JP4491574B2 - Hdd用サスペンション及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステンレス基体上に絶縁樹脂層を有する積層体を用いて製造されるHDD用サスペンション及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、インターネットの普及等によりパーソナルコンピューターの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴い、パーソナルコンピューターに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。HDDに用いられる磁気を読み取るヘッドを支持しているサスペンションといわれる部品も、従来の金ワイア等の信号線を接続するタイプから、高密度化等の対応のための、ステンレスのばねに直接銅配線等の信号線が形成されている、いわゆるワイヤレスサスペンションといわれるものへと移行しつつある。
【0003】
このようなワイヤレスサスペンションの製造方法としては、特開平8−45213号公報等に開示されるように、ステンレス等のバネ性金属層に感光性ポリイミド等を用いてパターニングされた絶縁層を形成し、その後セミアディティブ法等により絶縁層上に信号線を形成する方法が提案されている。しかしながら、このような方法でワイアレスサスペンションを製造した場合、導体形成をポリイミドの加工後に行う必要があるため、信号線と磁気ヘッドもしくは他の回路部材との接続のため、導体部分のみが他の構成材料の支えなしで存在する、いわゆるフライングリードと呼ばれる部位を形成することが困難であるなど、サスペンションの設計上制約を生じやすいという問題がある。
【0004】
このような問題点を解決するため、特開平9−293222号公報等にはステンレス等のばね性金属層/絶縁層/導電層を有する積層板を用い、ばね性金属層及び導電層に所定のパターンを施した後、絶縁層をプラズマエッチングにより除去する磁気ヘッド用サスペンションの製造方法が提案されている。このような方法であれば、フライングリードの形成が容易であり、サスペンションの設計上制約が生じにくいという利点がある。しかしながら、このようなプラズマエッチングに代表されるドライエッチング法はドライエッチングの工程が、枚様式であり、しかも真空プロセスであることが多く、生産性が非常に悪い上に装置コストも非常に高いという欠点がある。それにもかかわらず、プラズマエッチングが広く行なわれてきたのには、それ以外の方法であると既存の積層体ではポリイミドのパターニングが出来ないという事情がある。
【0005】
このドライエッチング法を代替する方法として、従来からポリイミド系材料のウェットエッチング加工方法が検討されており、それに用いられる材料が要望されてきた。しかしながら、HDD用サスペンション等の製造に用いられる従来から提案されてきたポリイミド系樹脂と金属との積層材料に用いられるポリイミド系樹脂としては、毒性の高いヒドラジン等の有機アルカリには比較的良好なエッチング性を示すものも開示されているが、毒性の低いアルカリ水溶液で十分なエッチング速度を示すものは開示されていない。アルカリ水溶液を用いたウェットエッチング法により良好なエッチング速度を示す材料として、デュポン社のカプトンや鐘淵化学工業株式会社のアピカル等の市販のポリイミドフィルムが例示できるが、これらのポリイミドフィルムはガラス転移温度が高く、単独では金属等に十分な接着性を示さないため、そのままでは導体回路を必要とするHDD用サスペンション等には適用できないという問題がある。
【0006】
また、これらのポリイミドフィルム上にスパッタリング法やメッキ法等により銅等の金属層を形成する方法が提案されているが、これらの材料はやはり金属とポリイミドフィルム間の接着力が十分ではなく、寸法安定性にも劣るという問題がある。また、HDD用サスペンションに必要なステンレス層を本方法で形成することは実質的に不可能である。このような背景から、HDD用サスペンション等を製造するためのアルカリ水溶液による絶縁樹脂層のウェットエッチング加工可能で、金属と良好な接着力を有する積層体及びそれを用いて製造されるHDD用サスペンションが切望されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これまでポリイミド系樹脂による積層体に要求されてきた耐熱性及び熱処理による寸法安定性などの特性を保持し、更に金属箔と絶縁樹脂層との接着性が良好で、かつ、アルカリ水溶液によるウエットエッチング加工が可能なポリイミド系樹脂を絶縁樹脂層とする積層体を用いて製造されるHDD用サスペンションを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記積層体を使用し、この絶縁樹脂層をアルカリ水溶液によるウエットエッチング加工する方法を提供すると共に、HDD用サスペンションの製造方法を提供することにある。
【0008】
【発明が解決するための手段】
本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、積層体における絶縁樹脂層の層構成を工夫し、更に、絶縁樹脂層の金属箔と接する層に特定の特性のものを用い、更にその積層体をHDD用サスペンションの製造に適用することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、ステンレス基体上に絶縁樹脂層及び金属箔層が順次積層された積層体であり、絶縁樹脂層が複数層のポリイミド系樹脂層からなり、絶縁樹脂層を構成するすべての層が、80℃、50wt%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度の平均値が0.5μm/min以上であり、かつ、絶縁樹脂層のステンレス基体及び金属箔層と接する層がガラス転移温度300℃以下のポリイミド系樹脂層(B)であり、ポリイミド系樹脂層(B)とステンレス基体、及びポリイミド系樹脂層(B)と金属箔層との接着力が0.5kN/m以上である積層体を、加工して得られるものであることを特徴とするHDD用サスペンションである。ここで、上記加工前の積層体の絶縁樹脂層中に、少なくとも1層の線熱膨張係数が30×10-6/℃以下の低熱膨張性ポリイミド系樹脂層(A)を有することが好ましい。また、積層体の加工が、ウェットエッチングプロセスにより絶縁樹脂層をパターニングする工程を必須の工程として含むものであることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、ステンレス基体上に絶縁樹脂層及び金属箔層が順次積層された積層体であり、絶縁樹脂層が複数層のポリイミド系樹脂層からなり、絶縁樹脂層を構成するすべての層が、80℃、50wt%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度の平均値が0.5μm/min以上であり、かつ、絶縁樹脂層のステンレス基体及び金属箔層と接する層がガラス転移温度300℃以下のポリイミド系樹脂層(B)であり、ポリイミド系樹脂層(B)とステンレス基体、及びポリイミド系樹脂層(B)と金属箔層との接着力が0.5kN/m以上である積層体を使用し、この絶縁樹脂層をウェットエッチングプロセスによりパターニングする工程を必須の工程として有することを特徴とするHDD用サスペンションの製造方法である。ここで、ウェットエッチングプロセスによるパターニングをpHが9以上の塩基性薬液を用いて行うことが有利である。また、このパターニングを2〜1800秒の範囲で行うことも有利である。更に、このパターニングを20〜100℃で塩基性薬液を用いて行うことも有利である。ここで、加工前の積層体の絶縁樹脂層を構成する前記ポリイミド系樹脂層(B)は、ジアミノ化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるものであり、テトラカルボン酸二無水物の50モル%以上がピロメリット酸二無水物、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び後記する一般式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種又は2種以上のテトラカルボン酸二無水物であり、ジアミノ化合物の50モル%以上が1,3-ビス-(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、後記する一般式(2)及び一般式(3)で示されるジアミノ化合物から選ばれる1種又は2種のジアミノ化合物である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のHDD(ハードディスクドライブ)用サスペンションの製造に用いられる積層体は、ステンレス基体上に、複数層のポリイミド系樹脂層からなる絶縁樹脂層と金属箔層が順次積層されてなるものである。
【0012】
本発明に用いられる積層体の構成要素であるステンレス基体は、ステンレスでさえあれば特に制限されるものではないが、サスペンションに必要なばね特性や寸法安定性の観点から、好ましくはSUS304であり、より好ましくは300℃以上の温度でテンションアニール処理が施されたSUS304である。ステンレス基体の好ましい厚さ範囲は10〜70μm、より好ましくは15〜30μmである。
【0013】
本発明に用いられる積層体の構成要素である金属箔は、厚さ3〜20μmの銅箔、銅合金箔などが好ましいものとして挙げられる。銅合金箔とは、銅とニッケル、シリコン、亜鉛、ベリリウム等の異種の元素からなる合金箔で、銅含有率80%以上のものをいう。
これらステンレス基体及び金属箔については接着力等の改良を目的として、化学的あるいは機械的な表面処理を施してもよい。
【0014】
本発明に用いられる積層体の構成因子である絶縁樹脂層は、複数層のポリイミド系樹脂層からなり、少なくともステンレス基体及び金属箔層と接する層がガラス転移温度300℃以下のポリイミド系樹脂層(B)である。ポリイミド系樹脂層(B)は、ガラス転移温度300℃以下である必要があり、好ましくは200〜250℃である。ガラス転移温度が高過ぎると接着性が劣ったり、エッチング速度が劣ったりする。ガラス転移温度が低すぎると耐熱性が劣るものとなる。
【0015】
絶縁樹脂層の好ましい層構成としては、ポリイミド系樹脂層(B)と共に線熱膨張係数が30×10-6/℃以下の低熱膨張性ポリイミド系樹脂層(A)を有する層構成がある。ポリイミド系樹脂層(A)は、線熱膨張係数が30×10-6/℃以下である必要があり、好ましくは10×10-6〜25×10-6/℃である。線熱膨張係数が高すぎると加工後のHDDサスペンション(HDDサスペンションブランク等を含む)の平坦性の確保が困難となる。
なお、ポリイミド系樹脂層が、ポリイミド系樹脂層(A)及びポリイミド系樹脂層(B)の両者の要件を満足する場合も考えられるが、この場合は、上記したガラス転移温度又は線熱膨張係数の好ましい範囲のいずれか一方のみの要件を満足すれば、満足するポリイミド系樹脂層として扱い、それ以外の場合は、ポリイミド系樹脂層(A)として扱う。
【0016】
本発明で使用する積層体が、絶縁樹脂層の層構造中にポリイミド系樹脂層(A)を含む場合、好ましい層構造はポリイミド系樹脂層(B)/ポリイミド系樹脂層(A)/ポリイミド系樹脂層(B)の3層構造が例示される。しかし、ステンレス基体及び金属箔層に接するポリイミド系樹脂層が、ポリイミド系樹脂層(B)であればよく、その間に1又は2以上のポリイミド系樹脂層(A)又はポリイミド系樹脂層(B)が存在してもよく、必要によりその他の樹脂層(C)が存在してもよい。しかし、その他の樹脂層(C)を存在させる場合、エッチング特性や耐熱性の点で、ポリイミド樹脂であることが有利である。また、複数のポリイミド系樹脂層(A)又はポリイミド系樹脂層(B)が存在する場合、そのポリイミド系樹脂は、本発明の条件を満たす限り、同一であっても異なってもよい。
【0017】
ステンレス基体及び金属箔と接するポリイミド系樹脂層(B)の1層の厚さの好ましい範囲は0.5〜7μmであり、更に好ましくは0.5〜5μmである。この厚さを越えると積層体全体の低熱膨張性維持の観点から好ましくなく、平坦性の保持が困難となる。
また、絶縁層の少なくとも1層に低熱膨張性ポリイミド系樹脂層(A)を有する場合、その層の好ましい厚さ範囲は、3〜75μmであり、更に好ましくは5〜50μmである。この厚さを越えるとポリイミド系樹脂溶液を塗工法により塗布、乾燥させる場合の乾燥効率が低下する。しかし、ポリイミド層(A)に予め準備したポリイミドフィルムを用い、熱圧着によって積層体を製造する場合、この厚さ範囲は上記値ほど厳密なものでない。なお、ポリイミド樹脂層全体の好ましい厚みは4〜60μmであり、更に好ましくは、4〜30μmである。ポリイミド樹脂層全体の厚みがこの値より大きくなると、サスペンションとしてのばね特性に影響を与える恐れがある上に、ポリイミドをエッチング加工した際のパターニング精度が低下し、この値よりも小さい場合にはポリイミド絶縁層の絶縁信頼性が低下する恐れがある。
【0018】
また、ポリイミド系樹脂層(A)を有する場合、絶縁樹脂層中のポリイミド系樹脂層(B)とポリイミド系樹脂層(A)厚みの比、(B)/(A)の範囲は、0.05〜1、好ましくは0.1〜0.5の範囲がよい。この値が大きくなりすぎると絶縁樹脂層全体の熱膨張係数が高くなり、ステンレス基体、金属箔又はポリイミド絶縁層をエッチングした際の寸法精度が悪くなったり、平坦性が劣ったりする。
【0019】
本発明に用いられる積層体におけるポリイミド系樹脂層と金属箔との接着力及びポリイミド系樹脂層とステンレス基体との接着力は、何れも0.5kN/m以上であることが必要であり、好ましくは1.0〜5.0kN/mの範囲であることがよい。ここで、接着力とは、常温(25℃)における180°ピール強度で表される数値を表す。接着力が0.5kN/mに満たないと、後工程で金属箔の剥がれなどが発生し易くなる。この接着力は、金属箔及びステンレス基体の表面状態なども影響するが、主にポリイミド系樹脂層(B)によって定まるので、ポリイミド系樹脂層(B)となるポリイミド系樹脂を適宜選択する。
【0020】
積層体を構成する絶縁樹脂層は、複数層のポリイミド系樹脂層からなるが、絶縁樹脂層を構成するすべての層の、80℃、50wt%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度の平均値が0.5μm/min以上である必要がある。エッチング速度が0.5μm/minに満たない場合は、良好なエッチング形状が得られない、アルカリ水溶液等のポリイミドエッチング液に対するレジストの耐性が十分でない、生産効率の低下を招くなどの問題が発生する。ポリイミド系樹脂層(A)を使用する場合、このエッチング速度は、0.5μm/min以上、好ましくは2.0μm/min以上、より好ましくは4.0μm/min以上であり、ポリイミド系樹脂層(B)のエッチング速度は、0.5μm/min以上、好ましくは1.0μm/min以上である。エッチング速度の値が高いほうが良好なエッチング形状が得られ好ましい。また、良好なエッチング形状を得るには、各層のエッチング速度の比率を若干変化させることが好ましく、ポリイミド系樹脂層(A)と(B)エッチング速度の比(A)/(B)は1.05〜20程度、好ましくは2〜10程度であることが有利である。
なお、本発明でいうエッチング速度、ガラス転移温度、接着力及び線膨張係数の測定方法の詳細は、後記実施例に記載した方法による。
【0021】
絶縁樹脂層となるポリイミド系樹脂層を構成するポリイミド系樹脂は、公知の方法で合成されるものや、市販のポリイミド系樹脂フィルムがあるが、本発明で要求される特性を示すものを得るためには、ジアミノ化合物とテトラカルボン酸二無水物類とを反応させて得られるものが好ましい。ここで、テトラカルボン酸二無水物類とは、テトラカルボン酸、その酸塩化物等を含み、ジアミノ化合物と反応して、ポリイミド系樹脂を形成し得るものなどが挙げられるが、テトラカルボン酸二無水物がポリアミック酸の合成の容易さから好ましい。なお、ポリイミド系樹脂とはポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド、ポリベンズイミダゾールイミドなどの構造中にイミド基を有するポリマーからなる樹脂をいう。
【0022】
絶縁樹脂層の少なくとも1層を構成するポリイミド系樹脂層(B)形成のために使用されるジアミノ化合物又はテトラカルボン酸二無水物類は、比較的接着力の高いポリイミド系樹脂を与えると知られている公知のジアミノ化合物又はこれを主とするジアミノ化合物混合物と、テトラカルボン酸二無水物類又はこれを主とするテトラカルボン酸二無水物類を用いることができる。
【0023】
好ましいテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び下記一般式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種又は2種以上のテトラカルボン酸二無水物又はこれらを50モル%以上、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80%モル以上含むテトラカルボン酸二無水物の混合物が挙げられる。
【化4】
(式中、Xは置換基を有し得る炭素数2〜30の直鎖状又は分岐状の2価の脂肪炭化水素基を示す)
【0024】
ここで、式(1)中のXは炭素数が2〜30の直鎖状又は分岐状の2価の脂肪炭化水素基を表し、主鎖や側鎖にハロゲン基や芳香環などの官能基が置換していてもよい。また、式(1)中のXの炭素数が多くなるほど、ガラス転移温度が低くなる傾向にあり、ガラス転移点が高くなるピロメリット酸二無水物などと併用する場合には有効であるが、逆にXの炭素数が多くなり過ぎた場合は耐熱性を落とすことから、好ましくは炭素数が2〜20の範囲で、更に好ましくは2〜10の範囲のアルキレン基(アルキリデン基を含む)である。
【0025】
上記3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物は単独で使用してもよいが、ピロメリット酸二無水物と併用することで良好なエッチング性が得られる。ただし、ピロメリット酸二無水物の使用量が多いとポリイミド樹脂のガラス転移温度を高くする傾向にあることからその使用量は、全テトラカルボン酸二無水物の80モル%以下、有利には30〜60%の範囲で使用することが好ましい。この場合、テトラカルボン酸二無水物として、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び式(1)で示される無水トリメリット酸テトラカルボン酸系二無水物の使用量は、全テトラカルボン酸二無水物の20モル%以上、有利には40〜70モル%の範囲である。
【0026】
上記以外のその他のテトラカルボン酸二無水物を使用することも可能であり、その他のテトラカルボン酸二無水物としては、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物などが挙げられるが、これらのテトラカルボン酸二無水物を多量に用いると、得られるポリイミド樹脂のアルカリ水溶液によるウェットエッチング性を著しく損なうことから、これらを使用する場合、その使用量の好ましい範囲は全テトラカルボン酸二無水物中、30モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。
【0027】
好ましいジアミノ化合物1,3-ビス-(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、下記一般式(2)及び下記一般式(3)で示されるジアミノ化合物から選ばれる1種又は2種のジアミノ化合物又はこれらを50モル%以上、好ましくは70モル%以上含むジアミノ化合物の混合物が挙げられる。
【化5】
(式中、Z〜Z3は独立に水素原子又は炭素数が1〜3のアルキル基を示し、Yは置換基を有し得る炭素数が1〜5の直鎖状又は分岐状の2価の脂肪族炭化水素基を示す)
【化6】
(式中、R1は独立に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はハロゲンを示す)
【0028】
なお、上記式(2)に示されるジアミノ化合物において、Z〜Z3は水素原子、炭素数が1〜3のアルキル基を表すが、水素原子又はメチル基が好ましく、また、Yは炭素数が1〜5の置換基を有し得る2価の脂肪族炭化水素基を表すが、メチレン又はエチレン基が好ましい。また、上記式(3)に示されるジアミノ化合物において、R1は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はハロゲンを表すが、水素又はメチル基が好ましい。
【0029】
ジアミノ化合物として、上記式(3)で表される化合物を選定する場合は、これらジアミノ化合物の使用量が多くなるとポリイミド系樹脂のガラス転移温度が高くなるため、ステンレス基体や金属箔に熱圧着をすることが困難となり、接着力が低下する傾向にある。したがって、その使用量はジアミノ化合物全体の80モル%以下、好ましくは60モル%以下とすることがよい。また、上記式(3)で表されるジアミノ化合物とピロメリット酸二無水物とを併用する場合には、ガラス転移温度が更に高くなりやすくなるため、両者の使用量を多くしないことがよい。
【0030】
なお、上記以外のジアミノ化合物も使用可能であり、例えば4,4'-ジアミノ-2,2'-ジメチルビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィドなどのジアミノ化合物が挙げられる。しかし,これらの使用量は50モル%以下、好ましくは10モル%以下にとどめることがよい。
【0031】
本発明に用いられる積層体の絶縁樹脂層において、上記ポリイミド系樹脂層(B)以外の層を有することが好ましいが、この場合の樹脂層は、80℃、50%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度が0.5μm/min以上のポリイミド系樹脂層であることを除けば特に限定されるものではないが、好ましくは、線熱膨張係数が30×10-6/℃以下の低熱膨張性ポリイミド系樹脂層(A)を用いることがよい。この低熱膨張性ポリイミド系樹脂は、多数の文献や特許で知られているジアミノ化合物及びテトラカルボン酸化合物の組合せによって調合してもよく、また市販されているようなポリイミド系樹脂フィルムを使用してもよい。
【0032】
ここで、線熱膨張係数の値は、樹脂フィルムを250℃に昇温後、5℃/分で冷却して240℃から100℃までの平均の線熱膨張係数を特定することによって求められる。なお、線熱膨張係数を、簡略化のため単に熱膨張係数ともいう。具体的には、線熱膨張係数は、イミド化反応が十分に終了した試料を用い、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、250℃まで昇温し、更にその温度で10分保持したのち、5℃/分の速度で冷却して240℃から100℃までの平均熱膨張率を線熱膨張係数として求めることができる。
【0033】
ポリイミド系樹脂層(A)を構成するポリイミド系樹脂の合成に使用されるテトラカルボン酸二無水物類に制限はないが、好適なものとしてはピロメリット酸二無水物が挙げられる。ピロメリット酸二無水物を全テトラカルボン酸二無水物の60モル%以上、更に好ましくは80モル%以上使用することによって、アルカリ水溶液によるエッチング性と低熱膨張性を有効に発現させることができる。
【0034】
その他のテトラカルボン酸二無水物類として、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物などが挙げられるが、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物などは低吸湿化などに対し有効である反面、著しくアルカリ水溶液によるエッチング性を損なうことから使用する場合の使用量としては全テトラカルボン酸二無水物の40モル%以下がよく、有利には5〜20モル%の範囲であることが好ましい。その他、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物なども使用可能であるが、使用する場合は、低熱膨張係性の観点から全テトラカルボン酸二無水物類中の50モル%以下が好ましく、有利には5〜30モル%の範囲であることがよい。
【0035】
低熱膨張性ポリイミド系樹脂の合成に使用されるジアミノ化合物の好適なものとしては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、1,3-ビス-(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノ-2'-メトキシベンズアニリドなどが挙げられ、特に低熱膨張性を発現させるものとして、パラフェニレンジアミン、4,4'-ジアミノ-2'-メトキシベンズアニリドなどが有効である。また、4,4'-ジアミノ-2,2'-ジメチルビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノ化合物もアルカリ水溶液によるエッチング性をさほど落とすことがなく低熱膨張性を発現させることから有効であり、更にこれらジアミノ化合物は低吸湿化などの効果が期待できる。
【0036】
この他に、例えば2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィドなどのジアミノ化合物を組み合わせてもよいが、特に2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニルなどは少量の添加で著しくアルカリ水溶液によるエッチング性を損なうため添加量に制限を受ける。
【0037】
本発明に用いられる絶縁樹脂層を構成するポリイミド系樹脂層に使用するポリイミド樹脂は、公知の方法で製造することができる。例えば、ほぼ等モルのテトラカルボン酸類とジアミノ化合物を原料として、溶媒中、反応温度0〜200℃、好ましくは0〜100℃の範囲で反応させることにより、ポリイミド系樹脂の前駆体溶液が得られ、更にこれをイミド化することによりポリイミド系樹脂が得られる。
【0038】
この反応に用いられる溶媒としては、一般的にはN-メチルピロリドン(NMP)、メチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルフォラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライムなどが挙げられる。
【0039】
本発明に用いられる積層体において、例えばステンレス基体又は金属箔の一方をエッチング除去した際の反り等を低減するためには、金属箔と絶縁樹脂層の熱膨張性の差が小さいことが望ましく、具体的には絶縁樹脂層全体の熱膨張係数としては30×10-6/℃以下であることが好ましい。また、積層体をHDD用サスペンションに加工した際又はその中間の工程におけるエッチング形状加工後のうねりや反りの発生を防ぐためには、絶縁樹脂層自体のカールを曲率半径5mm以上と少なくすることが有効であり好ましい。この絶縁樹脂層のカール低減のためには、ステンレス基体及び金属箔に接するポリイミド系樹脂層(B)の厚み構成をコントロールする方法が簡易的でかつ有効であり好ましい。
【0040】
本発明に用いられる積層体の製造方法は公知の製造方法で製造することができるが、好ましい製造方法としては、ステンレス基体上に、ポリイミド系樹脂層(B)を形成するためのポリイミド系樹脂溶液を塗布、乾燥した後、1層以上の他のポリイミド系樹脂層を形成するためのポリイミド系樹脂溶液を順次塗布、乾燥した後、最後にポリイミド系樹脂層(B)を形成するためのポリイミド系樹脂溶液を塗布、乾燥したした後、200℃以上の高温で熱処理を行い、その後金属箔を加熱圧着する方法が挙げられる。ここで、1層以上の他のポリイミド系樹脂層としては、低熱膨張性ポリイミド層(A)、低Tg樹脂層(B)が順次形成されたものがよい。具体的には、これらのポリイミド系樹脂溶液の塗布、乾燥を繰り返すことで製造することができる。なお、本発明の積層体の製造方法におけるポリイミド系樹脂溶液とは、ポリイミド系前駆体樹脂溶液及びポリイミド系樹脂溶液のいずれも含む意味と解されるべきものである。
上記乾燥硬化工程においては、急激に高温で熱処理すると樹脂表面にスキン層が生成して溶媒が蒸発しづらくなったり、発泡したりするので、低温から除々に高温まで上昇させながら熱処理していくのが好ましい。
【0041】
また、その後の加熱圧着の方法としては、通常のハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス,連続式熱ラミネータなどを使用することができる。このうち真空ハイドロプレスは、十分なプレス圧力が得られ、残存揮発分の除去も容易であり、また金属箔などの酸化を防止することから好ましい熱プレス法である。この加熱圧着時の熱プレス温度については、特に限定されるものではないが、使用されるポリイミド系樹脂のガラス転移点以上であることが望ましく、更にガラス転移温度より5〜150℃高い温度が好ましい。また、加熱プレス圧力については、使用するプレス機器の種類にもよるが1〜50MPaが適当である。ハイドロプレスで熱プレスを行う場合、上述のようにして得られた片面ステンレス基体ポリイミド系樹脂積層体と金属箔を各シート状に加工したものを用意し、両者を何層にも重ね合わせ、同時に熱プレスで加熱加圧下に圧着して積層することによって、一回の熱プレスで複数枚の積層体を一度に得ることも可能である。
【0042】
また、絶縁樹脂層の1つにポリイミド樹脂フィルムを用いる場合、ポリイミド系樹脂フィルムの両面にポリイミド系樹脂層(B)を形成するためのポリイミド系樹脂溶液を塗布、乾燥した後、200℃以上の高温で熱処理を行うことにより絶縁樹脂層フィルムを形成し、当該絶縁樹脂層をステンレス基体と金属箔間に挟み加熱圧着する方法や、先に、ステンレス基体及び金属箔上にそれぞれポリイミド系樹脂層(B)を形成する樹脂溶液を塗布、乾燥した後、200℃以上の高温で熱処理を行いステンレス基体と金属箔にそれぞれ樹脂層を形成し、この樹脂層とポリイミド樹脂フィルム(A)を加熱圧着する方法も挙げられる。好ましい層構造を記号で示せば次のような層構造がある。なお、Sはステンレス基体、Mは金属箔、(A)はポリイミド系樹脂層(A)、(B)はポリイミド系樹脂層(B)を表す。▲1▼S/(B)/(A)/(B)/M、▲2▼S/(B)/(A)/(B)/(B)/(A)/(B)/M、▲3▼S/(B)/(A)/(A)/(B)M。
【0043】
このようにして得られた積層体を出発原料とし、本発明のHDD用サスペンションを作成する。ここでいうサスペンションとは広くハードディスク等の記録媒体の情報を読み取る部位(ヘッド)を搭載するばね性を持つ部位を有する部品のことをいい、それは、ヘッドがマウントされた状態でなくても、更には、一部他の目的の部品と一体化したようなものでもよい。また、マウントやロードビームといった他の部品と組み合わせてHDD用サスペンションに用いられることを目的としたHDDサスペンション用フレクシャー等の部品も含まれる。
【0044】
以下に本発明のHDD用サスペンションを製造する方法を図1の工程図を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1の(1)は積層体の断面を示し、ステンレス基体1、絶縁樹脂層2及び金属箔3から積層体が構成されている。
【0045】
図1の(2)は、積層体のステンレス基体1上と金属箔3上の両方の面に感光性材料であるアクリル系ドライフィルムレジスト4をラミネートしたものを示している。これに、所定のフォトマスクパターンに従って前記レジストを露光・現像し、所定のレジストパターンを形成する。ドライフィルムレジストは、レジストの膜厚等が決まっているため、簡単に入手して利用できるメリットがある。用いるドライフィルムレジストは、特に限定されず、アルカリ現像タイプや乳酸現像タイプなどを用いることができる。求められるパターンにより現像液やネガ型、ポジ型等の性質を考慮し適宜選択することができる。
【0046】
また、ここで用いるドライフィルムレジストの代わりに液状のレジストを用いてもよい。例えば、アクリル系レジスト、ノボラック系レジスト、カゼインレジスト等が挙げられるが特に限定されない。
【0047】
レジスト等のパターンが形成された積層体のステンレス基体及び金属箔を、エッチング液を使用して両面同時にウェットエッチングする。この場合用いるエッチング液は、一般に塩化第二鉄や塩化第二銅が用いられるが、目的の金属を溶解せしめる能力のある物質であれば特に限定されない。この場合、片面ラッピング法によって、金属層を片面ずつウェットエッチングしてもよい。
【0048】
図1の(3)は、金属層のパターニング後に水酸化ナトリウム等からなる剥離液でレジストパターンを剥離することで絶縁層であるポリイミドの両面に金属層がパターニングされた3層の積層体を示す。
【0049】
次に絶縁層の両面に形成された金属層がパタ−ニングされた状態で絶縁層をウェットエッチングにより加工する。ここでいうウェットエッチングとは任意のエッチング液を用いて絶縁層をエッチング加工すること示す。作業性の観点からフォトレジストを用いてパターニングすることが好ましいが、金属層をレジストパターンの代わりに用いてポリイミドをエッチングし、その後、所望の形状に金属層をパターニングする方法でもよい。
【0050】
具体的には、例えばパターニングされた金属層が加工されて配線部が形成されている絶縁層の上面と下面の両方の面に、絶縁層を残したい領域に絶縁層加工レジストを形成する。
このとき、絶縁層加工レジストパターンは、通常絶縁層上にパターニングされた金属層とオーバーラップするように形成する。もし、オーバーラップを行わないように絶縁層を残す領域にのみ絶縁層加工パターンを形成すると、ポリイミドエッチングに用いるエッチング液によりレジストパターンもエッチングされ、当該パターンと金属層との間に隙間が形成されてエッチング液が浸入し、本来絶縁層として残す部位がエッチング加工されてしまう恐れがある。
図1の(4)は、これを示すものであり、絶縁層加工レジストパターン4は、絶縁層2上にパターニングされたステンレス基体1及び金属箔3とオーバーラップするように形成されている。
【0051】
絶縁層加工用のレジストパターンを形成するためには、絶縁層加工用レジストをデイップコート法、ロールコート法、ダイコート法又はラミネート法等により絶縁層の両面に形成する。そして、所定のフォトマスクパターンに従って露光・現像する。用いるドライフィルムレジストは、特に限定されず、アルカリ現像タイプや乳酸現像タイプなどを用いることができる。求められるパターンにより現像液やネガ型、ポジ型等の性質や、エッチング液に対する耐性等を考慮し適宜選択することができる。また、絶縁層加工レジストは、レジスト露光・現像法によらず、印刷法により形成してもよい。
【0052】
次いで絶縁層のエッチングを行うが、用いるエッチング液としては特開平10−97081号公報等に開示されているようなアルカリ−アミン系エッチング液等が挙げられ、好適に用いられるが、特に限定されない。具体的には、アルカリ性の水性溶液であることが望ましく、好ましくはpHが9以上、更に好ましくは11以上の塩基性薬液を用いることがよい。また、有機系のアルカリでもよいし無機系のアルカリでもよく、更にその2種の混合形でもよい。
【0053】
エッチング条件としては、エッチング液が液体の状態である温度であれば問題ないが、エッチング液が水性溶液であることが多いこと、また、作業性等を考慮すると、20〜100℃の範囲でエッチングすることが好ましく、より好ましくは30〜95℃である。20℃以下であると溶解している成分の沈殿が起こりやすくなるうえに、ポリイミド樹脂層のエッチング速度が著しく低下して、生産性の低下を招くと同時に、得られるポリイミドパターンの形状が損なわれる恐れがある。100℃以上であると、エッチング液成分の揮発が激しく、作業中の濃度変化が大きくなり安定したエッチング形状を得られない。エッチング液が混合溶液であり、その沸点が著しく低い、又は、高い場合はそれに応じた処理温度を設定することが好ましい。また、エッチング液内での温度分布が大きいとエッチングされたポリイミド樹脂層のパターン精度にばらつきが生じやすくなるため、できるだけ均一な温度とすることが望ましい。
【0054】
また、ポリイミド樹脂層のエッチング処理方法は、エッチング液に浸積するだけのディップ法、スプレー法、液中スプレー法などが考えられるが特に限定されない。ポリイミド樹脂層のエッチングに要する時間は、用いるポリイミド樹脂層のエッチング速度や厚み、更には用いるエッチング液やその温度に応じて設定すればよく、特に制限はないが、好ましくは2〜1800秒、より好ましくは5〜900秒である。エッチング時間が2秒より短いとエッチング後のポリイミドのパターン精度のばらつきが大きくなる恐れがあり、1800秒より長いと、生産性が低下すると同時に、用いられるレジストによっては欠けや剥がれなどが起こり、良好なポリイミドのエッチング形状が得られなくなる恐れがある。
【0055】
また、ステンレス基体と金属箔がパターニングされた積層体に対して、片面を実質的に全面マスクし片面毎にエッチングしてもよいし、両面から同時にエッチングしてもよく、要求されるエッチング形状や生産性により両方を使い分けることができる。
【0056】
次に、ウェットエッチングのマスク材として使用した絶縁層加工レジストパターンを剥離して絶縁材料の加工が終了する。この時、アルカリ剥離型レジストの場合は、アルカリ水溶液での剥離が一般的であるが、使用する絶縁層であるポリイミド等がアルカリ耐性に乏しい場合は、エタノールアミン等の有機アルカリを使用するとよい。
【0057】
図1の(5)は、上記の方法により形成されたHDD用ワイヤレスサスペンションを示す。この配線部である金属箔層表面に、金等のめっきを施すことができる。金めっきを施す場合、用いる浴はシアン金でも、酸性金でもよく、特に限定されない。また、この金めっきの前処理として、脱脂、中和、置換防止等の処理を行ってもよい。脱脂は、アルカリ系、酸系のどちらの脱脂液でも、金属表面を洗浄する効果のあるものであればよい。
【0058】
この金めっきは、磁気ヘッドスライダーとサスペンションの電気的接続とサスペンションから制御側への電気的接続を主たる目的とした表面処理であり、金めっきに限ったものではなく、ニッケル/金めっきでもよいし、半田めっきもしくは印刷等で代用される場合もある。ここで、ニッケルめっきを行う場合は、光沢浴、無光沢浴、半光沢浴等を選択できる。図1の(5)は、金めっきして得られたHDD用サスペンションを示すが、金メッキは薄いため図中に明確には表れていない。
【0059】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各種特性の評価は以下の方法による。
【0060】
[ガラス転移温度の測定]
粘弾性アナライザー(レオメトリックサイエンスエフイー株式会社製RSA−II)を使って、10mm幅のサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めた。
【0061】
[線熱膨張係数の測定]
サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、250℃まで昇温し更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、240℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を求めた。
【0062】
[エッチング速度の測定]
ステンレス箔上にポリイミド層を形成させた後に厚みを測定し、次いでSUS箔を残したままの状態で80℃の50%水酸化カリウム水溶液に浸漬してポリイミド樹脂が全てなくなる時間を測定し、初期の厚みをエッチングに要した時間で割った値をエッチング速度とした。なお、エッチング時間が長いポリイミド系樹脂に関しては、膜厚が減った量をエッチングに要した時間で割った値をエッチング速度とした。
【0063】
[接着力の測定]
金属箔とポリイミド系樹脂との間の接着力は、ステンレス箔上にポリイミド系樹脂層を形成した後、更に銅箔を熱圧着して両面金属箔を形成した積層体を打ち抜きプレス機によって幅10mm×160mmの形状に打ち抜き測定用サンプルを作成した。このサンプルを固定板にSUS箔側及び銅箔側をそれぞれ貼り付け、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ-M1)を用いて、各金属箔を180°方向に引き剥がし強さを測定した。
【0064】
以下に、ポリイミド前駆体溶液の合成例を示す。合成例1は、ポリイミド系樹脂層(A)に適した低熱膨張性ポリイミド前駆体溶液の合成例であり、合成例2〜6は、ポリイミド系樹脂層(B)に適した低ガラス転移温度(Tg)ポリイミド前駆体溶液の合成例である。
【0065】
合成例1
ジアミノ化合物として4,4’ジアミノ−2’−メトキシベンズアニリド(20.5g)及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(10.6g)を、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc340gに溶解させた。次いで、その溶液を氷浴で冷却し、かつ窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物であるピロメリット酸二無水物(28.8g)を加えた。その後、溶液を室温にもどし、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体溶液Aを得た。
【0066】
このポリイミド前駆体溶液Aをステンレス箔(新日本製鐵株式会社製、SUS304、テンションアニール処理品)上にアプリケータを用いて硬化後の厚みが15μmとなるように塗布し、110℃で5分間乾燥した跡,更に130℃,160℃,200℃,250℃,300℃,360℃で各3分間段階的な熱処理を行い、ステンレス箔上にポリイミド層を形成した。次いで、ステンレス箔を残した状態で、80℃の50%水酸化カリウム水溶液に浸漬してエッチング試験を行い、エッチング速度を求めたところ、13.7μm/分の速度でエッチングされた。また、ステンレス箔上にポリイミド層を形成させた後、塩化第二鉄水溶液を用いてステンレス箔をエッチング除去してポリイミドフィルムを作成し、その線熱膨張係数を測定したところ、17.7×10-6/℃であった。
【0067】
合成例2
ジアミノ化合物として1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2’−ジメチルプロパン(22.1g)及び3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(6.6g)を、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc340gに溶解させた。次いで、窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物である無水ピロメリット酸(9.7g)及び3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物(21.5g)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体溶液Bを得た。
【0068】
実施例1と同様にステンレス箔上に厚み15μmのポリイミド層を形成して、ポリイミド層の評価を行った。エッチング速度は、2.1μm/分であり、った。また、ステンレス箔をエッチングして得られたポリイミドフィルムの粘弾性アナライザーにより得られたガラス転移温度は235℃であった。
【0069】
合成例3
ジアミノ化合物として1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(22.6g)及びp−フェニレンジアミン(3.6g)を、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc340gに溶解させた。次いで、窒素気流下で無水ピロメリット酸(9.7g)及び3,4,3’,4’−ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸2無水物(24.1g)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体溶液Cを得た。
ポリイミド層のエッチング速度は1.6μm/分であり、ガラス転移温度は216℃であった。
【0070】
合成例4
ジアミノ化合物として3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(25.4g)を用い、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc340gに溶解させた。次いで、窒素気流下で無水ピロメリット酸(14.0g)及び3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物(20.6g)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体溶液Dを得た。
得られたポリイミド層のエッチング速度は0.8μm/分であり、ガラス転移温度は286℃であった。
【0071】
合成例5
ジアミノ化合物として1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(21.4g)及びp−フェニレンジアミン(3.4g)を用い、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc340gに溶解させた。次いで、窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物である無水ピロメリット酸(9.2g)及びエチレングリコールビス無水トリメリテート(26.0g)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体溶液Eを得た。
得られたポリイミド層のエッチング速度は1.2μm/分であり、ガラス転移温度は203℃であった。
【0072】
合成例6
ジアミノ化合物として2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(35.5g)を用い、500mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAc340gに溶解させた。次いで、窒素気流下でテトラカルボン酸二無水物である無水ピロメリット酸(7.6g)及び3,4,3’、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物(16.9g)を加えた。その後、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体溶液Fを得た。
得られたポリイミド層のエッチング速度は0.2μm/分以下であり、ガラス転移温度は280℃であった。
【0073】
実施例1
バーコーターを用いて合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液Bをステンレス箔(新日本製鐵株式会社製、SUS304、テンションアニール処理品、厚み20μm)上に、硬化後の厚みが1μmになるように塗布し、110℃で3分乾燥した後、その上に合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aを硬化後の厚さが14μmになるように塗布し、110℃で10分乾燥し、更にその上に合成例3で得られたポリイミド前駆体溶液Cを硬化後の厚みが1μmになるように塗布し、110℃で3分乾燥した後、更に130℃,160℃,200℃,250℃,300℃,360℃で各3分間段階的な熱処理を行いイミド化を完了させ、ステンレス上に3層のポリイミド樹脂層からなる厚み16μmの絶縁層を形成した。次に、銅合金箔(オーリンソマーズ社製、C7025、厚み18μm)を粗面側がポリイミド絶縁層と接するように重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15MPaで、320℃でプレス時間20分の条件で加熱圧着してステンレス/低Tg樹脂層/低熱膨張樹脂層/低Tg樹脂層/銅合金箔からなる積層体を得た。
【0074】
得られた積層体のステンレス−ポリイミド間及び銅合金箔−ポリイミド間の接着力はそれぞれ2.0kN/m、2.4kN/mであり、300℃のオーブンで1時間の耐熱試験を行ったところ、膨れ・剥がれ等の異常は認められなかった。また、ステンレスと銅合金箔をエッチングして得られた、3層のポリイミド絶縁層の線熱膨張係数24.0×10-6/℃であった。
【0075】
次に、得られた積層体のステンレス上と銅合金箔上の両方に感光性材料であるアルカリ現像型アクリル系ドライフィルムレジストを100℃でラミネートした後、露光機を用い、所定のフォトマスクパターンを介して前記レジストをg線で適当な積算露光量にて露光し、更に30℃の1%積算露光量150mJ/cm2露光し、更に30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液で現像して、所定のレジストパターンを形成した。
【0076】
次に、塩化第2鉄水溶液を用いてステンレスと銅合金箔を同時にエッチングして、それぞれの層を所定の形状とし、その後水酸化ナトリウム水溶液でレジストを剥離した。
次に、絶縁層加工レジストとして、アルカリ現像型ドライフィルムレジストをステンレス及び銅合金箔が所定の形状に形成された積層体の両面に100℃でラミネートし、その後露光機を用いて、g線で適当な積算露光量にて露光し、更に30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像して、絶縁層加工レジストを所定の形状とした。
【0077】
次に、得られた絶縁層加工レジストパターンが形成された積層体を、攪拌され十分に温度が均一化された80℃のポリイミドエッチング液(東レエンジニアリング株式会社製TPE−3000)に180秒浸漬することにより、ポリイミド絶縁膜をエッチングし、所定の形状とした。更に、絶縁層加工レジストパターンを50℃の水酸化ナトリウム水溶液を用いて剥離し、エッチング部材を得た。
【0078】
次に、得られたエッチング部材の銅合金箔上に、日本高純度化学製のシアン金めっき浴で65℃、電流密度Dk=0.4A/dm2の条件で約4分間通電して1μm厚の金めっき層を形成して、HDDワイヤレスサスペンション用フレクシャーを得た。
得られたHDDワイヤレスサスペンション用フレクシャーのステンレス基体、銅合金層、ポリイミド絶縁層のエッチング形状は何れも良好であり、実用上問題となるような反りやうねりの発生は認められなかった。
【0079】
実施例2
ポリイミド前駆体溶液Bの代わりにポリイミド前駆体溶液Dを、また、ポリイミド前駆体溶液Cの代わりにポリイミド前駆体溶液Eを用い、ポリイミド樹脂層Eの厚みを3μmとしてポリイミド絶縁層全体の厚みを18μmとし、真空プレス機でのプレス温度を320℃から300に変更した以外は実施例1と同様に行い、ステンレス/ポリイミド絶縁層/銅合金層からなる積層体を得た。得られた積層体のステンレス−ポリイミド間及び銅合金箔−ポリイミド間の接着力はそれぞれ1.8kN/m、1.6kN/mであり、300℃の耐熱試験による異常は特に認められなかった。また、ポリイミド絶縁層全体の線熱膨張係数は25.5×10-6/℃であった。
【0080】
次に、得られた積層体を用いて、ポリイミドのエッチング時間を240秒とした以外は、実施例1と同様に行い、HDDワイアレスサスペンション用フレクシャーを得た。得られたHDDワイアレスサスペンション用フレクシャーのステンレス基体、銅合金層、ポリイミド絶縁層のエッチング形状は何れも良好であり、実用上問題となるような反りやうねりの発生は認められなかった。
【0081】
比較例1
ポリイミド前駆体溶液Cの代わりにポリイミド前駆体溶液Fを用い、真空プレス機でのプレス温度を320℃から340℃に変更した以外は実施例1と同様に行い、ステンレス/ポリイミド絶縁層/銅合金層からなる積層体を得た。得られた積層体のステンレス−ポリイミド間及び銅合金箔−ポリイミド間の接着力はそれぞれ1.9kN/m、1.5kN/mであり、300℃の耐熱試験による異常は特に認められなかった。また、ポリイミド絶縁層全体の線熱膨張係数は24.3×10-6/℃であった。
【0082】
次に、得られた積層体を用いて、ポリイミドのエッチング時間を180秒、240秒及び600秒の3水準とした以外は、実施例1と同様に行い、HDDワイアレスサスペンション用フレクシャーを得た。得られたHDDワイアレスサスペンション用フレクシャーのステンレス基体、銅合金層のエッチング形状は良好であり、実用上問題となるような反りやうねりの発生は認められなかったが、銅合金箔側の低Tg樹脂層として、80℃、50%の水酸化カリウム水溶液でのエッチング速度が0.2μm/分以下と遅いポリイミド絶縁層を用いたため、何れのポリイミドエッチング時間で行ったものも、そのポリイミド層がひさしのようにせり出した形状をしており、実用に耐えるものではなかった。
【0083】
比較例2
比較例1で得られた積層体を用い、実施例1で用いた絶縁層加工用レジストの代わりに、プラズマエッチング用ドライフィルムレジストを用い、ポリイミドのエッチングをプラズマエッチング機にて、含ハロゲン系の混合ガスを用い、プラズマ圧力25Paにて、高周波印加の条件で、一定時間ポリイミド絶縁層を銅合金側からドライエッチングした後、更に同じ条件でステンレス側から一定時間ドライエッチングした。それ以外は実施例1と同様に行い、HDDワイアレスサスペンション用フレクシャーを得た。
【0084】
得られたHDDワイアレスサスペンション用フレクシャーのステンレス基体、銅合金層のエッチング形状は良好であった。また、ポリイミド絶縁層のエッチング形状は比較例1と比較すると良好であったものの、エッチング端面において顕著な凹凸が確認された。また、ドライエッチング工程中に若干の温度上昇が発生したため、HDDワイアレスサスペンション用フレクシャーにゆるやかな反りが確認された。
【0085】
本発明の効果をより詳細に説明するため、実施例1(ウェットエッチングによりポリイミド絶縁層をパターニングした場合)及び比較例2(プラズマエッチングによりポリイミド絶縁層をパターニングした場合)の詳細な比較を以下に示す。なお、以下の記載においては、実施例1で得られたHDDワイアレスサスペンション用フレクシャーをサンプルA、比較例2で得られたHDDワイアレスサスペンション用フレクシャーをサンプルBとする。
【0086】
形状評価
サンプルA、サンプルBそれぞれにつき、エッチングにより形成されたポリイミド層断面のSEMの映像を以下に示す。図2に示すサンプルAは端面が非常に滑らかであり、プラズマによってエッチングされた図3に示すサンプルBの端面は、非常に凹凸が激しいことがわかる。ポリイミド層の組成にもよるが、一般にウェットエッチングにより形成された断面はプラズマエッチングにより形成された断面に比べ非常に滑らかである。このため、振動による発塵が少ないことが要求されているサスペンション用途においては非常に好適であると言える。
【0087】
発塵性評価
パターン形状評価で用いたサンプルA及びBを、ろ過した蒸留水中に浸漬して、超音波照射装置内で超音波を1分間照射した後の発塵量の評価結果を表1に示す。なお、測定はHIAC/ROYCO社製液体用自動微粒子測定装置を用いて行った。
【0088】
【表1】
【0089】
上記の結果を比較すると、ウェットエッチング法により作製したサンプルAの方が発塵量が少ないことがわかる。これは、エッチングにより形成された断面形状に由来しているものと考えられ、ウェットエッチング法を用いることでプラズマエッチング法に比べ発塵量の少ないサスペンションを作製することができる。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、寸法変化率が少なく、耐熱性も良好であるばかりでなく、金属箔との十分な接着力も有する等信頼性が高い積層体を用いて、生産性の向上やコストダウンに有効で、かつ発塵量が少ない等工業的に利用可能なアルカリ金属水酸化物等の水溶液によるポリイミド絶縁樹脂層のエッチング加工によるHDD用サスペンションの製造が可能であり、得られたHDD用サスペンションの信頼性の優れるものとなり工業的な利用価値は極めて高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 積層体を用いてHDD用サスペンションを製造する工程図
【図2】 実施例に係る絶縁層の結晶構造の写真
【図3】 比較例に係る絶縁層の結晶構造の写真
【符号の説明】
1 ステンレス基体
2 絶縁樹脂層
3 金属箔
4 レジスト
Claims (7)
- ステンレス基体上に絶縁樹脂層及び金属箔層が順次積層された積層体であり、絶縁樹脂層が複数層のポリイミド系樹脂層からなり、絶縁樹脂層を構成するすべての層が、80℃、50wt%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度の平均値が0.5μm/min以上であり、かつ、絶縁樹脂層のステンレス基体及び金属箔層と接する層がガラス転移温度300℃以下のポリイミド系樹脂層(B)であり、ポリイミド系樹脂層(B)とステンレス基体、及びポリイミド系樹脂層(B)と金属箔層との接着力が0.5kN/m以上である積層体を、加工して得られ、且つ
加工前の積層体の絶縁樹脂層を構成する前記ポリイミド系樹脂層(B)が、ジアミノ化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるものであり、テトラカルボン酸二無水物の50モル%以上がピロメリット酸二無水物、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び下記一般式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種又は2種以上のテトラカルボン酸二無水物であり、
ジアミノ化合物の50モル%以上が1,3-ビス-(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、下記一般式(2)及び下記一般式(3)で示されるジアミノ化合物から選ばれる1種又は2種のジアミノ化合物
であることを特徴とするHDD用サスペンション。 - 加工前の積層体の絶縁樹脂層中に、少なくとも1層の線熱膨張係数が30×10-6/℃以下の低熱膨張性ポリイミド系樹脂層(A)を有する請求項1に記載のHDD用サスペンション。
- 積層体の加工が、ウェットエッチングプロセスにより絶縁樹脂層をパターニングする工程を必須の工程として含むものである請求項1又は2に記載のHDDサスペンション。
- ステンレス基体上に絶縁樹脂層及び金属箔層が順次積層された積層体であり、絶縁樹脂層が複数層のポリイミド系樹脂層からなり、絶縁樹脂層を構成するすべての層が、80℃、50wt%水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度の平均値が0.5μm/min以上であり、かつ、絶縁樹脂層のステンレス基体及び金属箔層と接する層がガラス転移温度300℃以下のポリイミド系樹脂層(B)であり、ポリイミド系樹脂層(B)とステンレス基体、及びポリイミド系樹脂層(B)と金属箔層との接着力が0.5kN/m以上である積層体を使用し、この絶縁樹脂層をウェットエッチングプロセスによりパターニングする工程を必須の工程として有すること、且つ
加工前の積層体の絶縁樹脂層を構成するポリイミド系樹脂層(B)が、ジアミノ化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるものであり、テトラカルボン酸二無水物の50モル%以上がピロメリット酸二無水物、3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び下記一般式(1)で示されるテトラカルボン酸二無水物から選ばれる1種又は2種以上のテトラカルボン酸二無水物であり、
ジアミノ化合物の50モル%以上が1,3-ビス-(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、下記一般式(2)及び下記一般式(3)で示されるジアミノ化合物から選ばれる1種又は2種のジアミノ化合物
であることを特徴とするHDD用サスペンションの製造方法。 - ウェットエッチングプロセスによるパターニングをpHが9以上の塩基性薬液を用いて行う請求項4記載のHDD用サスペンションの製造方法。
- ウェットエッチングプロセスによるパターニングを2〜1800秒の範囲で行う請求項4又は5記載のHDD用サスペンションの製造方法。
- 絶縁樹脂層のウェットエッチングプロセスによるパターニングを20〜100℃で塩基性薬液を用いて行う請求項4〜6のいずれかに記載のHDD用サスペンションの製造方法。
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