JP3732862B2 - 電気かみそり - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電気かみそり、殊にネット刃とトリマー刃とを備えるとともに、この両種の刃を同時に肌に当てることができるようになっている電気かみそりに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ネット刃20とトリマー刃5との両者がほぼ同じ高さ位置に配設されて両種の刃を同時に肌に当てることができる電気かみそりがある。この電気かみそりでは、図7に示すように、ネット刃20とトリマー刃5とを同時に肌に当てることができ、この状態で矢印方向Aに電気かみそりを動かせば、長い毛やくせ毛がまずトリマー刃5によって切断され、短い毛やトリマー刃5による切断で短くなった毛がネット刃20で切断されるものである(例えば特開平4−23191号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の電気かみそりにて毛を剃る時の毛の挙動は、図7に示すように、トリマー刃5で切断された毛55が肌と刃基台上部の肌当て面50cとの間に挟まれて毛55が寝てしまうため、ネット刃20の側面の刃孔に導入されにくくなり、剃り残しが多くなるという問題がある。また、トリマー刃5の刃基台上部における肌への接触面積が大きいため、毛55を剃る時、肌との間で摩擦抵抗が大きくなって滑りが悪くなり、毛55をスムーズに且つ早く剃ることは不可能であった。
【0004】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、毛の導入が良好で剃り残しを少なくできると共に、毛をスムーズに且つ早く剃ることができるようにした電気かみそりを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ネット刃20とトリマー刃5とを一端に備えて両種の刃を同時に肌に接触させることができるようにされた電気かみそりにおいて、上下動可能なトリマー刃5の刃基台頂部50bに、トリマー刃5の刃先とネット刃20との間に位置するように肌当て面50cを形成し、該肌当て面50cにトリマー刃5の刃先で切断された毛をネット刃20に導入するための複数のスリット孔41を形成したことを特徴とする。
【0006】
ここで、上記スリット孔41の深さLはトリマー刃5の刃先側で浅く、且つネット刃20に向かうにつれて徐々に深くなるように形成されるのが好ましい。また、上記スリット孔41の幅Dはトリマー刃5の刃先側で広く、且つネット刃20に向かうにつれて徐々に狭くなるように形成するのが好ましい。
【0007】
【作用】
しかして本発明によれば、上下動可能なトリマー刃5の刃基台頂部50bに、トリマー刃5の刃先とネット刃20との間に位置するように肌当て面50cを形成し、該肌当て面50cにトリマー刃5の刃先で切断された毛をネット刃20に導入するための複数のスリット孔41を形成したことにより、トリマー刃5で切断された毛が肌当て面50cのスリット孔41内に入って起き上がり、次のネット刃20に導入され易くなる。従って、従来のように肌と刃基台頂部50bの肌当て面50cとの間に毛が挟まれて寝てしまうのを防止できるので、ネット刃20での剃り残しを少なくすることができ、しかもスリット孔41により肌当て面50cと肌との接触面積が減少することにより、毛を剃る時の摩擦抵抗が小さくなる。
【0008】
【実施例】
以下本発明を図示の実施例に基づいて詳述すると、本実施例に用いられる電気かみそりは、乾電池を電源とするとともに防水タイプのものであって、図2により全体構造をまず説明すると、図中1は本体であって、有底筒状の電池カバー1aと、筒状の上部ハウジング1bと、上部ハウジング1bにおける斜め方向に向けられた上端開口を閉じる蓋1dとで筐体が形成されたもので、その上部ハウジング1b内にはモータ10が配設されている。また上部ハウジング1bの下端には電池収納部13を備えたホルダー15がビス止めで連結されており、電池カバー1aはこのホルダー15を覆うものとなっている。図中1cは電池カバー1aの上端部外周面に装着されたアクセントリング、16はホルダー15に設けられてばね17による付勢で電池カバー1a内面の係合凹部18に係合して電池カバー1aを止める係合片、1gは防水用のOリングである。
【0009】
本体1の前面には、本体1に対して上下スライド自在となっているスイッチハンドル60と、このスイッチハンドル60の上動(オン操作)をロックするためのロックハンドル61と、スイッチハンドル60の上下操作に伴って回転するカム62、そしてこのカム62にてオンオフされる接点部とからなるスイッチ6が配設されている。
【0010】
一方、本体1におけるトリマー刃5とネット刃20とが配されている一端を上とし、他端を下とした時、本体1の上端に斜め向きに設けられたヘッド部2は、角筒状のフレーム7と、このフレーム7の上端面の開口内に配されたネット刃20及びネット刃20の両脇に配される一対のトリマー刃5,5とからなるもので、外刃21(図5)とこの外刃21内面に摺接する内刃22とからなるネット刃20における内刃22は、駆動子3を介して前記モータ10に連結されている。この駆動子3は、モータ10の出力軸に取り付けられたバランサー付きの偏心軸12の回転運動を往復運動に変換して内刃22に往復運動を行わせる。図中39は内刃22を外刃21に向けて付勢している押し上げばね、1eは前記蓋蓋1dにおける駆動子3の貫通部の防塵(防水)のためのパッキン、1fはパッキン1eの固定のための押さえ板である。
【0011】
上記ヘッド部2についてさらに詳しく説明する。フレーム7はその一端の下縁部が上記本体1にヒンジを介して連結されたもので、一面の表面側にはスライド釦8が上下スライド自在に設けられている。そしてこのフレーム7の内面には図4に示すように、トリマー刃5の上下動ガイドのためのリブ72,73,74と、後述するトリマー駆動子9を軸支するための軸71と、外刃21の保持のためのフック70と、ストッパー75とが形成されたものとなっている。なお、スライド釦8が設けられた側の面では、リブ73,74間に縦長のガイド孔を、軸71の部分にも縦長のガイド孔を備えており、軸71はスライド釦8の内面に突設されている。
【0012】
一方、トリマー刃5は刃基台50と、押し上げばね51、可動刃52、固定刃53、トリマー基台54、そしてトリマー基台54と一体に形成されたトリマー駆動子9とからなるもので、上端縁と刃基台50との間に固定刃53と可動刃52と押し上げばね51とが装着されている。尚図3中、38は駆動子3とトリマー刃5とを連結している継手である。
【0013】
このトリマー刃5の刃基台頂部50bの肌当て面50cには、図1及び図4に示すように、複数のスリット孔41が設けてある。このスリット孔41の形状を詳しく説明すると、スリット孔41の深さLは、図5に示すように、トリマー刃5の刃先側で最も浅く、且つネット刃20に向かうにつれて徐々に深くなるように形成されており、また、スリット孔41の幅Dは、図6に示すように、トリマー刃5の刃先側で最も広く、且つネット刃20に向かうにつれて徐々に狭くなるように形成されている。
【0014】
次に、電気かみそりによって実際に毛55を剃る場合の肌及び毛55の挙動を説明すると、図5に示すように、電気かみそりを矢印方向Aに動かした場合、長い毛55はトリマー刃5にて切断される。そして、比較的短い毛やトリマー刃5によって短く切断された毛はトリマー刃5の刃基台頂部50bに設けてある複数のスリット孔41に導入され、整毛されながらネット刃20へと送られる。このとき、スリット孔41内では、トリマー刃5で切断された毛55が起き上がり、ネット刃20に導入され易くなる。しかも、スリット孔41の深さLがトリマー刃5の刃先側で浅く、且つネット刃20に向かうにつれて徐々に深くなるように勾配が設けられているから、スリット孔41に導入されるまで倒れていた毛55がスリット孔41の深さLに合わせて徐々に起きてきてネット刃20の側面20aの刃孔43に入って切断される。しかも、スリット孔41の幅Dはトリマー刃5の刃先側で広く、且つネット刃20に向かうにつれて徐々に狭くなるように形成されているから、スリット孔41に導入されるまで多方向に向いていた毛55をスリット孔41により整毛でき、ネット刃20への導入がよりスムーズとなる。従って、従来のように肌と刃基台頂部50bの肌当て面50cとの間に毛55が挟まれて寝てしまうのを防止できるので、ネット刃20での剃り残しを少なくすることができる。そのうえ、スリット孔41を刃基台頂部50bに設けたことにより、肌当て面50cと肌との接触面積を減少させることができ、毛55を剃る時の肌との摩擦抵抗を小さくすることができる。その結果、毛55の導入が良好で剃り残しが少なくなり、腋などの汗ばんだ部位であってもスムーズに且つ早く剃ることができるという利点がある。
【0015】
【発明の効果】
上述のように本発明は、ネット刃とトリマー刃とを一端に備えて両種の刃を同時に肌に接触させることができるようにされた電気かみそりにおいて、上下動可能なトリマー刃の刃基台頂部に、トリマー刃の刃先とネット刃との間に位置するように刃先とネット刃との間に肌当て面を形成し、該肌当て面にトリマー刃の刃先で切断された毛をネット刃に導入するための複数のスリット孔を形成したから、肌と刃基台頂部の肌当て面との間に挟まれた毛はスリット孔内で起き上がってネット刃に導入され易くなり、しかも、スリット孔の形成によってトリマー刃の肌当て面の接触面積が減少し、毛を剃る時、肌との間で摩擦抵抗が小さくなり、その結果、毛の導入が良好で剃り残しが少なくなり、特に腋などの汗ばんだ部位であっても毛をスムーズに且つ早く剃ることができるという効果を奏する。
【0016】
ここで、上記スリット孔の深さをトリマー刃の刃先側で浅く、且つネット刃に向かうにつれて徐々に深くなるように形成した場合は、スリット孔に導入されるまで倒れていた毛をスリット孔の深さに合わせて徐々に起こすことができ、ネット刃への導入をより良くして剃り残しを一層少なくすることができる。
【0017】
上記スリット孔の幅をトリマー刃の刃先側で広く、且つネット刃に向かうにつれて徐々に狭くなるように形成した場合は、スリット孔に導入されるまで多方向に向いていた毛をスリット孔により整毛でき、ネット刃への導入がさらに良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における破断正面図である。
【図2】 同上の電気かみそり全体の縦断面図である。
【図3】 同上のヘッド部の縦断面図である。
【図4】 同上の破断分解正面図である。
【図5】 同上のヘッド部で毛を剃る場合を説明する要部断面図である。
【図6】 同上のヘッド部の平面図である。
【図7】 従来のヘッド部で毛を剃る場合を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
5 トリマー刃
20 ネット刃
41 スリット孔
50 刃基台
50b 頂部
50c 肌当て面

Claims (3)

  1. ネット刃とトリマー刃とを一端に備えて両種の刃を同時に肌に接触させることができるようにされた電気かみそりにおいて、上下動可能なトリマー刃の刃基台頂部に、トリマー刃の刃先とネット刃との間に位置するように肌当て面を形成し、該肌当て面にトリマー刃の刃先で切断された毛をネット刃に導入するための複数のスリット孔を形成したことを特徴とする電気かみそり。
  2. スリット孔の深さはトリマー刃の刃先側で浅く、且つネット刃に向かうにつれて徐々に深くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気かみそり。
  3. スリット孔の幅はトリマー刃の刃先側で広く、且つネット刃に向かうにつれて徐々に狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気かみそり。
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