JP2015202099A - 複合菓子用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅広い組合せの複合菓子においてブルームを抑制することができ、口どけのよい複合菓子を得ることのできる複合菓子用油脂組成物を得ること。
【解決手段】トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油分基準で10〜50質量%含有することを特徴とする複合菓子用油脂組成物により上記課題を解決できる。前記複合菓子用油脂組成物は、炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを油分基準で0.1〜10質量%含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、幅広い組み合わせの複合菓子のブルームを抑制することができ、口どけのよい複合菓子を得ることのできる複合菓子用油脂組成物に関する。
クッキー、ビスケット等の焼菓子とナッツ類、チョコレート等を組み合わせたいわゆる複合菓子は、一度に複数の味を楽しむことができ、また素材の選択によってバテエティに富んだ菓子を作ることができることから、広く親しまれているものである。
このような複合菓子には、製造工程上の違いから、クッキー生地、ビスケット生地等の焼菓子生地を焼成した後にチョコレート等をコーティングしたりサンドしたりすることで得られる「焼成後複合タイプ」と、クッキー、ビスケット等の焼菓子生地へナッツ類、あるいはチョコレート類を配合し、その後焼成することで得られる「焼成前複合タイプ」に分けることができる。
どちらのタイプの複合菓子も、流通過程や保存中に焼菓子の表面が白い粉をふき斑点状になる白色化現象がしばしば発生し、また、チョコレート類のブルーム現象を伴う場合がある。この様な現象は、そのメカニズムが未だ明確にはされていないが、複合菓子に用いられる各油脂製品間の、油分中の特定成分のマイグレーションとそれに伴う油脂結晶の成長によって引き起こされるものと推定され、このような現象を生じると商品価値が著しく低下する。このような共通する課題に対して、「焼成後複合タイプ」と「焼成前複合タイプ」では異なるアプローチで改善が図られている。
「焼成後複合タイプ」では、クッキーやビスケットが焼成工程を経ているのに対し、チョコレート等は焼成工程を経ていないため、複合時は比較的成分が安定した状態にある。しかし、素材間の成分差が大きいため経日的にクッキー等からチョコレートへ液状油の移行が起きる(マイグレーション)。そこで、液状油の移行を抑えるため、高融点のトリグリセリドを含有させる方法が報告されている。
たとえば、トリグリセリドを構成する3個の脂肪酸残基のうち、少なくとも1個が炭素数20〜24の飽和脂肪酸である二飽和一不飽和型混酸基トリグリセリドを10重量%以上含有する油脂からなる焼菓子用油脂のマイグレーション抑制剤(特許文献1)、構成脂肪酸全体中、飽和脂肪酸が30重量%以上であり、且つC24(リグノセリン酸)以上の飽和脂肪酸量が3〜30重量%で、且つマイグレーション抑制用添加剤中のトランス脂肪酸含量が2重量%以下であるマイグレーション抑制用添加剤(特許文献2)が挙げられる。
一方で「焼成前複合タイプ」では、全体が焼成されているためにすでにある程度油分の移行が進行している。そこで、「焼成後複合タイプ」とは逆にマイグレーションを促進させることで品質を安定させるアプローチが開示されている。
たとえば、油脂を30重量%以上含有し、該油脂のSFCが10℃で5〜35%、20℃で3〜20%で、40℃で0〜5%である油脂性素材配合ベーカリー食品練り込み用油脂組成物(特許文献3)、ヨウ素価52〜70のパーム分別軟部油を70質量%以上含む油脂配合物をエステル交換した油脂を、油相中に80〜100質量%含有する油脂性素材配合焼菓子練り込み用油脂組成物(特許文献4)などが挙げられる。
上記の方法では一定の効果が見られるものの、高融点油脂を多く含有させてマイグレーションの抑制を図る場合には口どけの悪化が避けられず、またマイグレーションを促進する方法は、組み合わせる素材によってはべとつきが生じる場合があり、用途が限定されるものであった。
また、最近ではチョコチップやナッツインクッキーにチョコレートをコーティングしたり、サンドするといった新しい複合菓子も見られるようになっており、従来の技術では十分に対応できないケースも多くなっていた。
このように、実質的に「焼成後複合タイプ」、「焼成前複合タイプ」のいずれでも幅広く使用でき、口どけのよい複合菓子を製造できる可塑性油脂を得るには多くの課題が残されていたのが現状である。
特開昭63−126457号公報 特開2010−220482号公報 特開2004−16096号公報 特開2007−143433号公報
よって本発明の目的は、幅広い組合せの複合菓子においてブルームを抑制することができ、口どけのよい複合菓子を得ることのできる複合菓子用油脂組成物を得ることにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく種々検討した結果、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が一定以上のトリグリセリドを特定量含有する場合、自由な油脂移行を保ちつつも、移行が進行した場合であってもブルームを効果的に抑制できることを知見した。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明はトリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油分基準で10〜50質量%含有することを特徴とする複合菓子用油脂組成物である。
本発明によれば、幅広い組み合わせの複合菓子のブルームを抑制することができ、口どけのよい複合菓子を得ることができる。
先ず、本発明の複合菓子用油脂組成物について詳細に説明する。
本発明の複合菓子用油脂組成物は、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油分基準で10〜50質量%含有するものであり、好ましくは13〜40質量%、より好ましくは15〜35質量%である。最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドの含有量が、10質量%よりも少ないと本発明の効果が見られず、また50質量%よりも多くなると逆にブルームが発生しやすくなってしまう。
なお、本発明において油分とはトリグリセリドを表すものとし、油相とは油分の他、油溶性の成分もあわせたものとする。
最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドとしては、例えばラウリン酸残基とパルミチン酸残基をそれぞれ1つ以上有するトリグリセリド、オレイン酸残基とベヘン酸残基をそれぞれ1つ以上有するトリグリセリド、ミリスチン酸残基とステアリン酸残基をそれぞれ1つ以上有するトリグリセリド等が挙げられる。最大鎖長差が4以上であれば、飽和脂肪酸残基、不飽和脂肪酸残基は特に区別する必要はない。
上記の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドは、天然に存在するトリグリセリドの他、エステル交換により得ることができる。上記の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドをエステル交換により得る方法としては、例えば炭素数12以下の脂肪酸残基を多く含有する油脂、炭素数16〜18の脂肪酸残基を多く含有する油脂、及び、構成脂肪酸組成において炭素数20〜22の脂肪酸残基を多く含有する油脂のうちの2種または3種以上の油脂をエステル交換する方法を挙げることができる。なお、その際に油脂の一部を脂肪酸又は脂肪酸アルコールエステルに置換してもよい。
上記エステル交換は、化学的触媒による方法でも、酵素による方法でもよい。また、ランダムエステル交換反応であっても、位置選択性のエステル交換反応であってもよいがランダムエステル交換反応であることが好ましい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記位置選択性のない酵素としては、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
上記構成脂肪酸組成において炭素数12以下の脂肪酸残基を多く含有する油脂としては、例えばヤシ油、パーム核油、ババス油及びこれらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の1種又は2種以上の処理を施した油脂が挙げられる。
上記炭素数16〜18の脂肪酸残基を多く含有する油脂としては、例えばパーム油、パームオレイン、パームステアリン、パーム中部油等のパーム系油脂や、大豆油、ナタネ油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、キャノーラ油、コーン油、カカオ脂、魚油、乳脂、牛脂、豚脂、鯨油等の各動植物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別及びエステル交換等の物理的または化学的処理の中から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。
上記炭素数20〜22の脂肪酸残基を多く含有する油脂としては、例えばハイエルシンナタネ極度硬化油及び魚極度硬化油を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
また本発明の複合菓子用油脂組成物は、上記最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドのなかでも、炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを含有することが好ましい。本発明の複合菓子用油脂組成物における炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドの好ましい含有量は油分基準で0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.3〜4質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドの含有量が0.1質量%よりも少ないと本発明の効果が十分に見られない場合があり、また10質量%よりも多くなるとチョコチップクッキー等の焼成前複合型の複合菓子において効果が見られなくなる場合がある。
本発明の複合菓子用油脂組成物は、炭素数14以下の脂肪酸残基を5〜40質量%、炭素数16〜18の脂肪酸残基を40〜80質量%含有し、さらに炭素数14以下の脂肪酸残基1質量部に対する炭素数20〜22の脂肪酸残基の含有量が0.05〜0.5質量部である油脂配合物をランダムエステル交換して得られたエステル交換油脂(以下、エステル交換油脂Xということもある)を含有することが好ましい。該ランダムエステル交換油脂を使用することにより、上記の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドのうちの、炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドの含有量が最適範囲である複合菓子用油脂組成物を簡単に得ることができる。
本発明の複合菓子用油脂組成物における上記エステル交換油脂Xの含有量は、油分基準で5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは20〜60質量%である。
上記油脂配合物は、炭素数14以下の脂肪酸残基を多く含有する油脂、及び上記炭素数20〜22の脂肪酸残基を多く含有する油脂、さらに必要に応じ、上記構成脂肪酸組成における炭素数16〜18の脂肪酸を多く含有する油脂を用いて、これらの油脂を上記構成脂肪酸組成となるように配合することにより得ることができる。
上記炭素数14以下の脂肪酸残基を多く含有する油脂としては、例えばヤシ油、パーム核油、ババス油及びこれらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の1種又は2種以上の処理を施した油脂が挙げられる。
上記エステル交換油脂Xは、上記油脂配合物をランダムエステル交換して得ることができる。
このエステル交換反応は、化学的触媒による方法でも、酵素による方法でもよく、常法に従って行うことができる。上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が用いられる。
また、上記酵素としては、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土やセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
上記エステル交換油脂Xを使用することにより、上記の最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドのうちの、炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドの含有量が最適範囲である複合菓子用油脂組成物を簡単に得ることができることから、複合菓子用油脂組成物を効率よく改質することのできるブルーム抑制剤としても利用することが可能である。
本発明の複合菓子用油脂組成物は、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリド含量が油分基準で10〜50質量%である範囲内において、上記以外のその他の食用油脂を使用することができる。その他の食用油脂としては、食用に適する油脂であればよく、例えばパーム油、パームオレイン、パームステアリン、パーム中部油等のパーム系油脂や、大豆油、ナタネ油、ハイエルシン菜種油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、キャノーラ油、コーン油、パーム核油、ヤシ油、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等が挙げられ、さらに、これらの食用油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的または化学的処理の1または2以上の処理を施した加工油脂を使用することもできる。本発明においては、これらの油脂は単独で用いることもでき、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の複合菓子用油脂組成物に含まれる油分含量は、下記その他の成分に含有される油脂分も含め、好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは60〜100質量%である。複合菓子用油脂組成物に含まれる油分含量が50質量%より少ないと、焼菓子生地の配合が大きく制約を受ける場合があるほか、最終的に得られる複合菓子におけるブルーム抑制効果が安定しない場合があるため好ましくない。
本発明の複合菓子用油脂組成物には、その他の成分を含有させることができる。
その他の成分としては、例えば、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、クエン酸、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白等の植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
上記の乳化剤として、例えばグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム及びポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化成分が挙げられる。
本発明の複合菓子用油脂組成物では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。上記合成乳化剤及び又は天然乳化成分の配合量は、特に制限はないが、本発明の複合菓子用油脂組成物中、油脂組成物基準で好ましくは0.01〜3%、さらに好ましくは0.1〜1.5%である。
上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の複合菓子用油脂組成物は、可塑性を有することが好ましい。
また水相を含有するマーガリンタイプでも水相を含有しないショートニングタイプでもどちらでもよいが、水分が50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。また乳化物である場合には、その乳化形態は、油中水型、及び二重乳化型のいずれでも構わない。
本発明の複合菓子用油脂組成物は、油相のSFCが、好ましくは10℃で20〜60%、20℃で10〜40%、さらに好ましくは10℃で20〜50%、20℃で10〜20%となるように調整するのがよい。SFCが10℃で20%未満、又は20℃で10%未満であると、複合菓子用油脂組成物が軟らかいため、良好な物性が得られにくい。一方、SFCが10℃で60%を超える、又は20℃で40%を超えると、複合菓子用油脂組成物として硬すぎて使用しにくい。
上記のSFCは、次のようにして測定する。即ち、油相を60℃に30分保持し、油脂を完全に融解し、そして0℃に30分保持して固化させる。さらに、25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度に順次30分保持後、SFCを測定する。
本発明の複合菓子用油脂組成物は、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを組成物中の油分基準で10〜50質量%になりうる量を含有する油相を溶解した後、必要に応じ水相を添加して乳化したのち、冷却し、結晶化させることにより製造される。
詳しくは、本発明の複合菓子用油脂組成物は、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油相基準で10〜50質量%となりうる量で、且つ、炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを組成物中に油相基準で0.1〜10質量%になりうる量を含有させ、さらにその他の食用油脂を添加し油相を調製する。
そしてこの油相を加熱溶解し、必要により、水にその他の成分を添加した水相を調製し、油相に添加し、乳化する。
そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、冷却し、必要により可塑化する。本発明において、冷却条件は好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上とする。
冷却に用いる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、本発明の複合菓子用油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
次に本発明の複合菓子について述べる。
本発明の複合菓子は、上記複合菓子用油脂組成物を練り込み油脂として用いたクッキー、ビスケット等の焼菓子とナッツ類、チョコレート等を組み合わさったものをいい、好ましくは焼菓子とチョコレートが組み合わさったものである。
上記複合菓子は、クッキー生地、ビスケット生地等の焼菓子生地を焼成した後にチョコレート等をコーティングしたりサンドしたりすることで得られる「焼成後複合タイプ」であってもよく、クッキー、ビスケット等の焼菓子生地へナッツ類、あるいはチョコレート類を配合し、その後焼成することで得られる「焼成前複合タイプ」であってもよい。さらには、焼菓子生地とナッツ類/チョコレートを複合し焼成した後、さらにナッツ類/チョコレートを複合したものであってもよい。
上記焼菓子生地としては、例えばパウンドケーキ生地、フルーツケーキ生地、マドレーヌ生地、バウムクーヘン生地、カステラ生地等のバターケーキ生地、アイスボックスクッキー生地、ワイヤーカットクッキー生地、サブレ生地、ラングドシャクッキー生地等のクッキー生地等が挙げられる。これらの焼菓子生地はシュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法等、公知の方法によって製造することができる。
上記の焼菓子生地を製造する際に用いる複合菓子用油脂組成物の使用量は、特に制限はなく、焼菓子の種類により決定されるものであり、特に限定されるものではないが、おおよそ菓子生地中に10〜40質量%である。
上記ナッツ類としては、ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ピーカンナッツ、オーナッツ、マカデミアナッツ、ブラジルナッツ、ココナッツ、松、けし、ひまわり等の種実や堅果、それらのホール品・割物品・スライス品、それらを用いたペースト・ピューレ等の加工品等が挙げられる。
本発明で用いることのできるチョコレートとは、カカオマスやココアパウダーなどのカカオ成分を含有し、さらに粉乳等の各種粉末食品、油脂類、糖類、乳化剤、香料、色素等の中から選択した原料を任意の割合で混合し、常法によりロール掛け、コンチング処理して得たものを意味する。なお、もちろん、気相や水相を含有するものであってもよい。
ここで使用する各種粉末食品としては、例えば脱脂粉乳、全粉乳、果実粉末、果汁粉末、生クリーム粉末、チーズ粉末、コーヒー粉末、ヨーグルト粉末等が例示される。各種粉末食品を使用する場合、その配合量は、チョコレート中、好ましくは0.5〜60質量%、さらに好ましくは1〜50質量%である。
このとき使用する油脂類としては、カカオバター、その他の動植物性油脂及びこれらの分別油、硬化油、エステル交換油等を単独でもしくは混合して使用するものであり、好ましくはテンパリング型のものである。油脂の配合量は、チョコレート中、好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。
このとき使用する乳化剤は特に限定されず、必要に応じて粘度上昇を抑制する目的でレシチン、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等を添加することができる。乳化剤の配合量は、チョコレート中、好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
つぎに本発明の複合菓子における複合方法について、焼菓子/焼菓子生地とチョコレートを例に説明する。
焼成後複合タイプの複合菓子では、チョコレートをフィリング用、サンド用、トッピング用、コーティング用、エンローバー用として焼菓子と組合わせたり、砕いた焼き菓子をチョコレート中に埋め込む方法が挙げられる。また、焼成前複合タイプの複合菓子では、チップ形状のチョコレートを焼菓子生地に混合して組合わせたりする方法等を挙げることができる。
最後に本発明の複合菓子におけるブルーム抑制方法について説明する。
本発明のブルーム抑制方法は、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油分基準で10〜50質量%含有する複合菓子用油脂組成物を複合菓子用として使用するものである。
複合菓子用油脂組成物は、好ましくは、上記最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドとして炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを油分基準で0.1〜10質量%含有する。
なお、上記複合菓子用油脂組成物の使用量は、複合菓子の種類により決定されるものであり、特に限定されるものではないが、おおよそ菓子生地中に1〜40質量%となるように使用する。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら制限されるものではない。
エステル交換油脂の製造
<エステル交換油脂Iの製造>
ヨウ素価60のパームスーパーオレインを、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Iを得た。
<エステル交換油脂IIの製造>
ヨウ素価55のパーム分別軟部油を、ナトリウムメチラートを触媒として、非選択的エステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂IIを得た。
<エステル交換油脂IIIの製造>
ヨウ素価1のパーム極度硬化油55質量部と、パーム核油45質量部を混合した油脂配合物に、ナトリウムメチラートを触媒として添加し、ランダムエステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂IIIを得た。
<エステル交換油脂IVの製造>
ナタネ油83質量部とヨウ素価1のパーム極度硬化油5質量部とハイエルシン菜種極度硬化油12質量部とからなる油脂配合物を、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂IVを得た。
<エステル交換油脂Vの製造>
パーム油70質量部とパーム核油24質量部とハイエルシン菜種極度硬化油6質量部とからなる油脂配合物Vを、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂Vを得た。
上記油脂配合物V中、炭素数14以下の脂肪酸残基は23質量%、炭素数16〜18の脂肪酸残基は74質量%含まれていた。また、炭素数14以下の脂肪酸残基1質量部に対する炭素数20〜22の脂肪酸残基の含有量は、0.12質量部であった。
<エステル交換油脂VIの製造>
パーム核油80質量部とハイエルシン菜種極度硬化油20質量部とからなる油脂配合物VIを、ナトリウムメチラートを触媒として、ランダムエステル交換反応を行なった後、漂白(白土3%、85℃、0.93kPa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、0.4kPa以下の減圧下)を行ない、エステル交換油脂VIを得た。
上記油脂配合物VI中、炭素数14以下の脂肪酸残基は67質量%、炭素数16〜18の脂肪酸残基は26質量%含まれていた。また、炭素数14以下の脂肪酸残基1質量部に対する炭素数20〜22の脂肪酸残基の含有量は、0.11質量部であった。
〔実施例1〕
エステル交換油脂Iを40質量部、エステル交換油脂IVを25質量部、エステル交換油脂Vを35質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する複合菓子用油脂組成物Aを得た。
複合菓子用油脂組成物Aは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを27質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを1.2質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は35質量%であった。
〔実施例2〕
エステル交換油脂Iを40質量部、エステル交換油脂IIIを10質量部、エステル交換油脂Vを30質量部、ナタネ油20質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する複合菓子用油脂組成物Bを得た。
複合菓子用油脂組成物Bは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを27質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを1.0質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は30質量%であった。
〔実施例3〕複合菓子用油脂組成物C
エステル交換油脂Iを50質量部、エステル交換油脂IVを36質量部、エステル交換油脂Vを14質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する複合菓子用油脂組成物Cを得た。
複合菓子用油脂組成物Cは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを18質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを0.48質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は15質量%であった。
〔実施例4〕
エステル交換油脂Iを20質量部、エステル交換油脂Vを55質量部、ナタネ油を25質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する複合菓子用油脂組成物Dを得た。
複合菓子用油脂組成物Dは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを33質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを1.9質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は55質量%であった。
〔実施例5〕
エステル交換油脂Iを40質量部、エステル交換油脂IIIを20質量部、ナタネ油を40質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する複合菓子用油脂組成物Eを得た。
複合菓子用油脂組成物Eは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを17質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを0質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は0質量%であった。
〔実施例6〕
エステル交換油脂Iを40質量部、エステル交換油脂IIIを10質量部、エステル交換油脂Vを20質量部、ナタネ油30質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する複合菓子用油脂組成物Fを得た。
複合菓子用油脂組成物Fは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを21質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを0.7質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は20質量%であった。
〔実施例7〕
エステル交換油脂Iを75質量部、エステル交換油脂VIを25質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する複合菓子用油脂組成物Gを得た。
複合菓子用油脂組成物Gは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを23質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを4.8質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は0質量%であった。
〔比較例1〕
エステル交換油脂IIを70質量部、ナタネ油を30質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する油脂組成物Hを得た。
油脂組成物Hは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドが4質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを0質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は0質量%であった。
〔比較例2〕
エステル交換油脂Iを40質量部、エステル交換油脂IIを30質量部、ナタネ油を21質量部、ハイエルシン菜種極度硬化油を4質量部、パーム核油を5質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する油脂組成物Iを得た。
油脂組成物Iは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドが7質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを0質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は0質量%であった。
〔比較例3〕
エステル交換油脂IIを66質量部、エステル交換油脂Vを4質量部、ナタネ油を30質量部及びレシチン0.1質量部からなる油相を65℃に加熱溶解後、急冷可塑化し、可塑性を有する油脂組成物Jを得た。
油脂組成物Jは、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを6質量%、また炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを0.14質量%含有するものであった。またエステル交換油脂Xの含有量は4質量%であった。
得られた油脂組成物A〜Jを用いてチョコチップクッキーとチョココーティングクッキーを製造した。
<チョコチップクッキーの製造>
15℃に調温した油脂組成物(上記油脂組成物A〜Jのいずれか)35質量部と上白糖45質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、軽く混合した後、高速で7分間クリーミングした。ついで、低速で混合しながら、30秒かけて水15質量部を添加、さらに1分混合した。さらに、あらかじめ混合して篩っておいた小麦粉100質量部、ベーキングパウダー1質量部の混合物を添加、低速で1分混合した。最後にチョコレートチップ60質量部を投入し、低速で30秒混合した。ここで得られたチョコチップ配合ワイヤーカットクッキー生地を、厚さ7ミリ、直径48ミリの丸型にワイヤーカット成型した。成型したクッキー生地をオーブン(フジサワ社製)で190℃にて13分焼成後、25℃にて40分冷却し、チョコチップクッキーA〜J(英字は使用した油脂組成物に対応)を得た。
<チョココーティングクッキーの製造>
15℃に調温した油脂組成物(上記油脂組成物A〜Jのいずれか)45質量部と上白糖45質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、軽く混合した後、高速で7分間クリーミングした。ついで、低速で混合しながら、30秒かけて水15質量部を添加、さらに1分混合した。さらに、あらかじめ混合して篩っておいた小麦粉100質量部、ベーキングパウダー1質量部の混合物を添加、低速で1分混合した。ここで得られたワイヤーカットクッキー生地を、厚さ7ミリ、直径48ミリの丸型にワイヤーカット成型した。成型したビスケット生地をオーブン(フジサワ社製)で190℃にて13分焼成後、25℃にて40分冷却し、ワイヤーカットクッキーA〜J(英字は使用した油脂組成物に対応)を得た。
一方、砂糖44.6質量部、カカオマス25質量部、カカオバター30質量部、レシチン0.4質量部からなる配合にて、常法に従い、溶解し、ロール掛け、コンチング処理し、テンパー型チョコレートを得た。
続いてテンパリングしたチョコレートを、上記ワイヤーカットクッキーA〜Jそれぞれに対し3倍量をエンローバーして貼り合わせ、チョココーティングクッキーA〜J(英字は使用した油脂組成物に対応)を製造した。
<保存安定性試験>
得られたチョコチップクッキーとチョココーティングクッキーを25℃で保温し、保存安定性試験を行った。
保存試験においては、25℃保存14日後、28日後、60日後、120日後、180日後の各段階において、クッキー部分の白色化及びチョコレート部分(チョコチップ部分又はチョココーティング部分)のブルームについて、下記評価基準に従って4段階で評価した。それらの結果を[表1]に示した。
なお、14日後の段階においてのみクッキー部分の食感について下記評価基準に従って4段階で評価した。それらの結果を[表1]に示した。
チョコチップクッキーの評価
(クッキー部分の白色化評価)
◎:白色化なし
〇:表面にやや色ムラあり
△:若干白色化
×:白色化あり
(チョコチップ部分のブルーム評価)
◎:ブルームなし
○:やや艶がない
△:若干ブルームあり
×:ブルームあり
(クッキーの口どけ)
◎:非常に良好
○:良好
△:やや口どけが悪い
×:口どけが悪い
チョココーティングクッキーの評価
(クッキー部分の白色化評価)
◎:白色化なし
〇:表面にやや色ムラあり
△:若干白色化
×:白色化あり
(コーティングチョコレート部分のブルーム評価)
◎:ブルームなし
○:やや艶がない
△:若干ブルームあり
×:ブルームあり
(クッキーの口どけ)
◎:非常に良好
○:良好
△:やや口どけが悪い
×:口どけが悪い
Figure 2015202099

Claims (4)

  1. トリグリセリドを構成する脂肪酸残基のうち、最大鎖長差が4以上であるトリグリセリドを油分基準で10〜50質量%含有することを特徴とする複合菓子用油脂組成物。
  2. 炭素数14以下の脂肪酸残基と炭素数20〜22の脂肪酸残基を少なくとも一つずつ有するトリグリセリドを油分基準で0.1〜10質量%含有する、請求項1記載の複合菓子用油脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の複合菓子用油脂組成物を用いて製造された複合菓子。
  4. 請求項1又は2記載の複合菓子用油脂組成物を使用する、複合菓子のブルーム抑制方法。

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