JP4687233B2 - 車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法 - Google Patents
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Description
図1は実施例1の車両制御システムを表すシステム構成図である。実施例1の車両には、車速を検出する車速センサ1と、運転者の操舵トルクを検出するトルクセンサ2と、運転者の操舵角を検出する操舵角センサ7とが設けられている。
実施例1の車両には、運転者の操舵トルク、操舵角速度及び車速に基づいて第2ステアリングシャフトに定常アシストトルクを付与すると共に、後述する過渡アシストトルクを付与するパワーステアリングシステムが搭載されている。このパワーステアリングシステムは、低速CAN通信線100に接続され、車速センサ1、操舵角センサ7、前輪コントローラ4及び後輪コントローラ5から各種信号を送受信する。
実施例1の車両には、ある車速で運転者がある操舵角を発生させた場合には、操舵フィーリングや車両特性としてこの程度のヨーレイトと横加速度を達成するのが最適であるという理論に基づき、前後輪に補助舵角が付与される4輪アクティブステアシステムが搭載されている。すなわち、ヨーレイトセンサや横加速度センサ等によるフィードバック制御系では、運転者の操舵意図を反映したものではなく、実際に発生した車両挙動に基づいて制御を開始するため、応答遅れを生じると共に、運転者の操舵意図に沿った最適な車両特性を得られない。そこで、操舵角と車速に対しフィードフォワード制御によって車両挙動が発生する前に前後輪補助舵角が設定され、素早い応答を確保している。
前輪アクチュエータ41は、ステアリングホイールとラック&ピニオン機構との間のステアリングシャフト上に設けられている。ステアリングシャフトはステアリングホイールに接続された第1ステアリングシャフトと、ピニオンに接続された第2ステアリングシャフトから構成され、前輪側モータ42の駆動により、第1ステアリングシャフトの回転角に対する第2ステアリングシャフトの回転角を加減算可能に制御する。尚、この前輪アクチュエータは周知の技術であるため、説明を省略する。
後輪アクチュエータ51は、左右後輪5aの間に設けられている。左右後輪5aは平行リンクにより連結され、このリンクの一辺を後輪側モータ51により車幅方向に移動させると、平行リンクの弾性変形によって後輪5aに舵角が発生する。尚、この後輪アクチュエータは周知の技術であるため、説明を省略する。
CAN通信線100に接続された後輪コントローラ5では、CAN通信線100に接続された操舵角センサ7からの操舵角情報、及びCAN通信線100に接続された車速センサ1からの車速情報を受信し、目標値演算部504において、この2つの値に基づく目標前輪舵角と目標後輪舵角を演算する。目標前輪舵角は後輪コントローラ5からCAN通信線200を介して前輪コントローラ4に出力される。
(式1)
Tassist(s)=Tdr(s)・〔{Ref(s)/(k×Strg(s))}−1〕+Trk(s)
Tassist(s):過渡アシストトルク量
Tdr(s):定常アシスト込みのドライバの操舵トルク
Trk(s):操舵反力トルク
Ref(s):操舵トルクから操舵角への目標伝達関数
Strg(s):ラック軸推力から操舵角の伝達関数
k:トルクからラック軸力への変換係数
である。
(式2)
Ref(s)=(Gain×ωn 2)/(s2+2ζωns+ωn 2)
ζ:目標減衰係数
ωn:目標固有振動数
Gain:操舵トルク−前輪実舵角の実特性定常ゲイン
である。
(式3)
Gain[rad/Nm]=k[1/m]/(Gain_betaf_4WAS・Gain_Frk)
Gain_betaf_4WAS:単位操舵角あたりの前輪スリップ角ゲイン
Gain_Frk :単位前輪スリップ角あたりのラック反力ゲイン[N/rad]
である。
(式4)
Gain_Frk=((CP1[N/rad]×CT[m])/(NAL[m]×NAL効率))×2(2輪分)×SAT係数
CP1:前輪一輪分のコーナリングパワー
CT:キャスタートレール
NAL:ナックルアーム長
NAL効率:ナックルアームリンク効率
SAT係数:セルフアライニングトルク係数
である。
(式5)
Gain_betaf_4WAS={(Ratio_AFS)/N}−A
A=(Lf/Vx)・(Ratio_AFS×Gain_yaw_front+Ratio_RAS×Gain_yaw_rear)
+(1/Vx)・(Ratio_AFS×Gain_Vy_front+Ratio_RAS×Gain_Vy_rear)
Gain_yaw_front:単位操舵角ヨーレイトゲイン
Gain_yaw_rear:単位後輪舵角ヨーレイトゲイン
Gain_Vy_front:単位操舵角横速度ゲイン
Gain_Vy_rear:単位後輪舵角横速度ゲイン
Ratio_AFS:単位操舵角あたり前輪舵角
Ratio_RAS:単位操舵角あたり後輪舵角
Lf:車両重心と前車軸間の距離
Vx:車速
である。
ここで、本願発明が課題としている現象について説明する。図9は比較例の特性を表す図である。この比較例では、運転者の操舵トルク,車速に基づいてアシストトルクを付与するパワーステアリングシステムを搭載した車両を用いた。図9は、この比較例における車両の操舵トルク周波数に対する操舵角/操舵トルクのゲイン特性を表す。図9に示すように、操舵トルク周波数の特定領域において、車速の上昇と共に操舵トルクに対して操舵角が急激に大きくなる。操舵トルク入力に対する車両挙動のダンピングを良くすることは、操舵トルク入力に対する操舵角のダンピングを良くすることと同意である。なぜなら、操舵角から車両挙動が発生し(車両2輪モデルの運動方程式)、車両挙動から操舵トルクが決まるからである(操舵系の運動方程式)。
次に、過渡アシストトルク制御部の構成について、実施例1と異なる点について説明する。
(式2-1)
Ref(s)=(Gain×ωn 2)/(s2+2ζωns+ωn 2)
ζ:目標減衰係数
ωn:目標固有振動数
Gain:操舵トルク−前輪実舵角の実特性定常ゲイン
である。
(式3-1)
Gain[rad/Nm]=k[1/m]/(Gain_betaf_4WAS・Gain_Frk)
Gain_betaf_RAS:単位操舵角あたりの前輪スリップ角ゲイン
Gain_Frk :単位前輪スリップ角あたりのラック反力ゲイン[N/rad]
である。
(式4-1)
Gain_Frk=((CP1[N/rad]×CT[m])/(NAL[m]×NAL効率))×2(2輪分)×SAT係数
CP1:前輪一輪分のコーナリングパワー
CT:キャスタートレール
NAL:ナックルアーム長
NAL効率:ナックルアームリンク効率
SAT係数:セルフアライニングトルク係数
である。
(式5-1)
Gain_betaf_RAS={1/N}−A
A=(Lf/Vx)・(Gain_yaw_front+Ratio_RAS×Gain_yaw_rear)
+(1/Vx)・(Gain_Vy_front+Ratio_RAS×Gain_Vy_rear)
Gain_yaw_front:単位操舵角ヨーレイトゲイン
Gain_yaw_rear:単位後輪舵角ヨーレイトゲイン
Gain_Vy_front:単位操舵角横速度ゲイン
Gain_Vy_rear:単位後輪舵角横速度ゲイン
Ratio_RAS:単位操舵角あたり後輪舵角
Lf:車両重心と前車軸間の距離
Vx:車速
である。
2 トルクセンサ
3 アシストコントローラ
4 前輪コントローラ
5 後輪コントローラ
7 操舵角センサ
30 パワーステアリングユニット
31 パワーモータ
40 前輪操舵ユニット
50 後輪操舵ユニット
Claims (7)
- 運転者の操舵トルクに基づいてアシストトルクを付与するパワーステアリング手段を備えた車両用操舵制御装置において、
操舵トルクに対する操舵角のゲイン特性が、操舵トルクの周波数が高くなるほど小さくなるように、前記アシストトルクを制御する過渡アシストトルク制御手段を備えたことを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
前記ゲイン特性の目標特性を設定する目標特性設定手段と、
を有し、
前記過渡アシストトルク制御手段は、前記目標特性となるように、前記操舵トルクに基づいて前記アシストトルクを制御することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1または2に記載の車両用操舵制御装置において、
後輪補助舵角を付与する後輪補助舵角付与手段を設け、
前記過渡アシスト制御手段は、前記後輪補助舵角に基づいて過渡アシストトルクを制御することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項3に記載の車両用操舵制御装置において、
前記後輪補助舵角に基づいて、操向輪に作用する反力トルクを推定する反力トルク推定手段を設け、
前記過渡アシストトルク制御手段は、前記反力トルク推定値が小さいほど過渡アシストトルクを小さくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし4いずれか1つに記載の車両用操舵制御装置において、
前輪補助舵角を付与する前輪補助舵角付与手段を設け、
前記過渡アシスト制御手段は、前記前輪補助舵角に基づいて過渡アシストトルクを制御することを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項5に記載の車両用操舵制御装置において、
前記前輪補助舵角に基づいて、操向輪に作用する反力トルクを推定する反力トルク推定手段を設け、
前記過渡アシストトルク制御手段は、前記反力トルク推定値が小さいほど過渡アシストトルクを小さくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 運転者の操舵トルクに基づいてアシストトルクを付与するパワーステアリング機構を備えた車両用操舵制御方法において、
操舵トルクに対する操舵角のゲイン特性が、操舵トルクの周波数が高くなるほど小さくなるように、前記アシストトルクを制御することを特徴とする車両用操舵制御方法。
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JP2005143074A JP4687233B2 (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法 |
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JP2006315632A JP2006315632A (ja) | 2006-11-24 |
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JPH04189678A (ja) * | 1990-11-21 | 1992-07-08 | Nissan Motor Co Ltd | 前輪舵角制御装置 |
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