JP4288458B2 - 振幅制限回路及びcdma通信装置 - Google Patents

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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振幅制限回路に関し、特にCDMA通信装置が備える送信用電力増幅器の入力制限に用いて好適な振幅制限回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のディジタル移動通信システムにおいては、通信チャネル間の対干渉能力を高めるためにCDMA(Code Division Multiple Access)通信装置が多く用いられる。
【0003】
CDMA通信装置では、送信時の瞬時電力が平均電力に比べて大きくなるため、送信用電力増幅器の線型性を非常に高い出力レベルまで維持し、非線形歪みによる送信スペクトルの広がりを抑えて隣接チャネル漏洩電力を低減する必要がある。
【0004】
しかしながら、非常に大きな振幅まで良好な線形性を有する電力増幅器は、回路規模が大きくなり、高価で消費電力も大きくなってしまう。そのため、CDMA通信装置の送信用電力増幅器には、小さな振幅成分においては良好な線形性を有し、大きな振幅成分においては非線形性を有する非線形補償型増幅器が用いられる。この非線形補償型増幅器は、図5に示すように増幅器の最大出力まで線形性が保たれ、入力振幅が最大出力に対応した値を越えたところで出力レベルが一定となる入出力特性を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示したような入出力特性を有する送信用電力増幅器では、最大出力を越えるレベルに対応する信号が入力されると、送信出力が飽和して非線形歪みが増大し、図6の「クリップなし」のスペクトル波形で示すように送信スペクトルが広がって隣接チャネル漏洩電力が増えてしまう。
【0006】
したがって、送信用電力増幅器の飽和電力(最大出力)をできるだけ大きくすることが望ましいが、その場合、上述したように回路規模が大きくなり、消費電力やコストが増大する。したがって、CDMA通信装置では送信用電力増幅器の飽和電力を越えないように入力信号の瞬時最大電力を制限することが重要になる。
【0007】
送信用電力増幅器の入力振幅を制限するには、入力信号を所定値でクリップするのが最も簡単な方法である。しかしながら、入力信号を単純にクリップすると、信号波形の非線形歪みが増大して、図6の「単純なクリップ」のスペクトル波形で示すように送信スペクトルがさらに広がってしまう。そこで、図7に示すように、帯域制限するフィルタの手前に振幅制限回路を設ける構成が一般的である。
【0008】
図7は従来の振幅制限回路の構成を示すブロック図である。
【0009】
図7に示す振幅制限回路は、同相成分I及び直交成分Qから成る入力信号の振幅値を算出する振幅変換器21と、振幅変換器21で算出された振幅値と予め決められたしきい値とを比較し、しきい値を越えた入力信号の振幅を制限するための制御値を出力する判定器22と、判定器22から出力される制御値にしたがって出力振幅をしきい値以下に制限するクリップ回路23とを有する構成であり、振幅制限回路の出力信号のうち、所定のベースバンド帯域成分のみがフィルタ24から出力される構成である。このような構成では、出力信号の周波数成分がフィルタ24によって所定の帯域内に制限されるため、送信スペクトルが広がることがない。
【0010】
しかしながら、図7に示すような構成では、振幅制限回路とフィルタ24とで信号処理のサンプリングレートが異なるため、サンプリング時のレベルにバラツキが生じ、フィルタ24通過後の振幅が再び大きくなってしまう場合がある。
【0011】
また、図7に示した振幅制限回路を、例えば、図8に示す複数のキャリア信号を合成する、いわゆるマルチキャリア増幅方式のCDMA通信装置に適用した場合も振幅制限後の処理で振幅が再び大きくなってしまう。
【0012】
図8は図7に示した振幅制限回路を有するCDMA通信装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
図8に示すCDMA通信装置は、入力信号を振幅制限する複数の振幅制限回路311〜31N(Nは正の整数)と、所定の帯域成分のみ通過させる複数のフィルタ321〜32Nと、ベースバンド信号である入力信号をチャネル毎に異なる周波数に変換する第1の周波数変換器331〜33Nと、第1の周波数変換器331〜33Nの出力信号を合成するキャリア合成器34と、キャリア合成後の信号をアナログ信号に変換するD/A変換器35と、D/A変換器35の出力信号をRF信号に変換する第2の周波数変換器36と、RF信号を送信に必要な電力まで増幅する送信用電力増幅器37とを有し、振幅制限回路311〜31N、フィルタ321〜32N、及び第1の周波数変換器331〜33Nを各々チャネル毎に備えた構成である。
【0014】
このような構成では、複数チャネル分の信号が振幅制限後にキャリア合成器34でベクトル合成されるため、振幅制限の効果が失われて瞬時最大電力が大きくなり、図9の「従来方式」のスペクトル波形で示すように送信スペクトルが広がってしまう。
【0015】
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、CDMA通信装置が備える送信用電力増幅器の入力制限に用いて有効な振幅制限回路を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の振幅制限回路は、電力増幅器に入力する信号の振幅を制限するための振幅制限回路であって、
入力信号の振幅値を算出する振幅変換器と、
予め設定されたしきい値と前記入力信号の振幅値とを比較し、該振幅値が前記しきい値を越える区間を検出する判定器と、
前記入力信号の振幅値が前記しきい値を越える区間のうち、前記入力信号の振幅値が最大となるピーク時刻、及び該ピーク時刻における振幅値であるピーク値をそれぞれ検出するピーク検出器と、
前記ピーク値を用いて、前記入力信号の振幅値を前記しきい値以下に制限するための窓関数を生成する窓フィルタと、
前記ピーク時刻と前記窓関数が最小値となる時刻とが一致するように前記入力信号を遅延させる遅延回路と、
前記遅延回路の出力信号に前記窓関数を乗算する乗算器と、
を有する構成である。
【0017】
このとき、前記窓フィルタは、
前記入力信号の振幅値が前記しきい値を越える区間よりも長くなるように予め設定された補正区間の前後で値が1となり、前記補正区間の中心が前記ピーク値の逆数に比例する値となる窓関数を出力し、
前記遅延回路は、
前記ピーク時刻と前記補正区間の中心とが一致するように前記入力信号を遅延させる構成が好ましい。
【0018】
さらに、前記窓フィルタは、
前記ピーク時刻まで値が1であり、該ピーク時刻後に設ける前記補正区間の中心の値が(しきい値/ピーク値)以下となる窓関数を出力してもよく、
具体的には、前記しきい値/前記ピーク値=Aとし、a=(1−A)/2とし、τを予め設定された前記補正区間の1/2の値としたとき、
前記窓フィルタは、
前記窓関数w(t)として、
【0019】
【数2】
Figure 0004288458
を出力し、
前記遅延回路は、
前記入力信号を時間τだけ遅延させてもよい。
【0020】
一方、本発明のCDMA通信装置は、入力信号を含む所定の帯域成分を通過させる複数のフィルタと、
前記フィルタを通過した信号をチャネル毎に異なる周波数の信号に変換する複数の第1の周波数変換器と、
前記第1の周波数変換器の出力信号を合成するキャリア合成器と、
前記キャリア合成器の出力信号の振幅を制限する、請求項1乃至4のいずれか1項記載の振幅制限回路と、
前記振幅制限回路の出力信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、
前記アナログ信号をRF信号に変換する第2の周波数変換器と、
前記RF信号を送信に必要な電力まで増幅する送信用電力増幅器と、
を有する構成である。
【0021】
上記のように構成された振幅制限回路では、入力信号の振幅値を算出する振幅変換器と、予め設定されたしきい値と入力信号の振幅値とを比較し、該振幅値がしきい値を越える区間を検出する判定器と、入力信号の振幅値がしきい値を越える区間のうち、入力信号の振幅値が最大となるピーク時刻、及び該ピーク時刻における振幅値であるピーク値をそれぞれ検出するピーク検出器と、該ピーク値を用いて、入力信号の振幅値をしきい値以下に制限するための窓関数を生成する窓フィルタと、ピーク時刻と窓関数が最小値となる時刻とが一致するように入力信号を遅延させる遅延回路と、遅延回路の出力信号に前記窓関数を乗算する乗算器とを有することで、窓関数を用いて入力信号の振幅がしきい値以下に制限されるため、振幅制限処理による非線形歪みが発生しない。
【0022】
また、本発明のCDMA通信装置では、入力信号を含む所定の帯域成分を通過させる複数のフィルタと、フィルタを通過した信号をチャネル毎に異なる周波数の信号に変換する複数の第1の周波数変換器と、第1の周波数変換器の出力信号を合成するキャリア合成器と、キャリア合成器の出力信号の振幅を制限する、上記振幅制限回路と、振幅制限回路の出力信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、アナログ信号をRF信号に変換する第2の周波数変換器と、RF信号を送信に必要な電力まで増幅する送信用電力増幅器とを有し、キャリア合成器の出力信号の振幅を上記記載の振幅制限回路で制限することで、ベースバンド用のフィルタを通過し、さらにキャリア合成された後の信号に対して振幅制限が行われるため、従来のように振幅制限後の処理によって信号振幅が再び大きくなることが無い。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は本発明の振幅制限回路の一構成例を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の振幅制限回路は、同相成分I及び直交成分Qから成る入力信号の振幅値を算出する振幅変換器1と、予め設定されたしきい値と振幅変換器の出力値とを比較し、入力信号の振幅値がしきい値を越える区間を検出する判定器2と、入力信号の振幅値がしきい値を越える区間のうち、該振幅値が最大となる時刻(ピーク時刻)とそのときの値(ピーク値)を検出するピーク検出器3と、ピーク検出器3で検出された値を用いて所定の窓関数を生成する窓フィルタ4と、入力信号を所定の遅延量だけ遅延させる遅延回路5と、遅延回路5の出力信号に窓フィルタ4で生成された窓関数を乗算する乗算器6とを有する構成である。
【0026】
図1に示した振幅制限回路の入力信号は、同相成分I及び直交成分Qからなる、フィルタリング処理やキャリア合成が終了した後の信号である。
【0027】
振幅変換器1は、入力信号の同相成分I及び直交成分Qからその振幅値Pを算出する(P=(I2+Q21/2)。判定器2は、振幅変換器1で算出された振幅値としきい値とを比較し、振幅値がしきい値を越えているか否かを判定し、入力信号の振幅値がしきい値を越える区間を検出する。なお、しきい値は振幅制限回路の後段に配置される送信用電力増幅器の出力が飽和しない入力振幅と等しい値、あるいはそれ以下の値に予め設定される。
【0028】
ピーク検出器3は、入力信号の振幅値がしきい値を越えていると判定された区間のうち、振幅値が最大となるピーク時刻とそのときのピーク値とを出力する。
【0029】
窓フィルタ4は、予め設定された、入力信号の振幅値がしきい値を越えている区間よりも長い補正区間の前後で値が1となり、補正区間の中心がピーク値の逆数に比例する値となる窓関数を出力する。
【0030】
遅延回路5は、ピーク時刻と補正区間の中心とが一致するように入力信号を遅延させる。遅延回路5から出力された信号は、窓フィルタ4から出力された窓関数と乗算される。
【0031】
図2は図1に示した振幅制限回路を有するCDMA通信装置の一構成例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、本実施形態のCDMA通信装置は、所定の帯域成分のみ通過させる複数のフィルタ111〜11N(Nは正の整数)と、フィルタを通過したベースバンド信号をチャネル毎に異なる周波数の信号に変換する複数の第1の周波数変換器121〜12Nと、第1の周波数変換器121〜12Nの出力信号を合成するキャリア合成器13と、キャリア合成後の信号を振幅制限する振幅制限回路14と、振幅制限後の信号をアナログ信号に変換するD/A変換器15と、D/A変換器15の出力信号をRF信号に変換する第2の周波数変換器16と、RF信号を送信に必要な電力まで増幅する送信用電力増幅器17とを有し、フィルタ11、及び第1の周波数変換器12をそれぞれチャネル毎に備えた構成である。
【0033】
このような構成では、フィルタ111〜11Nを通過し、さらにキャリア合成された後の信号に対して振幅制限が行われるため、従来のように振幅制限後の処理により信号振幅が再び大きくなることが無い。
【0034】
次に図3及び図4を参照して本発明の振幅制限回路の動作について説明する。
【0035】
図3は図1に示した振幅制限回路の動作を示す信号波形図であり、図4は図1に示した振幅制限回路で処理された信号の送信スペクトルを示す波形図である。
【0036】
本実施形態の振幅制限回路では、入力信号が振幅変換器1で振幅値に変換され、判定器2において予め定められたしきい値と比較される。そして、振幅値がしきい値を越えている場合は、ピーク検出器3において振幅が最大となるピーク時刻とそのときのピーク値とが検出される。
【0037】
窓フィルタ4は、例えば、ピーク時刻までは値が1であり、その後徐々に減少して時間τ後に値がA(=しきい値/ピーク値)以下となり、その後徐々に増加して時間τ後に値が1に戻るような関数を生成する(図3の「窓関数」参照)。
【0038】
ここで、τは、その2倍の値が、入力信号がしきい値を越える区間よりも長くなるような値に予め設定され、例えば、チップ周期の10〜20倍程度の値が用いられる。なお、チップ周期はCDMA通信装置で用いる拡散周波数(=チップレート)の逆数である。図3では、横軸の時刻の単位を[チップ]とし、チップレートの何倍の時刻に相当するかを示している。
【0039】
一方、入力信号は、遅延回路5により時間τだけ遅延された後(図3の「遅延回路出力」参照)、窓フィルタ4で生成された窓関数と乗算されて出力される(図3の「出力信号」参照)。このとき、乗算器6からは、ピーク値がしきい値以下になるように波形整形された信号が出力される。
【0040】
窓フィルタ4は、例えば、次式で示す窓関数w(t)を生成する。
【0041】
【数3】
Figure 0004288458
ここで、t=τのとき、w(t)=1−2a≦Aであればよいため、例えば、a=(1−A)/2に設定する。
【0042】
本実施形態のCDMA通信装置では、図2に示すように、フィルタを通過し、さらにキャリア合成された後の信号に対して振幅制限を行うため、従来のように振幅制限後の処理によって信号振幅が再び大きくなることが無い。したがって、後段の送信用電力増幅器17で送信出力が飽和することによる非線形歪みが生じないため、送信スペクトルの広がりが抑制されて隣接チャネル漏洩電力が抑制される。
【0043】
また、本実施形態の振幅制限回路では、入力信号を単純にクリップするのではなく、窓関数を用いて滑らかに入力信号の振幅をしきい値以下に制限するため、振幅制限処理による非線形歪みが発生せず、図4の「本願方式」の波形で示すように、送信スペクトルの広がりが抑制される。
【0044】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0045】
本発明の振幅制限回路では、入力信号の振幅値を算出する振幅変換器と、予め設定されたしきい値と入力信号の振幅値とを比較し、該振幅値がしきい値を越える区間を検出する判定器と、入力信号の振幅値がしきい値を越える区間のうち、入力信号の振幅値が最大となるピーク時刻、及び該ピーク時刻における振幅値であるピーク値をそれぞれ検出するピーク検出器と、該ピーク値を用いて、入力信号の振幅値をしきい値以下に制限するための窓関数を生成する窓フィルタと、ピーク時刻と窓関数が最小値となる時刻とが一致するように入力信号を遅延させる遅延回路と、遅延回路の出力信号に前記窓関数を乗算する乗算器とを有することで、窓関数を用いて入力信号の振幅がしきい値以下に制限されるため、振幅制限処理による非線形歪みが発生せず、送信スペクトルの広がりが抑制される。
【0046】
また、本発明のCDMA通信装置では、入力信号を含む所定の帯域成分を通過させる複数のフィルタと、フィルタを通過した信号をチャネル毎に異なる周波数の信号に変換する複数の第1の周波数変換器と、第1の周波数変換器の出力信号を合成するキャリア合成器と、キャリア合成器の出力信号の振幅を制限する、上記振幅制限回路と、振幅制限回路の出力信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、アナログ信号をRF信号に変換する第2の周波数変換器と、RF信号を送信に必要な電力まで増幅する送信用電力増幅器とを有し、キャリア合成器の出力信号の振幅を上記記載の振幅制限回路で制限することで、ベースバンド用のフィルタを通過し、さらにキャリア合成された後の信号に対して振幅制限が行われるため、従来のように振幅制限後の処理によって信号振幅が再び大きくなることが無い。
【0047】
したがって、送信用電力増幅器で送信出力が飽和することによる非線形歪みが生じないため、送信スペクトルの広がりが抑制されて隣接チャネル漏洩電力が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振幅制限回路の一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した振幅制限回路を有するCDMA通信装置の一構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示した振幅制限回路の動作を示す信号波形図である。
【図4】図1に示した振幅制限回路で処理された信号の送信スペクトルを示すグラフである。
【図5】CDMA通信装置が備える送信用電力増幅器の入出力特性を示すグラフである。
【図6】図5に示した入出力特性を備えた送信用電力増幅器の入力信号をクリップしない場合、及び単純にクリップした場合の送信スペクトルを示すグラフである。
【図7】従来の振幅制限回路の構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示した振幅制限回路を有するCDMA通信装置の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示したCDMA通信装置の送信スペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
1 振幅変換器
2 判定器
3 ピーク検出器
4 窓フィルタ
5 遅延回路
6 乗算器
111〜11N フィルタ
121〜12N 第1の周波数変換器
13 キャリア合成器
14 振幅制限回路
15 D/A変換器
16 第2の周波数変換器
17 送信用電力増幅器

Claims (5)

  1. 電力増幅器に入力する信号の振幅を制限するための振幅制限回路であって、
    入力信号の振幅値を算出する振幅変換器と、
    予め設定されたしきい値と前記入力信号の振幅値とを比較し、該振幅値が前記しきい値を越える区間を検出する判定器と、
    前記入力信号の振幅値が前記しきい値を越える区間のうち、前記入力信号の振幅値が最大となるピーク時刻、及び該ピーク時刻における振幅値であるピーク値をそれぞれ検出するピーク検出器と、
    前記ピーク値を用いて、前記入力信号の振幅値を前記しきい値以下に制限するための窓関数を生成する窓フィルタと、
    前記ピーク時刻と前記窓関数が最小値となる時刻とが一致するように前記入力信号を遅延させる遅延回路と、
    前記遅延回路の出力信号に前記窓関数を乗算する乗算器と、
    を有する振幅制限回路。
  2. 前記窓フィルタは、
    前記入力信号の振幅値が前記しきい値を越える区間よりも長くなるように予め設定された補正区間の前後で値が1となり、前記補正区間の中心が前記ピーク値の逆数に比例する値となる窓関数を出力し、
    前記遅延回路は、
    前記ピーク時刻と前記補正区間の中心とが一致するように前記入力信号を遅延させる請求項1記載の振幅制限回路。
  3. 前記窓フィルタは、
    前記ピーク時刻まで値が1であり、該ピーク時刻後に設ける前記補正区間の中心の値が(しきい値/ピーク値)以下となる窓関数を出力する請求項2記載の振幅制限回路。
  4. 前記しきい値/前記ピーク値=Aとし、a=(1−A)/2とし、τを予め設定された前記補正区間の1/2の値としたとき、
    前記窓フィルタは、
    前記窓関数w(t)として、
    Figure 0004288458
    を出力し、
    前記遅延回路は、
    前記入力信号を時間τだけ遅延させる請求項3記載の振幅制限回路。
  5. 入力信号を含む所定の帯域成分を通過させる複数のフィルタと、
    前記フィルタを通過した信号をチャネル毎に異なる周波数の信号に変換する複数の第1の周波数変換器と、
    前記第1の周波数変換器の出力信号を合成するキャリア合成器と、
    前記キャリア合成器の出力信号の振幅を制限する、請求項1乃至4のいずれか1項記載の振幅制限回路と、
    前記振幅制限回路の出力信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、
    前記アナログ信号をRF信号に変換する第2の周波数変換器と、
    前記RF信号を送信に必要な電力まで増幅する送信用電力増幅器と、
    を有するCDMA通信装置。
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