
次に、液滴吐出法又はレーザビーム直接描画装置を用いて、図14(D)に示すように、第3のマスク421、422を形成する。第3のマスク421は、後にnチャネル型TFTとなるチャネル形成領域411及びn型を呈する第3の半導体領域413の全部を覆っている。一方、第3のマスク422は、後にpチャネル型TFTとなるチャネル形成領域412の一部又は全部を覆っている。このとき、第3のマスク422は、後に形成されるpチャネル型TFTのチャネル長よりも狭いことが好ましい。
次に、n型不純物領域である第3の半導体領域414及びチャネル形成領域412の露出部に、アクセプター型元素423を添加し、p型不純物領域424を形成する。このとき、n型不純物領域である第3の半導体領域414の2〜10倍の濃度となるようにアクセプター型元素423を添加することにより、p型不純物領域を形成することができる。
つぎに、第3のマスク421、422を除去した後、n型不純物領域である第3の半導体領域413及びp型不純物領域424を加熱して、不純物元素を活性化する。加熱の方法としては、LRTA、GRTA、ファーネスアニール等を適宜用いることができる。ここでは、550度で1時間加熱する。
次に、図14(E)に示すように、実施形態1と同様に、第5の導電層341、342を形成する。このとき、チャネル形成領域411、412の一部をエッチングしてもよい。次に、第5の導電層341、342及びチャネル形成領域411、412の表面上に、パッシベーション膜を成膜することが好ましい。
以上の工程により、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを形成することができる。本実施形態で形成されるTFTを用いることにより実施形態1と同様の効果を得ることができる。更には、実施形態3と比較して、成膜工程が削減できるため、スループットを向上させることが可能である。
なお、実施形態1乃至実施形態8のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態15)
本実施形態においては、実施形態12を用いてゲッタリング工程を行った結晶性半導体膜を用いてnチャネルTFTとpチャネルTFTとを同一基板に形成する工程を図15を用いて形成する。
実施形態1の工程にしたがって、基板101上に第1の導電層301、302を形成する。次に、実施形態12の工程にしたがって、第1の絶縁膜123、触媒元素を有する層、第1の半導体膜と、希ガス元素を有する第2の半導体膜を形成する。次に、第1の半導体膜及び第2の半導体膜を実施形態1と同様の手法により加熱して、図15(A)の矢印で示すように、第1の半導体膜を結晶化して第1の結晶性半導体膜501を形成するとともに、第1の結晶性半導体膜501に含まれる触媒元素を第2の半導体膜に移動させて、触媒元素をゲッタリングする。触媒元素がゲッタリングされた第1の結晶性半導体膜を501と示す。また、ゲッタリング後の触媒元素が移動した第2の半導体膜も同様に結晶化されているため、第2の結晶性半導体膜502と示す。図15においては、実施形態1で示す絶縁膜123a、123b、123cを、代表して第1の絶縁膜123として示す。
次に、図15(B)に示すように、第2の結晶性半導体膜502をエッチングした後、第1の結晶性半導体膜501表面に数nmの絶縁膜を成膜する。次に、液滴吐出法又はレーザビーム直接描画装置を用いて、第1のマスクを形成して第2の結晶性半導体膜をエッチングして第1の半導体領域511、512を形成する。次に、液滴吐出法又はレーザビーム直接描画装置を用いて、第2のマスク513、514を形成する。第2のマスク513は、後にnチャネル型TFTのチャネル形成領域となる部分を覆っている。一方、第2のマスク514は、後にpチャネル型TFTとなる第1の半導体領域512の全部を覆っている。次に、第1の半導体領域511の露出部にドナー型元素515を添加する。このとき、ドナー型元素515が添加された領域をn型不純物領域516と示す。また、第2のマスク513に覆われた領域はチャネル形成領域517として機能する。
次に、第2のマスク513、514を除去した後、新たに第3のマスク521、522を形成する。第3のマスク521は、後にnチャネル型TFTとなるチャネル形成領域517及びn型を呈する第3の半導体領域(n型不純物領域516)の全部を覆っている。一方、第3のマスク522は、後にpチャネル型TFTのチャネル形成領域となる領域を覆う。
次に、第1の半導体領域512の露出部に、アクセプター型元素523を添加し、p型不純物領域524を形成する。また、第3のマスク522に覆われた領域はチャネル形成領域525として機能する。つぎに、第3のマスク521、522を除去した後、n型不純物領域516及びp型不純物領域524を加熱して、不純物元素を活性化する。加熱の方法としては、LRTA、GRTA、ファーネスアニール等を適宜用いることができる。
次に、図15(D)に示すように、実施形態1と同様に、第5の導電層341、342を形成する。このとき、チャネル形成領域517、525の一部をエッチングしてもよい。次に、第5の導電層341、342及びチャネル形成領域517、525の表面上に、パッシベーション膜を成膜することが好ましい。
以上の工程により、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを形成することができる。本実施形態で形成されるTFTを用いることにより実施形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施形態1乃至実施形態8のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態16)
本実施形態では実施形態13の変形例を用いて、nチャネルTFTとpチャネルTFTとを同一基板に形成する工程を、図16を用いて形成する。
実施形態13にしたがって、図16(A)に示すように、触媒元素及びドナー型元素を有する第3の半導体領域313、314及び第4の半導体領域311、312を形成する。次に、図16(B)に示すように、第1のマスク321を形成した後、第3の半導体領域314にアクセプター型元素323を添加してp型不純物領域601を形成する。このとき、n型不純物領域である第3の半導体領域314の2〜10倍の濃度となるようにアクセプター型元素323を添加することにより、p型不純物領域を形成することができる。また、アクセプター型元素としてボロンを用いた場合、分子半径が小さいため、第3の半導体領域より深いところまで添加される。このため、添加条件によっては、第4の半導体領域の上部にボロンが添加される。この後、第3の半導体領域313及びp型不純物領域601を加熱して、アクセプター型元素及びドナー型元素を活性化する。なお、ここでは、第4の半導体領域312のまでアクセプター元素を添加しないように、ドーピング条件を制御する。
次に、実施形態14にしたがって第2の導電層331、332を形成する。次に、マスクを用いて、第2の導電層331、332、第3の半導体領域313及びp型不純物領域601の露出部をエッチングして、図16(D)に示すようなソース領域及びドレイン領域として機能する第5の半導体領域343、621、及びチャネル形成領域として機能する第6の半導体領域345、622を形成することができる。この後、第5の導電層341、342及び第6の半導体領域345、622の表面上に、パッシベーション膜を成膜することが好ましい。
以上の工程により、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを形成することができる。本実施形態で形成されるTFTを用いることにより実施形態1と同様の効果を得ることができる。更には、実施形態13と同様に、アクセプター型元素のみ半導体膜に添加しているため、従来のCMOS回路の作製工程と比較して、短時間で、かつ省エネルギー作製することが可能であり、この結果低コスト化が可能である
なお、実施形態1乃至実施形態8のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態17)
本実施形態では、上記実施形態において、ゲート電極とソース電極及びドレイン電極との端部の位置関係、即ちゲート電極の幅とチャネル長の大きさの関係について、図17及び図18を用いて説明する。
図17(A)は、ゲート電極202上をソース電極及びドレイン電極の端部がz1だけ重なっている。ここでは、ゲート電極202と、ソース電極及びドレイン電極とが重なっている領域をオーバーラップ領域と呼ぶ。即ち、ゲート電極の幅y1がチャネル長x1よりも大きい。オーバーラップ領域の幅z1は、(y1−x1)/2で表される。このようなオーバーラップ領域を有するnチャネルTFTは、ソース電極及びドレイン電極と、半導体領域との間に、図1(D)で示すようなn+領域とn−領域とを有することが好ましい。この構造により、電界の緩和効果が大きくなり、ホットキャリア耐性を高めることが可能となる。
図17(B)は、ゲート電極202の端部と、ソース電極及びドレイン電極の端部が一致している。即ち、ゲート電極の幅y2とチャネル長x2とが等しい。
図17(C)は、ゲート電極202とソース電極及びドレイン電極の端部とがz3だけ離れている。ここでは、ここでは、ゲート電極202と、ソース電極及びドレイン電極とが離れている領域をオフセット領域と呼ぶ。即ち、ゲート電極の幅y3がチャネル長x3よりも小さい。オフセット領域の幅z3は、(x3−y3)/2で表される。このような構造のTFTは、オフ電流を低減することができるため、該TFTを表示装置のスイッチング素子として用いた場合、コントラストを向上させることができる。
図18(A)は、ゲート電極の幅y4は、チャネル長x4よりも大きい。また、ゲート電極202の第1の端部とソース電極又はドレイン電極の一方の端部とが一致し、ゲート電極202の第2の端部とソース電極又はドレイン電極の他方の端部とがz4だけ重なっている。オーバーラップ領域の幅z4は、(y4−x4)で表される。
図18(B)は、ゲート電極の幅y5は、チャネル長x5よりも大きい。また、ゲート電極202の第1の端部とソース電極又はドレイン電極の一方の端部とが一致し、ゲート電極202の第2の端部とソース電極又はドレイン電極の他方の端部とがz5だけ離れている。オフセット領域の幅z5は、(x5−y5)で表される。ゲート電極202の第1の端部と端部が一致する電極をソース電極とし、オフセット領域を有する電極をドレイン電極とすることで、ドレイン電極付近での電界緩和が可能となる。
さらには、半導体領域が複数のゲート電極を覆ういわゆるマルチゲート構造のTFTとしても良い。この様な構造のTFTも、オフ電流を低減することができる。
なお、実施形態1乃至実施形態16のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態18)
上記実施形態において、チャネル形成領域表面に対して垂直な端部を有するソース電極及びドレイン電極を示したが、この構造に限定されない。図21に示すように、チャネル形成領域表面に対して90度より大きく、180度未満、好ましくは135〜145度を有する端部であってもよい。また、ソース電極とチャネル形成領域表面との角度をθ1、ドレイン電極とチャネル形成領域表面との角度をθ2とすると、θ1とθ2が等しくてもよい。また、異なっていてもよい。このような形状のソース電極及びドレイン電極は、ドライエッチング法により形成することが可能である。
また、図22に示すように、ソース電極とドレイン電極2149a、2149bの端部が湾曲面2150a、2150bを有していても良い。
なお、実施形態1乃至実施形態16のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態19)
本実施形態では、上記実施形態に適用可能な半導体膜の結晶化工程について図23を用いて説明する。
また、図23(A)に示すように、マスクを用いず、液滴吐出法により選択的に触媒元素を有する触媒元素層2805を形成し、次にドナー元素を含んだ第2の半導体膜132を形成し結晶化を行っても良い。図23(B)は、図23(A)の上面図である。また、図23(D)は、図23(C)の上面図である。第1の半導体膜124を加熱すると、図23(C)及び(D)の矢印で示すように、触媒元素層2805と第1の半導体膜124との接触部分から、基板の表面に平行な方向へ結晶成長が発生し、結晶性半導体膜2806を形成する。また、それと同時に矢印の方向に従ってドナー元素を含む半導体膜に触媒元素はゲッタリングをされる。なお、触媒元素層2805から、かなり離れた部分では結晶化は行われず、非晶質部分2807が残存する。
このように、基板に平行な方向への結晶成長を横成長またはラテラル成長と称する。横成長により大粒径の結晶粒を形成することができるため、より高い移動度を有するTFTを形成することができる。
なお、実施形態1乃至実施形態18のいずれかにも、本実施形態を適用することが可能である。