JP4656776B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、皮膚や毛髪などに用いられる化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚や毛髪を健やかに保つためにこれらが適度な水分を保持することは、美容・健康上においてもきわめて重要なことであり、皮膚や毛髪に用いる化粧料には保湿効果のある物質が添加されている。
【0003】
例えば、化粧水、クレンジングジェル、洗顔料そしてクリームなど様々な形態の化粧料や医薬品などには、保湿性や吸湿性をの改善を目的として、グリセリン、プロピレングリコールおよびソルビトールが添加されている。これらは、保水性、吸湿性に優れる多価アルコールである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、グリセリンやソルビトールが配合された化粧料は、吸湿性および保湿効果に優れてはいるものの、その配合量を多くすると使用時にべたつき感が生じる場合がある。
【0005】
また、同じ多価アルコールでも、プロピレングリコールや1,3−ブチレングリコールが配合された化粧料は、これらの配合量が多くてもべたつき感は比較的少ないが、保湿効果を長時間持続させることは困難である。
【0006】
また、化粧料に対して水酸化カリウムやL−アルギニン、またはその他のアルカリ性成分を添加した場合、適量の酸を配合してpHを調整するのが一般的であるが、配合する酸の種類に関わらず、中性域付近においてはpHが急激に変化する場合が多く、微妙なpH調整を行なうことは容易でない。
【0007】
そこで、この発明の課題は上記した問題点を解決して、皮膚や頭髪などに対してべたつく感じのないように保湿効果があり、しかもアルカリ性成分を添加した場合にもpH調整の容易な保湿性化粧料とすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸もしくはその塩類または両者を必須成分として含有する化粧料としたのである。
【0009】
上記した組成のこの発明に係る化粧料は、親水性と親油性のバランスが保湿性やpH調整のために適当な1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸もしくはその塩類または両者を併用し必須成分として含有することにより、保湿効果に優れpHの緩衝性が抑制された化粧料になり、特にべたつき感が少なく、皮膚や毛髪への保湿効果に優れ、しかもpH調整を容易にすることができる化粧料になる。
【0010】
このような作用を確実に奏する化粧料とするには、下記の式(I)で表わされる1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸またはその塩類を必須成分として含有する化粧料であることが好ましい。
【0011】
【化2】
【0012】
また、式(I)で表わされる1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸またはその塩類の含有量が、0.05〜20重量%であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の化粧料に配合する1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸は、下記の[化3]の式で示される化合物である。
【0014】
【化3】
【0015】
また、前述の[化1]の式に示される1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸塩類は、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸のカルボキシル基のうち、1または2以上が塩を形成したものであり、金属塩、アミノ酸塩、アミン塩のうちの1種または2種以上を混合した混合塩であってもよい。
【0016】
ここでいう金属塩とは、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の塩である。
【0017】
また、アミノ酸塩とは、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の塩である。
【0018】
そして、アミン塩とは、例えばトリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の塩である。
【0019】
この発明においては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸もしくはその塩類または両者併用した物を化粧料全量中に0.01〜20重量%(以下、%と表示)配合することが好ましい。
【0020】
主として化粧料に保湿効果を期待するのであれば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸およびまたはその塩類を化粧料全量中に0.05〜20重量%(以下、%と表示)配合することが特に好ましい。配合量が0.01%以下の化粧料では、保湿効果が得られにくく、20%以上のものでは、べたついてしまう場合があるからである。
【0021】
一方、主として化粧料にpHを調整する目的で配合するのであれば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸およびまたはその塩類を化粧料全量中に0.01〜5%配合することが特に好ましい。配合量が0.01%以下の化粧料ではpH調整をしにくい場合があり、20%以上配合してもその効果はそれほど変わらないことから経済面では不利となる。
【0022】
なお、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸およびまたはその塩類だけで目的とするpHが得られない場合は、必要に応じてクエン酸、乳酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、L−アルギニン、またはトリエタノールアミンなどを配合し、pHを調整すれば良い。
【0023】
この発明の化粧料は、化粧水、乳液、クリーム、メイクアップ料などの皮膚化粧料(医薬部外品を含む)のほか、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアトニックなどの頭髪用化粧料(医薬部外品を含む)として組成物を構成することができる。また、その剤型は任意であり、乳化系、可溶化系、粉末分散系などをとることができる。
【0024】
この発明の化粧料には必要に応じて、水の他、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の低級一価アルコール類、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルチトール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール等の多価アルコール類、植物油、動物油、植物脂等の油脂類、動物性液体ロウ、動物性固体ロウ、植物性固体ロウ、鉱物性固体ロウ等のロウ類、流動パラフィン、ワセリン、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等の炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、金属石ケン類、シリコーン油類、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の活性剤類、タール色素、無機顔料、有機顔料、天然色素などの着色剤類、天然香料、合成香料、調合香料等の香料類、ビタミン、ビタミン誘導体、プロビタミン等のビタミン類、感光素類、動物抽出成分、植物抽出成分等の抽出成分類、紫外線吸収剤類、抗酸化剤類、キレート剤類、緩衝剤類、収斂剤類、中和剤類、防菌剤類、炭水化物類、天然高分子、合成高分子等の高分子類、美白剤類、抗炎症剤類、尿素、トリメチルグリシン、DL−ピロリドンカルボン酸、ポリエチレングリコール、ジグリセリンなどの保湿剤類を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0025】
【実施例および比較例】
〔実施例1、2および比較例1、2〕
表1に示す配合割合(重量%)で化粧水を調製し、pHを測定した。その結果を図1〜2に示した。なお、図1、図2では、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸をBTCAと表示した。
【0026】
【表1】
【0027】
図1、図2の結果からも明らかなように、比較例1、2の化粧水は、pH6.0付近からアルカリの配合量が増加するにつれ、pHが急激に上がり易くなってしまうため、pH6.0以上では微妙なpHの調整は困難であった。
【0028】
一方、実施例1、2の化粧水では、pH6.0を越えても比較例の曲線と比べてなだらかなカーブを描いてpHが上がっていくので、より広いpH範囲で微妙なpH調整が容易に行なえた。
〔実施例3、4および比較例3、4〕
表2に示す配合割合(重量%)で材料を均一に混合して化粧水を調製した。
【0029】
【表2】
【0030】
実施例3、4および比較例3、4に対し、これらの保湿効果を以下に示した方法で評価した。
[保湿効果の評価方法]
実施例および比較例の各化粧水を男女合わせて10人のパネラーに使用させ、その際の官能評価を行なった。評価は次のような基準(4段階)で行い、結果を集計したのち、表3中にまとめた。なお、表中の数字は、パネラーの人数を示している。
◎:保湿効果大(べたつかずに非常にしっとりしている)
○:保湿効果中(べたつかずにしっとりしている)
△:保湿効果小(若干、しっとりしている)
×:まったく保湿効果なし (まったくしっとりしていない)
【0031】
【表3】
【0032】
表3の結果からも明らかなように、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を配合した化粧水は、配合していないものと比較して保湿効果に優れていた。
〔実施例5;乳液〕
表4に示す配合割合(重量%)で乳液を調製した。
【0033】
【表4】
【0034】
〔実施例6;パック化粧料〕
表5に示す配合割合(重量%)でパック化粧料を調製した。
【0035】
【表5】
【0036】
実施例5および6の化粧料は、保湿効果に優れており、潤滑、滑り性の良好な使用感触を有するものであった。
〔実施例7;ヘアリンス〕
表6に示す配合割合(重量%)でヘアリンスを調製した。
【0037】
【表6】
【0038】
実施例7のヘアリンスは、保水、湿潤性に優れたものであり、特に乾燥後に保湿効果を大いに実感できるものであった。
【0039】
【発明の効果】
この発明の化粧料は、以上説明したように、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸もしくはその塩類または両者併用した物を含有する化粧料としたので、皮膚、毛髪等に対してべたつく感じのないように優れた保湿効果があり、しかもアルカリ性成分を添加した場合にもpH調整が容易であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と比較例1に対する水酸化カリウムの配合量とpHの関係を示す図表
【図2】実施例2と比較例2に対するL−アルギニンの配合量とpHの関係を示す図表
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- 2001-08-28 JP JP2001257586A patent/JP4656776B2/ja not_active Expired - Lifetime
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