JP4014284B2 - ハードコートフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なハードコートフィルムに関し、さらに詳しくは、優れた耐擦傷性及び耐候性などを有し、特に窓ガラスや窓用プラスチックボードなどの外側表面貼付用として好適なハードコートフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、様々な目的のために、窓ガラスや窓用プラスチックボード貼付用として、プラスチックフィルムが用いられている。
例えば、窓ガラスから室内に入り込む太陽光には、可視光線以外に、紫外線や赤外線なども含まれている。太陽光に含まれる紫外線は日焼けの原因となり、人体に対する悪影響が最近指摘されており、また紫外線による包装材の劣化が原因で内容物の変質が生じることもよく知られていることである。一方、太陽に含まれる赤外線についても、直射日光による室内の温度上昇を引き起こし、夏場の冷房効果を低下させるなどの問題がある。したがって、このような好ましくない事態を避けるために、紫外線遮蔽フィルムや赤外線遮蔽フィルムが窓ガラスや窓用プラスチックボード貼付用として用いられている。
また、外部から室内が見えにくくする目的で、内部防視フィルムを窓ガラスや窓用プラスチックボードに貼付することもよく行われている。さらに地震などの災害で窓ガラスが破損した場合に、ガラス破片が飛散するのを防止するために、破片飛散防止フィルムが窓ガラス貼付用として用いられている。なお、前記の紫外線遮蔽フィルム、赤外線遮蔽フィルム、内部防視フィルムは、このような破片飛散防止効果も有している。
これらの窓ガラスや、窓用プラスチックボード貼付フィルム(以下、ウインドウフィルムと称すことがある)は、その表面に通常、耐擦傷性などを付与するために電離放射線硬化型樹脂、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系樹脂などを塗工し、硬化してなるハードコート層が設けられている。
ところで、該ハードコート層に耐候性を付与するために、紫外線散乱剤を添加した場合、ハードコート面の耐擦傷性を減少させる要因となるし、一方紫外線吸収剤を添加した場合は、電離放射線硬化を妨げたり、耐擦傷性を下げる要因となる。したがって、従来のハードコートフィルムでは、基材フィルムに対する満足な紫外線防止を得ることは困難であった。そのため、ウインドウフィルムは、一般に窓ガラスなどの内側表面に貼付されている。これは、外側表面に貼付した場合は、フィルム表面に設けられたハードコート層や基材フィルムの紫外線による劣化が激しく、かつ表面が汚れたりして、寿命が著しく短いからである。
ところで、近年、二酸化チタンなどの半導体は、強い光触媒作用を有することが見出されて以来、光触媒の開発や実用化研究が盛んに行われるようになってきた。この光触媒は、例えば二酸化チタンで代表される半導体を、そのバンドギャップ以上のエネルギーの光で励起すると、伝導帯に電子が生じ、かつ価電子帯に正孔が生じ、このエネルギーに富んだ電子−正孔対を利用するものであって、このような光触媒作用を応用して、例えば廃水中や廃ガス中の環境汚染上の問題となっている各種物質の分解・除去や、脱臭、防汚、抗菌、殺菌などが検討されている。
また、このような光触媒は、前記したように、バンドギャップ以上のエネルギーを有する光が照射されると、光触媒の伝導体に電子が、価電子帯に正孔が生成し、この電子及び/又は正孔の作用により、表面に極性が付与され、超親水化されることが知られている。
したがって、最近、このような光触媒の超親水性や防汚性能を利用して、ウインドウフィルムの表面に光触媒層を設け、このフィルムをガラス窓などの表側表面に貼付することが試みられている。この試みは、太陽光の照射と降雨の繰り返しにより、フィルム表面に付着した汚れ(有機物)を清掃することなく、その超親水性及び防汚性能を利用して、自然にクリーンにさせる(セルフクリーニング)と共に、窓ガラスの防曇や雨天視界確保などをねらったものである。
しかしながら、従来のウインドウフィルムにおいては、表面に設けられているハードコート層が、前記したように有機物である硬化樹脂を主体としているため、この上に光触媒層を設けた場合、その光触媒作用によって速やかにハードコート層が劣化する上、ウインドウフィルムが直接紫外線に曝されるために、基材フィルム自体の劣化も速く進行し、寿命が極めて短いなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、優れた耐擦傷性及び耐候性などを有するとともに、表面に光触媒層を設けても、それによる劣化が少なく、また抗菌性を有する層を設けることも可能であり、特に窓ガラスや窓用プラスチックボードなどの外側表面貼付用として好適なハードコートフィルムを提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の優れた性能を有するハードコートフィルムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、基材フィルムの一方の面に、紫外線遮蔽層及び特定の物質からなるハードコート層を順次設けると共に、所望によりその反対面に粘着剤層を介して剥離シートを設けた積層フィルムが、その目的に適合しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)紫外線遮蔽層として、無機系紫外線散乱剤を含有する層及び紫外線吸収剤を含有する層を有するハードコートフィルムにおいて、透明基材フィルムの一方の面に、(a)ケイ素系バインダー中に無機系紫外線散乱剤を含有する紫外線遮蔽層及び(b)シロキサン結合をもつケイ素化合物を含有するハードコート層が順次設けられ、透明基材フィルムのハードコート層と反対の面に、(c)有機系バインダー中に紫外線吸収剤を含有する紫外線遮蔽層を設けたハードコートフィルムであって、窓ガラス又はプラスチックボードの外側表面貼付用に用いることを特徴とするハードコートフィルム、
(2)紫外線遮蔽層として、無機系紫外線散乱剤を含有する層及び紫外線吸収剤を含有する層を有するハードコートフィルムにおいて、透明基材フィルムの一方の面に、基材フィルム側から、(c)有機系バインダー中に紫外線吸収剤を含有する層と、(a)ケイ素系バインダー中に無機系紫外線散乱剤を含有する層を順次積層してなる二層構造である紫外線遮蔽層及び(b)シロキサン結合をもつケイ素化合物を含有するハードコート層が順次設けられたハードコートフィルムであって、窓ガラス又はプラスチックボードの外側表面貼付用に用いることを特徴とするハードコートフィルム、
(3)ハードコート層が、表面に抗菌剤層を塗工したものである第 ( 1 ) 又は第 ( 2 ) 項に記載のハードコートフィルム、
(4)ハードコート層が、表面に光触媒層を設けたものである第 ( 1 ) ないし ( 3 ) 項のいずれかに記載のハードコートフィルム、
(5)紫外線遮蔽層と基材フィルムとの間にプライマー層を設けてなる第(1)ないし ( 4 ) 項のいずれかに記載のハードコートフィルム、
(6)シロキサン結合をもつケイ素化合物を含有するハードコート層が、無機シリカ系化合物及び/又はポリオルガノシロキサン系化合物を主成分として含有する層である第(1)ないし(5)項のいずれかに記載のハードコートフィルム、及び、
(7)透明基材フィルムのハードコート層が設けられた面の反対面に、粘着剤層を介して剥離シートが設けられてなる第(1)ないし(6)項のいずれかに記載のハードコートフィルム、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のハードコートフィルムに用いられる透明基材フィルムとしては特に制限はなく、様々な透明プラスチックフィルムの中から、状況に応じて適宜選択して用いることができる。この透明プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエチレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテートなどのセルロース系樹脂などからなるフィルム又はこれらの積層フィルムが挙げられる。
この透明基材フィルムの厚さとしては特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選定すればよいが、通常は5〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲である。
また、この透明基材フィルムは、所望により着色又は蒸着されていてもよく、また紫外線吸収剤を含んでいてもよい。さらに、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
本発明のハードコートフィルムにおいては、前記透明基材フィルムの一方の面に、紫外線遮蔽層及びハードコート層が順次設けられる。
上記紫外線遮蔽層は、紫外線遮蔽材料として、紫外線散乱剤及び、紫外線吸収剤の中から選ばれた少なくとも1種を含有する層であって、これらの紫外線遮蔽材料を含有することにより、紫外線が効果的に遮断され、基材フィルムの紫外線による劣化が抑制される。
ここで、紫外線散乱剤とは、紫外線を散乱させることによって、紫外線遮断効果をもたらす材料のことであり、主に金属酸化物粉末などの無機系材料が用いられる。この紫外線散乱剤の例としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどを微粒子化した粉体、あるいは二酸化チタン微粒子を酸化鉄で複合化処理してなるハイブリッド無機粉体、酸化セリウム微粒子の表面を非結晶性シリカでコーティングしてなるハイブリッド無機粉体などが挙げられる。紫外線散乱効果は、粒子径に大きく影響を受け、本発明においては、前記紫外線散乱剤の平均粒子径は、3μm以下が好ましく、特に1nm〜1.5μmの範囲が好ましい。
一方、紫外線吸収剤は、高エネルギーをもつ紫外線を吸収し、無害のエネルギーに転換し、再輻射することによって、紫外線遮断効果をもたらし、またプラスチックの耐光性や耐候性を向上させるものであって、一般に、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、その他に大別することができる。
サリシレート系紫外線吸収剤の例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどが挙げられ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例としては、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−アミル−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられ、置換アクリロニトリル系紫外線吸収剤の例としては、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。さらに、その他紫外線吸収剤としては、例えばレゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、N−(2−エチルフェニル)−N′−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)蓚酸ジアミドなどが挙げられる。
【0006】
なお、光安定剤として、ヒンダードアミン系のような、耐光性や耐候性を向上させるものも所望により、前記紫外線吸収剤と組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、これらの紫外線遮蔽材料は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、紫外線遮蔽層中の該紫外線遮蔽材料の含有量としては特に制限はなく、紫外線遮蔽材料の種類や基材フィルムの種類などに応じて適宜選定されるが、通常は0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の範囲である。なお、紫外線遮蔽材料が、紫外線散乱剤である場合には、その含有量は0.1〜10重量%の範囲が好ましく、特に1〜5重量%の範囲が好適である。一方、紫外線遮蔽材料が紫外線吸収剤や光安定剤である場合には、その含有量は0.01〜10重量%の範囲が好ましく、特に0.05〜5重量%の範囲が好ましい。
【0007】
本発明のハードコートフィルムにおける紫外線遮蔽層は適当なバインダーとそれに含まれる前記紫外線遮蔽材料とからなる層であって、単層であってもよいし、必要に応じ二層以上、例えば2〜10層の積層構造を有していてもよい。
上記バインダーとしては特に制限はなく、無機及び有機物質のいずれも用いることができるが、紫外線遮蔽材料が無機系粒子の紫外線散乱剤である場合には、ケイ素系バインダーが好ましく、一方、紫外線吸収剤の場合は有機系バインダーが好ましい。
この紫外線遮蔽層の構成としては、例えば(1)ケイ素系バインダー中に無機系紫外線散乱剤を含有する層、(2)有機系バインダー中に紫外線吸収剤を含有する層及び(3)基材フィルム側から、有機系バインダー中に紫外線吸収剤を含有する層と、ケイ素系バインダー中に無機系紫外線散乱剤を含有する層を順次積層してなる二層構造のものが好適である。
上記ケイ素系バインダーとしては、特に制限はなく、例えば無機シリカ系(ポリケイ酸も含む)、ポリオルガノシロキサン系、あるいはこれらの混合系などを挙げることができる。これらは、従来公知の様々な方法によって製造することができる。
例えば、一般式[1]
R1 nSi(OR2)4-n …[1]
〔式中のR1は非加水分解性基であって、アルキル基、置換アルキル基(置換基:ハロゲン原子、エポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基など)、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基、R2は低級アルキル基であり、nは0又は1〜3の整数である。R1及びOR2がそれぞれ複数ある場合、複数のR1は同一でも異なっていてもよく、また複数のOR2は同一でも異なっていてもよい。〕で表されるアルコキシシラン化合物を、塩酸や硫酸などの無機酸、シュウ酸や酢酸などの有機酸を用いて部分又は完全加水分解し、重縮合させる方法が好ましく用いられる。
この場合、nが0の化合物、すなわちテトラアルコキシシランを完全加水分解すれば無機シリカ系のバインダーが得られるし、部分加水分解すれば、ポリオルガノシロキサン系バインダー又は無機シリカ系とポリオルガノシロキサン系との混合系バインダーが得られる。一方、nが1〜3の化合物では、非加水分解性基を有するので、部分又は完全加水分解により、ポリオルガノシロキサン系バインダーが得られる。この際、加水分解を均一に行うために、適当な有機溶媒を用いてもよい。
【0008】
前記一般式[1]で表されるアルコキシシラン化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、トリビニルエトキシシランなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、この際、必要ならば、アルミニウム化合物、例えば塩化アルミニウムやトリアルコキシアルミニウムなどを適当量添加することができる。
さらに、別の方法として、原料のケイ素化合物にメタケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム又は水ガラス(ケイ酸ナトリウム混合物)を用い、塩酸、硫酸、硝酸などの酸又は塩化マグネシウム、硫酸カルシウムなどの金属化合物を作用させ、加水分解処理する方法を用いることができる。この加水分解処理により、遊離のケイ酸が生成するが、このものは重合しやすく、原料の種類によって異なるが、鎖状、環状、網目状のものの混合物である。水ガラスから得られたポリケイ酸は、一般式[2]
【化1】
(式中のmは重合度を示し、Rは水素、ケイ素又はマグネシウムやアルミニウムなどの金属である。)
で表される鎖状構造のものが主体なる。
このようにして、完全な無機シリカ系バインダーが得られる。なお、無機シリカ系バインダーとして、シリカゲル(SiOX・nH2O)も使用することができる。
この紫外線遮蔽層は、ハードコート性能は強いて必要ではなく、むしろ密着性の点から、完全な無機シリカ系バインダーよりも、ポリオルガノシロキサン系バインダー又は無機シリカ系とポリオルガノシロキサン系との混合系バインダーが好適である。
一方、有機系バインダーとしては特に制限はなく、従来公知のもの、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ブチラール系樹脂など、さらには電離放射線硬化型樹脂の硬化物などを挙げることができる。
ここで、電離放射線硬化型樹脂は、紫外線や電子線などの照射によって硬化する樹脂のことであり、その中でも特に、従来屋内用ウインドウフィルムのハードコート層の形成に多用されている紫外線硬化型樹脂が好適である。この紫外線硬化型樹脂としては、例えば紫外線硬化型ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂などを挙げることができる。この紫外線硬化型樹脂には、必要に応じ各種単官能モノマーや、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルなどの多官能モノマーを添加することができるし、また、通常光重合開始剤、例えばアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、フェニルケトン類などを添加して使用する。
【0009】
本発明における紫外線遮蔽層は、前記バインダーと紫外線遮蔽材料を含む塗工液を調製し、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、基材フィルム上に塗工し、加熱又は電離放射線を照射して、硬化させることにより、形成することができる。この紫外線遮蔽層の厚さは、通常0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μmの範囲である。
本発明においては、この紫外線遮蔽層と基材フィルムとの密着性を向上させるために、所望により、紫外線遮蔽層と基材フィルムとの間に、プライマー層を設けることができる。このプライマー層は、紫外線遮蔽層が、前記(1)の構成、すなわち、ケイ素系バインダー中に無機系紫外線散乱剤を含有する層である場合に設けると、特に効果的である。
このプライマーとしては特に制限はなく、従来公知のもの、例えばアクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、シリコーン系、ゴム系などのプライマーを用いることができるが、耐久性及び密着性などの点から、アクリル系及びポリエステル系プライマーが好適である。このプライマーには、必要により紫外線吸収剤や光安定剤を含有させることができる。このプライマー層の厚さは、均質な塗布性及び密着性などの点から、0.1〜10μmの範囲が好ましく、特に0.5〜5μmの範囲が好適である。
また、抗菌剤としては、リン酸ジルコニウムを担持体とした銀系無機抗菌剤、ゼオライトを担持体とした銀系無機抗菌剤、リン酸カルシウムを担持体とした銀系無機抗菌剤、シリカゲルを担持体とした銀系無機抗菌剤等の銀系無機抗菌剤、アミノ酸化合物を配合してなるアミノ酸系有機抗菌剤、窒素含有硫黄系化合物を配合してなる窒素含有硫黄系有機抗菌剤等、各種抗菌剤が使用され、使用する抗菌剤の種類や必要とされる抗菌性、その保持時間等に合わせて樹脂組成物中に適当量配合させればよい。
本発明のハードコートフィルムにおいては、このようにして形成された紫外線遮蔽層の上に、ハードコート層が設けられる。このハードコート層は、シロキサン結合を有するケイ素化合物を含有する層であって、例えば無機シリカ系化合物(ポリケイ酸も含む)及び/又はポリオルガノシロキサン系化合物を主成分とする層を好ましく挙げることができる。
この無機シリカ系化合物やポリオルガノシロキサン系化合物は、前記のシリカ系バインダーにおいて説明した方法により、同様に製造することができる。
このハードコート層においては、ハードコート性能が重要視されることから、必要な密着性が維持される範囲で、できるだけ無機シリカ系化合物を多く含む層が好適である。また、このハードコート層には、耐擦傷性が損なわれない範囲で、所望により前記の無機系紫外線散乱剤などを含有させることができる。
このハードコート層は、ハードコート材含有塗工液を、公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて、紫外線遮蔽層上に塗工し、加熱して硬化させることにより形成することができる。
また、無機シリカ系化合物からなるハードコート層を形成する場合には、真空蒸着法、スッパタリング法、イオンプレーティング法などの物理的気相蒸着法(PVD法)を採用することもできる。
【0010】
このようにして形成されたハードコート層の厚さは、通常0.05〜30μm、好ましくは0.05〜20μmの範囲である。
本発明のハードコートフィルムにおいては、所望によりこのようにして基材フィルム上に紫外線遮蔽層及びハードコート層が設けられた側の反対面に、粘着剤層を介して剥離シートを設けることができる。
上記粘着剤層を構成する粘着剤としては特に制限はなく、従来公知の様々な粘着剤の中から、状況に応じて適宜選択して用いることができるが、耐候性などの点から、特にアクリル系、ウレタン系及びシリコーン系粘着剤が好適である。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。
また、この粘着剤層の上に設けられる剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙及び各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗付したものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。なお、上記粘着剤層には、必要に応じ、紫外線吸収剤や光安定剤を含有させることができる。
本発明のハードコートフィルムは、特に窓ガラスや窓用プラスチックボードなどの外側表面貼付用として好適に用いられる。使用する場合は、剥離シートを剥がし、粘着剤層面が対象物に接するようにして貼付すればよい。
また、必要であれば、本発明のハードコートフィルムのハードコート層以外の任意の層に印刷を施すことができる。
【0011】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例において作製したハードコートフィルムの物性は、下記の要領に従って求めた。
(1)鉛筆硬度
JIS K 5400に準拠して、手かき法により測定した。
(2)耐候性
ウエザオメーター[スガ試験機械(株)製、WEL−SUN−DC型]を用い、1000時間の促進耐候試験を実施し、外観を目視観察して、以下に示す判定基準に従って評価した。
○:劣化なし
×:劣化あり
(3)耐擦傷性
スチールウール♯0000でハードコート層表面を擦りつけ、外観を目視観察して、以下に示す判定基準に従って評価した。
○:傷が付かない
×:傷が付く
(4)抗菌性
フィルム上にMRSA菌液(104個/ml)を接種(10μl/cm2)し、23℃、65%RHで3時間放置後、菌を洗い流し、菌数測定用培地にて生菌数を測定した。
(5)防汚性
屋外曝露500時間後の汚れを目視観察して、下記の判定基準に従って評価した。
○:汚れなし
×:汚れあり
参考例1
基材フィルムとして、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[以下、PETフィルムと略記する。東洋紡績(株)製「4100」]を用い、この片面に、紫外線散乱剤である酸化セリウム粉末[日本無機化学工業(株)製「セリガードS3018−02」、平均粒径1μm]2重量%とケイ素系バインダー[コルコート(株)製「N−103X」]98重量%からなるコーティング剤を、乾燥膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で1分間乾燥させ、紫外線遮蔽層を設けた。次いで、このコート面に無機シリカ系化合物を含むコーティング剤[(株)日興製「GO−100SX」]を、乾燥膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で2分間乾燥させ、ハードコート層を設けた。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
参考例2
基材フィルムとして、厚さ25μmのPETフィルム[東レ(株)製「ルミラーQ37♯25」、紫外線吸収剤含有]を用い、両面にコロナ放電処理を施したのち、その片面に、無機シリカ系バインダーを主成分とし、紫外線散乱剤である酸化セリウム粉末を少量分散させてなるコーティング剤[パーカー加工(株)製「セラスタッツ27」]を、乾燥膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、120℃で2分間乾燥させ、紫外線遮蔽層を設けた。次いで、このコート面に、ポリオルガノシロキサン化合物を含むコーティング剤[(株)日本触媒製「オルガノシリカゾルCX−SZ」]を、乾燥膜厚が5μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、120℃で2分間乾燥させ、ハードコート層を設けた。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
参考例3
基材フィルムとして、厚さ25μmの、ポリエーテルサルフォンフィルム[三井東圧化学(株)製「TALPA−1000」]を用い、両面にコロナ放電処理を施したのち、その片面に、紫外線散乱剤である二酸化チタン粉末[石原テクノ(株)製、平均粒径20nm]2重量%とケイ素系バインダー[コルコート(株)製「N−103X」]98重量%とからなるコーティング剤を乾燥膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で1分間乾燥させ、紫外線遮蔽層を設けた。次いで、このコート面に無機シリカ系化合物を含むコーティング剤[松下電工(株)製「フレッセラ」]を、乾燥膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で5分間乾燥させ、ハードコート層を設けた。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
参考例4
基材フィルムとして、厚さ50μmのPETフィルム[東洋紡績(株)製「4100」]を用い、その片面に、紫外線吸収剤であるチヌビン1130[チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]0.1重量%と有機ウレタン系バインダー[第一工業製薬(株)製「スーパーフレックス410」]99.9重量%とからなるコーティング剤を乾燥膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、120℃で2分間乾燥させ、紫外線遮蔽層を設けた。次いで、このコート面に、無機シリカ系化合物を含むコーティング剤[パーカー加工(株)製「セラスタッツ17」]を乾燥膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、120℃で2分間乾燥させ、ハードコート層を形成させた。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
参考例5
基材フィルムとして、厚さ50μmのPETフィルム[東洋紡績(株)製「4100」]を用い、その片面に、紫外線吸収剤であるチヌビン1130[チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]0.1重量%と有機ウレタン系バインダー[第一工業製薬(株)製「スーパーフレックス410」]99.9重量%とからなるコーティング剤を乾燥膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、120℃で2分間乾燥させ、紫外線遮蔽層を設けた。次いで、このコート面に、シリカゲル(SiOx・nH2O)を温度1000℃、圧力5×10-3Torrの条件で真空蒸着させ、厚さ0.1μmの酸化ケイ素膜からなるハードコート層を形成させた。
次に、このPETフィルムの反対面に、アクリル酸ブチル97重量%とアクリル酸3重量%との共重合体40重量%及びアルミニウムキレート0.5重量%を含むトルエン溶液を、コンマコーターにて塗工したのち、100℃で2分間乾燥して厚さ20μmの粘着剤層を形成した。さらに、厚さ38μmの剥離フィルム[リンテック(株)製「SP−PET3811」]を貼り合わせ、ハードコート粘着フィルムを作製した。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
実施例1
基材フィルムとして、厚さ50μmのPETフィルム[東レ(株)製「ルミラー♯50」]を用い、この両面をコロナ放電処理したのち、その片面に、紫外線吸収剤であるチヌビン1130[チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]2重量%と光重合開始剤であるイルガキュア[チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]4重量%と紫外線硬化型多官能アクリレート系バインダー[東亜合成(株)製「アロニックスM305」]94重量%からなるコーティング剤を、硬化後の膜厚が1μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、200mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化させ、第1の紫外線遮蔽層を設けた。さらにこの上に、紫外線散乱剤である酸化セリウム粉末[日本無機化学工業(株)製「セリガードS3018−02」、平均粒径1μm]2重量%とケイ素系バインダー[コルコート(株)製「N−103X」]98重量%とからなるコーティング剤を、乾燥膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で1分間乾燥させ、第2の紫外線遮蔽層を設けた。次いで、このコート面に無機シリカ系化合物を含むコーティング剤[(株)日興製「GO−100SX」]を、乾燥膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で2分間乾燥させ、ハードコート層を設けた。
次に、このPETフィルムの反対面に、ウレタン系粘着剤をコンマコーターにて塗工したのち、140℃で3分間乾燥して厚さ50μmの粘着剤層を形成した。さらに、厚さ38μmの剥離フィルム[リンテック(株)製「SP−PET3811」]を貼り合わせ、ハードコート粘着フィルムを作製した。
なお、上記ウレタン系粘着剤は、ポリウレタンエラストマー[大日本インキ化学(株)製「クリスボン5150S」、濃度50重量%]97重量%に、架橋剤[大日本インキ化学(株)製「クリスボンNX」、濃度75重量%]3重量%を添加したものである。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
実施例2
基材フィルムとして、厚さ50μmのPETフィルム[東レ(株)製「ルミラー♯50」]を用い、この両面をコロナ放電処理したのち、その片面に、ポリエステル系プライマー[日本合成化学工業(株)製「ポリエスターWR−901」]を、乾燥膜厚が1μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で2分間加熱してプライマー層を設けた。このプライマー層の上に、紫外線散乱剤である酸化セリウム粉末[日本無機化学工業(株)製「セリガードS3018−02」、平均粒径1μm]2重量%とケイ素系バインダー[コルコート(株)製「N−103X」]98重量%からなるコーティング剤を、乾燥膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で1分間乾燥させ、紫外線遮蔽層を設けた。次いで、このコート面に無機シリカ系化合物を含むコーティング剤[(株)日興製「GO−100SX」]を、乾燥膜厚が3μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で2分間乾燥させ、ハードコート層を設けた。
次に、このPETフィルムの反対面に、参考例5と同様にして、厚さ20μmの粘着剤層[ただし、紫外線吸収剤「スミソーブ90」(住友化学社製)2重量%を含有]を設け、さらに剥離フィルムを貼り合わせ、ハードコート粘着フィルムを作製した。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
参考例6
参考例2のハードコート層上に、さらにポリエステル系樹脂[バイロン20SS、東洋紡績(株)製]99.5重量%に、銀イオン担持リン酸ジルコニウム系抗菌剤[ノバロンAG300、東亞合成化学(株)製、平均粒径0.5μm]を0.5重量%添加したものを、トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤を用い、グラビアコーターにて乾燥後の厚みが0.2μmになるように塗工し、100℃で30秒間乾燥処理した。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
参考例7
参考例2のハードコート層上に、さらに石原テクノ(株)製、酸化チタンST−K03をグラビアコーターにて、乾燥後の厚みが0.5μmとなるように塗工し、140℃で20分間乾燥処理した。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
比較例1
参考例1において、紫外線散乱剤である酸化セリウム粉末を用いなかったこと以外は、参考例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
その物性を第1表に示す。
比較例2
基材フィルムとして、厚さ50μmのPETフィルム[東洋紡績(株)製「4100」]を用い、その片面に、紫外線散乱剤である酸化セリウム粉末[日本無機化学工業(株)製「セリガードS3018−02」、平均粒径1μm]2重量%と無機シリカ系化合物を含むバインダー[(株)日興製「GO−100SX」]98重量%からなるコーティング剤を、乾燥膜厚が2μmになるようにマイヤーバーで塗工したのち、100℃で1分間乾燥させた。
このハードコートフィルムの物性を第1表に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】
本発明のハードコートフィルムは、優れた耐擦傷性及び耐候性などを有し、しかも光触媒層を設けてもそれによる劣化が少なく、抗菌性を有する層を設けることも可能であり、特に窓ガラスや窓用プラスチックボードなどの外側表面貼付用として、好適である。
Claims (7)
- 紫外線遮蔽層として、無機系紫外線散乱剤を含有する層及び紫外線吸収剤を含有する層を有するハードコートフィルムにおいて、透明基材フィルムの一方の面に、(a)ケイ素系バインダー中に無機系紫外線散乱剤を含有する紫外線遮蔽層及び(b)シロキサン結合をもつケイ素化合物を含有するハードコート層が順次設けられ、透明基材フィルムのハードコート層と反対の面に、(c)有機系バインダー中に紫外線吸収剤を含有する紫外線遮蔽層を設けたハードコートフィルムであって、窓ガラス又はプラスチックボードの外側表面貼付用に用いることを特徴とするハードコートフィルム。
- 紫外線遮蔽層として、無機系紫外線散乱剤を含有する層及び紫外線吸収剤を含有する層を有するハードコートフィルムにおいて、透明基材フィルムの一方の面に、基材フィルム側から、(c)有機系バインダー中に紫外線吸収剤を含有する層と、(a)ケイ素系バインダー中に無機系紫外線散乱剤を含有する層を順次積層してなる二層構造である紫外線遮蔽層及び(b)シロキサン結合をもつケイ素化合物を含有するハードコート層が順次設けられたハードコートフィルムであって、窓ガラス又はプラスチックボードの外側表面貼付用に用いることを特徴とするハードコートフィルム。
- ハードコート層が、表面に抗菌剤層を塗工したものである請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
- ハードコート層が、表面に光触媒層を設けたものである請求項1ないし3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 紫外線遮蔽層と基材フィルムとの間にプライマー層を設けてなる請求項1ないし4のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- シロキサン結合をもつケイ素化合物を含有するハードコート層が、無機シリカ系化合物及び/又はポリオルガノシロキサン系化合物を主成分として含有する層である請求項1ないし5のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 透明基材フィルムのハードコート層が設けられた面の反対面に、粘着剤層を介して剥離シートが設けられてなる請求項1ないし6のいずれかに記載のハードコートフィルム。
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