JP4070067B2 - 切替式連続熱処理設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、鋼帯を連続的に加熱、均熱した後一次冷却し、必要により過時効処理を施した後に二次冷却を行い、更に最終冷却することによって熱処理を行う鋼帯の連続熱処理設備と、鋼帯を熱処理した後、溶融亜鉛メッキを施す連続式溶融亜鉛メッキ設備とを同一設備にて兼用できる切替式連続熱処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼帯を熱処理する連続熱処理設備と、連続式熱処理炉によって処理された鋼帯を、引き続いてスナウトを経由して溶融メッキポットに導入し、ガスワイピングノズル等のメッキ付着量調節機によって溶融メッキポットから引き上げられた鋼帯に付着するメッキ付着量を調節することによってメッキ処理を行う連続式溶融亜鉛メッキ設備を切替えて処理する方法は、例えば特許第2590152号公報に開示されている。すなわち、特許第2590152号公報には、連続焼鈍炉と、その出側にメッキポットを配設し、メッキ処理を行う場合は連続焼鈍炉にて熱処理された鋼帯を引き続いてスナウトを経由して亜鉛ポットヘ導入し、一方、メッキ処理を行わず熱処理のみ施した鋼帯を得る場合は、ワイピングノズル等のメッキ装置各部品をメッキポットから取り外した状態でメッキポット上に新たにデフレクターロールを設置し、連続焼鈍炉から出た鋼帯を、該デフレクターロールを用いることによって方向転換させ、鋼帯をメッキポットヘ侵入させることなく製造する方法が記載されている。
【0003】
また、特開昭58−71366号公報には、加熱帯、均熱帯、1次冷却帯、制御冷却機能を備えた過時効帯、溶融メッキ手段、中間冷却手段、2次冷却帯を順次直列に配置し、過時効帯から2次冷却帯へ直接通ずるバイパス手段を具備した冷延鋼板と溶融亜鉛メッキ鋼板の兼用製造設備が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許第2590152号公報に開示された従来の方法で、メッキを施した鋼帯と、熱処理のみ行った鋼帯とを造り分ける場合においては、メッキ鋼帯製造時にメッキポットに侵入する直前の鋼帯温度は溶融亜鉛メッキの場合、約450℃ないし470℃程度であるのに比べて、熱処理のみ行う鋼帯(例えば冷薄材成品等)の製造時の連続焼鈍炉出側温度は常温近く、若しくは鋼帯表面の酸化が実質上問題とならない程度の低温、例えば150℃〜200℃以下とする必要があるため、メッキ鋼帯通板時と比べてかなり低温にする必要がある。このため、連続焼鈍炉はこの冷薄材等の熱処理のみ行う鋼帯の処理に対応した大容量の冷却装置をメッキポットよりも前に位置するべく具備していることが必要となる。この大容量の冷却装置は、冷薄材等の熱処理のみを行う鋼帯の製造においては必須であるが、一方でメッキ鋼帯製造においては不要なものであるばかりでなく、メッキ鋼帯通板時にはメッキポット侵入時の鋼帯温度を確保するため、この冷却装置での過冷却を防止することが必要になり、熱量補償用のヒーター等を併設する必要が生じる。その結果、設備コストが増大するばかりでなく、鋼帯の温度制御が難しくなるという欠点を抱えていた。過時効帯を冷却機能付きとすることも行われているが、この場合においても鋼帯を過時効温度に保持するために必要な電熱ヒーターと冷却装置を併設する必要があるので、設備コストが増大することは避けられなかった。
【0005】
さらに、溶融亜鉛メッキにおけるメッキ後、あるいはメッキに続く合金化処理後のメッキ鋼帯は常温近くまで冷却することが必要で、通常は、ミスト冷却やエアージェット冷却が使用され、その後略々180℃〜150℃から常温近くまでの範囲は冷却効率を高める目的でウォータークエンチ等の浸漬冷却による最終冷却帯を設ける必要がある。
【0006】
連続式溶融亜鉛メッキ設備と冷薄材等の連続熱処理設備を兼用させて、切替えて運転する場合、溶融亜鉛メッキにおけるメッキ後、あるいは合金化処理後の最終冷却設備と、冷薄材処理過程での最終冷却設備を各々個別に設置することは、設置スペース上不利であるのみならず、設備コスト的にも不経済であるという問題がある。
【0007】
一方、特開昭58−71366号公報に示された方法においては、加熱帯、均熱帯、1次冷却帯、制御冷却機能を備えた過時効帯、溶融メッキ手段、中間冷却手段、2次冷却帯を順次直列に配置し、メッキ鋼帯処理時において、亜鉛メッキされた鋼帯は、溶融亜鉛メッキ手段と2次冷却帯の間に設けられた中間冷却手段により略々400℃以下、好ましくは350℃以下に冷却された後、引き続いて2次冷却帯においてほぼ300℃に冷却される。このとき、2次冷却帯内で炉内のハースロールにメッキ層の亜鉛がピックアップされないようにするために、中間冷却手段において、メッキされた鋼帯の温度を、前記の如く400℃、好ましくは350℃以下にすることが示されているが、この従来の方法においても亜鉛のハースロール表面へのピックアップを完全に防止することはできないという問題が残っていた。特に、溶融亜鉛メッキした後、合金化処理する場合においては、2次冷却帯内において300℃から350℃の雰囲気中でハースロールにより繰り返し曲げを与えると、鉄と亜鉛の合金層の微細な剥離に起因するピックアップが生じ、メッキ材表面の押しキズ等の欠陥が発生するため、厳しい表面品質要求を満たす成品を得ることは困難であるという問題があった。
【0008】
また、溶融亜鉛メッキポットでメッキされた後の鋼帯を引き続いて合金化処理する場合、一旦バイパス炉をオフラインヘ待避させて、その後合金化装置をインラインに設置することが必要となるが、長大なバイパス炉を移動させる装置と合金化装置をインラインに移動させる装置がそれぞれ個別に必要となるため、移動装置が複雑となると同時に切替え作業に多大の時間を要するという欠点がある。さらに、バイパス炉を過時効帯及び二次冷却帯から切り離す際や再取り付けを行う際には、両端のフランジ部分でボルト締結を脱着することにより行うが、ボルトを脱着した後も過時効帯及び二次冷却帯側の固定フランジの面間距離は不変であるためバイパス炉を移動させる際に必要な隙間を確保するのが困難で、加えて、バイパス炉がオフラインヘ移動した後は、過時効帯及び二次冷却帯側の該フランジを盲蓋で閉鎖し炉内の非酸化性ガス雰囲気を保持することが必須であることから、これら一連の作業には多大の時間を要していた。この切替えに要する時間は、即ち兼用ラインの生産性を著しく低下せしめることになる。
【0009】
本願発明は、係る諸問題を解決し、亜鉛のハースロールへのピックアップを回避することによって表面品質に優れたメッキ鋼材と冷薄材等の熱処理鋼板を製造を可能にし、また、バイパス炉の切替えを短時間で容易に行うことができ、且つ設備をコンパクトにするとともに設備コストを最小限に留めることを目的にしたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、一次過時効帯、二次過時効帯、二次冷却帯及びウォータークエンチ式最終冷却帯が順次直列に配置された連続熱処理設備の一次過時効帯と二次過時効帯の間に、鋼帯に溶融亜鉛メッキを施すメッキポット、メッキ付着量調節機、合金化装置及び冷却装置を順次設け、更にメッキされた鋼帯を前記最終冷却帯まで通板する経路を、前記二次過時効帯及び二次冷却帯の炉殻外上部又は下部に設けるとともに鋼帯を一次過時効帯から二次過時効帯へ直接通板せしめるバイパスを、前記合金化装置と交差して設け、それぞれ内部に鋼帯の案内路を有する合金化装置交差部とバイパス交差部とを隣接して移動台車に載置し、該移動台車を前記合金化装置とバイパスとの交差部に設け、該移動台車を移動させて合金化装置交差部とバイパス交差部のいずれかを選択して鋼帯のパスを切替え自在となし、連続式溶融亜鉛メッキ鋼帯の製造と連続熱処理鋼帯の製造を切替えて行うことができるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時効帯、二次冷却帯及びウォータークエンチ式最終冷却帯が順次直列に配置された連続熱処理設備の一次冷却帯と過時効帯の間に、鋼帯に溶融亜鉛メッキを施すメッキポット、メッキ付着量調節機、合金化装置及び冷却装置を順次設け、更にメッキされた鋼帯を前記最終冷却帯まで通板する経路を、前記過時効帯及び二次冷却帯の炉殼外上部又は下部に設けるとともに、鋼帯を一次冷却帯から過時効帯へ直接通板せしめるバイパスを、前記合金化装置と交差して設け、それぞれ内部に鋼帯の案内路を有する合金化装置交差部とバイパス交差部とを隣接して移動台車に載置し、該移動台車を前記合金化装置とバイパスとの交差部に設け、該移動台車を移動させて合金化装置交差部とバイパス交差部のいずれかを選択して鋼帯のパスを切替え自在となし、連続式溶融亜鉛メッキ鋼帯の製造と連続熱処理鋼帯の製造を切替えて行うことができるようにしたことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時効帯、二次冷却帯及びウォータークエンチ式最終冷却帯が順次直列に配置された連続熱処理設備の過時効帯と二次冷却帯の間に、鋼帯に溶融亜鉛メッキを施すメッキポット、メッキ付着量調節機、合金化装置及び冷却装置を順次設け、更にメッキされた鋼帯を前記最終冷却帯まで通板する経路を、前記二次冷却帯の炉殼外上部又は下部に設けるとともに、鋼帯を過時効帯から二次冷却帯へ直接通板せしめるバイパスを、前記合金化装置と交差して設け、それぞれ内部に鋼帯の案内路を有する合金化装置交差部とバイパス交差部とを隣接して移動台車に載置し、該移動台車を前記合金化装置とバイパスとの交差部に設け、該移動台車を移動させて合金化装置交差部とバイパス交差部のいずれかを選択して鋼帯のパスを切替え自在となし、連続式溶融亜鉛メッキ鋼帯の製造と連続熱処理鋼帯の製造を切替えて行うことができるようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、前記バイパスは、入側バイパス部、バイパス交差部、出側バイパス部から構成されており、入側バイパス部及び出側バイパス部には伸縮管が取り付けてあり、前記バイパス交差部とは該伸縮管を介して接続可能とすることができる。
【0015】
さらに、前記溶融メッキポットに鋼帯を導くスナウトの入側に炉内雰囲気をシールするシール装置を設けることができ、また、前記バイパスの入側及び出側に、各々炉内雰囲気を外部から遮断するシール装置を設けることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例を示す断面図である。連続熱処理炉は、加熱帯2、均熱帯3、一次冷却帯4と過時効処理を行う一次過時効帯5、二次過時効帯6、さらに二次冷却帯7と、No.1クエンチタンク8及びNo.2クエンチタンク9からなる最終冷却帯により構成されている。本実施例では、一次過時効帯5と二次過時効帯6は一次冷却された鋼帯1を一定時間保持して過時効処理を行うという全く同じ機能を果たすもので、本例では炉の構造上の問題で独立したチャンバー(帯)に分けているだけのものであり、要求される過時効時間に応じて二つのチャンバーに分けるか、一つのチャンバーとするかは、個別の設計に依存して決定されるものである。
【0017】
鋼帯1は、加熱帯2、均熱帯3、一次冷却帯4及び一次過時効帯5の順に通板される。その後、冷薄材等の熱処理材を通板する時には、入側バイパス部22、切替装置23、出側バイパス部24から構成されるバイパス35を通過して、二次過時効帯6、二次冷却帯7へ送られ、その後No.1クエンチタンク8及びNo.2クエンチタンク9からなる最終冷却帯で最終冷却された後、ドライヤー10で乾燥されて次工程へ送られる。
【0018】
一方、一次過時効帯5と二次過時効帯6の間には、溶融亜鉛のメッキポット12及びメッキ付着量調節機13、合金化装置14、冷却装置15が垂直方向に直列に配設されている。
【0019】
図2(a)及び(b)はメッキを施された鋼帯の通板例を示した断面図である。溶融亜鉛メッキ鋼帯の製造時には、図2(a)に示すように鋼帯1は加熱帯2、均熱帯3、一次冷却帯4及び一次過時効帯5の順に通板させた後、一次過時効帯5に接続して設けられているスナウト11を経由して溶融亜鉛のメッキポット12に導入され、メッキ付着量調節機13により所定のメッキ厚みに調整され、必要により合金化装置14にて合金化処理された後、冷却装置15にて所定の温度以下になるように冷却され、入側トップロール16、出側トップロール17を経て、エアージェットクーラー式冷却装置18により略200℃以下に冷却される。このとき、切替装置23は、メッキ鋼帯が垂直方向に通板可能なように、切替えて配置されている。二次過時効帯6及び二次冷却帯7の炉殻外上部には、メッキ済みの鋼帯1を最終冷却帯であるクエンチタンク9まで通板する経路20が設けられており、メッキされた鋼帯1は、ジェットクーラー式冷却装置18により冷却された後、デフレクターロール19により方向を替えて、経路20を通板された後、デフレクターロール21によりクエンチタンク9へ送られ、最終冷却される。
【0020】
図2(b)はメッキを施された鋼帯の別の通板例を示したものである。エアージェットクーラー式冷却装置18により冷却されたメッキ済みの鋼帯1は、二次過時効帯6の手前の炉殻外下部に配置したデフレクターロール19により方向を替えて、二次過時効帯6及び二次冷却帯7の炉殻外下部に設けた経路20に沿って搬送された後、クエンチタンク8を経由して、クエンチタンク9へ送られ、最終冷却される。
【0021】
本発明では、メッキポット12、メッキ付着量調節機13、合金化装置14、冷却装置15が垂直方向に配置されており、鋼帯1は入側トップロール16及び出側トップロール17を介して下方に方向転換し、ジェットクーラー式冷却装置18により200℃以下まで冷却される。この間、鋼帯1が接触するのは入側トップロール16及び出側トップロール17のみであり、従来技術(特開昭58−71366号)のように炉内において、ハースロールにより繰り返し曲げを受けないため、亜鉛のハースロールへのピックアップの問題がなく、よってメッキ鋼帯表面の押しキズが生じない。
【0022】
図3(a)及び(b)は連続熱処理炉の別実施例を示す断面図である。
【0023】
図1、図2に示す構成は、一次過時効帯5と二次過時効帯6の間にメッキポット12、メッキ付着量調節機13、合金化装置14、冷却装置15を配置しているが、図3(a)に示すように、一次冷却帯4と過時効帯33の間にメッキポット12、メッキ付着量調節機13、合金化装置14、冷却装置15、18を配備してもよく、また、図3(b)に示すように、過時効帯33と二次冷却帯7の間にメッキポット12、メッキ付着量調節機13、合金化装置14、冷却装置15,18を配置してもよい。
【0024】
図3(a)のように、一次冷却帯4と過時効帯33の間にメッキ設備を設けることにより、メッキ鋼帯製造時に鋼帯1は一次冷却帯4に引き続いてメッキポット12に導入されるため、図1に示すような過時効帯5を通板する必要がない。従って図3(a)における過時効帯33は冷薄材等の熱処理鋼帯の製造のみに適用されることになり、過時効帯33はその炉内温度を熱処理鋼帯の過時効処理に適した最高400℃に設計することが可能であるため、図1に示す実施例では過時効帯5をメッキ鋼帯通板を配慮して、炉内最高温度を470℃〜500℃に設計しなければならないのに比べ、図3(a)の実施例では過時効帯を安価に提供できるというメリットがある。
【0025】
また、図3(b)のように、過時効帯33と二次冷却帯7の間にメッキ設備を設けることにより、一次冷却帯4において冷却過程の鋼帯の幅方向に冷却温度の不均一が生じた場合には、過時効帯33において鋼帯1が一定温度に保持されつつ通板されることにより、鋼帯1の幅方向温度むらが均一化されるという効果が期待でき、メッキポット12に侵入する鋼帯1の温度を均一にでき、メッキ付着量の均一化及びメッキ密着性の向上が図れるという効果がある。
【0026】
図4は本願発明によるバイパスの切替構造の一例を示す斜視図である。図4(a)はメッキ鋼板を通板させる場合を示し、(b)は熱処理鋼帯を通板させる場合を示す。それぞれ内部に鋼帯1の案内路を有する、メッキ鋼板通板のための合金化装置交差部25と熱処理鋼帯通板のためのバイパス交差部26とを隣接して合金化装置14とバイパス35の交差部(切替装置23)近傍に設けた移動台車27に載せ、移動台車27は横行装置(図示していない)で移動する。バイパス35ではメッキ鋼帯通板時は合金化装置交差部25がインラインの位置に移動しており、バイパス交差部26はオフラインに位置するようになっている。入側バイパス部22及び出側バイパス部24のそれぞれの先端には、伸縮管28、29が取り付けられており、合金化装置交差部25とバイパス交差部26が切り替わる際には、伸縮管28、29が縮小待避して切替え動作のために必要なスキマを確保するようになっている。伸縮管28、29の仲縮はエアーシリンダー等を利用して行う。
【0027】
図4(b)は熱処理鋼帯のバイパスに切替えた状態を示し、バイパス交差部26はインラインの位置に停止し、合金化装置交差部25はオフライン側に逃げている。伸縮管28、29は、それぞれ伸縮によりバイパス交差部26とフランジ接合され、入側バイパス部22及び出側バイパス部24は、バイパス交差部26を介して気密接合される。
【0028】
図5は、炉内雰囲気を遮蔽するシール装置を設けた例を示す断面図で、スナウト11の入側に、炉内雰囲気を遮蔽するシール装置30を設けたものである。また、切替装置23前後の熱処理鋼板通板経路、すなわちバイパス35の入側バイパス部22と出側バイパス部24に、炉内雰囲気ガスを遮蔽するシール装置31及び32を設けている。これらのシール装置31,32を閉にすることにより、合金化装置交差部25とバイパス交差部26を切替える際において接続部が大気解放された場合でも、大気が入側バイパス部22及び出側バイパス部24を経由して前後の焼鈍炉各帯へ侵入することを防止できる。
【0029】
【効果】
本発明は次に示す効果を奏することができる。
【0030】
(1)メッキポットより前に位置する場所に鋼帯を略々常温近くまで冷却する大容量冷却設備若しくは制御冷却機能を有する過時効帯を設置する必要がなくなるので、メッキ鋼帯通板時のポット侵入板温が制御し易くなる。
【0031】
(2)最終冷却設備を熱処理鋼帯通板時とメッキ鋼帯通板時で兼用して使用することができるので、それぞれを別個に設ける必要がなくなり、設備コストを低減できると同時に設置スペースを小さくすることができる。
【0032】
(3)メッキ鋼帯はメッキ後炉内を通過することなく最終冷却帯へ導かれるので、二次過時効帯や二次冷却帯等の炉内でハースロールへの亜鉛の巻き込みあるいはピックアップの問題が解消され、表面品質に優れたメッキ鋼帯及び熱処理鋼帯を製造できる。
【0033】
(4)メッキ鋼帯通経路と熱処理鋼帯通板経路を切替える部分に、本発明の移動台車に合金化装置交差部とバイパス交差部とを載置してラインを切替える切替え装置を採用することにより、従来のように長大なバイパス全体を移動させる必要がなくなり、移動装置自体をコンパクトにすることができる。
【0034】
(5)パスを切替えるにあたり、メッキ鋼帯通板のための合金化装置交差部と熱処理鋼板通板のためのバイパス交差部が相隣りあって同一の移動台車に積載されており、バイパス交差部の前後の入側バイパス部と出側バイパス部には伸縮管が固定されており、パス切替えの際にはこの伸縮管により必要十分な隙間を確保できる構造になっているので、通板経路を迅速に切替えることが出来るようになり、切替えによる時間ロスを最小限にすることができる。
【0035】
(6)スナウトの入側、入側バイパス部と出側バイパス部に設けた炉内雰囲気ガスを遮蔽するシール装置を利用することにより、前後の熱処理炉各帯への大気の侵入を防止しながら切替え作業を行えるので、炉内雰囲気に置換するパージ時間を節約でき、稼働効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】 メッキを施された鋼帯の通板例を示した断面図である。
【図3】 連続熱処理炉の別実施例を示す断面図である。
【図4】 本願発明によるバイパスの切替構造の一例を示す斜視図である。
【図5】 炉内雰囲気を遮蔽するシール装置を設けた例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:鋼帯 2:加熱帯 3:均熱帯 4:一次冷却帯
5:一次過時効帯 6:二次過時効帯 7:二次冷却帯
8:No.1クエンチタンク 9:No.2クエンチタンク
10:ドライヤー 11:スナウト 12:メッキポット
13:メッキ付着量調節機 14:合金化装置 15:冷却装置
16:入側トップロール 17:出側トップロール
18:エアージェットクーラー式冷却装置 19:デフレクターロール
20:経路 21:デフレクターロール 22:入側バイパス部
23:切替装置 24:出側バイパス部 25:合金化装置交差部
26:バイパス交差部 27:移動台車 28:伸縮管 29:伸縮管
30:シール装置 31:入側雰囲気遮断装置
32:出側雰囲気遮断装置 33:過時効帯 35:バイパス
Claims (6)
- 加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、一次過時効帯、二次過時効帯、二次冷却帯及びウォータークエンチ式最終冷却帯が順次直列に配置された連続熱処理設備の一次過時効帯と二次過時効帯の間に、鋼帯に溶融亜鉛メッキを施すメッキポット、メッキ付着量調節機、合金化装置及び冷却装置を順次設け、更にメッキされた鋼帯を前記最終冷却帯まで通板する経路を、前記二次過時効帯及び二次冷却帯の炉殻外上部又は下部に設けるとともに鋼帯を一次過時効帯から二次過時効帯へ直接通板せしめるバイパスを、前記合金化装置と交差して設け、それぞれ内部に鋼帯の案内路を有する合金化装置交差部とバイパス交差部とを隣接して移動台車に載置し、該移動台車を前記合金化装置とバイパスとの交差部に設け、該移動台車を移動させて合金化装置交差部とバイパス交差部のいずれかを選択して鋼帯のパスを切替え自在となし、連続式溶融亜鉛メッキ鋼帯の製造と連続熱処理鋼帯の製造を切替えて行うことができるようにしたことを特徴とする切替式連続熱処理設備。
- 加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時効帯、二次冷却帯及びウォータークエンチ式最終冷却帯が順次直列に配置された連続熱処理設備の一次冷却帯と過時効帯の間に、鋼帯に溶融亜鉛メッキを施すメッキポット、メッキ付着量調節機、合金化装置及び冷却装置を順次設け、更にメッキされた鋼帯を前記最終冷却帯まで通板する経路を、前記過時効帯及び二次冷却帯の炉殼外上部又は下部に設けるとともに、鋼帯を一次冷却帯から過時効帯へ直接通板せしめるバイパスを、前記合金化装置と交差して設け、それぞれ内部に鋼帯の案内路を有する合金化装置交差部とバイパス交差部とを隣接して移動台車に載置し、該移動台車を前記合金化装置とバイパスとの交差部に設け、該移動台車を移動させて合金化装置交差部とバイパス交差部のいずれかを選択して鋼帯のパスを切替え自在となし、連続式溶融亜鉛メッキ鋼帯の製造と連続熱処理鋼帯の製造を切替えて行うことができるようにしたことを特徴とする切替式連続熱処理設備。
- 加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時効帯、二次冷却帯及びウォータークエンチ式最終冷却帯が順次直列に配置された連続熱処理設備の過時効帯と二次冷却帯の間に、鋼帯に溶融亜鉛メッキを施すメッキポット、メッキ付着量調節機、合金化装置及び冷却装置を順次設け、更にメッキされた鋼帯を前記最終冷却帯まで通板する経路を、前記二次冷却帯の炉殼外上部又は下部に設けるとともに、鋼帯を過時効帯から二次冷却帯へ直接通板せしめるバイパスを、前記合金化装置と交差して設け、それぞれ内部に鋼帯の案内路を有する合金化装置交差部とバイパス交差部とを隣接して移動台車に載置し、該移動台車を前記合金化装置とバイパスとの交差部に設け、該移動台車を移動させて合金化装置交差部とバイパス交差部のいずれかを選択して鋼帯のパスを切替え自在となし、連続式溶融亜鉛メッキ鋼帯の製造と連続熱処理鋼帯の製造を切替えて行うことができるようにしたことを特徴とする切替式連続熱処理設備。
- 前記バイパスは、入側バイパス部、バイパス交差部、出側バイパス部から構成されており、入側バイパス部及び出側バイパス部には伸縮管が取り付けてあり、前記バイパス交差部とは該伸縮管を介して接続可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の切替式連続熱処理設備。
- 前記メッキポットに鋼帯を導くスナウトの入側に炉内雰囲気をシールするシール装置を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の切替式連続熱処理設備。
- 前記バイパスの入側及び出側に、各々炉内雰囲気を外部から遮断するシール装置を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の切替式連続熱処理設備。
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