JP3732389B2 - 無線通信システム、基地局装置、通信端末装置、及び無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、基地局装置、通信端末装置、及び無線通信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル無線通信システムにおいて使用される基地局装置、通信端末装置及び無線通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばPDCとPHSの両方のシステムに接続可能な端末が開発されている。このような端末においては、発信に関して一方のシステムへの優先接続を指定しておき、着信に関して両システムの同時待ち受けを可能にしている。このシステムでは、一方のシステムに接続不可の状態であるとか、一方のシステムでしか対応していないサービス(例えば、64kbpsパケット)を提供しているとの理由で、接続先がどちらか一方に限定されることはあっても、環境や混雑度やサービスに応じて、両システム間でトラヒックのシェアを行うことは基本的にはなく、独立したシステムとして運用されている。
【0003】
また、このシステムでは、電話番号も独立した2つの番号が存在する。さらに、一方のシステムの制御信号内で、「他方のシステムに移れ」「そのまま待ち受けしろ」といった内容の信号がやり取りされることはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、複数のシステムに対応した端末が存在する場合において、環境や混雑度又はサービスに応じて最適なシステムに端末を効率良く収容できる無線通信システム、並びにこのシステムにおいて使用される基地局装置、通信端末装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線通信システムは、FDDシステムのマクロセルを管理するFDD基地局と、このマクロセルと重なるエリアがあるTDDシステムのマイクロセルを管理するTDD基地局と、前記FDDシステムによる通信および前記TDDシステムによる通信の双方の通信機能を有する通信端末と、を有する無線通信システムであって、前記通信端末は、前記エリアにおいて、前記FDD基地局からの信号および前記TDD基地局からの信号の双方をモニタし、前記TDDシステムによる通信を要求する場合、その旨の制御信号を前記モニタの結果を示す制御信号と共に前記FDD基地局へ送信し、前記FDD基地局は、前記要求に対し、前記モニタの結果に基づいて前記FDDシステムおよび前記TDDシステムの通信環境、混雑度、または通信サービスを判断し、この判断結果に応じて、前記通信端末を前記FDDシステムまたは前記TDDシステムのいずれに収容するかを決定する構成を採る。
【0018】
【発明の実施の形態】
現在、IMT−2000システムとして標準化が進められているW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)のFDD(Frequency Division Duplex)システム及びTDD(Time Division Duplex)システム(TD−CDMA(Time Division−CDMA)ともいう)は、基本的には、相互に同一サービスを提供できることを前提に検討が行われており、FDDシステム又はTDDシステム単独でIMT−2000に要求されるサービスが提供できるシステムである。この場合、両方のシステムには提供するサービスの点で大きな差異がないため、同一事業者が両方のシステムを構築した場合に、いかに効率良く両方のシステムを運用するかが問題である。
【0019】
ITUが設定したIMT−2000用の周波数帯域には、FDDシステムとしてペアバンドの確保が困難な周波数帯域(2010−2025MHz)が存在するため、その周波数帯域をTDDシステム用として想定し、トラヒックをシェアして補完するシステムを構築することが検討されている。これにより、IMT−2000用の周波数帯域を効率的に活用すると共に、FDDシステムとTDDシステムの両システムを効率良く運用することができると思われる。
【0020】
本発明者は、上記の点に着目し、FDDシステムとTDDシステムの両システムを効率良く運用する場合に、双方の制御信号において、もう一方のシステムへの接続・移行、通信中のハンドオーバ、待ち受けなどの指示及びそれに必要なパラメータ信号のやり取りを可能にすることによって、環境、混雑度又はサービスに応じて最適なシステムに端末を効率よく収容することを見出し本発明をするに至った。
【0021】
すなわち、本発明の骨子は、無線伝送方式の異なる複数のシステム内において、双方の制御信号で、もう一方のシステムへの接続・移行、通信中のハンドオーバ、待ち受けなどの指示及びそれに必要なパラメータ信号のやり取りを可能にすることにより、環境、混雑度又はサービスに応じて最適なシステムに適宜切り替えて端末を効率よく収容することである。この場合、電話番号は基本的には共通(端末としての番号又はユーザID)であり、システム固有の電話番号ではない、すなわちFDD用とTDD用で異なる電話番号ではない。
【0022】
したがって、本発明は、例えば、CDMAにおけるFDD/TDDモードを同一オペレータが運用し、デュアルモードに対応した端末が存在する場合に、環境、混雑度又はサービスに応じて最適なシステムに適宜切り替えて端末を効率よく収容するシステムに関する。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおけるオーバレイ構造を示す図である。また、図2は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおける概略構成を示す図である。
【0024】
図1に示すオーバレイ構造においては、比較的広いエリアをカバーするマクロセル101の中に、比較的狭いエリアをカバーするマイクロセル102が重なっている。ここでは、説明を簡単にするために、マクロセル101においてCDMA−FDDシステムが収容され、マイクロセル102においてCDMA−TDDシステムが収容される場合について説明する。
【0025】
なお、オーバレイ構造において重なるセルは2つに限らず3つ以上でも同様に考えることができる。また、無線伝送方式が異なるシステムについても、2つに限らず3つ以上でも同様に適用することができる。
【0026】
図2に示す無線通信システムにおいては、通信端末である移動局(MS)201から送信された周波数f1の音声信号は、基地局(BS)202で受信され、所定の処理がなされて得られた受信データが無線ネットワーク制御局(以下、RNC(Radio Network Controller)と省略する)203を介して移動交換局(以下、MSC(Mobile Switching Center)と省略する)204に送られる。MSC204では、いくつかの基地局からのデータが束ねられて、電話回線網207に送られる。また、MSC204とIPパケット網208とも接続されており、必要に応じて、後述するように、一般にトンネリング技術を使用してIPパケット信号を伝送する。なお、電話回線網207としては、PSTN、ISDNなどを含むものとする。
【0027】
一方、移動局(MS)201から送信された周波数f2の高速パケットは、基地局(BS)205で受信され、所定の処理がなされて得られた受信データがルーター206でルーティングされてIP(インターネットプロトコル)パケット網208に送られる。
【0028】
このように、一方のシステムがRNC203からMSC204を介して電話回線網に接続され、他方のシステムが無線リソース管理などの制御機能を有するルーター206を介してIPパケット網208に接続している。ルーターを介してIPパケット網に接続することにより、交換機を介する必要がなく、インフラの構築・管理コストを低減させることができ、これにより通信料を低減させることができる。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおける移動局の構成を示すブロック図である。この移動局は、FDDシステムとTDDシステムがオーバーラップしたエリア(マイクロセル)において、環境、混雑度又はサービスによりシステムを選択する。なお、移動局は、複数のシステム(基地局)と通信可能であり、複数の受信系列を備えているが、図3においては説明を簡単にするために一系列のみを表記している。
【0030】
アンテナ301を介して受信した信号は、無線回路302で所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。無線受信処理された信号は、マッチドフィルタ303に送られ、マッチドフィルタ303において基地局で用いられた拡散コードで逆拡散処理が行われる。これにより、受信信号から自局に送信された信号を抽出する。
【0031】
逆拡散処理された信号は、復調回路304に送られて、復調処理されることにより受信データとなる。また、逆拡散処理された信号及び/又は復調処理された信号は、モニタ回路305に送られる。
【0032】
モニタ回路305では、基地局202と基地局205からの制御信号により、基地局202と基地局205がどのようなサービスであるかを認識して、その制御信号を制御回路306に出力する。また、モニタ回路305では、基地局からの信号を用いて受信品質や移動速度を測定し、基地局との間の伝搬路状況を推定したり、自局の移動速度がどの程度であるかを認識する。伝搬路推定結果や移動速度の情報を制御信号として制御回路306に出力する。
【0033】
制御回路306では、モニタ回路305からの制御信号と、送受信要求や伝送レートの情報とから、どのシステムと接続するかを示す旨の制御データを加算器307に出力すると共に、接続するサービスに対応するシステムの周波数に切り替える旨の切替制御信号を無線回路302に出力する。加算器307では、送信データに上記システム接続用の制御データを多重して変調回路308に出力する。変調回路308では、多重した送信データと制御データをディジタル変調処理して、拡散変調回路309に出力する。拡散変調回路309では、所定の拡散コードを用いて多重した送信データと制御データに対して拡散変調処理を行い、拡散変調後の信号を無線回路302に出力する。
【0034】
無線回路302では、送信データと制御データに対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われる。また、無線回路302には、制御回路306から接続するシステムの周波数に切り替える旨の切替制御信号が入力されるので、無線回路302はその切替制御信号にしたがって周波数を切り替える。無線送信処理後の送信データは、アンテナ301を介して基地局に対して送信される。
【0035】
図4は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおける基地局装置の構成を示すブロック図である。
【0036】
まず、移動局からは、各サービスや通信環境、移動速度などの測定に基づいて接続希望の旨を示す制御信号(接続希望情報)や前記測定の結果が送られる。
【0037】
これらの制御信号や測定結果を含む信号は、アンテナ401を介して受信され、無線回路402で所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。無線受信処理された信号は、マッチドフィルタ403に送られ、マッチドフィルタ403において基地局で用いられた拡散コードで逆拡散処理が行われる。これにより、受信信号から自局に送信された信号を抽出する。
【0038】
逆拡散処理された信号は、復調回路404に送られて、復調処理されることにより受信データとなる。また、復調処理された信号は、判断回路405に送られる。
【0039】
判断回路405では、移動局から接続希望情報や測定結果情報、これに加えて自局で監視している通信状態情報などに基づいて移動局と接続するかどうかの判断を行う。例えば、移動局から高速パケット伝送の接続要求を受けた際に、通信状態が悪かったり、混雑度が高かったりしたときには、現在高速パケット伝送を収容できないと判断して、接続・システム移行などを示す制御データを加算器406に出力する。一方、現在高速パケット伝送を収容できると判断したときには、接続可を示す制御データを加算器406に出力する。ここで、接続・システム移行などを示す制御データとは、もう一方のシステムへの接続、接続不可、システム移行、通信中のハンドオーバ、待ち受けを示す制御データを意味する。
【0040】
加算器406では、送信データに上記システム接続用の制御データを多重して変調回路407に出力する。変調回路407では、多重した送信データと制御データをディジタル変調処理して、拡散変調回路408に出力する。拡散変調回路408では、所定の拡散コードを用いて多重した送信データと制御データに対して拡散変調処理を行い、拡散変調後の信号を無線回路402に出力する。
【0041】
無線回路402では、送信データと制御データに対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われる。無線送信処理後の送信データは、アンテナ401を介して移動局に対して送信される。
【0042】
上記構成を有する移動局及び基地局で構成される無線通信システムの動作について説明する。ここでは、移動局が待ち受け状態において、マクロセル(FDDシステム)101に収容されており、必要に応じてマイクロセル(TDDシステム)102に切り替える場合について説明する。
【0043】
図3において、移動局201は、FDDシステムの基地局から信号を受信し、内部のモニタ回路305で基地局がどのような環境であるか、どのような混雑度であるか、どのような移動速度であるか、どのようなサービスを提供しているかを認識する。
【0044】
環境や混雑度は、例えば受信品質(受信SIR(Signal to Interference Ration)など)を用いて判断し、移動速度は例えばドップラー周波数を用いて判断し、サービスは基地局のシステムを示す制御信号などにより判断する。この判断は、モニタ回路305からの測定情報などを用いて制御回路306で判断する。
【0045】
制御回路306で判断された環境、混雑度又はサービス接続要求を示す制御データを、制御回路306から加算器307に出力し、基地局に送る送信データに多重する。多重された制御データと送信データは、変調回路308でディジタル変調処理され、拡散変調回路309に出力される。拡散変調回路309では、制御データと送信データに拡散変調処理がなされ、無線回路302に出力される。無線回路302では、制御データと送信データに対して所定の無線送信処理される。この送信信号は、アンテナ301を介して基地局(FDDシステム)に対して送信される。
【0046】
図4において、基地局(FDDシステム)では、移動局から送信された信号を受信して、MF403で逆拡散処理し、復調回路404で復調処理する。これにより得られた制御データの情報(環境、混雑度又はサービス)を判断回路405に送る。判断回路405では、環境、移動速度、混雑度又はサービス接続要求の情報にしたがって、移動局を収容するシステムを決定する。
【0047】
例えば、移動局から高速パケット伝送のサービス接続要求を受けた際には、高速パケット伝送に適したTDDシステムを選択する。また、移動速度が大きい(高速移動)の場合には、ハンドオーバ回数を少なくするためにFDDシステムを選択する。また、リアルタイム性を要求するサービス(音声など)において、例えば音質を重視する場合はFDDシステム(回線交換)を選択し、通話料金を安くしたいなどの場合はTDDシステムを選択する。また、環境や混雑度については、環境が良い移動局はカバーエリアを広くとるFDDシステムに収容し、環境が悪い移動局はTDDシステムに収容するように選択する。
【0048】
このように判断回路405で判断された結果を制御データとして加算器406に出力する。加算器406では、送信データに制御データを多重して変調回路407に出力する。変調回路407では、多重した送信データと制御データをディジタル変調処理し、さらに拡散変調回路408では、変調処理後の送信データと制御データを拡散変調処理し、無線回路402に出力する。
【0049】
無線回路402では、送信データと制御データに対して所定の無線送信処理が行われる。無線送信処理後の送信信号は、アンテナ401を介して移動局に対して送信される。
【0050】
移動局では、基地局(FDDシステム)から信号を受信し、この信号に対して逆拡散処理及び復調処理を行って、基地局が選択したシステムを示す制御データを取得する。この制御データは制御回路306に送られる。
【0051】
制御回路306は、システムを切り替える場合、例えば高速パケット伝送サービスを受ける場合などには、制御データにしたがってそのシステム(TDDシステム)の周波数に切り替える旨の切替制御信号を無線回路302に出力する。無線回路302は、切替制御信号にしたがって周波数を切り替える。これにより、移動局は、他のシステムの基地局(TDDシステム)と通信を行う。
【0052】
具体的には、移動局が、「通常FDDシステムで待ち受け、高速パケット通信の接続処理中に通信チャネルはTDDシステムで行え」と、基地局より指示され、その指示にしたがってシステムを切り替える。一方、音声通信では、FDDシステムのまま通信を行う。
【0053】
また、移動局の移動によりTDDのカバーエリア(マイクロセル)を超える場合には、FDDシステムにハンドオーバする。その際、伝送レートを落として接続するようしても良い。
【0054】
このように本実施の形態においては、無線伝送方式の異なる複数のシステム内で、環境、混雑度又はサービスに応じて最適なシステムに適宜切り替えるので、システムに端末を効率よく収容することができる。
【0055】
上記説明においては、音声サービスを行う基地局202(マクロセル)は、RNC203及びMSC204を介して電話回線網207に接続され、高速パケット伝送サービスを行う基地局205(マイクロセル)は、ルーター206を介してIPパケット網208に接続されている場合について説明した。本発明においては、図5に示すように、音声サービスを行う基地局202(マクロセル)も高速パケット伝送サービスを行う基地局205(マイクロセル)も共通のRNC203及びMSC204を介してバックボーン(電話回線網207やIPパケット網208)に接続される構成でも良い。この場合においても、上記と同様な効果を得ることができる。
【0056】
図5に示すように、IPパケット信号をRNC203及びMSC204を介して電話回線網207やIPパケット網208に伝送する場合には、一般にトンネリング技術を使用する。すなわち、通信端末のIPアドレス又はモバイルIPなどのモビリティを考慮したIPアドレスをみて、BS202又はBS205からMSC204間を直接ルーティングするのではなく、移動通信網としてのBTSまでの接続先を別途管理して、移動通信網として独自にパス(ローカルなアドレス、ノードアドレス)を張って、IPパケット網208からの信号を転送する方法を採用することができる。
【0057】
上記説明においては、基地局が接続可能かどうかを判断し、その判断結果を通知する場合について説明した。本発明においては、基地局が接続可能かどうかを判断するだけではなく、移動局をどちらのシステムに収容すれば良いかを判断(調整)するようにしても良い。
【0058】
この場合、図5に示すように、共通の制御局(RNC)で構成される場合は、RNC203又はMSC204において、移動局をどちらのシステムに収容すれば良いかを判断する。また、図2に示すように、RNC203とルーター206を独立して設ける場合は、RNC203(又はMSC204)とルーター206との間に、移動局をどちらのシステムで収容するかを判断する装置を設け、その装置で移動局をどちらのシステムで収容するかを判断し、その判断結果を移動局に通知する。
【0059】
(実施の形態2)
本実施の形態では、自局が収容されるシステムを移動局が選択し、その状態を基地局に事前に通知する場合について説明する。この場合、移動局がシステムを切り替えるときには、スイッチで切り替える方式と下り回線信号の受信レベルなどの受信品質により自動的に切り替える方式とがある。
【0060】
図6は、本発明の実施の形態2に係る無線通信システムにおける移動局の構成を示すブロック図である。なお、図6において、図3と同一の部分については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0061】
この移動局は、FDDシステムとTDDシステムがオーバーラップしたエリア(マイクロセル)において、環境、混雑度又はサービスによりシステムを選択する。また、移動局は、複数のシステム(基地局)と通信可能であり、複数の受信系列を備えているが、図6においては説明を簡単にするために一系列のみを表記している。
【0062】
図6に示す移動局装置は、下り回線信号の受信レベルを測定する受信レベル(受信品質)測定回路601を備えている。受信レベル測定回路601は、無線回路302で無線受信処理された受信信号の受信レベルを測定し、その測定結果を制御回路306に出力する。
【0063】
制御回路306では、受信レベルの測定結果に基づいて、自局が収容されるシステムを選択する。例えば、移動局がTDDシステムのエリアでない場合(FDDシステム単独のエリア)において、TDDシステムの受信レベル(例えば、同期用信号や共通制御信号の受信レベル)がある閾値以下(及びFDDシステムの受信レベルがある閾値以上)のときは、移動局はFDDシステムを選択する。なお、TDDシステムに関する閾値とFDDシステムに関する閾値は別々に設定しても良い。
【0064】
また、オーバーラップしたエリアである場合において、両システムともに閾値(一般には異なる値)以上のレベルのときは、エリア的には、どちらにも通信可能と移動局は判断する。その上で、通信環境、混雑度又は希望通信サービスによりシステムを選択する。
【0065】
このとき、移動局はどちらのシステムに接続するかの最終判断をするものの、一方的に決定するのではなく、あらかじめ下り回線の制御信号(報知信号)にサービスや環境に応じてどちらのシステムに接続した方がよい(又は優先順位、推奨などの)との指示があり、それをベースに上記条件(通信環境、混雑度、希望通信サービスなど)も考えて、システムを選択する。この場合、システム選択権が移動局にあるため、移動局が接続希望を基地局にしたものの、何らかの理由で収容不可の場合は、基地局より「接続不可」の信号が来ることになる。その際は、移動局が再度もう一方のシステムを選択して、そちら側の基地局に接続要求を行う。
【0066】
制御回路306で選択されたシステムにしたがって、そのシステムに接続できるように周波数を切り替える旨の切替制御信号を無線回路302に出力する。無線回路302は、切替制御信号にしたがって周波数を切り替える。
【0067】
なお、移動局でシステムを切り替える場合、受信レベルを測定しないで、スイッチなどにより切り替えるようにしても良い。この場合には、スイッチによる切替信号が制御回路306に入力され、制御回路306から切替制御信号が無線回路302に出力され、無線回路302は、切替制御信号にしたがって周波数を切り替える。
【0068】
このように本実施の形態においては、無線伝送方式の異なる複数のシステム内で、環境、混雑度又はサービスに応じて最適なシステムに適宜切り替えるので、システムに端末を効率よく収容することができる。
【0069】
本実施の形態では、システム選択の基準として受信レベル(受信信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)を用いた場合について説明しているが、本発明においては、システム選択の基準として、他の受信品質、例えば受信SIR、受信Eb/N0、受信Ec/N0(Ec:チップ当りの受信エネルギー)を用いても良い。
【0070】
また、本実施の形態においては、あらかじめ下り回線の制御信号(報知信号)にサービスや環境に応じてどのシステムに接続するよう(又は優先順位の)指示があり、それと移動局における受信状況(受信品質だけでなく移動速度など)も考慮して、移動局がシステムを選択するようにしても良い。
【0071】
上記実施の形態1,2では、待ち受けを一つのシステムで行う場合について説明しているが、本発明は両方のシステムで待ち受けを行うようにしても良い。ただし、消費電力を考慮すると、待ち受けを一つのシステムで行うことが望ましい。
【0072】
上記実施の形態1,2では、複数のシステムがCDMA−FDDシステムとCDMA−TDDシステムである場合について説明しているが、本発明は、複数のシステムが他のシステムの組み合わせ、例えばHDRシステムとcdmaoneシステム、GSMシステムとCDMA−FDDシステムなどである場合にも同様に適用することができる。
【0073】
本発明は上記実施の形態1,2に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、CDMA−FDDシステム及びCDMA−TDDシステムを含む複数のシステムを有する無線通信システムにおいて、通信端末装置において各システムからの下り回線信号を監視して監視情報を出力し、基地局装置において通信端末装置からの監視情報に基づいて前記通信端末装置を収容するシステムを選択し、前記通信端末装置において前記基地局で選択されたシステムの基地局と通信接続を行うので、無線伝送方式の異なる複数のシステム内で、環境、混雑度又はサービスに応じて最適なシステムに適宜切り替えるので、システムに端末を効率よく収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおけるオーバレイ構造を示す図
【図2】本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおける概略構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおける通信端末装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおける基地局装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1に係る無線通信システムにおける概略構成の他の例を示す図
【図6】本発明の実施の形態2に係る無線通信システムにおける通信端末装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
101 マクロセル
102 マイクロセル
201 移動局
202,205 基地局
203 無線ネットワーク制御局(RNC)
204 移動交換局(MSC)
206 ルーター
207 電話回線網
208 IPパケット網
301,401 アンテナ
302,402 無線回路
303,403 マッチドフィルタ
304,404 復調回路
305 モニタ回路
306 制御回路
307,406 加算器
308,407 変調回路
309,408 拡散変調回路
405 判断回路
601 受信レベル(受信品質)測定回路

Claims (5)

  1. FDDシステムのマクロセルを管理するFDD基地局と、このマクロセルと重なるエリアがあるTDDシステムのマイクロセルを管理するTDD基地局と、前記FDDシステムによる通信および前記TDDシステムによる通信の双方の通信機能を有する通信端末と、を有する無線通信システムであって、
    前記通信端末は、
    前記エリアにおいて、前記FDD基地局からの信号および前記TDD基地局からの信号の双方をモニタし、前記TDDシステムによる通信を要求する場合、その旨の制御信号を前記モニタの結果を示す制御信号と共に前記FDD基地局へ送信し、
    前記FDD基地局は、
    前記要求に対し、前記モニタの結果に基づいて前記FDDシステムおよび前記TDDシステムの通信環境、混雑度、または通信サービスを判断し、この判断結果に応じて、前記通信端末を前記FDDシステムまたは前記TDDシステムのいずれに収容するかを決定する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記FDD基地局は、
    前記モニタの結果に加え、さらに自局による通信環境または混雑度のモニタ結果に基づいて、前記通信端末を前記FDDシステムまたは前記TDDシステムのいずれに収容するかを決定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  3. 請求項1記載の無線通信システムで使用されるFDD基地局装置であって、
    前記通信端末から送信される制御信号を受信する受信手段と、
    前記制御信号に含まれるモニタの結果に基づいて、前記FDDシステムおよび前記TDDシステムの通信環境、混雑度、または通信サービスを判断する判断手段と、
    前記判断手段の判断結果に応じて、前記通信端末を前記FDDシステムまたは前記TDDシステムのいずれに収容するかを決定する決定手段と、
    前記決定手段の決定の結果を前記通信端末へ送信する送信手段と、
    を具備することを特徴とするFDD基地局装置。
  4. 請求項1記載の無線通信システムで使用される通信端末装置であって、
    前記エリアにおいて、前記FDD基地局からの信号および前記TDD基地局からの信号の双方をモニタするモニタ手段と、
    前記TDDシステムによる通信を要求する制御信号を、前記モニタ手段のモニタ結果を示す制御信号と共に前記FDD基地局へ送信する送信手段と、
    このモニタ結果に基づいて前記FDD基地局で行われる、収容システムについての決定の結果を受信する受信手段と、
    前記決定の結果に従って前記FDDシステムまたは前記TDDシステムによる通信を行う通信手段と、
    を具備することを特徴とする通信端末装置。
  5. FDDシステムのマクロセルを管理するFDD基地局と、このマクロセルと重なるエリアがあるTDDシステムのマイクロセルを管理するTDD基地局と、前記FDDシステムによる通信および前記TDDシステムによる通信の双方の通信機能を有する通信端末と、の間で使用される無線通信方法であって、
    前記通信端末は、
    前記エリアにおいて、前記FDD基地局からの信号および前記TDD基地局からの信号の双方をモニタし、前記TDDシステムによる通信を要求する場合、その旨の制御信号を前記モニタの結果を示す制御信号と共に前記FDD基地局へ送信し、
    前記FDD基地局は、
    前記要求に対し、前記モニタの結果に基づいて前記FDDシステムおよび前記TDDシ ステムの通信環境、混雑度、または通信サービスを判断し、この判断結果に応じて、前記通信端末を前記FDDシステムまたは前記TDDシステムのいずれに収容するかを決定する、
    ことを特徴とする無線通信方法。
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