JP4139063B2 - Oily red pigment dispersion for writing instrument ink and oily red pigment writing instrument ink - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具インキ用油性赤色顔料分散液、および油性赤色顔料筆記具インキに関し、特に、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液、および油性赤色顔料ボールペンインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールペンは、書き味が非常に滑らかであることから筆記具として広範に使用されている。ボールペンのペン先(チップ)は、ボール、ボールを支持する受け座、インキ収容管からボールにインキを導くインキ誘導孔等で構成されている。ボールペンで筆記するときには、まずチップの中にあるボールにインキが付着し、そのボールが回転することによりインキが随時紙に転写される。
【0003】
このようなボールペンに特有の筆記機構から、ボールペンチップにおいては、ボールと受け座との間の空間にインキがスムーズに移動することが必要とされる。仮に、この空間でインキのスムーズな移動が妨げられると、ボールへのインキの付着が不均質になったり間欠するため、ボールペンの滑らかな書き味が損なわれ、カスレ等の筆記不良が生じうる。
【0004】
油性ボールペンインキは、一般に、有機溶剤、着色剤、潤滑剤、粘度調整剤、定着性付与剤等を含有する粘性組成物であり、多数の種類のものが知られている。例えば、特開平11−116879号公報には、有機溶剤としてベンジルアルコールやエチレングリコール、着色剤として油溶性赤色染料、そして添加剤として界面活性剤、脂肪酸、ケトン樹脂等を含む油性赤色ボールペンインキが記載されている。
【0005】
ボールペンインキの着色剤としては、このように、有機溶剤に溶解するタイプの着色剤、すなわち、染料が従来から用いられてきた。これは、顔料のように、有機溶剤に溶解しない着色剤を用いると、顔料が凝集沈降した場合にインキの粘度が変化し、ボールと受け座との間の空間におけるインキのスムーズな流動が阻害される可能性が大きいと考えられるからである。更に顔料の粒子が粗大化した場合は、ボールに衝突することによるボール摩耗という現象によって書き味が悪くなったり、筆記できなくなったりする。
【0006】
つまり、顔料インキでは、着色剤が溶剤に溶解せず分散しているため、着色剤が溶剤に溶解している染料インキと比較して着色剤が凝集沈降し易いという本質的問題を有している。その結果、顔料インキは保存安定性が染料インキよりも低く、経時的に顔料の凝集沈降や増粘が生じ易いため、長期間にわたりインキがスムーズに流動する特性が要求されるボールペンインキとしての用途には不適当と考えられてきた。
【0007】
しかし近年に至り、筆跡に耐光性や耐水性を持たせるために染料の代わりに顔料が着目され始め、油性ボールペンについても顔料を着色剤とする顔料インキが望まれている。
【0008】
特開平11−21494号公報には、着色剤として赤色顔料「C.I.Pigment Red 17」を含有するボールペン用赤色メタリックインキが記載されている。しかしながら、この赤色顔料はアゾ顔料である。アゾ顔料は顔料とはいってもアルコールに対する堅牢性に乏しく、溶剤としてアルコールを用いた場合はこれに一部溶解する。
【0009】
その結果、アゾ顔料はインキ化した場合に発色性が悪く黄変するため、筆跡の耐光性を問題とする以前に、筆記直後から鮮明な赤色筆跡が得られないという問題がある。つまり、この顔料インキはメタリック顔料を含まない通常のボールペンインキとしては色相が好ましくない。
【0010】
インキの着色剤として顔料を用いる場合、あらかじめ有機溶剤中で各種樹脂、高分子分散剤或いは界面活性剤の存在下で分散機を使用して分散、安定化させる必要がある。しかしこれらには経時的に顔料が沈降凝集したり、或いは顔料インキの粘度が増粘するといった問題が介在しており、優れた経時安定性を付与させることが処方設計上、重要なポイントとなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来から問題を解決するものであり、その目的とするところは、アルコール系有機溶剤中で良好な発色性、および分散安定性を示す顔料を選択し、これを用いて、経時的に顔料粒子が凝集したり、沈降したりしない赤色顔料分散液を提供することにある。また、その顔料分散液を用いることにより、筆跡が薄かったり、かすれたりせずに筆記性が良好で、インキの増粘や顔料の凝集のない経時安定性の優れた油性赤色顔料筆記具インキを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルコール系有機溶剤と、該有機溶剤中に溶解させた顔料分散樹脂と、該有機溶剤中に分散させたジケトピロロピロールである赤色顔料とを含む筆記具インキ用油性赤色顔料分散液を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】
本発明の筆記具インキ用油性赤色顔料分散液は、アルコール系有機溶剤と、顔料分散樹脂と、ジケトピロロピロールである赤色顔料とを含む混合物を提供する工程;粗分散用ミル媒体を用いて該混合物を分散させる工程;および微分散用ミル媒体を用いて該混合物を分散させる工程;を包含する方法により製造することが好ましい。
【0014】
本発明の赤色顔料分散液の経時安定性を図るためには、前記赤色顔料と樹脂の配合比率(赤色顔料/樹脂)としては0.5〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2である。前記赤色顔料と樹脂の配合比率が0.5未満の場合は少なくとも顔料表面を被覆した以外の余剰な樹脂が存在して、その部分が核となって顔料を被覆した樹脂と結びついて、赤色顔料分散液が増粘してしまい、充分安定な分散が得られない。また、5を越えると逆に顔料表面を被覆するだけの樹脂が不足するため、樹脂で被覆されていない部分からファンデルワールス力によって接近して、やがては凝集してしまい、充分安定な赤色顔料分散液が得られない。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の形態は、有機溶剤と有機溶剤中に溶解させた顔料分散樹脂と有機溶剤中に分散させた赤色顔料とを含む筆記具インキ用油性赤色顔料分散液である。
【0016】
筆記具インキ用油性赤色顔料分散液とは、基本的には油性赤色顔料筆記具インキの顔料成分の高濃度組成物である。一般には、筆記具インキ用油性赤色顔料分散液に適当な希釈溶剤や添加剤を加えて公知の方法により油性赤色顔料筆記具インキが調製される。つまり、油性赤色顔料筆記具インキを最終生産物とした場合、筆記具インキ用油性赤色顔料分散液は油性赤色顔料筆記具インキを調製するのに用いる中間組成物である。
【0017】
一般に、筆記具インキ用油性赤色顔料分散液は固形分約15〜50重量%であり、これを固形分20〜50重量%に調整して油性赤色顔料筆記具インキとされる。
【0018】
有機溶剤としては、筆記具インキで使われるような一般的な有機溶剤を用いることができる。好ましい有機溶剤はボールペンインキで通常使用されるアルコール系有機溶剤である。常圧で150℃以上の沸点を示す高沸点溶剤が特に好ましい。
【0019】
本発明のアルコール系溶剤としては(1価)アルコール、多価アルコール(グリコール)並びにそれらの誘導体が含まれる。例えば、ベンジルアルコール、1−オクタノール、2−オクタノール、α―メチルベンジルアルコール等のアルコール類が挙げられ、
更に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ベンジルグリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル(フェニルグリコール)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等グリコール類及びその誘導体が挙げられる。また、上記の有機溶剤は1種又は2種以上混合して用いてもよい。その使用量は赤色顔料分散液全量に対して50〜85重量%が好ましい。
【0020】
赤色顔料としては、公知の筆記具に使われる赤色顔料を用いることができる。ジケトピロロピロール系顔料を用いることが好ましい。これらはアルコール系有機溶剤中で優れた発色性、堅牢性、および分散性を示すからである。また、ジケトピロロピロール系顔料はその色相が筆記具用として好適である。
【0021】
本発明で用いる赤色顔料として好ましいジケトピロロピロールは、式
【0022】
【化1】
【0023】
[式中、R1及びR2は、独立して水溶性を付与しない置換基を有していてもよいフェニル基又はナフチル基であり、R3及びR4は独立して水素原子又は水溶性を付与しない置換基である。]
で示す構造の化合物である。
【0024】
上記ジケトピロロピロール系顔料としては、R1及びR2が未置換フェニル基、クロロフェニル基、ブロムフェニル基及びシアノフェニル基からなる群から選ばれるフェニル基であり、R3及びR4が水素原子であるところの一般式[I]で表される赤色顔料が特に好ましい。
【0025】
尚、赤色顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料以外にも、例えば、ナフトールAS系やβ−ナフトール系等のアゾ顔料があるが、アゾ顔料は分子構造中にアゾ基を有するがゆえに耐溶剤性においては、弱い面を持っている。しかも、用いる有機溶剤が上記に挙げたような極性的に強い溶剤である場合は、アゾ顔料を用いると溶剤中で溶解し、発色不良や変色が生じる。
【0026】
本発明に赤色顔料として用いうるジケトピロロピロールとしては「C.I.PIGMENT Red 254」、「C.I.PIGMENT Red 255」、「C.I.PIGMENT Red 272」等が例示できる。1次粒子径が100〜250nmのジケトピロロピロール系顔料が好ましい。
【0027】
更に具体的には、チバスペシャリティケミカルズ社製の商品名である「CROMOPHTAL DPP Coral Red C」、「CROMOPHTAL DPP Flame Red FP」、「CROMOPHTAL DPP Red BP」、「CROMOPHTAL DPP Red BOC」、「IRGAZIN DPP SCARLET EK」、「IRGAZIN DPP Red BTR」、「IRGAZIN Red 2031」、「IRGAZIN DPP Red BO」、「IRGAZIN DPP Red BL」等が挙げられる。
【0028】
顔料分散樹脂としては、通常の油性筆記具インキに慣用されている樹脂を用いることができる。例えばポリビニルブチラール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ポリビニルピロリドン等が用いられる。好ましくはポリビニルブチラール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、テルペンフェノール樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0029】
また顔料分散液の長期保存安定性を考慮すると顔料分散樹脂の軟化点は80〜150℃、好ましくは100〜135℃、更に好ましくは105〜130℃である。顔料分散樹脂の配合量は、分散液全量に対して、5〜30重量%、好ましく10〜20重量%範囲に用いることにより、顔料分散性の向上や良好な粘度が調整される。
【0030】
ポリビニルブチラール樹脂としては具体的には、積水化学工業社製の商品名BL−1、BL−2、BL−S、BX−10、BX−L、BM−1、BM−2、BM−S、BX−1、BH−3等;あるいは電気化学工業社製の商品名#2000−L、#3000−1、#3000−2、#3000−4、#4000−1、#4000−2等が挙げられる。
【0031】
フェノール変性キシレン樹脂としては具体的には、三菱瓦斯化学社製の商品名HP−70、HP−100、HP−120、HP−150、HP−210、GHP−160等が挙げられる。
【0032】
ケトン樹脂としては具体的には、日立化成工業社製の商品名ハイラック111、ハイラック222、荒川化学社製の商品名K−90等が挙げられる。
【0033】
テルペンフェノール樹脂としては具体的には、ヤスハラケミカル社製の商品名YSポリスターT80、YSポリスターT100、YSポリスターT115、YSポリスターT130、YSポリスターT145、YSポリスターS145、マイティエースG125、マイティエースG150等が挙げられる。
【0034】
ロジン変性マレイン酸樹脂としては具体的には、日立化成ポリマー社製の商品名テスポール1101、テスポール1103、テスポール1104、テスポール1105、テスポール1150、テスポール1151、テスポール1152、テスポール1155、テスポール1158、テスポール1161等が挙げられる。
【0035】
また、赤色顔料分散液の諸条件における分散安定性をより高める目的で分散剤やレオロジーコントロール剤(増粘剤も含む)を1種もしくは2種以上併用しても良い。これらの添加量は、顔料分散液の物性を低下させない量であれば限定されないが、顔料分散液全体で0〜20重量%が好ましく、0〜10重量%がより好ましい。
【0036】
分散剤の具体例としては、アビシア製の商品名ソルスパース12000、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース27000、ソルスパース28000等;ビックケミー製の商品名ディスパビック160番シリーズ、ディスパビック180番シリーズ、ディスパビック2000、ディスパビック2001等;共栄社化学社製の商品名フローレンG−700、フローレンDOPA−17、フローレンDOPA−17HF、フローレンDOPA−33等が挙げられる。
【0037】
また、脂肪酸塩類、芳香族スルホン酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤;デカグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル等の非イオン系界面活性剤等を使用しても良い。
【0038】
レオロジーコントロール剤としては鱗片状、棒(針)状、塊(球)状、液状の何れの形状でも良く、無機系、有機系を問わず使用できる。具体的には、無機系のベントナイト、スメクタイト、シリカ、炭酸カルシウムや有機系の尿素化合物、アマイド化合物、ウレタン化合物、植物油、ポリエチレン、アクリル化合物等が挙げられる。添加量にもよるが、無機系化合物はボールや受け座の摩耗や筆記性能に悪影響を及ぼすおそれがあることから、出来れば有機系化合物が望ましい。
【0039】
本発明の分散方法としては、公知の分散方法を用いることができるが、まず粗分散させてその後、微分散させるという2段階の分散工程を得て製造することが望ましい。赤色顔料として用いるジケトピロロピロール系顔料は縮合多環系顔料に属し、その骨格上かなり硬いため、分散順序としてはまず、多大なエネルギーを要する条件にて顔料を粗めに分散して、その後顔料を細かく分散させる条件にて分散を行う。
【0040】
本発明に用いる分散機としてはボールミル、アトライター、フーロジェットミキサー、インペラーミル、コロイダルミル、サンドミル[例えば、ビーズミル、サンドグライダー、スーパーミル、アジテーターミル、ダイノーミル(商品名)]等の分散機を用い、混合あるいは分散することができる。このとき、ミル媒体を用いることができる。ミル媒体の材質は特に限定されず、例えば、ガラス製、ステンレス製、ジルコン製、ジルコニア製のビーズを用いうる。ミル媒体は、ミルの容量に対して、60〜95容量%、特に75〜85容量%の量で充填することが好ましい。
【0041】
より好ましい分散方法としては、まず顔料を平均粒径500nm以下に粗分散する工程、粗分散した顔料分散液平均粒径400nm以下に微分散する工程を包含する顔料分散を行うことである。粗分散工程と微分散工程とは分散条件を変えて行う。例えば、粗分散は粗分散用の分散機やミル媒体を用い、微分散は微分散用の分散機やミル媒体を用いる。
【0042】
粗分散工程を行うのに好ましい分散機は、ビーズミル、各種のサンドミルであり、ミル媒体は直径3mm又は4mmのジルコニア製ビーズが好ましい。また、粗分散工程を行うのに好ましい他の条件は、ミル媒体の充填率を75〜80%にすることである。
【0043】
微分散工程を行うのに好ましい分散機は、ビーズミル、各種のサンドミルであり、ミル媒体は直径2mmのジルコニア製ビーズが好ましい。また、微分散工程を行うのに好ましい他の条件は、ミル媒体の充填率を80〜85%にすることである。
【0044】
上記の2段階の分散工程は、例えば、1段階目の粗分散においてはビーズ径を例えば3mmにして分散を行い、その後2段階目の分散として2mmのビーズに入れ替えて分散を行う。ビーズの入れ替えが容易でない場合は、1段階目の粉砕装置には3mmのビーズを入れておき、2段階目の粉砕装置には2mmのビーズを入れておくというように、条件の異なる粉砕装置を連結させて分散を行ってもよい。この2段階目の分散を行わないと、分散液中に粗粒子が残存して、ボールペンの筆記において、ボール摩耗が生じ、滑らかな筆記性能が損なわれてしまう可能性がある。
【0045】
上記分散方法によって得られた顔料分散液は、赤色顔料の平均粒径が400nm以下であることが望ましい。より好ましくは、赤色顔料の平均粒径は50〜350nm、更に好ましくは100〜300nmである。平均粒径が400nmより大きくなれば、顔料粒子の沈降が生じて、そのことによりボールペンの先端部からのインキの吐出が悪くなる。また、ジケトピロロピロールを赤色顔料として用いる場合、赤色顔料の平均粒径を100nm以下にすることは実質上困難である。
【0046】
上記分散方法によって得られた顔料分散液の粒度分布としては、赤色顔料の粒径1μm以上の粒子の含有率が10重量%以下であることが望ましい。ボールペンの設計上、ボールペンインキが先端部から吐出される間隙は、ほんの数μmであり、特に1μm以上の粗粒子が10重量%より多く存在すれば、粗粒子が重なってボールとチップの間を通過する際に、ボール摩耗が生じてしまい、筆記感が損なわれてしまう。従って、上記分散方法の特に2段階目の分散を行うことによって、1μm以上の粗粒子を10重量%以下に抑えることが重要となってくる。
【0047】
本発明の筆記具インキ用油性赤色顔料分散液は増粘や顔料の凝集沈降が生じ難く、長期間にわたりインキがスムーズに流動する特性が要求される筆記具インキ(例えば、ボールペンインキ)を提供するために十分な経時安定性を示す。例えば、本発明の筆記具用油性赤色顔料分散液は常圧50℃で1ヶ月保存しても殆ど増粘しない。具体的には、その場合の増粘率は、殆ど20%以下であり、増粘率が30%を越えることはない。
【0048】
本発明の第二の形態は、有機溶剤と有機溶剤中に溶解させた顔料分散樹脂と有機溶剤中に分散させた赤色顔料とを含む油性赤色顔料筆記具インキである。この油性赤色顔料筆記具インキは、上述のように、本発明の筆記具インキ用油性赤色顔料分散液に適当な有機溶剤、樹脂、添加剤等を加えて公知の方法により調製することができる。
【0049】
本発明の油性赤色顔料筆記具インキ中の赤色顔料の量は所望の色相や濃度に適した量であればよいが、添加量が多すぎると、ボールペンインキとして用いた場合に筆記描線のかすれやインキが出なくなって描線が描けなくなる、所謂筆記不能等の問題が発生し、逆に少量の場合は筆跡の着色が劣る等の問題が発生する。好ましい顔料量としては全顔料インキ組成物に対し、5〜30重量%、好ましくは7〜15重量%である。また、所期の目的及び効果を奏す範囲で公知の染料、無機顔料または有機顔料を添加することができる。
【0050】
本発明の油性赤色顔料筆記具インキの好ましい組成は、少なくとも有機溶剤、有機溶剤に溶解する顔料分散樹脂、着色剤を含有し、赤色顔料がジケトピロロピロール系顔料であり、そのジケトピロロピロール系顔料と樹脂との配合比率(ジケトピロロピロール系顔料/樹脂)が0.5〜5、好ましくは1〜3の範囲の範囲であり、有機溶剤に溶解する樹脂の軟化点が80〜150℃、好ましくは100〜135℃、更に105〜130℃のものである。顔料分散安定性をより改良するためには、顔料分散樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ケトン樹脂、或いはテルペンフェノール樹脂から選ばれる樹脂を1又は2以上用いることが好ましい。
【0051】
希釈または粘度調整等のために加えられる有機溶剤は前記の顔料分散液に加えた有機溶剤が好ましく、全顔料インキに対し、全有機溶剤は40〜90重量%が好ましく、50〜80重量%が更に好ましい。
【0052】
筆跡の定着性向上、粘度調整、顔料の分散安定の目的で樹脂を添加することができる。例えば、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、クマロン―インデン樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、テルペン−マレイン酸樹脂等の一般的な顔料分散用の樹脂やオリゴマーを示すことができる。
【0053】
本発明の油性赤色顔料筆記具インキの調整は、従来公知の筆記具インキの種々の製造方法を適用することができる。即ち、分散混合機によって顔料分散液を他の成分と共に分散させることによって筆記具インキ組成物を得ることができる。分散混合としてはサンドミル、ボールミル、ホモミキサー、ビーズミル、高速ディスパー等の分散機を用い、混合あるいは分散することができる。
【0054】
本発明の油性赤色顔料筆記具インキには必要に応じて上記成分以外に酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、分散剤、レオロジーコントロール剤等といった種々の添加剤を必要に応じて適宜選択して使用してもよい。
【0055】
筆記性の改善や顔料の分散安定化のために用いられる分散剤としては、アビシア製の商品名ソルスパース12000、ソルスパース20000、ソルスパース27000、ソルスパース24000、ソルスパース28000等;ビックケミー製の商品名ディスパビック160番シリーズ、ディスパビック180番シリーズ、ディスパビック2000、ディスパビック2001等;共栄社化学社製の商品名フローレンG−700、フローレンDOPA−17、フローレンDOPA−17HF、フローレンDOPA−33等が挙げられる。
【0056】
また、脂肪酸塩類、芳香族スルホン酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤;デカグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル等の非イオン系界面活性剤等も用いることが出来る。
【0057】
上記の潤滑剤としては、ひまし油、ひまし油のポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルアミン、二硫化モリブデン等が挙げられる。
【0058】
上記の増粘剤としては、
NLケミカルズ社製の商品名ベントンSD−2、ベントン27、
日産ガードラー触媒社製の商品名TIXOGEL VZ、TIXOGELEZ、
SUD化学社製の商品名EX−0101等の有機ベントナイト系増粘剤;
日本アエロジル社製の商品名アエロジル380、アエロジルCOK84、
水澤化学社製の商品名ミズカシルP−801等のシリカ系増粘剤;
共栄社化学社製の商品名ターレンVA−100、ターレンVA−500、ターレンVA−800、
伊藤製油社製の商品名ASA T−1、ASA T−51、ASA T−350F、その他脂肪酸ポリアミド等が挙げられる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の赤色顔料分散液は、着色剤として、特にジケトピロロピロールを用いることにより、色相が良好で、耐候性、耐溶剤性等の諸堅牢性が優れている。並びに経時安定性に優れているため、経時的に顔料粒子が凝集し粗大な粒子が形成されたり、顔料分散液中で沈降したりすることはない。
【0060】
本発明の赤色顔料分散液を用いる筆記具インキは潤滑性に優れ、ボールペンインキとして用いた場合にボール受け座の摩耗を少なくする効果があり、耐久性に優れ筆記感も優れているとともに、顔料分散性の良好な経時安定性に優れ、インキ収容管内で顔料が固まってしまったり、筆記先端部を上向きに放置した場合にインキの追従性が乏しくなって、カスレが生じたり、ボール摩耗によって書き味が悪くなる等の筆記不良を起こすことがない。
【0061】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の記述においては、「重量部」を「部」と略す。
【0062】
実施例1〜10及び比較例1〜3では本発明のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液およびその製法について説明する。
【0063】
実施例1
フェニルグリコール972gとベンジルアルコール324gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:110〜120℃)144gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:IRGAZIN DPP RedBO、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0064】
▲1▼平均粒径と粒度分布の測定
実施例1で得られた分散液中の顔料粒子の粒子径を、レーザー光散乱方式粒度分布測定装置(商品名:LPA3000/3100、大塚電子社製)を用いて測定を行い、その結果を表1に示した。
【0065】
▲2▼粘度の変化率(増粘率)の測定
実施例1で得られた分散液の粘度を、回転型粘度計(EHD型)で25℃下で測定を行った。(これを初期値とする)更にこの分散液を50℃下で保温されたオーブンの中に1ヶ月間入れておき、その後同様に測定を行い、経時変化の状態を粘度の変化率として次のように求め、その結果を表1に示した。
【0066】
【数1】
粘度変化率=(1ヶ月後の値−初期値)÷(初期値)
【0067】
▲3▼分散性の確認
実施例1で得られた分散液を使用した。フェニルグリコールとベンジルアルコールの混合溶媒で2倍希釈した後、少量をプレパラートにスポットした。これにカバーガラスを被せ、室温で1日静置した後に光学顕微鏡で顔料凝集物を確認した。
【0068】
実施例2
フェニルグリコール918gとベンジルアルコール306gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBL−1、積水化学工業社製軟化点:100〜110℃)216gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:CROMOPHTAL DPP Flame Red FP、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、4mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0069】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0070】
実施例3
フェニルグリコール972gとベンジルアルコール324gとの混合溶媒中に、フェノール変性キシレン樹脂(商品名:HP−100、三菱瓦斯化学社製 軟化点:105〜125℃)144gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:IRGAZIN Red 2031、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0071】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0072】
実施例4
フェニルグリコール972gとベンジルアルコール324gとの混合溶媒中に、ケトン樹脂(商品名:ハイラック222、日立化成工業社製 軟化点:100〜120℃)144gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:IRGAZIN Red 2031、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行いボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0073】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0074】
実施例5
フェニルグリコール972gとベンジルアルコール324gとの混合溶媒中に、テルペンフェノール樹脂(商品名:YSポリスターT115、ヤスハラケミカル社製 軟化点:110〜120℃)144gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:IRGAZIN Red 2031、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0075】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0076】
実施例6
フェニルグリコール900gとベンジルアルコール288gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBL−1、積水化学工業社製軟化点:100〜110℃)252gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:CROMOPHTAL DPP Flame Red FP、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0077】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0078】
実施例7
フェニルグリコール950gとベンジルアルコール310gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:110〜120℃)180gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:IRGAZIN Red BO、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0079】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0080】
実施例8
フェニルグリコール972gとベンジルアルコール324gとの混合溶媒中に、ポリビニルピロリドン樹脂(商品名:K−30、アイエスピージャパン社製 軟化点:100〜110℃)144gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:IRGAZIN Red 2031、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0081】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0082】
実施例9
フェニルグリコール900gとベンジルアルコール288gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBL−1、積水化学工業社製軟化点:100〜110℃)252gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:CROMOPHTAL DPP Flame Red FP、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約2時間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0083】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0084】
実施例10
フェニルグリコール950gとベンジルアルコール310gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:110〜120℃)180gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:IRGAZIN Red BO、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、2mmのビーズを充填した横型分散機にて約2時間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに良好であった。
【0085】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0086】
比較例1
フェニルグリコール1000gとベンジルアルコール380gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製 軟化点:110〜120℃)60gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:IRGAZIN DPP RedBO、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は流動性が悪くやがて増粘した。
【0087】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0088】
比較例2
フェニルグリコール500gとベンジルアルコール190gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBL−1、積水化学工業社製軟化点:100〜110℃)750gを入れて、40℃で加熱しながら約4時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(商品名:CROMOPHTAL DPP Flame Red FP、チバスペシャリティケミカルズ社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、4mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。分散中、分散後ともに流動性は悪い状態であった。
【0089】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子率並びに粘度の変化率の測定結果を表1に示した。
【0090】
比較例3
フェニルグリコール972gとベンジルアルコール324gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:110〜120℃)144gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、モノアゾ赤色顔料(商品名:Briliant Carmine 7009、山陽色素社製)360gを入れて約2時間撹拌した。その後、3mmのビーズを充填した横型分散機にて約1時間分散した。その後、2mmのビーズに入れ替えて約40分間分散を行い、ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を調製した。得られた分散液は色調、流動性ともに問題なかったが、時間が経つと色調に変化が見られてきた。(だんだん少し黄色味を帯びてきた。)
【0091】
上記のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子の含有率並びに粘度の変化率(増粘率)の測定結果を表1に示した。
【0092】
【表1】
【0093】
実施例11〜17及び比較例4〜6では本発明のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液を用いた油性赤色顔料ボールペンインキについて説明する。
【0094】
実施例11
実施例1で得られた赤色顔料分散液50部、フェニルグリコール25部、ベンジルアルコール10部、ロジン変性フェノール樹脂(軟化点:110〜115℃)5部、ケトン樹脂(軟化点:100〜120℃)5部、ポリビニルピロリドン1部、オレイン酸4部を分散混合することにより油性赤色顔料ボールペンインキを調製した。
【0095】
上記で得られたインキを直径0.7mmの超硬ボールとステンレス製チップと収容管からなるボールペンに充填して、油性ボールペンを得た。そのボールペンで筆記するとなめらかで良好な筆記性を示した。そして50℃の恒温槽中に筆記先端部を上向きにして1ヶ月間放置した後、室温にて1日放置して、筆記角度70°、荷重100gで直線筆記して、その時のカスレ長さを測定し、その結果を表3に示した。
【0096】
上記で得られた油性ボールペンを筆記試験機にてJIS S6039に準拠し、荷重100g、筆記角度70°、筆記速度4m/分の条件で筆記を行い、500m筆記後のボール摩耗量を光学顕微鏡を用いて測定し、手書きにて筆記感のテストを行い、その結果を表3に示した。
【0097】
実施例12〜17
実施例12〜17は実施例11の実施例1で得られた赤色顔料分散液を表3に示す赤色顔料分散液に代えて、それ以外は実施例11と同様に油性赤色顔料ボールペンインキを調製した。得られたインキはそれぞれ実施例11と同様に、良好な色調を示し、顔料の凝集及び沈降せずに、インキの粘度が安定し、初期及び経時において良好な筆記性を示した。
【0098】
比較例4〜6
比較例4〜6は実施例11の実施例1で得られた赤色顔料分散液を表3に示す赤色顔料分散液に代えて、それ以外は実施例11と同様に油性赤色顔料ボールペンインキを調製した。
【0099】
比較例7及び8では従来技術の油性赤色ボールペンインキについて説明する。
【0100】
比較例7
C.I.BASIC RED 1の染料20gとC.I.ACID YELLOW 23の染料5gから得られる造塩型染料、フェニルグリコール45g、ベンジルアルコール15g、ロジン変性フェノール樹脂(軟化点:110〜115℃)5g、ケトン樹脂(軟化点:100〜120℃)5g、ポリビニルピロリドン1g、オレイン酸4gを攪拌混合することにより油性赤色ボールペンインキを調整した。得られた赤色インキはやや黄味を帯びていた。
【0101】
比較例8
フェニルグリコール720g、ベンジルアルコール460gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(軟化点:100〜110℃)180g、ロジン変性フェノール樹脂(軟化点:110〜115℃)150g、ケトン樹脂(軟化点:100〜120℃)150gを入れて約2時間、攪拌させながら溶解した。その後、C.I.PIGMENT RED 17(SANYO RED BS、山陽色素社製)300gを加えて約2時間攪拌した。その後、2mmのビーズを充填した横型分散機にて約30分間分散を行い、赤色顔料分散液を調整した。その後、更にフェニルグリコール750g、ベンジルアルコール300g、ポリビニルピロリドン30g、オレイン酸120gを用い希釈を行って、油性赤色顔料ボールペンインキを調整した。得られた赤色インキは時間を経つごとに変色が見られた。(黄味を帯びてきた)
【0102】
比較例7及び8の赤色顔料分散液の平均粒径と1μm以上の粒子の含有率並びに粘度の変化率(増粘率)の測定結果を表2に示した。
【0103】
【表2】
【0104】
実施例18〜19では本発明の油性赤色顔料ボールペンインキについて説明する。
【0105】
実施例18
フェニルグリコール660gとベンジルアルコール420gとの混合溶媒中に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製軟化点:110〜120℃)120g、ロジン変性フェノール樹脂(軟化点:110〜115℃)150g、ケトン樹脂(軟化点:100〜120℃)150g、オレイン酸120g、ポリビニルピロリドン30gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(IRGAZIN DPP Red BO、チバスペシャリティケミカルズ社製)300gを加えて約2時間撹拌した。その後、2mmのビーズを充填した横型分散機にて約30分間分散を行い、その後、フェニルグリコール750g、ベンジルアルコール300gで希釈を行って、油性赤色顔料ボールペンインキを調製した。得られたインキは色調、流動性ともに良好であった。
【0106】
実施例19
フェニルグリコール700gとベンジルアルコール460gとの混合溶媒中に、フェノール変性キシレン樹脂(商品名:HP−100、三菱瓦斯化学社製 軟化点:105〜125℃)200g、ロジン変性フェノール樹脂(軟化点:110〜115℃)150g、ケトン樹脂(軟化点:100〜120℃)150g、オレイン酸120g、ポリビニルピロリドン30gを入れて約2時間、撹拌させながら溶解した。その後、ジケトピロロピロール(IRGAZIN DPP Red BO、チバスペシャリティケミカルズ社製)300gを加えて約2時間撹拌した。その後、2mmのビーズを充填した横型分散機にて約30分間分散を行い、その後、フェニルグリコール750g、ベンジルアルコール300gで希釈を行って、油性赤色顔料ボールペンインキを調製した。得られたインキは色調、流動性ともに良好であった。
【0107】
上記で得られたインキを直径0.7mmの超硬ボールとステンレス製チップと収容管からなるボールペンに充填して、油性ボールペンを得た。そのボールペンで筆記するとなめらかで良好な筆記性を示した。そして50℃の恒温槽中に筆記先端部を上向きにして1ヶ月間放置した後、室温にて1日放置して、筆記角度70°、荷重100gで直線筆記して、その時のカスレ長さを測定し、その結果を表3に示した。
【0108】
上記で得られた油性ボールペンを筆記試験機にてJIS S6039に準拠し、荷重100g、筆記角度70°、筆記速度4m/分の条件で筆記を行い、500m筆記後のボール摩耗量を光学顕微鏡を用いて測定し、手書きにて筆記感のテストを行い、その結果を表3に示した。
【0109】
【表3】
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an oily red pigment dispersion for writing instrument ink and an oily red pigment writing instrument ink, and more particularly to an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink and an oily red pigment ballpoint pen ink.
[0002]
[Prior art]
Ballpoint pens are widely used as writing instruments because of their very smooth writing. The pen point (tip) of the ballpoint pen includes a ball, a receiving seat that supports the ball, an ink guide hole that guides ink from the ink storage tube to the ball, and the like. When writing with a ballpoint pen, first, ink adheres to the ball in the chip, and the ink is transferred to the paper as needed by rotating the ball.
[0003]
From such a writing mechanism peculiar to a ball-point pen, in a ball-point pen tip, it is required for ink to move smoothly to the space between a ball and a receiving seat. If the smooth movement of the ink is hindered in this space, the ink adheres to the ball inhomogeneously or intermittently, so that the smooth writing quality of the ballpoint pen is impaired and writing defects such as blurring may occur.
[0004]
Oil-based ballpoint pen ink is generally a viscous composition containing an organic solvent, a colorant, a lubricant, a viscosity modifier, a fixing property imparting agent, and the like, and many types are known. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-116879 describes oil-based red ballpoint pen ink containing benzyl alcohol or ethylene glycol as an organic solvent, an oil-soluble red dye as a colorant, and a surfactant, fatty acid, ketone resin or the like as an additive. Has been.
[0005]
As a colorant for ballpoint pen ink, a colorant that is soluble in an organic solvent, that is, a dye has been conventionally used. This is because when a colorant that does not dissolve in an organic solvent, such as a pigment, is used, the viscosity of the ink changes when the pigment agglomerates and settles, preventing the smooth flow of ink in the space between the ball and the seat. This is because it is considered that there is a high possibility of being done. Further, when the pigment particles become coarse, the writing quality becomes poor or writing becomes impossible due to the phenomenon of ball wear due to collision with the ball.
[0006]
That is, in the pigment ink, since the colorant is not dissolved in the solvent but dispersed, the colorant has an essential problem that the colorant tends to aggregate and settle as compared with the dye ink in which the colorant is dissolved in the solvent. Yes. As a result, the pigment ink has lower storage stability than the dye ink, and it tends to cause aggregation and sedimentation and thickening of the pigment over time, so it can be used as a ballpoint pen ink that requires the ink to flow smoothly over a long period of time. Has been considered inappropriate.
[0007]
However, in recent years, pigments have begun to attract attention in place of dyes in order to give handwriting light resistance and water resistance, and pigment inks using pigments as colorants are also desired for oil-based ballpoint pens.
[0008]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-21494 describes a red metallic ink for ballpoint pens containing a red pigment “CI Pigment Red 17” as a colorant. However, this red pigment is an azo pigment. An azo pigment is poor in fastness to alcohol even though it is a pigment, and when an alcohol is used as a solvent, it partially dissolves in the pigment.
[0009]
As a result, the azo pigment has a problem that when it is converted into an ink, the color developability is poor and yellows, so that a clear red handwriting cannot be obtained immediately after writing before the light resistance of the handwriting is a problem. That is, this pigment ink has an unfavorable hue as a normal ballpoint pen ink that does not contain a metallic pigment.
[0010]
When a pigment is used as an ink colorant, it must be dispersed and stabilized in advance in an organic solvent using a disperser in the presence of various resins, polymer dispersants or surfactants. However, these are associated with problems such as precipitation and aggregation of the pigment over time or increase in the viscosity of the pigment ink. It is an important point in the formulation design to provide excellent stability over time. ing.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the above-described problems, and the object of the present invention is to select a pigment exhibiting good color developability and dispersion stability in an alcohol-based organic solvent, and using this pigment, Another object of the present invention is to provide a red pigment dispersion in which pigment particles do not aggregate or settle. In addition, by using the pigment dispersion liquid, we provide oil-based red pigment writing instrument inks that have good writing performance without thinning or fading, excellent stability over time without thickening ink and aggregation of pigments. There is to do.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to an oily red pigment dispersion for writing instrument ink, comprising an alcohol-based organic solvent, a pigment dispersion resin dissolved in the organic solvent, and a red pigment that is diketopyrrolopyrrole dispersed in the organic solvent. This achieves the above object.
[0013]
The oily red pigment dispersion for writing instrument ink of the present invention is a step of providing a mixture comprising an alcohol-based organic solvent, a pigment dispersion resin, and a red pigment that is diketopyrrolopyrrole; It is preferable to produce by a method including the step of dispersing the mixture; and the step of dispersing the mixture using a mill medium for fine dispersion.
[0014]
In order to improve the temporal stability of the red pigment dispersion of the present invention, the mixing ratio of the red pigment and the resin (red pigment / resin) is 0.5 to 5, preferably 1 to 3, and more preferably. 1-2. When the blending ratio of the red pigment and the resin is less than 0.5, there is at least an excess resin other than the surface of the pigment, and the portion becomes a nucleus and is combined with the resin coated with the pigment. The dispersion will increase in viscosity and a sufficiently stable dispersion cannot be obtained. On the other hand, when the number exceeds 5, the resin sufficient to cover the pigment surface is insufficient, so that the portion that is not coated with the resin approaches by van der Waals force and eventually agglomerates, sufficiently stable red pigment Dispersion cannot be obtained.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The first aspect of the present invention is an oily red pigment dispersion for writing instrument inks comprising an organic solvent, a pigment dispersion resin dissolved in the organic solvent, and a red pigment dispersed in the organic solvent.
[0016]
The oily red pigment dispersion for writing instrument ink is basically a high-concentration composition of the pigment component of the oily red pigment writing instrument ink. In general, an oily red pigment writing instrument ink is prepared by a known method by adding an appropriate dilution solvent or additive to the oily red pigment dispersion for writing instrument ink. That is, when the oily red pigment writing instrument ink is the final product, the oily red pigment dispersion for the writing instrument ink is an intermediate composition used to prepare the oily red pigment writing instrument ink.
[0017]
Generally, an oily red pigment dispersion for writing instrument ink has a solid content of about 15 to 50% by weight, and is adjusted to a solid content of 20 to 50% by weight to obtain an oily red pigment writing instrument ink.
[0018]
As the organic solvent, a general organic solvent used in writing instrument inks can be used. A preferred organic solvent is an alcoholic organic solvent usually used in ballpoint pen ink. A high boiling point solvent exhibiting a boiling point of 150 ° C. or higher at normal pressure is particularly preferred.
[0019]
The alcohol solvent of the present invention includes (monovalent) alcohol, polyhydric alcohol (glycol) and derivatives thereof. Examples include alcohols such as benzyl alcohol, 1-octanol, 2-octanol, α-methylbenzyl alcohol,
Furthermore, ethylene glycol, diethylene glycol, propylene glycol, hexylene glycol, benzyl glycol, ethylene glycol monophenyl ether (phenyl glycol), dipropylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol monoethyl ether, dipropylene glycol monophenyl ether, diethylene glycol monophenyl Examples include glycols such as ether, propylene glycol monophenyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, dipropylene glycol monobutyl ether, tripropylene glycol monomethyl ether, tripropylene glycol monoethyl ether, propylene glycol methyl ether acetate, propylene glycol diacetate, and derivatives thereof. It is. Moreover, you may use said organic solvent 1 type or in mixture of 2 or more types. The amount used is preferably 50 to 85% by weight based on the total amount of the red pigment dispersion.
[0020]
As the red pigment, a red pigment used in a known writing instrument can be used. It is preferable to use a diketopyrrolopyrrole pigment. This is because they exhibit excellent color developability, fastness, and dispersibility in alcoholic organic solvents. Further, the color of the diketopyrrolopyrrole pigment is suitable for a writing instrument.
[0021]
A preferred diketopyrrolopyrrole as a red pigment used in the present invention has the formula
[0022]
[Chemical 1]
[0023]
[Wherein R1And R2Is a phenyl group or a naphthyl group which may have a substituent which does not impart water solubility independently, and RThreeAnd RFourIs independently a hydrogen atom or a substituent that does not impart water solubility. ]
It is a compound of the structure shown by.
[0024]
Examples of the diketopyrrolopyrrole pigment include R1And R2Is a phenyl group selected from the group consisting of an unsubstituted phenyl group, a chlorophenyl group, a bromophenyl group and a cyanophenyl group, and RThreeAnd RFourA red pigment represented by the general formula [I] in which is a hydrogen atom is particularly preferred.
[0025]
In addition to diketopyrrolopyrrole pigments, red pigments include, for example, azo pigments such as naphthol AS and β-naphthol. However, since azo pigments have an azo group in the molecular structure, they are solvent resistant. Sex has a weak side. In addition, when the organic solvent to be used is a polar strong solvent as mentioned above, when an azo pigment is used, it dissolves in the solvent, resulting in poor color development or discoloration.
[0026]
Examples of the diketopyrrolopyrrole that can be used as a red pigment in the present invention include “CI PIGMENT Red 254”, “CI PIGMENT Red 255”, “CI PIGMENT Red 272”, and the like. A diketopyrrolopyrrole pigment having a primary particle size of 100 to 250 nm is preferred.
[0027]
More specifically, trade names “CROMOPHTAL DPP Coral Red C”, “CROMOPHTAL DPP Frame Red FP”, “CROMOPHTAL DPP Red BP”, “CROMOPHTAL DPP Red BOC”, “IRGAZ ARET” manufactured by Ciba Specialty Chemicals, Inc. “EK”, “IRGAZIN DPP Red BTR”, “IRGAZIN Red 2031”, “IRGAZIN DPP Red BO”, “IRGAZIN DPP Red BL”, and the like.
[0028]
As the pigment dispersion resin, a resin commonly used in ordinary oil-based writing instrument inks can be used. For example, polyvinyl butyral resin, rosin-modified maleic acid resin, ketone resin, maleic acid resin, ester gum, xylene resin, alkyd resin, phenol resin, terpene phenol resin, polyvinyl pyrrolidone and the like are used. Preferred are polyvinyl butyral resin, rosin-modified maleic resin, ketone resin, phenol-modified xylene resin, and terpene phenol resin. These resins may be used alone or in combination of two or more.
[0029]
In consideration of long-term storage stability of the pigment dispersion, the softening point of the pigment dispersion resin is 80 to 150 ° C, preferably 100 to 135 ° C, and more preferably 105 to 130 ° C. The pigment dispersion resin is used in an amount of 5 to 30% by weight, preferably 10 to 20% by weight, based on the total amount of the dispersion, whereby the pigment dispersibility is improved and good viscosity is adjusted.
[0030]
Specific examples of the polyvinyl butyral resin include trade names BL-1, BL-2, BL-S, BX-10, BX-L, BM-1, BM-2, BM-S manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd. BX-1, BH-3, etc .; or trade names # 2000-L, # 3000-1, # 3000-2, # 3000-4, # 4000-1, # 4000-2, etc., manufactured by Denki Kagaku Kogyo Co., Ltd. It is done.
[0031]
Specific examples of the phenol-modified xylene resin include trade names HP-70, HP-100, HP-120, HP-150, HP-210, and GHP-160 manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Company.
[0032]
Specific examples of the ketone resin include Hilac 111 and Hilac 222 manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd., and K-90 manufactured by Arakawa Chemical Co., Ltd.
[0033]
Specific examples of the terpene phenol resin include YS POLYSTAR T80, YS POLYSTAR T100, YS POLYSTAR T115, YS POLYSTAR T130, YS POLYSTAR T145, YS POLYSTAR S145, MIGHTY ACE G125, MIGHTY ACE G150, etc., manufactured by Yashara Chemical Co., Ltd. It is done.
[0034]
Specific examples of the rosin-modified maleic resin include trade names Tespole 1101, Tespole 1103, Tespole 1104, Tespole 1105, Tespole 1150, Tespole 1151, Tespole 1152, Tespole 1155, Tespole 1158, Tespole 1161, etc., manufactured by Hitachi Chemical Polymer Co., Ltd. Is mentioned.
[0035]
Moreover, you may use together 1 type, or 2 or more types of a dispersing agent and a rheology control agent (a thickener is also included) in order to improve the dispersion stability in various conditions of a red pigment dispersion liquid. These addition amounts are not limited as long as they do not deteriorate the physical properties of the pigment dispersion, but are preferably 0 to 20% by weight and more preferably 0 to 10% by weight in the entire pigment dispersion.
[0036]
Specific examples of the dispersant include trade names Solsperse 12000, Solsperse 20000, Solsperse 24000, Solsperse 27000, Solsperse 28000, etc. manufactured by Abyssia; trade names Dispavic 160 series, Dispavic 180 series, Dispavic 2000 manufactured by Big Chemie, Dispavic 2001, etc .; trade names made by Kyoeisha Chemical Co., Ltd., such as Floren G-700, Floren DOPA-17, Floren DOPA-17HF, Floren DOPA-33, and the like.
[0037]
In addition, anionic surfactants such as fatty acid salts, aromatic sulfonates, higher alcohol sulfates, fatty acid sulfates, alkylallyl sulfonates; decaglycerin fatty acid esters, hexaglycerin fatty acid esters, polyoxyethylene alkyl ethers , Non-ionic surfactants such as sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene glycerin fatty acid ester, polyoxyethylene polyalkyl ether, polyoxyethylene alkylphenyl ether, etc. Also good.
[0038]
The rheology control agent may be any of a scaly shape, a rod (needle) shape, a lump (sphere) shape, and a liquid shape, and can be used regardless of whether it is inorganic or organic. Specific examples include inorganic bentonite, smectite, silica, calcium carbonate, organic urea compounds, amide compounds, urethane compounds, vegetable oils, polyethylene, and acrylic compounds. Although depending on the amount of addition, the inorganic compound is preferably an organic compound if possible because it may adversely affect the wear of the ball or seat and writing performance.
[0039]
As a dispersion method of the present invention, a known dispersion method can be used. However, it is desirable to obtain a two-stage dispersion process in which coarse dispersion is first performed and then fine dispersion is performed. The diketopyrrolopyrrole pigment used as the red pigment belongs to the condensed polycyclic pigment and is quite hard on its skeleton. Therefore, as a dispersion order, first, the pigment is coarsely dispersed under conditions that require a lot of energy, and then Dispersion is performed under the condition of finely dispersing the pigment.
[0040]
As a disperser used in the present invention, a disperser such as a ball mill, an attritor, a furo jet mixer, an impeller mill, a colloidal mill, a sand mill [for example, a bead mill, a sand glider, a super mill, an agitator mill, a dyno mill (trade name)] is used. Can be mixed or dispersed. At this time, a mill medium can be used. The material of the mill medium is not particularly limited, and for example, beads made of glass, stainless steel, zircon, or zirconia can be used. The mill medium is preferably filled in an amount of 60 to 95% by volume, particularly 75 to 85% by volume, based on the volume of the mill.
[0041]
A more preferable dispersion method is to first perform pigment dispersion including a step of coarsely dispersing the pigment to an average particle diameter of 500 nm or less and a step of finely dispersing the coarsely dispersed pigment dispersion to an average particle diameter of 400 nm or less. The coarse dispersion step and the fine dispersion step are performed by changing the dispersion conditions. For example, coarse dispersion uses a dispersion machine or mill medium for coarse dispersion, and fine dispersion uses a dispersion machine or mill medium for fine dispersion.
[0042]
A preferred disperser for carrying out the coarse dispersion step is a bead mill or various sand mills, and the mill medium is preferably zirconia beads having a diameter of 3 mm or 4 mm. Further, another preferable condition for performing the coarse dispersion step is to set the mill medium filling rate to 75 to 80%.
[0043]
A preferred disperser for carrying out the fine dispersion step is a bead mill or various sand mills, and the mill medium is preferably zirconia beads having a diameter of 2 mm. Further, another preferable condition for carrying out the fine dispersion step is to make the mill medium filling rate 80 to 85%.
[0044]
In the above-described two-stage dispersion process, for example, in the first stage of coarse dispersion, dispersion is performed with a bead diameter of, for example, 3 mm, and then dispersion is performed by replacing with 2 mm beads as the second stage of dispersion. If it is not easy to replace the beads, put a 3 mm bead into the first stage crusher and a 2 mm bead into the second stage crusher. You may connect and disperse | distribute. If the second-stage dispersion is not performed, coarse particles remain in the dispersion, and ball wear may occur in writing with a ballpoint pen, which may impair smooth writing performance.
[0045]
The pigment dispersion obtained by the above dispersion method preferably has an average particle size of the red pigment of 400 nm or less. More preferably, the average particle size of the red pigment is 50 to 350 nm, and more preferably 100 to 300 nm. If the average particle diameter is larger than 400 nm, the pigment particles are precipitated, and the ink discharge from the tip of the ballpoint pen becomes worse. Moreover, when using diketopyrrolopyrrole as a red pigment, it is substantially difficult to make the average particle diameter of a red pigment into 100 nm or less.
[0046]
As the particle size distribution of the pigment dispersion obtained by the above dispersion method, it is desirable that the content of red pigment particles having a particle size of 1 μm or more is 10% by weight or less. Due to the design of the ballpoint pen, the gap through which the ballpoint pen ink is ejected from the tip is only a few μm, and if there are more than 10% by weight of coarse particles of 1 μm or more, the coarse particles overlap to form a gap between the ball and the chip. When passing, ball wear occurs and writing feeling is impaired. Therefore, it is important to suppress the coarse particles of 1 μm or more to 10% by weight or less by performing the dispersion in the second stage of the dispersion method.
[0047]
In order to provide a writing instrument ink (for example, a ballpoint pen ink) in which the oil-based red pigment dispersion for writing instrument ink of the present invention is resistant to thickening and coagulation sedimentation of the pigment, and is required to have a characteristic that the ink flows smoothly over a long period of time. It shows sufficient stability over time. For example, the oily red pigment dispersion for writing instruments of the present invention hardly increases in viscosity even when stored for 1 month at a normal pressure of 50 ° C. Specifically, the thickening rate in that case is almost 20% or less, and the thickening rate does not exceed 30%.
[0048]
The second aspect of the present invention is an oily red pigment writing instrument ink comprising an organic solvent, a pigment dispersion resin dissolved in the organic solvent, and a red pigment dispersed in the organic solvent. As described above, this oily red pigment writing instrument ink can be prepared by a known method by adding an appropriate organic solvent, resin, additive and the like to the oily red pigment dispersion for writing instrument ink of the present invention.
[0049]
The amount of the red pigment in the oily red pigment writing instrument ink of the present invention may be an amount suitable for the desired hue and density, but if the amount added is too large, the writing line blur or ink when used as a ballpoint pen ink This causes a problem such as the inability to write, in which the drawn lines cannot be drawn, and on the contrary, when the amount is small, problems such as poor coloring of the handwriting occur. The preferred pigment amount is 5 to 30% by weight, preferably 7 to 15% by weight, based on the total pigment ink composition. Moreover, a well-known dye, an inorganic pigment, or an organic pigment can be added in the range which has the intended objective and effect.
[0050]
A preferred composition of the oily red pigment writing instrument ink of the present invention contains at least an organic solvent, a pigment dispersion resin that dissolves in the organic solvent, and a colorant, and the red pigment is a diketopyrrolopyrrole pigment, and the diketopyrrolopyrrole pigment The blending ratio of the pigment and the resin (diketopyrrolopyrrole pigment / resin) is in the range of 0.5 to 5, preferably 1 to 3, and the softening point of the resin dissolved in the organic solvent is 80 to 150 ° C. The temperature is preferably 100 to 135 ° C, more preferably 105 to 130 ° C. In order to further improve the pigment dispersion stability, it is preferable to use one or more resins selected from polyvinyl butyral resin, phenol-modified xylene resin, ketone resin, or terpene phenol resin as the pigment dispersion resin.
[0051]
The organic solvent added for dilution or viscosity adjustment is preferably the organic solvent added to the pigment dispersion, and the total organic solvent is preferably 40 to 90% by weight, and 50 to 80% by weight based on the total pigment ink. Further preferred.
[0052]
A resin can be added for the purpose of improving the fixability of handwriting, adjusting the viscosity, and stabilizing the dispersion of the pigment. For example, ketone resin, xylene resin, polyethylene oxide, rosin derivative, terpene resin, coumarone-indene resin, polyvinyl butyral resin, terpene phenol resin, phenol-modified xylene resin, polyvinyl pyrrolidone, acrylic resin, styrene-acrylic resin, General pigment dispersing resins and oligomers such as styrene-maleic acid resin, rosin-modified maleic acid resin, rosin-modified fumaric acid resin, and terpene-maleic acid resin can be used.
[0053]
Various preparation methods for conventionally known writing instrument inks can be applied to the adjustment of the oily red pigment writing instrument ink of the present invention. That is, the writing instrument ink composition can be obtained by dispersing the pigment dispersion together with other components using a dispersion mixer. As the dispersion and mixing, a dispersing machine such as a sand mill, a ball mill, a homomixer, a bead mill, or a high-speed disper can be used for mixing or dispersing.
[0054]
In addition to the above components, the oily red pigment writing instrument ink of the present invention includes various additives such as antioxidants, ultraviolet absorbers, lubricants, preservatives, antifungal agents, rust preventives, dispersants, rheology control agents and the like. You may use it, selecting an additive suitably as needed.
[0055]
Examples of the dispersant used for improving the writing property and stabilizing the dispersion of the pigment include trade names Solsperse 12000, Solsperse 20000, Solsperse 27000, Solsperse 24000, Solsperse 28000, etc., manufactured by Avicia; Series, Dispavic No. 180 Series, Dispavic 2000, Dispavic 2001, etc .; trade names FLOREN G-700, FLOREN DOPA-17, FLOREN DOPA-17HF, FLOREN DOPA-33, etc. manufactured by Kyoeisha Chemical Co., Ltd.
[0056]
In addition, anionic surfactants such as fatty acid salts, aromatic sulfonates, higher alcohol sulfates, fatty acid sulfates, alkylallyl sulfonates; decaglycerin fatty acid esters, hexaglycerin fatty acid esters, polyoxyethylene alkyl ethers , Nonionic surfactants such as sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene glycerin fatty acid ester, polyoxyethylene polyalkyl ether, polyoxyethylene alkylphenyl ether, etc. I can do it.
[0057]
Examples of the lubricant include castor oil, polyoxyethylene adduct of castor oil, polyoxyethylene alkylamine, and molybdenum disulfide.
[0058]
As the above thickener,
Product names Benton SD-2, Benton 27, manufactured by NL Chemicals
Trade names TIXOGEL VZ, TIXOGELEZ, manufactured by Nissan Gardler Catalyst
Organic bentonite thickeners such as trade name EX-0101 manufactured by SUD Chemical Co., Ltd .;
Product names Aerosil 380, Aerosil COK84, manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.
Silica-based thickeners such as Mizusawa Chemical Co., Ltd. trade name Mizukasil P-801;
Trade names Taren VA-100, Talen VA-500, Talen VA-800, manufactured by Kyoeisha Chemical Co., Ltd.
Examples include trade names ASA T-1, ASA T-51, ASA T-350F, and other fatty acid polyamides manufactured by Ito Oil Co., Ltd.
[0059]
【The invention's effect】
The red pigment dispersion of the present invention has a good hue and excellent fastness such as weather resistance and solvent resistance by using diketopyrrolopyrrole as a colorant. In addition, since it is excellent in stability over time, the pigment particles do not aggregate over time to form coarse particles or settle in the pigment dispersion.
[0060]
The writing instrument ink using the red pigment dispersion of the present invention is excellent in lubricity, has an effect of reducing wear of the ball seat when used as a ballpoint pen ink, has excellent durability and writing feeling, and pigment dispersion Excellent stability over time, pigments are solidified in the ink container, ink followability becomes poor when the writing tip is left facing upward, blurring occurs, and writing due to ball wear Will not cause poor writing.
[0061]
【Example】
EXAMPLES Next, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples. In the following description, “parts by weight” is abbreviated as “parts”.
[0062]
Examples 1 to 10 and Comparative Examples 1 to 3 describe the oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink of the present invention and its production method.
[0063]
Example 1
In a mixed solvent of 972 g of phenyl glycol and 324 g of benzyl alcohol, 144 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BM-1, softening point: 110-120 ° C. manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) is added and stirred for about 2 hours. Dissolved. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: IRGAZIN DPP RedBO, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour with a horizontal disperser filled with 3 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0064]
(1) Measurement of average particle size and particle size distribution
The particle diameter of the pigment particles in the dispersion obtained in Example 1 was measured using a laser light scattering particle size distribution analyzer (trade name: LPA3000 / 3100, manufactured by Otsuka Electronics Co., Ltd.), and the results are shown in Table 1. It was shown in 1.
[0065]
(2) Measurement of viscosity change rate (thickening rate)
The viscosity of the dispersion obtained in Example 1 was measured at 25 ° C. with a rotary viscometer (EHD type). (This is the initial value.) Further, this dispersion is put in an oven kept at 50 ° C. for one month, and the measurement is performed in the same manner. The results are shown in Table 1.
[0066]
[Expression 1]
Viscosity change rate = (value after one month-initial value) / (initial value)
[0067]
(3) Confirmation of dispersibility
The dispersion obtained in Example 1 was used. After diluting twice with a mixed solvent of phenyl glycol and benzyl alcohol, a small amount was spotted on a preparation. This was covered with a cover glass, allowed to stand at room temperature for 1 day, and pigment aggregates were confirmed with an optical microscope.
[0068]
Example 2
In a mixed solvent of 918 g of phenyl glycol and 306 g of benzyl alcohol, 216 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BL-1, softening point: 100-110 ° C., manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) is added and stirred for about 2 hours. Dissolved. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: CROMOPHTAL DPP Frame Red FP, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour by a horizontal disperser filled with 4 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0069]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0070]
Example 3
In a mixed solvent of 972 g of phenyl glycol and 324 g of benzyl alcohol, 144 g of phenol-modified xylene resin (trade name: HP-100, manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Co., Ltd., softening point: 105 to 125 ° C.) was added and stirred for about 2 hours. Dissolved. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: IRGAZIN Red 2031, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour with a horizontal disperser filled with 3 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0071]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0072]
Example 4
In a mixed solvent of 972 g of phenyl glycol and 324 g of benzyl alcohol, 144 g of a ketone resin (trade name: Hilac 222, manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd., softening point: 100 to 120 ° C.) was added and dissolved with stirring for about 2 hours. . Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: IRGAZIN Red 2031, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour with a horizontal disperser filled with 3 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0073]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0074]
Example 5
In a mixed solvent of 972 g of phenyl glycol and 324 g of benzyl alcohol, 144 g of terpene phenol resin (trade name: YS Polystar T115, softening point: 110-120 ° C., manufactured by Yasuhara Chemical Co., Ltd.) was added and dissolved with stirring for about 2 hours. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: IRGAZIN Red 2031, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour with a horizontal disperser filled with 3 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0075]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0076]
Example 6
In a mixed solvent of 900 g of phenyl glycol and 288 g of benzyl alcohol, 252 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BL-1, softening point: 100-110 ° C., manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) was added and stirred for about 2 hours. Dissolved. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: CROMOPHTAL DPP Frame Red FP, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour with a horizontal disperser filled with 3 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0077]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0078]
Example 7
In a mixed solvent of 950 g of phenyl glycol and 310 g of benzyl alcohol, 180 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BM-1, softening point: 110-120 ° C. manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) is added and stirred for about 2 hours. Dissolved. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: IRGAZIN Red BO, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour with a horizontal disperser filled with 3 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0079]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0080]
Example 8
In a mixed solvent of 972 g of phenyl glycol and 324 g of benzyl alcohol, 144 g of polyvinyl pyrrolidone resin (trade name: K-30, softening point: 100-110 ° C., manufactured by ASP Japan Co., Ltd.) is added and dissolved with stirring for about 2 hours. did. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: IRGAZIN Red 2031, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour with a horizontal disperser filled with 3 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0081]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0082]
Example 9
In a mixed solvent of 900 g of phenyl glycol and 288 g of benzyl alcohol, 252 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BL-1, softening point: 100-110 ° C., manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) was added and stirred for about 2 hours. Dissolved. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: CROMOPHTAL DPP Frame Red FP, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Thereafter, the dispersion was performed for about 2 hours in a horizontal disperser filled with 3 mm beads to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0083]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0084]
Example 10
In a mixed solvent of 950 g of phenyl glycol and 310 g of benzyl alcohol, 180 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BM-1, softening point: 110-120 ° C. manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) is added and stirred for about 2 hours. Dissolved. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: IRGAZIN Red BO, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Thereafter, dispersion was carried out for about 2 hours in a horizontal disperser filled with 2 mm beads to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had good color tone and fluidity.
[0085]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0086]
Comparative Example 1
In a mixed solvent of 1000 g of phenyl glycol and 380 g of benzyl alcohol, 60 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BM-1, softening point: 110-120 ° C. manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) is added and stirred for about 2 hours. Dissolved. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: IRGAZIN DPP RedBO, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour with a horizontal disperser filled with 3 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had poor fluidity and eventually thickened.
[0087]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0088]
Comparative Example 2
In a mixed solvent of 500 g of phenyl glycol and 190 g of benzyl alcohol, 750 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BL-1, softening point: 100 to 110 ° C., manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) is added and heated at 40 ° C. It was dissolved with stirring for about 4 hours. Thereafter, 360 g of diketopyrrolopyrrole (trade name: CROMOPHTAL DPP Frame Red FP, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour by a horizontal disperser filled with 4 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The fluidity was poor both during and after dispersion.
[0089]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter, the particle ratio of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
[0090]
Comparative Example 3
In a mixed solvent of 972 g of phenyl glycol and 324 g of benzyl alcohol, 144 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BM-1, softening point: 110-120 ° C. manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.) is added and stirred for about 2 hours. Dissolved. Thereafter, 360 g of a monoazo red pigment (trade name: Brilliant Carmine 7009, manufactured by Sanyo Dye) was added and stirred for about 2 hours. Then, it was dispersed for about 1 hour with a horizontal disperser filled with 3 mm beads. Thereafter, the beads were replaced with 2 mm beads and dispersed for about 40 minutes to prepare an oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink. The obtained dispersion had no problem in color tone and fluidity, but the color tone changed over time. (Slightly yellowish.)
[0091]
Table 1 shows the measurement results of the average particle diameter of the oil-based red pigment dispersion for ballpoint pen ink, the content of particles of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity (thickening rate).
[0092]
[Table 1]
[0093]
In Examples 11 to 17 and Comparative Examples 4 to 6, oily red pigment ballpoint pen ink using the oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink of the present invention will be described.
[0094]
Example 11
50 parts of the red pigment dispersion obtained in Example 1, 25 parts of phenyl glycol, 10 parts of benzyl alcohol, 5 parts of rosin-modified phenolic resin (softening point: 110 to 115 ° C.), ketone resin (softening point: 100 to 120 ° C.) ) 5 parts, 1 part of polyvinylpyrrolidone and 4 parts of oleic acid were dispersed and mixed to prepare an oily red pigment ballpoint pen ink.
[0095]
The ink obtained above was filled into a ball-point pen consisting of a superhard ball having a diameter of 0.7 mm, a stainless tip and a receiving tube to obtain an oil-based ballpoint pen. When writing with the ballpoint pen, it showed smooth and good writing performance. Then, in a thermostatic bath at 50 ° C., leave the writing tip part upward for 1 month, leave it at room temperature for 1 day, write straight at a writing angle of 70 ° and a load of 100 g, and determine the shading length at that time. The results are shown in Table 3.
[0096]
The oil-based ballpoint pen obtained above was written on a writing tester in accordance with JIS S6039, under the conditions of a load of 100 g, a writing angle of 70 °, and a writing speed of 4 m / min. The writing feeling test was performed by handwriting, and the results are shown in Table 3.
[0097]
Examples 12-17
In Examples 12 to 17, the red pigment dispersion obtained in Example 1 of Example 11 was replaced with the red pigment dispersion shown in Table 3, and oily red pigment ballpoint pen ink was prepared in the same manner as in Example 11 except that. did. Each of the obtained inks showed a good color tone as in Example 11, the viscosity of the ink was stable without aggregation and sedimentation of the pigment, and good writing property was exhibited at the initial stage and over time.
[0098]
Comparative Examples 4-6
In Comparative Examples 4 to 6, oil-based red pigment ballpoint pen inks were prepared in the same manner as in Example 11 except that the red pigment dispersion obtained in Example 1 of Example 11 was replaced with the red pigment dispersion shown in Table 3. did.
[0099]
In Comparative Examples 7 and 8, the oil-based red ballpoint pen ink of the prior art will be described.
[0100]
Comparative Example 7
C. I. BASIC RED 1 dye 20g and C.I. I. Salt-form dye obtained from 5 g of ACID YELLOW 23 dye, 45 g of phenyl glycol, 15 g of benzyl alcohol, 5 g of rosin-modified phenolic resin (softening point: 110 to 115 ° C.), 5 g of ketone resin (softening point: 100 to 120 ° C.), An oily red ballpoint pen ink was prepared by stirring and mixing 1 g of polyvinylpyrrolidone and 4 g of oleic acid. The obtained red ink was slightly yellowish.
[0101]
Comparative Example 8
In a mixed solvent of 720 g of phenyl glycol and 460 g of benzyl alcohol, 180 g of polyvinyl butyral resin (softening point: 100 to 110 ° C.), 150 g of rosin-modified phenolic resin (softening point: 110 to 115 ° C.), ketone resin (softening point: 100) 150 g) was dissolved while stirring for about 2 hours. Thereafter, C.I. I. 300 g of PIGMENT RED 17 (SANYO RED BS, manufactured by Sanyo Dye) was added and stirred for about 2 hours. Thereafter, dispersion was performed for about 30 minutes with a horizontal disperser filled with 2 mm beads to prepare a red pigment dispersion. Thereafter, 750 g of phenyl glycol, 300 g of benzyl alcohol, 30 g of polyvinyl pyrrolidone and 120 g of oleic acid were further diluted to prepare an oily red pigment ballpoint pen ink. The resulting red ink was discolored over time. (Yellowish)
[0102]
Table 2 shows the measurement results of the average particle diameter of the red pigment dispersion liquids of Comparative Examples 7 and 8, the content of particles having a size of 1 μm or more, and the rate of change in viscosity (thickening rate).
[0103]
[Table 2]
[0104]
Examples 18 to 19 describe the oily red pigment ballpoint pen ink of the present invention.
[0105]
Example 18
In a mixed solvent of 660 g of phenyl glycol and 420 g of benzyl alcohol, 120 g of polyvinyl butyral resin (trade name: ESREC BM-1, softening point: 110-120 ° C. manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd.), rosin-modified phenolic resin (softening point: 110) -115 ° C) 150 g, ketone resin (softening point: 100-120 ° C) 150 g, oleic acid 120 g, and polyvinylpyrrolidone 30 g were added and dissolved with stirring for about 2 hours. Then, 300 g of diketopyrrolopyrrole (IRGAZIN DPP Red BO, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Thereafter, dispersion was carried out for about 30 minutes with a horizontal disperser filled with 2 mm beads, and then diluted with 750 g of phenyl glycol and 300 g of benzyl alcohol to prepare an oily red pigment ballpoint pen ink. The obtained ink had good color tone and fluidity.
[0106]
Example 19
In a mixed solvent of 700 g of phenyl glycol and 460 g of benzyl alcohol, 200 g of phenol-modified xylene resin (trade name: HP-100, manufactured by Mitsubishi Gas Chemical Co., Ltd., softening point: 105 to 125 ° C.), rosin-modified phenol resin (softening point: 110) -115 ° C) 150 g, ketone resin (softening point: 100-120 ° C) 150 g, oleic acid 120 g, and polyvinylpyrrolidone 30 g were added and dissolved with stirring for about 2 hours. Then, 300 g of diketopyrrolopyrrole (IRGAZIN DPP Red BO, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) was added and stirred for about 2 hours. Thereafter, dispersion was carried out for about 30 minutes with a horizontal disperser filled with 2 mm beads, and then diluted with 750 g of phenyl glycol and 300 g of benzyl alcohol to prepare an oily red pigment ballpoint pen ink. The obtained ink had good color tone and fluidity.
[0107]
The ink obtained above was filled into a ball-point pen consisting of a superhard ball having a diameter of 0.7 mm, a stainless tip and a receiving tube to obtain an oil-based ballpoint pen. When writing with the ballpoint pen, it showed smooth and good writing performance. Then, in a thermostatic bath at 50 ° C., leave the writing tip part upward for 1 month, leave it at room temperature for 1 day, write straight at a writing angle of 70 ° and a load of 100 g, and determine the shading length at that time. The results are shown in Table 3.
[0108]
The oil-based ballpoint pen obtained above was written on a writing tester in accordance with JIS S6039, under the conditions of a load of 100 g, a writing angle of 70 °, and a writing speed of 4 m / min. The writing feeling test was performed by handwriting, and the results are shown in Table 3.
[0109]
[Table 3]
Claims (7)
該有機溶剤中に溶解させた顔料分散樹脂と、
該有機溶剤中に分散させたジケトピロロピロールである赤色顔料と
を含み、
該赤色顔料と該顔料分散樹脂との配合比(赤色顔料/樹脂)が0.5〜5の範囲であり、
該赤色顔料の平均粒径が100〜300nmであり、粒径1μm以上の粒子の含有率が10重量%以下であり、および
該顔料分散樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、テルペンフェノール樹脂およびポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種である、
ボールペンインキ用油性赤色顔料分散液。50 to 85% by weight of an alcohol-based organic solvent, which is a high-boiling organic solvent having a boiling point of 150 ° C. or higher at normal pressure, based on the total amount of the red pigment dispersion,
A pigment-dispersed resin dissolved in the organic solvent;
A red pigment that is diketopyrrolopyrrole dispersed in the organic solvent,
The compounding ratio (red pigment / resin) of the red pigment and the pigment dispersion resin is in the range of 0.5 to 5,
The red pigment has an average particle size of 100 to 300 nm, the content of particles having a particle size of 1 μm or more is 10% by weight or less, and the pigment dispersion resin is a polyvinyl butyral resin , a ketone resin, or a phenol-modified xylene resin , At least one selected from the group consisting of terpene phenol resins and polyvinylpyrrolidone,
Oily red pigment dispersion for ballpoint pen ink.
粗分散用ミル媒体を用いて該混合物を分散させる工程;および
微分散用ミル媒体を用いて該混合物を分散させる工程;
を包含する、請求項1記載のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の製造方法。 Polyvinyl butyral resins, ketone resins, phenol-modified xylene resin, a pigment dispersing resin is at least one selected from the group consisting of terpene phenol resins and polyvinyl pyrrolidone, an alcohol-based organic solvent, a red pigment is a diketopyrrolopyrrole Providing a mixture comprising:
Dispersing the mixture using a coarse dispersion mill medium; and dispersing the mixture using a fine dispersion mill medium;
The manufacturing method of the oil-based red pigment dispersion for ball-point pen inks of Claim 1 including this.
粗分散用ミル媒体を用いて赤色顔料の平均粒径が500nm以下になるまで該混合物を分散させる工程;および
微分散用ミル媒体を用いて赤色顔料の平均粒径が400nm以下になるまで該混合物を分散させる工程;
を包含する、請求項1記載のボールペンインキ用油性赤色顔料分散液の製造方法。 Polyvinyl butyral resins, ketone resins, phenol-modified xylene resin, a pigment dispersing resin is at least one selected from the group consisting of terpene phenol resins and polyvinyl pyrrolidone, an alcohol-based organic solvent, a red pigment is a diketopyrrolopyrrole Providing a mixture comprising:
Dispersing the mixture using a coarse dispersion mill medium until the average particle diameter of the red pigment is 500 nm or less; and using the fine dispersion mill medium, the mixture until the average particle diameter of the red pigment is 400 nm or less. Dispersing the step;
The manufacturing method of the oil-based red pigment dispersion for ball-point pen inks of Claim 1 including this.
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