JP3988601B2 - 視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲーム画像の生成方法、ゲームの実行を制御するゲームプログラム及びこれを実行するゲーム装置 - Google Patents

視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲーム画像の生成方法、ゲームの実行を制御するゲームプログラム及びこれを実行するゲーム装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲーム画像を生成する方法、ゲームの実行を制御するゲームプログラム及びこれを実行するゲーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像表示装置を用いて、複数の遊戯者によりゲームを実行するゲーム装置として、図1に示すような一つの画像表示装置を複数の遊戯者が囲んでゲームを実行するタイプ以下「シングルモニターマルチ遊戯者型」と呼ぶ)と、図2に示すような複数の画像表示装置101〜102のそれぞれにおいて同時進行で遊戯者が操作してゲームを実行するタイプ(以下、「マルチモニターマルチ遊戯者型」と呼ぶ)が存在する。
【0003】
上記「シングルモニターマルチ遊戯者型」によるゲームでは、図1Aに示すように、複数のプレイヤー(遊戯者)が1基の画像表示装置100を共有して一緒になってゲームをする。この例では、図1Bにおいて、画像表示装置100に表示されるオブジェクト▲1▼〜▲8▼は、すべての遊戯者から見ることができる。
【0004】
このタイプのゲーム装置によるゲームの長所は、各遊戯者同士は同じ画像表示装置を共有してゲームを実行することで、”場の一体感“を得られることである。1つの画像表示装置を囲んで、互いに協調したり、対戦したりすることができる。逆に短所は、このゲームでは各遊戯者は画像表示装置の同じ画面を見ているため、表示画像から受ける情報は全員同じということである。
【0005】
つまり互いの情報が共有されているため、表示される情報に対しては常に受身となる。同時にゲームの内容は、必然的に表示画像から受ける情報は全員同じであるという条件に基づいて設計されるという制限を有する。すなわち、各遊戯者が個人的に持つ情報を、1基の共有する画像表示装置上で、一部は表示し、一部は表示しないというゲーム性は実現できない。
【0006】
一方、「マルチモニターマルチ遊戯者型」のゲームでは、図2Aに示すように、複数のプレイヤー(遊戯者)がそれぞれに異なる画像表示装置101,102に対応付けられる。
【0007】
このゲームの長所は、各画像表示装置101,102には各遊戯者のみが知る情報が表示可能であり、ゲームとしての深み(表示情報の多重化による複雑さや面白さ)をゲーム性に加えられることである。図2Bに示す例では、各プレイヤー(遊戯者)は、それぞれ専用の表示装置に対峙している。したがって、プレイヤー(遊戯者)Aはプレイヤー(遊戯者)Bの持ち駒であるオブジェクト▲7▼と▲8▼は見ることができない。逆に、プレイヤー(遊戯者)Bはプレイヤー(遊戯者)Aの持ち駒であるオブジェクト▲5▼と▲6▼は見ることができない。
【0008】
しかし、逆に短所として、互いに異なる画像表示装置の画面を見ているため、各遊戯者同士は直接対面できないことである。友達同士で、互いの顔をつきあわせて対戦するということはできないし、1つの画像表示装置を囲んで遊戯者が皆で協調することもできない。ゲームに参加する遊戯者や周りでゲーム風景を見ているギャラリーの皆で1基の画像表示装置を囲んで楽しむというゲーム性は実現できない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来技術で実現された「シングルモニターマルチ遊戯者型」及び「マルチモニターマルチ遊戯者型」のゲーム装置及びこれにおいて実行されるゲーム実行方法は、それぞれ相反する長所と短所を持ち合わせている。
【0010】
即ち、従来の技術である「シングルモニターマルチ遊戯者型」ゲーム装置を用いる場合の長所は、複数の遊戯者やギャラリーに対し、画像表示装置を共有することで“場の一体感”を提供できることである。
【0011】
従来の技術である「マルチモニターマルチ遊戯者型」ゲーム装置を用いる場合の長所は、各遊戯者やギャラリーにそれぞれ異なる情報を与えることで得られる“情報の多重化によるゲーム性(複雑さ、面白さ)”を提供できることである。
【0012】
現状では、これら2つの長所を同時に実現したゲーム装置、及びゲーム実行方法は提案されていない。また、「マルチモニターマルチ遊戯者型」ゲームは複数の表示装置を設置しなければならないため、設置面積が大きいことも問題である。
【0013】
ここで、一つの画像表示装置において、複数の観察者がそれぞれ異なる表示情報を見えるようにしたものとして、パララックスバリアを用い、視野角により観察できる画像を異なるものとした複数映像表示装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−36927号公報
かかる特許文献1では、カーナビゲーション画像と、TV画像をそれぞれ第1、第2の観察者により独立して観察できるようにした応用が開示されている。
【0015】
すなわち、2つの情報源であるカーナビゲーション及びTV受信機からの映像信号を複数映像表示装置に供給し、それぞれ所定視野角でのみ観察可能に表示するものである。
【0016】
かかる従来の背景技術に鑑みて、本発明の目的は、複数の遊戯者やギャラリーに対し、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いた、ゲーム画像を生成する方法、ゲームの実行を制御するゲームプログラム及びこれを実行するゲーム装置を提供することにある。これにより、本発明は、画像表示装置の共有により、“場の一体感”を提供し、各遊戯者やギャラリーにそれぞれ異なる情報を与えることで、“表示情報の多重化によるゲーム性(複雑さ、面白さ)”の提供を可能とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第1の形態として、ゲームの進行に応じて背景のデータとオブジェクトのデータを記憶装置から読み出し、前記オブジェクトのデータを何れの視野角の分離方向から観察可能に表示すべきかを判断し、前記背景のデータを、複数の視野角の分離方向において観察可能な背景画像データに変換し、前記オブジェクトのデータを、前記判断に基づき該当する視野角の分離方向において観察可能なオブジェクト画像データに変換し、前記変換された背景画像データとオブジェクト画像データをビデオメモリに描画し、前記ビデオメモリに描画された画像データを、前記視野角に対応した表示を行う画像表示装置に出力して表示することを特徴とする。
【0018】
上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第2の形態として、ゲームの進行に応じて少なくとも二以上のオブジェクトのデータを記憶装置から読み出し、前記二以上のオブジェクトのデータのうち、少なくとも一つのオブジェクトのデータを、所定の視野角の分離方向から観察可能な第1のオブジェクト画像データに変換し、前記少なくとも一つのオブジェクトのデータとゲームの進行において所定の関係を有する他の異なるオブジェクトのデータを、前記所定の視野角と異なる視野角の分離方向から観察可能な第2のオブジェクト画像データに変換し、前記変換された第1及び第2のオブジェクト画像データをビデオメモリに描画し、前記ビデオメモリに描画された画像データを、前記視野角に対応した表示を行う画像表示装置に出力して表示させることを特徴とする。
【0019】
また、上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第3の形態として、第2の態様において、前記ゲームの進行中、前記少なくとも一つのオブジェクトは、遊戯者により操作されるキャラクタであって、前記他の異なるオブジェクトは、前記遊戯者により操作されるキャラクタに有利となるツールを与えるものであることを特徴とする。
【0020】
上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第4の形態として、第2の態様において、前記ゲームが対戦ゲームである時、前記少なくとも一つのオブジェクトと前記他の異なるオブジェクトは、前記対戦ゲームにおいて、敵対関係にあるキャラクタであることを特徴とする。
【0021】
上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第5の形態として、記憶装置から遊戯者による操作の対象とするオブジェクトのデータを読み出し、前記読み出されたオブジェクトのデータを所定の視野角の分離方向から観察可能なオブジェクト画像データに変換し、前記変換されたオブジェクト画像データをビデオメモリに描画し、前記ビデオメモリに描画された画像データを、前記視野角に対応した表示を行う画像表示装置に出力して表示させ、更に、入力部から遊戯者の操作に対応する入力情報を入力し、前記オブジェクトのデータを観察可能の前記所定の視野角を前記入力情報に基づき変更することを特徴とする。
【0022】
更に、上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第6の形態として、記憶装置から複数の遊戯者による操作の対象とする複数のグループに属するオブジェクトのデータを読み出し、ゲームの進行に従い、前記読み出された複数のグループに属するオブジェクトのデータを前記複数の遊戯者のそれぞれに対応する視野角の分離方向から観察可能なオブジェクト画像データに変換し、前記変換されたオブジェクト画像データをビデオメモリに描画し、前記ビデオメモリに描画された画像データを、前記視野角に対応した表示を行う画像表示装置に出力して表示させることを特徴とする。
更に、上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第7の形態として、第6の態様において、更に、前記複数の遊戯者のそれぞれに対応する視野角の分離方向から観察可能なオブジェクト画像の全てが、前記それぞれに対応する視野角の分離方向と異なる視野角の分離方向から更に観察可能に、前記視野角に対応した表示を行う画像表示装置に表示されることを特徴とする。
【0023】
更にまた、上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第8の形態として、オブジェクトのデータを記憶装置から読み出し、前記オブジェクトのデータを、複数の視野角の分離方向のうち、所定の視野角の分離方向から観察可能な画像データに変換し、前記画像データをビデオメモリに描画し、前記ビデオメモリに描画された画像データを前記視野角に対応した表示を行う画像表示装置に出力して表示させ、更に前記オブジェクトのデータを画像データに変換する前記所定の視野角の分離方向を、ゲームの進行に応じて変更することを特徴とする。
【0024】
また、上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第9の形態として、第8の形態において、前記観察可能な所定の視野角の分離方向は、一のオブジェクトに対し、複数有することを特徴とする。
【0025】
更に、上記の本発明の課題を達成する、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームのゲーム画像を生成する方法と、これを適用するプログラム及びゲーム装置は、その第10の形態として、第8の形態において、前記観察可能な所定の視野角の分離方向は、複数のオブジェクトに対し、それぞれ異なることを特徴とする。
【0026】
本発明の特徴は、更に図面に従い説明される発明の実施の形態例から明らかになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明の、視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用いるゲームの実行を制御するゲームプログラムが実行されるゲーム装置の構成例ブロック図である。
【0028】
図3において、本発明に従うプログラム、ゲームデータ等を外部記憶装置2に記録し、制御手段としてのCPU10によってプログラムを実行する場合について説明する。
【0029】
本体装置のメイン基板1上に、CPU10、RAM11、ROM12、ビデオRAM(VRAM)13、ブリッジIC14、画像生成IC15、音生成IC16、通信制御IC17、I/O制御IC18等の機能デバイスが実装されている。これらの機能部分は、メイン基板1上のシステムバス19により相互にデータ入出力可能に接続されている。
【0030】
CPU10はメイン基板1上のROM12に記録された起動プログラムによりゲーム装置を起動する。
【0031】
外部記憶装置2には、交換可能な情報記憶媒体である、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、磁気カード、FLASHメモリ、ゲームカセットなどが用いられる。情報記憶媒体には本発明に従うゲームプログラムやオブジェクト(表示物)を表現するための画像データ、音データ、ゲームデータなどが格納されている。
【0032】
CPU10はブリッジIC14を制御して、ゲームプログラムやデータを外部記憶装置2からメイン基板上1のRAM11に読込み展開する。
【0033】
ゲーム操作用の入出力装置3は、ゲーム遊戯者がゲームの進行に応じて行う操作に対応して、ゲーム装置に制御データを入出力する装置である。したがって、CPU10はI/O制御IC18を通して、遊戯者の入出力装置3による操作に対応するゲーム制御データを受け取る。
【0034】
またCPU10は通信制御IC17を通して、通信ポート4から入力される、外部の図示しないシステムからのゲーム制御データを受け取ることも可能である。
【0035】
CPU10は、更にRAM11及びROM12に記録されている情報に基づき、ゲームを構成するバックグラウンド音楽や効果音を、音生成IC16を通して、スピーカー5に出力する。
【0036】
CPU10はまた、本発明のプログラムに従って、RAM11に格納されているデータ、ROM12に格納されているデータ、ゲーム操作用の入出力装置3からのゲーム制御データ及び、外部のシステムからの通信ポート4を通して入力されるゲーム制御データを処理し、ゲーム装置を制御する。すなわち、CPU10は画像生成IC15を通して、視野角に対応した表示を行う画像表示装置6の各視野角方向に対応して、上記データに基づき個別に表示画像を生成する。
【0037】
本発明において、これらCPU10及び画像生成IC15を含めて制御手段と定義する。画像生成IC15は、主としてジオメトリ機能部とレンダリング機能部を有する。
【0038】
ジオメトリ機能部は、プログラムに従いCPU10によりRAM11から読み出される複数のポリゴンで構成されるオブジェクトの仮想3次元空間上の座標データを所定の視野角に対応したカメラ座標系データに変換し、更に2次元のスクリーン座標系に透視変換する機能である。
【0039】
レンダリング機能部は、透視変換された前記ポリゴンに対し、テクスチャを張り付けるテクスチャ処理を行って、所定の視野角に対応した画像データを生成し、ビデオメモリであるビデオRAM13に描画する機能を有する。
【0040】
レンダリング機能部は、更にビデオRAM13に描画された所定の視野角に対応した画像データを、視野角に対応した表示を行う画像表示装置の仕様に合わせて合成し、前記画像表示装置6に送り表示させる。
【0041】
ここで、本発明のゲームプログラムの実行に必要な画像表示装置6について、考察する。
【0042】
一般にテレビやモニターのような画像表示装置は、表示される画像を表示画面に対し、いずれの角度から見ても、同じ情報として提示する。したがって、表示画面を見ている人にそれぞれ別の情報を提示しようとする場合には、必ず見ている人の人数と同じ数だけ画像表示装置が必要となる。
【0043】
一方、近年裸眼で立体映像を見せるための特殊な画像表示装置が開発されている。例えば、監修者 泉武博 書籍「3次元映像の基礎」オーム社発行 平成7年6月5日(P145-150)の図6.18に記載される技術を用いた立体画像表示装置がある。
【0044】
かかる非特許文献の図6.18に記載の画像表示装置は、画像表示装置の画素ごとにレンチキュラレンズやマイクロレンズや特殊なプリズムを装着し、その画素から放出される光の進行方向を屈曲させ、観察者の右目と左目に別々の映像を見せることを可能とするものである。観察者に視差映像を与えることで表示されるオブジェクトを立体に見せている。
【0045】
また上記とは異なる方法で、パララックスバリアを用いた多眼式立体表示装置も実現されている。例えば、上記非特許文献の図6.15、あるいは特許第3096613号に示される技術では、画像表示装置は多数の細かいスリットで作られたパララックスバリアを装着し、画像表示装置の画素ごとに見える方向を限定している。
【0046】
図4は、このパララックスバリアを用いる画像表示装置6を模式的に示す図である。図4において、表示パネル6−1に形成される表示画像の画素が画素ピッチPで配列される。表示パネル6−1の前面に隙間Sを持ってパララックスバリア6−2が配置される。
【0047】
パララックスバリア6−2は、開口ピッチBoで配列され、開口幅Bhを持つ複数の開口を有している。
【0048】
更に、表示パネル6−1から所定距離Dだけ離れた位置(適視距離60)で、左右眼の間隔E(眼間距離61)の観察者が、パララックスバリア6−2を通して表示パネル6−1の形成される表示画像を観察する。このとき、表示パネル6−1に形成される表示画像が左右眼の視差角に基づく左右眼用画像である場合に、立体画像が観察できる。
【0049】
上記は、パララックスバリア6−2を用いるパララックスバリア方式の表示装置の例であるが、例えば、特開平9−46622号公報に示されるレンチキュラレンズを用いるレンチキュラ方式の表示装置の場合も同様である。
【0050】
ここで、上記の所定距離Dは、各映像が最もよく分離される固有の距離であり、これを適視距離60という。観察者が、この適視距離60から離れて観察する場合は、表示画像が混ざって見える。このとき観察者は表示像を立体にみることはできないが、複数の表示像の表示情報を認識することが可能である。
【0051】
一方、観察者が、表示パネル6−1に平行に眼を左右に移動する場合、パララックスバリア6−2の開口を通して、表示パネル6−1に形成される表示画像を観察できる視野角が変わり、従って観察出来る表示画像も表示方向数Mのそれぞれで変化する。なお、図4では、表示方向数M=4であり、a、b、c、dの視野角位置に対応して異なる画像を観察することができる。
【0052】
更に、図4に示す画像表示装置6には、1つの映像が見え続ける距離Eが存在し、これを眼間距離61という。上記画像表示装置は、本来立体映像を見せるために開発されたものである(上記特許第3096613号参照)ため、眼間距離61は人の一般的な右目と左目の幅である65mmになるように設計されている。
【0053】
一例として、本発明のゲームプログラムの実行に適する画像表示装置6として使用する場合は、上記立体視表示装置の眼間距離61を、少なくとも人の頭が納まるぐらいの距離、凡そ22cmに広げて装置を製作することが可能である。このとき、ゲーム装置において使用される画像表示装置6としては、実用的に適視距離60は、約1.5mに設定される。
【0054】
本発明の特徴は、上記した画像表示装置6の特性を利用してこれまでにない次のような要件を設定して、ゲームプログラムに対応させることにある。すなわち、
A:多眼視表示装置と異なり表示方向数m全てに異なる映像(画像)を表示することを必要としない。
【0055】
B:表示方向数m≧視野角分離方向数nであり、ゲーム内容に応じて分割の割り振りを変更する。
【0056】
C:表示方向数m>視野角分離数nの場合、レンダリングの回数は、最大n(ゲームに必要な回数)でよい。
【0057】
図5に上記図4において説明した画像表示装置6を用いたゲーム装置において、本発明に従うプログラムにより実行されるゲームの概念を示す。
【0058】
例えば、2人の遊戯者である観察者A,Bが対戦型でゲームを行う場合に図5において、表示方向数mを3方向とした場合を考える。
【0059】
各遊戯者にしか見えない表示画面が対戦ゲームで必要となるので、先ず一つずつの表示方向を各遊戯者である観察者A,Bに割り振る。更に、残り一つの表示方向を観察者A,B以外のギャラリーである観察者Cが観察する画像の表示に割り振って表示を行う。
【0060】
なお、図5において、ギャラリーである観察者Cに特定の表示方向を割り振らずに、画像表示装置6の適視距離60から離れて観察させる場合は、遊戯者である観察者A,Bに対して表示される画像を全て観察することが可能である。
【0061】
図6に上記画像表示装置を用いた本発明のプログラムを実行するゲーム装置の実施例画面の写真を示す。図6は先に図5において説明したパララックスバリア方式の多眼立体視表示装置を改良し、眼間距離61を22cmに広げた独自の画像表示装置を用いた例である。
【0062】
図6の写真(図6A、6B、6C)は、同一の画像表示装置6を3箇所の位置6A、6B,6Cから撮影した写真である。画像表示装置6に対し、図6A、6B、6Cの順に、端の位置から正面の位置へ撮影位置を移動させて撮影している。位置6Aの写真中の矢印6A1と6A2の先には“椅子”オブジェクトが表示されているだけである。
【0063】
一方、位置6Bの写真中の矢印6B2と位置6Cの写真中の矢印6C1の先には“椅子”の上に“幽霊”オブジェクトが表示されていることが見て取れる。逆に位置6Bの写真中の矢印6B1と位置6Cの写真中の矢印6C2の先には“幽霊”オブジェクトが表示されていない。このように画像表示装置に対して見る位置を変える(視野角を変える)ことで、表示オブジェクトが見えたり、見えなかったりする。
【0064】
近年開発されている多眼立体視表示装置を利用することで、本発明の実施に必要となる画像表示装置6が容易に実現可能であるということは、以上の説明と実施例から明らかである。
【0065】
また本発明で必要とされる画像表示装置6の実現方法として、パララックスバリア方式の多眼立体視表示装置の技術を用いることは、実現方法の一例に過ぎず、それ以外の技術でも実現可能である。
【0066】
表示オブジェクトを立体に見せることは、本発明の画像表示装置6の必要条件ではない。画像表示装置6として、本発明を適用可能とするためには、少なくとも視野角に対応した表示を行う画像表示装置であればよい。
【0067】
すなわち、画像表示装置6と遊戯者の位置関係でその遊戯者が観察できる表示情報が決定されることや、各遊戯者が1つの画像表示装置上で互いに異なる表示情報を得られることが求められる。これを満たすことができる画像表示装置であればよい。
【0068】
上記図3のゲーム装置構成の動作を更に説明する。画像表示装置6は、描画の切り替わりに同期して動作する。通常のゲームでは60Hzの動作周波数であり、1秒間に60枚の画面が更新される。ある画面から次の画面に切り替わるまでの時間を1フレームと呼び、時間に関してゲーム装置の処理単位となっている。
【0069】
図7、図8はその1フレーム内で行われる一連の処理を説明する動作フロー図である。
【0070】
フレームが開始されると、CPU10はゲームに参加している遊戯者の操作情報(入力データ)をゲーム操作用の入出力装置3からI/O制御IC18を通して受け取る(処理工程P1)。それらの情報を順次、メイン基板1上のRAM11に記憶する(処理工程P2)。この処理を参加遊戯者すべての人数分行う(処理工程P3)。
【0071】
次にCPU10はその入力データとゲームデータから、ゲーム内のキーオブジェクトが各分離方向(所定の視野角方向)から見えるか否かを判断する処理を行う(処理工程P4)。
【0072】
ここで、ゲームデータは、ゲーム装置を決定するためのシステムデータであって、本発明のゲームプログラムは、例えば以下のようなシステムデータに基づいて、実行する内容を決定する。
[遊戯者数データ:pl (=0,1,2,・・・,l,・・・,p−1)]
ゲームに参加する遊戯者の人数。
[表示方向数データ:m]
各方向に異なる映像を映すことのできる画像表示装置6の表示方向数。画像表示装置の仕様により決定される。
[分離数方向数データ:ni (=0,1,2,・・・,i,・・・,n−1)]
実際にゲームで使用する分離方向の数。上記表示方向数データm以下の数で、ゲーム内容により決定される。
[ゲーム終了フラグ:e]
ある遊戯者(複数可)がゲームの勝利条件を満たし、本発明で開示されるゲームプログラムが、ゲームの終了を判断した場合、ゲームプログラムがゲーム終了フラグを立て、ゲーム終了となる。
[協調−対戦フラグ:a]
遊戯者が協調するか対戦するかを示すフラグデータ。
[移動−静止フラグ:b]
遊戯者が移動するか静止するかを示すフラグデータ。
【0073】
図7に戻り説明すると、1つのキーオブジェクトに対し、表示方向の分離数だけ、上記処理工程P4の処理を繰り返し行い、すべての分離方向に対し処理が終了すると(処理工程P5、Yes)、そのキーオブジェクトに対応するキーオブジェクト管理データを更新する(処理工程P6)。この一連の処理をすべてのキーオブジェクトに対して繰り返し行う(処理工程P7)。
【0074】
次にCPU10は、画像生成IC15を介して、各分離方向に対する表示画面のレンダリングを行う(処理工程P8:図8)。
【0075】
ここで、画像生成IC15におけるレンダリング処理は、分離方向の数だけレンダリングを繰り返し行う必要がある。また、各分離方向に対する表示画面のレンダリングには、上記キーオブジェクト管理データに従って、あるキーオブジェクトがその分離方向に対して描画すべきかどうかを判断して、レンダリングを実行する。
【0076】
たとえば、図9〜図12に示す視野角に対応する第1方向から第4方向までの表示画像を例にすると、箇所2には、ゲーム中にキーオブジェクト(敵モンスターオブジェクト)が存在し、これは第3方向からは見えるが、それ以外の第1、第2及び第4の方向からは見えない。したがって、このキーオブジェクト(敵モンスターオブジェクト)は第1方向、第2方向、第4方向の表示画面レンダリングの時には描画されないが、第3方向の表示画面レンダリングのときには描画される。
【0077】
背景オブジェクトはすべての分離方向から見ることができるオブジェクトであって、管理データは必要なく、背景オブジェクトは各方向の表示画面レンダリングのとき、必ず描画される(処理工程P9)。これにより、該当の分離方向における表示画面が完成する(処理工程P10)。
【0078】
ついで、全ての分離方向に対する表示画面のレンダリングが終了したら(処理工程P11、Yes)、CPU10は画像生成IC15に命令し、視野角に対応した表示を行なう表示装置の仕様に合わせて表示画面に合成する(処理工程P12)。図13は、図9〜図12の第1〜第4方向の表示画像を合成した表示画像の例である。
【0079】
この図13に示すように、1枚の完成した表示画面は、視野角に対応した表示を行う画像表示装置6に出力し、フレームが終了する。
【0080】
以下に、上記の画像表示装置を用いる本発明のゲームプログラムを図3に示したゲーム装置構成において実現する例を説明する。
【0081】
図14は、本発明のゲームプログラムを実行するゲーム装置1における処理の流れを示すフロー図である。
【0082】
大きな流れとしてゲーム処理の内容を決定するステップS1と、決定されたゲーム処理の内容に対応してゲーム処理を行うステップS2を有する。
【0083】
ステップS1において、まず、遊戯者が何人でゲームを実行するかを確認するために、画像表示装置6の画面に遊戯者の参加人数を確認する画面を表示する(処理工程S1−P1)。
【0084】
その後、遊戯者がゲーム操作用の入力装置3を用いて参加人数pをゲーム装置1に入力する(処理工程S1−P2)。同様に複数遊戯者でゲームを行う場合に、遊戯者同士で協調してゲームをクリアするか、お互いに対戦するかを選択させる画面を画像表示装置6に表示し(処理工程S1−P3)、遊戯者がゲーム操作用の入力装置3を用いて協調/対戦フラグaをゲーム装置1に入力する(処理工程S1−P4)。
【0085】
同様に複数遊戯者でゲームを行う場合に、遊戯者同士が互いにゲーム装置の表示画面に対して移動しながらゲームを行うか、移動せずに絶えず同じ位置でゲームを行うかを選択させる画面を表示し(処理工程S1−P5)、遊戯者がゲーム操作用の入力装置3を用いて静止/移動フラグbをゲーム装置に入力する(処理工程S1−P6)。
【0086】
ゲーム装置1は、そのゲーム内容に応じて上記以外のシステムデータを遊戯者に選択させることも可能である。本発明のゲームプログラムは上記システムデータをもとに、ゲームの処理内容を決定する(処理工程S1−P7)。
【0087】
また、システムデータには画像表示装置6の表示方向数mやゲームの分離方向数nというパラメータが存在する。これらのシステム管理データについて以下に説明を補足する。
【0088】
画像表示装置6の表示方向数mはあらかじめ、ゲーム装置1に実装された画像表示装置6の仕様により決められており、ゲーム装置1固有の値である。この表示方向数mを超えて表示方向を増やすことはできない。
【0089】
先に説明したように、従来の技術に従う多眼立体視装置はこの表示方向数mを全て右目用の映像と左目用の映像が交互に来るように割り振って使用している。
【0090】
本発明のプログラムでは、多眼立体視表示装置で使用するように表示方向数mを右目用映像、左目用映像と割り振るのではなく、上記ゲーム装置データをもとに遊戯者が希望するゲーム内容に応じて、表示方向数mを割り振るように制御する。また隣り合う表示方向が必ずしも右目用映像と左目用映像になる必要はない。
【0091】
たとえば、遊戯者人数が2人、対戦型で遊戯者が静止して行うゲームの場合を考える。先に図9〜図13により説明したように、画像表示装置6の表示方向数が4方向の場合を例として考える。
【0092】
各遊戯者しか見えない表示画面が対戦型ゲームでは必要になるので、まず1つの表示方向を各遊戯者に割り振る。そして残り2つの表示方向をギャラリー向けの表示方向に割り振る。
【0093】
ギャラリー向けの表示画面は同一内容の画面でよいので、画像表示装置の表示方向数が4方向であっても、ゲームプログラムがレンダリングする回数は3回でよいことになる。
【0094】
先に図7、図8に関連して説明したように、分割方向数nだけ表示画像をレンダリングする。多眼立体視装置と異なり、必ずしもすべての表示方向数mだけゲームの分離方向数nを使う必要はない。
【0095】
上記のステップS1の処理でゲームの処理内容が決定されると、実際にゲームの進行が開始される。
【0096】
遊戯者の入力装置6に対する操作情報に応じてゲームプログラムがゲーム処理を行う(処理工程S2−P1)。ゲーム処理中、遊戯者がゲームの勝利条件を満たすなど、ゲームが終了した時点(処理工程S2−P2、Yes)で、ゲームプログラムはゲーム終了フラグをたて、ゲームが終了する。
【0097】
次に、ゲーム処理(処理工程S2−P1)の内容について実施例に基づき説明する。
【0098】
ゲーム装置1では、プログラムに従い、遊戯者の入力装置3からの操作情報とゲームの進行状況から各分離方向用に表示画像をレンダリングし、それらを1枚の表示画像に合成し画像表示装置6に出力する。
【0099】
このとき遊戯者の操作情報とゲームの進行具合からゲームシーンを構成するキーオブジェクトが各分離方向から見えるか見えないかをゲームプログラムが処理し、キーオブジェクト管理データkmjを更新する。
【0100】
どのようなゲームを実現するかで、いずれの分離方向において見えるか見えないかを判定する処理は変わるがその一例を図15に示すキーオブジェクト管理処理図と図16に示す、見える/見えない判定処理アルゴリズム図により説明する。
【0101】
図15に示すキーオブジェクト管理処理図において、ゲーム進行中にゲーム状況(アプリケーション時間tm、キーオブジェクトの位置kpj、キーオブジェクトのステータスksj、遊戯者の操作情報cl、背景オブジェクトの位置bpr、イベント発生時間Itm等)に応じて、現在処理しているj番目のキーオブジェクトkojが、現在処理しているi番目の分離方向niから見えるか見えないかをゲームプログラムが、見える/見えない判定処理アルゴリズム100を用いて処理する。
【0102】
判定処理アルゴリズム100の処理結果に従って、ゲームプログラムはCPU10によりキーオブジェクト管理データkmjの値を更新する。この処理は、図7、図8の動作フローで示されているように毎フレーム、全てのキーオブジェクトについて、全ての分離方向に対して処理される。
【0103】
図15(キーオブジェクト管理処理図)、及び図16(見える/見えない判定処理アルゴリズム図)では、実施例としてゲーム進行中のゲーム状況を構成している要因に以下の4つの要因を例にあげて説明している。
【0104】
第1に実施例として遊戯者がガンシューティングゲームを行う場合を考える。ガンシューティングゲームは、画面に出現するキーオブジェクトを入力装置3として拳銃型コントローラを用い、狙いを定めて撃つゲームである。
【0105】
図16のガンシューティングゲームにおける処理の要件は次のとおりである。[1]アプリケーション時間tmとイベント発生時間Itmの関係(図16のステップS13参照)
アプリケーション時間tm>イベント発生時間Itmの時、キーオブジェクトが全ての分離方向から見える。
[2]キーオブジェクトの位置kpj(図16のステップS14参照)
キーオブジェクトの位置kpj≦背景オブジェクトbo0(bor:r=0)領域bp0の時、キーオブジェクトは偶数番目の分離方向からは見え、奇数番目の分離方向からは見えない。
【0106】
キーオブジェクトの位置kpj>背景オブジェクトbo0領域bp0の時、
キーオブジェクトは偶数番目の分離方向からは見えなく、奇数番目の分離方向からは見える。
[3]キーオブジェクトのステータスksj(図16のステップS11参照)
キーオブジェクトが生きている状態の時ksj=1、死んだ状態の時ksj=0とする。キーオブジェクトのステータスksj=0のとき、キーオブジェクトが全ての分離方向から見える。
[4]遊戯者の操作情報cl(図16のステップS12参照)
遊戯者が拳銃型コントローラでキーオブジェクトを撃つ時、操作情報clはオブジェクトに命中したかどうかを示す情報である。
[5]背景オブジェクトの位置データbpr
背景オブジェクトborの領域を示す。
【0107】
かかるキーオブジェクトの条件データが読み込まれる(ステップS10)と、ゲーム進行中、キーオブジェクトが画面の背景オブジェクトbo0領域に位置する場合(ステップS14,Yes)、キーオブジェクトは偶数番目の分離方向からは見え(ステップS19)、奇数番目の分離方向からは見えないとするキーオブジェクト管理データの更新を行う(ステップS16)。逆にキーオブジェクトがbo0領域外に位置する場合(ステップS14,No)、キーオブジェクトは偶数番目の分離方向からは見えず、奇数番目の分離方向からは見えるとするキーオブジェクト管理データの更新を行う(ステップS16,S19)。
【0108】
キーオブジェクトのステータスksjは、キーオブジェクトが生きている状態の時は1で、遊戯者に銃で撃たれ死んだ状態の時は0とする。キーオブジェクトが死んだ状態の時、キーオブジェクトの位置がbo0領域の内側にいるか外側にいるかに関係なく、全ての分離方向から見えるとしてキーオブジェクト管理データの更新を行う(ステップS11,S19)。
【0109】
ゲームのアプリケーション時間tmがイベント発生時間Itmを過ぎると、遊戯者がゲームクリアをし易いように、キーオブジェクトの位置が背景オブジェクトbo0領域に内側にいるか外側にいるかに関係なく、全ての分離方向から見えるとする(ステップS13,S19)。
【0110】
図17、図18及び図19は、1人の遊戯者が各方向に異なる(視野角に対応する)映像を表示することのできる画像表示装置を用いたゲームを行う場合の実施例を示す図である。図17は、画像表示装置6と遊戯者の位置関係を上方から見た図である。図18は、遊戯者の位置との関係で観察できる映像の例(図18aは映像1、図18bは映像3)を示す。図19は、図17のゲームの動作フローである。
【0111】
ここでは、実施例として、遊戯者Aがガンシューティングゲームをする場合を考える。
【0112】
従来のガンシューティングゲームでは表示された敵オブジェクトを、敵から攻撃されないうちに、なるべく早く討ち取ることでゲームがクリアされ、ゲームが進行していく。敵から攻撃されれば、遊戯者Aの持つライフポイントが減少する仕組みになっている。遊戯者Aのライフポイントが無くなった時、そのゲームは終了となる。
【0113】
本発明の適用により、各方向に異なる映像を映すことのできる画像表示装置を用いることで、従来にない全く新しいゲーム性を追加することができる。
【0114】
図17に示すように、遊戯者Aが位置6Aに立っているとき、敵オブジェクトαが見えているとする(図18a参照)。このとき遊戯者Aは敵オブジェクトαをガンで討ち取ることが可能である(図19、P20)。しかしゲーム進行中で敵オブジェクトαとともに、敵オブジェクトβも遊戯者Aに向かって接近していたとする。遊戯者Aの位置からは敵オブジェクトβは障害物γに隠れて見ることができない(図19、P21)。
【0115】
そのため遊戯者Aは敵オブジェクトβの接近に気づくことができない。遊戯者Aは位置6Cの位置に場所を移動することで、初めて敵オブイジェクトβを発見することができる(図18b、図19、P22参照)。
【0116】
このように遊戯者Aは画像表示装置6に対する位置を変えなければ、ゲームの進行上、必要となる情報を表示画面から読み取ることができない。かかる映像の変化が本発明によって得られるゲーム性である。
【0117】
従来のガンシューティングゲームでは、遊戯者は画像表示装置の前面において、立つ位置を変えることなく、常に画面に映し出される敵オブジェクトをなるべく早く討ち取っていればゲームをクリアすることができた。
【0118】
本発明により、上記のようにゲーム性を追加することが可能であり、これにより遊戯者Aは図17に示す、6Aの位置や6Bの位置や6Cの位置に場所を移しながら、敵を討ち取っていかなければならない(図19、P23−1〜P23−3)。遊戯者Aには、従来のゲームより運動量の必要となるゲームを提供することができる。
【0119】
またギャラリーからはゲームの進行全てを見ることができるので、遊戯者Aに、「右から来るよ」、「左が危ないよ」と声をかけることで、ゲームに参加することも可能である。
【0120】
従来のゲームで、遊戯者の頭の位置を、ヘッドトラッキング装置を用いて検出し、画像表示装置の表示内容を変えるゲームが存在する。かかるゲームにあっても上記に実施例として示したガンシューティングゲームのゲーム性を実現することは可能である。
【0121】
しかしながら本発明の場合、ヘッドトラッキング装置のような余分な検出装置が必要でない。また、本発明の場合、ギャラリーはゲームの進行全体を見ることが可能であるというゲーム性を追加できるので、本発明を適用するゲーム実行方法が、従来のプログラムによるゲームより有効であることが容易に理解できる。
【0122】
図20、図21及び図22は、2人以上の遊戯者が各視野角方向に異なる映像を映すことのできる画像表示装置を用いたゲームを行う場合の実施例を示す図である。図20は、画像表示装置6と遊戯者A,Bの位置関係を上方から見た図である。図21は、遊戯者A,Bの位置との関係で観察できる映像の例(図21aは映像1、図21bは映像3)を示す。図22は、図20のゲームの動作フローである。
【0123】
一実施例として、2人の遊戯者AとBが互いに協力し、パズルゲームを実行する場合を示す。図21に示すように表示画面全体に大きさ、形、色の異なる、▲1▼から順に番号の振られたオブジェクトを多数表示する。
【0124】
遊戯者は必ず番号の小さい順にオブジェクトを選択しなけらばならないルールがある。最終番号の(最も数字の大きい)オブジェクトを選択することでゲームクリアとなる。2人の遊戯者が協力してオブジェクトを選択し、クリアまでの時間の短さを競うパズルゲームである。
【0125】
図20に示す遊戯者Aの位置では映像1しか見ることができない。また遊戯者Bの位置では映像3しか見ることができない。映像1には図21aに示す▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲7▼のオブジェクトが表示されている。映像3には、図21bに示す▲1▼、▲2▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼、▲7▼のオブジェクトが表示されている。
【0126】
各遊戯者は協力して数字の小さい▲1▼のオブジェクトから最後の▲7▼のオブジェクトまで、必ず順番に選択していかなければならない。▲1▼、▲2▼のオブジェクトは、遊戯者AとBのどちらからも見ることができるので、遊戯者AとBのうち、早くオブジェクトに気が付いた遊戯者がオブジェクトを選択すればよい。ここまでの流れは、従来から存在する協調型パズルゲームである。
【0127】
次にオブジェクト▲3▼を選択しなければならないが、遊戯者Aしか見ることができないので、遊戯者Bは選択できない。遊戯者Aがオブジェクト▲3▼を選択し終わるまで(処理工程P11、Yes)、遊戯者Bは次のオブジェクト▲4▼を選択することができない。また、遊戯者Bは自分の表示画面にオブジェクト▲3▼が存在しないことに気が付くまで、ありもしないオブジェクト▲3▼を探しつづける状況に追い込まれる。
【0128】
このように画像表示装置に対する遊戯者Aと遊戯者Bの位置の違いで視野角が変わり、遊戯者AとBは表示装置から受け取る情報が異なる。図21a、bに示すように、オブジェクト▲1▼▲2▼▲4▼▲7▼は遊戯者AとBに共有される情報であり、オブジェクト▲3▼は遊戯者Aしか知りえない情報であり(図21a、図22A)、オブジェクト▲5▼、▲6▼は遊戯者Bしか知りえない情報である(図21b、図22B)。
【0129】
このように1基の画像表示装置上の任意位置に、複数の遊戯者に共通の情報を部分的に表示したり、各遊戯者固有の情報を部分的に表示したりすることで、従来にない新しいゲーム性を追加することができる。
【0130】
1基の画像表示装置上に、ある遊戯者からは見え、別の遊戯者からは見えない情報と、全ての遊戯者に見える情報とを混在させることで、従来にはないゲーム性を追加することが可能である。
【0131】
また、この実施例の場合でも遠くから見るギャラリーはオブジェクト▲1▼〜▲7▼の全てを見ることができる。
【0132】
ここで、画像表示装置6は、立て置きと限定されるわけではなく、水平に寝かして置く、テーブルタイプ筐体で使用することも可能である。この場合、画像表示装置6つきのテーブルとして取り扱うことができるので、喫茶店やすし屋などの接客ビジネスを行う店で簡易的な遊戯装置として設置することも可能である。
【0133】
一実施例として、図23〜図25に2人の遊戯者AとBが互いに対戦し、シューティングゲームを実行する場合を示す。
【0134】
従来からある「マルチモニターマルチ遊戯者型」筐体と異なり、対戦遊戯者は互いの顔を見ることができる。またギャラリーはモニター全体を見渡すことができ、ゲームの全進行を認識できる。図2に示したような対戦筐体では、ギャラリーは全体を見渡すことができない。
【0135】
図23は、画像表示装置6と遊戯者A,Bの位置関係を上方から見た図である。図24は、遊戯者A,Bの位置との関係で観察できる映像の例(図23aは映像1、図23bは映像3)を示す。図25は、一実施例のゲームの動作フローである。
【0136】
表示画面には▲1▼〜▲8▼の表示オブジェクトがある。オブジェクト▲1▼は遊戯者Aの母艦であり、オブジェクト▲2▼は遊戯者Bの母艦である。互いに相手遊戯者の母艦を早く破壊した遊戯者が勝利者となる。表示画面にはオブジェクト▲3▼、▲4▼の障害物が表示されている。これらのオブジェクト▲1▼〜▲4▼は、2人の遊戯者AとBの両者から見ることができる背景オブジェクトである(遊戯者に共通の情報表示)。各遊戯者は相手遊戯者には見ることができないステルス戦闘機のオブジェクトを出現(出撃)させることができる。
【0137】
図23中の表示オブジェクト▲5▼、▲6▼は遊戯者Aの操作対象のステルス戦闘機であって、遊戯者Aから見ることができるが、遊戯者Bから見ることができない(図24a)。また、図23中の表示オブジェクト▲7▼、▲8▼は遊戯者Bの操作対象のステルス戦闘機であって、遊戯者Bから見ることができるが、遊戯者Aから見ることができない(図24b)。
【0138】
上記の表示されるオブジェクト▲5▼〜▲8▼はキーオブジェクトである。各遊戯者は母艦から、限られた範囲に照明弾を決められた回数だけ射出することができる。遊戯者Bが照明弾を射出したポイントの近くに遊戯者Aのステルス戦闘機がいた場合、本来見えないはずの遊戯者Aのステルス戦闘機を遊戯者Bは一時的に見ることが可能となる(図25、A)。
【0139】
反対に、遊戯者Aが勝ためには遊戯者Aの情報を開示されないように操作する(図25、B)。このように遊戯者Bの操作次第で、遊戯者Aのステルス戦闘機が見えたり、見えなかったりするゲーム性が追加できる。
【0140】
各遊戯者は相手遊戯者の操作を予想しながら、ゲームを実行して行かなければならない。1基の画像表示装置6上に、ある遊戯者からは見え、別の遊戯者からは見えない情報と、すべての遊戯者に見える情報とを混在させることで、従来にはないゲームを提供することが可能である。
【0141】
また各遊戯者の操作次第で見えない情報が一時的に見える情報に、情報の状態が変化することで、従来にはないゲーム性を提供することが可能である。
また、この実施例の場合でも遠くから見るギャラリーはオブジェクト▲1▼〜▲8▼のすべてを見ることができる。
【0142】
また、同様のことが対戦型シミュレーションでも応用できる。戦略性を重視するシミュレーションゲームでは、本来遊戯者の持ち駒による陣形や補給基地や補給路などは対戦相手遊戯者には知られたくない情報である。
【0143】
このような状況を実現するには、これらの情報が相手遊戯者には見えず、自遊戯者からは見えるゲーム装置が必要である。ゲームの初期段階では、シミュレーションゲームのマップの地形から、対戦相手遊戯者の秘密基地を遊戯者は想定し、正しいかどうか分からない戦略を計画する。またその想定が誤っていた場合を考慮して、あらかじめ逃げ手を用意しておく必要がある。
【0144】
そしてゲームを行いながら、対戦相手遊戯者の戦力分布状況から判断して、臨機応変に自分の戦略を変化させていく。このような奥の深いシミュレーションゲームは従来の1つの表示情報しか表示でないモニターでは実現することはできない。
【0145】
このようなゲームの場合、ゲームによる対戦が始まったとき、参加する遊戯者は、互いに対戦相手の情報が最も少なく、ゲームが進展するにつれて、徐々に相手の情報が表示されていく。先のシューティングゲームの例やシミュレーションゲームの例から分かるように、初期段階で互いに共有する情報が少ない状態からゲームが開始され、各遊戯者の操作の仕方によって徐々に相手遊戯者の情報が開示されることで、互いに共有する情報が増えていく。徐々に増えていく共有する情報をもとに、各遊戯者は自らの操作のし方や戦略を修正する必要に迫られる。ここに従来のゲームにはないゲーム性を1基の画像表示装置を使用するだけで実現することができる。
【0146】
従来からトランプやマジックザギャザリングといったカードゲームや麻雀などの手札を使用したゲームがある。これらのゲームは、遊戯者が持つ手札を相手遊戯者に見せられないゲーム性を持っている。通常これらのゲームを、表示装置を使用したゲームとして実現しようとすると、遊戯者の人数と同じだけ表示装置が必要となる。
【0147】
本発明を適用する場合は、1基の画像表示装置でかかるゲームを実現できる。カードゲームや麻雀などのゲームは、非常に数の多いカードや牌を手札としてゲーム上で取り扱う。手札同士の組合せの多様性が、ゲームのおもしろさの本質である。
【0148】
しかしながら組合せの多さによる複雑さのために、初心者が気軽にこのゲームに参加することをためらわせている。マジックザギャザリングのようなカードゲームでは初心者同士がゲームを始めた場合、そのカードの組合せをどのように扱って良いのかわからない場合がある。
【0149】
これらのゲームはお互いに向き合って行うゲームであるが、遊戯者と遊戯者の間にコンピュータという見えない審判をつけてゲームを進行させる方が、初心者遊戯者の負担を減らすという点で望ましい。
【0150】
図26にその一例を示す。遊戯者Aは映像1を見ることができる。映像1は図26aに表示されるように、自分の手札の絵柄は見えるが、相手遊戯者Bの手札は伏せられていて見えない映像になっている。
【0151】
また、遊戯者Bは映像3を見ることができる。映像3は図26bにあるように、自分の手札の絵柄は見えるが、相手遊戯者Aの手札は伏せられていて見えない映像になっている。また、遊戯者Aしか見ることができない映像1には、Aの手札の説明文章▲1▼や注意書き▲2▼が表示されている。また、遊戯者Bしか見ることができない映像3には、Bの手札のアドバイス▲3▼が表示されている。
【0152】
このように本発明により1つの画像表示装置を使って、互いに対面しながらゲームの実施が可能となり、対戦相手には見えない、ヘルプ表示情報(ユーザー補助情報)を表示することができる。
【0153】
【発明の効果】
以上、図面に従い、実施の形態例を説明したように本発明により視野角に対応した表示を行う画像表示装置を用い、ゲームの実行を制御するゲームプログラム及びこれを実行するゲーム装置が提供される。これにより、画像表示装置の共有により、“場の一体感”を提供し、各遊戯者やギャラリーにそれぞれ異なる情報を与えることで、“表示情報の多重化によるゲーム性(複雑さ、面白さ)”を提供を可能とする
【図面の簡単な説明】
【図1】シングルモニターマルチ遊戯者型のゲームを説明する図である。
【図2】マルチモニターマルチ遊戯者型のゲームを説明する図である。
【図3】本発明の、ゲームプログラムが実行されるゲーム装置の構成例ブロック図である。
【図4】図4において説明した画像表示装置6を用いたゲーム装置において、本発明に従うプログラムにより実行されるゲームの概念を示す。
【図5】画像表示装置を用いた本発明のプログラムを実行するゲーム装置の実施例を示す図である。
【図6】本発明のプログラムを実行するゲーム装置の実施例画面の写真を示す図である。
【図7】1フレーム内で行われる一連の処理を説明する動作フロー図(その1)である。
【図8】1フレーム内で行われる一連の処理を説明する動作フロー図(その2)である。
【図9】視野角の第1方向から第4方向までの表示画像(その1)を示す図である。
【図10】視野角の第1方向から第4方向までの表示画像(その2)を示す図である。
【図11】視野角の第1方向から第4方向までの表示画像(その3)を示す図である。
【図12】視野角の第1方向から第4方向までの表示画像(その4)を示す図である。
【図13】視野角の第1方向から第4方向までの表示画像(その5)を示す図である。
【図14】本発明のゲームプログラムを実行するゲーム装置1における処理の流れを示すフロー図である。
【図15】いずれの分離方向において見えるか見えないかを判定する処理の一例を示すキーオブジェクト管理処理図である。
【図16】見える/見えない判定処理アルゴリズムを示す図である。
【図17】実施例ゲームにおいて、画像表示装置6と遊戯者の位置関係を上方から見た図である。
【図18】図17において、遊戯者の位置との関係で観察できる映像の例を示す。
【図19】図17、図18で説明されるゲームの処理フローである。
【図20】別の実施例ゲームにおいて、画像表示装置6と遊戯者の位置関係を上方から見た図である。
【図21】図20において、遊戯者の位置との関係で観察できる映像の例を示す。
【図22】図20、図21で説明されるゲームの処理フローである。
【図23】さらに別の実施例ゲームにおいて、画像表示装置6と遊戯者の位置関係を上方から見た図である。
【図24】図23において、遊戯者の位置との関係で観察できる映像の例を示す。
【図25】図23、図24で説明されるゲームの処理フローである。
【図26】更にまた、別の実施例ゲームにおいて、遊戯者の位置との関係で観察できる映像の例を示す。
【符号の説明】
1 本体装置のメイン基板
2 外部記憶装置
3 入力装置
4 通信ポート
5 スピーカ
6 画像表示装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 VRAM
14 ブリッジIC
15 画像生成IC
16 音生成IC
17 通信制御IC
18 I/O制御IC
19 システムバス

Claims (11)

  1. 複数の視野角に分離して,それぞれの視野角に対応してそれぞれ異なる画像の表示を行う画像表示装置に表示されるゲーム画像の生成方法であって,
    画像表示の一フレーム毎に,ゲームの進行に応じて背景のデータとオブジェクトのデータを記憶装置から読み出し,
    前記オブジェクトのデータが,前記記憶装置に記憶された管理データであって,入力部からの遊戯者の操作に対応する入力情報及び少なくともゲームで使用する表示方向数を含むシステムデータに応じて更新される管理データに基づいて,前記複数の視野角のいずれの分離方向から観察可能に表示するデータかを判断し,
    前記背景のデータを,前記複数の視野角のそれぞれの分離方向において観察可能な背景画像データにレンダリングし,
    前記オブジェクトのデータを,前記判断に基づき該当する視野角の分離方向において観察可能なオブジェクト画像データにレンダリングし,
    前記レンダリングされた背景画像データとオブジェクト画像データをビデオメモリに描画し,
    前記ビデオメモリに描画された画像データを,前記複数の視野角に対応してそれぞれ異なる画像の表示を行う画像表示装置に出力して表示することを特徴とするゲーム画像の生成方法。
  2. 請求項1において,
    前記オブジェクトのデータは,少なくとも二以上のオブジェクトのデータであって,
    前記二以上のオブジェクトのデータのうち,少なくとも一つのオブジェクトのデータを,前記複数の視野角のうちの,前記記憶装置に記憶された前記管理データに基づく所定の視野角の分離方向から観察可能な第1のオブジェクト画像データにレンダリングし,
    前記少なくとも一つのオブジェクトのデータとゲームの進行において所定の関係を有する他の異なるオブジェクトのデータを,前記所定の視野角と異なる視野角の分離方向から観察可能な第2のオブジェクト画像データにレンダリングし,
    前記レンダリングされた第1及び第2のオブジェクト画像データをビデオメモリに描画し,
    前記ビデオメモリに描画された画像データを,前記複数の視野角に対応してそれぞれ異なる画像の表示を行う画像表示装置に出力して表示することを特徴とするゲーム画像の生成方法。
  3. 請求項2において,
    前記ゲームの進行中,前記少なくとも一つのオブジェクトは,遊戯者により操作されるキャラクタであって,前記他の異なるオブジェクトは,前記遊戯者により操作されるキャラクタに有利となるツールを与えるものであることを特徴とするゲーム画像の生成方法。
  4. 請求項2において,
    前記ゲームが対戦ゲームである時,前記少なくとも一つのオブジェクトと前記他の異なるオブジェクトは,前記対戦ゲームにおいて,敵対関係にあるキャラクタであることを特徴とするゲーム画像の生成方法。
  5. 請求項2において,
    前記観察可能な所定の視野角の分離方向は,一のオブジェクトに対し,複数有することを特徴とするゲーム画像の生成方法。
  6. 請求項において,
    前記観察可能な所定の視野角の分離方向は,複数のオブジェクトに対し,それぞれ異なることを特徴とするゲーム画像の生成方法。
  7. 請求項において,
    前記観察可能な所定の視野角の分離方向は,複数のオブジェクトに対し,共通であることを特徴とするゲーム画像の生成方法。
  8. 複数の視野角に分離して,それぞれの視野角に対応してそれぞれ異なる画像の表示を行う画像表示装置に表示されるゲーム画像の生成を制御するプログラムであって,
    画像表示の一フレーム毎に,ゲームの進行に応じて背景のデータとオブジェクトのデータの記憶装置からの読み出しを制御し,
    制御手段に,前記オブジェクトのデータを前記記憶装置に記憶された管理データであって,入力部からの遊戯者の操作に対応する入力情報及び少なくともゲームで使用する表示方向数を含むシステムデータに応じて更新される管理データに基づき何れの視野角の分離方向から観察可能に表示するデータか判断させ,
    前記制御手段により前記背景のデータを,複数の視野角の分離方向において観察可能な背景画像データにレンダリングさせ,且つ前記オブジェクトのデータを,前記判断に基づき該当する視野角の分離方向において観察可能なオブジェクト画像データにレンダリングさせ,更に
    前記制御手段により前記レンダリングされた背景画像データとオブジェクト画像データをビデオメモリに描画させ,
    前記ビデオメモリに描画させた画像データを,前記複数の視野角に対応してそれぞれ異なる画像の表示を行う画像表示装置に出力して表示させることを特徴とするゲーム画像の生成を制御するプログラム。
  9. 請求項8において,
    前記オブジェクトのデータは,少なくとも二以上のオブジェクトのデータであって,制御手段に,前記二以上のオブジェクトのデータのうち,少なくとも一つのオブジェクトのデータを,前記記憶装置に記憶された管理データに基づく所定の視野角の分離方向から観察可能な第1のオブジェクト画像データにレンダリングさせ,
    前記制御手段により,少なくとも一つのオブジェクトのデータとゲームの進行において所定の関係を有する他の異なるオブジェクトのデータを,前記所定の視野角と異なる視野角の分離方向から観察可能な第2のオブジェクト画像データにレンダリングさせ,且つ前記レンダリングされた第1及び第2のオブジェクト画像データをビデオメモリに描画させ,
    前記ビデオメモリに描画された画像データを,前記複数の視野角に対応してそれぞれ異なる画像の表示を行う画像表示装置に出力して表示させることを特徴とするゲーム画像の生成を制御するプログラム。
  10. 複数の視野角に分離して,それぞれの視野角に対応してそれぞれ異なる画像を画像表示装置に表示するゲーム装置であって,
    背景のデータとオブジェクトのデータ及び管理データを記憶する記憶装置と,
    前記記憶装置からゲームの進行に応じて,画像表示の一フレーム毎に前記背景のデータとオブジェクトの読み出しを制御し,前記記憶装置から読み出されるオブジェクトのデータを前記記憶装置に記憶された管理データであって,入力部からの遊戯者の操作に対応する入力情報及び少なくともゲームで使用する表示方向数を含むシステムデータに応じて更新される管理データに基づき何れの視野角の分離方向から観察可能に表示するデータかを判断し,更に,前記背景のデータを,複数の視野角の分離方向において観察可能な背景画像データにレンダリングし,且つ前記オブジェクトのデータを,前記判断に基づき該当する視野角の分離方向において観察可能なオブジェクト画像データにレンダリングする制御手段と,
    前記制御手段によりレンダリングされた背景画像データとオブジェクト画像データが描画されるビデオメモリと,
    前記ビデオメモリに描画された画像データを,前記複数の視野角に対応してそれぞれ異なる画像の表示を行う画像表示装置
    を有することを特徴とするゲーム装置。
  11. 請求項10において,
    前記オブジェクトのデータは,少なくとも二以上のオブジェクトのデータであって,
    ゲームプログラム,前記ゲームプログラムによるゲームの進行に応じて少なくとも二以上のオブジェクトのデータ及び管理データを記憶する記憶装置と,
    画像表示の一フレーム毎に,前記二以上のオブジェクトのデータのうち,少なくとも一つのオブジェクトのデータを,前記記憶装置に記憶された管理データに基づいて所定の視野角の分離方向から観察可能な第1のオブジェクト画像データにレンダリングし,前記少なくとも一つのオブジェクトのデータとゲームの進行において所定の関係を有する他の異なるオブジェクトのデータを,前記所定の視野角と異なる視野角の分離方向から観察可能な第2のオブジェクト画像データにレンダリングする制御手段と,
    前記制御手段によりレンダリングされた第1及び第2のオブジェクト画像データが描画されるビデオメモリと,
    前記ビデオメモリに描画された画像データを前記複数の視野角に対応してそれぞれ異なる画像として表示を行う画像表示装置を
    有することを特徴とするゲーム装置。
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