JP3864330B2 - Method for producing sheet molding material for vacuum forming or pressure forming - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に自動車の内装材料の素材に用いる、熱可塑性ポリウレタンとアクリル系軟質樹脂との混合樹脂を用いた真空成形又は圧空成形用シート状成形材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車の車両内装材、例えば、インストルメントパネル、ドアなどには、従来軟質ポリ塩化ビニルが一般的に使用されている。この軟質ポリ塩化ビニルは様々な硬さのものがあって、一般的なフィルム用途の場合はポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(フタル酸ジエチルヘキシル)を30〜50重量部配合した硬さのものであるが、自動車の車両内装材に用いる場合は可塑剤を70〜100重量部配合したときの硬さのもの、すなわち相当に軟らかいものが求められことがある。近年リサイクル問題で、軟質ポリ塩化ビニルに代えて、ランダムポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル樹脂、水素添加スチレン−ブタジエンラバーなどのポリオレフィン系樹脂の使用が提案されている。
【0003】
そして、自動車用のインストルメントパネルの場合、柔らかい感触で、手触りの良い、高級感のあるインストルメントパネルはスラッシュ成形によって成形するのが普通である。すなわち、スラッシュ成形によって先ず表皮層を成形し、骨材を設置し、表皮材と骨材の間にポリウレタンなどの発泡原液を注入し発泡させてインストルメントパネルを製造している。このように、スラッシュ成形を用いるのは、カレンダー成形や押出成形で成形したシートを用いて製造したのでは感触の良いインストルメントパネルを得るのが困難なことによる。そのため、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニルとABS樹脂との混合物で成形したシートにポリプロピレン発泡体を一体化させてなるインストルメントパネルは、主に中級の自動車のインストルメントパネルに用いられている。硬質の合成樹脂素材で作られ発泡体層がないインストルメントパネルもあるが、これは主に、低価格の自動車のインストルメントパネルに用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、真空成形又は圧空成形に適した、軟質ポリ塩化ビニルに代わるシート状成形材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ショアA硬度が65〜95の熱可塑性ポリウレタン50〜95重量%とアクリル系軟質樹脂50〜5重量%との混合樹脂に、メタクリル酸メチルと炭素数2〜8のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルとの分子量50万〜500万の共重合体、及び炭酸カルシウムを配合した後、カレンダー加工してシートに成形することを特徴とする真空成形又は圧空成形用シート状成形材料の製造方法である。この混合樹脂には、更に、可塑剤を配合するのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のシート状成形材料は、熱可塑性ポリウレタン50〜95重量%とアクリル系軟質樹脂50〜5重量%との混合樹脂からなる。この熱可塑性ポリウレタンは、ジイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基を2個以上有する化合物とを反応させて得ることができる。中でも、長鎖ポリオール、ジイソシアネート、鎖伸長剤から構成された、いわゆるソフトセグメントとハードセグメントからなるポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)が好ましく使用できる。これらはショアA硬度で65〜95の樹脂硬度、特に70〜80の樹脂硬度を有するものが好ましい。
【0008】
熱可塑性ポリウレタンを合成するためのジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソイアネートなどが用いられる。
【0009】
また、ヒドロキシル基を2個以上有する化合物としては、アジピン酸、フタル酸等の二塩基酸とエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコールとの縮合反応物であるポリエステル系ポリオール;エチレンカーボネート等のカーボネートとグリコーとの反応物であるポリカーボネート系ポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール等のポリエーテル系ポリオール等が用いられる。本発明のシート状成形材料においては、その物性からポリエーテル系ポリオールを用いるのが好ましい。また、ポリエーテル系ポリオールを原料とする熱可塑性ポリウレタンは、耐老化性、カレンダー加工性が良いので、この観点からも好ましい。
【0010】
鎖伸長剤としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ブタン1,2ジオール、ブタン1,3ジオール、ブタン1,4ジオール、ブタン2,3ジオール、ヘキサンジオールなどの低分子多価アルコール、或いはジアミン、水が用いられる。
【0011】
本発明で用いるアクリル系軟質樹脂は、常温で軟質ポリ塩化ビニルの如く柔軟性を示す樹脂である。このアクリル系軟質樹脂は、多層構造重合体、すなわち2種以上のアクリル系重合体がコア−シェル型の多層構造を形成している重合体が好ましい。これらのアクリル系軟質樹脂は、常温で良好な柔軟性を示し、屈曲耐久性を有し、耐候性に優れている。
【0012】
本発明で用いるアクリル系軟質樹脂の一例を示す。炭素数1〜12のアルキル基を持つ少なくとも一種のアクリル酸アルキルエステル30〜99.9重量%、炭素数1〜8のアルキル基を持つ少なくとも一種のメタクリル酸アルキルエステル0〜70重量%、共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%、多官能架橋性単量体及び/又は多官能性グラフト単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物を重合してなるTgが30℃以下である少なくとも1層の重合体層[A]10〜90重量部と、炭素数1〜12のアルキル基を持つ少なくとも一種のアクリル酸アルキルエステル30〜99重量%、炭素数1〜8のアルキル基を持つ少なくとも一種のメタクリル酸アルキルエステル1〜70重量%、共重合可能な不飽和単量体0〜30重量%からなる単量体混合物を重合してなるTgが−20〜50℃である少なくとも1層の重合体層[B]90〜10重量部との組合せからなる多層構造重合体であり、且つ最外層が重合体層[B]であるアクリル系軟質多層構造樹脂である。
【0013】
アクリル系軟質樹脂の他の例を示す。炭素数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステル60〜99.5重量%、共重合可能ビニル基を1個有する単官能性単量体0〜39.5重量%、及びビニル基又はビニリデン基を少なくとも2個有する多官能性単量体0.5〜5重量%を重合して得られるゴム層30〜80重量部と、メタアクリル酸メチル40〜100重量%、炭素数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステル0〜60重量%、及び共重合可能なビニル基又はビニリデン基を有する単量体0〜20重量%を重合して得られる硬質樹脂層20〜70重量部とから構成され、且つ最外層が硬質樹脂層であるアクリル系軟質多層構造樹脂である。
【0014】
更に、アクリル系軟質樹脂の他の例を示す。(A)メチルメタクリレート80〜98.99重量%、炭素数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステル1〜20重量%、多官能性グラフト剤0.01〜1重量%及び多官能性架橋剤0〜0.5重量%からなる単量体混合物を重合してなる最内層の硬質重合体層5〜30重量部;(B)炭素数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステル70〜99.5重量%、メチルメタクリレート0〜30重量%、多官能性グラフト剤0.5〜5重量%及び多官能性架橋剤0〜5重量%からなる単量体混合物を重合してなる中間層の硬質重合体層20〜45重量部;(C)メチルメタクリレート90〜99重量%及び炭素数1〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステル10〜1重量%からなる単量体混合物を重合してなる最外層の硬質重合体層50〜75重量部からなり、平均粒度が0.01〜0.3μmのアクリル系軟質多層構造樹脂である。
【0015】
本発明のシート状成形材料においては、熱可塑性ポリウレタンとアクリル系軟質樹脂との配合割合は、熱可塑性ポリウレタン50〜95重量%、アクリル系軟質樹脂60〜5重量%、好ましくは熱可塑性ポリウレタン60〜90重量%、アクリル系軟質樹脂40〜10重量%、より好ましくは熱可塑性ポリウレタン70〜90重量%、アクリル系軟質樹脂30〜10重量%である。熱可塑性ポリウレタンが50重量%未満では引裂強度が十分でなく、裂けやすく、一方熱可塑性ポリウレタンが95重量%を越えると硬い感触となり好ましくなく、またカレンダー加工の加工温度が高くなり分解する支障がある。
【0016】
熱可塑性ポリウレタンとアクリル系軟質樹脂との混合樹脂に可塑剤を配合すると、シートの柔軟性、手触りを改善できる。また、可塑剤の配合は混合樹脂のカレンダー加工の加工温度を下げることができ、そのため熱可塑性ポリウレタンの加工時の分解を抑制できる。可塑剤としては、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸イソブチル、フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸エステル;トリメリット酸トリ−2エチルヘキシルなどのトリメリット酸エステル;ジ−2エチルヘキシルアジペート、ジ−イソノニルアジペート、ジ−2エチルヘキシルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ブチルなどのエポキシ系可塑剤、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル系、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステルなどが用いられる。このうち、可塑化効率が高く、且つブリード等の問題が少ないという観点から、特に、フタル酸エステル、トリメリット酸エステルなどの芳香族カルボン酸エステルが好ましく用いられる。可塑剤の配合量は、混合樹脂100重量部に対し0〜50重量部、好ましくは3〜20重量部である。大量に配合すると移行、ブリードを起こすので好ましくない。
【0017】
混合樹脂には、更に必要に応じて、通常合成樹脂の配合に使用される滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、抗菌剤などが配合されていてもよい。滑剤としてはステアリン酸のカルシウム、マグネシウム、亜鉛、バリウムなどの脂肪族金属塩、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、アルキレンビス脂肪酸アミドなどが用いられる。紫外線吸収剤としては2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が用いられる。光安定剤としてはビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系光安定剤等が用いられる。抗菌剤としては銀系無機抗菌剤などが用いられる。
【0018】
本発明のシート状成形材料は次のようにして製造する。すなわち、例えば、熱可塑性ポリウレタンとアクリル系軟質樹脂とを所定の割合で混合し、添加剤を配合し、良く混練し、その後カレンダー成形によって0.1〜1.0mmの厚さのシートに成形する。次いで、必要に応じて、マーブルプリントしたり、シリコーン変性ポリカーボネートポリウレタン系などのつや消し処理剤を塗布したり、絞ロールによる絞付処理してもよい。
【0019】
上記の混合樹脂をシートに成形するにはカレンダー加工によるのが好ましいが、混合樹脂に(メタ)アクリル系重合体を配合することによってカレンダー加工時の溶融張力が調整でき、カレンダー加工を円滑にすることができる。この(メタ)アクリル系重合体は、分子量50〜500万のメタクリル酸メチルと炭素数2〜18のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体である。例えば、メタクリル酸メチル50〜95重量%と、炭素数2〜18のアルコールのメタクリル酸エステル又は炭素数2〜18のアルコールのアクリル酸エステル50〜5重量%を共重合して得られる分子量50〜500万の共重合体である。この(メタ)アクリル系重合体の配合量は、混合樹脂100重量部に対し0〜30重量部、好ましくは2〜10重量部である。
【0020】
更に、混合樹脂に、炭酸カルシウムを配合することにより、カレンダー加工時の粘着性を低下させて、カレンダー加工を円滑にすることができる。炭酸カルシウムのほかに、酸化アンチモン、コロイド状シリカ、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機物質粉末も使用できる。炭酸カルシウムの配合量は、混合樹脂100重量部に対し、好ましくは5〜20重量部である。また、転写成形(熱転写、成形同時転写など)で絞転写性が低い場合には、水素添加NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)などの常温で柔軟あり高温で溶融張力の高い樹脂を配合することにより絞転写性を改良できる。
【0021】
本発明の真空成形又は圧空成形用シート状成形材料は、真空成形、圧空成形で成形するのに適する。そして、自動車などの車両内装(座席、ヘッドレスト、トノカバー、サンバイザー、ドア、天井など)、室内の内装材、二輪車のサドルの表皮材、家具(椅子、ソファーなど)の表皮材などに用いられる。特に、自動車のインストルメントパネルの製造に適する。すなわち、本発明のシート状成形材料を真空成形によってインストルメントパネルの形状に成形し、ポリウレタン発泡体、ポリオレフィン発泡体などの発泡体を介して骨材と一体化してインストルメントパネルを製造する。このインストルメントパネルは、柔らかい感触で、手触りが良く、高級感があり、スラッシュ成形によって成形したインストルメントパネルと同等の製品である。
【0022】
【実施例】
次に実施例、比較例を示し、本発明を更に詳しく説明する。
実施例1〜5
実施例1〜5として、熱可塑性ポリウレタン(UHE−75A:三菱化学株式会社製、特殊エーテル系ポリオールを使用したポリウレタン、ショアA硬度75)、熱可塑性ポリウレタン(UE−80:三菱化学社製、エーテル系ポリオール使用、ショアA硬度80)、アクリル系軟質樹脂(SA−10000P:株式会社クラレ製)、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体(メタブレンP−530A:三菱レイヨン株式会社製)、炭酸カルシウム(NS−A:日東粉化工業社製)、抗酸化剤(PEP−36:旭電化工業株式会社製)、可塑剤(#124:花王株式会社製、フタル酸エステル)、滑剤(ポリエチレンワックス)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系)、光安定剤(HALS)及び顔料を表1に示す割合(数字は重量部を示す)で配合し、カレンダー成形によって厚さ0.4mmのシートを成形した。真空成形性の良いシートが得られた。
また、比較例1、2として、熱可塑性ポリウレタン(UHE−75A:三菱化学株式会社製、特殊エーテル系ポリオールを使用したポリウレタン、ショアA硬度75)単独使用の場合と、アクリル系軟質樹脂単独使用の場合を示した。表1の割合で配合し、カレンダー成形によって厚さ0.4mmのシートを成形した。
この実施例、比較例で製造したレザーについて、表面傷付き性、耐寒性、高周波ウェルダー性、柔軟性、ロール加工性、耐熱性、耐光性を調べた。その結果を併せて表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
表1において、表面傷付き性は、JIS K 7204に準拠して測定した。但し、摩耗輪はCS−10、荷重は1kgf×2000回にした。
耐寒性は、JIS K 6772に準拠して合格する最も低い温度を示した。
高周波ウェルダー性は、市販の機械を用いて実際に溶着加工し、混合樹脂同士の接着性を剥離試験によって評価した。○は剥離時に材料破壊、×は剥離時に界面剥離を表す。
【0025】
柔軟性は、製造した各レザーを手で触り、その感触を軟質ポリ塩化ビニルレザー(合成樹脂層がポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤フタル酸ジエチルヘキシル100重量部配合したポリ塩化ビニル組成物であるレザー)と対比して評価した。○は軟質ポリ塩化ビニルレザーと同等の感触を有する、△は軟質ポリ塩化ビニルレザーよりやや硬い感触を有する、×は感触が硬く、軟質ポリ塩化ビニルレザーの代替不可、を表す。
ロール加工性は、カレンダー加工温度(適切な溶融温度になっている)で30分経過後の粘着性で加工性を評価した。○は適度に粘着、△はやや粘着、×は粘着、を表す。
耐熱性は、110℃で500時間放置した後の変色を測定評価した。
耐光性は、JIS−B−7751に準拠して、ブラックパネル温度83℃の紫外線カーボンアーク式耐光試験機で300時間照射後の変色を評価した。
【0026】
参考例1
実施例1で製造した厚さ0.4mmのシート2枚をラミネートし、エンボス加工し、その表面にシリコーン変性ポリカーボネートポリウレタン系の艶調整剤を塗布した。このシートをインストルメントパネルの形状に真空成形し、これに骨材を配置し、成形したシートと骨材の間に発泡性ポリウレタン液を流し込み、発泡させてインストルメントパネルを製造した。ソフトな感触の高級感あるインストルメントパネルが得られた。
【0027】
【発明の効果】
本発明の真空成形又は圧空成形用シート状成形材料は、柔軟性がよく、手触り、感触に優れており、真空成形、圧空成形しに適する。また復元性、耐熱性、耐光性、候耐寒性、耐表面傷付き性がよく、高周波ウエルダーによって溶着加工できる利点があり、従来の軟質ポリ塩化ビニルレザーに代替できるシート状成形材料として有用である。したがって、自動車の車両内装材、家具の表皮材に適し、特に自動車のインストルメントパネルの表皮材に適する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a sheet-shaped molding material for vacuum molding or pressure molding using a mixed resin of thermoplastic polyurethane and acrylic soft resin, which is mainly used as a material for automobile interior materials.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, soft polyvinyl chloride is generally used for vehicle interior materials such as instrument panels and doors. This soft polyvinyl chloride has various hardness, and in the case of general film use, the hardness of 30 to 50 parts by weight of a plasticizer (diethylhexyl phthalate) blended with 100 parts by weight of polyvinyl chloride. However, when it is used for a vehicle interior material of an automobile, a material having a hardness when 70 to 100 parts by weight of a plasticizer is blended, that is, a material that is considerably soft may be required. In recent years, the use of polyolefin resins such as random polypropylene, ethylene-vinyl acetate resin, hydrogenated styrene-butadiene rubber has been proposed in place of soft polyvinyl chloride due to recycling problems.
[0003]
In the case of an automotive instrument panel, a high-quality instrument panel that is soft and comfortable to touch is usually formed by slush molding. That is, an instrument panel is manufactured by first forming a skin layer by slush molding, installing an aggregate, injecting a foaming stock solution such as polyurethane between the skin material and the aggregate and foaming. As described above, the slush molding is used because it is difficult to obtain an instrument panel having a good feel when manufactured using a sheet molded by calendar molding or extrusion molding. Therefore, an instrument panel in which a polypropylene foam is integrated with a sheet formed of polyvinyl chloride or a mixture of polyvinyl chloride and an ABS resin is mainly used for an instrument panel of a middle-class automobile. Some instrument panels are made of hard synthetic resin material and do not have a foam layer, but they are mainly used for low-priced automobile instrument panels.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
An object of this invention is to provide the manufacturing method of the sheet-like molding material replaced with soft polyvinyl chloride suitable for vacuum forming or pressure forming.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
That is, in the present invention, a mixed resin of 50 to 95% by weight of a thermoplastic polyurethane having a Shore A hardness of 65 to 95 and 50% to 5% by weight of an acrylic soft resin is mixed with methyl methacrylate and an alcohol having 2 to 8 carbon atoms. A sheet-like molding material for vacuum forming or pressure forming, characterized by blending a (meth) acrylic acid ester copolymer having a molecular weight of 500,000 to 5,000,000 and calcium carbonate and then calendering to form a sheet It is a manufacturing method. It is preferable to add a plasticizer to the mixed resin.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The sheet-shaped molding material of the present invention comprises a mixed resin of 50 to 95% by weight of thermoplastic polyurethane and 50 to 5% by weight of an acrylic soft resin. This thermoplastic polyurethane can be obtained by reacting a diisocyanate compound with a compound having two or more hydroxyl groups. Among these, a polyurethane-based thermoplastic elastomer (TPU) composed of a so-called soft segment and hard segment composed of a long-chain polyol, diisocyanate, and a chain extender can be preferably used. Those having a Shore A hardness of 65 to 95, particularly 70 to 80 are preferable.
[0008]
Diisocyanate compounds for the synthesis of thermoplastic polyurethanes include tolylene diisocyanate, diphenylmethane diisocyanate, naphthalene diisocyanate, tolidine diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, hydrogenated xylylene diisocyanate, hydrogenated dicyclohexylmethane diisocyanate, isophorone diisocyanate. Nate is used.
[0009]
Examples of the compound having two or more hydroxyl groups include polyester polyols which are condensation reaction products of dibasic acids such as adipic acid and phthalic acid and glycols such as ethylene glycol and 1,4-butanediol; ethylene carbonate and the like Polycarbonate polyol which is a reaction product of carbonate and glycol; polyether polyol such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, polyethylene glycol-polypropylene glycol, etc. are used. In the sheet-like molding material of the present invention, it is preferable to use a polyether-based polyol because of its physical properties. In addition, a thermoplastic polyurethane using a polyether-based polyol as a raw material is preferable from this viewpoint because it has good aging resistance and calendar processability.
[0010]
Examples of chain extenders include ethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, butane 1,2 diol, butane 1,3 diol, butane 1,4 diol, butane 2,3 diol, hexane diol, and the like. The low molecular weight polyhydric alcohol, diamine, or water is used.
[0011]
The acrylic soft resin used in the present invention is a resin exhibiting flexibility such as soft polyvinyl chloride at room temperature. The acrylic soft resin is preferably a multilayer structure polymer, that is, a polymer in which two or more kinds of acrylic polymers form a core-shell type multilayer structure. These acrylic soft resins exhibit good flexibility at room temperature, have bending durability, and excellent weather resistance.
[0012]
An example of the acrylic soft resin used in the present invention is shown. 30 to 99.9% by weight of at least one alkyl acrylate ester having 1 to 12 carbon atoms, 0 to 70% by weight of at least one methacrylic acid alkyl ester having 1 to 8 carbon atoms, copolymerization Tg formed by polymerizing a monomer mixture consisting of 0 to 30% by weight of a possible unsaturated monomer, 0.1 to 10% by weight of a polyfunctional crosslinkable monomer and / or a polyfunctional graft monomer. 10 to 90 parts by weight of at least one polymer layer [A] having a temperature of 30 ° C. or less, 30 to 99% by weight of an alkyl acrylate ester having an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, and 1 to 8 carbon atoms The Tg formed by polymerizing a monomer mixture comprising 1 to 70% by weight of at least one alkyl methacrylate having an alkyl group and 0 to 30% by weight of a copolymerizable unsaturated monomer is -20. An acrylic soft multilayer resin having a multilayer structure polymer composed of a combination of 90 to 10 parts by weight of at least one polymer layer [B] at 50 ° C., and the outermost layer being a polymer layer [B]. is there.
[0013]
Another example of the acrylic soft resin is shown. 60 to 99.5% by weight of acrylic acid alkyl ester having 1 to 8 carbon atoms, 0 to 39.5% by weight of monofunctional monomer having one copolymerizable vinyl group, and vinyl group or vinylidene 30 to 80 parts by weight of a rubber layer obtained by polymerizing 0.5 to 5% by weight of a polyfunctional monomer having at least two groups, 40 to 100% by weight of methyl methacrylate, and 1 to 8 carbon atoms From 20 to 70 parts by weight of a hard resin layer obtained by polymerizing 0 to 60% by weight of an alkyl acrylate ester having an alkyl group and 0 to 20% by weight of a monomer having a copolymerizable vinyl group or vinylidene group It is an acrylic soft multilayer structure resin that is configured and whose outermost layer is a hard resin layer.
[0014]
Furthermore, other examples of acrylic soft resins are shown. (A) 80-98.99% by weight of methyl methacrylate, 1-20% by weight of an acrylic acid alkyl ester having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, 0.01-1% by weight of a multifunctional grafting agent, and multifunctional crosslinking 5-30 parts by weight of an innermost hard polymer layer obtained by polymerizing a monomer mixture comprising 0 to 0.5% by weight of an agent; (B) an alkyl acrylate 70 having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms Intermediate obtained by polymerizing a monomer mixture consisting of ˜99.5 wt%, methyl methacrylate 0-30 wt%, polyfunctional grafting agent 0.5-5 wt% and polyfunctional cross-linking agent 0-5 wt% 20 to 45 parts by weight of a hard polymer layer; (C) a monomer mixture consisting of 90 to 99% by weight of methyl methacrylate and 10 to 1% by weight of an alkyl acrylate ester having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms. Do it Consists outermost hard polymer layer 50 to 75 parts by weight, average particle size is an acrylic soft multilayer resin 0.01 to 0.3 [mu] m.
[0015]
In the sheet-like molding material of the present invention, the blending ratio of the thermoplastic polyurethane and the acrylic soft resin is 50 to 95% by weight of the thermoplastic polyurethane, 60 to 5% by weight of the acrylic soft resin, preferably 60 to 60% of the thermoplastic polyurethane. 90 wt%, acrylic soft resin 40 to 10 wt%, more preferably thermoplastic polyurethane 70 to 90 wt%, and acrylic soft resin 30 to 10 wt%. If the thermoplastic polyurethane is less than 50% by weight, the tear strength is not sufficient, and it is easy to tear. On the other hand, if the thermoplastic polyurethane exceeds 95% by weight, it becomes hard and unfavorable. .
[0016]
When a plasticizer is added to a mixed resin of thermoplastic polyurethane and acrylic soft resin, the flexibility and feel of the sheet can be improved. The blending of the plasticizer can lower the calendering processing temperature of the mixed resin, and therefore can suppress the decomposition during processing of the thermoplastic polyurethane. Plasticizers include phthalate esters such as di-2-ethylhexyl phthalate, isobutyl phthalate, diisodecyl phthalate; trimellitic esters such as tri-2-ethylhexyl trimellitic acid; di-2 ethylhexyl adipate, di-isononyl adipate Aliphatic dibasic acid esters such as di-2-ethylhexyl sebacate; epoxy plasticizers such as epoxidized soybean oil and epoxy butyl stearate; phosphate esters such as tricresyl phosphate; citric acids such as tributyl acetylcitrate Esters are used. Of these, aromatic carboxylic acid esters such as phthalic acid esters and trimellitic acid esters are preferably used from the viewpoint of high plasticization efficiency and few problems such as bleeding. The compounding quantity of a plasticizer is 0-50 weight part with respect to 100 weight part of mixed resin, Preferably it is 3-20 weight part. Mixing in a large amount is undesirable because it causes migration and bleeding.
[0017]
If necessary, the mixed resin may further contain a lubricant, an ultraviolet absorber, a light stabilizer, a pigment, an antibacterial agent and the like that are usually used for blending synthetic resins. As the lubricant, aliphatic metal salts of stearic acid such as calcium, magnesium, zinc and barium, polyethylene wax, stearic acid, alkylenebisfatty acid amide and the like are used. As the ultraviolet absorber, a benzotriazole-based ultraviolet absorber such as 2- (2′-hydroxy-5′-methylphenyl) benzotriazole is used. As the light stabilizer, hindered amine light stabilizers such as bis- (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate are used. As the antibacterial agent, a silver-based inorganic antibacterial agent or the like is used.
[0018]
The sheet-shaped molding material of the present invention is produced as follows. That is, for example, a thermoplastic polyurethane and acrylic soft resin were mixed in a predetermined ratio, mixed with added pressure agent, and kneaded well, the subsequent calendar forming shape Therefore the 0.1~1.0mm thick sheet To form. Next, if necessary, marble printing, a matting treatment agent such as a silicone-modified polycarbonate polyurethane system, or a squeezing process using a squeeze roll may be performed.
[0019]
In order to form the above-mentioned mixed resin into a sheet, it is preferable to use calendering, but by blending a (meth) acrylic polymer into the mixed resin, the melt tension during calendering can be adjusted, thereby facilitating calendering. be able to. This (meth) acrylic polymer is a copolymer of methyl methacrylate having a molecular weight of 500 to 5,000,000 and (meth) acrylic acid ester of an alcohol having 2 to 18 carbon atoms. For example, 50 to 95% by weight of methyl methacrylate and 50 to 5% by weight of a methacrylic acid ester of an alcohol having 2 to 18 carbon atoms or 50 to 5% by weight of an acrylic acid ester of an alcohol having 2 to 18 carbon atoms can be obtained. 5 million copolymers. The compounding amount of the (meth) acrylic polymer is 0 to 30 parts by weight, preferably 2 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the mixed resin.
[0020]
Furthermore, the mixed resins, by blending the carbonate calcium, reduce the stickiness at the time of calendering, it is possible to facilitate calendering. In addition to calcium carbonate, inorganic powders such as antimony oxide, colloidal silica, magnesium silicate, and magnesium hydroxide can also be used. The amount of calcium carbonate, against the mixed resin 100 parts by weight, good Mashiku is 5 to 20 parts by weight. In addition, when transfer transfer (thermal transfer, simultaneous transfer of transfer, etc.) has low draw transfer, it is flexible at room temperature such as hydrogenated NBR (acrylonitrile-butadiene rubber) and ABS (acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer). In addition, the drawing transferability can be improved by blending a resin having a high melt tension.
[0021]
The sheet-form molding material for vacuum forming or pressure forming of the present invention is suitable for forming by vacuum forming or pressure forming . It is used for vehicle interiors such as automobiles (seats, headrests, tonneau covers, sun visors, doors, ceilings, etc.), interior interior materials, motorcycle saddle skins, furniture (chairs, sofas, etc.). It is particularly suitable for the manufacture of automobile instrument panels. That is, the sheet-shaped molding material of the present invention is molded into the shape of an instrument panel by vacuum molding, and is integrated with an aggregate via a foam such as a polyurethane foam or a polyolefin foam to produce an instrument panel. This instrument panel has a soft feel, a good touch, a high-class feeling, and is equivalent to an instrument panel formed by slush molding.
[0022]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples.
Examples 1-5
As Examples 1 to 5, thermoplastic polyurethane (UHE-75A: manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, polyurethane using a special ether-based polyol, Shore A hardness 75), thermoplastic polyurethane (UE-80: manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, ether) -Based polyol used, Shore A hardness 80), acrylic soft resin (SA-10000P: manufactured by Kuraray Co., Ltd.), methyl methacrylate-alkyl acrylate copolymer (methabrene P-530A: manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.), calcium carbonate (NS-A: manufactured by Nitto Flour Chemical Co., Ltd.), antioxidant (PEP-36: manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.), plasticizer (# 124: manufactured by Kao Corporation, phthalate ester), lubricant (polyethylene wax) , UV absorbers (benzotriazoles), light stabilizers (HALS) and pigments in the proportions shown in Table 1 (numbers are heavy A sheet having a thickness of 0.4 mm was formed by calendar molding. A sheet with good vacuum formability was obtained.
Further, as Comparative Examples 1 and 2, a thermoplastic polyurethane (UHE-75A: manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, a polyurethane using a special ether-based polyol, Shore A hardness 75) alone and an acrylic soft resin alone are used. Showed the case. The ratio of Table 1 was mix | blended and the sheet | seat of thickness 0.4mm was shape | molded by calendar molding.
The leather manufactured in this example and comparative example was examined for surface scratch resistance, cold resistance, high-frequency welder properties, flexibility, roll processability, heat resistance, and light resistance. The results are also shown in Table 1.
[0023]
[Table 1]
[0024]
In Table 1, the surface damage property was measured according to JIS K7204. However, the wear wheel was CS-10, and the load was 1 kgf × 2000 times.
The cold resistance showed the lowest temperature that passed in accordance with JIS K 6772.
The high-frequency welder was actually welded using a commercially available machine, and the adhesion between the mixed resins was evaluated by a peel test. ○ represents material destruction during peeling, and × represents interfacial peeling during peeling.
[0025]
Flexibility is achieved by touching each manufactured leather with a soft polyvinyl chloride leather (a polyvinyl chloride composition in which a synthetic resin layer is blended with 100 parts by weight of polyvinyl chloride and 100 parts by weight of plasticizer diethylhexyl phthalate). It was evaluated against a certain leather. ○ indicates a feel equivalent to that of soft polyvinyl chloride leather, Δ indicates a slightly harder feel than soft polyvinyl chloride leather, and × indicates a hard feel that cannot be replaced with soft polyvinyl chloride leather.
The roll processability was evaluated by the tackiness after 30 minutes at the calendar processing temperature (which is an appropriate melting temperature). ○ is moderately sticky, Δ is slightly sticky, and x is sticky.
The heat resistance was measured and evaluated for discoloration after standing at 110 ° C. for 500 hours.
As for light resistance, discoloration after irradiation for 300 hours with an ultraviolet carbon arc type light resistance tester having a black panel temperature of 83 ° C. was evaluated in accordance with JIS-B-7751.
[0026]
Reference example 1
Two 0.4 mm thick sheets produced in Example 1 were laminated and embossed, and a silicone-modified polycarbonate polyurethane gloss adjusting agent was applied to the surface. This sheet was vacuum-formed into the shape of an instrument panel, an aggregate was placed thereon, a foamable polyurethane liquid was poured between the molded sheet and the aggregate, and foamed to produce an instrument panel. A high-quality instrument panel with a soft feel was obtained.
[0027]
【The invention's effect】
The sheet-form molding material for vacuum forming or pressure forming according to the present invention has good flexibility, excellent touch and feel, and is suitable for vacuum forming and pressure forming. In addition, it has excellent resilience, heat resistance, light resistance, cold resistance, and surface scratch resistance, and has the advantage that it can be welded with a high-frequency welder, and is useful as a sheet-like molding material that can replace conventional soft polyvinyl chloride leather. . Therefore, it is suitable for a vehicle interior material for automobiles and a skin material for furniture, and particularly suitable for a skin material for instrument panels of automobiles.
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