JP3953103B2 - 標的マークの位置を敏速に検出するための方法及び装置 - Google Patents

標的マークの位置を敏速に検出するための方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明はマトリックス状に配列されたピクセルをもつ光電式の位置検出装置を有するセオドライトを使用して、標的マークの位置を敏速に検出するための方法及び装置に関するもので、この場合
a)標的マークは光束を放射するか反射し、
b)標的マークから入射する光束はセオドライトの撮像光学系及び検出装置に受光され、かつ
c)検出装置の信号が評価される。
IEEE Transaction on Pattern Analyses and Machine Intelligence,Jan'80,USA,vol.PAMI-2(1980),pp 47-56,Gilbert e.a.による『A Real-Time Video Tracking System』ではロケットまたは航空機の様な標的を識別し追跡することのできるビデオ・トラッキング・システムが記述される。このために自動焦点機能と電子的イメージ増倍管を有する価値の高い光学系が利用される。カメラの画像はビデオ・プロセッサにより背景、前景及び標的に分解され、他方では続いてプロジェクション(投影)・プロセッサが標的領域の構造を標的認識のために解析し、この際に記憶されている標的対象物データとの比較が行われる。標的の識別と追跡は、敏速に変化する複雑な背景・前景状態の分級(分類)を可能にする、投影に関連する適応アルゴリズム(プログラム)を用いて実施される。この様な分級アルゴリズムは特に標的から来る散乱光を背景と比較するのに適している。
Patent Abstracts Japan,vol.95,no.003;JP-A-07 85286からイメージ・プロセッサを用いて標的の映像信号が水平走査期間中に二値化されウインドウと結合され、それより背景を標的から分離し標的の位置を決定するためのヒストグラムが形成される方法が知られている。
EP-A-0 661 519には標的中心点の位置が標的のフラッシュ・ライト有り及び無し両画像撮像の差形成を通じて検出される1測量器具が記述される。
さらなる方法及び装置は定期刊行物「Technische Rundschau」No.39,1998,P.14-18におけるW.Huep,O.Katowski共著『産業用及び測地用計測向けのセオドライト・システム』並びにLeica AG社の定期刊行物「Optics」No.1/94,P.8-9における『産業用計測向けのセオドライト・センサー』で知られている。
これらの刊行物では、この様な方法及び装置の測地用測量、建設用測量並びに産業界での計測技術における利用が記述されている。総括的にみて、空間における点の三次元座標を決める問題を扱っている。これらの点は、例えば表面反射性の球状体、反射シートまたは光束を放射する標的マークなどの標的マーク類を配置し、これにセオドライト遠視鏡で照準を合わせる。三次元座標の決定に際しては三角法または極座標法が一般的に利用される。三角法では既知の間隔にある2台のセオドライトで標的マークを狙って基線を基準とする水平及び垂直角を測定する。
極座標法向けにはセオドライトと集積された距離計から構成されるタキメーターが利用される。この場合も測定された角度並びに距離から標的マークの三次元座標が算出される。
座標の決定及び記録と並んで、逆に図面に記入されているか又は地図から読みとり可能な座標を現場で杭打ちすることも可能である。例えば道路建設においてはルート用地にセオドライトまたはタキメーター、及び標的マークの装備されたバーを利用して杭打ちが行われる。この場合にオペレーターとして、手信号または無線で連絡しあう最低2人の人員が必要となる。一方で図面に指定される座標に従い測量器具が設定されるかたわら、他方では標的マーク付きのバーを標的マークが設定座標に到達するまで移動される。
道路建設、更には墜道又は坑道の建設においても走行駆動装置が所定の軌道を維持する様に設定する用途は準連続式の杭打ちと見なすことができる。標的マークが装備された本装置はセオドライトの支援を受けて制御される。この場合に装置の前進に際する設定方向からの逸脱は、逸脱する水平角または垂直角を基に検知される。
近代的な測量器具ではセオドライト遠視鏡を通じる標的マークの目視観測は標的マークの電子式捕捉により支援される。ビデオカメラや、例えばセオドライトの撮像光学系に組み込まれた二次元のCCDアレイの様な光電式・位置検出装置が利用される。この種のシステムは上に掲げた文献以外にもDE 34 24 806 C2に記述されている。画像処理の方法により先ず位置検出装置の座標系における標的マーク画像の座標を決定する。これより較正データを基に偏位角が算出され、それより更に従来的な方法で三角法または極座標法に従い空間における標的マークの三次元座標が算定される。
本画像処理で不利な点は画像情報の膨大なデータ量に基き、処理に多大の時間を要することにある。CCDアレイの各ピクセルは大抵がパソコンである電算機へ伝送される強度値を出力する。ピクセルの総数が多くのCCDアレイで100万個のオーダーにある理由から、1秒間に多数の画像が評価処理の目的で電算機へ伝送され同時に評価されるのに、CCDアレイの読み出しが1秒間にかなり頻繁に行われるべき場合には問題となる。しかし、これこそ標的マークの自動検出またはその自動追跡に必要である。今日入手可能な高速処理能力もつマイクロプロセッサを利用しても、この種の目的で画像処理を行うことは時間的に可能性がない。
このため、僅少な手間をかけて短時間のうちに標的マークを自動的に検出し、同者の座標を決定し、同者の移動を追従し、かつ軌道データを記録するための方法と装置を明示するのが本発明の基本的な課題である。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の視点により、マトリックス状に配列されたピクセルをもつ光電子の位置検出装置を有するセオドライトを使用して、測地測量用標的マークの位置を敏速に検出するための方法であって、a」標的マークは光束を放射するか照射光束を反射し、b)標的マークから入射する光束はセオドライトの合焦光学系及び検出装置に受光されると共に、該光束は該標的マークから入射する当該光束の強度分布に類似する強度分布を有する光斑点として該検出装置によって受光され、かつc)検出装置の信号が評価されるように構成された標的マークの位置検出方法が提供される。この方法において、検出装置の信号が前処理ユニットへ入力され、前処理ユニットにおいて検出装置のピクセルで検出された光束強度が行及び列単位で即ち夫々1つの行のすべてのピクセルに関し及び夫々1つの列のすべてのピクセルに関し集計されること、各行の和から行和関数IZ(y)が、また各列の和から列和関数IS(x)が形成され、かつ行和関数及び列和関数の重心決定より検出装置のx,y座標システムにおける標的マークの二次元画像座標(xo、yo)が検出されることを特徴とする(形態1・基本構成1)。
更に、上記の課題を解決するために、本発明の第2の視点により、反射性のある標的マークを照射するための放射光源、合焦光学系及び標的マークにより反射された照射光束を検出するためのマトリックス状に配列されたピクセルをもつ光電式の位置検出装置とを有するセオドライトを有すると共に、該標的マークから反射された照射光束が、当該標的マークから反射された照射光束の強度分布に類似する強度分布を有する光斑点として該検出装置によって受光されるよう構成された、反射性のある測地測量用標的マークの位置を敏速に検出するための装置において、検出装置のピクセルで検出された光束強度が行及び列単位で即ち夫々1つの行のすべてのピクセルに関し及び夫々1つの列のすべてのピクセルに関し集計され、各行の和から行和関数IZ(y)が、また各列の和から列和関数IS(x)が形成され、かつ行和関数及び列和関数の重心決定より検出装置のx,y座標システムにおける標的マークの二次元画像座標(xo,yo)が検出される前処理ユニットを有することを特徴とする(形態10・基本構成2)。
更に、上記の課題を解決するために、本発明の第3の視点により、合焦光学系及び、標的マークから放射された光束を検出するためのマトリックス状に配列されたピクセルをもつ光電式の位置検出装置とを有するセオドライトを有すると共に、該標的マークから放射された光束が、当該標的マークから放射された光束の強度分布に類似する強度分布を有する光斑点として該検出装置によって受光されるよう構成された、光束を放射する測地測量用標的マークの位置を敏速に検出するための装置において、検出装置のピクセルで検出された光束強度が行及び列単位で即ち夫々1つの行のすべてのピクセルに関し及び夫々1つの列のすべてのピクセルに関し集計され、各行の和から行和関数IZ(y)が、また各列の和から列和関数IS(x)が形成され、かつ行和関数及び列和関数の重心決定より検出装置のx,y座標システムにおける標的マークの二次元画像座標(xo、yo)が検出される前処理ユニットを有することを特徴とする(形態12・基本構成3)。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、上記基本構成1、10及び12をそれぞれ形態1、10及び12として示すが、これらは従属請求項の対象でもある。
(形態1) 上掲(基本構成1)。
(形態2) 上記形態1の方法において、標的マークの二次元画像座標(xo、yo)が較正データに支援されて合焦光学系の光学軸に対する水平方向及び垂直方向の角度に換算されることが好ましい。
(形態3) 上記形態1又は2の方法において、和関数IZ(y)及びIS(x)から散乱光反射が検知され除去されることが好ましい。
(形態4) 上記形態1〜3の方法において、和関数IZ(y)及びIS(x)の図形から検出装置の過大入力(ブルーミング)が検知され、これに対応する露光パラメーターが変更されることが好ましい。
(形態5) 上記形態1〜4の方法において、前処理ユニットにおいて形成されたデータが同ユニットと直接連結された演算ユニットに読みとられるか、または外部の演算ユニットへ伝送されることが好ましい。
(形態6) 上記形態1〜5の方法において、検出装置が選択によりビデオ・クロックまたは個々の応用に適応した周波数で読み出されることが好ましい。
(形態7) 上記形態1〜6の方法において、合焦光学系及び検出装置が、移動される標的マークの画像座標(xo、yo)の変化に際して標的マーク画像が活性のある検出装置面から外れない様、自動的に追跡されることが好ましい。
(形態8) 上記形態1〜7の方法において、空間における標的マークの三次元座標を決定するため、距離計を利用して標的マークへの距離が付加的に測定されることが好ましい。
(形態9) 上記形態1〜8の方法において、移動される標的マークの順次に決定された座標が記憶装置へ電子式に記憶されるか、または永久記録されることが好ましい。
(形態10) 上掲(基本構成2)。
(形態11) 上記形態10の装置において、放射光源が合焦光学系の光路に統合され、放射光源の光束が合焦光学系と同軸または2軸状に出射することが好ましい。
(形態12) 上掲(基本構成3)。
(形態13) 上記形態10〜12の装置において、付加的に距離測定器が配設されることが好ましい。
(形態14) 上記形態10〜13の装置において、合焦光学系が、ある固定的に調節された焦点を有することが好ましい。
本発明では協慟機能をもつ標的マークが利用される。協慟機能をもつ標的マークは、赤外または可視の波長領域が望ましい光を放射する光源が装備されたものか、もしくは放射源により照射される反射性の標的マークが利用される。放射源はセオドライトに集積されていることも可能で、この場合も赤外または可視の波長領域で放射する。
標的マークから放射または反射された光はセオドライトの撮像光学系により受光され光電式の位置検知装置に撮像される。撮像は特定の強度分布をもつ光の斑点から構成される。この撮像は検出装置の感光性構造により位置を分解して受光される。CCDアレイの場合、感光性構造はピクセルとしてマトリックス状、即ち行及び列を構成する形に配置される。検出装置から読み出される電気信号は光斑点の強度分布に対応する。本電気信号は検出装置に接続される前処理ユニットへ読み取られる。
標的マークのピクセル画像は前処理ユニットにおいて対応する機能を備えたハードウェアを利用して、発明に従い2つの和関数に分離する。この目的で先ず一行上にある全ピクセルの強度値が集計される。この強度値は当該行に属する和値を形成する。総ての行の和値から行の番号に依存する行和関数が得られる。周知の数学的方法に従い、検出装置の座標系における座標値を与えることとなる、行和関数の重心が決定される。類似の方法により一列上にある全ピクセルの強度値が集計される。こうして発生した列和関数からも同様に、検出装置の座標系における第2番目の座標が算出されることとなる重心が算定される。これにより検出装置上における標的マークの二次元・画像座標が決定される。
標的マークの画像座標は較正データを基に水平方向及び垂直方向の角度に換算される。この両角度は、例えばセオドライト撮像光学系の光軸であることも考えられる、照準軸を基準とする。照準軸自体は、ある定義された地球座標システムの中に存在する。
標的マーク画像の発明に従う評価は大幅なデータ量低減化を意味する。多数のピクセル値に代えて和関数のみを、また場合によっては標的マーク画像の座標のみが例えばパソコンなどの外部電算機へ伝送されれば十分である。パソコンにおける時間の嵩む全ピクセルの評価は不要とある。当然ながらデータは前処理ユニットに直接連結される内部の計算ユニットでさらに処理されることも可能である。
標的マークの検出における著しい時間の節約は、一方で標的マークを大まかに狙うのみで足りる用途に利用できる。標的マークは自動的に感知されその位置座標または角度座標が決定される。これらは例えば1画面上に表現されることができる。本データは計算ユニットで継続処理されたり蓄積されたりすることができる。標的マークに粗照準を合わせることはセオドライトの望遠鏡または照準儀を通して可能である。最も簡単な場合にはセオドライトのマーク付けとして装備されることができ、照門(ノッチ)及び照星を通して標的マークに照準を合わせることでも足りる。これにより望遠接眼鏡を省略できる。
粗照準を合わせた時点で標的マークが撮像光学系の検出範囲に存在しない場合、探索機能を動作開始させることができる。これにはセオドライトの垂直軸及び水平軸が電動式であることを前提条件とする。セオドライトは探索アルゴリズム(プログラム)を通じて標的マークが撮像光学系に検出され検出装置に感知されるまで両軸に関して振られる。
探索過程とこれに続く座標の測定は全自動式で行われる。
発明に従う標的マークの座標決定に際する位置検出精度は驚異的に良好で大抵の利用ケースにおける要求を満足することが多くのテストを通じて判明した。しかしながら更に高い測定確度が要求される場合、この確度は集積時間、即ち検出装置の露光時間を延長することや、複数画像からの平均値算定、ないしは誤差縮小を目的とする較正や画像分析の精度向上により達成可能である。高度な測定確度では測定時間が犠牲となる。従って検出装置を選択によりビデオ・クロックまたは個々の応用に適応した周波数で読み出すことが予定されている。
更に、行和関数及び列和関数の図形から不都合な散乱光反射は検出され除去できることも判明した。散乱光反射は標的マークの光線や照射光線が例えば水面などの表面で反射することにより発生する。撮像光学系に別の角度で入射する反射光は和関数の図形に変化をもたらすため、検出され訂正されることが可能である。
同様に和関数の図形から検出装置の過大入力(ブルーミング)が検知可能である。その結果から、より適した露光パラメーターの算定と自動的調節が可能となる。
また、検出装置上に焦点ずれで撮像された標的マークが焦点の合った標的マークと同等な確実性と正確さで検出されることの可能性も確認された。このため価格的に有利で適切な固定焦点式の撮像光学系で十分となる。
標的マークの自動検出に加えて本発明では標的マークが例えば1つの杭打ち点または測定点から次の点へ移動される場合、これを自動的に追従することも可能である。ここで全システムの操作には、標的マークを杭打ちすべきか、または測量すべき地点へ携帯しセットする唯1人の要員のみが必要である。セオドライトは移動する標的マークを自動的に追従する。その目的でセオドライトの検出装置は標的マークの画像を継続的に受像する。検出装置の読み出し周波数は、これに対応して調整されている。少なくとも同等な速さで検出装置信号は前処理ユニットにおいて評価され標的マークの座標が決定される。検出装置上における標的マークの座標が変化する場合、セオドライト水平軸及び垂直軸のモーター・ドライブが装備されていれば、両軸をセオドライトが標的マークを自動的に追従する様に制御するのは可能である。これを通じて標的マーク画像は常に検出装置で感光性のある活性面上に留まる。
標的マークを追従する間にセオドライトから標的マークに至る光学的コンタクトを中断する障害物が出現した場合、標的マークが障害後に再び出現した時点で適切な探索プログラムを通じて標的マークを再び検出することが可能である。記述される標的マークの追従には発明に従う敏速な検出と標的マークの座標決定が不可欠なことは明白である。
セオドライトに集積されていることもあり得る距離計を用い、移動中にある標的マークへの距離も付加的に測定される場合、標的マーク三次元座標の連続的記録から標的マークの軌道が記述される。軌道のデータは電子式に記憶されたり記憶媒体へ永久的に記録されることができる。
実施例は図面に模式的に表現され、図1〜3を基に解説される。
模式的に示すのは
図1 セオドライト及び反射性をもつ標的マークの配置、
図2 セオドライト及び光束を放射する標的マークの配置、
図3 標的マーク画像と、これに属する行和関数及び列和関数。
図1にはセオドライト50の構成及び反射性の標的マーク1が模式的に図示されている。セオドライト50には放射光源10が統合されている。同光源の光束11は光束分割器15b及び光束分割器15aを経由して撮像光学系2を通過する。この場合に光束11は撮像光学系2に対し同軸状態に配向されている。同光束は同様な効果をもって撮像光学系2に対し2軸状態の経路をたどることも可能である。同光束の一部が標的マーク1に当たりこれによって反射される。反射された光束12は撮像光学系2によって受光され、光束分割器15aを経由して光電式の位置検出装置4の上に撮像される。光束分割器(ビームスプリッタ)15a、15b又は15cに代えて公知の通り適切な直径をもった反射鏡も利用されることができる。
標的マーク1は撮像光学系の光学軸3の上にないのが通常である。従って撮像光学系2に入射する光束12は光学軸3と共に1水平角及び1垂直角を形成する。これが検出装置4の上における標的マーク画像1aの対応場所を決める。標的マーク画像1aがどの様な外観をもつことがあるか関しては、更に以下の図3に関する記述で解説される。そこでは、検出装置4の電気信号が如何にして前処理ユニット5で評価処理されるかについても記述される。
前処理ユニット5から出力されたデータは外部の演算ユニット6へさらなる評価のために伝送されることができる。演算ユニット6はデータ伝送用のインターフェースを介してデータを受信するパソコンでもよい。
前処理ユニット5から出力されたデータを直接的にさらに評価する、図2に従う演算ユニット5aはセオドライト50に集積されていることも可能である。
図1及び図2には、オプションとして組み込まれることができ、セオドライト50をタキメータへ拡張する光学式の距離計20が図示されている。距離計20が組み込まれている場合、同者の光束は光束分割器15cから光束分割器15b及び15aを経由し撮像光学系2を通って標的マーク1まで送られ、ここで反射されて逆の方向へ再び返送される。得られた距離測定値も同様に外部の演算ユニット6または演算ユニット5aへ伝送されることができる。標的マーク1の距離及び極座標を用いて空間における同マークの三次元座標が決まる。これらは記憶装置7にメモリーされることができる。これにより標的マーク1が動かされる場合は継続的な座標測定から標的マーク1の軌道データ、即ち軌道座標及び軌道速度が記録されることができる。
検出装置4、放射光源10及び距離計20の配置順序は互換されることが可能であるのは自明である。
手動による操作を要し検出装置4が統合されていないセオドライトではセオドライト遠視鏡の十字線を用いて標的マーク1に視準を合わせて目盛環上の角度座標を読みとる。電子式のセオドライト50の場合、撮像光学系2と共にセオドライト遠視鏡を形成する望遠接眼鏡30はセオドライト50の照準を初めて合わせる目的でも役に立つ可能性がある。しかし発明に従う標的マークの自動的検出により、セオドライト50を標的マークへ大まかに指向させることで足りるため、望遠接眼鏡30もまたは省略することが可能である。
標的マーク画像1aは図1及び図2に従う撮像光学系2を用いて従来式の焦点調整装置により焦点を合わせて撮像させることが可能である。しかし発明に従う標的マーク1の検出は適切な固定焦点でも実質上の性能低下なしに機能するため、従来式の焦点調整装置は余計となる。これも同様に省略することが可能である。
図2の図示は図1のそれより、光束を放射する標的マーク1が図示される点で特に相違する。放射された光束13は撮像光学系2を利用して検出装置4の上に撮像される。演算ユニット5aは前処理ユニット5に直接連結され、セオドライト50に統合される構成要素である。
図3には検出装置4のx,y座標システムにおける標的マーク1の画像1aが図示される。各閉曲線Lはそれぞれ一定の強度を意味する。一つの行上における、即ちy値を1つに固定した場合の検出装置全ピクセルの強度値を集計する結果として行の和値が生じる。総ゆる行の和値をyの関数として表現すると図3に示す行和関数IZ(y)となる。類似の方法により列和関数IS(x)は生成される。両和関数の重心を決定する周知の方法により標的マーク画像1aの座標xo、yoが算出される。
前処理ユニット5において実施される、この方法を用いると標的マーク1の検出は従来式の画像処理と比べて、自動的な標的マーク検出が実際には殆ど感知できない時間に行われるほど敏速化される。これにより初めて、標的マーク1の移動に際してセオドライト50による同マークの自動的な追従が可能となる。

Claims (14)

  1. マトリックス状に配列されたピクセルをもつ光電式の位置検出装置(4)を有するセオドライト(50)を使用して、測地測量用標的マーク(1)の位置を敏速に検出するための方法であって、
    a)標的マーク(1)は光束を放射するか照射光束を反射し、
    b)標的マーク(1)から入射する光束(12、13)はセオドライト(50)の合焦光学系(2)及び検出装置(4)に受光されると共に、該光束は該標的マーク(1)から入射する当該光束の強度分布に類似する強度分布を有する光斑点として該検出装置(4)によって受光され、かつ
    c)検出装置の信号が評価される方法において、
    検出装置の信号が前処理ユニット(5)へ入力され、前処理ユニット(5)において検出装置(4)のピクセルで検出された光束強度が行及び列単位で即ち夫々1つの行のすべてのピクセルに関し及び夫々1つの列のすべてのピクセルに関し集計されること、
    各行の和から行和関数IZ(y)が、また各列の和から列和関数IS(x)が形成され、かつ行和関数及び列和関数の重心決定より検出装置(4)のx,y座標システムにおける標的マーク(1)の二次元画像座標(xo、yo)が検出されることを特徴とする標的マークの位置検出方法。
  2. 標的マーク(1)の二次元画像座標(xo、yo)が較正データに支援されて合焦光学系(2)の光学軸に対する水平方向及び垂直方向の角度に換算されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 和関数IZ(y)及びIS(x)から散乱光反射が検知され除去されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 和関数IZ(y)及びIS(x)の図形から検出装置(4)の過大入力(ブルーミング)が検知され、これに対応する露光パラメーターが変更されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前処理ユニット(5)において形成されたデータが同ユニットと直接連結された演算ユニット(5a)に読みとられるか、または外部の演算ユニット(6)へ伝送されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 検出装置(4)が選択によりビデオ・クロックまたは個々の応用に適応した周波数で読み出されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 合焦光学系(2)及び検出装置(4)が、移動される標的マーク(1)の画像座標(xo、yo)の変化に際して標的マーク画像(1a)が活性のある検出装置面から外れない様、自動的に追跡されるのを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 空間における標的マーク(1)の三次元座標を決定するため、距離計(20)を利用して標的マーク(1)への距離が付加的に測定されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 移動される標的マーク(1)の順次に決定された座標が記憶装置(7)へ電子式に記憶されるか、または永久記録されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 反射性のある標的マーク(1)を照射するための放射光源(10)、合焦光学系(2)及び標的マーク(1)により反射された照射光束を検出するためのマトリックス状に配列されたピクセルをもつ光電式の位置検出装置(4)とを有するセオドライト(50)を有すると共に、該標的マーク(1)から反射された照射光束が、当該標的マーク(1)から反射された照射光束の強度分布に類似する強度分布を有する光斑点として該検出装置(4)によって受光されるよう構成された、反射性のある測地測量用標的マーク(1)の位置を敏速に検出するための装置において、
    検出装置(4)のピクセルで検出された光束強度が行及び列単位で即ち夫々1つの行のすべてのピクセルに関し及び夫々1つの列のすべてのピクセルに関し集計され、各行の和から行和関数IZ(y)が、また各列の和から列和関数IS(x)が形成され、かつ行和関数及び列和関数の重心決定より検出装置(4)のx,y座標システムにおける標的マーク(1)の二次元画像座標(xo,yo)が検出される前処理ユニット(5)を有することを特徴とする標的マークの検出装置。
  11. 放射光源(10)が合焦光学系(2)の光路に統合され、放射光源(10)の光束(11)が合焦光学系(2)と同軸または2軸状に出射することを特徴とする請求項10に記載の装置。
  12. 合焦光学系(2)及び、標的マーク(1)から放射された光束(13)を検出するためのマトリックス状に配列されたピクセルをもつ光電式の位置検出装置(4)とを有するセオドライト(50)を有すると共に、該標的マーク(1)から放射された光束が、当該標的マーク(1)から放射された光束の強度分布に類似する強度分布を有する光斑点として該検出装置(4)によって受光されるよう構成された、光束(13)を放射する測地測量用標的マーク(1)の位置を敏速に検出するための装置において、
    検出装置(4)のピクセルで検出された光束強度が行及び列単位で即ち夫々1つの行のすべてのピクセルに関し及び夫々1つの列のすべてのピクセルに関し集計され、各行の和から行和関数IZ(y)が、また各列の和から列和関数IS(x)が形成され、かつ行和関数及び列和関数の重心決定より検出装置(4)のx,y座標システムにおける標的マーク(1)の二次元画像座標(xo、yo)が検出される前処理ユニット(5)を有することを特徴とする装置。
  13. 付加的に距離測定器(20)が配設されることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の装置。
  14. 合焦光学系(2)が、ある固定的に調節された焦点を有することを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の装置。
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