JP3673773B2 - 光学装置、光学装置駆動ユニットおよびカメラシステム - Google Patents

光学装置、光学装置駆動ユニットおよびカメラシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビカメラ、ビデオカメラシステムなどに用いられる光学装置および光学装置駆動ユニットに関し、例えばENGカメラシステムなどに用いられるズームレンズ装置や駆動ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のテレビレンズやビデオレンズ等の光学装置における、ズームコントロールスイッチやズームデマンド等を用いたズーム速度制御は、例えば特開昭51−40924号公報にて提案されている。
【0003】
このズーム駆動制御は、モータなどの駆動系と、この駆動系の作動を制御する制御系とからなるサーボ手段により行われるようになっており、このサーボ手段における制御系に指令信号を与えるためにズームコントロールスイッチやズームデマンドが使用される。そして実際のズーム操作では、ズームコントロールスイッチやズームデマンドに設けられたサムリングの操作量に応じて、低速度から高速度まで撮影者が欲するズーム速度に調整できるように構成されている。
【0004】
ところで、テレビカメラやビデオカメラなどを用いての撮影では、様々な撮影手法が採られるが、その1つとして、一定の低速度でズーム駆動を行いながら撮影を行う撮影手法がある。そして、この撮影手法を、撮影中に何度も繰り返して使用することもある。
【0005】
従来、このようなズーム駆動は、撮影者が、ズームコントロールスイッチやズームデマンドに設けられたサムリングの操作量を一定に保つことによって実現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮影者にとって、ズーム駆動を行っている間、ズームコントロールスイッチ等の操作量を一定に保つことは容易ではない。特にズーム駆動速度を低速度にするほど、ズームコントロールスイッチ等の操作量を一定に保つ時間も長くなり、操作量を一定に保つことは大変困難になる。さらに、同じズーム駆動速度を何度も繰り返し再現することも困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、レンズその他の光学調節手段に対し、予め記憶されたプリセット情報を用いるプリセット駆動制御を行う光学装置又は光学装置駆動ユニットにおいて、プリセット駆動制御を開始する前に予め、光学調節手段が駆動され、かつ記憶指示操作手段が操作されたときに、この記憶指示操作手段の操作時点での光学調節手段の実駆動速度および実駆動方向をプリセット速度情報およびプリセット方向情報として記憶する記憶手段と、操作量および操作方向に応じた光学調節手段の駆動速度指令および駆動方向指令を発生させるために操作される駆動指令操作手段が操作されていないときに、制御開始操作手段が操作されることに応じて、光学調節手段を、記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を行う演算処理回路とを設け、演算処理回路に、速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、制御開始操作手段が操作されることに応じて、このプリセット駆動制御を中止させ、さらに中止した後、制御開始操作手段が操作されることに応じて、光学調節手段を、記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を再開させるようにしている。
【0008】
また、本発明では、レンズその他の光学調節手段に対し、予め記憶されたプリセット情報を用いるプリセット駆動制御を行う光学装置又は光学装置駆動ユニットにおいて、プリセット駆動制御を開始する前に予め、操作量および操作方向に応じた光学調節手段の駆動速度指令および駆動方向指令を発生させるために操作される駆動指令操作手段が操作され、かつ記憶指示操作手段が操作されたときに、この記憶指示操作手段の操作時点での駆動速度指令および駆動方向指令をプリセット速度情報およびプリセット方向情報として記憶する記憶手段と、駆動指令操作手段記が操作されていないときに、制御開始操作手段が操作されることに応じて、光学調節手段を、記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を行う演算処理回路とを設け、演算処理回路に、速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、制御開始操作手段が操作されることに応じて、このプリセット駆動制御を中止させ、さらに中止した後、制御開始操作手段が操作されることに応じて、光学調節手段を、記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を再開させるようにしている。
【0009】
このように、速度・方向プリセット駆動制御を開始する前に予め、撮影者等が光学調節手段の任意の実駆動速度および実駆動方向、又は駆動速度指令および駆動方向指令を記憶させておき、この記憶させておいた速度で、記憶させておいた方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を可能とすることにより、きわめて簡単な操作によって光学調節手段の記憶された方向への一定速度駆動が可能となる。しかも、同一方向への同一速度での一定速度駆動を何度でも(一旦、速度・方向プリセット駆動制御を中止させた後でも)正確に再現することが可能となる。
【0010】
なお、特に低速での光学調節手段の速度・方向プリセット駆動制御を行う場合に、撮影者にとって速度・方向プリセット駆動制御が行われているか否かの判断が難しくなるおそれがあるため、速度・方向プリセット駆動制御が行われていることを視覚的に判断できる表示手段を設けるのが好ましい。
【0011】
また、上記発明において、光学調節手段の駆動速度を、プリセット速度情報に対応する駆動速度とするか、駆動可能な最高駆動速度とするかを選択するために操作される速度選択操作手段を設け、この速度選択操作手段の操作により選択された駆動速度で光学調節手段を駆動するようにしてもよい。
【0012】
これにより、速度・方向プリセット駆動制御を用いた撮影手法の幅を広げることができ、より一層有意義なプリセット駆動制御機能を実現することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態であるレンズ装置(光学装置)の構成を示している。
【0014】
この図において、1は撮影者によって操作されるズームコントロールスイッチ(駆動指令操作手段)、2はレンズ装置の変倍調整を行うズームレンズ光学系(光学調節手段)9を電動駆動するために、ズームコントロールスイッチ1の操作量に比例した駆動方向および駆動速度(駆動量や駆動位置であってもよい)を指示する指令信号を発生する指令信号発生回路である。
【0015】
3はズームコントロールスイッチ1の操作量に対するズームレンズ光学系9の駆動速度を可変するズーム速度可変ボリューム、4は指令信号をA/D変換回路5に取り込むために信号レベル、シフト変換を行う指令信号演算回路である。A/D変換回路5は、指令信号演算回路4から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変換する。
【0016】
6は本レンズ装置の動作制御を司るCPUであり、このCPU6内には、プリセット速度(プリセット速度情報)およびプリセット方向(プリセット方向情報)を記憶可能なメモリ(記憶手段)6aが備えられている。また、このCPU6は、上記メモリ6aに記憶されたプリセット速度で、記憶されたプリセット方向に駆動する「スピードプリセットズーム制御」(速度・方向プリセット駆動制御)も司る。
【0017】
8は「スピードプリセットズーム制御」に用いるプリセット速度およびプリセット位置の記憶指示をCPU6に与えるために共用されるメモリスイッチ(記憶指示操作手段)である。
【0018】
また、7は、後述するように、ズームレンズ光学系9が駆動されているときにオン操作されることによりプリセット速度およびプリセット方向をメモリ6aに記憶させるメモリ実行機能と、プリセット速度およびプリセット速度の記憶後にオン操作されることによりこの制御動作の開始(および中止)を指示する機能とを併せ持つスピードプリセットズームスイッチ(制御開始操作手段)である。
【0019】
10はCPU6からズームレンズ光学系9を駆動するため出力される指令信号をディジタル信号からアナログ信号に変換するD/A変換回路、11はD/A変換回路10から出力される指令信号の信号レベル、シフト変換を行うCPU指令信号演算回路、12はズームレンズ光学系9の駆動をズームコントロールスイッチ1から行うか、CPU6から行うかを切換える指令信号切換えスイッチである。
【0020】
13はズームレンズ光学系9を駆動するモータ14を作動させるための電力増幅回路、15はズームレンズ光学系9の駆動速度に応じた速度信号を出力する速度検出器、16は速度信号をA/D変換回路17に取り込むために信号レベル、シフト変換を行う速度信号演算回路である。A/D変換回路17は、速度信号演算回路16から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変換する。
【0021】
18はズームレンズ光学系9の位置に応じた位置信号を出力する位置信号検出器(位置検出手段)、19は位置信号をA/D変換回路20に取り込むために信号レベル、シフト変換を行う位置信号演算回路である。A/D変換回路20は、置信号演算回路19から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変換する。
【0022】
21は「スピードプリセットズーム制御」が行われているか否かを視覚的に判断させるための表示を行うプリセット動作表示器である。
【0023】
なお、スピードプリセットズームスイッチ7およびメモリスイッチ8は、ズームレンズ光学系9や不図示のフォーカスレンズ光学系を有するレンズ装置本体に一体的に設けてもよいし、レンズ装置本体にケーブル等を介して接続され、ズームコントロールスイッチ1に代わるサムリング等を備えるズームデマンド(外部コントロールユニット)に設けてもよい。
【0024】
また、上記構成のうちズームレンズ光学系9を除く構成部分、すなわちズームコントロールスイッチ1、CPU6等の各回路、モータ14、速度検出器15、位置検出器18、スピードプリセットズームスイッチ7およびメモリスイッチ8は、ハンディタイプのレンズ装置本体に装着又は接続されて用いられるレンズ駆動ユニット(光学装置駆動ユニット)に設けてもよい。
【0025】
このような構成のレンズ装置又はレンズ駆動ユニットにおいては、プリセット速度およびプリセット速度を記憶するために、ズームレンズ光学系9を予めモータ駆動する必要がある。
【0026】
ここでは、まずズームコントロールスイッチ1からのズームレンズ光学系9の駆動制御について説明する。ズームコントロールスイッチ1が操作されると、その操作量に比例した駆動方向および駆動速度(駆動量や駆動位置であってもよい)を指示する指令信号が指令信号発生回路2から出力される。この指令信号は、ズームコントロールスイッチ1の操作量に対するズームレンズ光学系9の駆動速度を可変するズーム速度可変ボリューム3および指令信号切換えスイッチ12のA側を介して電力増幅回路13に入力され、電力増幅回路13によって所定レベルに増幅された後、モータ14に入力される。これによりモータ14が作動し、ズームレンズ光学系9が駆動される。
【0027】
また、プリセット速度およびプリセット方向を記憶する際に必要なズームレンズ光学系9の実駆動速度および実駆動方向は、速度検出器13からの出力が、速度信号演算回路16およびA/D変換回路17を介してCPU6に入力されることにより検出可能である。
【0028】
さらに、後述するように、プリセット速度およびプリセット方向を記憶する際に必要なズームコントロールスイッチ1が操作されたか否かの判断は、ズームコントロールスイッチ1の操作量に比例した指令信号が指令信号発生回路2から出力され、ズーム速度可変ボリューム3、指令信号演算回路4およびA/D変換回路5を介してCPU6に入力されることにより可能である。
【0029】
また、ズームレンズ光学系9の実駆動位置は、位置検出器18からの出力が位置信号演算回路19およびA/D変換回路20を介してCPU6に入力されることにより検出可能である。
【0030】
次に、上記「スピードプリセットズーム制御」を実行する上で必要なプリセット速度およびプリセット方向の記憶設定手順について説明する。
【0031】
この記憶設定手順では、撮影者がズームコントロールスイッチ1を操作し、予めプリセットしたい速度でプリセットしたい方向にズームレンズ光学系9を駆動した状態で、メモリスイッチ8をオフからオンにした時のズームレンズ光学系9の駆動速度および方向(速度検出器15を通じて検出したズームレンズ光学系9の実駆動速度および実駆動方向)をそれぞれプリセット速度およびプリセット方向としてCPU6が記憶する。
【0032】
この時のCPU6の処理を図2を用いて説明する。まず、初期設定としてメモリ6a内に構成されたプリセット速度メモリ領域にプリセット速度として最高速などの所定のズーム駆動速度を記憶する(ステップ101)。この初期設定時のプリセット速度は、撮影者の希望するズーム駆動速度でも、前回のレンズ装置の電源投入がされている最中に設定したズーム駆動速度でもよい。
【0033】
また、初期設定としてメモリ6a内に構成されたプリセット方向メモリ領域にプリセット方向として望遠側、広角側などの所定のズーム駆動方向を記憶する(ステップ102)。この初期設定時のプリセット方向は、撮影者の希望するズーム駆動方向でも、前回のレンズ装置の電源が投入されている最中に設定したズーム駆動方向でもよい。
【0034】
次に、A/D変換回路17からズームレンズ光学系9の駆動速度および駆動方向を取得する(ステップ103)。その後、A/D変換回路5のデータを取得して、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かを判断し(ステップ104)、ズームコントロールスイッチ1が操作されていない場合には、再びA/D変換回路17からズーム速度およびズーム方向を取得する(ステップ103)。
【0035】
ズームコントロールスイッチ1が操作されていた場合には、メモリスイッチ84がオフからオンに変化したか否かを判断し(ステップ105)、メモリスイッチ8がオフからオンに状態が変化していない場合には、ステップ103に戻る。
【0036】
メモリスイッチ8がオフからオンに変化している場合には、ステップ103で取得した駆動速度を新たなプリセット速度として、プリセット速度メモリ領域に記憶する(ステップ106)。さらに、ステップ103で取得した駆動方向を新たなプリセット方向として、プリセット方向メモリ領域に記憶する(ステップ107)。
【0037】
次に、「スピードプリセットズーム制御」の動作(以下、単にプリセット動作という)について説明する。このプリセット動作時のズームレンズ光学系9の制御は、CPU6から出力される指令信号が、D/A変換回路10、CPU指令信号演算回路11、指令信号切換えスイッチ12のB側および電力増幅回路13を介してモータ14に入力されることにより、ズームレンズ光学系9を予め設定されたプリセット速度で、予め設定されたプリセット方向に、ズームレンズ光学系9の可動範囲端(途中でスピードプリセットズーム制御が中止されたときはその位置)まで駆動することで行われる。
【0038】
この時のCPU6の処理を図3および図4を用いて説明する。まず、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かを判断し(ステップ201)、ズームコントロールスイッチ1が操作されている場合は、ズームレンズ光学系9の制御をズームコントロールスイッチ1から行うために、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換える(ステップ202)。
【0039】
次に、プリセット動作が行われているか否かを判断し(ステップ203)、プリセット動作が行われていない場合には、再びズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断(ステップ201)に戻る。
【0040】
ステップ203にてプリセット動作が行われている場合には、プリセット動作表示器21をオフし(ステップ204)、その後プリセット動作を終了(中止)する(ステップ205)。そして、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断(ステップ201)に戻る。
【0041】
一方、ステップ201にてズームコントロールスイッチ1が操作されていない場合には、プリセット動作が行われているか否かを判断し(ステップ206)、プリセット動作が行われていない場合には、ステップ219に進む。
【0042】
ステップ206にてプリセット動作が行われている場合には、A/D変換回路17からズームレンズ光学系9の速度および方向を取得し(ステップ207)、さらにA/D変換回路20からズームレンズ光学系9の位置を取得する(ステップ408)。
【0043】
次に、ステップ208にて取得したズーム位置がこのレンズ装置における可動範囲端位置に達したか否かを判断し(ステップ209)、ズーム位置が可動範囲端に達した場合には、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換え(ステップ210)、プリセット動作表示器21をオフして(ステップ211)、プリセット動作を終了する(ステップ212)。
【0044】
ステップ209にてズーム位置が可動範囲端に達していない場合には、ステップ207にて取得したズーム速度と、図2に示すフローによって予めメモリ6aに記憶しておいたプリセット速度とが等しいか否か(例えば、ズーム速度がプリセット速度に対して所定の許容範囲内におさまっているか否か)を判断する(ステップ213)。
【0045】
ズーム速度とプリセット速度とが等しくない場合には、ズーム速度よりもプリセット速度の方が速いか否かを判断し(ステップ214)、ズーム速度よりもプリセット速度の方が速い場合には、D/A変換回路10への指令信号出力を増加させる(ステップ216)。また、ズーム速度よりもプリセット速度の方が遅い場合には、D/A変換回路10への指令信号出力を減少させる(ステップ215)。
【0046】
その後、ステップ207にて取得したズーム方向と、予め記憶しておいたプリセット方向とが等しいか否かを判断し(ステップ217)、ズーム方向とプリセット方向が等しくない場合には、現在のズーム方向とは反対方向にズームレンズ光学系9を駆動する(ステップ218)。
【0047】
上記の諸処理が終了した後、スピードプリセットズームスイッチ7(図3および図4には、プリセットズームスイッチ7と記す)がオフからオンに変化したか否かを判断し(ステップ219)、スピードプリセットズームスイッチ7がオフからオンに変化していない場合には、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断(ステップ201)に戻る。
【0048】
一方、スピードプリセットズームスイッチ7がオフからオンに変化している場合には、プリセット動作が行われているか否かを判断し(ステップ220)、プリセット動作が行われていない場合には、指令信号切換えスイッチ12をB側に切り換え(ステップ221)、プリセット動作表示器21をオンする(ステップ223)。さらに、図2に示すフローによってメモリ6aに記憶しておいたプリセット速度でのプリセット方向へのプリセット動作を開始する(ステップ223)。
【0049】
この後、ズームレンズ光学系9が可動範囲端に達すると(ステップ209)、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換え(ステップ210)、プリセット動作表示器21をオフして(ステップ211)もプリセット動作を終了する(ステップ212)。
【0050】
一方、ステップ220にてプリセット動作が行われている場合には、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換え(ステップ224)、プリセット動作表示器21をオフし(ステップ225)、その後プリセット動作を終了(中止)する(ステップ226)。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、予め撮影者等がメモリスイッチ8の操作により任意に選択し、メモリ6aに記憶させておいた速度で、記憶させておいた方向にズームレンズ光学系9を駆動するプリセット動作を可能とすることにより、きわめて簡単な操作によってズームレンズ光学系9の一定速度駆動が可能となる。しかも、スピードプリセットズームスイッチ7をオンするだけで、ズームレンズ光学系9の同一速度での一定速度駆動を何度でも正確に再現することができる。
【0052】
ここで、撮影手法の1つとして、ある画角から一定速度でズーム駆動し、別の画角で停止させた(プリセット動作を中止させた)後、再度前のズーム駆動と同じズーム駆動速度、ズーム方向でズーム駆動を行い、また他の画角で停止させる(プリセット動作を中止させる)というものがあるが、本実施形態によれば、そのような撮影手法にも対応できるものである。このことは、以下の実施形態でも同様である。
【0053】
また、本実施形態によれば、プリセット動作を行う際にプリセット動作表示器21をオンするようにしているので、例えば低速でのプリセット動作が行われているときでも、撮影者にプリセット動作が行われているか否かを明確に認識させることができる。
【0054】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、「スピードプリセットズーム制御」、すなわちプリセット動作を予め設定したプリセット速度で、予め設定したプリセット方向に行う場合についてのみ説明したが、プリセット動作中のズームレンズ光学系9の駆動速度を、プリセット速度で行うか、そのレンズ装置又は駆動ユニットが駆動可能な最高速で行うかの切り換え機能を付加することにより、テレビやビデオの撮影の際の撮影手法の幅を更に広げ、より一層有意義なプリセット機能を実現することが可能となる。
【0055】
図5には、本実施形態のレンズ装置の構成を示している。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する構成要素には第1実施形態と同符号を付す。
【0056】
本実施形態では、第1実施形態の構成に、プリセット動作中のズームレンズ光学系9の駆動速度をプリセット速度で行うか最高速で行うかのプリセットモード切換えスイッチ(速度選択操作手段)22を追加している。
【0057】
なお、スピードプリセットズームスイッチ7、メモリスイッチ8およびプリセットモード切換えスイッチ22は、ズームレンズ光学系9や不図示のフォーカスレンズ光学系を有するレンズ装置本体に一体的に設けてもよいし、レンズ装置本体にケーブル等を介して接続され、ズームコントロールスイッチ1に代わるサムリング等を備えるズームデマンド(外部コントロールユニット)に設けてもよい。
【0058】
また、上記構成のうちズームレンズ光学系9を除く構成部分、すなわちズームコントロールスイッチ1、CPU6等の各回路、モータ14、速度検出器15、位置検出器18、スピードプリセットズームスイッチ7、メモリスイッチ8およびプリセットモード切換えスイッチ22は、ハンディタイプのレンズ装置本体に装着又は接続されて用いられるレンズ駆動ユニット(光学装置駆動ユニット)に設けてもよい。
【0059】
このような構成のレンズ装置又はレンズ駆動ユニットにおいては、プリセット速度およびプリセット方向を記憶するために、ズームレンズ光学系9を予めモータ駆動する必要がある。この点については、第1実施形態と同様である。
【0060】
また、ズームコントロールスイッチ1からのズームレンズ光学系9の駆動制御方法、プリセット速度およびプリセット方向を記憶する際に必要なズームレンズ光学系9の駆動速度および駆動速度の検出方法、さらにはプリセット速度およびプリセット方向を記憶する際に必要なズームコントロールスイッチ1が操作されたか否かの判断方法についても第1実施形態と同様である。
【0061】
次に、本実施形態におけるプリセット動作について説明する。本実施形態のプリセット動作時のズームレンズ光学系9の制御も、CPU6から出力される指令信号が、D/A変換回路10、CPU指令信号演算回路11、指令信号切換えスイッチ12のB側および電力増幅回路13を介してモータ14に入力されることにより行われる点では第1実施形態と同様であるが、プリセットモード切換えスイッチ22の状態により、CPU6からズームレンズ光学系9を予め設定されたプリセット速度で駆動するための指令信号が出力されるプリセットモードと最高速で駆動するための指令信号が出力される最高速モードとが選択的に設定される点で第1実施形態と異なる。なお、いずれのモードに設定されても、予め設定されたプリセット方向に、ズームレンズ光学系9の可動範囲端(途中でスピードプリセットズーム制御が中止されたときはその位置)まで駆動する点は同じある。
【0062】
この時のCPU6の処理を図6および図7を用いて説明する。まず、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かを判断し(ステップ401)、ズームコントロールスイッチ1が操作されている場合は、ズームレンズ光学系9の制御をズームコントロールスイッチ1から行うために、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換える(ステップ402)。
【0063】
次に、プリセット動作が行われているか否かを判断し(ステップ403)、プリセット動作が行われていない場合には、再びズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断(ステップ401)に戻る。
【0064】
ステップ403にてプリセット動作が行われている場合には、プリセット動作表示器21をオフし(ステップ404)、その後プリセット動作を終了(中止)する(ステップ405)。そして、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断(ステップ401)に戻る。
【0065】
一方、ステップ401にてズームコントロールスイッチ1が操作されていない場合には、プリセット動作が行われているか否かを判断し(ステップ406)、プリセット動作が行われていない場合には、ステップ420に進む。
【0066】
ステップ406にてプリセット動作が行われている場合には、A/D変換回路17からズームレンズ光学系9の速度および方向を取得し(ステップ407)、さらにA/D変換回路20からズームレンズ光学系9の位置を取得する(ステップ408)。
【0067】
次に、ステップ408にて取得したズーム位置がこのレンズ装置における可動範囲端位置に達したか否かを判断し(ステップ409)、ズーム位置が可動範囲端に達した場合には、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換え(ステップ410)、プリセット動作表示器21をオフして(ステップ411)、プリセット動作を終了する(ステップ412)。
【0068】
ステップ409にてズーム位置が可動範囲端に達していない場合には、プリセットモード切換えスイッチ22によりプリセットモードが選択されているか否かを判断する(ステップ413)。
【0069】
ここで、プリセットモードが選択されている場合には、ステップ407にて取得したズーム速度と、第1実施形態にて説明した図2に示すフローによって予めメモリ6aに記憶しておいたプリセット速度とが等しいか否か(例えば、ズーム速度がプリセット速度に対して所定の許容範囲内におさまっているか否か)を判断する(ステップ414)。
【0070】
ズーム速度とプリセット速度とが等しくない場合には、ズーム速度よりもプリセット速度の方が速いか否かを判断し(ステップ415)、ズーム速度よりもプリセット速度の方が速い場合には、D/A変換回路10への指令信号出力を増加させる(ステップ417)。また、ズーム速度よりもプリセット速度の方が遅い場合には、D/A変換回路10への指令信号出力を減少させる(ステップ416)。
【0071】
その後、ステップ407にて取得したズーム方向と、予め記憶しておいたプリセット方向とが等しいか否かを判断(ステップ418)し、ズーム方向とプリセット方向が等しくない場合には、現在のズーム方向とは反対方向にズームレンズ光学系9を駆動する(ステップ419)。
【0072】
なお、プリセットモードが選択されていない場合およびズーム速度がプリセット速度に等しい場合にはそのまま、ステップ418に進む。
【0073】
上記の諸処理が終了した後、スピードプリセットズームスイッチ7(図6および図7には、プリセットズームスイッチ7と記す)がオフからオンに変化したか否かを判断し(ステップ420)、スピードプリセットズームスイッチ7がオフからオンに変化していない場合には、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断(ステップ401)に戻る。
【0074】
一方、スピードプリセットズームスイッチ7がオフからオンに変化している場合には、プリセット動作が行われているか否かを判断し(ステップ421)、プリセット動作が行われていない場合には、指令信号切換えスイッチ12をB側に切り換え(ステップ425)、プリセット動作表示器21をオンする(ステップ426)。そして、プリセットモード切換えスイッチ22によりプリセットモードが選択されているか否かを判断し(ステップ427)、プリセットモードが選択されていない場合には、駆動可能な最高速でプリセット動作を開始(ステップ428)、また、プリセットモードが選択されている場合には、プリセット速度でプリセット動作を開始する(ステップ429)。
【0075】
この後、ズームレンズ光学系9が可動範囲端に達すると(ステップ409)、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換え(ステップ410)、プリセット動作表示器21をオフして(ステップ411)、プリセット動作を終了する(ステップ412)。
【0076】
一方、ステップ421にてプリセット動作が行われている場合には、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換え(ステップ422)、プリセット動作表示器21をオフし(ステップ423)、その後プリセット動作を終了(中止)する(ステップ424)。
【0077】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態により得られる作用効果に加えて、プリセット動作をプリセット速度で行うかそのレンズ装置等が駆動可能な最高速で行うのかを撮影者が任意に選択できるので、テレビカメラやビデオカメラを用いての撮影の際の撮影手法の幅を更に広げることができ、より一層有意義なプリセット機能を実現することができる。
【0078】
なお、上記第1および第2実施形態では、プリセット動作に用いるプリセット速度を、ズームレンズ光学系9の実駆動速度から得るようにした場合について説明したが、プリセット速度をズームコントロールスイッチ1の操作に比例した速度指令信号から得るようにしてもよい。
【0079】
また、上記第1および第2実施形態では、ズームレンズ光学系9の駆動速度および駆動方向の検出を速度検出器15から出力される速度信号を用いて行う場合について説明したが、位置検出器から出力される位置信号を一定間隔で取得することによって駆動速度および駆動方向を検出してもよい。
【0080】
(第3実施形態)
上述した第1実施形態では、「スピードプリセットズーム制御」、すなわちプリセット動作に用いるプリセット速度およびプリセット速度を、ズームレンズ光学系9の実駆動速度および実駆動方向から得るとともに、ズームレンズ光学系9の実駆動速度がプリセット速度に等しくなるようにズームレンズ光学系9の加減速制御を行う場合について説明したが、プリセット速度(指令)およびプリセット方向(指令)をそれぞれ、ズームコントロールスイッチ1の操作に比例した速度指令信号およびズームコントロールスイッチ1の操作方向に対応した指令信号から得るとともに上記のような加減速制御を行わないことにより、簡単な回路構成による簡易な制御を行うようにしてもよい。これにより、第1実施形態では必要とされた速度検出器15、速度信号演算回路16およびA/D変換回路17が不要となる。
【0081】
図8には、本実施形態のレンズ装置の構成を示している。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する構成要素には第1実施形態と同符号を付す。
【0082】
本実施形態では、第1実施形態の構成から、速度検出器15、速度信号演算回路16およびA/D変換回路17を取り除いた構成を有する。
【0083】
なお、スピードプリセットズームスイッチ7およびメモリスイッチ8は、ズームレンズ光学系9や不図示のフォーカスレンズ光学系を有するレンズ装置本体に一体的に設けてもよいし、レンズ装置本体にケーブル等を介して接続され、ズームコントロールスイッチ1に代わるサムリング等を備えるズームデマンド(外部コントロールユニット)に設けてもよい。
【0084】
また、上記構成のうちズームレンズ光学系9を除く構成部分、すなわちズームコントロールスイッチ1、CPU6等の各回路、モータ14、位置検出器18、スピードプリセットズームスイッチ7およびメモリスイッチ8は、ハンディタイプのレンズ装置本体に装着又は接続されて用いられるレンズ駆動ユニット(光学装置駆動ユニット)に設けてもよい。
【0085】
このような構成のレンズ装置又はレンズ駆動ユニットにおいては、プリセット速度およびプリセット方向を記憶するために、ズームコントロールスイッチ1を予め操作する必要がある。ズームレンズ光学系9を予めモータ駆動する必要がある。この点については、第1実施形態と同様である。
【0086】
なお、ズームコントロールスイッチ1からのズームレンズ光学系9の駆動制御方法は第1実施形態と同様である。
【0087】
また、プリセット速度を記憶する際に必要なズームコントロールスイッチ1の操作量に比例して指令信号発生回路2から出力される速度指令信号の検出は、速度指令信号が、ズーム速度可変ボリューム3、指令信号演算回路4およびA/D変換回路5を介してCPU6に入力されることにより可能である。なお、本実施形態では、速度指令信号に、ズームコントロールスイッチ1の操作方向に対応した方向指令信号が含まれている。また、同様にして、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断も可能である。
【0088】
ここで、まず本実施形態におけるプリセット速度(およびプリセット方向)の記憶設定手順(CPU6の処理)について図9を用いて説明する。
【0089】
まず、初期設定としてメモリ6a内に構成されたプリセット速度指令メモリ領域に、方向指令を含むプリセット速度指令として、テレ方向最高速などの所定のズーム駆動速度を記憶する(ステップ501)。
【0090】
次に、A/D変換回路5から速度指令信号を取得し(ステップ502)、その後ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かを判断する(ステップ503)。ズームコントロールスイッチ1が操作されていない場合には、再びA/D変換回路5から速度指令信号を取得する(ステップ502)。
【0091】
ズームコントロールスイッチ1が操作されていた場合には、メモリスイッチ8がオフからオンに状態が変化したか否かを判断し(ステップ504)、メモリスイッチ8がオフからオンに状態が変化していない場合には、再びステップ502に戻る。
【0092】
メモリスイッチ8がオフからオンに状態が変化している場合には、ステップ502で取得した、方向指令を含む速度指令信号を新たなプリセット速度指令として、プリセット速度指令メモリ領域に記憶する(ステップ505)。
【0093】
次に、本実施形態におけるプリセット動作について説明する。本実施形態のプリセット動作時のズームレンズ光学系9の制御も、CPU6から出力される指令信号が、D/A変換回路10、CPU指令信号演算回路11、指令信号切換えスイッチ12のB側および電力増幅回路13を介してモータ14に入力され、ズームレンズ光学系9がプリセット速度指令に対応した速度および方向で駆動されることにより行われる。
【0094】
このプリセット動作時のCPU6の処理を図10および図11を用いて説明する。まず、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かを判断し(ステップ601)、ズームコントロールスイッチ1が操作されている場合は、ズームレンズ光学系9の制御をズームコントロールスイッチ1から行うために、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換える(ステップ602)。そして、プリセット動作が行われているか否かを判断し(ステップ603)、プリセット動作が行われていない場合には、再びズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断(ステップ601)に戻る。
【0095】
一方、ステップ603にてプリセット動作が行われている場合には、プリセット動作表示器21をオフし(ステップ604)、その後プリセット動作を終了(中止)する(ステップ605)。そして、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断(ステップ601)に戻る。
【0096】
ステップ601にてズームコントロールスイッチ1が操作されていない場合には、プリセット動作が行われているか否かを判断し(ステップ606)、プリセット動作が行われていない場合には、ステップ612に進む。
【0097】
ステップ606にてプリセット動作が行われている場合には、A/D変換回路20からズーム位置を取得する(ステップ607)。
【0098】
次に、ステップ607にて取得したズーム位置がこのレンズ装置における可動範囲端位置に達したか否かを判断し(ステップ608)、ズーム位置が可動範囲端に達した場合には、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換え(ステップ609)、プリセット動作表示器21をオフして(ステップ610)、プリセット動作を終了する(ステップ611)。
【0099】
ステップ609にてズーム位置が可動範囲端に達していない場合には、そのままステップ612に進む。
【0100】
上記の諸処理が終了した後、スピードプリセットズームスイッチ7がオフからオンに変化したか否かを判断し(ステップ612)、スピードプリセットズームスイッチ7がオフからオンに変化していない場合には、ズームコントロールスイッチ1が操作されているか否かの判断(ステップ601)に戻る。
【0101】
スピードプリセットズームスイッチ7がオフからオンに変化している場合には、プリセット動作が行われているか否かを判断し(ステップ613)、プリセット動作が行われていない場合には、指令信号切換えスイッチ12をB側に切り換え(ステップ614)、プリセット動作表示器21をオンする(ステップ615)。その後、図9に示したフローにより予め記憶設定しておいたプリセット速度指令をD/A変換回路10に出力し、このプリセット速度指令に対応する速度および方向でプリセット動作を開始する(ステップ616)。
【0102】
この後、ズームレンズ光学系9が可動範囲端に達すると(ステップ608)、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換え(ステップ609)、プリセット動作表示器21をオフして(ステップ610)、プリセット動作を終了する(ステップ611)。
【0103】
ステップ613にてプリセット動作が行われている場合には、指令信号切換えスイッチ12をA側に切り換え(ステップ617)、プリセット動作表示器21をオフし(ステップ618)、その後プリセット動作を終了(中止)する(ステップ619)。
【0104】
以上説明したように、本実施形態によれば、予め撮影者等がメモリスイッチ8の操作により任意に選択し、メモリ6aに記憶させておいた速度で、記憶させておいた方向にズームレンズ光学系9を駆動するプリセット動作を可能とすることにより、きわめて簡単な操作によってズームレンズ光学系9の一定速度駆動が可能となる。しかも、スピードプリセットズームスイッチ7をオンするだけで、ズームレンズ光学系9の同一速度での一定速度駆動を何度でも正確に再現することができる。
【0105】
また、本実施形態によれば、プリセット動作を行う際にプリセット動作表示器21をオンするようにしているので、例えば低速でのプリセット動作が行われているときでも、撮影者にプリセット動作が行われているか否かを明確に認識させることができる。
【0106】
なお、上記各実施形態では、プリセット速度およびプリセット方向の双方をズームレンズ光学系9の実駆動状態又はズームコントロールスイッチ1の操作に応じて発生する駆動指令から得るようにした場合について説明したが、プリセット速度およびプリセット方向のうちいずれか一方を実駆動状態から、他方を駆動指令から得るようにしてもよい。
【0107】
また、上記各実施形態では、ズームコントロールスイッチ1が操作されていることを判別した上でプリセット速度を記憶する場合について説明したが、位置検出器から出力される位置信号の変化等を通じてズームレンズ光学系9が駆動されていることを判別した上でプリセット速度を記憶するようにしてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、メモリスイッチ8が単体のスイッチから構成される場合について説明したが、誤操作防止等のために、2つ等を1セットとしたメモリスイッチを設けて、両メモリスイッチが操作されたことに応じてプリセット情報の記憶を行わせるようにしてもよい。
【0109】
また、上記各実施形態では、ズームレンズ光学系に関するプリセット駆動制御を行う場合について説明したが、本発明は、ズームレンズ光学系以外の光学調節手段、例えばフォーカスレンズ光学系やアイリスに関するプリセット駆動制御を行う場合にも適用することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、速度・方向プリセット駆動制御を開始する前に予め、撮影者等が光学調節手段の任意の実駆動速度および実駆動方向、又は駆動速度指令および駆動方向指令を記憶させておき、この記憶させておいた速度で、記憶させておいた方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を可能としているので、きわめて簡単な操作によって光学調節手段の記憶された方向への一定速度駆動が可能となる。しかも、同一方向への同一速度での一定速度駆動を何度でも(一旦、速度・方向プリセット駆動制御を中止させた後でも)正確に再現することができる。
【0111】
また、速度・方向プリセット駆動制御が行われていることを視覚的に判断できる表示手段を設ければ、特に低速での光学調節手段の速度・方向プリセット駆動制御を行う場合に、撮影者に速度・方向プリセット駆動制御が行われているか否かを明確に認識させることができる。
【0112】
また、上記発明において、光学調節手段の駆動速度を、プリセット速度情報に対応する駆動速度とするか、駆動可能な最高駆動速度とするかを選択するために操作される速度選択操作手段を設け、この速度選択操作手段の操作により選択された駆動速度で光学調節手段を駆動するようにしているので、速度・方向プリセット駆動制御を用いた撮影手法の幅を広げることができ、より一層有意義なプリセット駆動制御機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるレンズ装置の構成図。
【図2】上記レンズ装置におけるスピードプリセットズーム制御に用いるプリセット速度およびプリセット方向の記憶設定フローチャート。
【図3】上記レンズ装置におけるスピードプリセットズーム制御の処理フローチャート。
【図4】上記レンズ装置におけるスピードプリセットズーム制御の処理フローチャート。
【図5】本発明の第2実施形態であるレンズ装置の構成図。
【図6】上記第2実施形態のレンズ装置におけるスピードプリセットズーム制御の処理フローチャート。
【図7】上記第2実施形態のレンズ装置におけるスピードプリセットズーム制御の処理フローチャート。
【図8】本発明の第3実施形態であるレンズ装置の構成図。
【図9】上記第3実施形態のレンズ装置におけるスピードプリセットズーム制御に用いるプリセット速度(方向)の記憶設定フローチャート。
【図10】上記第3実施形態のレンズ装置におけるスピードプリセットズーム制御の処理フローチャート。
【図11】上記第3実施形態のレンズ装置におけるスピードプリセットズーム制御の処理フローチャート。
【符号の説明】
1…ズームコントロールスイッチ
2…指令信号発生回路
3…ズーム速度可変ボリューム
4…指令信号演算回路
5,17,20…A/D変換回路
6…CPU
6a…メモリ
7…スピードプリセットズームスイッチ
8…メモリスイッチ
9…ズームレンズ光学系
10…D/A変換回路
11…CPU指令信号演算回路
12…指令信号切換えスイッチ
13…電力増幅回路
14…モータ
15…速度検出器
16…速度信号演算回路
18…位置検出器
19…位置信号演算回路
21…プリセット動作表示器
22…プリセットモード切換えスイッチ

Claims (14)

  1. 光学調節手段に対し、予め記憶されたプリセット情報を用いるプリセット駆動制御を行う光学装置において、
    前記プリセット駆動制御を開始する前に予め、前記光学調節手段が駆動され、かつ記憶指示操作手段が操作されたときに、この記憶指示操作手段の操作時点での前記光学調節手段の実駆動速度および実駆動方向をプリセット速度情報およびプリセット方向情報として記憶する記憶手段と、
    操作量および操作方向に応じた前記光学調節手段の駆動速度指令および駆動方向指令を発生させるために操作される駆動指令操作手段が操作されていないときに、制御開始操作手段が操作されることに応じて、前記光学調節手段を、前記記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、前記記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を行う演算処理回路とを有し、
    前記演算処理回路は、前記速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、前記制御開始操作手段が操作されることに応じて、このプリセット駆動制御を中止し、
    中止した後、前記制御開始操作手段が操作されることに応じて、前記光学調節手段を、前記記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、前記記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を再開することを特徴とする光学装置。
  2. 光学調節手段に対し、予め記憶されたプリセット情報を用いるプリセット駆動制御を行う光学装置において、
    前記プリセット駆動制御を開始する前に予め、操作量および操作方向に応じた前記光学調節手段の駆動速度指令および駆動方向指令を発生させるために操作される駆動指令操作手段が操作され、かつ記憶指示操作手段が操作されたときに、この記憶指示操作手段の操作時点での駆動速度指令および駆動方向指令をプリセット速度情報およびプリセット方向情報として記憶する記憶手段と、
    前記駆動指令操作手段記が操作されていないときに、制御開始操作手段が操作されることに応じて、前記光学調節手段を、前記記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、前記記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を行う演算処理回路とを有し、
    前記演算処理回路は、前記速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、前記制御開始操作手段が操作されることに応じて、このプリセット駆動制御を中止し、
    中止した後、前記制御開始操作手段が操作されることに応じて、前記光学調節手段を、前記記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、前記記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を再開することを特徴とする光学装置駆動ユニット。
  3. 前記演算処理回路は、前記速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、前記光学調節手段の実駆動速度とプリセット速度情報に対応する駆動速度とを比較し、これら両駆動速度を略一致させるように前記光学調節手段の実駆動速度の加減制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学装置。
  4. 前記速度・方向プリセット駆動制御が行われていることを表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学装置。
  5. 前記光学調節手段の駆動速度を、プリセット速度情報に対応する駆動速度とするか、駆動可能な最高駆動速度とするかを選択するために操作される速度選択操作手段を有し、
    前記演算処理回路は、前記速度選択操作手段の操作により選択された駆動速度で前記光学調節手段を駆動することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光学装置。
  6. 記演算処理回路は、前記速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、前記駆動指令操作手段が操作されることに応じて、このプリセット駆動制御を中止することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学装置。
  7. レンズその他の光学調節手段を有する光学装置本体に装着又は接続され、前記光学調節手段に対し、予め記憶されたプリセット情報を用いるプリセット駆動制御を行う光学装置駆動ユニットにおいて、
    前記プリセット駆動制御を開始する前に予め、前記光学調節手段が駆動され、かつ記憶指示操作手段が操作されたときに、この記憶指示操作手段の操作時点での前記光学調節手段の実駆動速度および実駆動方向をプリセット速度情報およびプリセット方向情報として記憶する記憶手段と、
    操作量および操作方向に応じた前記光学調節手段の駆動速度指令および駆動方向指令を発生させるために操作される駆動指令操作手段記が操作されていないときに、制御開始操作手段が操作されることに応じて、前記光学調節手段を、前記記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、前記記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を行う演算処理回路とを有し、
    前記演算処理回路は、前記速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、前記制御開始操作手段が操作されることに応じて、このプリセット駆動制御を中止し、
    中止した後、前記制御開始操作手段が操作されることに応じて、前記光学調節手段を、前記記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、前記記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を再開することを特徴とする光学装置駆動ユニット。
  8. レンズその他の光学調節手段を有する光学装置本体に装着又は接続され、前記光学調節手段に対し、予め記憶されたプリセット情報を用いるプリセット駆動制御を行う光学装置駆動ユニットにおいて、
    前記プリセット駆動制御を開始する前に予め、操作量および操作方向に応じた前記光学調節手段の駆動速度指令および駆動方向指令を発生させるために操作される駆動指令操作手段が操作され、かつ記憶指示操作手段が操作されたときに、この記憶指示操作手段の操作時点での駆動速度指令および駆動方向指令をプリセット速度情報およびプリセット方向情報として記憶する記憶手段と、
    前記駆動指令操作手段記が操作されていないときに、制御開始操作手段が操作されることに応じて、前記光学調節手段を、前記記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、前記記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を行う演算処理回路とを有し、
    前記演算処理回路は、前記速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、前記制御開始操作手段が操作されることに応じて、このプリセット駆動制御を中止し、
    中止した後、前記制御開始操作手段が操作されることに応じて、前記光学調節手段を、前記記憶手段に記憶されたプリセット速度情報に対応する速度で、前記記憶手段に記憶されたプリセット方向情報に対応する方向に駆動する速度・方向プリセット駆動制御を再開することを特徴とする光学装置駆動ユニット。
  9. 前記演算処理回路は、前記速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、前記光学調節手段の実駆動速度とプリセット速度情報に対応する駆動速度とを比較し、これら両駆動速度を略一致させるように前記光学調節手段の実駆動速度の加減制御を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の光学装置駆動ユニット。
  10. 前記速度・方向プリセット駆動制御が行われていることを表示する表示手段を有することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の光学装置駆動ユニット。
  11. 前記光学調節手段の駆動速度を、プリセット速度情報に対応する駆動速度とするか、駆動可能な最高駆動速度とするかを選択するために操作される速度選択操作手段を有し、
    前記演算処理回路は、前記速度選択操作手段の操作により選択された駆動速度で前記光学調節手段を駆動することを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の光学装置駆動ユニット。
  12. 記演算処理回路は、前記速度・方向プリセット駆動制御を行っているときに、前記駆動指令操作手段が操作されることに応じて、このプリセット駆動制御を中止することを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の光学装置駆動ユニット。
  13. 請求項1から6のいずれかに記載の光学装置と、この光学装置が装着されるカメラとを有して構成されることを特徴とするカメラシステム。
  14. 請求項7から12のいずれかに記載の光学装置駆動ユニットと、この駆動ユニットが装着又は接続される光学装置本体と、この光学装置本体が装着されるカメラとを有して構成されることを特徴とするカメラシステム。
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