JP3667410B2 - インクジエット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

インクジエット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジエット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物に関する。更に詳細には、光ディスク用オーバーコート剤あるいはハードコート剤等の光ディスク用材料に特に適するインクジエット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピューター等で作成した文書やイメージ等の画像を紙やOHPフィルム等の被記録媒体に出力する方法の一つとして、インクジエット記録方式が使用されている。通常、インクジエット記録方式での被記録媒体には画像の耐水性や耐光性の向上のために紙やプラスチックフィルムの上に被記録媒体用樹脂層を形成しなければならない欠点を有している。
一方、光ディスクの分野においては、記録膜の保護のための紫外線硬化型の樹脂組成物がオーバーコート剤として使用されているが、コーティング方法としてはスピンコート法が用いられ使用する以上の量を記録膜の上にのせなければならず必要量以外の量のオーバーコート剤を再使用するためには、精密ろ過が必要となり工程が複雑となり問題である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の欠点を改良し、被記録媒体用樹脂層を形成しなくても紙やプラスチック基材上に画像あるいは塗膜形成が可能で又必要量だけが塗布が可能であるインクジエット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カチオン重合性物質(A)と光カチオン重合開始剤(B)を含有することを特徴とするインクジエット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物、及びその硬化物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、カチオン重合性物質(A)を使用する。カチオン重合性物質(A)の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂類やビニルエーテル化合物類を代表的なものとして挙げることができる。エポキシ樹脂類の具体例としては、例えは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828、エピコート1001等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(例えは、油化シェルエポキシ(株)製、エピコートR−807、エピコート4001P等)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬(株)製、EPPN−201、油化シェルエポキシ(株)製、エピコート152、エピコート154等)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬(株)製、EPPN−501、EPPN−502等)、脂肪族系エポキシ樹脂(例えば、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ樹脂(例えば、ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド2021、セロキサイド4000、セロキサイド3000、セロキサイド2000、EHPE−3150、EPOLEAD−GK200、ユニオンカーバイド社製、ERL−4206、EPL−4299、ERL−4234、ERL−4221等)等が挙げることができる。
【0006】
ビニルエーテル化合物類の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、1,9−ノナンジオールモノビニルエーテル,ジエチレングリコールモノビニルエーテル,トリエチレングリコールモノビニルエーテル、シクロヘキシル−1,4−ジメチロールモノビニルエーテル、2−クロルエチルビニルエーテル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、シクロヘキシル1,4−ジメチロールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等の反応性ビニルエーテル単量体、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリオール類とトリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソポロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート類と水酸基含有ビニルエーテル類(例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキシル−1,4−ジメチロールモノビニルエーテル等)の反応物であるウレタンビニルエーテル、前記、水酸基含有ビニルエーテル類とポリカルボン酸クロライド類(例えば、フタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、テトラヒドロフタル酸ジクロライド等)の反応物であるポリエステルポリビニルエーテル等の反応性ビニルエーテルオリゴマー等を挙げることができる。
【0007】
光カチオン重合開始剤(B)の具体例としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、 SP−170、SP−150(旭電化(株)製)、FC−508、FC−512(3Mカンパニー社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトリックカンパニー社製)等のポリアリールスルホニウム塩、Irg−261(チバ・ガイギー社製)等のメタロセン化合物、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−ノニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4′−ジエトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のポリアリールヨードニウム塩等を挙げることができる。これら光カチオン重合開始剤は、1種又は2種以上を選択して使用することができる。
【0008】
本発明の樹脂組成物は、(A)及び(B)の各成分を溶解、混合、混練等をすることにより調製することができる。
本発明の樹脂組成物中、各成分の使用割合は以下のようにすることができる。
(A)成分100重量部に対して(B)成分は、0.01〜20重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜10重量部である。
【0009】
本発明の樹脂組成物には、更に必要に応じて、(メタ)アクリレートモノマー類やオリゴマー類及び光ラジカル重合開始剤、染料、顔料等の着色剤、消泡剤、レベリンク剤、重合禁止剤、ワックス類酸化防止剤、非反応性ポリマー、シランカップリング剤、光安定剤、帯電防止剤、スリップ剤等を添加することもできる。本発明の樹脂組成物は、前述のように、光ディスク用オーバーコート剤、ハードコート剤あるいは接着剤等の光ディスク用材料に好適に用いられるが、それ以外にも、インキ、塗料、コーティング、接着剤等にも有用である。
【0010】
本発明の樹脂組成物は、インクジエットプリンターを用いて、各種基材(紙、プラスチック、プチスチックフィルム、セラミック、ガラス、木等)あるいは、光ディスク基板上に組成物をむだなく厚さ1〜50μの範囲で塗布される。塗布後、紫外線を照射し、塗膜を硬化させる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、実施例中の部は、重量部である。
実施例1〜4
表1に示した配合組成にしたがって樹脂組成物を加熱混合し、調製した。得られた各組成物について、インクジエットプリンターで光ディスク基面上に厚さ3μになるように塗布試験を行ない、各組成物のインク容器中の貯蔵安定性、インクジエットプリンターのインクノズルの状態、塗布性を評価した。次いで塗布された塗膜に紫外線を照射して硬化塗膜を得た。硬化状態を観察した。
【0012】
【表1】
Figure 0003667410
【0013】
評価法
(貯蔵安定性):各組成分をカートリッジ式のインク容器に密閉し50℃に加温し、1ケ月放置し組成物の状態を観察した。
○・・・・全く変化していない。
△・・・・やや増粘がみられる。
×・・・・ゲル物が発生している。
(インクノズルの状態):インクジエットプリンターで塗布試験中、インクノズルの状態を観察した。
○・・・・全く問題が無い。
△・・・・やや組成物の出が悪い。
×・・・・組成物が出なくなる。
(塗布性):塗布された塗膜の状態を観察した。
○・・・・均一に塗布されている。
△・・・・やや膜厚にバラツキがある。
×・・・・塗布されない部分がある。
(硬化状態):塗膜の硬化状態を観察した。
○・・・・問題なく硬化している。
×・・・・硬化の不良が発生している。
【0014】
注) *1 オプトマーSP−170:旭電化(株)製、光カチオン重合開始剤
【0015】
表1の結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物は、インクジエットプリンターでの塗布適性に優れており、又、塗布や記録のための被記録媒体用樹脂層を必要としない。
【0016】
本発明のインクジエット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物は、インクジエットプリンターでの塗布性能に優れ、塗布や記録のための被記録媒体用樹脂層を必要としない。スピンコーターでの塗布法のような再使用するための複雑な工程も必要がなく、光ディスク用材料に適する。

Claims (1)

  1. カチオン重合性物質(A)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビニルエーテル化合物を、光カチオン重合開始剤(B)としてポリアリールスルホニウム塩を含有することを特徴とするインクジエット記録方式用紫外線硬化性樹脂組成物(但し、溶剤を含むことを除く)。
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