JP3890628B2 - Method for producing 1-hexene - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレンの三量化による1−ヘキセンの製造方法に関する。さらに詳しくはエチレンの三量化反応に用いたクロム系触媒の金属成分を反応終了後に脱灰処理する工程において、副生するポリマーを系外へ取り出すことなく、また脱灰処理時の反応器、制御弁、配管、ポンプ等の装置を詰まらせることなく、さらに使用した触媒の金属成分を反応生成液から極めて低濃度にまで除去することのできる1−ヘキセンの製造方法に関するものである。本発明で得られる1−ヘキセンは、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の原料コモノマーや可塑剤原料として極めて有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
エチレンを三量化する反応において、クロム系触媒を用い1−ヘキセンを製造することは公知である。例えば、米国特許第3347840号明細書及び特開昭62−265237号公報には、クロム化合物、アルミノキサンとジメトキシエタン等のエ−テル化合物類からなる触媒系が、特開平6−239920号公報には、クロム化合物、ピロール含有化合物、金属アルキルからなる触媒系が、又特開平8−59732号公報には、クロム化合物、イミド化合物及び金属アルキルからなる触媒系が開示されている。
【0003】
この製造プロセスは一般に大別して、三量化反応工程、未反応エチレン回収工程、触媒の失活工程および脱灰工程、1−ヘキセンおよび溶媒の分留工程から成っている。ところで、前記クロム触媒系を用いたエチレンの三量化では何れの触媒系もポリマーの副生は避けられない。従って、これらの工程において、最も重要な技術課題の一つは副生したポリマーの取り扱いにある。即ち、副生したポリマーは、未反応エチレンの回収工程や触媒の失活工程および脱灰工程における反応器、制御弁、配管、ポンプ等の装置中に徐々に形成され、詰まりの原因となったり、熱伝達を阻害する等の安定運転の妨げとなる可能性がある。
【0004】
また、目的生成物である1−ヘキセン中に、使用した触媒の金属成分が残存すると製品の品質に悪影響を及ぼしたり、1−ヘキセンおよび溶媒の分留工程における蒸留塔の閉塞の原因となるため、使用した触媒の金属成分を反応生成液から除去する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、特開平7−149671号公報には、クロム系触媒を使用したα−オレフィン低重合体の製造方法において、低重合反応を特定の反応条件でコントロールすることにより反応液中の副生ポリマーの形状を特定のものとし、そして特定構造の固液分離装置を使用して副生ポリマーを系外に除去するプロセスが開示されている。しかしながら、このような方法では、副生ポリマーの除去に要する新たな装置を設置しなければならず、その費用や用役費が増大するのは免れない。その上、使用したクロム系触媒の金属成分の大半は固形ポリマー中に含まれるため、クロムやアルミニウムが混入したポリマーが反応液から除去され、そのポリマーの後処理に時間と労力を要するという問題があった。さらに、副生ポリマーの形状を特定のものとするため反応条件が制約され、触媒活性を高くすることができないという欠点もあった。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的はエチレンを三量化して1−ヘキセンを製造する方法において、エチレンの三量化反応に用いたクロム系触媒の金属成分を反応終了後に脱灰処理する際に、副生するポリマーを系外へ取り出すことなく、また脱灰処理時の反応器、制御弁、配管、ポンプ等の装置を詰まらせることなく、さらに使用した触媒の金属成分を反応生成液から極めて低濃度にまで除去することのできる1−ヘキセンの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、クロム系触媒の存在下にエチレンを三量化して1−ヘキセンを製造する方法において、三量化反応終了後、クロム系触媒を失活させ、次いで反応生成液に特定量の水を導入して、特定の温度・条件で加熱撹拌すると、副生ポリマーを系外に取り出すことなく、また失活処理時の反応器、制御弁、配管、ポンプ等の装置を詰まらせることなく、さらに使用した触媒の金属成分を反応生成液から極めて低濃度にまで除去できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明は、クロム系触媒の存在下にエチレンを三量化して1−ヘキセンを製造する方法において、三量化反応終了後、クロム系触媒を失活させ、次いで反応生成液を100〜180℃の温度に保持した状態で、反応生成液に対して20〜200容量%の水を処理系に導入して、さらに単位容積当たり1KW/m3以上の撹拌所要動力で処理系を撹拌してクロム系触媒に含有される金属成分を反応生成液から除去する脱灰処理工程を含むことを特徴とする1−ヘキセンの製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳しく説明する。
【0010】
本発明において1−ヘキセンは、クロム系触媒の存在下にエチレンを三量化させることによって得られる。このクロム系触媒は、少なくとも(A)クロム化合物、(B)アルキル金属化合物、および所望に応じて用いられる(C)イミド化合物、ピロール含有化合物及びエーテル化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種以上のヘテロ元素含有有機化合物から成っている。
【0011】
本発明で使用される(A)クロム化合物としては、特に制限するものではないが、例えば、下記一般式(1)
CrAmBn (1)
(式中、mは1〜6の整数であり、nは0〜4の整数である。またAは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アレーン、アルコキシ基、カルボキシレート基、β−ジケトナート基、β−ケトエステル基及びアミド基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、硝酸基、硫酸基、過塩素酸基、カルボニル並びに酸素からなる群より選ばれた1種以上を表し、Bは窒素含有化合物、リン含有化合物、ヒ素含有化合物、アンチモン含有化合物、酸素含有化合物及び硫黄含有化合物からなる群より選ばれた1種以上を表す)
で示される化合物が好適なものとして用いられる。
【0012】
上記一般式(1)において、炭素数1〜20のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、アリル基、ネオペンチル基、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基又はトリメチルシリルメチル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリ−ル基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基又はトルイル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアレーンとしては、特に限定するものではないが、例えば、ベンゼン、エチルベンゼン又はヘキサメチルベンゼン等が挙げられる。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基又はフェノキシ基等が挙げられる。炭素数1〜20のカルボキシレ−ト基としては、特に限定するものではないが、例えば、アセテート基、プロピオネート基、ブチレート基、ネオペンタノエート基、2ーエチルヘキサノエート基、オキシ−2−エチルヘキサノエート基、イソオクタネ−ト基、ジクロロエチルヘキサノエート基、ラウレート基、ステアレート基、オレエ−ト基、ベンゾエート基、又はナフテネート基等が挙げられる。炭素数1〜20のβ−ジケトナート基としては、特に限定するものではないが、例えば、アセチルアセトナート基、トリフルオロアセチルアセトナート基、ヘキサフルオロアセチルアセトナート基、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート基、1,3−ブタンジオナート基、2−メチル−1,3−ブタンジオナート基、ベンゾイルアセトナート基等が挙げられる。炭素数1〜20のβ−ケトエステル基としては、特に限定するものではないが、例えば、アセチルアセテ−ト基等が挙げられる。アミド基としては、特に限定するものではないが、例えば、ジメチルアミド基又はジシクロヘキシルアミド基が挙げられる。ハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げられる。
上記一般式(1)において、窒素含有化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、アミン、ピリジン、アミド、又はニトリル等が挙げられる。リン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ホスフィン、ホスファイト、又はホスフィンオキシド等が挙げられる。アンチモン含有化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、トリアリールアンチモン、又はトリアルキルアンチモン等が挙げられる。酸素含有化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、水、無水カルボン酸、エステル、エーテル、アルコール又はケトン等であり、硫黄含有化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、二硫化炭素、スルフォン、チオフェン、又はスルフィド等が挙げられる。
【0013】
上記一般式(1)で示されるクロム化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、クロム(II)ジメチル、クロム(III)トリメチル、クロム(IV)テトラメチル、クロム(III)トリス(η−アリル)、二クロム(II)テトラキス(η−アリル)、クロム(IV)テトラキス(ネオペンチル)、クロム(IV)テトラキス(トリメチルシリルメチル)、クロム(II)ビス (シクロペンタジエニル)、クロム(II)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)、クロム(III)トリス(π−アリル)、クロム(IV)テトラキス(π−アリル)、クロム(II)ジフェニル、クロム(0)ビス(ベンゼン)、クロム(II)ジフェニル(ベンゼン)、クロム(0)ビス(エチルベンゼン)、クロム(0)ビス(ヘキサメチルベンゼン)、クロム(I)シクロペンタジエニル(ベンゼン)、クロム(IV)テトラメトキシド、クロム(IV)テトラエトキシド、クロム(IV)テトラプロポキシド、クロム(IV)テトラブトキシド、クロム(IV)テトラヘキシルオキシド、クロム(IV)テトラステアリルオキシド、クロム(IV)テトラフェノキシド、クロム(II)ビス(アセテート)、クロム(III)トリス(アセテート)、クロム(II)ビス(プロピオネート)、クロム(III)トリス(プロピオネート)、クロム(III)トリス(ブチレート)、クロム(II)ビス(2−エチルヘキサノエート)、クロム(III)トリス(2ーエチルヘキサノエート)、クロム(II)ビス(イソオクタネ−ト)、クロム(III)トリス(イソオクタネ−ト)、クロム(III)トリス(オキシ−2−エチルヘキサノエート)、クロム(III)トリス(ジクロロエチルヘキサノエート)、クロム(III)トリス(ネオペンタノエート)、クロム(II)ビス(ネオペンタノエート)、クロム(III)トリス(ラウレート)、クロム(II)ビス(ラウレート)、クロム(III)トリス(ステアレート)、クロム(II)ビス(ステアレート)、クロム(III)トリス(オレエート)、クロム(II)ビス(オレエート)、クロム(III)トリス(ベンゾエート)、クロム(II)ビス(ナフテネート)、クロム(III)トリス(ナフテネート)、クロム(II)オキザレート、クロム(II)ビス(アセチルアセトナート)、クロム(III)トリス(アセチルアセトナート)、クロム(III)トリス(トリフルオロアセチルアセトナート)、クロム(III)トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナート)、クロム(III)トリス (2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、クロム(III)トリス(1,3−ブタンジオナート)、クロム(III)トリス(2−メチル−1,3−ブタンジオナート)、クロム(III)トリス(ベンゾイルアセトナート)、クロム(III)トリス(アセチルアセテート)、クロム(III)トリス(ジメチルアミド)、クロム(III)トリス(ジシクロヘキシルアミド)、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム、塩化第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、塩化クロミル、過塩素酸クロム、二塩化ヒドロキシクロム、硝酸クロム、硫酸クロム等が挙げられる。
【0014】
さらに、トリクロロトリアニリンクロム(III)、ジクロロビス(ピリジン)クロム(II)、ジクロロビス(4−エチルピリジン)クロム(II)、トリクロロトリピリジンクロム(III)、トリクロロトリス(4−イソプロピルピリジン)クロム(III)、トリクロロトリス(4−エチルピリジン)クロム (III)、トリクロロトリス(4−フェニルピリジン)クロム(III)、トリクロロ(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)クロム(III)、ジクロロジニトロシルビス(4−エチルピリジン)クロム(II)、ジクロロジニトロシルビス(トリフェニルホスフィンオキシド)クロム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィンオキシド)クロム(II)、トリクロロトリス(トリフェニルホスフィン)クロム(III)、トリクロロビス (トリブチルホスフィン)クロム(III)ダイマー、トリクロロトリス(ブチルアセテート)クロム(III)、トリクロロトリス(エチルアセテート)クロム(III)、トリクロロトリス(テトラヒドロフラン)クロム(III)、トリクロロトリス(ジオキサン)クロム(III)、トリクロロトリス(iso−プロパノール)クロム(III)、トリクロロトリス(2−エチルヘキサノール)クロム(III)、トリフェニルトリス(テトラヒドロフラン)クロム(III)、クロム(III)トリス(アセテ−ト)無水酢酸付加物、ヒドリドトリカルボニル(η−シクロペンタジエニル)クロム(III)等が挙げられる。
【0015】
これらのうち取り扱いやすさ及び安定性の面から、カルボキシレート基を有するクロムカルボキシレ−ト化合物及びβ−ジケトナート基を有するクロムβ−ジケトナート化合物が好ましく用いられる。より好ましくは、クロム(III)トリス(2−エチルヘキサノエート)、クロム(III)トリス(ナフテネート)、クロム(III)トリス(アセチルアセトナート)、クロム(III)トリス(トリフルオロアセチルアセトナート)、クロム(III)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)が用いられる。また、上記クロム化合物はそれぞれ単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。
【0016】
本発明において使用される(B)アルキル金属化合物は、特に限定するものではないが、例えば、下記一般式(2)
RpMXq (2)
(式中、pは0<p≦3の数であり、qは0≦q<3の数であって、しかもp+qは1〜3の数である。Mはリチウム、マグネシウム、亜鉛、ボロン又はアルミニウムを表し、Rは炭素数1〜10のアルキル基より選ばれた1種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシ基、アリール基及びハロゲン原子からなる群より選ばれた1種以上を表す)
で示される化合物、又はアルミノキサンが好適なものとして挙げられる。
【0017】
上記一般式(2)において、炭素数1〜10のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、又はオクチル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、特に限定するものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、又はフェノキシ基等が挙げられる。アリール基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、例えば、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素が挙げられる。
【0018】
なお、上記一般式(2)において、MがAlで、pとqがそれぞれ1.5のとき、AlR1.5X1.5となる。このような化合物は、理論的には存在しないが、通常、慣用的にAl2R3X3のセスキ体として表現されており、これらの化合物も本発明に含まれる。
【0019】
上記一般式(2)で示されるアルキル金属化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ジエチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、エチルクロロマグネシウム、エチルブロモマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛、トリメチルボラン、トリエチルボラン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ジメチルエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジシクロヘキシルフェニルアルミニウム、エチルアルミニウムエトキシクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジシクロヘキシルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド等が挙げられる。
【0020】
本発明において使用されるアルミノキサンとは、前記のアルキルアルミニウム化合物と水とを一定範囲内の量比で反応させて得られる加水分解生成物である。アルキルアルミニウム化合物を加水分解する方法については、特に限定するものではなく、公知の方法で合成できる。例えば、(1)アルキルアルミニウム化合物そのまま、又は有機溶媒の希釈溶液に水を接触させる方法、(2)アルキルアルミニウム化合物と塩化マグネシウム・6水塩、硫酸鉄・7水塩、硫酸銅・5水塩等の金属塩の結晶水と反応させる方法、等が採られる。具体的には、前記特開昭62−265237号公報や特開昭62−148491号公報に開示されている。加水分解を行う際のアルキルアルミニウム化合物と水とのモル比は1:0.4〜1:1.2、好ましくは1:0.5〜1:1.0である。
【0021】
これらのアルキル金属化合物のうち入手の容易さ及び活性の面からトリエチルアルミニウムやトリイソブチルアルミニウムが好ましく用いられる。これらのアルキル金属化合物は単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。
【0022】
さらに、所望に応じて用いられる(C)ヘテロ元素含有有機化合物としては、イミド化合物、ピロール含有化合物及びエーテル化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の化合物が挙げられる。イミド化合物としては、イミド構造を有する化合物であればいかなる化合物でもよく、特に制限はないが、例えば、マレイミド、1−クロロエテン−1,2−ジカルボキシイミド、1−ブロモエテン−1,2−ジカルボキシイミド、1−フルオロエテン−1,2−ジカルボキシイミド、1−トリフルオロメチルエテン−1,2−ジカルボキシイミド、1,2−ジクロロエテン−1,2−ジカルボキシイミド、シトラコンイミド、2−ブテン−2,3−ジカルボキシイミド、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボキシイミド、スクシンイミド、α,α−ジメチル−β−メチルスクシンイミド、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、グルタルイミド、3,3−ジメチルグルタルイミド、ベメグリド、フタルイミド、3,4,5,6−テトラクロロフタルイミド、1,2−シクロヘキサンジカルボキシイミド、1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロフタルイミド、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド、1,8−ナフタルイミド、2,3−ナフタレンジカルボキシイミド、シクロヘキシイミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨ−ドスクシンイミド、N−(メトキシカルボニル)マレイミド、N−(ヒドロキシ)マレイミド、N−(カルバモイル)マレイミド等のイミド類が挙げられる。
【0023】
さらに、N−(トリメチルシリル)マレイミド、N−(トリメチルシリル)コハクイミド、N−(トリメチルシリル)シトラコンイミド、N−(トリメチルシリル)−2−ブテン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリメチルシリル)−1−シクロペンテン−1,2−ジカルボキシイミド、N−(トリメチルシリル)−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド、N−(トリメチルシリル)スクシンイミド、N−(トリエチルシリル)マレイミド、N−(トリ−n−プロピルシリル)マレイミド、N−(トリ−n−ブチルシリル)マレイミド、N−(トリ−n−ヘキシルシリル)マレイミド、N−(トリベンジルシリル)マレイミド、N−(n−ブチルジメチルシリル)マレイミド、N−(t−ブチルジメチルシリル)マレイミド、N−(ジメチルゼキシルシリル)マレイミド、N−(n−オクチルジメチルシリル)マレイミド、N−(n−オクタデシルジメチルシリル)マレイミド、N−(ベンジルジメチルシリル)マレイミド、N−(メチルジブチルシリル)マレイミド、N−(フェニルジメチルシリル)マレイミド、N−(p−メトキシフェニルジメチルシリル)マレイミド、N−(p−トルイルジメチルシリル)マレイミド、N−(トリフェニルシリル)マレイミド、N−(トリブチルチン)マレイミド、N−(トリオクチルチン)マレイミド、N−(ジイソブチルアルミニウム)マレイミド、N−(ジエチルアルミニウム)マレイミド、水銀マレイミド、銀マレイミド、カルシウムマレイミド、カリウムマレイミド、ナトリウムマレイミド、リチウムマレイミド等の金属イミド類が挙げられる。
【0024】
ここで、金属イミドとは、イミドから誘導される金属イミド、あるいはこれらの混合物であり、具体的にはイミドとIA族、IIA族、IB族、IIB族、IIIB族及びIVB族から選択される金属との反応により得られるイミド化合物である。この金属イミド化合物の合成法は、特に限定するものではなく、公知の方法で合成できる。例えば、IA及びIIA族金属のイミド化合物は、リチウム、ブチルリチウム、ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、臭化メチルマグネシウム、塩化ブチルマグネシウム等のIA及びIIA族金属化合物とイミド化合物を反応させることで合成できる。又、IB及びIIB金属のイミド化合物は、硝酸銀、塩化銀、塩化水銀等のIB及びIIB金属化合物とイミド化合物をアルカリの存在下で反応させることで合成できる。IIIB及びIVB族金属のイミド化合物は、トリメチルシリルクロリド、トリブチルシリルクロリド、トリブチルチンクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のIIIB及びIVB族の金属塩化物とイミド化合物をアルカリの存在下で反応させたり、前記のIIIB及びIVB族の金属塩化物とIA、IIA、IB、IIB族の金属イミド化合物を反応させたり、又、トリブチルチンヒドリド、トリイソブチルアルミニウムヒドリド等のIIIB及びIVB族の金属ヒドリドとイミド化合物を反応させることで合成できる。具体的には、Polymer Journal,24,679(1992)によれば、N−(トリアルキルシリル)マレイミドは、マレイミド又は銀マレイミドとトリアルキルシリルクロリドを3級アミン化合物存在下で反応させ、次いで蒸留または再結晶して合成される。また、Journalof Organic Chemistry,39,21(1974)によれば、銀マレイミドは、マレイミドと硝酸銀をエタノ−ル/ジメチルスルホキシド中で苛性ソ−ダ存在下で反応させて合成される。
【0025】
ピロール含有化合物としては、ピロール環構造を有する化合物であればいかなる化合物でもよく、特に制限はないが、例えば、ピロール、2,5−ジメチルピロール、3,4−ジメチルピロール、2,4−ジメチル−3−エチルピロール、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テトラクロロピロール、2−アセチルピロール、3−アセチル−2,4−ジメチルピロール、ピロール−2−カルボン酸、ピロール−2−カルボキサルデヒド、エチル−2,4−ジメチル−5−(エトキシカルボニル)−3−ピロール−プロピオネート、エチル−3,5−ジメチル−2−ピロールカルボキシレート、テトラヒドロインドール等のピロール、リチウムピロリド、ナトリウムピロリド、カリウムピロリド、セシウムピロリド、ジエチルアルミニウムピロリド、エチルアルミニウムジピロリド、アルミニウムトリピロリド、ジイソブチルアルミニウムピロリド、ナトリウム−2,5−ジメチルピロリド、カリウム−2,5−ジメチルピロリド、セシウム−2,5−ジメチルピロリド、ジエチルアルミニウム−2,5−ジメチルピロリド、エチルアルミニウムビス(2,5−ジメチルピロリド)、アルミニウムトリス(2,5−ジメチルピロリド)、ジイソブチルアルミニウム−2,5−ジメチルピロリド等の金属ピロリドが挙げられる。
【0026】
エーテル化合物としては、エーテル結合を有する化合物であればいかなる化合物でもよく、特に制限はないが、例えば、ジエチルエ−テル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ピラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらのうち活性の面から、マレイミド、N−(トリメチルシリル)マレイミド、ピロール、2,5−ジメチルピロール、ジメトキシエタンが好ましく用いられる。また、これらヘテロ元素含有有機化合物はそれぞれ単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。
【0027】
本発明における、前記(A)クロム化合物、(B)アルキル金属化合物及び必要に応じて用いる(C)ヘテロ元素含有有機化合物の混合割合は、(A)クロム化合物1モルに対して、(B)アルキル金属化合物は通常、0.1〜10,000当量であり、好ましくは3〜3,000当量、より好ましくは10〜2,000当量である。また、必要に応じて用いる(C)ヘテロ元素含有有機化合物の使用量は、(A)クロム化合物1モルに対して通常、0.1〜1,000当量であり、好ましくは0.5〜500当量、より好ましくは1〜300当量である。
【0028】
本発明のクロム系触媒は、前記の(A)クロム化合物、(B)アルキル金属化合物及び必要に応じて(C)ヘテロ元素含有有機化合物を原料として、溶媒中で接触させることにより調製できる。接触方法は特に制限されないが、例えば、三量化反応原料であるエチレンの存在下に(A)クロム化合物、(B)アルキル金属化合物及び(C)ヘテロ元素含有有機化合物を接触させて触媒を調製し、接触と同時に三量化反応を開始する方法、または(A)クロム化合物、(B)アルキル金属化合物及び(C)ヘテロ元素含有有機化合物を前もって接触させて触媒を調製した後、エチレンと接触させて三量化反応を行う方法が採られる。なお、これらの原料の混合順序は特に制限はされない。
【0029】
この触媒系を調製する際の、クロム化合物の濃度は特に制限されないが、通常溶媒1リットルあたり、0.001マイクロモル〜100ミリモル、好ましくは0.01マイクロモル〜10ミリモルの濃度で使用される。またここで用いられる溶媒としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類及び塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等の塩素化炭化水素類が挙げられる。また反応原料のオレフィンそのもの、あるいは反応生成物、例えば、ブテン、1−ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン等のオレフィン類を溶媒として用いることもできる。これらの溶媒はそれぞれ単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。ここで、触媒調製時の触媒濃度をコントロ−ルする目的で、必要に応じて濃縮や希釈しても差し支えない。
【0030】
また、クロム化合物、アルキル金属化合物及びヘテロ元素有機化合物を接触させる際の温度は通常−100〜250℃、好ましくは0〜200℃である。触媒系の調製時間は特に制限されず、通常0分〜24時間、好ましくは0分〜2時間である。なお、触媒調製のすべての操作は、空気と水分を避けて行なうことが望ましい。また、触媒調製原料および溶媒は十分に乾燥しておくことが好ましい。
本発明によれば、上記の如く調製されたクロム系触媒に、所望に応じて更に、塩素、臭素、ヨウ素、ブチルクロリド、アミルクロリド、ヘキシルクロリド、ヘプチルクロリド、オクチルクロリド、ノニルクロリド、デシルクロリド、ラウリルクロリド、メチルブロミド、プロピルブロミド、ブチルブロミド、アミルブロミド、ヘキシルブロミド、エチルヘキシルブロミド、ノニルブロミド、セチルブロミド、ジブロモメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、ジクロロブテン、シクロヘキシルブロミド、クロロホルム、四塩化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、四塩化ケイ素、四塩化ゲルマニウム、四臭化ゲルマニウム、塩化第一スズ、塩化第二スズ、ヨウ化スズ、三塩化リン、五塩化リン、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三臭化アンチモン、三フッ化アンチモン、五フッ化アンチモン、ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド、ジメチルアルミニウムアイオダイド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオダイド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、ジヘキシルアルミニウムクロリド、ジシクロヘキシルアルミニウムクロリド、ジオクチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、トリメチルシリルクロリド、トリメチルシリルブロミド、ジメチルシリルジクロリド、メチルシリルトリクロリド、フェニルシリルトリクロリド、ジフェニルシリルジクロリド、メチルジクロロシラン、トリブチルチンクロリド、ジブチルチンジクロリド、ブチルチントリクロリド、トリフェニルチンクロリド、ジフェニルチンジクロリド、フェニルチントリクロリド等のハロゲン化物やトリス(2−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3−フルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(2,4−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(2,4,5−トリフルオロフェニル)ボロン、トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ゲルマニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)スズ、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボロン等のルイス酸を添加し、クロム系触媒として供される。ハロゲン化物やルイス酸の共存により触媒活性の向上やポリマーの副生を抑制する等の効果が認められる。
【0031】
このようにして調製されたクロム系触媒を用いてエチレンの三量化反応が行なわれる。本発明においてクロム系触媒の使用量は特に制限されないが、通常、前記溶媒で希釈し、三量化反応液1リットルあたり、クロム化合物が0.001マイクロモル〜100ミリモル、好ましくは0.01マイクロモル〜10ミリモルの濃度で使用される。これより小さい触媒濃度では十分な活性が得られず、逆にこれより大きい触媒濃度では、触媒活性が増加せず経済的でない。
【0032】
本発明における三量化反応の温度は、通常−100〜250℃であるが、好ましくは0〜200℃である。反応圧力は、絶対圧で通常0〜300kg/cm2であり、好ましくは0〜150kg/cm2である。また、反応時間は温度や圧力に左右され、一概に決めることはできないが、通常5秒〜6時間である。また、エチレンは、前記の圧力を保つように連続的に供給してもよいし、反応開始時に前記圧力で封入して反応させてもよい。原料ガスであるエチレンには、反応に不活性なガス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等が含まれても何ら差し支えない。なお、三量化反応のすべての操作は、空気と水分を避けて行うことが望ましい。また、エチレンは十分に乾燥しておくことが好ましい。
【0033】
このようにしてエチレンを三量化して得られた反応生成液に、水、及びメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール等のアルコ−ル類、フェノール、クレゾール等のフェノール類及び酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸等のカルボン酸類、またはアンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液等の失活剤を添加してクロム系触媒の失活を行う。
【0034】
本発明においては、このようにして触媒を失活処理して得られた反応生成液を先ず100℃以上に保持し、そのままの状態で水を導入して、クロム系触媒に含有される金属成分の脱灰処理を行う。ここで、クロム系触媒に含有される金属成分の脱灰処理とは、反応生成液中のクロム系触媒に含有されるクロムやアルミニウム等の金属を水により抽出し、その水を反応生成液と分離して、金属成分を反応生成液から除去することを意味する。反応生成物と水との接触は、公知の抽出装置を用いればよく、例えば、撹拌槽と静置式分離槽を組み合わせて使用することが好ましい。これらの装置は1段でも多段でもよく、また回分式でも連続式でもよい。
【0035】
本発明において水の添加量は、反応生成液に対して20〜200容量%、好ましくは30〜200容量%である。水の添加量が反応生成液に対して20容量%より少ない場合には、反応生成液中に含まれる金属成分が十分に除去できない。水の添加量が反応生成液に対して200容量%より多い場合には、抽出効率は増加せず、また前記抽出装置が大きくなるため、経済性が喪失する。この水の添加にあたり、触媒中の金属成分が水酸化物、即ち水酸化クロムや水酸化アルミニウムの形で析出することを防ぐことが重要である。これらの水酸化物の析出を防ぐには、水に硫酸や硝酸等の酸性化合物、または水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ性化合物を共存させることが望ましい。これらのうち取り扱い易さや経済性の面から、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく用いられる。アルカリ性化合物の添加量は、特に制限されるものではないが、好ましくは水溶液のPHが11以上、さらに好ましくはPH12以上になるように添加される。アルカリ性化合物の添加の場合、水溶液のPHが11より小さいとクロムが水酸化物として析出し、クロムの脱灰が実質的に行うことができない。
【0036】
ここにおいて失活処理終了後の反応生成液の温度を100℃以上に保持することが必要である。脱灰処理時の反応生成液の温度は、100〜180℃、好ましくは100〜150℃である。反応生成液の温度が100℃より低い場合は、三量化反応で副生したポリマーが固形状態で析出し、失活処理時の反応器、制御弁や配管等の装置を詰まらせたり、それに起因するトラブルの発生を招く。また、使用したクロム系触媒の金属成分の大半は固形ポリマー中に含まれるため、金属成分は固形ポリマーから除去されず、反応生成液中に残存する結果となる。反応生成液の温度が180℃より高い場合では、ポリマーは、実質的に完全に溶解しており、これ以上の効果は発現せず、経済的でない。この三量化反応によって副生するポリマーの生成量は反応条件によって一律ではないが、通常は1−ヘキセン生成量に対して0.01〜5重量%であり、反応生成液を100℃以上に保持することによって溶融し、安定した運転を続行できるとともに、ポリマー中の金属成分も効率よく除去できる。脱灰処理の圧力は、反応生成液が液状態を維持できれば、特に制限されないが、通常2kg/cm2以上、好ましくは5kg/cm2以上である。また脱灰処理時間は温度や圧力に左右され、一概に決めることはできないが、通常5秒〜1時間である。
【0037】
本発明の脱灰処理においては、このように加熱して、さらに撹拌して脱灰処理が行われる。ここで、脱灰処理は反応生成液中の金属成分の水による抽出であるから、水の液滴分散、即ち接触界面積の大小が重要な因子となる。この撹拌においては、反応生成液と水との接触界面積を大きくして、脱灰効率を向上させるため、反応生成液と水の混合物の単位容積当たり1KW/m3以上の撹拌所要動力で処理系を撹拌する。好ましくは2〜100KW/m3にすることが好ましい。撹拌所要動力が1KW/m3より小さい場合、反応生成液中の金属成分が十分に脱灰されない。逆に、100KW/m3より大きい場合では、接触界面積が増加せず経済的ではない。
【0038】
このように加熱条件下で反応生成液に水を導入して、撹拌した後に、反応生成液と水の混合物は、静置され油相と水相に二相分離される。静置時間は通常1分〜1時間で十分である。静置後、油水分離して脱灰処理が完了する。
【0039】
本発明においては、このように三量化反応終了後、反応生成液に失活剤を導入してクロム系触媒を失活させ(クロム系触媒の失活工程)、次いで廃金属の脱灰処理を行い(触媒の脱灰工程)、さらに1−ヘキセンと溶媒を蒸留(1−ヘキセンと溶媒の分留工程)によって分離回収する。なお、未反応エチレンの回収工程は失活工程の前でも後でも構わない。また、前記未反応エチレン回収工程、触媒の失活工程、1−ヘキセンと溶媒の分留工程時の温度は特に制限されない。回収された未反応エチレン及び溶媒は必要に応じて三量化反応系にリサイクルされる。また、本反応においてはエチレンの三量化反応により、1−ヘキセンとともに少量の炭素数10及び14の高沸オレフィンが生成する。この高沸オレフィンは多段形式の蒸留処理によって、所望の各種高沸オレフィンを得ることができる。これら高沸オレフィンも必要に応じて三量化反応系に溶媒としてリサイクルしてもよい。
【0040】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すもので、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
1lシュレンク管にマレイミド14.5mg(0.15mmol)を秤取り乾燥シクロヘキサン400mlに溶解させ、0.01mol/lのクロム(III)トリス(2−エチルヘキサノエート)/シクロヘキサン溶液5.0mlを入れ混合した。0.12mol/lのトリエチルアルミニウム/シクロヘキサン溶液11.0mlと0.04mol/lのエチルアルミニウムジクロリド/シクロヘキサン溶液5.0mlの混合物を加え、室温で1時間撹拌して、触媒溶液を調製した。
【0041】
反応装置として、三量化反応器(1l)と脱灰槽(2l)をオーバーフロー管で接続した装置を使用した。
【0042】
温度計、触媒溶液フィード管及び撹拌装置を備えた内容積1lのステンレス製耐圧反応容器を90℃で加熱真空乾燥したのち窒素ガスで十分置換した。前記の触媒溶液を全量容器に仕込んだ。撹拌速度を1,000rpmに調整し、反応容器を120℃に加熱後、反応容器内の絶対圧力を40kg/cm2となるようにエチレンガスを吹き込みエチレンの三量化反応を開始した。以後、前記圧力を維持するように導入し続け、これらの反応条件を保った状態で10分反応を行なった。10分後、反応容器中に水を窒素で圧入することによって触媒を失活させて反応を停止した。反応生成液の一部を抜き出し、反応液中に含まれる生成物をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果、触媒活性は93.1kg/g−Cr・時間、オレフィンの選択率はC4;0.1重量%、C6;90.3重量%、C8;0.3重量%、C10;7.6重量%、C12以上のオレフィン;1.7重量%であった。
【0043】
失活処理して得られた反応生成液は100℃を保持した状態で、オーバーフロー管を通して別途配置された温度計、サンプリング管、撹拌装置、4枚邪魔板 (幅1.1cm)および4枚ファンタービン(翼径7cm、リボン幅1.2cm、撹拌翼の取り付け角度90度)を備えた内容積2lのステンレス製耐圧反応容器(槽径10.5cm、槽高さ24cm)に圧送した。反応生成液が700mlになるようにシクロヘキサンを新たに必要量加え、表1に示す所定温度で加熱撹拌した。次にPH12に調整した水酸化ナトリウム水溶液210mlを加え、表1に示す条件で脱灰処理を行った。水相に含まれる金属量を高周波プラズマ発光分光法(ICP)により分析し、反応生成液中の金属成分の脱灰率(脱灰処理前の反応生成液中に含まれる金属に対する脱灰処理後の反応生成液中に含まれる金属の重量%)を計算した。結果を表1に示す。
【0044】
実施例2
表1に示す条件で反応生成液中の金属成分の脱灰処理を行ったこと以外、実施例1と同様にして三量化反応、失活処理および脱灰処理を行なった。結果を表1に示す。
【0045】
実施例3
温度計、触媒溶液フィード管及び撹拌装置を備えた内容積1lのステンレス製耐圧反応容器を90℃で加熱真空乾燥したのち窒素ガスで十分置換した。0.01mol/lのクロム(III)トリス(2−エチルヘキサノエート)/シクロヘキサン溶液5.0ml、0.10mol/lの2,5−ジメチルピロール1.5ml及びシクロヘキサン350mlを反応容器胴側に仕込み、エチレンで十分置換した。一方、触媒フィード管に0.50mol/lのトリエチルアルミニウム/シクロヘキサン溶液3.0ml、0.10mmol/lの四塩化ゲルマニウム/シクロヘキサン溶液1.0mlを仕込んだ。
【0046】
反応容器を120℃に加熱し、撹拌速度を1,000rpmに調整後、触媒フィード管にエチレンを導入し、エチレン圧によりトリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドの混合溶液が反応容器胴側に導入され、エチレンの三量化反応を開始した。反応容器内の絶対圧力を40kg/cm2となるようにエチレンガスを吹き込み、以後、前記圧力を維持するように導入し続け、これらの反応条件を保った状態で30分間、エチレンの三量化反応を行なった。30分後、反応容器中に水酸化ナトリウム水溶液を窒素で圧入することによって触媒を失活させて反応を停止した。反応生成液の一部を抜き出し、反応液中に含まれる生成物をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果、触媒活性は66.6kg/g−Cr・時間、オレフィンの選択率はC4;0.1重量%、C6;95.0重量%、C8;0.5重量%、C10;3.7重量%、C12以上のオレフィン;0.7重量%であった。
【0047】
上記のエチレンの三量化反応と失活処理を行ったこと以外、実施例1と同様にして脱灰処理を行なった。結果を表1に示す。
【0048】
実施例4
撹拌装置を備えたシュレンク管を加熱真空乾燥して、次いで窒素ガスで十分置換したのち、0.195mol/lのトリイソブチルアルミニウム/シクロヘキサン溶液98.3mlを入れ、氷水浴で冷却した。氷冷下、撹拌しながら、259mgの水をゆっくり滴下し、1時間撹拌を継続しながら保持して、0.195mol/lのイソブチルアルミノキサン/シクロヘキサン溶液を合成した。
【0049】
1lシュレンク管に前記0.195mol/lイソブチルアルミノキサン/シクロヘキサン溶液30.8ml(Al換算6.0mmol)、1,2−ジメトキシエタン0.27g(3.0mmol)と乾燥シクロヘキサン550mlを入れ、次いで0.1mol/lのクロム(III)トリス(2−エチルヘキサノエート)/シクロヘキサン溶液2.0mlを入れ混合し、室温で1時間撹拌して、触媒溶液を調製した。
【0050】
温度計、触媒溶液フィード管及び撹拌装置を備えた内容積1lのステンレス製耐圧反応容器を90℃で加熱真空乾燥したのち窒素ガスで十分置換した。前記の触媒溶液を全量容器に仕込んだ。撹拌速度を1,000rpmに調整し、反応容器を100℃に加熱後、反応容器内の絶対圧力を35kg/cm2となるようにエチレンガスを吹き込みエチレンの三量化反応を開始した。以後、前記圧力を維持するように導入し続け、これらの反応条件を保った状態で30分反応を行なった。30分後、反応容器中に水酸化ナトリウム水溶液を窒素で圧入することによって触媒を失活させて反応を停止した。反応生成液の一部を抜き出し、反応液中に含まれる生成物をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果、触媒活性は5.2kg/g−Cr・時間、オレフィンの選択率はC4;1.1重量%、C6;86.8重量%、C8;5.2重量%、C10;6.0重量%、C12以上のオレフィン;0.9重量%であった。
【0051】
上記のエチレンの三量化反応と失活処理を行ったこと以外、実施例1と同様にして脱灰処理を行なった。結果を表1に示す。
【0052】
比較例1〜4
表1に示す条件で反応生成液中の金属成分の脱灰処理を行ったこと以外、実施例1と同様にして三量化反応、失活処理および脱灰処理を行なった。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、エチレンを三量化して1−ヘキセンを製造する方法において、エチレンの三量化反応に用いたクロム系触媒の金属成分を反応終了後に脱灰処理する際に、副生するポリマーを系外へ取り出すことなく、また脱灰処理時の反応器、制御弁、配管、ポンプ等の装置を詰まらせることなく、さらに使用した触媒の金属成分を反応生成液から極めて低濃度にまで除去することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a process for producing 1-hexene by trimerization of ethylene. More specifically, in the process of decalcifying the metal component of the chromium catalyst used in the ethylene trimerization reaction, the by-product polymer is not taken out of the system and the reactor and control during the deashing process are removed. The present invention relates to a method for producing 1-hexene, which can further remove a metal component of a used catalyst from a reaction product liquid to a very low concentration without clogging devices such as valves, pipes and pumps. 1-hexene obtained by the present invention is a very useful compound as a raw material comonomer and a plasticizer raw material of linear low density polyethylene (LLDPE).
[0002]
[Prior art]
In the reaction of trimerizing ethylene, it is known to produce 1-hexene using a chromium-based catalyst. For example, in US Pat. No. 3,347,840 and JP-A-62-265237, a catalyst system comprising a chromium compound, ether compounds such as aluminoxane and dimethoxyethane is disclosed in JP-A-6-239920. , A chrome compound, a pyrrole-containing compound, and a catalyst system comprising a metal alkyl, and JP-A-8-59732 discloses a catalyst system comprising a chrome compound, an imide compound and a metal alkyl.
[0003]
This production process is generally roughly divided into a trimerization reaction step, an unreacted ethylene recovery step, a catalyst deactivation step and a decalcification step, and a 1-hexene and solvent fractionation step. By the way, in the trimerization of ethylene using the chromium catalyst system, any catalyst by-product is unavoidable. Therefore, in these processes, one of the most important technical issues is the handling of by-produced polymers. That is, the by-produced polymer is gradually formed in the reactor, control valve, piping, pump, and other devices in the unreacted ethylene recovery process, catalyst deactivation process, and deashing process, which may cause clogging. This may hinder stable operation such as inhibiting heat transfer.
[0004]
In addition, if the metal component of the catalyst used remains in the target product 1-hexene, it may adversely affect the quality of the product or cause clogging of the distillation column in the fractionation process of 1-hexene and solvent. The metal component of the catalyst used must be removed from the reaction product solution.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In view of this, Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-149671 discloses a method for producing an α-olefin low polymer using a chromium-based catalyst, by controlling the low polymerization reaction under specific reaction conditions, thereby reducing the by-product polymer in the reaction solution. A process is disclosed in which the shape is specific and the by-product polymer is removed out of the system using a solid-liquid separator with a specific structure. However, in such a method, it is necessary to install a new apparatus required for removing the by-product polymer, and it is inevitable that the cost and service cost increase. In addition, since most of the metal component of the chromium catalyst used is contained in the solid polymer, the polymer mixed with chromium or aluminum is removed from the reaction solution, and the post-treatment of the polymer requires time and labor. there were. Furthermore, since the by-product polymer has a specific shape, the reaction conditions are limited, and the catalytic activity cannot be increased.
[0006]
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems, and its object is to terminate the reaction of the metal component of the chromium-based catalyst used in the trimerization reaction of ethylene in a process for trimerizing ethylene to produce 1-hexene. The catalyst metal used in the deashing process without taking out the by-product polymer out of the system and without clogging the reactor, control valve, piping, pump, etc. during the deashing process. It is an object of the present invention to provide a method for producing 1-hexene capable of removing components from a reaction product solution to a very low concentration.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the inventors of the present invention produced a 1-hexene by trimerizing ethylene in the presence of a chromium-based catalyst. When the catalyst is deactivated and then a specific amount of water is introduced into the reaction product liquid and heated and stirred at a specific temperature and condition, the by-product polymer is not taken out of the system, and the reactor during the deactivation treatment, The present inventors have found that the metal components of the used catalyst can be removed from the reaction product liquid to a very low concentration without clogging devices such as control valves, piping, and pumps, and have completed the present invention.
[0008]
That is, the present invention is a method for producing 1-hexene by trimerizing ethylene in the presence of a chromium-based catalyst. After completion of the trimerization reaction, the chromium-based catalyst is deactivated, and then the reaction product solution is heated at 100 to 180 ° C. 20 to 200% by volume of water with respect to the reaction product solution was introduced into the treatment system while maintaining the temperature of 1 KW / m per unit volume. Three The present invention relates to a method for producing 1-hexene, which includes a decalcification treatment step in which a treatment system is stirred with the above required power for stirring to remove a metal component contained in a chromium catalyst from a reaction product solution.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be described in more detail.
[0010]
In the present invention, 1-hexene is obtained by trimerizing ethylene in the presence of a chromium-based catalyst. The chromium-based catalyst is at least one selected from the group consisting of at least (A) a chromium compound, (B) an alkyl metal compound, and (C) an imide compound, a pyrrole-containing compound, and an ether compound used as desired. It consists of hetero element-containing organic compounds.
[0011]
Although it does not restrict | limit especially as (A) chromium compound used by this invention, For example, following General formula (1)
CrA m B n (1)
(In the formula, m is an integer of 1 to 6, n is an integer of 0 to 4. A is an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, aryl group, arene, alkoxy group, carboxylate group, β- Represents one or more selected from the group consisting of a diketonate group, a β-ketoester group and an amide group, a halogen atom, a hydroxyl group, a nitric acid group, a sulfuric acid group, a perchloric acid group, a carbonyl and oxygen, and B is a nitrogen-containing compound, (It represents one or more selected from the group consisting of phosphorus-containing compounds, arsenic-containing compounds, antimony-containing compounds, oxygen-containing compounds and sulfur-containing compounds)
Is preferably used.
[0012]
In the general formula (1), the alkyl group having 1 to 20 carbon atoms is not particularly limited. For example, a methyl group, an ethyl group, a butyl group, an allyl group, a neopentyl group, a cyclopentadienyl group, Examples include a pentamethylcyclopentadienyl group or a trimethylsilylmethyl group. The aryl group having 6 to 20 carbon atoms is not particularly limited, and examples thereof include a phenyl group and a toluyl group. Although it does not specifically limit as a C6-C20 arene, For example, benzene, ethylbenzene, hexamethylbenzene, etc. are mentioned. Although it does not specifically limit as a C1-C20 alkoxy group, For example, a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, a butoxy group, a hexyloxy group, a stearyloxy group, a phenoxy group etc. are mentioned. The carboxylate group having 1 to 20 carbon atoms is not particularly limited, but examples thereof include acetate group, propionate group, butyrate group, neopentanoate group, 2-ethylhexanoate group, oxy-2 -Ethylhexanoate group, isooctanoate group, dichloroethylhexanoate group, laurate group, stearate group, oleate group, benzoate group, or naphthenate group. Although it does not specifically limit as C1-C20 (beta) -diketonate group, For example, acetylacetonate group, trifluoroacetylacetonate group, hexafluoroacetylacetonate group, 2,2,6,6- Examples thereof include a tetramethyl-3,5-heptanedionate group, a 1,3-butanedionate group, a 2-methyl-1,3-butanedionate group, and a benzoylacetonate group. Although it does not specifically limit as a C1-C20 (beta) -ketoester group, For example, an acetyl acetate group etc. are mentioned. The amide group is not particularly limited, and examples thereof include a dimethylamide group and a dicyclohexylamide group. Although it does not specifically limit as a halogen atom, For example, a fluorine, chlorine, a bromine, or an iodine is mentioned.
In the general formula (1), the nitrogen-containing compound is not particularly limited, and examples thereof include amines, pyridines, amides, and nitriles. Although it does not specifically limit as a phosphorus compound, For example, a phosphine, a phosphite, or a phosphine oxide is mentioned. Although it does not specifically limit as an antimony containing compound, For example, a triaryl antimony or a trialkylantimony etc. are mentioned. Although it does not specifically limit as an oxygen containing compound, For example, they are water, carboxylic anhydride, ester, ether, alcohol, a ketone, etc., As a sulfur containing compound, it does not specifically limit, For example, two Examples thereof include carbon sulfide, sulfone, thiophene, and sulfide.
[0013]
The chromium compound represented by the general formula (1) is not particularly limited. For example, chromium (II) dimethyl, chromium (III) trimethyl, chromium (IV) tetramethyl, chromium (III) tris (η -Allyl), dichrome (II) tetrakis (η-allyl), chromium (IV) tetrakis (neopentyl), chromium (IV) tetrakis (trimethylsilylmethyl), chromium (II) bis (cyclopentadienyl), chromium (II ) Bis (pentamethylcyclopentadienyl), chromium (III) tris (π-allyl), chromium (IV) tetrakis (π-allyl), chromium (II) diphenyl, chromium (0) bis (benzene), chromium ( II) Diphenyl (benzene), chromium (0) bis (ethylbenzene), chromium (0) bis (hex) Methylbenzene), chromium (I) cyclopentadienyl (benzene), chromium (IV) tetramethoxide, chromium (IV) tetraethoxide, chromium (IV) tetrapropoxide, chromium (IV) tetrabutoxide, chromium (IV ) Tetrahexyl oxide, chromium (IV) tetrastearyl oxide, chromium (IV) tetraphenoxide, chromium (II) bis (acetate), chromium (III) tris (acetate), chromium (II) bis (propionate), chromium (III ) Tris (propionate), chromium (III) tris (butyrate), chromium (II) bis (2-ethylhexanoate), chromium (III) tris (2-ethylhexanoate), chromium (II) bis (isooctane) -G), chromium (III) tris (iso Tantalate), chromium (III) tris (oxy-2-ethylhexanoate), chromium (III) tris (dichloroethylhexanoate), chromium (III) tris (neopentanoate), chromium (II) Bis (neopentanoate), chromium (III) tris (laurate), chromium (II) bis (laurate), chromium (III) tris (stearate), chromium (II) bis (stearate), chromium (III) Tris (oleate), chromium (II) bis (oleate), chromium (III) tris (benzoate), chromium (II) bis (naphthenate), chromium (III) tris (naphthenate), chromium (II) oxalate, chromium (II ) Bis (acetylacetonate), chromium (III) tris (acetylacetonate) ), Chromium (III) tris (trifluoroacetylacetonate), chromium (III) tris (hexafluoroacetylacetonate), chromium (III) tris (2,2,6,6-tetramethyl-3,5 -Heptane dionate), chromium (III) tris (1,3-butane dionate), chromium (III) tris (2-methyl-1,3-butane dionate), chromium (III) tris (benzoylacetonate) , Chromium (III) tris (acetylacetate), chromium (III) tris (dimethylamide), chromium (III) tris (dicyclohexylamide), primary chromium fluoride, secondary chromium fluoride, primary chromium chloride, Dichromium, Chromium bromide, Chromium bromide, Chromium iodide, Chromium iodide, Cromyl chloride , Chromium perchlorate, hydroxychromium dichloride, chromium nitrate, chromium sulfate and the like.
[0014]
Further, trichlorotrianiline chromium (III), dichlorobis (pyridine) chromium (II), dichlorobis (4-ethylpyridine) chromium (II), trichlorotripyridine chromium (III), trichlorotris (4-isopropylpyridine) chromium (III ), Trichlorotris (4-ethylpyridine) chromium (III), trichlorotris (4-phenylpyridine) chromium (III), trichloro (1,4,7-trimethyl-1,4,7-triazacyclononane) chromium (III), dichlorodinitrosylbis (4-ethylpyridine) chromium (II), dichlorodinitrosylbis (triphenylphosphine oxide) chromium (II), dichlorobis (triphenylphosphine oxide) chromium (II), trichlorotris (trifer Nylphosphine) chromium (III), trichlorobis (tributylphosphine) chromium (III) dimer, trichlorotris (butyl acetate) chromium (III), trichlorotris (ethyl acetate) chromium (III), trichlorotris (tetrahydrofuran) chromium (III ), Trichlorotris (dioxane) chromium (III), trichlorotris (iso-propanol) chromium (III), trichlorotris (2-ethylhexanol) chromium (III), triphenyltris (tetrahydrofuran) chromium (III), chromium ( III) Tris (acetate) acetic anhydride adduct, hydridotricarbonyl (η-cyclopentadienyl) chromium (III) and the like.
[0015]
Of these, from the viewpoint of ease of handling and stability, a chromium carboxylate compound having a carboxylate group and a chromium β-diketonate compound having a β-diketonate group are preferably used. More preferably, chromium (III) tris (2-ethylhexanoate), chromium (III) tris (naphthenate), chromium (III) tris (acetylacetonate), chromium (III) tris (trifluoroacetylacetonate) Chromium (III) tris (2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptanedionate) is used. The chromium compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0016]
The (B) alkyl metal compound used in the present invention is not particularly limited. For example, the following general formula (2)
R p MX q (2)
(Wherein p is a number of 0 <p ≦ 3, q is a number of 0 ≦ q <3, and p + q is a number of 1 to 3. M is lithium, magnesium, zinc, boron or Represents aluminum, R represents one or more selected from alkyl groups having 1 to 10 carbon atoms, and X represents one or more selected from the group consisting of a hydrogen atom, an alkoxy group, an aryl group, and a halogen atom.
The compound shown by these, or aluminoxane is mentioned as a suitable thing.
[0017]
In the general formula (2), the alkyl group having 1 to 10 carbon atoms is not particularly limited, and examples thereof include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a cyclohexyl group, and an octyl group. It is done. Although it does not specifically limit as an alkoxy group, For example, a methoxy group, an ethoxy group, a butoxy group, or a phenoxy group etc. are mentioned. Although it does not specifically limit as an aryl group, For example, a phenyl group etc. are mentioned. Although it does not specifically limit as a halogen atom, For example, a fluorine, chlorine, a bromine, or an iodine is mentioned.
[0018]
In the general formula (2), when M is Al and p and q are 1.5 respectively, AlR 1.5 X 1.5 It becomes. Such compounds do not exist in theory, but are usually conventionally Al 2 R Three X Three These compounds are also included in the present invention.
[0019]
Examples of the alkyl metal compound represented by the general formula (2) include methyl lithium, ethyl lithium, propyl lithium, n-butyl lithium, s-butyl lithium, t-butyl lithium, diethyl magnesium, ethyl butyl magnesium, and ethyl chloro. Magnesium, ethylbromomagnesium, dimethylzinc, diethylzinc, dibutylzinc, trimethylborane, triethylborane, trimethylaluminum, triethylaluminum, triisobutylaluminum, tri-n-hexylaluminum, tri-n-octylaluminum, tricyclohexylaluminum, dimethyl Ethyl aluminum, diethyl aluminum hydride, diisobutyl aluminum hydride, diethyl aluminum ethoxide, diethyl aluminum Enoxide, dicyclohexylphenylaluminum, ethylaluminum ethoxychloride, diethylaluminum chloride, diethylaluminum bromide, diisobutylaluminum chloride, dicyclohexylaluminum chloride, methylaluminum sesquichloride, ethylaluminum sesquichloride, butylaluminum sesquichloride, ethylaluminum dichloride, isobutylaluminum dichloride, etc. Is mentioned.
[0020]
The aluminoxane used in the present invention is a hydrolysis product obtained by reacting the above alkylaluminum compound and water at a quantitative ratio within a certain range. The method for hydrolyzing the alkylaluminum compound is not particularly limited and can be synthesized by a known method. For example, (1) a method in which water is brought into contact with an alkylaluminum compound as it is or in a dilute solution of an organic solvent, (2) an alkylaluminum compound and magnesium chloride hexahydrate, iron sulfate heptahydrate, copper sulfate pentahydrate The method of making it react with the crystal water of a metal salt etc. is taken. Specifically, it is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-265237 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-148491. The molar ratio of the alkylaluminum compound and water during the hydrolysis is 1: 0.4 to 1: 1.2, preferably 1: 0.5 to 1: 1.0.
[0021]
Of these alkyl metal compounds, triethylaluminum and triisobutylaluminum are preferably used from the viewpoint of availability and activity. These alkyl metal compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0022]
Furthermore, the (C) hetero element-containing organic compound used as desired includes at least one compound selected from the group consisting of an imide compound, a pyrrole-containing compound and an ether compound. The imide compound may be any compound having an imide structure and is not particularly limited. For example, maleimide, 1-chloroethene-1,2-dicarboximide, 1-bromoethene-1,2-dicarboxy Imido, 1-fluoroethene-1,2-dicarboximide, 1-trifluoromethylethene-1,2-dicarboximide, 1,2-dichloroethene-1,2-dicarboximide, citraconic imide, 2- Butene-2,3-dicarboximide, 1-cyclopentene-1,2-dicarboximide, succinimide, α, α-dimethyl-β-methylsuccinimide, α-methyl-α-propylsuccinimide, glutarimide, 3,3 -Dimethylglutarimide, bemegrid, phthalimide, 3,4,5,6-tetrac Lorophthalimide, 1,2-cyclohexanedicarboximide, 1,2,3,6-tetrahydrophthalimide, 1,2,3,4-tetrahydrophthalimide, 3,4,5,6-tetrahydrophthalimide, 1,8-na Phthalimide, 2,3-naphthalenedicarboximide, cycloheximide, N-chlorosuccinimide, N-bromosuccinimide, N-iodosuccinimide, N- (methoxycarbonyl) maleimide, N- (hydroxy) maleimide, N- ( And imides such as carbamoyl) maleimide.
[0023]
Further, N- (trimethylsilyl) maleimide, N- (trimethylsilyl) succinimide, N- (trimethylsilyl) citraconimide, N- (trimethylsilyl) -2-butene-2,3-dicarboximide, N- (trimethylsilyl) -1- Cyclopentene-1,2-dicarboximide, N- (trimethylsilyl) -3,4,5,6-tetrahydrophthalimide, N- (trimethylsilyl) succinimide, N- (triethylsilyl) maleimide, N- (tri-n-propyl) Silyl) maleimide, N- (tri-n-butylsilyl) maleimide, N- (tri-n-hexylsilyl) maleimide, N- (tribenzylsilyl) maleimide, N- (n-butyldimethylsilyl) maleimide, N- ( t-butyldimethylsilyl) maleimide, N (Dimethylzexylsilyl) maleimide, N- (n-octyldimethylsilyl) maleimide, N- (n-octadecyldimethylsilyl) maleimide, N- (benzyldimethylsilyl) maleimide, N- (methyldibutylsilyl) maleimide, N- (Phenyldimethylsilyl) maleimide, N- (p-methoxyphenyldimethylsilyl) maleimide, N- (p-toluyldimethylsilyl) maleimide, N- (triphenylsilyl) maleimide, N- (tributyltin) maleimide, N- ( Trioctyltin) maleimide, N- (diisobutylaluminum) maleimide, N- (diethylaluminum) maleimide, mercury maleimide, silver maleimide, calcium maleimide, potassium maleimide, sodium maleimide, lithium maleimide, etc. Metal imides and the like.
[0024]
Here, the metal imide is a metal imide derived from an imide or a mixture thereof, and specifically selected from imide and group IA, group IIA, group IB, group IIB, group IIIB and group IVB. It is an imide compound obtained by reaction with a metal. The method for synthesizing this metal imide compound is not particularly limited, and can be synthesized by a known method. For example, an imide compound of a Group IA and IIA metal is obtained by reacting an imide compound with a Group IA and IIA metal compound such as lithium, butyl lithium, sodium, sodium hydride, potassium hydride, methyl magnesium bromide, butyl magnesium chloride, etc. Can be synthesized. The imide compound of IB and IIB metal can be synthesized by reacting an IB and IIB metal compound such as silver nitrate, silver chloride, and mercury chloride with an imide compound in the presence of an alkali. Group IIIB and IVB metal imide compounds may be prepared by reacting a group IIIB and IVB metal chloride such as trimethylsilyl chloride, tributylsilyl chloride, tributyltin chloride, diethylaluminum chloride and the like with an imide compound in the presence of an alkali. And a group IVB metal chloride and a group IA, IIA, IB, or IIB metal imide compound, or a group IIIB or IVB metal hydride such as tributyltin hydride or triisobutylaluminum hydride is reacted with an imide compound. Can be synthesized. Specifically, according to Polymer Journal, 24, 679 (1992), N- (trialkylsilyl) maleimide is obtained by reacting maleimide or silver maleimide with a trialkylsilyl chloride in the presence of a tertiary amine compound, followed by distillation. Or it is synthesized by recrystallization. According to Journalof Organic Chemistry, 39, 21 (1974), silver maleimide is synthesized by reacting maleimide and silver nitrate in ethanol / dimethyl sulfoxide in the presence of caustic soda.
[0025]
The pyrrole-containing compound is not particularly limited as long as it is a compound having a pyrrole ring structure. For example, pyrrole, 2,5-dimethylpyrrole, 3,4-dimethylpyrrole, 2,4-dimethyl- 3-ethylpyrrole, 3,4-dichloropyrrole, 2,3,4,5-tetrachloropyrrole, 2-acetylpyrrole, 3-acetyl-2,4-dimethylpyrrole, pyrrole-2-carboxylic acid, pyrrole-2 -Carboxaldehyde, ethyl-2,4-dimethyl-5- (ethoxycarbonyl) -3-pyrrole-propionate, ethyl-3,5-dimethyl-2-pyrrolecarboxylate, pyrrole such as tetrahydroindole, lithium pyrrolide, Sodium pyrrolide, potassium pyrrolide, cesium pyrrolide, diethylaluminum Mupyrrolide, ethylaluminum dipyrrolide, aluminum tripyrrolide, diisobutylaluminum pyrrolide, sodium-2,5-dimethylpyrrolide, potassium-2,5-dimethylpyrrolide, cesium-2,5-dimethylpyrrolide, diethylaluminum -Metal pyrrolides such as 2,5-dimethylpyrrolide, ethylaluminum bis (2,5-dimethylpyrrolide), aluminum tris (2,5-dimethylpyrrolide), diisobutylaluminum-2,5-dimethylpyrrolide It is done.
[0026]
The ether compound may be any compound as long as it has an ether bond, and is not particularly limited. For example, diethyl ether, dibutyl ether, tetrahydrofuran, pyran, dimethoxyethane, diethoxyethane, polyethylene glycol, polypropylene glycol, etc. Is mentioned. Of these, maleimide, N- (trimethylsilyl) maleimide, pyrrole, 2,5-dimethylpyrrole and dimethoxyethane are preferably used from the viewpoint of activity. In addition, these hetero element-containing organic compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0027]
In the present invention, the mixing ratio of (A) the chromium compound, (B) the alkyl metal compound and (C) the hetero element-containing organic compound used as necessary is as follows. An alkyl metal compound is 0.1-10,000 equivalent normally, Preferably it is 3-3,000 equivalent, More preferably, it is 10-2,000 equivalent. Moreover, the usage-amount of the (C) hetero element containing organic compound used as needed is 0.1-1,000 equivalent normally with respect to 1 mol of (A) chromium compounds, Preferably it is 0.5-500. Equivalent, more preferably 1 to 300 equivalent.
[0028]
The chromium-based catalyst of the present invention can be prepared by bringing the above-mentioned (A) chromium compound, (B) alkyl metal compound and, if necessary, (C) a heteroelement-containing organic compound into contact in a solvent. The contacting method is not particularly limited. For example, a catalyst is prepared by contacting (A) a chromium compound, (B) an alkyl metal compound and (C) a heteroelement-containing organic compound in the presence of ethylene as a trimerization reaction raw material. , A method of starting a trimerization reaction simultaneously with contact, or (A) a chromium compound, (B) an alkyl metal compound and (C) a heteroelement-containing organic compound in advance to prepare a catalyst, and then contact with ethylene A method of performing a trimerization reaction is employed. In addition, the mixing order of these raw materials is not particularly limited.
[0029]
The concentration of the chromium compound in preparing this catalyst system is not particularly limited, but is usually used at a concentration of 0.001 to 100 mmol, preferably 0.01 to 10 mmol per liter of solvent. . Examples of the solvent used here include aliphatic hydrocarbons such as butane, pentane, hexane, heptane, octane, isooctane, nonane, decane, cyclopentane, cyclohexane, methylcyclohexane, cyclooctane, decalin, benzene, toluene. Aromatic hydrocarbons such as xylene, ethylbenzene, cumene, chlorobenzene and dichlorobenzene, and chlorinated hydrocarbons such as methylene chloride, chloroform, carbon tetrachloride and dichloroethane. The reaction raw material olefin itself or a reaction product, for example, olefins such as butene, 1-hexene, octene, decene, dodecene and the like can also be used as a solvent. These solvents can be used alone or in combination of two or more. Here, for the purpose of controlling the catalyst concentration at the time of catalyst preparation, it may be concentrated or diluted as necessary.
[0030]
Moreover, the temperature at the time of making a chromium compound, an alkyl metal compound, and a hetero element organic compound contact is -100-250 degreeC normally, Preferably it is 0-200 degreeC. The preparation time of the catalyst system is not particularly limited, and is usually 0 minute to 24 hours, preferably 0 minute to 2 hours. In addition, it is desirable to perform all operations for catalyst preparation while avoiding air and moisture. Moreover, it is preferable that the catalyst preparation raw material and the solvent are sufficiently dried.
According to the present invention, the chromium-based catalyst prepared as described above may further be added with chlorine, bromine, iodine, butyl chloride, amyl chloride, hexyl chloride, heptyl chloride, octyl chloride, nonyl chloride, desyl chloride, Lauryl chloride, methyl bromide, propyl bromide, butyl bromide, amyl bromide, hexyl bromide, ethyl hexyl bromide, nonyl bromide, cetyl bromide, dibromomethane, dichloroethane, dibromoethane, dichlorobutene, cyclohexyl bromide, chloroform, hydrocarbon tetrachloride, chlorobenzene, di Chlorobenzene, bromobenzene, dibromobenzene, sodium chloride, potassium chloride, cesium chloride, magnesium chloride, zinc chloride, zinc bromide, zinc iodide, boron trichloride, tribromide Urine, aluminum trichloride, aluminum tribromide, silicon tetrachloride, germanium tetrachloride, germanium tetrabromide, stannous chloride, stannic chloride, tin iodide, phosphorus trichloride, phosphorus pentachloride, antimony trichloride , Antimony pentachloride, antimony tribromide, antimony trifluoride, antimony pentafluoride, dimethylaluminum chloride, dimethylaluminum bromide, dimethylaluminum iodide, diethylaluminum chloride, diethylaluminum bromide, diethylaluminum iodide, ethylaluminum dichloride, Ethyl aluminum dibromide, ethyl aluminum diiodide, diisopropyl aluminum chloride, diisobutyl aluminum chloride, isobutyl aluminum dichloride, dihexyl aluminum Chloride, dicyclohexylaluminum chloride, dioctylaluminum chloride, methylaluminum sesquichloride, ethylaluminum sesquichloride, butylaluminum sesquichloride, trimethylsilyl chloride, trimethylsilylbromide, dimethylsilyldichloride, methylsilyltrichloride, phenylsilyltrichloride, diphenylsilyldichloride, methyl Halides such as dichlorosilane, tributyltin chloride, dibutyltin dichloride, butyltin trichloride, triphenyltin chloride, diphenyltin dichloride, phenyltin trichloride, tris (2-fluorophenyl) boron, tris (3-fluorophenyl) Boron, tris (4-fluorophenyl) boron, tris (2,4-difur Orophenyl) boron, tris (2,5-difluorophenyl) boron, tris (2,6-difluorophenyl) boron, tris (2,4,5-trifluorophenyl) boron, tris (2,4,6-trifluoro) Phenyl) boron, tris (pentafluorophenyl) boron, bis (pentafluorophenyl) zinc, tris (pentafluorophenyl) aluminum, tetrakis (pentafluorophenyl) germanium, tetrakis (pentafluorophenyl) tin, tris (4-trifluoro) Lewis acid such as methylphenyl) boron is added to serve as a chromium-based catalyst. Coexistence of a halide and a Lewis acid is effective in improving catalytic activity and suppressing polymer by-product.
[0031]
The trimerization reaction of ethylene is carried out using the chromium-based catalyst thus prepared. In the present invention, the amount of the chromium-based catalyst used is not particularly limited, but it is usually diluted with the above-mentioned solvent, and the chromium compound is 0.001 to 100 mmol, preferably 0.01 to 0.1 mol per liter of the trimerization reaction solution. Used at a concentration of -10 mmol. If the catalyst concentration is lower than this, sufficient activity cannot be obtained. Conversely, if the catalyst concentration is higher than this, the catalyst activity does not increase and it is not economical.
[0032]
The temperature of the trimerization reaction in the present invention is usually -100 to 250 ° C, preferably 0 to 200 ° C. The reaction pressure is usually 0 to 300 kg / cm in absolute pressure. 2 Preferably, 0 to 150 kg / cm 2 It is. The reaction time depends on the temperature and pressure and cannot be generally determined, but is usually 5 seconds to 6 hours. Further, ethylene may be continuously supplied so as to maintain the pressure, or may be sealed and reacted at the pressure at the start of the reaction. The source gas, ethylene, may contain a gas inert to the reaction, such as nitrogen, argon, helium, or the like. It should be noted that all operations of the trimerization reaction are desirably performed avoiding air and moisture. Moreover, it is preferable that ethylene is sufficiently dried.
[0033]
In this way, the reaction product liquid obtained by trimerizing ethylene is mixed with water, methanol, ethanol, propanol, butanol, hexanol, octanol, 2-ethylhexanol, cyclohexanol, ethylene glycol, propylene glycol, benzyl alcohol, etc. Of alcohols, phenols such as phenol and cresol, and carboxylic acids such as acetic acid, propionic acid, octylic acid and 2-ethylhexanoic acid, or quenching agents such as aqueous ammonia and aqueous sodium hydroxide. The system catalyst is deactivated.
[0034]
In the present invention, the reaction product obtained by deactivating the catalyst in this way is first maintained at 100 ° C. or higher, and water is introduced as it is, so that the metal component contained in the chromium-based catalyst. Perform decalcification treatment. Here, the deashing treatment of the metal component contained in the chromium-based catalyst means that a metal such as chromium or aluminum contained in the chromium-based catalyst in the reaction product solution is extracted with water, and the water is used as the reaction product solution. It means separating to remove the metal component from the reaction product liquid. For the contact between the reaction product and water, a known extraction device may be used. For example, it is preferable to use a combination of a stirring tank and a stationary separation tank. These apparatuses may be single-stage or multi-stage, and may be batch type or continuous type.
[0035]
In the present invention, the amount of water added is 20 to 200% by volume, preferably 30 to 200% by volume, based on the reaction product solution. When the amount of water added is less than 20% by volume with respect to the reaction product solution, the metal component contained in the reaction product solution cannot be sufficiently removed. When the amount of water added is more than 200% by volume with respect to the reaction product solution, the extraction efficiency does not increase, and the extraction device becomes large, so the economy is lost. In the addition of water, it is important to prevent the metal component in the catalyst from being precipitated in the form of hydroxide, that is, chromium hydroxide or aluminum hydroxide. In order to prevent precipitation of these hydroxides, it is desirable that an acidic compound such as sulfuric acid or nitric acid or an alkaline compound such as sodium hydroxide or potassium hydroxide coexist in water. Of these, sodium hydroxide and potassium hydroxide are preferably used from the viewpoint of easy handling and economical efficiency. The addition amount of the alkaline compound is not particularly limited, but it is preferably added so that the pH of the aqueous solution is 11 or more, more preferably 12 or more. In the case of adding an alkaline compound, if the pH of the aqueous solution is less than 11, chromium is precipitated as a hydroxide, and chromium cannot be deashed substantially.
[0036]
Here, it is necessary to maintain the temperature of the reaction product solution after the deactivation treatment at 100 ° C. or higher. The temperature of the reaction product solution during the deashing treatment is 100 to 180 ° C, preferably 100 to 150 ° C. When the temperature of the reaction product liquid is lower than 100 ° C, the polymer produced as a by-product in the trimerization reaction precipitates in a solid state, and clogs equipment such as the reactor, control valve and piping during the deactivation treatment. Cause trouble to occur. In addition, since most of the metal component of the used chromium catalyst is contained in the solid polymer, the metal component is not removed from the solid polymer and remains in the reaction product solution. When the temperature of the reaction product liquid is higher than 180 ° C., the polymer is substantially completely dissolved, and no further effect is exhibited, which is not economical. The amount of polymer produced as a by-product by this trimerization reaction is not uniform depending on the reaction conditions, but is usually 0.01 to 5% by weight with respect to the amount of 1-hexene produced, and the reaction product liquid is kept at 100 ° C. or higher. As a result, it can be melted and the stable operation can be continued, and the metal component in the polymer can also be efficiently removed. The pressure of the deashing treatment is not particularly limited as long as the reaction product liquid can maintain the liquid state, but usually 2 kg / cm. 2 Or more, preferably 5 kg / cm 2 That's it. The decalcification treatment time depends on the temperature and pressure and cannot be generally determined, but is usually 5 seconds to 1 hour.
[0037]
In the deashing process of the present invention, the deashing process is performed by heating and further stirring. Here, since the decalcification treatment is extraction of the metal component in the reaction product liquid with water, the dispersion of water droplets, that is, the size of the contact interface area is an important factor. In this stirring, in order to increase the contact interface area between the reaction product liquid and water and improve the deashing efficiency, 1 kW / m per unit volume of the mixture of the reaction product liquid and water. Three The treatment system is stirred with the above power required for stirring. Preferably 2-100KW / m Three It is preferable to make it. Power required for stirring is 1 KW / m Three When it is smaller, the metal component in the reaction product liquid is not sufficiently decalcified. Conversely, 100 KW / m Three If it is larger, the contact area is not increased and it is not economical.
[0038]
Thus, after introducing water into the reaction product solution under heating conditions and stirring, the mixture of the reaction product solution and water is allowed to stand and is separated into an oil phase and an aqueous phase. The standing time is usually 1 minute to 1 hour. After standing, the oil and water are separated to complete the decalcification treatment.
[0039]
In the present invention, after the completion of the trimerization reaction, a deactivator is introduced into the reaction product liquid to deactivate the chromium-based catalyst (chromium-based catalyst deactivation step), and then the waste metal is deashed. Then, 1-hexene and the solvent are separated and recovered by distillation (distillation step of 1-hexene and the solvent). The unreacted ethylene recovery step may be performed before or after the deactivation step. The temperature during the unreacted ethylene recovery step, catalyst deactivation step, and 1-hexene / solvent fractionation step is not particularly limited. The recovered unreacted ethylene and solvent are recycled to the trimerization reaction system as necessary. In this reaction, a small amount of high-boiling olefins having 10 and 14 carbon atoms are produced together with 1-hexene by the trimerization reaction of ethylene. This high boiling olefin can obtain various desired high boiling olefins by a multistage distillation process. These high boiling olefins may also be recycled to the trimerization reaction system as a solvent if necessary.
[0040]
【Example】
The present invention will be described in more detail with reference to the following examples. However, these examples show the outline of the present invention, and the present invention is not limited to these examples.
Example 1
Weigh 14.5 mg (0.15 mmol) of maleimide in a 1 l Schlenk tube, dissolve it in 400 ml of dry cyclohexane, and add 5.0 ml of 0.01 mol / l chromium (III) tris (2-ethylhexanoate) / cyclohexane solution. Mixed. A mixture of 11.0 ml of 0.12 mol / l triethylaluminum / cyclohexane solution and 5.0 ml of 0.04 mol / l ethylaluminum dichloride / cyclohexane solution was added and stirred at room temperature for 1 hour to prepare a catalyst solution.
[0041]
As a reaction apparatus, an apparatus in which a trimerization reactor (1 l) and a deashing tank (2 l) were connected by an overflow pipe was used.
[0042]
A stainless steel pressure-resistant reaction vessel having an internal volume of 1 liter equipped with a thermometer, a catalyst solution feed pipe and a stirring device was heated and dried at 90 ° C. under vacuum and then sufficiently replaced with nitrogen gas. The entire amount of the catalyst solution was charged into a container. The stirring speed is adjusted to 1,000 rpm, the reaction vessel is heated to 120 ° C., and then the absolute pressure in the reaction vessel is 40 kg / cm. 2 Ethylene gas was blown so that the ethylene trimerization reaction was started. Thereafter, the introduction was continued so as to maintain the pressure, and the reaction was carried out for 10 minutes while maintaining these reaction conditions. After 10 minutes, the reaction was stopped by deactivating the catalyst by pressing water into the reaction vessel with nitrogen. A part of the reaction product solution was extracted, and the product contained in the reaction solution was analyzed by gas chromatography. As a result, the catalyst activity was 93.1 kg / g-Cr · hour, and the olefin selectivity was C4; 0.1 wt%, C6; 90.3% wt, C8; 0.3 wt%, C10; 7.6 % By weight, C12 or higher olefin; 1.7% by weight.
[0043]
The reaction product obtained by the deactivation treatment was kept at 100 ° C., and a thermometer, sampling tube, stirring device, four baffle plates (width 1.1 cm) and four fans arranged separately through the overflow tube It was pumped to a stainless steel pressure-resistant reaction vessel (tank diameter 10.5 cm, tank height 24 cm) having an internal volume of 2 l equipped with a turbine (blade diameter 7 cm, ribbon width 1.2 cm, stirring blade attachment angle 90 degrees). A necessary amount of cyclohexane was newly added so that the reaction product liquid became 700 ml, and the mixture was heated and stirred at a predetermined temperature shown in Table 1. Next, 210 ml of an aqueous sodium hydroxide solution adjusted to PH12 was added, and deashing treatment was performed under the conditions shown in Table 1. The amount of metal contained in the aqueous phase is analyzed by high-frequency plasma emission spectroscopy (ICP), and the decalcification rate of the metal component in the reaction product solution (after deashing treatment for the metal contained in the reaction product solution before deashing treatment) (% By weight of metal contained in the reaction product solution). The results are shown in Table 1.
[0044]
Example 2
A trimerization reaction, a deactivation process, and a deashing process were performed in the same manner as in Example 1 except that the metal component in the reaction product solution was deashed under the conditions shown in Table 1. The results are shown in Table 1.
[0045]
Example 3
A stainless steel pressure-resistant reaction vessel having an internal volume of 1 liter equipped with a thermometer, a catalyst solution feed pipe and a stirring device was heated and dried at 90 ° C. under vacuum and then sufficiently replaced with nitrogen gas. Add 5.0 ml of 0.01 mol / l chromium (III) tris (2-ethylhexanoate) / cyclohexane solution, 1.5 ml of 0.10 mol / l 2,5-dimethylpyrrole and 350 ml of cyclohexane to the barrel side of the reaction vessel. Charged and fully replaced with ethylene. Meanwhile, a catalyst feed tube was charged with 3.0 ml of a 0.50 mol / l triethylaluminum / cyclohexane solution and 1.0 ml of a 0.10 mmol / l germanium tetrachloride / cyclohexane solution.
[0046]
The reaction vessel is heated to 120 ° C., and the stirring speed is adjusted to 1,000 rpm. Then, ethylene is introduced into the catalyst feed tube, and a mixed solution of triethylaluminum and diethylaluminum chloride is introduced into the reaction vessel body side by ethylene pressure. The trimerization reaction was started. Absolute pressure in the reaction vessel is 40 kg / cm 2 Then, ethylene gas was blown so that the pressure was maintained and the introduction of the gas was continued to maintain the above reaction conditions, and the trimerization reaction of ethylene was performed for 30 minutes while maintaining these reaction conditions. After 30 minutes, the reaction was stopped by deactivating the catalyst by pressing a sodium hydroxide aqueous solution into the reaction vessel with nitrogen. A part of the reaction product solution was extracted, and the product contained in the reaction solution was analyzed by gas chromatography. As a result, the catalyst activity was 66.6 kg / g-Cr · hour, and the olefin selectivity was C4; 0.1 wt%, C6; 95.0 wt%, C8; 0.5 wt%, C10; 3.7 % By weight, C12 or higher olefin; 0.7% by weight.
[0047]
A deashing treatment was performed in the same manner as in Example 1 except that the ethylene trimerization reaction and the deactivation treatment were performed. The results are shown in Table 1.
[0048]
Example 4
A Schlenk tube equipped with a stirrer was heated and dried under vacuum, and then sufficiently replaced with nitrogen gas. Then, 98.3 ml of a 0.195 mol / l triisobutylaluminum / cyclohexane solution was added and cooled in an ice-water bath. While stirring with ice cooling, 259 mg of water was slowly added dropwise, and the mixture was kept stirring for 1 hour to synthesize a 0.195 mol / l isobutylaluminoxane / cyclohexane solution.
[0049]
Into a 1 l Schlenk tube, 30.8 ml of the 0.195 mol / l isobutylaluminoxane / cyclohexane solution (6.0 mmol in terms of Al), 0.27 g (3.0 mmol) of 1,2-dimethoxyethane and 550 ml of dry cyclohexane were added. A catalyst solution was prepared by adding 2.0 ml of a 1 mol / l chromium (III) tris (2-ethylhexanoate) / cyclohexane solution and stirring for 1 hour at room temperature.
[0050]
A stainless steel pressure-resistant reaction vessel having an internal volume of 1 liter equipped with a thermometer, a catalyst solution feed pipe and a stirring device was heated and dried at 90 ° C. under vacuum and then sufficiently replaced with nitrogen gas. The entire amount of the catalyst solution was charged into a container. The stirring speed is adjusted to 1,000 rpm, the reaction vessel is heated to 100 ° C., and then the absolute pressure in the reaction vessel is set to 35 kg / cm. 2 Ethylene gas was blown so that the ethylene trimerization reaction was started. Thereafter, the introduction was continued so as to maintain the pressure, and the reaction was carried out for 30 minutes while maintaining these reaction conditions. After 30 minutes, the reaction was stopped by deactivating the catalyst by pressing a sodium hydroxide aqueous solution into the reaction vessel with nitrogen. A part of the reaction product solution was extracted, and the product contained in the reaction solution was analyzed by gas chromatography. As a result, the catalyst activity was 5.2 kg / g-Cr · hour, and the olefin selectivity was C4; 1.1 wt%, C6; 86.8 wt%, C8; 5.2 wt%, C10; 6.0 % By weight, C12 or higher olefin; 0.9% by weight.
[0051]
A deashing treatment was performed in the same manner as in Example 1 except that the ethylene trimerization reaction and the deactivation treatment were performed. The results are shown in Table 1.
[0052]
Comparative Examples 1-4
A trimerization reaction, a deactivation process, and a deashing process were performed in the same manner as in Example 1 except that the metal component in the reaction product solution was deashed under the conditions shown in Table 1. The results are shown in Table 1.
[0053]
[Table 1]
[0054]
【The invention's effect】
According to the present invention, in the method for producing 1-hexene by trimerizing ethylene, a polymer produced as a by-product when the metal component of the chromium-based catalyst used for the trimerization reaction of ethylene is decalcified after the completion of the reaction. Without removing the catalyst from the system, and without clogging the reactor, control valve, piping, pump, etc. during the deashing process, the metal components of the catalyst used are removed from the reaction product to an extremely low concentration. can do.
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