JP4238037B2 - Adhesive substance, adhesive substance peeling method and adhesive tape - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、刺激を与えることにより被着体を損傷することなく容易に剥がすことができる接着性物質、これを用いた粘着テープ及び接着性物質の剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日接着性物質は、接着剤、シーリング剤、塗料、コーティング剤等のバンダー剤、粘着テープ又は自立テープ等の粘着剤等に広く用いられている。
【0003】
これらの接着性物質に求められる性能はその用途により様々であるが、用途によっては、必要な間だけ接着性を示すがその後は容易に剥がせることが要求されていることがある。
【0004】
例えば、ICチップの製造工程において、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研磨して薄膜ウエハとする場合に、厚膜ウエハを支持板に接着して補強することにより、効率よく作業を進めることが提案されている。このとき厚膜ウエハと支持板とを接着するための接着性物質としては、研磨工程中には強固に接着する一方で、研磨工程終了後には得られた薄膜ウエハを損傷することなく支持板から剥がせることが求められる。
【0005】
接着性物質を剥がす方法としては、例えば、物理的な力を加えて引き剥がすことが考えられる。しかしながら、この方法では被着体が軟弱な場合には重大な損傷を与えてしまうことがある。
【0006】
また、接着性物質を溶解できる溶剤を用いて接着性物質を剥がす方法も考えられる。しかしながら、この方法も被着体が溶剤によって侵されるものである場合には用いることができない。
【0007】
このように、いったん接着に用いた接着性物質は、接着力が強固であるほど、被着体を損傷することなく剥がすことが困難であるという問題点があった。
これに対して、下記の特許文献1には、アジド化合物を含有する粘着剤が開示されている。アジド化合物は、紫外線を照射することにより分解して窒素ガスを放出する。従って、アジド化合物を含有する粘着剤を用いて接着した接着面に紫外線を照射すると、アジド化合物が分解して放出された窒素ガスが、被着体から粘着剤の接着面の一部を剥がし接着力を低下させるため、容易に被着体を剥離することができる。
【0008】
しかしながら、実際には、アジド化合物が分解して放出された窒素ガスは粘着剤内に気泡としてたまり、被着体に強く接着している場合等では、粘着剤の外に充分に放出されず被着体を剥離できないといった問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−200234号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、刺激を与えることにより被着体を損傷することなく容易に剥がすことができる接着性物質、これを用いた粘着テープ及び接着性物質の剥離方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱、衝撃及び超音波からなる群から選択した少なくとも1種の刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する接着性物質であって、前記気体発生剤から発生した気体は、前記接着性物質外へ放出されて前記接着性物質が発泡せず、かつ、前記気体発生剤から発生した気体が、被着体から前記接着性物質の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる接着性物質である。
【0012】
以下に本発明を詳述する。
本発明の接着性物質は、熱、衝撃及び超音波からなる群から選択した少なくとも1種の刺激により気体を発生する気体発生剤を含有するものである。なお、本明細書において接着性物質とは、被着体へ塗布された状態において接着性を有する物質をいい、少なくとも接着させたい面に接着する性質を示す物質であれば特に限定されない。
【0013】
上記刺激により気体を発生する気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物等が好適に用いられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2′−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2′−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2′−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[N−(2−プロぺニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2′−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾイリン−2−イル]プロパン]ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミダイン)ハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミダイン]、2,2′−アゾビス[2−[N−(2−カルボキシエチル)アミダイン]プロパン]、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチレート、4,4′−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
【0014】
これらのアゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素ガスを発生する。
上記アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマ−等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。これらのアジド化合物は、特定の波長の光、熱、超音波及び衝撃等による刺激を与えることにより分解して、窒素ガスを発生する。
【0015】
これらの気体発生剤のうち、上記アジド化合物は衝撃を与えることによっても容易に分解して窒素ガスを放出することから、取り扱いが困難であるという問題がある。更に、上記アジド化合物は、いったん分解が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しその制御ができないことから、爆発的に発生した窒素ガスによって被着体が損傷することがあるという問題もある。このような問題から上記アジド化合物の使用量は限定されるが、限定された使用量では充分な効果が得られないことがある。
【0016】
一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物とは異なり衝撃によっては気体を発生しないことから取り扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生することもないため被着体を損傷することもなく、光の照射を中断すれば気体の発生も中断できることから、用途に合わせた接着性の制御が可能であるという利点もある。従って、上記気体発生剤としては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
【0017】
上記アゾ化合物は、10時間半減期温度が80℃以上であることが好ましい。10時間半減期温度が80℃未満であると、本発明の接着性物質は、キャストにより成形して乾燥する際に発泡を生じてしまったり、経時的に分解反応を生じて分解残渣がブリードしてしまったり、経時的に気体を発生して貼り合わせた被着体との界面に浮きを生じさせてしまったりすることがある。10時間半減期温度が80℃以上であれば、耐熱性に優れていることから、高温での使用及び安定した貯蔵が可能である。
【0018】
10時間半減期温度が80℃以上であるアゾ化合物としては、下記の一般式(1)で表されるアゾアミド化合物等が挙げられる。下記の一般式(1)で表されるアゾアミド化合物は、耐熱性に優れていることを加え、後述するアクリル酸アルキルエステルポリマー等の粘着性を有するポリマーへの溶解性にも優れ、接着性物質中に粒子として存在しないものとすることができる。
【0019】
【化2】

Figure 0004238037
【0020】
式(1)中、R1及びR2は、それぞれ低級アルキル基を表し、R3は、炭素数2以上の飽和アルキル基を表す。なお、R1とR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0021】
上記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物としては、例えば、2,2′−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2′−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2′−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]等が挙げられる。なかでも、2,2′−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2′−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]は、溶剤への溶解性に特に優れていることから好適に用いられる。
【0022】
上記気体発生剤は、粒子として存在しないことが好ましい。なお、本明細書において、気体発生剤が粒子として存在しないとは、電子顕微鏡により本発明の接着性物質を観察したときに気体発生剤を確認することができないことを意味する。
【0023】
上記気体発生剤を粒子として存在しないようにするには、通常、本発明の接着性物質中に溶解する気体発生剤を選択するが、本発明の接着性物質中に溶解しない気体発生剤を選択する場合には、例えば、分散機を用いたり、分散剤を併用したりすることにより本発明の接着性物質中に気体発生剤を微分散させる。本発明の接着性物質中にアゾ化合物を微分散させるためには、気体発生剤は、微小な粒子であることが好ましく、更に、これらの微粒子は、例えば、分散機や混練装置等を用いて必要に応じてより細かい微粒子とすることが好ましい。すなわち、電子顕微鏡により本発明の接着性物質を観察したときに気体発生剤を確認することができない状態まで分散させることがより好ましい。
【0024】
本発明の接着性物質では、上記気体発生剤から発生した気体は接着性物質外へ放出される。これにより、気体発生剤から発生した気体が被着体から接着性物質の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させるため、容易に被着体を剥離することができる。この際、気体発生剤から発生した気体の大部分は接着性物質外へ放出されることが好ましい。上記気体発生剤から発生した気体の大部分が接着性物質外へ放出されないと、接着性物質が気体発生剤から発生した気体により全体的に発泡してしまい、接着力を低下させる効果を充分に得ることができず、被着体に糊残りを生じさせてしまうことがある。なお、被着体に糊残りを生じさせない程度であれば、気体発生剤から発生した気体の一部が接着性物質中に溶け込んでいたり、気泡として接着性物質中に存在していたりしてもかまわない。
【0025】
本発明の接着性物質は、刺激により気体を発生させて接着力を低下させる前の状態における弾性率を調整するために、あらかじめ架橋されていることが好ましく、例えば、後述する光硬化型接着性樹脂又は熱硬化型接着性樹脂に対してあらかじめ光又は熱による刺激を与えて接着性を保持する程度に架橋しておいてもよく、イソシアネート化合物等の化学架橋されたものを配合しておいてもよい。あらかじめ架橋されていることにより、本発明の接着性物質の弾性率が高くなるため、気体発生剤から発生した気体が気泡として接着性物質中に留まりにくくなり、接着性物質外への放出が促進される。
【0026】
本発明の接着性物質は、刺激により架橋する架橋成分を含有することが好ましい。上記刺激により架橋する架橋成分としては、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、必要に応じて光重合開始剤を含んでなる光硬化型接着性樹脂や、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、熱重合開始剤を含んでなる熱硬化型接着性樹脂等からなるものが挙げられる。
【0027】
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
【0028】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
【0029】
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
【0030】
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
【0031】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
【0032】
上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは光照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、市販のオリゴエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0033】
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0034】
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、具体的には例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好適である。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上いずれも日本油脂社製)等が好適である。これらの熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0035】
上記光硬化型接着性樹脂又は熱硬化型接着性樹脂等の後硬化型接着性樹脂は、光又は熱による刺激により接着性樹脂の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化によるゴム状領域のtanδの減少が著しくなり、粘着力が大きく低下する。更に、上記後硬化型接着性樹脂を含有する本発明の接着性物質に、光又は熱等による刺激を与えると、接着性物質全体のゴム状領域のtanδが減少して硬化するため、気体発生剤から発生した気体が気泡として接着性物質中に留まりにくくなり、接着性物質外への放出が促進される。
【0036】
上述の効果は、気体発生剤から気体が発生する以前に架橋が進行しなければ得ることができない。従って、上記架橋成分としては、気体発生剤から気体が発生する以前に架橋が形成されるようなものを選択することが好ましい。従って、気体発生剤から気体を発生させる刺激と架橋成分を架橋させる刺激とは異なっているか、同一である場合であっても重複しない領域があることにより先に架橋を形成させることができることが好ましい。
【0037】
例えば、気体発生剤から気体を発生させる刺激と、架橋成分を架橋させる刺激とが異なる場合には、まず架橋成分を架橋させる刺激を与えた後に、気体発生剤から気体を発生させる刺激を与えることにより、より効果的に発生した気体を接着性物質外へ放出するようにすることができる。
【0038】
また、例えば、気体発生剤として熱による刺激により気体を発生する気体発生剤を、刺激により架橋する架橋成分として上記熱硬化型接着性樹脂等の熱により架橋する架橋成分を用いる場合、上記熱による刺激により気体を発生する気体発生剤の10時間半減期温度は、上記熱による刺激により架橋する架橋成分中の熱重合開始剤の10時間半減期温度よりも高いことが好ましい。上記熱による刺激により気体を発生する気体発生剤の10時間半減期温度は、上記熱による刺激により架橋する架橋成分中の熱重合開始剤の10時間半減期温度よりも20℃以上高いことがより好ましい。これにより、まず架橋成分を架橋させる温度の熱を加えた後に、気体発生剤から気体を発生させる温度の熱を加えることにより、より効果的に発生した気体を接着性物質外へ放出するようにすることができる。
【0039】
本発明の接着性物質は、2種類以上の接着性成分を含有することが好ましく、上記接着性成分の少なくとも1つは上記架橋樹脂であることが好ましい。
なお、本発明の接着性物質の樹脂成分としては特に限定されないが、上述の樹脂の中から熱可塑性樹脂を選択して用いることが好適である。樹脂成分として熱可塑性樹脂を用いた場合、接着性物質を熱により軟化させた状態で被着体との接着を行えるので、表面に凹凸のある被着体であっても密着して強い接着力が得られる。
【0040】
本発明の接着性物質を製造する方法としては、樹脂成分と上記気体発生剤とを混練する方法が挙げられる。しかしながら、気体発生剤がアジド化合物等の熱や衝撃を与えることによって容易に分解して窒素ガスを放出し、いったん分解が始まると連鎖的に反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しその制御ができないような物質である場合には、混練する際の熱や衝撃により気体発生剤の分解が始まるおそれがあり、多量の気体発生剤を含有する接着性物質を製造することは困難である。
【0041】
このような場合には、気体発生剤、重合性原料、及び、光重合開始剤を含有する接着性物質原料にアジド化合物の感光波長よりも長波長である紫外線又は可視光を照射して上記光重合開始剤を活性化して上記重合性原料を重合させて接着性物質を製造する方法を用いることが好ましい。この方法によれば、樹脂成分と気体発生剤とを混練する必要がなく、熱や衝撃により気体発生剤の分解が始まるおそれがない。また、接着性物質の製造を1回の反応で完了することができ、溶剤を使用する必要もないので、多量の気体発生剤を含有する接着性物質を安全かつ容易に製造できる。
【0042】
上記製造方法においては、重合性原料として、例えば、アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーを主成分とするものを用い、更に、気体発生剤の感光波長よりも長波長の紫外線又は可視光を照射されることで活性化する光重合開始剤を用いる。このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0043】
気体発生剤から気体を発生させる刺激と架橋成分を架橋させる刺激とが異なる気体発生剤と架橋成分とを含有する本発明の接着性物質を剥離するには、まず架橋成分を架橋させる刺激を与える。該架橋成分を架橋させる刺激を与え終わる前又は与え終えた後に、気体発生剤から気体を発生させる刺激を与えれば、より効果的に発生した気体を接着性物質外へ放出するようにすることができる。
【0044】
すなわち、気体発生剤から気体を発生させる刺激と架橋成分を架橋させる刺激とが異なる気体発生剤と架橋成分とを含有する本発明の接着性物質を剥離する方法であって、架橋成分を架橋させる刺激を与えて上記架橋成分を架橋させ始めた後に、気体発生剤から気体を発生させる刺激を与えて気体発生剤から気体を発生させ始め、発生した気体が接着性物質外へ放出され被着体から接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる接着性物質の剥離方法もまた、本発明の1つである。
【0045】
熱による刺激により気体を発生する気体発生剤と、熱による刺激により架橋する架橋成分を含有し、上記熱による刺激により気体を発生する気体発生剤の10時間半減期温度は、上記熱による刺激により架橋する架橋成分中の熱重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い本発明の接着性物質を剥離するには、まず架橋成分を架橋させる温度の熱を加える。上記架橋成分を架橋させる温度としては、架橋成分中の熱重合開始剤の10時間半減期温度よりも10℃以上高いことが好ましく、架橋成分中の熱重合開始剤の10時間半減期温度よりも20℃以上高いことがより好ましい。該加熱をし終える前又はし終えた後に、気体発生剤から気体を発生させる波長の光を照射すれば、より効果的に発生した気体を接着性物質外へ放出することができる。
【0046】
すなわち、熱による刺激により気体を発生する気体発生剤と、熱による刺激により架橋する架橋成分とを含有し、上記熱による刺激により気体を発生する気体発生剤の10時間半減期温度は、上記熱による刺激により架橋する架橋成分中の熱重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い本発明の接着性物質を剥離する方法であって、実質的に気体発生剤から気体を発生させる温度ではないが架橋成分を架橋させる温度の熱を加えた後、次いで、より高い温度の熱を加えることにより、気体発生剤から気体を発生させ、発生した気体が接着性物質外へ放出され被着体から接着面の少なくもと一部を剥がし接着力を低下させる接着性物質の剥離方法もまた、本発明の1つである。
【0047】
本発明の接着性物質の剥離方法においては、気体発生剤から気体を発生させる刺激を与える際に、光、熱、超音波及び衝撃からなる群より選択される少なくとも2種以上の刺激を同時に与えることが好ましい。これにより、更に効率よく気体発生剤から気体を発生させることができる。
【0048】
本発明の接着性物質は、様々な接着性製品に用いることができる。上記接着性製品としては、例えば、本発明の接着性物質をバインダー樹脂として用いた接着剤、粘着剤、塗料、コーティング剤、シーリング剤等が挙げられる。このような接着性製品は、本発明の接着性物質をバインダー樹脂として、各接着性製品の目的に従って各種公知の添加剤を加えることにより作製することができる。
【0049】
上記添加剤としては特に限定されず、例えば、粘着性付与剤、フィラー、耐候性付与剤、粘度調整剤、染色剤等が挙げられる。
本発明の接着性物質は、片面粘着テープ、両面粘着テープ、ノンサポートテープ(自立テープ)等の粘着テープ等の粘着剤としても好適である。樹脂成分として熱可塑性樹脂を用いたものは、熱により軟化させた状態で被着体との接着を行えるので、表面に凹凸のある被着体であっても密着して強い接着力が得られ、より効果的である。
【0050】
本発明の接着性物質を粘着剤として用いた粘着テープとしては、例えば、包装テープ、化粧テープ、表面保護テープ、マスキングテープ、ダイシングテープ、バックグラインドテープ等が挙げられる。
【0051】
基材の少なくとも一方の面に、本発明の接着性物質を含有する層が形成されてなるテープもまた、本発明の1つである。
本発明のテープとしては、例えば、本発明の接着性物質を含有する層が基材の一方の面にのみ形成されてなる片面粘着テープ、本発明の接着性物質を含有する層が基材の両方の面に形成されてなる両面粘着テープ、一方の面の粘着層のみが本発明の接着性物質を含有する層である両面粘着テープ等が挙げられる。
【0052】
本発明のテープは、基材の少なくもと一方の面に複数の層が形成されたものであることが好ましい。この場合、最外層が本発明の接着性物質を含有する層であり、かつ、基材と接する層が本発明の接着性物質を含有しない層であることがより好ましい。これにより、上記気体発生剤から発生した気体は被着体との接着面にのみ放出され、テープの基材側には放出されることがなく、従って、被着体側に糊残りすることなく被着体を剥離することができる。
【0053】
なお、本発明の接着性物質を含有する層が本発明の接着性物質を含有しない層と接する場合には、本発明の接着性物質を含有する層と本発明の接着性物質を含有しない層とは、本発明の接着性物質を含有する層を構成する樹脂成分と異なる組成の樹脂成分からなることが好ましい。これにより、本発明の接着性物質を含有する層中の気体発生剤が他の本発明の接着性物質を含有しない層に移行することを防止することができる。
【0054】
接着性物質を含有する複数の層からなるテープであって、少なくとも一方の表面の層は、本発明の接着性物質を含有するものであるテープもまた、本発明の1つである。このように基材を有さないテープは自立テープともいわれる。接着性物質を含有する複数の層の表面部分にのみ気体発生剤が存在することから、自立テープの中心部分に気泡が発生することがなく凝集力の低下が防がれ糊残りなく被着体から剥離することが可能である。また、一方の表面の層にのみに本発明の接着性物質を含有する場合には、該一方の被着体のみを剥離させることができる。
【0055】
表面の一部に粘着性を有する粘着剤層が形成されており、上記粘着剤層は本発明の接着性物質を含有する層であるテープもまた、本発明の1つである。このように部分的に接着性を有する粘着剤層が形成された粘着テープを用いることにより、被着体のうち特に脆弱で剥離時に損傷しやすい部分には粘着性を持たない表面と接するようにし、その他の比較的堅牢な部分でのみ接着を行うことにより、より被着体を損傷することなくテープを剥がすことができる。また、任意のパターンで粘着剤層を形成すれば、テープの接着力を自由に調節することができる。
【0056】
これらのテープに形成された本発明の接着性物質を含有する層には、外部に開口する非貫通孔又は貫通孔が形成されていることが好ましい。このような非貫通孔又は貫通孔により、気体発生剤から発生した気体は、より容易に接着性物質外へ放出することができる。上記非貫通孔が形成されている場合には、開口した側の面にのみ気体の放出が促進され、上記貫通孔が形成されている場合には、両側の面に気体の放出が促進される。
【0057】
(実施例1)
<接着性物質の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
【0058】
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルアクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート20重量部、パーブチルD(日本油脂社製)0.5重量部、ポリイソシアネート0.3重量部を混合し粘着剤(7)の酢酸エチル溶液を調製した。
【0059】
ブチルアクリレート 79重量部
エチルアクリレート 15重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
粘着剤(7)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、グリシジルアジドポリマー100重量部を混合して、アジド化合物を含有する粘着剤(8)の酢酸エチル溶液を調製した。
【0060】
<粘着テープの作製>
粘着剤(7)の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ38μmの透明なPETフィルムのコロナ処理を施した面上に乾燥皮膜の厚さが約10μmとなるようにドクターナイフで塗工し、溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。
【0061】
一方、粘着剤(8)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施された厚さ38μmPETフィルムに、バーコーターを用いての乾燥後の厚さが5μmとなるように塗工し、溶剤を揮発させ粘着剤層を乾燥させた。
【0062】
片面にコロナ処理を施したPETフィルム上に形成された粘着剤(7)層と、離型処理が施されたPETフィルム上に形成された粘着剤(8)層とを貼り合わせた後、3日間40℃で養生して、粘着テープ5を得た。
【0063】
<粘着テープの貼付と剥離>
得られた粘着テープ5を石英ガラス板に貼り付けた。
この粘着テープ5を貼り付けた石英ガラス板を130℃に加熱して粘着剤(7)層及び粘着剤(8)層を重合硬化させた。次いで、180℃に加熱してガラス越しに接着界面を観察すると粘着剤がガラスから剥離している部分が多数観察された。粘着テープはガラス板から容易に剥離することができた。
【0064】
(実施例2)
<接着性物質の調製>
実施例1で作製した粘着剤(7)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2′−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)100重量部を混合して、アゾ化合物を含有する粘着剤(9)の酢酸エチル溶液を調製した。
【0065】
<粘着テープの作製>
粘着剤(7)の酢酸エチル溶液を、片面にコロナ処理を施した厚さ38μmの透明なPETフィルムのコロナ処理を施した面上に乾燥皮膜の厚さが約10μmとなるようにドクターナイフで塗工し、溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。
【0066】
一方、粘着剤(9)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施された厚さ38μmPETフィルムに、バーコーターを用いての乾燥後の厚さが5μmとなるように塗工し、溶剤を揮発させ粘着剤層を乾燥させた。
【0067】
片面にコロナ処理を施したPETフィルム上に形成された粘着剤(7)層と、離型処理が施されたPETフィルム上に形成された粘着剤(9)層とを貼り合わせた後、3日間40℃で養生して、粘着テープ6を得た。
【0068】
<粘着テープの貼付と剥離>
得られた粘着テープ6を石英ガラス板に貼り付けた。
この粘着テープ6を貼り付けた石英ガラス板を130℃に加熱して粘着剤(7)層及び粘着剤(9)層を重合硬化させた。次いで、180℃に加熱してガラス越しに接着界面を観察すると粘着剤がガラスから剥離している部分が多数観察された。粘着テープはガラス板から容易に剥離することができた。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、熱、衝撃及び超音波からなる群から選択した少なくとも1種の刺激を与えることにより被着体を損傷することなく容易に剥がすことができる接着性物質、これを用いた粘着テープ及び接着性物質の剥離方法を提供できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an adhesive substance that can be easily peeled off without damaging an adherend by giving a stimulus, a pressure-sensitive adhesive tape using the same, and a method for peeling the adhesive substance.
[0002]
[Prior art]
Today, adhesive materials are widely used in adhesive agents such as adhesives, sealing agents, paints, coating agents, etc., adhesives such as adhesive tapes or self-supporting tapes.
[0003]
The performance required for these adhesive substances varies depending on the application, but depending on the application, it may be required to exhibit adhesiveness only for the required time but to be easily peeled off thereafter.
[0004]
For example, in a manufacturing process of an IC chip, when a thick film wafer cut from a high-purity silicon single crystal or the like is polished to a predetermined thickness to be a thin film wafer, the thick film wafer is bonded to a support plate to be reinforced. By doing so, it has been proposed to work efficiently. At this time, as an adhesive substance for bonding the thick film wafer and the support plate, while firmly bonding during the polishing process, from the support plate without damaging the thin film wafer obtained after the polishing process is completed It must be peeled off.
[0005]
As a method for peeling off the adhesive substance, for example, it is conceivable to peel it off by applying a physical force. However, this method may cause serious damage when the adherend is soft.
[0006]
Moreover, the method of peeling off an adhesive substance using the solvent which can melt | dissolve an adhesive substance is also considered. However, this method cannot be used when the adherend is attacked by a solvent.
[0007]
As described above, the adhesive substance once used for bonding has a problem that it is more difficult to peel off the adherend without damaging the adherend as the adhesive strength is stronger.
On the other hand, the following patent document 1 discloses an adhesive containing an azide compound. The azide compound decomposes and emits nitrogen gas when irradiated with ultraviolet rays. Therefore, when UV light is applied to the adhesive surface that has been bonded using a pressure-sensitive adhesive containing an azide compound, the nitrogen gas released by decomposition of the azide compound peels off a part of the adhesive surface of the pressure-sensitive adhesive from the adherend. Since the force is reduced, the adherend can be easily peeled off.
[0008]
However, in actuality, nitrogen gas released by decomposition of the azide compound accumulates as bubbles in the adhesive, and when it adheres strongly to the adherend, it is not fully released out of the adhesive and is not covered. There was a problem that the body could not be peeled off.
[0009]
[Patent Document 1]
JP 2001-200274 A
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above-mentioned present situation, the present invention provides an adhesive substance that can be easily peeled off without damaging an adherend by giving a stimulus, a pressure-sensitive adhesive tape using the same, and a method for peeling the adhesive substance. It is the purpose.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is an adhesive substance containing a gas generating agent that generates a gas by at least one kind of stimulus selected from the group consisting of heat, impact and ultrasonic waves, and the gas generated from the gas generating agent is The adhesive substance is released from the adhesive substance and does not foam, and the gas generated from the gas generating agent peels at least a part of the adhesive surface of the adhesive substance from the adherend to reduce the adhesive force. It is an adhesive substance.
[0012]
The present invention is described in detail below.
The adhesive substance of the present invention contains a gas generating agent that generates gas by at least one kind of stimulation selected from the group consisting of heat, impact and ultrasonic waves. In the present specification, the adhesive substance refers to a substance having adhesiveness in a state where it is applied to an adherend, and is not particularly limited as long as it exhibits a property of adhering to at least a surface to be adhered.
[0013]
Although it does not specifically limit as a gas generating agent which generate | occur | produces gas by the said irritation | stimulation, For example, an azo compound, an azide compound, etc. are used suitably.
Examples of the azo compound include 2,2′-azobis (N-cyclohexyl-2-methylpropionamide), 2,2′-azobis [N- (2-methylpropyl) -2-methylpropionamide], 2 , 2'-azobis (N-butyl-2-methylpropionamide), 2,2'-azobis [N- (2-methylethyl) -2-methylpropionamide], 2,2'-azobis (N-hexyl) -2-methylpropionamide), 2,2'-azobis (N-propyl-2-methylpropionamide), 2,2'-azobis (N-ethyl-2-methylpropionamide), 2,2'-azobis [2-Methyl-N- [1,1-bis (hydroxymethyl) -2-hydroxyethyl] propionamide], 2,2′-azobis [2-methyl-N- [2- (1- Droxybutyl)] propionamide], 2,2'-azobis [2-methyl-N- (2-hydroxyethyl) propionamide], 2,2'-azobis [N- (2-propenyl) -2-methyl Propionamide], 2,2'-azobis [2- (5-methyl-2-imidazolin-2-yl) propane] dihydrochloride, 2,2'-azobis [2- (2-imidazolin-2-yl) Propane] dihydrochloride, 2,2'-azobis [2- (2-imidazolin-2-yl) propane] disulfate dihydrolate, 2,2'-azobis [2- (3,4,5,6) -Tetrahydropyrimidin-2-yl) propane] dihydrochloride, 2,2'-azobis [2- [1- (2-hydroxyethyl) -2-imidazoline-2- Yl] propane] dihydrochloride, 2,2′-azobis [2- (2-imidazolidin-2-yl) propane], 2,2′-azobis (2-methylpropionamidyne) hydrochloride, 2,2 ′ -Azobis (2-aminopropane) dihydrochloride, 2,2'-azobis [N- (2-carboxyacyl) -2-methyl-propionamidine], 2,2'-azobis [2- [N- ( 2-carboxyethyl) amidyne] propane], 2,2'-azobis (2-methylpropionamidooxime), dimethyl 2,2'-azobis (2-methylpropionate), dimethyl 2,2'-azobisiso Butyrate, 4,4'-azobis (4-cyancarbonic acid), 4,4'-azobis (4-cyanopentanoic acid), , 2'-azobis (2,4,4-trimethylpentane), and the like.
[0014]
These azo compounds generate nitrogen gas when stimulated by light, heat, or the like.
Examples of the azide compound include 3-azidomethyl-3-methyloxetane, terephthalazide, p-tert-butylbenzazide; glycidyl azide polymer obtained by ring-opening polymerization of 3-azidomethyl-3-methyloxetane, and the like. And a polymer having an azide group. These azide compounds are decomposed by applying a stimulus by light of a specific wavelength, heat, ultrasonic waves, impact, etc., and generate nitrogen gas.
[0015]
Among these gas generating agents, the azide compound is easily decomposed even by giving an impact and releases nitrogen gas, so that there is a problem that handling is difficult. Furthermore, once the decomposition starts, the azide compound causes a chain reaction and explosively releases nitrogen gas, which cannot be controlled. Therefore, the adherend may be damaged by the explosively generated nitrogen gas. There is also a problem. Due to such problems, the amount of the azide compound used is limited, but sufficient effects may not be obtained with the limited amount used.
[0016]
On the other hand, unlike the azide compound, the azo compound is extremely easy to handle because it does not generate gas upon impact. In addition, since no gas is explosively generated due to a chain reaction, the adherend is not damaged, and generation of gas can be interrupted if light irradiation is interrupted. There is also an advantage that control is possible. Therefore, it is more preferable to use an azo compound as the gas generating agent.
[0017]
The azo compound preferably has a 10-hour half-life temperature of 80 ° C. or higher. When the 10-hour half-life temperature is less than 80 ° C., the adhesive substance of the present invention may foam when it is molded by casting and dried, or it undergoes a decomposition reaction over time, causing degradation residues to bleed. In some cases, gas may be generated over time and the interface with the adherend to be bonded may be lifted. If the 10-hour half-life temperature is 80 ° C. or higher, the heat resistance is excellent, and therefore, use at a high temperature and stable storage are possible.
[0018]
Examples of the azo compound having a 10-hour half-life temperature of 80 ° C. or higher include azoamide compounds represented by the following general formula (1). The azoamide compound represented by the following general formula (1) is excellent in heat resistance, and also has excellent solubility in adhesive polymers such as an alkyl acrylate polymer to be described later, and is an adhesive substance. It can be non-existent as particles.
[0019]
[Chemical formula 2]
Figure 0004238037
[0020]
In formula (1), R 1 And R 2 Each represents a lower alkyl group, R Three Represents a saturated alkyl group having 2 or more carbon atoms. R 1 And R 2 May be the same or different.
[0021]
Examples of the azoamide compound represented by the general formula (1) include 2,2′-azobis (N-cyclohexyl-2-methylpropionamide) and 2,2′-azobis [N- (2-methylpropyl). -2-methylpropionamide], 2,2′-azobis (N-butyl-2-methylpropionamide), 2,2′-azobis [N- (2-methylethyl) -2-methylpropionamide], 2 2,2′-azobis (N-hexyl-2-methylpropionamide), 2,2′-azobis (N-propyl-2-methylpropionamide), 2,2′-azobis (N-ethyl-2-methylpropionamide) Amide), 2,2′-azobis [2-methyl-N- [1,1-bis (hydroxymethyl) -2-hydroxyethyl] propionamide], 2,2′-azobis [ -Methyl-N- [2- (1-hydroxybutyl)] propionamide], 2,2'-azobis [2-methyl-N- (2-hydroxyethyl) propionamide], 2,2'-azobis [N -(2-propenyl) -2-methylpropionamide] and the like. Among these, 2,2′-azobis (N-butyl-2-methylpropionamide) and 2,2′-azobis [N- (2-propenyl) -2-methylpropionamide] have improved solubility in solvents. It is preferably used because it is particularly excellent.
[0022]
The gas generating agent is preferably not present as particles. In addition, in this specification, that a gas generating agent does not exist as a particle means that a gas generating agent cannot be confirmed when the adhesive substance of this invention is observed with an electron microscope.
[0023]
In order to prevent the gas generating agent from being present as particles, normally, a gas generating agent that dissolves in the adhesive substance of the present invention is selected, but a gas generating agent that does not dissolve in the adhesive substance of the present invention is selected. In this case, for example, the gas generating agent is finely dispersed in the adhesive substance of the present invention by using a disperser or using a dispersing agent in combination. In order to finely disperse the azo compound in the adhesive substance of the present invention, the gas generating agent is preferably fine particles. Further, these fine particles can be obtained using, for example, a disperser or a kneading apparatus. It is preferable to use finer particles as necessary. That is, it is more preferable to disperse the gas generating agent to a state where it cannot be confirmed when the adhesive substance of the present invention is observed with an electron microscope.
[0024]
In the adhesive substance of the present invention, the gas generated from the gas generating agent is released out of the adhesive substance. Thereby, since the gas generated from the gas generating agent peels at least a part of the adhesion surface of the adhesive substance from the adherend and reduces the adhesive force, the adherend can be easily peeled off. At this time, it is preferable that most of the gas generated from the gas generating agent is released out of the adhesive substance. If most of the gas generated from the gas generating agent is not released to the outside of the adhesive substance, the adhesive substance is foamed entirely by the gas generated from the gas generating agent, and the effect of reducing the adhesive force is sufficient. It cannot be obtained, and an adhesive residue may be generated on the adherend. As long as no adhesive residue is generated on the adherend, a part of the gas generated from the gas generating agent may be dissolved in the adhesive substance or may be present as bubbles in the adhesive substance. It doesn't matter.
[0025]
The adhesive substance of the present invention is preferably cross-linked in advance in order to adjust the elastic modulus in a state before reducing the adhesive force by generating gas by stimulation, for example, photocurable adhesive property described later The resin or thermosetting adhesive resin may be cross-linked in advance to the extent that it can be stimulated by light or heat to maintain adhesiveness, and a chemically cross-linked compound such as an isocyanate compound is blended. Also good. Since the elastic modulus of the adhesive substance of the present invention is increased by being crosslinked in advance, the gas generated from the gas generating agent is less likely to remain in the adhesive substance as bubbles, and the release to the outside of the adhesive substance is promoted. Is done.
[0026]
The adhesive substance of the present invention preferably contains a cross-linking component that cross-links upon stimulation. Examples of the crosslinking component that crosslinks upon stimulation include, for example, an acrylic acid alkyl ester-based and / or methacrylic acid alkyl ester-based polymerizable polymer having a radical polymerizable unsaturated bond in the molecule, and a radical polymerizable Photo-curing adhesive resin containing polyfunctional oligomers or monomers as main components and containing a photopolymerization initiator as required, or alkyl acrylate ester having radically polymerizable unsaturated bonds in the molecule And / or a methacrylic acid alkyl ester-based polymerizable polymer and a radical polymerizable polyfunctional oligomer or monomer as main components and a thermosetting adhesive resin containing a thermal polymerization initiator. It is done.
[0027]
The polymerizable polymer is prepared by, for example, previously synthesizing a (meth) acrylic polymer having a functional group in the molecule (hereinafter referred to as a functional group-containing (meth) acrylic polymer) and reacting with the functional group in the molecule. It can obtain by making it react with the compound (henceforth a functional group containing unsaturated compound) which has a functional group to perform and a radically polymerizable unsaturated bond.
[0028]
The functional group-containing (meth) acrylic polymer is an acrylic having an alkyl group usually in the range of 2 to 18 as a polymer having adhesiveness at room temperature, as in the case of a general (meth) acrylic polymer. By copolymerizing an acid alkyl ester and / or methacrylic acid alkyl ester as a main monomer, a functional group-containing monomer, and, if necessary, another modifying monomer copolymerizable therewith by a conventional method It is obtained. The weight average molecular weight of the functional group-containing (meth) acrylic polymer is usually about 200,000 to 2,000,000.
[0029]
Examples of the functional group-containing monomer include a carboxyl group-containing monomer such as acrylic acid and methacrylic acid; a hydroxyl group-containing monomer such as hydroxyethyl acrylate and hydroxyethyl methacrylate; and an epoxy group containing glycidyl acrylate and glycidyl methacrylate. Monomers; Isocyanate group-containing monomers such as isocyanate ethyl acrylate and isocyanate ethyl methacrylate; and amino group-containing monomers such as aminoethyl acrylate and aminoethyl methacrylate.
[0030]
Examples of other modifying monomers that can be copolymerized include various monomers used in general (meth) acrylic polymers such as vinyl acetate, acrylonitrile, and styrene.
[0031]
The functional group-containing unsaturated compound to be reacted with the functional group-containing (meth) acrylic polymer is the same as the functional group-containing monomer described above according to the functional group of the functional group-containing (meth) acrylic polymer. it can. For example, when the functional group of the functional group-containing (meth) acrylic polymer is a carboxyl group, an epoxy group-containing monomer or an isocyanate group-containing monomer is used, and when the functional group is a hydroxyl group, an isocyanate group-containing monomer is used. When the functional group is an epoxy group, a carboxyl group-containing monomer or an amide group-containing monomer such as acrylamide is used, and when the functional group is an amino group, an epoxy group-containing monomer is used.
[0032]
The polyfunctional oligomer or monomer preferably has a molecular weight of 10,000 or less, and more preferably has a molecular weight of 5,000 or less and a molecular weight so that a three-dimensional network of the pressure-sensitive adhesive layer can be efficiently formed by light irradiation. Among them, the number of radically polymerizable unsaturated bonds is 2 to 20. As such a more preferable polyfunctional oligomer or monomer, for example, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, tetramethylolmethanetetra (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, di Examples include pentaerythritol monohydroxypenta (meth) acrylate and dipentaerythritol hexa (meth) acrylate. Other examples include 1,4-butylene glycol di (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, polyethylene glycol di (meth) acrylate, and commercially available oligoester (meth) acrylate. These polyfunctional oligomers or monomers may be used alone or in combination of two or more.
[0033]
Examples of the photopolymerization initiator include those activated by irradiation with light having a wavelength of 250 to 800 nm. Examples of such a photopolymerization initiator include acetophenone derivative compounds such as methoxyacetophenone. Benzoin ether compounds such as benzoin propyl ether and benzoin isobutyl ether; ketal derivative compounds such as benzyl dimethyl ketal and acetophenone diethyl ketal; phosphine oxide derivative compounds; bis (η5-cyclopentadienyl) titanocene derivative compounds, benzophenone, Michler's ketone Chlorothioxanthone, todecylthioxanthone, dimethylthioxanthone, diethylthioxanthone, α-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, 2-hydroxymethylphenyl pro Examples thereof include photo radical polymerization initiators such as bread. These photoinitiators may be used independently and 2 or more types may be used together.
[0034]
Examples of the thermal polymerization initiator include those that decompose by heat and generate an active radical that initiates polymerization and curing. Specific examples include dicumyl peroxide, di-t-butyl peroxide, and t-butyl. Examples include peroxybenzoyl, t-butyl hydroperoxide, benzoyl peroxide, cumene hydroperoxide, diisopropylbenzene hydroperoxide, paramentane hydroperoxide, and di-t-butyl peroxide. Among these, cumene hydroperoxide, paramentane hydroperoxide, di-t-butyl peroxide, and the like are preferable because of their high thermal decomposition temperature. Although it does not specifically limit as what is marketed among these thermal polymerization initiators, For example, perbutyl D, perbutyl H, perbutyl P, permenta H (all are the products made by NOF Corporation) etc. are suitable. These thermal polymerization initiators may be used independently and 2 or more types may be used together.
[0035]
The post-curing adhesive resin such as the above-mentioned photo-curing adhesive resin or thermosetting adhesive resin, because the entire adhesive resin is uniformly and rapidly polymerized and integrated by stimulation with light or heat, The decrease in tan δ in the rubber-like region due to polymerization and curing becomes significant, and the adhesive strength is greatly reduced. Further, when the adhesive substance of the present invention containing the post-curing adhesive resin is stimulated by light or heat, the tan δ of the rubber-like region of the entire adhesive substance is reduced and cured, so that gas is generated. The gas generated from the agent becomes difficult to stay in the adhesive substance as bubbles, and the release to the outside of the adhesive substance is promoted.
[0036]
The above-mentioned effect cannot be obtained unless the crosslinking proceeds before the gas is generated from the gas generating agent. Therefore, it is preferable to select the crosslinking component such that crosslinking is formed before gas is generated from the gas generating agent. Therefore, it is preferable that the stimulus for generating gas from the gas generating agent is different from the stimulus for crosslinking the crosslinking component, or the crosslinking can be formed first because there are non-overlapping regions even in the same case. .
[0037]
For example, when the stimulus for generating a gas from the gas generating agent is different from the stimulus for cross-linking the crosslinking component, first, the stimulus for generating the gas from the gas generating agent is given after the stimulus for crosslinking the crosslinking component is given first. Thus, the gas generated more effectively can be released out of the adhesive substance.
[0038]
In addition, for example, when a gas generating agent that generates gas by heat stimulation is used as the gas generating agent, and a crosslinking component that is crosslinked by heat such as the thermosetting adhesive resin is used as a crosslinking component that is crosslinked by stimulation, The 10-hour half-life temperature of the gas generating agent that generates gas by stimulation is preferably higher than the 10-hour half-life temperature of the thermal polymerization initiator in the crosslinking component that is crosslinked by stimulation with heat. The 10-hour half-life temperature of the gas generating agent that generates gas by the stimulation by heat is more than 20 ° C. higher than the 10-hour half-life temperature of the thermal polymerization initiator in the crosslinking component that is crosslinked by the stimulation by heat. preferable. Thus, firstly, heat at a temperature for crosslinking the crosslinking component is applied, and then heat at a temperature for generating gas from the gas generating agent is applied, so that the gas generated more effectively is released out of the adhesive substance. can do.
[0039]
The adhesive substance of the present invention preferably contains two or more types of adhesive components, and at least one of the adhesive components is preferably the crosslinked resin.
In addition, although it does not specifically limit as a resin component of the adhesive substance of this invention, It is suitable to select and use a thermoplastic resin from the above-mentioned resin. When a thermoplastic resin is used as the resin component, it can be adhered to the adherend in a state where the adhesive substance is softened by heat. Is obtained.
[0040]
Examples of the method for producing the adhesive substance of the present invention include a method of kneading the resin component and the gas generating agent. However, the gas generating agent decomposes easily by applying heat and impact such as azide compounds and releases nitrogen gas, and once decomposition starts, it reacts in a chain and releases nitrogen gas explosively. In the case where the material cannot be used, the gas generating agent may be decomposed by heat or impact during kneading, and it is difficult to produce an adhesive material containing a large amount of the gas generating agent.
[0041]
In such a case, the above light is irradiated by irradiating the adhesive material raw material containing the gas generating agent, the polymerizable raw material, and the photopolymerization initiator with ultraviolet light or visible light having a wavelength longer than the photosensitive wavelength of the azide compound. It is preferable to use a method of activating the polymerization initiator and polymerizing the polymerizable raw material to produce an adhesive substance. According to this method, it is not necessary to knead the resin component and the gas generating agent, and there is no possibility that the gas generating agent starts to be decomposed by heat or impact. In addition, since the production of the adhesive substance can be completed by a single reaction and it is not necessary to use a solvent, an adhesive substance containing a large amount of a gas generating agent can be produced safely and easily.
[0042]
In the above production method, as a polymerizable raw material, for example, a material mainly composed of an acrylic monomer or an acrylic oligomer is used and further irradiated with ultraviolet rays or visible light having a wavelength longer than the photosensitive wavelength of the gas generating agent. The photoinitiator activated by this is used. Examples of such photopolymerization initiators include acetophenone derivative compounds such as methoxyacetophenone; benzoin ether compounds such as benzoin propyl ether and benzoin isobutyl ether; ketal derivative compounds such as benzyldimethyl ketal and acetophenone diethyl ketal; phosphine oxide Derivative compounds: Photoradicals such as bis (η5-cyclopentadienyl) titanocene derivative compounds, benzophenone, Michler ketone, chlorothioxanthone, todecylthioxanthone, dimethylthioxanthone, diethylthioxanthone, α-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, 2-hydroxymethylphenylpropane A polymerization initiator is mentioned. These photoinitiators may be used independently and 2 or more types may be used together.
[0043]
In order to peel the adhesive substance of the present invention containing a gas generating agent and a cross-linking component, which have different stimuli for generating gas from the gas generating agent and cross-linking component, first, a stimulus for cross-linking the cross-linking component is given. . If a stimulus for generating a gas from the gas generating agent is given before or after giving the stimulus for crosslinking the crosslinking component, the gas generated more effectively can be released out of the adhesive substance. it can.
[0044]
That is, a method of peeling an adhesive substance of the present invention containing a gas generating agent and a cross-linking component that are different in the stimulus for generating gas from the gas generating agent and the stimulus for cross-linking the cross-linking component, and cross-linking the cross-linking component After starting to crosslink the cross-linking component by giving a stimulus, start to generate a gas from the gas generating agent by giving a stimulus to generate a gas from the gas generating agent, and the generated gas is released out of the adhesive substance. A method for peeling off the adhesive substance that peels at least a part of the adhesive surface from the adhesive and lowers the adhesive strength is also one aspect of the present invention.
[0045]
The 10-hour half-life temperature of the gas generating agent that contains a gas generating agent that generates gas by heat stimulation and a cross-linking component that cross-links by heat stimulation and generates gas by the heat stimulation is determined by the heat stimulation. In order to peel the adhesive substance of the present invention having a temperature higher than the 10-hour half-life temperature of the thermal polymerization initiator in the crosslinking component to be crosslinked, first, heat at a temperature for crosslinking the crosslinking component is applied. The temperature for crosslinking the crosslinking component is preferably higher by 10 ° C. or more than the 10-hour half-life temperature of the thermal polymerization initiator in the crosslinking component, and is higher than the 10-hour half-life temperature of the thermal polymerization initiator in the crosslinking component. More preferably, it is 20 ° C. or higher. Before or after the heating is completed, if the light having a wavelength for generating a gas is irradiated from the gas generating agent, the generated gas can be released more effectively out of the adhesive substance.
[0046]
That is, the 10-hour half-life temperature of the gas generating agent that contains a gas generating agent that generates gas by heat stimulation and a crosslinking component that cross-links by heat stimulation and generates gas by the heat stimulation is It is a method for peeling the adhesive substance of the present invention, which is higher than the 10-hour half-life temperature of the thermal polymerization initiator in the cross-linking component that is cross-linked by stimulation with, and is not substantially a temperature at which gas is generated from the gas generating agent. After applying heat at a temperature at which the cross-linking component cross-links, a gas is generated from the gas generating agent by applying heat at a higher temperature, and the generated gas is released out of the adhesive substance and released from the adherend. A method for peeling an adhesive substance that peels at least a part of an adhesive surface to reduce the adhesive force is also one aspect of the present invention.
[0047]
In the adhesive substance peeling method of the present invention, when applying a stimulus for generating a gas from the gas generating agent, at least two types of stimuli selected from the group consisting of light, heat, ultrasonic waves and impact are simultaneously given. It is preferable. Thereby, gas can be more efficiently generated from a gas generating agent.
[0048]
The adhesive substance of the present invention can be used for various adhesive products. Examples of the adhesive product include an adhesive, an adhesive, a paint, a coating agent, and a sealing agent using the adhesive substance of the present invention as a binder resin. Such an adhesive product can be produced by adding various known additives according to the purpose of each adhesive product using the adhesive substance of the present invention as a binder resin.
[0049]
It does not specifically limit as said additive, For example, a tackifier, a filler, a weather resistance imparting agent, a viscosity modifier, a dyeing agent etc. are mentioned.
The adhesive substance of this invention is suitable also as adhesives, such as adhesive tapes, such as a single-sided adhesive tape, a double-sided adhesive tape, a non-support tape (self-supporting tape). Those using a thermoplastic resin as the resin component can adhere to the adherend while being softened by heat, so that even adherends with uneven surfaces can be adhered and have strong adhesive strength. Is more effective.
[0050]
Examples of the pressure-sensitive adhesive tape using the adhesive substance of the present invention as a pressure-sensitive adhesive include packaging tape, decorative tape, surface protective tape, masking tape, dicing tape, and back grind tape.
[0051]
A tape in which a layer containing the adhesive substance of the present invention is formed on at least one surface of the substrate is also one aspect of the present invention.
As the tape of the present invention, for example, a single-sided pressure-sensitive adhesive tape in which the layer containing the adhesive substance of the present invention is formed only on one surface of the substrate, the layer containing the adhesive substance of the present invention is the base material Examples thereof include a double-sided pressure-sensitive adhesive tape formed on both surfaces, and a double-sided pressure-sensitive adhesive tape in which only the pressure-sensitive adhesive layer on one surface contains the adhesive substance of the present invention.
[0052]
The tape of the present invention preferably has a plurality of layers formed on at least one surface of the substrate. In this case, it is more preferable that the outermost layer is a layer containing the adhesive substance of the present invention, and the layer in contact with the substrate is a layer not containing the adhesive substance of the present invention. As a result, the gas generated from the gas generating agent is released only to the adhesion surface with the adherend, and is not released to the base material side of the tape. Therefore, the adhesive is not left on the adherend side. The kimono can be peeled off.
[0053]
When the layer containing the adhesive substance of the present invention is in contact with the layer not containing the adhesive substance of the present invention, the layer containing the adhesive substance of the present invention and the layer not containing the adhesive substance of the present invention Is preferably composed of a resin component having a composition different from that of the resin component constituting the layer containing the adhesive substance of the present invention. Thereby, it can prevent that the gas generating agent in the layer containing the adhesive substance of this invention transfers to the layer which does not contain the other adhesive substance of this invention.
[0054]
A tape comprising a plurality of layers containing an adhesive substance, wherein at least one surface layer contains the adhesive substance of the present invention, is also one aspect of the present invention. Thus, the tape which does not have a base material is also called self-supporting tape. Since the gas generating agent exists only on the surface part of the plurality of layers containing the adhesive substance, air bubbles are not generated in the central part of the self-supporting tape, preventing the cohesive force from being lowered, and the adherend without any adhesive residue It is possible to peel from. When the adhesive substance of the present invention is contained only in one surface layer, only the one adherend can be peeled off.
[0055]
A tape in which an adhesive layer having adhesiveness is formed on a part of the surface and the adhesive layer is a layer containing the adhesive substance of the present invention is also one aspect of the present invention. By using the pressure-sensitive adhesive tape on which the pressure-sensitive adhesive layer having a partial adhesive property is formed in this way, a part that is particularly fragile and easily damaged when peeled is in contact with a non-sticky surface. By adhering only at other relatively robust portions, the tape can be peeled off without damaging the adherend. Moreover, if the pressure-sensitive adhesive layer is formed in an arbitrary pattern, the adhesive force of the tape can be freely adjusted.
[0056]
The layer containing the adhesive substance of the present invention formed on these tapes preferably has a non-through hole or a through hole that opens to the outside. Due to such non-through holes or through holes, the gas generated from the gas generating agent can be more easily released out of the adhesive substance. When the non-through hole is formed, the gas release is promoted only on the open side surface, and when the through hole is formed, the gas release is promoted on the both side surfaces. .
[0057]
Example 1
<Preparation of adhesive substance>
The following compounds were dissolved in ethyl acetate and polymerized by irradiating with ultraviolet rays to obtain an acrylic copolymer having a weight average molecular weight of 700,000.
[0058]
To 100 parts by weight of the resin solid content of the ethyl acetate solution containing the acrylic copolymer obtained, 3.5 parts by weight of 2-isocyanatoethyl acrylate was added and reacted, and the resin of the ethyl acetate solution after the reaction was further reacted Ethyl acetate solution of pressure-sensitive adhesive (7) by mixing 20 parts by weight of pentaerythritol triacrylate, 0.5 parts by weight of perbutyl D (manufactured by NOF Corporation) and 0.3 parts by weight of polyisocyanate with respect to 100 parts by weight of solid content Was prepared.
[0059]
79 parts by weight of butyl acrylate
15 parts by weight of ethyl acrylate
1 part by weight of acrylic acid
2-hydroxyethyl acrylate 5 parts by weight
Photopolymerization initiator 0.2 parts by weight
(Irgacure 651, 50% ethyl acetate solution)
Lauryl mercaptan 0.01 parts by weight
100 parts by weight of the glycidyl azide polymer was mixed with 100 parts by weight of the resin solid content of the ethyl acetate solution of the pressure-sensitive adhesive (7) to prepare an ethyl acetate solution of the pressure-sensitive adhesive (8) containing the azide compound.
[0060]
<Production of adhesive tape>
Use a doctor knife to apply an ethyl acetate solution of the adhesive (7) on the corona-treated surface of a 38 μm-thick transparent PET film on one side so that the dry film thickness is about 10 μm. Coating was performed, and the solvent was evaporated to dry the coating solution. The pressure-sensitive adhesive layer after drying showed adhesiveness in a dry state.
[0061]
On the other hand, an ethyl acetate solution of the pressure-sensitive adhesive (8) was applied to a 38 μm-thick PET film having a release treatment applied to the surface so that the thickness after drying using a bar coater was 5 μm. And the pressure-sensitive adhesive layer was dried.
[0062]
After the pressure-sensitive adhesive (7) layer formed on the PET film subjected to the corona treatment on one side and the pressure-sensitive adhesive (8) layer formed on the PET film subjected to the mold release treatment were bonded together, 3 The adhesive tape 5 was obtained by curing at 40 ° C. for a day.
[0063]
<Attaching and peeling adhesive tape>
The obtained adhesive tape 5 was attached to a quartz glass plate.
The quartz glass plate with the adhesive tape 5 attached thereto was heated to 130 ° C. to polymerize and cure the adhesive (7) layer and the adhesive (8) layer. Subsequently, when the adhesive interface was observed through the glass by heating to 180 ° C., many portions where the adhesive was peeled off from the glass were observed. The adhesive tape could be easily peeled from the glass plate.
[0064]
(Example 2)
<Preparation of adhesive substance>
100 parts by weight of 2,2′-azobis- (N-butyl-2-methylpropionamide) was mixed with 100 parts by weight of the resin solid content of the ethyl acetate solution of the pressure-sensitive adhesive (7) prepared in Example 1. Then, an ethyl acetate solution of the pressure-sensitive adhesive (9) containing an azo compound was prepared.
[0065]
<Production of adhesive tape>
Use a doctor knife to apply an ethyl acetate solution of the adhesive (7) on the corona-treated surface of a 38 μm-thick transparent PET film on one side so that the dry film thickness is about 10 μm. Coating was performed, and the solvent was evaporated to dry the coating solution. The pressure-sensitive adhesive layer after drying showed adhesiveness in a dry state.
[0066]
On the other hand, an ethyl acetate solution of the pressure-sensitive adhesive (9) was applied to a 38 μm-thick PET film having a release treatment on the surface so that the thickness after drying using a bar coater was 5 μm. And the pressure-sensitive adhesive layer was dried.
[0067]
After the pressure-sensitive adhesive (7) layer formed on the PET film subjected to the corona treatment on one side and the pressure-sensitive adhesive (9) layer formed on the PET film subjected to the release treatment were bonded together, 3 The adhesive tape 6 was obtained by curing at 40 ° C. for a day.
[0068]
<Attaching and peeling adhesive tape>
The obtained adhesive tape 6 was attached to a quartz glass plate.
The quartz glass plate with the adhesive tape 6 attached thereto was heated to 130 ° C. to polymerize and cure the adhesive (7) layer and the adhesive (9) layer. Subsequently, when the adhesive interface was observed through the glass by heating to 180 ° C., many portions where the adhesive was peeled off from the glass were observed. The adhesive tape could be easily peeled from the glass plate.
[0069]
【The invention's effect】
According to the present invention, an adhesive substance that can be easily peeled off without damaging an adherend by applying at least one kind of stimulus selected from the group consisting of heat, impact, and ultrasound, and an adhesive using the same A method for peeling a tape and an adhesive substance can be provided.

Claims (3)

剥離時に刺激を与えて接着性物質を架橋させた後に気体発生剤から気体を発生させることにより、接着性物質を発泡させることなく気体を接着性物質外へ放出して被着体を剥離するための接着性物質であって、
熱、衝撃及び超音波からなる群から選択した少なくとも1種の刺激により気体を発生する気体発生剤、及び、刺激により架橋する架橋成分を含有し、かつ、前記気体発生剤は、接着性物質中に溶解していることを特徴とする接着性物質。
In order to release the adherend by releasing the gas from the adhesive material without foaming the adhesive material by generating gas from the gas generating agent after stimulating at the time of peeling to crosslink the adhesive material Adhesive substance of
It contains a gas generating agent that generates gas by a stimulus selected from the group consisting of heat, impact, and ultrasound , and a crosslinking component that crosslinks by the stimulus , and the gas generating agent is contained in the adhesive substance. adhesive material, characterized in that you are dissolved in.
請求項1記載の接着性物質を被着体から剥離する方法であって、刺激を与えて架橋成分を架橋させた後に気体発生剤から気体を発生させることにより、接着性物質を発泡させることなく気体を接着性物質外へ放出して被着体を剥離することを特徴とする接着性物質の剥離方法。A method for peeling an adhesive substance according to claim 1 from an adherend, wherein the adhesive substance is foamed by generating a gas from a gas generating agent after giving a stimulus and crosslinking a crosslinking component. A method for peeling an adhesive substance, characterized by releasing gas from the adhesive substance to peel the adherend. 基材の少なくとも一方の面に、請求項1記載の接着性物質を含有する層が形成されてなることを特徴とするテープ。A tape comprising a layer containing the adhesive substance according to claim 1 formed on at least one surface of a substrate.
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