JP4035296B2 - 照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラを用いて被検査物の認識や検査を行う画像機器等に好適な照明装置に関し、更に詳しくは、円環状に配置した光源とそれに適合した反射面とを備えた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラによって目的の画像を得るためには、その目的に見合った最適な照明が必要である。そのような照明の一つとして、複数のLEDを円環状に並べて配置する光源を備える照明装置が知られている。例えば特開平10−149705号公報に記載の照明装置では、複数のLEDを中心部に空間が形成されるように円環状に並べて配置し、且つ、その複数のLEDの各光軸が円環の軸心方向に指向して所定の角度を持って傾斜して配置している。これにより、円環の軸心上又はその近傍の所定位置に載置された被検査物に違った方向から複数の光が重なり合うように照射されるため、全体としてむらの少ない照射を行うことを可能としている。また、このほかにも、特開平10−112211号公報や特許第3118503号公報記載の照明装置などもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
こうした照明装置に対する最も大きな要望の一つは、被検査物において高い照度を得ることである。上記記載の従来の照明装置では、むらの少ない照明を行うことは可能であるが、その反面、照明範囲がかなり広くなる。検査装置用の照明では、被検査物の広い範囲を同時に照明したい場合もあるが、狭い範囲に絞ってそこを集中的に照明したいような場合もある。このような場合に、上記従来の照明装置では、所望の範囲外にも多くの光が当たるため、所望の狭い範囲における照度は必ずしも高くなく照度が不足するという問題がある。もちろん、上述したような技術にあってLEDの個数を増加させてゆけば、それだけ照度を増すことは可能である。しかしながら、当然ながらその分だけコストが増加する。特に、均一な白色光を得るために白色LEDを利用しようとする場合、現状では白色LEDのコストの占める割合がかなり大きいため、LEDの個数を増加させるという方法は得策ではない。
【0004】
LEDの使用個数を制限した上でより高い照度を得るには、LEDから発せられた光をできる限り無駄にすることなく被照射対象に照射することが必要である。本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その主たる目的とするところは、LEDからの放射光を有効に利用することにより、比較的低いコストで対象物に高い照度の光を集中的に照射することができる照明装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段、及び効果】
上記課題を解決するために成された本発明に係る照明装置は、
a)所定の軸を中心にして環状に且つ発光方向が該軸に対して外方向に向けられた状態で配置された複数の発光源からなる環状光源と、
b)該環状光源を囲繞し且つ反射面が該環状光源に対向してなる反射鏡と、
を備え、
前記反射面は、前記環状光源の軸及び前記複数の発光源のうちの1つを含む断面のうちの該軸で区分される一方の半断面において該発光源を一方の焦点とし他方の焦点を前記軸上に位置する点とした楕円の一部を成す曲線を、前記軸を中心に前記環状光源の周りに1回転させることにより空間内に形成される凹曲面であり、前記環状光源の各発光源の光軸を含む有効配光角内の全ての光が前記反射面に当たるように各発光源と前記反射鏡との位置関係が定められ、前記環状光源の各発光源から発し前記反射面で反射した光を前記軸上の他方の焦点又はその近傍に照射するようにしたことを特徴としている。
【0006】
本発明に係る照明装置において、典型的な発光源は発光ダイオード(LED)であるが、そのほかに例えば、環状の蛍光灯を遮光する遮光体の適宜の位置に設けられたアパーチャ開口を通して外方に光を放射するような光源、或いは環状の蛍光灯そのものを環状光源として用いてもよい。
【0007】
本発明に係る照明装置では、環状光源を構成する各発光源が反射面の一方の焦点に配置され、他方の焦点が環状光源の軸上に位置する点とされているため、該各発光源から或る程度の拡がりを持って放射された光は反射面に当たって収束され、いずれも前記軸上又はその近傍に向かって進む。そして、該軸に略垂直に置かれた照射面においては各発光源に対応する反射光が重なり合い、これによって照度が高められるとともに照度むらが少ない均一性の高い照明が可能となる。
【0008】
この構成によれば、環状光源から放射された光が前記軸上に位置する焦点に集中するので、該焦点近傍できわめて高い照度を得ることができる。
【0009】
また、前記軸上の焦点の前後にずれた位置では、各発光源に対応した反射光が完全には重なり合わず、しかも軸付近には光が殆ど到達しない状態となるので、円環状の照明を行うことができる。
【0011】
また、前記発光源の光軸を含む有効配光角内の全ての光が前記反射面に当たるように、該発光源と前記反射鏡との位置関係が定められているので、発光源から放射された光の殆ど全てが反射鏡で無駄なく反射されて照射面へと向かい、照射面における照度を一層高くすることができる。また、いずれの発光源から放射された光も同様に反射されるので、照射面での照度の均一性が高まる。
【0012】
なお、本発明に係る照明装置では、前記反射鏡は、前記軸を含んでその周囲に開口を有し、該開口を通して前記反射面の反対側から照射部位を観察できるようにした構成とすることができる。このような構成によれば、照射面に略垂直な方向から該照射面上の照射部位を観察することができるので、顕微鏡や検査装置等の用途に好適である。
【0013】
本発明の一態様として、前記環状光源は、前記発光源としての発光ダイオードと、前記軸を囲繞した筒体とを含み、該筒体の外周の周方向に複数の前記発光ダイオードが並べて配置されてなる構成とすることができる。また、このような構成において、前記筒体は、前記軸と同方向に広がる切断面で複数に分割された部材から形成される構成とすると好ましい。この構成によれば、複数に分割された部材を組み合わせる前の状態では筒体の内周側が完全に外に向いて開いているので、筒体の内周側に突出した発光ダイオードのリード同士、又は該リードと電線とのハンダ付け作業などを容易に行うことができ、製造の際の作業性が向上する。
【0014】
また、前記筒体は前記反射鏡に対して取り付けられる構成とすると便利である。ここで、筒体は直接的にネジや接着剤などによって反射鏡に取り付けられてもよいが、他の部材を介挿して間接的に取り付けられるものであってもよい。この構成によれば、筒体に取り付けた発光ダイオードが反射面の一方の焦点に来るように、及び発光ダイオードの光軸が反射面に対して所定の角度をなすように位置合わせや角度合わせを容易に且つ正確に行うことができる。したがって、目的の照射面での照度を高めたり照明範囲を正確に設定したりするのに有利である。
【0015】
また、前記複数の発光ダイオードは互いに発光波長の異なるものを含む構成とすることもできる。この構成によれば、波長の異なる発光源を選択的に点灯させることにより、各種の色を持つ光を照射面上で得ることができる。
【0016】
なお、上記各種の態様において、上記発光源及び照射面上の目的点は必ずしも厳密に各焦点上にある必要はなく、そこから多少ずれていても本発明の目的を達することは十分可能である。したがって、上記及び請求項で用いた「焦点」は、幾何学的な焦点のみならず、その近傍をも含むものである。また、上記筒体を分割する「切断面」は厳密に軸と同方向でなくとも多少傾斜していてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
以下、まず本発明に係る照明装置の原理構成とその作用について説明する。図1は本発明の第1の実施形態による照明装置を軸C及び発光源を含む平面で切断した断面図である。軸Cは後述する反射面2aの回転対称軸である。なお、図1では図面が煩雑になるのを避けるため代表的な光路のみを記載しているが、記載のもの以外に多数の光路を通る光が存在することは当然である。
【0018】
環状光源1は、軸Cを中心とした略円筒形状の基板1a上に、発光源である複数個のLED1bを周方向に所定間隔を保って配置したものである。反射鏡2の反射面2aは環状光源1を囲繞するように設けられており、反射面2aの断面は図1中に点線で示す楕円(二次の非球面曲線)A,A’の一部を構成している。この楕円A,A’は2つの焦点を有しており、LED1b(厳密に言えばLED1bの発光体)を一方の焦点(第1焦点)Fに置き、軸C上に配置された照射面3の照射目的点を他方の焦点(第2焦点F’)に置く。
【0019】
すなわち、楕円A(又はA’)の2つの焦点F,F’を結ぶ線である長軸Sは軸Cに対して角度θ1だけ傾斜しており、第2焦点F’を固定して楕円Aを軸Cを中心に1回転させることにより形成される曲面の一部が、三次元空間における反射面2aとなっている。なお、これらの配置は多少ずれても実用上は差し支えないことが多く、むしろ、照射範囲を多少広げるために故意に焦点を外すという利用方法も可能である。
【0020】
LED1bから発する光は光軸Pを中心に立体角状に広がった配光をなすが、配光が広くなればなるほどLEDの光学的収差が大きくなるため、ここでは光軸Pを中心としたある範囲の立体角に含まれる光だけを有効光として利用する。図1ではこの有効光の範囲である有効発光角の半値をωで表す。LED1bからは、光軸Pを中心とした有効発光角範囲±ω内にほとんどの光が放射される。本実施形態では、各LED1bの光軸Pを、図1に示すように楕円Aの長軸Sから傾斜させる。そして、反射鏡2の反射面2aは各LED1bから発射される有効発光角範囲±ωを確実にカバーする位置に設ける。したがって、LED1bは反射鏡2の反射面2aとは正対しない。もちろん、照射面3に対しても正対しない。このような配置とすることにより、LED1bから放射された有効発光角範囲±ω内の光は全て反射鏡2で反射され、LED1bや基板1aにより遮られることなく、照射面3に集束される。
【0021】
図1に示す断面におけるLED1bと反射面2aとの配置の具体的決定方法を次に説明する。図3は、LED1bと反射面2aとを部分的に拡大した断面図である。この図3において、LED1bの光軸Pが楕円Aの短軸(長軸Sに垂直な軸)から傾斜する角度をαとしている。まず、楕円Aを決定する必要がある。2つの焦点F、F'を有する楕円Aは無数に存在するが、その中でどのような大きさの楕円を選択するかは、反射鏡2の大きさや照射面3の位置を考慮して適宜決定する。
【0022】
次に、LED1bの傾斜角αと反射鏡2の反射面2aの位置を次のようにして決定する。まず、LED1bから発した有効発光角範囲±ω内の光のうち、光軸Pから角度−ωだけ離れた最外角の光が楕円Aで反射された後、LED1bや基板1aによって遮られないように、傾斜角α及び反射面2aの一方の境界2bを決定する。反射面2aの他方の境界2cは、有効発光角範囲の他方の最外角の光(光軸+ω)の楕円A上での反射位置とする。もちろん、境界2b,2cは反射面2aの最小限界位置であって、その外側にそれぞれ延出していてもよいし、この延出部分は楕円Aに沿っていなくともよい。
【0023】
図2は、本実施形態の構成において、反射面2aによる反射光を図1における水平面に投影した状態を示す図であり、説明の便宜上、一個のLED1bのみによる光路と照明状態とを描いている。LED1bからは水平方向(図2の面内の方向)にも所定の拡がりを持って光が放射される。この面内で光軸Pに一致する方向に放射された光(つまり図1においては光軸Pを中心に拡がる光)は反射面2aで反射されて第2焦点F’へと集束する。一方、図2の面内で拡がって進む光は反射面2aで反射した後、水平方向に関しては第2焦点F’へは向かわず、第2焦点F’を含む水平面上の各点に集束する。したがって、或る一個のLED1bに発し反射面2aによる第2焦点F'近傍での照明状態は、第2焦点F'を含む所定長さの線状を有する。但し、これはLED1bが点光源であると看做せるといった理想的な条件下での話であって、このような理想条件からのずれによって実際には光は完全には一点に集束しないから、照射面3での照射範囲は、図2中にBで示すように第2焦点F’を中心とするほぼ水平面上に広がった長楕円形状になる。
【0024】
本実施形態では、複数個のLED1bを円環状に並べて環状光源1を構成しているが、周方向に隣接するLED1bの間隔は、両者の有効発光角範囲±ωが反射面2aにおいて重なるように配置している。そのため、第2焦点F'を含む水平面内では個々のLED1bによる長楕円形の照明が重なり合い、全体としては図2にDで示すような略円状の照明状態になる。当然のことながら、LED1bの配列のピッチ(個々のLED1bの配置間隔)を密にすればするほど照明の重なりも密になり、それによって照射面3での照度のむらが無くなり、照度が上がる。
【0025】
このように第1の実施形態によると、環状光源1を構成する各LED1bの光軸Pを楕円Aの短軸に対して所定の角度だけ傾けることによって、各LED1bから発する、光軸Pを含む有効発光角範囲内の光を全て反射鏡2に導き、反射面2aで反射させることができる。そして、反射鏡2の反射面2aの凹状断面を非球面(本実施形態では楕円A)とし、LED1bを該楕円の第1の焦点F近傍に置き、照射面3をもう一方(第2)の焦点F’近傍に設定することで、反射光の全てを照射面3に集束させることができ、照度むらのない高い照度の照明を得ることができる。
【0026】
〔参考形態〕
次に、図4により本発明に類似した参考形態を説明する。基本的な構成は上記第1の実施形態と類似しているが、この参考形態では、反射鏡2の反射面2aの断面は楕円に代えて放物線E,E’が利用されている。環状光源1を構成するLED1bはその断面放物線形状の反射面2aの焦点F近傍に置かれ、楕円の場合と同じように有効発光角範囲±ω内の光を全て反射面2aに入射させると、軸CとLED1bとを含む面内において反射光は全て平行となる。また、図2の場合と同様に水平面内では凹曲面反射となり、反射後には僅かに集束してゆく。したがって、照射面3においては第1の実施形態とは異なり、面状に広い照射範囲となる。また、周方向に並べられたLED1bから発し、反射面2aで反射した光はその多くが重なり合うので、照度むらの少ないより広い範囲の照明に好適である。
【0027】
なお、照射面3において照度むらをより少なくして均一性の高い照明とするには、図4に示すように、照射面3の手前の適宜の位置に拡散板4を挿入し、光をランダムに拡散させて光の重なりを多くすればよい。このような拡散板4による照度むらの改善は第1の実施形態にも適用可能である。
【0028】
【実施例】
〔第1の実施例〕
以下、上記原理構成を具現化した照明装置の一実施例(以下「第1の実施例」という)を図5及び図6を参照しつつ説明する。図5は第1の実施例による照明装置の軸Cを含む平面における断面図、図6は上面一部破断面図である。この第1の実施例による照明装置は、基本的には上記第1の実施形態の構成を具現化したものである。
【0029】
ポリアセタール樹脂やポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂で形成された円筒形状のボビン10(図1〜図4での基板1aに相当)には、軸Cを中心として30°の角度間隔でLED取付穴が穿孔されており、各穴には内周側よりLED11(図1〜図4でのLED1bに相当)のボディが挿入されて接着剤などを用いて固定されている。ボビン10の内周には各LED11のリードが突出し、そのリードにハンダ付けされた電線12により各LED11は接続されている。なお、ボビン10自体をプリント基板(例えば可撓性を有するフレキシブル基板等)で構成し、LED11のリードをハンダ付けするためのパッドと、各パッドを接続するパターン配線とを形成するようにしてもよい。この構成では、LED11のリードをパッドにハンダ付けしさえすれば、LED11の固定と相互の電気配線とを同時に行うことができる。
【0030】
反射鏡14(図1〜図4での反射鏡2に相当)は、上述したような形状の凹曲面、つまり図1の断面において楕円Aの一部を切り出した曲線を軸Cを中心に回転させることにより形成される凹曲面、を一面(図5では上側)に有する、ポリアセタール樹脂やポリカーボネート樹脂から射出成形等によって所定形状に加工された基体14aを有し、その基体14aの凹曲面にアルミニウム等の鏡面性を有する材料を反射面14b(図1〜図4での反射面2aに相当)として蒸着したものである。このような方法は特に均一な品質のものを大量に製造する際にコスト上有利である。もちろん、機能的に反射面14bは、基体14aにアルミニウム等の金属メッキを施す、或いは金属テープを貼付する等の他の方法によって鏡面性を付与したものでもよく、更には、鏡面性を有する金属板を凹曲面状にプレス成形したものを用いてもよい。
【0031】
反射鏡14は軸Cを中心とする内周部に円形状の開口14cを有している。また、反射面14bと反対側の面(図5では下面)はほぼ平面であるが、中央の開口14cと外縁部とを直線状に繋ぐ溝14dが形成されている。この溝14dはLED11のリードに接続される電線13の取り出し用の通路として利用される。反射鏡14の開口14cに面する内周上縁部には軸Cを中心とする周方向に段差14eが形成されており、その段差14eにはボビン10の下端部がちょうど嵌め込まれるようになっている。
【0032】
上記ボビン10や反射鏡14を内装するケーシングは、第1ケーシング15と第2ケーシング16とから成る。第1ケーシング15は、ボビン10よりも一回り小さな径を有する円形開口を中心に有する円板部15aと、その円形開口の周囲に立設する円筒部15bとを一体に有する。第2ケーシング16は、第1ケーシング15の外縁部と同一径の円筒部16aと、該円筒部16aの一端面側で内周側に延出した環状の延出片部16bとを一体に有する。
【0033】
上述したようにボビン10が嵌め込まれた反射鏡14は、第1ケーシング15の円板部15a上に着座されネジで固定される。このとき、電線13は溝14dと円板部15aとの間に形成される通路に挿通されて外部へと取り出される。ボビン10及び反射鏡14の上部には中央が円形状に開口した、ガラス、アクリル等の透明板17が載置され、その上から第2ケーシング16を被せるように装着してネジで反射鏡14の基体14aに固定する。透明板17はLED11や反射面14bの汚れや機械的な損傷を防止する保護を目的としているから、照明装置として機能的に必須ではない。
【0034】
このように本実施例の照明装置は、中央が軸Cを中心に略円柱形状に上下に貫通したドーナツ形状体となっており、外部へ引き出された電線13に所定の電流を供給すると各LED11が発光し、その一面の透明板17を通して内部から外部へと光が放射される。この例では、反射鏡14の反射面14bが断面楕円形状であるので、外部に放射された光は本照明装置の上部の所定距離にある照射面上に集束し、比較的狭い範囲を高照度でむらなく照明することができる。また、照射面を第2焦点F’と一致させず、軸Cに沿って前後に移動させると、軸C近傍には光が殆ど当たらず、それを取り囲むように環状の照射領域が形成される。したがって、用途によってはこのような状態での照明を利用してもよい。
【0035】
更にまた、上述したように反射鏡14の反射面14bを断面放物線状にした場合には、照射面上で比較的広い範囲を照明することができる。また、当然のことながら、照射面と上記照明装置との距離を適宜に調整することにより、照射面上での照射範囲の大きさを変えることができる。更に必要に応じて、上記照明装置と照射面との間に拡散板を挿入して、拡散光を照射面に導入するようにしてもよい。
【0036】
また、上記照明装置では、軸Cを中心として開口が設けられているので、照明装置を挟んで照射面と反対側から、垂直に照射面を見ることができる。したがって、例えば照射面上の被検査物を明るく照明しながらCCDカメラ等で撮影する、或いは拡大レンズ等を通して目視で観察する際にも非常に便利である。
【0037】
〔参考例〕
次に、本発明の参考例による照明装置を図7、図8により説明する。図7は参考例による照明装置の軸Cを含む平面における断面図、図8は参考例の照明装置の一構成部品であるボビン部材の斜視図である。上記第1の実施例と同一又は相当する部分には同一の符号を付して、特に必要のない限り説明を省略する。なお、この参考例の照明装置は、基本的には上記参考形態の構成を具現化したものであるが、そのほかの変形を加えたものでも同様に具体的な装置と成すことができることは言うまでもない。
【0038】
図8に示すように、ポリアセタール樹脂やポリカーボネート樹脂などの一体成形品であるボビン部材100は、一端面に中央が開口した(100bに相当する箇所)端面壁部を有する略円筒形状体を軸Cを含む平面で2つに切断した形状を有しており、その切断面に相当する箇所で2つのボビン部材100を貼り合わせる(又は単に密着させる)ことにより略円筒形状のボビン10が形成されるようになっている。このボビン部材100の周方向には所定角度間隔でLED取付穴100aが穿孔されており、各穴100aに内周側からLED11のボディが挿入されて接着剤などを用いて固定される。ボビン10の内周に突出した各LED11のリードは互いにハンダ付けにより接続され、更に、その配線の端部に接続された電線13はボビン10及び反射鏡14の開口14cを経て外部へと引き出されている。本実施例ではボビン10が2個のボビン部材100から構成されているため、図8に示すようにボビン部材100の内周側が外側に大きく開いた状態でLED11の取付けやリードのハンダ付け作業などを行うことができる。そのため、製造の際の作業性が非常に良好である。
【0039】
また、この参考例の照明装置では、第1の実施例とは異なり反射鏡14を覆うケーシングは無く、反射鏡14の基体14aが露出しており、それに透明板17を押さえ付けることを目的とした略円環状の押さえ枠体(第1の実施例の第2ケーシング16に相当)18がネジで固定されているだけである。また、第1の実施例とは異なり、反射鏡14をCCDカメラ用の開口を持たない有底形状に形成し、電線13を通すための小さな開口14cを穿孔しさえすればよい。そのため、開口14cの内周側を平滑にするための筒体(図5での第1ケーシングの円筒部15b)が不要となるので、コストの低減が可能となる。なお、この参考例では反射鏡14の反射面14bの曲面形状は放物線形状となっており、LED11はその反射面14bの焦点に配置されている。したがって、LED11から拡がりつつ放射された光は図7中に記載のように、反射面14bでほぼ平行光化されて軸Cに近接するように進む。
【0040】
また、参考例の構成ではLED11はボビン10の周囲に1列に配置されているだけであるが、2列、3列と複数列、LED11を配置する構成としてもよい。この場合、他の列のLED11は反射面14bに対して焦点とはならないが、全体としてほぼ同一方向へと向かった光が照射面で重なり合って照度を高めることができる。もちろん、第1の実施例の構成においても同様の手法を採用することが可能である。
【0041】
なお、上記第1の実施例及び参考例において、一般の照明用としてはLEDとして白色光を発するものを用いればよいが、もちろん、そのほかの赤色、緑色、黄色等の各色の可視光、或いは赤外光、近赤外光等の各種の波長を有する光を発するLEDを用いてもよい。また、赤色、緑色及び青色の光の3原色のLEDを周方向に順番に配置し、これらのLEDを選択的に点灯させることにより、照射面では光が重なり合い、各色の光が混合された多種の照明色を得ることができるようにしてもよい。この場合、赤色、緑色、青色全てのLEDを点灯させれば、白色光が得られることになる。
【0042】
更にまた、上記説明では発光源としてLEDを使用していたが、本発明における環状光源にはその他種々の光源を使用することができる。一例としては、環状の蛍光管のガラス管と蛍光体との間に反射膜を塗布し、その一部を適宜の間隔で剥ぎ取ることにより周方向に複数の開口(アパーチャ)を設けた、アパーチャ蛍光管でもよい。このような蛍光灯は、光軸を中心に所定の角度(有効発光角)内のみで高い強度を有し、それ以外の方向へは極めて低い強度の光しか放射しないという指向特性を持つ。したがって、このような光源を本発明に係る照明装置に使用することにより、光源の効率と本発明による集光効率とが相まって、非常に効率のよい照明を行うことができる。
【0043】
なお、上記実施形態及び実施例は本発明の単に一例に過ぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正を加えても、本願の特許請求の範囲に包含されることは明らかである。具体的に言えば、各光学部品やそのほかの部材を形成する材料は上記記載のものに限定されない。また、各光学部品の形状や配置は本発明の趣旨を満たす条件の範囲で適宜に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による照明装置を軸C及び発光源を含む平面で切断した断面図。
【図2】 第1の実施形態による照明装置において反射面による反射を図1での水平面に投影した状態の説明図。
【図3】図1に関しLEDと反射面とを部分的に拡大した断面図。
【図4】本発明の参考形態の照明装置の断面図。
【図5】第1の実施形態を具現化した第1の実施例による照明装置の軸Cを含む平面における断面図。
【図6】図5の照明装置の上面一部破断面図。
【図7】参考形態を具現化した参考例による照明装置の軸Cを含む平面における断面図。
【図8】図7の照明装置の構成要素であるボビン部材の斜視図。
【符号の説明】
1…環状光源
1a…基板
1b,11…LED
2,14…反射鏡
2a,14b…反射面
3…照射面
4…拡散板
10…ボビン
100…ボビン部材
12,13…電線
14a…基体
14c…開口
14d…溝
14e…段差
15…第1ケーシング
15a…円板部
15b…円筒部
16…第2ケーシング
16a…円筒部
16b…延出片部
17…透明板
18…押さえ枠体
Claims (6)
- a)所定の軸を中心にして環状に且つ発光方向が該軸に対して外方向に向けられた状態で配置された複数の発光源からなる環状光源と、
b)該環状光源を囲繞し且つ反射面が該環状光源に対向してなる反射鏡と、
を備え、
前記反射面は、前記環状光源の軸及び前記複数の発光源のうちの1つを含む断面のうちの該軸で区分される一方の半断面において該発光源を一方の焦点とし他方の焦点を前記軸上に位置する点とした楕円の一部を成す曲線を、前記軸を中心に前記環状光源の周りに1回転させることにより空間内に形成される凹曲面であり、前記環状光源の各発光源の光軸を含む有効配光角内の全ての光が前記反射面に当たるように各発光源と前記反射鏡との位置関係が定められ、前記環状光源の各発光源から発し前記反射面で反射した光を前記軸上の他方の焦点又はその近傍に照射するようにしたことを特徴とする照明装置。 - 前記反射鏡は、前記環状光源の軸を含んでその周囲に開口を有し、該開口を通して前記反射面の反対側から照射部位を観察できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 前記環状光源は、前記発光源としての発光ダイオードと、前記軸を囲繞した筒体とを含み、該筒体の外周の周方向に複数の前記発光ダイオードが並べて配置されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
- 前記筒体は、前記軸と同方向に広がる切断面で複数に分割された部材から形成されることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
- 前記筒体は前記反射鏡に対して取り付けられることを特徴とする請求項3又は4に記載の照明装置。
- 前記複数の発光ダイオードは互いに発光波長の異なるものを含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の照明装置。
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