JP3671183B2 - 色素増感型太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は,導電性基板の表面に形成した金属酸化物微粒子の多孔質膜に増感色素を吸着させた色素増感型太陽電池の製造方法に関する。
色素増感型太陽電池の電極材料に用いられる導電性のポーラス酸化チタン厚膜の作製には、酸化チタン微粒子を分散剤となる界面活性剤などと混合して調製したペーストを透明導電性ガラス基板上に均一に塗布し、これを400から500℃で熱処理して有機成分を燃焼、除去することで作製する、O’ReganとGratzelらが考案した手法(非特許文献1)が最も一般的に用いられている。
酸化亜鉛や酸化スズなど、他の酸化物微粒子膜も、多くの場合同様な手法によって作製されている。電解合成法やゾルゲル法の他、電気泳動を用いる手法(特許文献1)なども知られているが、いずれの場合も400度以上の高温での熱処理が結晶相の形成や粒子同士の焼結のために必要である。それ故、導電性基板として用いることができる材料が限定されてしまい、プラスティックフィルム等の軽量、安価な材料を使用することができないという問題がある。
光触媒用としては、室温でコートし、乾燥させるのみで酸化チタン皮膜を作製できるコーティング液も製品化されているが、粒子同士のネッキングが起こらないために導電性が無く、色素増感型太陽電池の電極材料としては使用できない。
また、有機物を含まない酸化チタンの水性懸濁液を導電性基板上にコートし、低温で焼成することで導電性の薄膜が得られることが報告されているが(非特許文献2)、膜厚さを稼げないことが問題となっている。
上記手法の問題点に対して、有機分散材を含まない半導体微粒子のペーストを導電性基板に塗布後、高圧でプレスすることによる製膜法(非特許文献3)が考案され、熱処理を施す事無く電極材料を作製することに成功しているが、得られる膜の微構造に問題があり、微弱光では高い性能を有するものの、太陽光程度の強い光強度になると、電解質の輸送が頭打ちとなって電流が光強度に追従しなくなってしまう。また、この様な物理的手法においては、膜形成条件の改変による特性向上は望めない。例えばプレス法によって作製したポーラス膜に熱処理を施しても、これを用いた太陽電池の性能向上は全く見られていない(非特許文献4)。
特開平11−310898号公報 B. O’Regan and M. Gratzel, Nature, 353, 737(1991). F. Pichot, S.Ferrere, R.J. Pitts and B.A. Gregg, Langmuir, 16, 5626 (1999). H. Lindstrom,A. Holmberg, E. Magnusson, S.-E. Lindquist, L. Malmqvist, A. Hagfeldt, NanoLett. 2001, 1, 97. H. Lindstrom,E. Magnusson, A. Holmberg, S. Sodergren, S.-E. Lindquist, A. Hagfeldt, Sol.Energ. Mater. Sol. Cells 2002, 73, 91
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、軽量かつ安価な色素増感型太陽電池を生産効率よく製造することができる、色素増感型太陽電池の製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、金属酸化物微粒子と、該金属酸化物微粒子を接着するための金属アルコキシドとを混練してペーストとなし、該ペーストを導電性基板に塗布し、上記金属アルコキシドを加水分解することにより、上記導電性基板の表面に上記金属酸化物微粒子の多孔質膜を形成し、
次いで、酸素ガスを導入してオゾンを発生させる酸素雰囲気中において上記多孔質膜に紫外線照射を行う、いわゆるUVオゾン処理を行い、
次いで、該多孔質膜に増感色素を吸着させることを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法にある(請求項1)。
上記製造方法においては、上記ペーストを導電性基板に塗布し、上記金属アルコキシドを加水分解することにより上記多孔質膜を形成するため、特に熱処理を施すことなく上記多孔質膜を形成することができる。それ故、上記導電性基板として用いる材料が限定されることがない。即ち、特に耐熱性の材料を用いる必要がなく、プラスチックフィルム等の軽量かつ安価な材料を用いることができる。
従って、軽量かつ安価な色素増感型太陽電池を得ることができる。
また、上記多孔質膜の形成にあたっても、上記ペーストの塗布及び上記金属アルコキシドの加水分解には多くの時間を要しないため、生産効率よく上記色素増感型太陽電池を製造することができる。
以上のごとく、本発明によれば、軽量かつ安価な色素増感型太陽電池を生産効率よく製造することができる、色素増感型太陽電池の製造方法を提供することができる。
本発明(請求項1)において、上記金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、又は酸化スズの微粒子等がある。
また、上記金属アルコキシドとしては、例えば、Tiアルコキシド、Zrアルコキシド、Nbアルコキシド等がある。
また、上記金属アルコキシドは、該金属アルコキシドが加水分解することにより生成した金属酸化物膜が、上記金属酸化物微粒子の表面を均一に被覆した場合、その膜厚が0.05〜1.3nmとなるように、上記金属酸化物微粒子に混合することが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記金属酸化物微粒子が確実に接着されると共に、上記増感色素を充分に吸着させることができる多孔質膜を得ることができる。
上記膜厚が0.05nm未満の場合には、上記金属酸化物微粒子同士あるいは金属酸化物微粒子と上記導電性基板とを、充分に接着することが困難となるおそれがある。一方、上記膜厚が1.3nmを超える場合には、上記多孔質膜に上記増感色素を充分に吸着させることが困難となるおそれがある。
上記膜厚は、以下のようにして計算によって求められる値である。
即ち、(1)金属酸化物微粒子はすべて同じ大きさで粒径も同じ球である、(2)金属アルコキシドは金属酸化物微粒子表面に均一に分布する、(3)金属アルコキシドは完全に加水分解され結晶性の金属酸化物に変わる、という仮定の下に、上記金属酸化物微粒子の表面に形成された、上記金属アルコキシドに由来する金属酸化物膜の膜厚(レイヤー厚さ)を計算する。
具体的には、以下の計算式(1)によって求められる。
r=〔{(dpCyM×10-3)/(xd0)+1}1/3−1〕×(r0/2)・・・(1)
ここで、r〔nm〕がレイヤー厚さ、x〔g〕が金属酸化物微粒子の粉末量、dp〔gcm-3〕が金属酸化物微粒子の真密度、C〔moll-1〕が金属アルコキシド濃度、M〔gmol-1〕が金属酸化物の分子量、y〔ml〕が金属アルコキシド秤量、d0〔gcm-3〕が金属酸化物の密度、r0〔nm〕が金属酸化物微粒子の粒径である。
また、上記多孔質膜形成後、上記増感色素の吸着前に、上記多孔質膜に紫外線照射を行う。
これにより、ペースト中に残留する有機分を除去して、上記多孔質膜への上記増感色素の吸着量を向上させることができ、変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
また、上記紫外線照射は、酸素ガスを導入してオゾンを発生させる酸素雰囲気中において行う。
これにより、いわゆるUVオゾン処理を行うこととなり、ペースト中に残留する有機分を除去して、上記多孔質膜に上記増感色素を一層多く吸着させることができ、より変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
また、上記多孔質膜形成後、上記増感色素の吸着前に、上記多孔質膜を80〜200℃において乾燥することが好ましい(請求項)。
この場合には、ペースト中に残留する有機分を除去して、上記多孔質膜に吸着する増感色素の量が増加し、変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
上記乾燥温度が80℃未満の場合には、上記色素増感型太陽電池の変換効率を充分増加させることが困難となり、上記乾燥温度が200℃を超える場合には、上記導電性基板として用いることができる材料が限定されるおそれがある。
また、上記金属酸化物微粒子は、混練前において、300〜500℃の加熱処理を施しておくことが好ましい(請求項)。
この場合には、上記金属酸化物微粒子に混在している有機物や水分を除去して、変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
上記加熱処理の温度が300℃未満の場合には、有機物や水分を充分に除去することが困難となり、色素増感型太陽電池の変換効率を向上させることが困難となるおそれがある。一方、上記加熱処理の温度が500℃を超える場合には、上記金属酸化物微粒子が焼結してしまい、上記多孔質膜を形成することが困難となるおそれがある。
また、上記金属酸化物微粒子は、混練前において、紫外線照射しておくことが好ましい(請求項)。
この場合には、金属酸化物微粒子に含まれる有機分を除去して、上記多孔質膜に吸着する増感色素の量を増加させ、変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
また、上記金属酸化物微粒子は、粒径5〜100nmであることが好ましい(請求項)。
この場合には、得られる多孔質膜が充分な多孔性を保ち、しかも表面積が大きくなるため、色素吸着量を多くすることができ、電解質の輸送も充分に行われる。
上記粒径が5nm未満の場合には、上記金属酸化物微粒子同士が凝集して多孔質膜の表面積が減少するおそれや、多孔質膜の細孔が小さくなりすぎ、電解質の移動を妨げるおそれがある。一方、上記粒径が100nmを超える場合には、多孔質膜の表面積が減少して、色素の吸着量が不足するおそれがある。
本発明の実施例にかかる色素増感型太陽電池の製造方法につき、以下に説明する。
本製造方法においては、まず、金属酸化物微粒子と、該金属酸化物微粒子を接着するための金属アルコキシドとを混練してペーストとなす。
次いで、該ペーストを導電性基板に塗布し、上記金属アルコキシドを加水分解する。
これにより、上記導電性基板の表面に上記金属酸化物微粒子の多孔質膜を形成する。
次いで、該多孔質膜に増感色素を吸着させる。
以上により、上記色素増感型太陽電池の光電極を作製する。
以下、上記色素増感型太陽電池の製造方法につき、具体的に詳説する。
〔多孔質膜形成用の原料〕
金属酸化物微粒子としては、粒径5〜100nm程度のものを用いるが、粒径が揃っている必要は必ずしも無い。ここでは酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化スズを用いた。
酸化チタンは、結晶型はルチル型、アナターゼ型、その混合物のいずれでも良い。ここでは30%ルチル、70%アナターゼ、平均粒径25nmのDegussa社製P25粉末を用いた。
酸化亜鉛は、平均粒径35nmのTayca社のMZ-300を用いた。酸化スズには、一次粒径15nmのJohnson Matthey社製のものを用いた。
なお、これらは適宜混合して用いることも可能である。
金属酸化物微粒子を接着する役割をする金属アルコキシドとしては、アルコール中で安定で、大気中で容易に加水分解を受ける種々の金属アルコキシドが使用可能である。チタン原料としてはチタン(IV)テトライソプロポキシド(TTIP)、ジルコニウム原料としてはジルコニウム(IV)テトラn−プロポキシド、ニオブ原料としてはニオブ(V)ペンタエトキシド(全てAldrich社製)をそれぞれ用いた。
これらを適宜アルコールで希釈した。アルコールはこれらを溶解する物であれば何でも良いが、ここではエタノール(ナカライテスク社製)を用いた。なお、これらの金属アルコキシド溶液は密閉して冷蔵すれば半年以上安定に保存することが出来る。
〔金属酸化物微粒子粉末の前処理〕
原料の金属酸化物微粒子は、調製方法や保存方法にもよるが、大気中から吸着した有機物によって表面が汚染されている場合が多い。また、その表面には水分が吸着されている場合が多く、これが過剰にある場合、金属アルコキシド溶液と混合した段階で金属アルコキシドの加水分解が進行してしまうおそれがある。
そこで、金属酸化物微粒子をあらかじめ熱処理することで表面の有機物と水分を除去した。
酸化チタン微粒子の場合450℃のオーブンで大気下、30分間加熱したが、温度や時間は金属酸化物の種類や粒子のサイズにより適宜選択する。また、粒子サイズが10nm以下のナノサイズの場合、低温での熱処理でも焼結が進行する場合がある。この場合はUVオゾン処理によって有機物を分解し、真空乾燥することでも同等の効果を得ることが出来る。
〔金属酸化物微粒子に含まれる水分量の測定〕
上記に関連し、金属酸化物微粒子に含まれる水分量を計測した。熱重量測定における重量減少、及び粉体を300℃に加熱したときに脱着する水分量のカールフィッシャー滴定により定量した。測定には温度26℃、湿度72%の環境に保存されていた酸化チタン(P25)粉末を用いた。
熱重量測定にあたっては、上記酸化チタン粉末(P25)を18.27gサンプリングし、室温から500℃まで10℃/分で昇温した時の重量変化を記録した。その結果は、後述する図1に示すとおりである。
カールフィッシャー滴定にあたっては上記酸化チタン粉末(P25)を0.1033gサンプリングし、これを密閉された水分気化装置に封入し、300℃に加熱した時に脱離する水分量を電量式カールフィッシャー滴定装置により測定した。
〔ペーストの調製法〕
導電性基板へのペーストの塗布方法は、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法などを用いることが可能であり、適当なペースト粘度は塗布方法によって適宜選択する。ここでは簡便にガラス棒で塗布する方法(ドクターブレード法に類似)を用いた。この場合、適当なペースト粘度を与える金属酸化物微粒子の濃度は概ね5〜30wt%の範囲となる。
金属酸化物微粒子と金属アルコキシドのモル濃度比は、金属アルコキシドの加水分解によって生じるアモルファス層が過度に厚くならず、且つ粒子同士の接着に十分となるよう、用いる金属酸化物微粒子サイズに応じて適宜調節する。例えば酸化チタン(P25、粒径25nm)とTTIPとを混合する場合には、酸化チタン微粒子1gに対し、3.55gの0.1M TTIP溶液を混合した。このとき、P25微粒子のペースト中の濃度は約22wt%となり、塗布に適当な粘度となる。また、このときのP25とTTIPとエタノールの分量比は重量比で1:0.127:3.42、モル比では1:0.0356:
5.92となる。
この組成において、ペースト中のTTIPが全て加水分解し、P25微粒子の表面に均一な結晶性酸化チタンの層を形成したとすると、P25微粒子を直径25nmの完全な球体と見立てた場合、その層厚さは約0.14nmとなる。酸化チタン結晶格子サイズは0.3から0.9nm程度(アナターゼ、ルチルで異なる)なので、形成される酸化チタンはモノレイヤ以下となる。
しかし、実際には後に示すように、室温大気中でTTIPの加水分解によって形成される酸化チタンはアモルファスである。また、ペーストを風乾する過程で表面張力によって金属アルコキシドが微粒子界面に濃縮されることが予想されるため、実際には均一分布はしないと考えられる。
金属アルコキシドの加水分解によって生成するアモルファス層の計算上求められる層厚さは、用いる金属酸化物微粒子サイズが異なる場合においても、適切な金属酸化物微粒子と金属アルコキシドとの濃度比を決定する尺度となる。
表1に、本例におけるペースト組成とペースト風乾後の金属アルコキシドの分解によって金属酸化物微粒子の表面に形成するアモルファス層のレイヤー厚さを、上記の仮定と同様の計算によって推定した値を示した(上述した式(1)参照)。
表1には、混合する金属酸化物微粒子として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズの3種類を用い、金属アルコキシドとして、Tiアルコキシド、Zrアルコキシド、Nbアルコキシドの3種類を用い、これらの合計9種類の組合せにより得られるペーストについての値を掲載した。
Figure 0003671183
なお、上記金属アルコキシドは、全て0.1Mのエタノール溶液として用いた。
また、表1における「混合比」とは、金属酸化物微粒子1に対する金属アルコキシド溶液添加量の重量比を意味する。
また、「金属アルコキシドのモル比」とは、金属酸化物微粒子に対する金属アルコキシドのモル比を意味し、「金属アルコキシドの重量比」とは、金属酸化物微粒子に対する金属アルコキシドの重量比を意味する。
また、表1における「レイヤー厚さ」とは、金属酸化物微粒子のTiO2、ZnO、SnO2がそれぞれ直径25、35、15nmの球体と仮定し、Ti、Zr、Nbアルコキシドの加水分解によってそれぞれ結晶性のルチル型TiO2、ZrO2、Nb25が生じると仮定し、これらのバルク体の密度、3.90、5.85、4.50g/cm3を用いて、これらの均一な皮膜が金属酸化物微粒子表面に形成されたとした場合に、ペースト組成から計算上推定される層厚さを意味する(上述の式(1)参照)。
酸化チタン微粒子とTTIP以外のアルコキシドの混合ペーストについても微粒子濃度が22wt%となるようにペーストを調製した。酸化亜鉛及び酸化スズ微粒子を用いたペーストでは16wt%とした。この場合、金属酸化物微粒子1gに対して、金属アルコキシド溶液5.25gの比で混合した。
金属アルコキシドの分解によって生成するアモルファス金属酸化物のレイヤー厚さは本実施例では0.1〜0.6nm程度の範囲にある。概ね0.05〜1.3nm程度が本手法による室温製膜に適切な範囲である。
これよりも加える金属アルコキシドの量が少ない場合、金属酸化物微粒子同士の接着及び多孔質膜の基板に対する接着が不十分となって、多孔質膜の機械的強度が不足し、剥離しやすくなる。これよりも加える金属アルコキシドの量が多い場合、製膜は可能であるが、金属酸化物微粒子表面に厚いアモルファス層が形成されて、膜が非ポーラス構造となり、電荷輸送特性も悪化して電極としての機能が低下してしまうため、膜を水熱処理する必要が生じる。
金属微粒子と金属アルコキシド溶液の混合方法としては、密閉容器中においてマグネチックスターラーによって2時間攪拌して均一なペーストを得る方法がある。その他、ボールミルや超音波破砕機を用いて混錬することも可能であるが、ペースト中の金属アルコキシドの加水分解が過度に進行しないよう、高温多湿の外気に長時間さらさないことが肝要である。
〔導電性基板上へのペーストの塗布と風乾処理〕
スズドープ酸化インジウム(ITO)導電膜付きポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基板(20Ω/sq.)又はFドープSnO2(FTO)導電膜付きガラス基板(10Ω/sq.)にスペーサーとなるスコッチテープ2枚を一定間隔で平行に貼り付けたものに、上記の方法に従って調製した各ペーストをガラス棒を用いて均一に塗布した。
この方法による場合、ペースト中の金属酸化物微粒子の濃度が15〜25wt%程度で適当な粘度となるが、スプレー塗布やスクリーン印刷による膜形成に際しては、金属酸化物微粒子と金属アルコキシドとのモル濃度比が上記の範囲であれば、ペーストの粘度を適宜調節して良い。
導電性基板へ塗布した後の膜は大気中室温で2分程度で風乾する。この過程でペースト中の金属アルコキシドが大気中の水分によって加水分解を受け、Tiアルコキシド、Zrアルコキシド、Nbアルコキシドからそれぞれアモルファスの酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブが形成される。
生成したアモルファス金属酸化物が金属酸化物微粒子同士及び膜と基板を接着する役割を果たすため、風乾するのみで機械的強度と付着性に優れた多孔質膜が得られる。
〔UVオゾン処理〕
上記のプロセスによって得られた多孔質膜そのままでも太陽電池用光電極として用いることが出来るが、膜中に残留する有機成分をUVオゾンクリーナーによって除去することで一層その性能が向上する。
UVオゾン処理には日本レーザー電子社製のNL-UV253 UVオゾンクリーナーを用いた。UV光源には185nmと254nmに輝線を持つ4.5W水銀ランプ3個を備えており、試料は光源から約6.5センチの距離に水平に置かれる。チャンバー中に酸素気流を導入することでオゾン発生する。本実施例においてはこのUVオゾン処理を2時間行なった。なお、このUVオゾン処理によるITO膜の導電性の低下は全く見られなかった。
〔生成物の同定と膜厚測定、表面形態観察〕
X線回折測定装置により、生成物の結晶状態を調べた。その結果は、後述する図4に示すとおりである。
また、多孔質膜の膜厚さを、触針式表面粗さ計により測定した。その結果は、後述する表3に示すとおりである。
〔増感色素吸着〕
増感色素には最も一般的に用いられているルテニウム錯体、cis-bis(4,4’-dicarboxy-2,2’-bipyridine)bis(thiocyanato)ruthenium(II)(小島化学)を用い、0.5mMのエタノール溶液を調製した。本実施例では上記のプロセスで作製した多孔質膜を100℃のオーブンで1時間乾燥した後に増感色素の溶液に浸漬し、そのまま室温で一昼夜放置して酸化チタン表面に増感色素を吸着した。増感色素吸着後の試料はエタノールで洗浄し、風乾した。なお、増感色素を水溶液から吸着する場合など、用いる増感色素によってはこの乾燥処理は必ずしも必要ではない。
〔太陽電池の試作と電池特性評価〕
増感色素吸着後の多孔質膜が形成された導電性基板を光電極とし、これと白金微粒子をスパッタリングにより修飾したITO/PETフィルムあるいはFTO/ガラス対極を対向させて、サンドイッチ型の太陽電池を試作した。上記光電極の実効面積は約0.2cm2とした。電解質溶液には0.5 M
LiI, 0.05 M I2, 0.5 M t-buthylpyridineを含む3−メトキシプロピオニトリルを用い、毛管現象によって両電極間のギャップに導入した。
電池性能の評価は、一定フォトン数(1016
cm-2)照射下での光電流作用スペクトル測定及びAM1.5擬似太陽光(100 mW cm-2)照射下でのI−V測定により行なった。これらの測定には分光計器社製のCEP-2000型分光感度測定装置を用いた。
その結果は、後述する図9、図10に示すとおりである。
〔多孔質膜中の電荷輸送特性の評価〕
発光波長530nmの高輝度緑色LEDを光源とし、NF電子のS-5720C型周波数分析器を用いて印加電圧を±8%サイン波変調することで光強度を0.2〜100Hzの範囲で周期的に変調した光源を用い、電池の短絡光電流及び開回路電圧応答の位相ずれと周波数に同期する変化量を複素平面上にプロットしてIMPS及びIMVSプロットを作製した。
その結果は、後述する図14に示すとおりである。
ここで、IMPSとは、強度変調光電流分光法(Intensity Modulated Photocurrent
Spectroscopy)であり、IMVSとは、強度変調光起電力分光法(Intensity Modulated
Photovoltage Spectroscopy)である。
電流及び電圧の検出には東方技研の2000型ポテンシオスタットを用いた。光強度は最大で2.6mWcm-2でNDフィルターによって種々の強度に調光した。IMPS及びIMVSプロットの第三象限に現れる極小値を与える周波数(fmin)はそれぞれ電子遷移時間(τD)、電子寿命(τn)と、τD=1/2πfmin、及び、τn=1/2πfminの関係にあり、これらの値を決定できる。
〔実施例において得られた結果〕
(1)酸化チタン粉末に含まれる水分量及び付着した有機物の除去
多くの金属酸化物表面には水分子が吸着することが知られており、比表面積の大きい微粒子では相当量の水分が含まれていることが予想される。そこで、熱重量測定によって水分の脱着温度を見積もると共に、カールフィッシャー滴定によって吸着水分量を調べた。
図1に、測定された熱重量変化曲線を示す。同図から分かるように、昇温に伴って重量が徐々に減少し、300℃付近で重量変化はほぼ停止する。水分以外の揮発成分による重量減少も考えられるが、水分の除去が概ね300℃以下で完了することは明らかである。
試料を300℃で加熱したときに脱着する水分量をカールフィッシャー滴定によって定量したところ、0.1033gのP25粉末中に0.253mgの水が含まれていた。すなわち、酸化チタン粉末は約2.5wt%の水分を含んでいる。
吸着水の影響は明らかではないが、金属アルコキシド溶液と混合した際に、ペースト中で金属アルコキシドの加水分解が進行するおそれがある。
そこで、金属酸化物微粒子粉末は金属アルコキシドとの混合前に450℃のオーブンで30分間熱処理し、冷却後デシケーター中に保存して用いた。
また、酸化チタン粉末を熱処理する際に、200℃程度で加熱すると、粉末が茶色く着色し、300℃以上の温度で加熱すると再び白色となることが観察された。これは酸化チタン表面に吸着された有機物質が200℃程度の加熱では炭化して残留するのに対し、300℃以上の温度ではこれが燃焼して除去されることに基づくと考えられる。
吸着有機分子は極めて微量なために、XPS(X線光電子分光法)等によってもこれを直接分析することは不可能であったが、金属酸化物表面が有機物質で汚染されていると、色素の吸着が妨げられたり、電荷の再結合が起こりやすくなることが考えられる。
(2)ペースト濃度と膜形態の関係
酸化チタンポーラス厚膜電極の室温合成を可能とするためには、ペースト濃度の調節が重要であることが分かった。図2(a)には、D. Zhang, T. Yoshida and H. Minoura, Adv. Mater., 15, 814-817 (2003)に記載のTTIP含有量の多いペーストの塗布によって作製した膜の電子顕微鏡写真を示し、図2(b)には、今回最適化したペースト濃度で作製した多孔質膜の電子顕微鏡写真を示した。
図2(a)に示す従来の膜においては、P25:TTIPのモル比が1:0.356であるのに対し、図2(b)に示す本発明の多孔質膜においては、P25:TTIPのモル比が1:0.0356である。
TTIPの加水分解によって結晶性酸化チタンがP25微粒子表面に均一に形成されたと仮定した場合の計算上のレイヤー層厚さは、上記従来の膜で1.43nm、本発明の多孔質膜で0.143nmとなる(表1)。
従来の膜(図2(a))ではP25に由来する微粒子は孤立しておらず、それらが無定形の物質で覆われた非ポーラス構造となっている。これに対し、本発明の多孔質膜(図2(b))では粒径25nm前後のP25粒子がはっきり確認され、膜がポーラス構造となっている。
後述するように、室温大気下でのTTIPの加水分解によってアモルファス酸化チタンが形成する。生成するアモルファス酸化チタンの密度は計算(上述の式(1))に用いたルチル型酸化チタン結晶のバルク体密度より小さく、加えるTTIPの量が酸化チタン微粒子の量に比して多すぎる場合、図2(a)のような非ポーラス構造となるものと思われる。この場合、風乾したのみでは光電極としての機能は低い。この場合は、D. Zhang, T. Yoshida and H. Minoura, Adv. Mater., 15, 814-817 (2003)
に記載の方法によって膜を水熱処理することが必要となってしまう。水熱処理を行えば、アモルファス酸化チタンは結晶性酸化チタンに変化し、これに伴って膜はポーラス構造となる。
本発明の多孔質膜(図2(b))の場合には、既にポーラス構造であり、後に示すようにそのまま光電極として用いることが出来る。ただし、TTIPの分量が少なすぎると酸化チタン微粒子同士の接着が不十分となり、強固な膜が形成できなくなる。
(3)金属酸化物コンポジット多孔質膜の作製
図3(a),(b)に、酸化チタン微粒子とジルコニウムアルコキシドとを混合して調製したペーストから得られたコンポジット多孔質膜、及び酸化チタン微粒子とニオブアルコキシドを混合して調製したペーストから得られたコンポジット多孔質膜の電子顕微鏡写真をそれぞれ示す。加える金属アルコキシドの量を適切な範囲に保つことにより、同様に多孔質膜を形成することができた。
(4)X線回折測定
図4に、得られる材料のX線回折パターンを示す。結晶相の生成の有無を調べるため、金属酸化物微粒子を含有しないTTIPのエタノール溶液をFTOガラス基板に塗布し、室温で乾燥したもの(a)、これを2時間UVオゾン処理したもの(b)、P25とTTIPとの混合ペーストを基板に塗布し、UVオゾン処理したもの(c)について測定した。
図4に示すごとく、パターンaはFTO基板に由来する回折ピークのみを示し、室温での加水分解によって生成する物質がアモルファスであることが分かる。UVオゾン処理後のパターンbも変化は無く、結晶化は起こらないことが分かる。これを400℃以上で熱処理した場合にはアナタース型酸化チタンへと変化するが、室温条件ではX線回折を示す程度の酸化チタン結晶の形成は見られない。
P25とTTIPとの混合ペーストから得られた膜のX線回折パターンcは、ルチル型とアナタース型に帰属される酸化チタン結晶の回折ピークを示すが、これらはP25微粒子に由来するものであり、加えたTTIPはアモルファス酸化チタンを形成していると思われる。他の金属アルコキシド溶液についても、室温大気下での加水分解によっては結晶性金属酸化物を与えることは無く、アモルファス物質が形成される。
(5)UVオゾン処理に伴う膜表面形態の変化
図5(a)、図5(b)、図5(c)に、UVオゾン処理前後での多孔質膜の膜表面形態の変化を示した。
導電性基板にはITOコートPETフィルムを用いている。ペースト組成はP25:TTIP=1:0.0356(モル比)としている。
ペースト塗布後乾燥したのみの多孔質膜(図5(a))は、上述した図2(b)とほぼ同様な形態であり、個々のP25微粒子が観察されるポーラス構造となっている。UVオゾン処理後の多孔質膜(図5(b))でもこれはほぼ変らないが、若干粒子間の空隙が増大し、多孔度が増している。
これと同じ多孔質膜の低倍率像(図5(c))によれば、膜が全体に均一である様子が分かり、UVオゾン処理に伴ってクラック等が全く生成していないことが分かる。このため上記多孔質膜はその機械的強度に優れ、導電性基板に強く密着している。また、UVオゾン処理による膜厚さの変化も見られなかった。
(6)UVオゾン処理による有機成分の除去
図6、図7に示すごとく,UVオゾン処理に伴う多孔質膜の変化をX線光電子分光法(XPS)により調べた。P25+TTIP混合ペーストを導電性基板に塗布し、大気下において室温乾燥したもの(a)、これを2時間UVオゾン処理したもの(b)、(a)を大気下450℃で熱処理したもの(c)を比較した。
図6のワイドスペクトルには、Ti、O、Cのピークがいずれの試料についても確認される。
図7において、C 1sスペクトルを比較すると、(a)では結合エネルギー285eV付近のピークに加えて、283.5eV付近に明瞭なショルダーが現れている。前者が測定系のコンタミに由来する炭素であるのに対し、後者はTTIP由来の炭化水素類炭素であり、塗布、乾燥のみでは除去されえない残留有機成分の存在を示している。UVオゾン処理(b)によって、このショルダーは減少しており、UVオゾン処理が有機成分の除去に有効であることを示している。
450℃で試料を熱処理した場合(c)にはこのショルダーが完全に消失していることからも、これが試料中に含まれる残留有機成分に由来していることが確認できる。
(7)太陽電池特性
上記の方法に従って、FTO/ガラス基板及びITO/PETフィルム基板上に作製したポーラス酸化チタン厚膜を光電極とするサンドイッチセル(色素増感型太陽電池)を構成した(試料1〜8)。そして、その諸特性(IPCE(入射単色光あたりの光電変換効率)、Isc(短絡光電流値)、Voc(開回路電圧)、FF(曲線因子(Fill Factor)、η(変換効率))を評価した。
作製した色素増感型太陽電池は、多孔質膜の膜厚さが約10μm、有効電極面積が0.2cm2である。光源には分光計器社製CEP-2000型のAM1.5ソーラーシミュレータ(光強度100 mW cm-2)を用いた。
得られた出力特性値を表2にまとめた。
Figure 0003671183
表2において、「UVオゾン」、「UV」、「乾燥」の欄はそれぞれ、多孔質膜の形成後、増感色素吸着前における、UVオゾン処理、UV照射処理、乾燥処理の有無を表す。処理したものが「○」であり、処理なしのものが「×」である。UVオゾン処理は2時間行なった。また、UV照射処理は、同じUV光源を用い、酸素を遮断してUV照射のみ2時間行なった。また、乾燥処理は、色素吸着直前に100℃のオーブンで1時間行った。
また、試料5は、ペースト調製前の酸化チタン微粒子の前処理を行わなかった試料であり、その他の試料(試料1〜4,6〜8)は酸化チタン微粒子を450℃のオーブンで30分間熱処理してから用いている。
また、試料6は、高TTIP濃度(P25:TTIPのモル比が1:0.356)のペーストを用いた試料を表す。他の試料(試料1〜5,7,8)は全てP25:TTIP=1:0.0356のペーストを用いている。
表2に示す結果から、以下のことが分かる。
(7−1)ペースト組成の影響
まず、D. Zhang, T. Yoshida
and H. Minoura, Adv. Mater., 15, 814-817 (2003)記載の比較的多量のTTIPを含有するペーストをコーティングし、これにUVオゾン処理を施すことで作製した膜を用いて作製した電池(表2の試料6)の電池曲線を図8に示す。同図より、電池として作動するものの短絡光電流が非常に低いということが分かる。
ここで、★でプロットしたものが光照射下における値を表し、破線で示したものが暗状態下における値を表す。
また、この試料6の場合、短絡光電流値Iscが非常に小さく、変換効率ηは約0.4%に止まった(表2)。同じものを水熱処理した場合には変換効率は2.3%にまで向上している(D. Zhang, T. Yoshida and H. Minoura, Adv. Mater., 15, 814-817 (2003))ことから、TTIP含有量の多いペーストを用いた場合には、水熱処理が必須であることが分かる。水熱処理をしない場合は図2(a)の様に膜の多孔度が低いため、吸着される色素量も少なくなっている(表2の試料6)。
これに対し、TTIP含有量が少ないペーストによって膜を調製した場合、塗布後室温で2分間風乾した後、すぐに色素吸着を行なった場合(試料4)でも変換効率ηは2.06%に達した(表2)。さらに、試料3のように、色素吸着前に100℃のオーブンで1時間乾燥した後に色素吸着を行なうと、色素吸着量が増大して変換効率は2.68%にまで向上した。
(7−2)酸化チタン微粒子の前処理
表2に示す試料5以外のものは、ペースト調製に先立って、酸化チタン微粒子を450℃で30分間熱処理し、過剰な水分の除去と表面に吸着した有機物を除去しているが、この前処理を施さない場合(試料5)、電池性能は変換効率1.62%と大きく低下した。多孔質膜の調製自体には特に問題は無く、膜の強度や付着性は良好であったが、色素吸着量が他に比べて低下している。
電子顕微鏡写真から判断される表面の多孔度にも、試料5と他の試料との間に違いは見られなかった。吸着水と有機成分が表面に残留しているために、色素の吸着性が低下することが原因と思われる。酸化チタン微粒子に予めUVオゾン処理を施すことによっても電池性能の改善が見られたことから、特に有機物の除去が及ぼす効果が大きい。
(7−3)UV及びUVオゾン処理の効果
ペーストの塗布、乾燥後、UVオゾン処理を行なった場合(試料1)が最良で、短絡光電流値(Isc)が大きく向上し、開回路電圧(Voc)も僅かに向上して、変換効率ηは4.00%となった。
UVオゾンクリーナーへの酸素ガスの供給を遮断して、UV光照射の処理のみを行なった場合(試料2)でも、未処理の試料3に対する性能向上は見られるが、変換効率ηは約3%に止まったことから、オゾンの併用が有効であることが分かる。
導電性基板としてITO/PETフィルム基板を用いた場合(試料7,8)も傾向は同様であり、塗布後100℃で乾燥したのみの場合(試料8)の変換効率ηが2.55%であったのに対して、UVオゾン処理を行なった場合(試料7)には変換効率ηが3.27%にまで向上した。
UVオゾン処理の有無による電池曲線の変化及び光電流作用スペクトルの変化を図9及び図10にそれぞれ示した。これらの図から分かるように、UVオゾン処理を行うことにより、主に光電流が増大し、変換効率が向上していることが分かる。
図9(A)は、導電性基板にFTO/ガラスを用いたものについての電池曲線を示す。図9(B)は、導電性基板にITO/PETを用いたものについての電池曲線を示す。
図10(A)は、導電性基板にFTO/ガラスを用いた色素増感型太陽電池の光電流作用スペクトルを示す。図10(B)は、導電性基板にITO/PETを用いた色素増感型太陽電池の光電流作用スペクトルを示す。図9、図10において、曲線aはP25+TTIP混合ペーストを塗布し、室温乾燥することによって作製した膜についてのもので、曲線bはこれを2時間UVオゾン処理したものについてのものである。
色素吸着処理を除く光電極材料の調製に要する時間は、この実施例においてもUVオゾン処理に2時間、乾燥処理に1時間なので、12時間を要する水熱反応と比べて大幅な時間の短縮が可能である。それぞれの反応条件を最適化することで、更なるプロセスの高速化も期待できる。さらに、ただ室温で乾燥したのみの試料でも最良の場合の半分程度の出力は得られているので、電池性能とのバランスの上でさらにプロセスを簡略化し、高速化することも可能であろう。
(8)金属酸化物コンポジット多孔質厚膜電極を用いた太陽電池特性
上述の酸化チタン微粒子+TTIP以外の組み合わせの混合ペーストから作製した金属酸化物コンポジット多孔質膜も色素増感型太陽電池の光電極として機能することが確認された。この比較については、金属酸化物微粒子の前処理(熱処理やUVオゾン処理)及びペースト塗布後のUVオゾン処理は行っていない。
図11〜図13に、9種類のそれぞれの電池について、AM1.5擬似太陽光照射下で測定されたI−V曲線を示すと共に、各評価値を表3にまとめた。金属酸化物粒子として、酸化チタン微粒子を用いたものが図11、酸化亜鉛微粒子を用いたものが図12、酸化スズ微粒子を用いたものが図13である。
Figure 0003671183
表3から分かるように、酸化チタン微粒子とTTIPとの混合ペーストから作製したものが最良であるが、他の金属酸化物微粒子や金属アルコキシド、及びこれらの混合物を用いても太陽電池を作製可能である。また、条件の最適化や、UVオゾン処理などによってこれらの性能を向上させることが可能である。
なお、光源には山下電装社製YSS-150A型のAM1.5ソーラーシミュレータ(光強度100 mW cm-2)を用いた。
(9)電荷輸送特性の評価
UVオゾン処理による変換効率向上の理由を明らかとするため、IMPS及びIMVS測定により、電子遷移時間と電子寿命を、UVオゾン処理前後の試料についてそれぞれ決定した(図14、図15)。
電子寿命は、光励起した色素から酸化チタンに注入された電子が色素酸化体との再結合や電解質溶液中のヨウ素によって補足されて消滅する半減期である。また、電子遷移時間は、ある瞬間に膜中に光生成した電子が膜中を拡散してその半数がFTO電極に到達するのに要する時間である。
短絡時の光電流及び開回路時の光起電力の周期応答の位相差と強度を、複素平面上にプロットしたIMPS及びIMVSプロットを、図14に示した。同図において、○及び●は、色素増感型太陽電池のIMVSの複素平面プロットである。また、☆及び★は、IMPSの複素平面プロットである。白抜き(○、☆)はペーストの塗布・乾燥のみによって調製した膜であり、黒塗り(●、★)はそれをUVオゾン処理したものを表す。測定周波数は0.2〜100Hzで、それぞれのプロットの極小値における周波数を図中に示した。光強度は2.6mWcm-2である。また、基板はFTOガラスである。
図14から、IMPSプロットにおいて、極小値をとる周波数がUVオゾン処理の前後であまり変化していないのに対して、IMVSプロットではUVオゾン処理後に低周波数側に変動していることが分かる。
同様の測定を種々の光強度について行い、電子寿命及び電子遷移時間と光強度の関係をまとめたのが図15である。同図において、IMPS測定から決定された電子遷移時間を、☆、★によって表し、IMVS測定から決定された電子寿命を○、●によって表す。基板はFTOガラス。白抜き(○、☆)はペーストの塗布・乾燥のみによって調製した膜で、黒塗り(●、★)はそれをUVオゾン処理したものを表す。
電子寿命及び電子遷移時間は、共に光強度に依存して変動する。光強度が増大すると伝導帯中の電子濃度が増大して、電子寿命は短くなる一方で、結晶粒界部などに生じる電子のトラップ順位が満たされるために電子が動きやすくなって、電子遷移時間は光強度の増大と共に短縮される。
図15から分かるように、UVオゾン処理によって電子遷移時間は僅かに短縮されているが、さほど大きく変化していない。一方で電子寿命は処理後に長くなっている。結果的に、UVオゾン処理後の試料では電子寿命と電子遷移時間との差がより大きくなり、より多くの電子が電極に到達できるようになって電流値は増大する。
すなわち、UVオゾン処理は結晶粒界部に主に生じると考えられる電子トラップの密度を低下させることにはさほど寄与しないが、電子の再結合を抑制して電子寿命を増大させる効果をもたらすと解釈できる。膜中に残留する有機成分が電子の再結合中心として働くために、これをUVオゾン処理によって除去することの効果と思われる。
実施例における、酸化チタン粉末の熱重量測定結果を表す線図。 実施例における、TTIP含有量の相違に伴う膜表面形態の変化を示す電子顕微鏡写真(倍率100,000倍)。(a)P25:TTIP=1:0.358(モル比)の混合ペーストの塗布によって得られた膜。(b)P25:TTIP=1:0.0358(モル比)の混合ペーストの塗布によって得られた膜。 実施例における、(a)酸化チタン+酸化ジルコニウム、及び(b)酸化チタン+酸化ニオブコンポジット薄膜の電子顕微鏡写真(倍率50,000倍)。 実施例における、X線回折パターン。(a)FTOガラス基板上に0.1M TTIPエタノール溶液をコートし、室温大気下で乾燥したもの。(b)(a)の膜を2時間UVオゾン処理したもの。(c)P25+TTIP混合ペーストを塗布、乾燥後、2時間UVオゾン処理したもの。点線はFTOガラス基板のみの回折パターン。 実施例における、UVオゾン処理前後での膜表面形態の電子顕微鏡写真。(a)P25+TTIP混合ペーストを塗布し、室温、大気下で乾燥したもの(倍率100,000倍)。(b)(a)の膜を2時間UVオゾン処理したもの(倍率100,000倍)。(c)(b)の低倍率像(倍率20,000倍)。 実施例における、酸化チタンポーラス厚膜のXPS(ワイドスペクトル)。(a)P25+TTIP混合ペーストを塗布後室温乾燥したもの。(b)(a)の膜を2時間UVオゾン処理したもの。(c)(a)の膜を450℃で30分間熱処理したもの。 実施例における、酸化チタンポーラス厚膜のXPS(C 1sスペクトル)。(a)P25+TTIP混合ペーストを塗布後室温乾燥したもの。(b)(a)の膜を2時間UVオゾン処理したもの。(c)(a)の膜を450℃で30分間熱処理したもの。 実施例における、高TTIP含有量のペースト(P25:TTIP=1:0.358)のコーティングによって作製した太陽電池出力特性。 実施例における、試作したセルの太陽電池特性。(1)は導電性基板にFTO/ガラス、(2)はITO/PETをもちいたもの。 実施例における、試作したセルの光電流作用スペクトル。(1)は導電性基板にFTO/ガラス、(2)はITO/PETをもちいたもの。 実施例における、酸化チタン微粒子+各金属アルコキシド混合ペーストより調製した金属酸化物コンポジット多孔質厚膜を用いる太陽電池のI−V曲線。 実施例における、酸化亜鉛微粒子+各金属アルコキシド混合ペーストより調製した金属酸化物コンポジット多孔質厚膜を用いる太陽電池のI−V曲線。 実施例における、酸化スズ微粒子+各金属アルコキシド混合ペーストより調製した金属酸化物コンポジット多孔質厚膜を用いる太陽電池のI−V曲線。 実施例における、作製した太陽電池のIMVS(☆、★)及びIMPS(○、●)複素平面プロット。 実施例における、IMPS測定及びIMVS測定から決定された電子遷移時間(☆、★)及び電子寿命(○、●)と光強度との関係を示す線図。

Claims (6)

  1. 金属酸化物微粒子と、該金属酸化物微粒子を接着するための金属アルコキシドとを混練してペーストとなし、該ペーストを導電性基板に塗布し、上記金属アルコキシドを加水分解することにより、上記導電性基板の表面に上記金属酸化物微粒子の多孔質膜を形成し、
    次いで、酸素ガスを導入してオゾンを発生させる酸素雰囲気中において上記多孔質膜に紫外線照射を行う、いわゆるUVオゾン処理を行い、
    次いで、該多孔質膜に増感色素を吸着させることを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  2. 請求項1において、上記金属アルコキシドは、該金属アルコキシドが加水分解することにより生成した金属酸化物膜が、上記金属酸化物微粒子の表面を均一に被覆した場合、その膜厚が0.05〜1.3nmとなるように、上記金属酸化物微粒子に混合することを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、上記多孔質膜形成後、上記増感色素の吸着前に、上記多孔質膜を80〜200℃において乾燥することを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか一項において、上記金属酸化物微粒子は、混練前において、300〜500℃の加熱処理を施しておくことを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項において、上記金属酸化物微粒子は、混練前において、紫外線照射しておくことを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか一項において、上記金属酸化物微粒子は、粒径5〜100nmであることを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
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