JP4601541B2 - 可塑性油脂組成物 - Google Patents
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Description
しかし、近年になり小魚の漁獲量が減少し、魚油の生産量が不足してきたことにより、魚硬化油の使用を制限せざるを得ない状況に変わりつつある。そのため、魚硬化油から、ナタネ油、大豆油、パーム油等の植物油脂を代表とする各種の動植物油脂、あるいはこれらの硬化油、分別油への置換が進められている。
例えば、パーム系油脂、ラウリン系油脂及び液状油からなる油脂配合物をエステル交換した油脂(例えば特許文献1参照)や、総飽和脂肪酸含量、炭素数12以下の飽和脂肪酸含量及び炭素数20以上の飽和脂肪酸含量をそれぞれ特定範囲とした油脂組成物をランダムエステル交換した油脂であって特定の融点及び硬さを有する油脂組成物(例えば特許文献2参照)、パーム分別軟質油を非選択的エステル交換して得られた油脂を含んでなることを特徴とする可塑性油脂(例えば特許文献3参照)、あるいは、構成脂肪酸組成において炭素数14以下の飽和脂肪酸含量が50〜70質量%であり炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が20〜35質量%である油脂配合物を、ランダムエステル交換した油脂を含有する可塑性油脂組成物(例えば特許文献4参照)が提案されている。
また、本発明は、上記可塑性油脂組成物を使用したクリーム類及び焼菓子類を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の可塑性油脂組成物に用いられる「上記エステル交換油脂に使用するパーム分別軟部油」及び「上記パームステアリン」は、ともにトランス酸を実質的に含有しないため、必要に応じ上記油脂配合物に使用する「その他の油脂」(パーム分別軟部油以外の油脂)及び必要に応じ油相中に使用する「その他の油脂」として、水素添加油脂を使用しないことにより、トランス酸を含まずとも適切なコンステンシーを有する可塑性油脂組成物とすることができる。
また、本発明の可塑性油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させてもさせなくても構わない。
なお、上記用途における本発明の可塑性油脂組成物の使用量は、使用用途により異なるものであり、特に限定されるものではない。
ヨウ素価51のパーム油を、パーム油:アセトン=1:2の質量比率で50℃にて混合溶解し、混合物とした。この混合物を1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却した後、結晶部(ステアリン画分)を濾別して液状部を得た。該液状部から常法によりアセトンを除去し、続いて常法に従い脱色、脱臭し、ヨウ素価55のパーム分別軟部油を得た。このパーム分別軟部油100%からなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Aを得た。なお、油脂配合物に含まれる油脂を構成する脂肪酸組成において、多価不飽和脂肪酸の占める割合は10質量%であった。
ヨウ素価51のパーム油を、パーム油:ヘキサン=1:2の質量比率で50℃にて混合溶解し、混合物とした。この混合物を1℃/分の冷却速度で5℃まで冷却した後、結晶部(ステアリン画分)を濾別して液状部を得た。該液状部から常法によりヘキサンを除去し、続いて常法に従い脱色、脱臭し、ヨウ素価55のパーム分別軟部油を得た。このパーム分別軟部油100%からなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Bを得た。なお、油脂配合物に含まれる油脂を構成する脂肪酸組成において、多価不飽和脂肪酸の占める割合は10質量%であった。
ヨウ素価51のパーム油を、パーム油:アセトン=1:2の質量比率で50℃にて混合溶解し、混合物とした。この混合物を1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却した後、結晶部(ステアリン画分)を濾別して液状部を得た。該液状部から常法によりアセトンを除去し、続いて常法に従い脱色、脱臭し、ヨウ素価60のパームスーパーオレインを得た。このパームスーパーオレイン100%からなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Cを得た。なお、油脂配合物に含まれる油脂を構成する脂肪酸組成において、多価不飽和脂肪酸の占める割合は13質量%であった。
ヨウ素価51のパーム油を、パーム油:アセトン=1:2の質量比率で50℃にて混合溶解し、混合物とした。この混合物を1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却した後、結晶部(ステアリン画分)を濾別して液状部を得た。該液状部から常法によりアセトンを除去し、続いて常法に従い脱色、脱臭し、ヨウ素価55のパーム分別軟部油を得た。このパーム分別軟部油と、ハイエルシン菜種極度硬化油脂を80:20で混合した油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Dを得た。なお、油脂配合物に含まれる油脂を構成する脂肪酸組成において、多価不飽和脂肪酸の占める割合は8質量%であった。
ヨウ素価51のパーム油を、パーム油:アセトン=1:2の質量比率で50℃にて混合溶解し、混合物とした。この混合物を1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却した後、結晶部(ステアリン画分)を濾別して液状部を得た。該液状部から常法によりアセトンを除去し、続いて常法に従い脱色、脱臭し、ヨウ素価55のパーム分別軟部油を得た。このパーム分別軟部油と、ハイエルシン菜種極度硬化油脂を50:50で混合した油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Eを得た。なお、油脂配合物に含まれる油脂を構成する脂肪酸組成において、多価不飽和脂肪酸の占める割合は5質量%であった。
ヨウ素価51のパーム油を、パーム油:アセトン=1:2の質量比率で50℃にて混合溶解し、混合物とした。この混合物を1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却した後、液状部(オレイン画分)を濾別して結晶部を得た。該結晶部から常法によりアセトンを除去し、続いて漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、ヨウ素価33のパームステアリンを得た。
製造例6で得られたパームステアリン100%からなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行ない、パームステアリンのエステル交換油脂を得た。
エステル交換油脂A52質量部、パームステアリン13質量部、大豆液状油35質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物1を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に52質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.25質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で32%、20℃で19%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂B52質量部、パームステアリン13質量部、大豆液状油35質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物2を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に52質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.25質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で32%、20℃で19%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂B52質量部、パームステアリンのエステル交換油脂13質量部、大豆液状油35質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物3を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に52質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.25質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で35%、20℃で22%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂A52質量部、エステル交換油脂C12質量部、パームステアリン13質量部、大豆液状油23質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物4を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に64質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.20質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で37%、20℃で21%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂D52質量部、エステル交換油脂C12質量部、パームステアリン13質量部、大豆液状油23質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物5を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に64質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.20質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で38%、20℃で24%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂C64質量部、パームステアリン13質量部、大豆液状油23質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物6を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に64質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.20質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で35%、20℃で18%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂C64質量部、パームステアリン6質量部、大豆液状油30質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物7を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に64質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.09質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で30%、20℃で14%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂C75質量部、パームステアリン10質量部、大豆液状油15質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物8を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に75質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.13質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で37%、20℃で18%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂A100質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物9を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に100質量%含有し、且つ、油相中にパームステアリンを含有しないものであった。また、油相のSFCは10℃で43%、20℃で23%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂C100質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物10を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に100質量%含有し、且つ、油相中にパームステアリンを含有しないものであった。また、油相のSFCは10℃で39%、20℃で17%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂C90質量部、パームステアリン5質量部、大豆液状油5質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物11を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に90質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.06質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で39%、20℃で18%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂C45質量部、パームステアリン25質量部、大豆液状油30質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物12を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に45質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.56質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で37%、20℃で22%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂E52質量部、パームステアリン13質量部、大豆液状油35質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物13を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に含有しないものであった。また、油相のSFCは10℃で45%、20℃で28%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
豚脂45質量部、パームステアリン25質量部、大豆液状油30質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物14を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に含有しないものであった。また、油相のSFCは10℃で34%、20℃で23%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
エステル交換油脂C64質量部、パームステアリン22質量部、大豆液状油14質量部からなる油相を、70℃まで加温して完全に溶解し混合した後、−30℃/分の冷却速度で急冷可塑化し、ショートニングタイプの可塑性油脂組成物16を製造した。得られた可塑性油脂組成物は、ヨウ素価が52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に64質量%含有し、且つ、油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.34質量部の比率で含有するものであった。また、油相のSFCは10℃で42%、20℃で23%であり、トランス酸含量は2質量%未満であり、トランス酸を実質的に含有していなかった。
また、同様に、25℃に調温し、25℃の環境下において、卓上ミキサーでビーターを使用し、高速でクリーミングし、クリーミング開始から3分後の比重を測定し、クリーミング性、及び、ダマの有無について下記評価基準に従って評価を行なった。
さらに、25℃3分間クリーミングした油脂組成物については、更に、25℃の水を100gずつ投入混合し、水を抱き込めなくなった点をもって包水量とし、下記評価基準に従って評価を行なった。
◎ 3分後の比重が0.40未満
○ 3分後の比重が0.40以上0.50未満
△ 3分後の比重が0.50以上0.60未満
× 3分後の比重が0.60以上
◎ 全くダマは見られなかった
× ダマの発生が見られた
◎ 包水量が1500g以上
○ 包水量が1000g以上1500g未満
△ 包水量が500g以上1000g未満
× 包水量が400g以下
実施例1〜8及び比較例1〜7それぞれで得られたショートニングタイプの可塑性油脂組成物1〜15を比重0.35になるまでクリ−ミングしたもの100質量部に、転化糖液糖35質量部及びラム酒2.5質量部を混合し、低速で1分混合し、実施例9〜16及び比較例8〜14のバタークリームをそれぞれ得た。
◎ 大変良好
○ 良好
△ やや劣る
× 不良
◎ さっぱりとしてみずみずしく、キレがある。
○ さっぱりとしているが、ややキレが劣る。
△ やや油っぽさを感じる。
× 油っぽく、キレが悪い。
◎ 離水がなく、保型性も全く問題なし。
○ やや離水が見られるが、保型性は全く問題なし。
△ 離水があり、保型性もやや悪い。
× 離水が激しく、保型性も悪い。
実施例1〜8及び比較例1〜7それぞれで得られたショートニングタイプの可塑性油脂組成物1〜15を用いて、次の配合及び製法により、実施例17〜24及び比較例15〜21のワイヤーカットクッキーをそれぞれ製造した。
薄力粉100質量部、砂糖40質量部、全卵15質量部、食塩1質量部、重炭安1質量部、重曹1質量部、水10質量部、可塑性油脂組成物55質量部
卓上ミキサー(ケンウッドミキサー)に可塑性油脂組成物及び砂糖を投入し、軽く混合した後、最高速で7分クリーミングした。次いで、あらかじめ全卵、水、食塩及び重炭安を混合した水相を少しずつ加えて攪拌・混合し、さらに薄力粉及び重曹を加えた後、低速で1分混合してワイヤーカットクッキー生地を得た。得られたワイヤーカットクッキー生地を、厚さ7ミリ、直径4センチの丸型にワイヤーカット成型し、オーブン(フジサワ社製)で180℃にて10分焼成した後、25℃で40分冷却し、包装した。
◎ サクサク感が極めて良好である。
○ サクサク感が良好である。
△ やや硬く、重い食感である。
× 硬く、重い食感である。
◎ 大変良好
○ 良好
△ やや劣る
× 不良
また、上記表2の結果から明らかなように、上記可塑性油脂組成物1〜8を使用したクリーム類(実施例9〜16)は、口溶け、油性感、耐熱保型性の全てにおいて良好であった。
また、上記表3の結果から明らかなように、上記可塑性油脂組成物1〜8を使用した焼菓子類(実施例17〜24)は、ショートネス性、口溶けの全てにおいて良好であった。
また、比較例4の油脂組成物(ヨウ素価52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含有する油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に50質量%未満しか含有しない油脂組成物)は、クリーミング性も包水性も悪く、該油脂組成物を使用して得られたクリーム類(比較例11)は、口溶けや油性感がやや劣るものであり、焼菓子類(比較例18)に使用した際のショートネス性及び口溶けも不良であった。
また、比較例6の油脂組成物(ヨウ素価52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含有する油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を含有しない油脂組成物)は、クリーミング性、包水性がやや劣るものであることに加え、該油脂組成物を使用して得られたクリーム類(比較例13)の口溶けや油性感がやや劣り、さらには、焼菓子類(比較例20)に使用した際のショートネス性及び口溶けの点で、やや劣るものであった。
また、比較例7の油脂組成物(ヨウ素価52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含有する油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を50〜80質量%含有するものの、パームステアリンを該エステル交換油脂1質量部に対し0.3質量部を超えて含有する油脂組成物)は、クリーミング性や包水性が不良であり、該油脂組成物を使用して得られたクリーム類(比較例14)の口溶けや耐熱保型性は良好であるが、油性感はやや不良であり、さらには、焼菓子類(比較例21)に使用した際の口溶けもやや悪く、ショートネス性は極めて劣るものであった。
Claims (8)
- ヨウ素価52〜75のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換したエステル交換油脂を、油相中に50〜80質量%含有し、且つ、該油相中に該エステル交換油脂1質量部に対しパームステアリンを0.08〜0.3質量部の比率で含有することを特徴とする可塑性油脂組成物。
- 上記油脂配合物に含まれる油脂を構成する脂肪酸組成において、多価不飽和脂肪酸の占める割合が20質量%未満であることを特徴とする請求項1記載の可塑性油脂組成物。
- 上記パーム分別軟部油が、パームスーパーオレインであることを特徴とする請求項1又は2記載の可塑性油脂組成物。
- 上記パーム分別軟部油が、アセトンを使用して分別されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
- 合成乳化剤を含有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
- クリーミング用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可塑性油脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の可塑性油脂組成物を使用したクリーム類。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の可塑性油脂組成物を使用した焼菓子類。
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