JP3642979B2 - 伝導イミュニティ試験器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機器等の電子情報技術装置の通信線や電力線に伝導妨害波を印加し、被試験装置の妨害波耐力(イミュニティ)を評価する試験器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の伝導イミュニティ試験方法としては、図2のような個別の試験構成手段を組み合わせ接続した試験系が用いられている。すなわち、図2で、1は被試験装置(以下、EUTという)、2はEUT1を通信動作状態にするため通信線の対向側に接続した補助装置(以下、AEという)、3はEUT1とAE2とを交換接続するための擬似交換機、4はEUT1の通信線、5は通信線4を介してEUT1にコモンモ−ドの試験用の電磁妨害波(以下、単に妨害波という)を結合・印加する妨害波結合器、6は試験用妨害波の発生器、7はEUT1に通信動作機能の異常を発生させるのに必要なレベルまで妨害波発生器6の出力を増加する増幅器、8はEUT1への印加妨害波を計測する妨害波計測器である。
また、図3は妨害波発生器6の出力波形例であり、(a)はラジオ放送等のAM変調波、(b)はAC電源等の周期に同期した矩形パルス波(パルス幅t、周期T)、(c)は蛍光灯等の家電機器等から発生するバ−スト波(バ−スト幅W、周期T、パルス周期d)、(d)は(b)、(c)と同一周期の減衰振動波である。
【0003】
図4は、図3(a)のAM変調波のような連続性伝導妨害波を印加する場合に、通常用いられる妨害波結合器5のコンデンサ結合型回路構成例である。(a)は電話加入者線路等の平衡2線通信線用の結合・減結合回路(CDN−2W)であり、5Aはその筐体、5A−1はEUT側の接続端子、5A−2はAE側の接続端子、5A−3は、妨害波入力端子である。また、(b)はホ−ムバス等の平衡4線通信線用の結合・減結合回路(CDN−4W)であり、5Bはその筐体、5B−1はEUT側の接続端子、5B−2はAE側の接続端子、5B−3は、妨害波入力端子である。このほか平衡8線程度までの多線条線路に対しては、同様の構成のものが用いられる。
【0004】
図3(a)のAM変調波のような連続性の伝導妨害波を印加して、通信機器のようなEUT1のイミュニティを試験・評価するには、通常以下のような手順がとられる。すなわち図2で、
▲1▼AE2を操作し、擬似交換機3を介してEUT1にアクセスし(またはEUT1からAE2にアクセスし)、EUT1を通信動作状態にする。
▲2▼妨害波発生器6のAM変調波出力信号を設定し(搬送周波数fc、変調周波数f、変調度M等)、増幅器7および妨害波結合器5を介して通信線4にコモンモ−ドで結合させ、EUT1に試験妨害波を印加する。
▲3▼妨害波発生器6のAM変調波出力レベルを増加していき、通信動作中のEUT1に機能異常(誤動作や通信品質劣化)が発生したときの印加レベル(≒イミュニティレベル)を、妨害波計測器8により測定する。(なお、イミュニティレベルは正確には機能異常が発生する直前の印加レベルをいうが、ここでは実際の測定の容易性上から発生時の印加レベルをもってイミュニティレベルとする。)
▲4▼または、あらかじめ定められたイミュニティ試験レベルがEUT1に加わるよう、AM変調波出力レベルを設定して印加し、EUT1の機能異常発生の有無を確認して合否判定する。
▲5▼AM変調信号の搬送周波数fcを順次変えて▲2▼〜▲4▼を繰り返し、試験周波数帯域におけるEUT1のイミュニティレベルを求めるか合否を判定するなどにより、EUT1の耐力を評価する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、イミュニティ試験は一般に印加妨害波に対するEUTの耐力限界を求める試験であるため、まず周波数等の印加条件を設定し、EUTに機能異常が発生するまで印加妨害波レベルを増加して、発生後は周波数等を変えて繰り返し試験する必要があること、特にEUTが通信機器の場合には、機能異常の発生形態が誤動作、符号誤り、同期はずれ、画像品質劣化、雑音可聴など種々あり、メイン機能に対してこれらの異常動作モ−ドの検出手段が必要なこと、これらの機能異常発生時には直ちに印加を停止しないと通信動作状態に復帰しない場合があること、復帰しない場合は改めてAE等からアクセスしてEUTを立ち上げ、通信動作状態にした上で印加を繰り返す必要があることなどにより、膨大な時間と手間のかかる欠点があった。
【0006】
また、通信機器のイミュニティ試験系は、図2から明らかなように通信交換接続系と妨害波結合・印加系の両者が必要であるが、従来はそれぞれ個別の試験構成手段を組み合わせて構成していたため、接続系が複雑となり、かつ、EUTの機能異常を目視によりそのつど見知してからEUTを立ち上げ、印加条件を手動可変設定するなど人力に頼っていたため、操作性がきわめて悪い欠点もあった。
【0007】
さらに、EUTが線数の異なる複数の多線条通信線で接続された複合システム機器の伝導イミュニティを試験するには、複合システム機器に接続する多くのラインのおのおのから妨害波の印加が可能で、妨害波を印加しない非印加ラインは終端してEUT配置系のコモンモ−ドインピ−ダンスを安定化させる必要があるが、従来のものでこのような配置構成とするには、試験系が大がかりで広い占有場所を要するなどの欠点があった。
【0008】
本発明の目的は、このように規模が大がかりで時間と手間のかかるイミュニティ試験系を簡易化および自動化することにより、イミュニティ試験が容易かつ短時間に行え、操作性および再現性にもすぐれた試験器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明による伝導イミュニティ試験器は、被試験装置の対向通信線に接続され該被試験装置の通信動作状態を可能にする通信交換接続手段と、電磁妨害波を発生する妨害波発生手段と、前記被試験装置の通信線に前記電磁妨害波をコモンモードで結合する妨害波結合手段と、該妨害波結合手段を介して前記電磁妨害波を印加した時に生じる前記被試験装置の機能異常信号を検出し通信品質劣化度を測定する障害度測定手段と、前記妨害波発生手段による前記被試験装置への電磁妨害波の印加条件を設定制御する妨害波制御手段とから構成され、該妨害波制御手段は、前記被試験装置が前記妨害波結合手段に対して非接続の状態において、前記妨害波発生手段に複数の出力電圧レベルを設定すると共に、該設定がなされた前記妨害波発生手段によって順次発生された電磁妨害波の各出力電圧レベルと、前記妨害波結合手段の出力電圧レベルとを対応づけた校正電圧情報を記憶し、前記被試験装置が前記妨害波結合手段に接続された状態において、前記校正電圧情報を用いて、複数の所定の妨害波印加レベルに対応した出力電圧レベルを前記妨害波発生手段に設定すると共に、前記複数の所定の妨害波印加レベルの電磁妨害波を順次前記被試験装置へ印加した時の前記障害度測定手段で測定される通信品質劣化度が前記被試験装置の障害モードによりあらかじめ定められた評価レベルとなった時の前記披試験装置への前記妨害波印加レベルを出力・表示することを特徴とする。
【0010】
本発明による伝導イミュニティ試験器は、EUTの有する各種機能に対応した異常検出手段を設け、異常発生と連動して印加妨害波の周波数をステップさせる等妨害波印加条件を制御し、もしくは妨害波印加停止時にEUTが自動復帰しない場合にも、EUTを通信動作状態に自動的に立ち上げる等の手段を設け、これらによって操作容易で試験時間を大幅に短縮できるようにしたことを特徴としている。また、EUTに生じる誤動作、符号誤り、画質劣化、雑音可聴等の種々の機能異常モ−ドに対しても、電磁気的、光学的、または音響的検出手段等、各種の方法で検出可能なようにしてある。
【0011】
また、アナログ・デジタル擬似交換機能を有する通信交換接続系と、アナログ平衡2/4線やデジタルインタフェ−スU点・S/T点への印加が可能な妨害波結合・印加系とを一体化配置構成にして試験系を簡易化すると共に、大半のアナログ・デジタル通信機器の通信動作状態が実現でき、これによるイミュニティ試験が実施可能なようにしてある。
【0012】
さらに、可聴雑音評価試験では、音声劣化の評価基準を設定するために必要な連続性正弦波およびパルス波の信号源を試験器内に組み込むと共に、EUT側と対向通信線側にそれぞれ基準信号レベルと妨害波信号レベルとの検出手段を設け、これらの各側における検出信号の比較によって、音量調整つまみの設定やマイクロホンの設置位置で受話音量が異なるEUTに対しても、適正な可聴雑音の評価ができる特徴を有する。また、EUT側だけでなく対向機器側への影響や、連続性正弦波だけでなく、連続性パルスに対する可聴雑音の評価もできるようにしてある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
【実施例1】
図1は本発明の第1の実施例を示す図であり、9は本試験器の構成各部を含む筐体、3’、5’、6’、7’は、それぞれ従来の擬似交換機3、妨害波結合器5、妨害波発生器6、および増幅器7と同様の機能を有するそれぞれ擬似交換部、妨害波結合部、妨害波発生部、および増幅部、4はEUT1の通信線、3−1および5−1はそれぞれ擬似交換部3’および妨害波結合部5’の外部接続端子である。
【0015】
また、1AはEUT1に組み込まれ、EUT1に通信誤動作や同期はずれ等の機能異常が発生した時に点灯または発光する警報ランプ等の発光素子、10はEUT1の発光素子1A等の機能異常発生箇所に接近または接触して装着する等の方法で結合させた障害信号検出部、10−0は障害信号検出部10の内部に組み込まれたLED等の受光素子、11は障害信号検出部10で検出した障害信号のレベルや頻度等を測定したり、あらかじめ定められた所定の評価基準値と比較する等により機能異常の程度を評価する障害度測定部、11−1は本試験器の筐体9に設けられた障害信号検出部10の入力接続端子、12は通信線に接続された妨害波結合部5’と擬似交換部3’との間に接続挿入され、線路損失を可変設定する擬似線路、13は妨害波発生部6’の出力信号の周波数やレベル、および出力タイミング等を設定制御する制御部、14は制御部13の制御操作の設定画面および障害度測定部11で測定した結果を表示する表示部、15は制御部13と、障害度測定部11や妨害波発生部6’および表示部14等とを結ぶGP−IBケ−ブル、15−1と15−1’はGP−IBケ−ブル15の外部接続端子、16は妨害波結合部5’の出力を試験前または試験後に所定のレベルに校正したり、EUT1に印加される妨害波を測定する印加出力測定部、16−1は印加出力測定部16の外部接続端子である。
【0016】
また、図5は、図1の制御部13を用いて妨害波発生部6’のAM変調波信号を出力制御する方法を説明する図である。
【0017】
以下に図1および図5を用いて、図3(a)のようなAM変調波を印加時に、EUT1のイミュニティ特性を試験・評価するために必要な動作を説明する。すなわち図1で、まず、補助装置AE2を操作して擬似交換部3’、擬似線路12、妨害波結合部5’を介してEUT1にアクセスし、またはEUT1から逆にAE2にアクセスしてEUT1を立ち上げ、通信動作状態を実現する。このとき擬似線路12を可変して実回線条件を模擬した線路損失を設定しておく。
【0018】
次に、制御部13において、妨害波発生部6’から発生させるAM変調波の変調周波数fや変調度Mおよび出力レベルの上昇速度を定めると共に、搬送周波数fcを図5(a)に示す試験帯域(fl〜fh)内の最初の任意ポイントfiに設定し、妨害波発生部6’を動作させる。この出力信号を増幅部7’で増幅し、妨害波結合部5’を介してコモンモ−ドの伝導妨害波としてEUT1の通信線4からEUT1に印加し、その印加レベルを次第に増加していく。
【0019】
この結果、EUT1の内部回路が妨害波に耐えきれなくなった時に論理素子等が反転して誤動作や同期はずれ等の機能異常を発生し、EUT1の警報ランプ等の発光素子1Aが発光する。この発光を発光素子1Aに接近または接触装着した受光素子10−0が検知して、検知信号を障害度測定部11に入力する。これによる障害度測定部11からの出力信号がGP−IBケ−ブル15を介して制御部13に伝達すると、制御部13ではこのときの妨害波発生部6’の出力信号レベル(図5(a)のei)を記憶した後、その出力レベルをすみやかにゼロまたは所定レベル以下に減少させて、EUT1への妨害波印加を解除する。すると発光素子1Aが消灯してEUT1は正常動作に復帰し、通信動作状態を継続する。制御部13では、図5(a)に示すように妨害波発生部6’の上記出力レベル低下時点からEUT1が正常動作に復帰するのに要する所定時間経過後に、搬送周波数fiをあらかじめ設定した次の任意のfjにΔfだけ可変ステップした後、その出力レベルを前と同様に次第に増加させる。
【0020】
これによって、前の設定周波数fiによる印加時と同様に、EUT1の発光素子1Aが再発光し、EUT1の機能異常発生信号が障害度測定部11およびGP−IBケ−ブル15を介して制御部13に伝達し、この時の妨害波発生部6’の出力信号レベル(図5(a)のej)を、前と同様に記憶する。これらの制御動作を試験帯域(fl〜fh)内であらかじめ設定した全周波数ポイントについて実行した後、各周波数ポイント毎に記憶した妨害波発生部6’の出力レベルeを妨害波結合部5’からEUT1への印加レベルVに換算してプロットすれば、図6のようなEUT1のイミュニティ特性が得られる。同図で、VrefはあらかじめEUT1の設置される電磁環境条件などから定めたイミュニティ評価基準レベルであり、Vrefと各周波数ポイントにおけるイミュニティ特性値を比較することにより、EUT1が試験帯域内で許容レベルを満足するかどうかや、どの周波数範囲やポイントでどの程度不満足かなどの評価が容易に可能となる。なお、上記の出力レベル低下時点から再印加までの時間は、それぞれのEUT1による復帰特性を考慮し、制御部13であらかじめ可変設定できるようにしてある。
【0021】
また、全試験帯域にわたってEUT1のイミュニティが評価基準レベルVrefを満足しているかどうかの合否判定結果のみを知ればよい場合には、妨害波発生部6’の出力レベルを図5(a)のように1つの周波数ポイント毎に増減させずに、図5(b)のように各所定の出力レベルとなるよう試験帯域内を周波数ステップさせて掃引し、発光素子1Aの発光による障害度測定部11への信号入力がなければ合格を、掃引の途中で発光による信号入力があれば不合格を容易に確認できる。また、信号入力時の掃引停止周波数ポイントから、不合格となった周波数がただちにわかる。
【0022】
このように、本実施例では、EUT1の機能異常発生と連動して妨害波発生部6’の出力を低下させ、EUT1の通信動作状態の復帰を待って周波数ステップさせた信号を再印加する等により妨害波発生部6’の周波数掃引制御を行っているため、全試験帯域にわたりイミュニティ試験を自動化でき、容易かつ短時間の試験・評価が可能となる。
【0023】
なお、図1で通信動作中のEUT1に対して、通信線4に妨害波を結合する前と、障害信号検出部10の出力信号をトリガとする妨害波結合後の通信線間信号を障害度測定部11で測定・比較することにより、妨害波の影響によるAE2に与える通信の伝送品質等の評価も可能となる。
【0024】
一方、以上の動作で、妨害波結合部5’からEUT1へ適正な所定の妨害波レベルVを結合・印加するには、各周波数ポイントにおける妨害波発生部6’の出力eをどのように制御部13で設定し出力したらよいかが問題となる。その理由は、妨害波発生部6’の出力点からEUT1の通信線入力点までの経路に増幅部7’や妨害波結合部5’が介在し、これら増幅部7’の増幅度特性や妨害波結合部5’の内部浮遊容量などによる損失の周波数特性があるため、これらの補正を行っておく必要があることによる。
【0025】
図7は制御部13により設定する妨害波発生部6’の出力eと、これによって妨害波結合部5’からEUT1へ実際に印加される妨害波レベルVとの対応をとる方法、すなわち妨害波結合部5’の出力の校正方法を説明する図である。両者の対応をとるには、EUT1のイミュニティ試験に先だって(または試験後に)、図7(a)のようにEUT1の接続される妨害波結合部5’の接続端子5−1と印加出力測定部16の接続端子16−1とを接続線17で接続する。
【0026】
次に、試験帯域内の任意の周波数ポイントfiにおいて妨害波発生部6’の出力を増加し、印加出力測定部16で測定される妨害波結合部5’の出力レベルの読み(=EUT1への印加レベル V)が所定の試験レベルViとなるよう制御部13を調整して、妨害波発生部6’の出力レベルeiを設定した後記憶する。次に、周波数をΔfだけステップさせたfjにおいて、同一のViとなるようejを設定して記憶する。これらの操作を図7(b)の試験帯域(fl〜fh)内の各周波数ポイントについて実行することにより、EUT1へ全帯域にわたり同一の試験レベルVを印加するのに必要な各周波数ポイントにおけるeの値が設定できる。Δfのステップ幅を細かくするほど多数の周波数ポイントにおけるeの値が測定され精度が向上する。さらに試験レベルVを設定印加レベルの範囲(Vl〜Vh)内で任意に変えて同様の測定を行うことにより、任意の所定印加レベルVに対するeの設定値が確定する。
【0027】
このように、多数の設定V値に対してそれぞれのeを細かく測定しておけば、印加レベル設定の精度が向上するが、校正時間の短縮をはかるには、EUTへの印加レベルの範囲内で、例えば最小値Vlと最大値Vh、またはこれらと任意の中間値との複数の特定Vに対してのみ各eを測定し、これらの間のVに対しては上記の各測定e値を比例配分した計算値を用いれば、精度は落ちるが校正時間を短縮できる。
【0028】
これらの校正値を用いれば、図5のような周波数設定・掃引に当たって、試験帯域内の任意の限定した帯域部分のみを詳細に設定して掃引したり、あらかじめ定めた複数の特定周波数ポイントのみを設定して妨害波を印加する等の掃引・印加が可能となり、目的に応じた妨害波の印加制御ができる。
【0029】
なお、上記EUT1への印加レベルVの実際の校正時には、EUT1の試験帯域におけるコモンモ−ドインピ−ダンスが機種により異なるため、これによってVが変化するのを避けるため、図4の妨害波結合器5の2線や4線の通信線をコモンモ−ドとみなして一つにまとめて表した図7(c−1)に示すような妨害波結合部5’の出力端子5−1に、校正用抵抗18(=R1+R2)で置き換えたEUT1のコモンモ−ド入力インピ−ダンス相当の回路を接続し、印加出力測定部16の入力インピ−ダンスに相当するR2の両端電圧V1を測定して、これを信号源の起電力Vemf=V1(r+R+R1+R2)/R2として換算して(Rは通信線4の対地抵抗を模擬した妨害波結合部5’の合成抵抗、rは信号源の内部抵抗)、EUT1の印加レベルVとする。Vemfはまた、図7(c−2)のように端子5−1を開放時の開放端電圧V0(=Vemf)として直接測定することもできる。
【0030】
【実施例2】
図8は本発明の第2の実施例を示す図であり、図1の実施例で、EUT1に印加した妨害波を除去しても通信動作が継続せず、EUT1が正常な動作状態に自動復旧しない場合の構成を示す。図8で、図1と同じ部分には同じ記号を用いた(1〜16)。19および19’は図1のEUT1およびAE2にそれぞれ設けた通信動作を再起動するためのGP−IB制御の起動部、20および20’はその中のそれぞれの起動手段である。また図9は、起動手段20または20’部分の具体的実施例であり、1BはEUT1やAE2に組み込まれた押ボタンやタッチパネル、電源スイッチ等の通信動作の起動素子、20−1は起動素子1Bに対向して起動手段20内に装着したマグネット等の駆動手段、20−2は複数の駆動手段20−1を任意に選択作動させるGP−IB制御可能な駆動回路である。
【0031】
以下に本実施例の動作を説明する。すなわち前述の図1の試験系で、EUT1への妨害波印加を例えば図5(a)のfiについて妨害波発生部6’で出力レベルeiまで出力した後妨害波を除去した時等に、EUT1の通信動作が正常に復帰しないとその後の試験が実施できなくなる。このような場合、妨害波除去時にも発光素子1Aが発光したままになるので、障害度測定部11およびGP−IB線15を介して制御部13に検出信号が伝送されると、制御部13ではGP−IB線15を介して図8の起動手段20または20’内の駆動回路20−2を選択駆動して通信動作の再立ち上げに必要な押しボタンや電源スイッチなどの起動素子1Bに対応した駆動手段20−1を作動させ、EUT1またはAE2を再起動して通信動作状態を実現する。このようにしてEUT1を再起動した後に図5と同様の掃引制御を続けることによって図6のようなイミュニティ特性を容易に得ることができる。このように本実施例では、イミュニティ試験中に通信動作が停止し、復帰しないようなEUT1に対しても、機能異常を検知してEUT11やAE2を再起動する手段を設けたため、通信動作が自動的に確保され、一連のイミュニティ試験を簡単かつ確実で短時間に実行できる。
【0032】
以上の2つの実施例では、EUTへの印加妨害波の波形として図3(a)のようなAM変調波を対象に、EUT1の機能異常発生と連動した印加周波数の制御法について説明したが、図3(b)ないし図3(d)のような連続パルス性の妨害波を印加する場合には、これらの波形の送出機能を有する妨害波発生部6’と、各パルスの線路への結合・印加に適合した妨害波結合部5’とを用いて、それぞれのパルス幅や周期またはバ−スト幅やバ−スト周期等の波形を制御部13で設定してEUT1にパルスの波高値を可変しながら印加し、AM変調波印加時と同様に機能異常発生時の印加レベル(パルス波高値)を測定すれば、EUT1のパルスに対するイミュニティ特性や合否判定試験が容易に実行できることは明らかである。
【0033】
【障害信号検出手段の実施例】
以上、EUT1の誤動作を対象としたイミュニティ試験方法を、警報ランプ等の発光素子を有し機能異常時にはこの発光信号を検出して妨害波印加系を制御するEUT1の事例について説明したが、通信機器のようなEUT1の場合、機能異常の発生状況は警報ランプの誤点灯だけでなく様々であり、これらに対応した障害信号の検出手段が必要となる。図10は、図1や図8の障害信号検出部10について、上述の発光信号検出を含む具体的検出手段の実施例を示す説明図であり、EUT1の種々の機能異常発生形態に対応して、電気、磁気、光、音などを用いた検出手段を示す。すなわち図10で、10AはEUT1の機能異常発生の電気的検出手段であり、10A−0はEUT1内部の機能異常発生要因と考えられるトランジスタやIC等の論理素子もしくはスイッチング素子、10A−1は論理素子等10A−0の端子間に接触させた電圧プロ−ブ等の電圧検出手段、10A−2は論理素子等10A−0のケ−ブルにクランプした電流プロ−ブ等の電流検出手段である。EUT1への印加妨害波によりその内部の論理素子等10A−0に誤動作等の機能異常が発生すると、電圧検出手段10A−1や電流検出手段10A−2によりその異常がそれそれ電圧vまたは電流iの電気的出力信号として検出される。
【0034】
次に、図10で、10BはEUT1の機能異常発生の磁気的検出手段であり、10B−0はEUT1内部の機能異常発生要因と考えられるコイル等の漏洩磁界発生素子、10B−1は漏洩磁界発生素子10B−0に接近して配置した磁界コイルなどの磁気検出手段であり、EUT1への印加妨害波によりその内部の漏洩磁界発生素子10B−0から磁束Φが発生すると、磁気検出手段10B−1によりEUT1の機能異常発生が磁気出力信号として検出される。
【0035】
また、図10で、10CはEUT1の機能異常発生の前記図1の10−0と同様の発光検出手段であり、10C−0は、EUT1に配設された警報・同期はずれ・誤動作等の発光表示用ランプや発光ダイオ−ドなどからなる単一または複数個の機能異常表示素子、10C−1は機能異常表示素子10C−0の個々または全体を覆うように接近または接触して装着したLED等の発光検出手段で、10C−0のいづれかの発光に対して受光検出するようになっている。10C−0’はEUT1に接続されたCRTや液晶等の表示画面を有する付属EUT、10C−2は付属EUT10C−0’の表示画面に接近または接触して装着した集合光ファイバ等からなる画素拡大機能を有するマトリクス型等の画素検出手段である。EUT1への印加妨害波によりEUT1内の回路が誤動作して、これに配設された機能異常表示素子10C−0や付属EUT10C−0’の表示画面に、ランプ点灯や画像劣化等の機能異常が発生すると、発光検出手段10C−1や画素検出手段10C−2によりEUT1や付属EUT10C−0’の機能異常発生が受光出力信号として検出される。
【0036】
さらに、図10で、10DはEUT1の機能異常発生の音響検出手段であり、10D−0はEUT1に組み込まれたスピ−カやブザ−などの音響発生器、10D−1は音響発生器10D−0の近傍に設置したマイクロホンなどの音響検出手段、10D−1’はEUT1に接続されたハンドセット1−1の受話器に勘合したマイクロホンなどの音響検出手段である。EUT1への印加妨害波によりEUT1に組み込まれた音響発生器10D−0やハンドセット1−1の受話器から異常音や雑音などの可聴音が発生すると、音響検出手段10D−1や10D−1’によりEUT1の機能異常発生が音響出力信号として検出される。
【0037】
また、図10で、10EはEUT1の機能異常発生の電気的検出手段10Aとは異なる電気的検出手段であり、10E−0はEUT1に組み込まれた音響出力等、他の機器等とのインタフェ−ス用接続端子、10E−1はインタフェ−ス用接続端子10E−0からの入力信号を他の機器等へ出力するインタフェ−ス回路である。EUT1への印加妨害波によりEUT1のインタフェ−ス用接続端子10E−0に異常信号が出力すると、インタフェ−ス回路10E−1を介してEUT1の機能異常発生がインタフェ−ス出力信号として検出される。
【0038】
以上、EUTの機能異常発生の状況に合わせて、図10の各種障害信号検出手段のいずれかまたは複数を図1もしくは図8の障害信号検出部10に用い、それぞれ所定の検出レベルを越えた時のEUT1への妨害波印加レベルを求めれば、誤動作を対象としたイミュニティ試験を簡単・確実に、かつ稼働をかけずに短時間に実施できる。
【0039】
【アナログ的通信品質劣化に対する試験の実施例】
次に、上記図10の障害信号検出手段を用い、EUT1が前述の誤動作や同期はずれなど、異常状態の出力がゼロか1かのようなデジタル的な発生とは異なり、符号誤りやスル−プット、画像品質劣化、雑音可聴等、アナログ的な品質劣化の生じる機能異常モ−ドを対象とした場合のイミュニティ試験方法について説明する。
【0040】
すなわち、EUT1がデ−タ通信機器でその符号誤りを対象とする時、障害信号検出部10を図10の電圧検出手段10A−1や電流検出手段10A−2、またはインタフェ−ス回路10E−1を用い、障害度測定部11を符号誤り測定機能を有する測定部として、EUT1の障害信号を検出する。これによる障害度測定部11の符号誤り率が方式上から定められた所定の値になった場合にGP−IBケ−ブル15を介して制御部13に障害信号を伝達し、前と同様の制御を行うことによってEUT1の符号誤りに対するイミュニティ特性が求まる。
【0041】
また、図10で、EUT1が簡易携帯電話機(PHS)等の基地局(CS)または携帯端末機(PS)で、障害信号検出部10を図10のインタフェ−ス回路10E−1、障害度測定部11をスル−プット測定機能を有する測定部として、障害度測定部11で測定されるスル−プット値が所定の値になった場合にGP−IBケ−ブル15を介して制御部13に障害信号を伝達し、前と同様の制御を行うことによってEUT1のスル−プットに対するイミュニティ特性が求まる。
【0042】
次に、EUT1がCRTや液晶表示画面を有する画像通信機器で、その画像品質の劣化を対象とするとき、障害信号検出部10を図10のマトリクス型画素検出手段10C−2、障害度測定部11を画像品質劣化測定機能を有する測定部として、障害度測定部11で測定される画像劣化値が所定の値になった場合にGP−IBケ−ブル15を介して制御部13に障害信号を伝達し、前と同様の制御を行うことによってEUT1の画像劣化に対するイミュニティ特性が求まる。
【0043】
さらに、EUT1が受話器やスピ−カを有する音響通信機器で、その雑音可聴等の音声の品質劣化を対象とする時、障害信号検出部10を図10のマイクロホン等の音響検出手段10D−1または10D−1’、障害度測定部11を可聴雑音測定機能を有する測定部として、障害度測定部11で測定される雑音可聴値や音声劣化値が所定の値になった場合にGP−IBケ−ブル15を介して制御部13に障害信号を伝達し、前と同様の制御を行うことによってEUT1の雑音可聴や音声劣化に対するイミュニティ特性が求まる。
【0044】
なお、これらの符号誤りやスル−プット、画像品質劣化、雑音可聴等、アナログ的な品質劣化の生じる機能異常モ−ドを対象とした場合のイミュニティ試験・評価方法には、上述のように、I.所定の品質劣化量が生じる時のEUT1への妨害波印加レベルを測定して評価する方法と、これ以外に、II.EUT1に所定の妨害波印加レベルを印加した時に生じる品質劣化量を測定して評価する方法もある。本発明の雑音可聴試験に関する以降の実施例の説明では、上記 II.の方法を用いて説明する。
【0045】
【実施例3】
図11はEUT1が受話器やスピ−カを有する電話機等の音響通信機器の場合に、AM変調波印加時の雑音可聴特性を測定・評価する本発明の第3の実施例を説明する図であり、21は可聴雑音の評価基準信号を発生するGP−IB制御が可能な基準信号発生部、22はEUT1がアナログ通信機器の場合に、これを擬似交換部3’を介してAE2と接続しなくても通話状態にすることが可能な基準信号重畳の直流供給回路(フィ−ディングブリッジ)、23はEUT1の対向通信線側に接続する擬似交換部3’または直流供給回路22等の通話状態実現手段を選択する切り替えスイッチ、24はハンドセット1−1の受話口と勘合させたマイクロホン10D−1’を組み込んだ擬似耳、25はハンドセットコ−ドの接続された受話器端子に接触させ受話器端子間に生じる微小検波電圧を検出する高周波コモンモ−ドインピ−ダンスが大きく、接触による受話器音圧の変動を無視し得る差動プロ−ブである。また図12は直流供給回路22の具体的実施例であり、基準信号発生部21からの基準信号fと直流電圧Eとを重畳させてEUT1の接続される通信線4(負荷)側に供給し、EUT1がアナログ通信機器の場合にはこれによって通話状態が確保できるようになっている。さらに図13は基準信号発生部21が有する可聴帯域周期の信号波形例であり、(a)は前述の図3(a)のAM変調波の変調波成分のような可聴帯域周波数からなる連続性正弦波の波形、図13の(b)ないし(d)は図3の(b)ないし(d)の波形とそれぞれ同様な可聴帯域の周期を有する連続性のパルス波形である。
【0046】
図11で、EUT1へのAM変調波印加時の雑音可聴特性を測定・評価するには、スイッチ23を切り替えて、基準信号発生部21から図13(a)のような可聴周波数fの基準正弦波信号を直流供給回路22を介してEUT1の対向側通信線4間に印加し、障害度測定部11で測定されるこの印加線間電圧が所定の基準可聴レベル(例えば レベルa)となるよう、制御部13において基準信号発生部21の出力を設定する。また、この設定状態において、ハンドセット1−1の受話口に勘合させた擬似耳24内のマイクロホン10D−1’、EUT1のスピ−カ近傍の任意位置に配設したマイクロホン10D−1、または差動プロ−ブ25のいずれかで検出され障害度測定部11で測定される基準信号発生部21の出力信号fによる基準信号レベル(=評価基準値)VrefをGP−IB線15を介して制御部13に伝達し記憶する。次に、上記基準信号fの印加を除去し、EUT1へ所定の妨害波レベルV=V0が全試験帯域にわたって印加されるよう、図5(b)の掃引方法によって制御部13を設定・制御し、妨害波発生部6’からAM変調妨害波を印加する。この結果ハンドセット1−1の受話口に勘合させた擬似耳24内のマイクロホン10D−1’、EUT1のスピ−カ近傍の任意位置に配設したマイクロホン10D−1、または差動プロ−ブ25のいずれかで検出され障害度測定部11で測定されるAM変調波がEUT1内の回路で検波された可聴雑音信号レベルVの曲線と、上記Vrefとを表示部14画面上のグラフにプロットする。
【0047】
図14(a)はこのようにして求められる可聴雑音特性例の説明図であり、妨害波印加による可聴雑音特性曲線が、図中に太線で示した評価基準値Vrefに対して例えば周波数fn以下の帯域では小さく満足しているが、周波数fn以上は評価基準値をオ−バしており、その量が周波数によりどの程度か等の雑音可聴特性の評価が容易にできる。また図14(b)は、(a)と異なる評価基準値Vrefの与え方をした場合、すなわち評価基準値をVref±ΔVとして、試験帯域(fl〜fh)内の周波数fk以下ではこの下限値、fk以上では上限値とした場合である。同図より、このような評価基準値に対しては、周波数fがfn1<f<fk およびfn2<f において基準値をオ−バしていることなどがわかる。なお、上記Vrefを図14(a)、(b)の右側縦軸の換算雑音音圧Pとして音圧の絶対値で表示する場合には、マイクロホン10D−1’に標準周波数(1kHz等)と標準出力音圧Ps(dBspl) とを有する標準音源を勘合させ、障害度測定部11で測定される基準出力信号レベルVsが音圧の校正基準値Psに等しいとして、Vrefを比例配分により音圧P0=Ps・Vref/Vsのように換算すればよい。
【0048】
マイクロホンのかわりに差動プロ−ブ25を使用する時には、まず、上記校正に使用したマイクロホン10D−1’を障害度測定部11に接続して、基準信号発生部21の印加信号によるマイクロホン10D−1’の検出レベルが上記VSとなるよう、基準信号発生部21の出力を設定する。この設定状態のまま障害度測定部11で測定される差動プロ−ブ25の検出レベルVspが音圧の校正基準値Psに等しいとみなして、Vrefを比例配分により音圧P0=Ps・Vref/Vspとして換算することにより、音圧の絶対値が得られる。なお、図11の実施例で、妨害波発生部6’からEUT1へ妨害波印加の結果、EUT1の内部回路で変換・検波され対向通信線側に伝送される通信線間の可聴雑音レベルを障害度検出部11で測定し、図14(a)、(b)の左側縦軸をこれで置き換えた同様のグラフを作成することにより、EUT1の対向通信機器であるAE2側の可聴雑音特性も、同様に相対評価および絶対評価が可能である。
【0049】
以上のように、本発明の実施例では、EUT1の対向通信線間に所定レベルの上記基準信号を印加した時に、EUT1側の各マイクロホンや受話器端子間に生じる可聴信号レベルを相対評価の基準値として、これに対する妨害波印加時の可聴雑音特性を相対的に比較・評価する方法を用いているので、音量可変調整つまみの設定状態やマイクロホンの設置位置などで音響出力の異なるEUT1に対しても可聴雑音の適正な評価ができる。また標準音源を用いて上記相対評価値を音圧の絶対値に換算すれば、可聴雑音特性の絶対値評価も可能となる。さらにEUT1の対向通信線間に生じる可聴雑音レベルも障害度検出部11で測定できる構成にしてあるため、対向通信線間の可聴雑音レベルも同様に相対および絶対評価が可能となり、EUT1の雑音可聴のAE2側への影響も明らかにできる。
【0050】
また、本発明の実施例では、可聴雑音評価のための基準信号やEUT1を通話状態にする給電回路を組み込んであるため、AE2を接続しなくてもアナログEUT1の通話状態が実現できる。なお、デジタルEUT1を試験する場合には、選択スイッチ23を切り替えてデジタル擬似交換部3’を接続し、これにデジタルAE2を接続して発信接続し通話状態とした上で同様の試験を実施すればよいことは明らかである。
【0051】
次に図11の本発明による実施例を用いて、図3の(b)ないし(d)のようなパルス性妨害波に対する雑音可聴特性を試験・評価するには、これらの妨害波と波形もしくは少なくとも周期が同等な図13の(b)ないし(d)の基準信号を、基準信号発生部21からEUT1の対向通信線間にそれぞれ所定の基準可聴レベル(例えばそれぞれレベルb、c、d)となるよう印加して、AM変調波印加の場合と同様にEUT1の各マイクロホン10D−1や10D−1’、または差動プロ−ブ25の検出信号を測定して、図14と同様のグラフを求めることにより可能となる。
【0052】
なお、図13(a)ないし(d)の各基準信号をEUT1の対向通信線間に印加時の上記基準レベル(それぞれレベルa〜d)を設定するに当たっては、予め各基準信号のレベルを可変した音声を多人数の被験者に聞かせて図15のような音声劣化評価尺度による聴感特性を求めておき、この中のいずれかのランク、例えばランク3(わずかにうるさい)の該当する印加レベルV(または音圧P)の値、それぞれレベルa〜dをもって評価基準とする方法等が考えられる。
【0053】
図16ないし図19は、図11をより具体化した本発明の実施例を説明する図であり、図16で妨害波結合部5’を3つのCDNで構成し、本体内部構成の簡易化のため、図11の妨害波発生部6’、増幅部7’、制御部13および表示部14からなる妨害波印加制御系と、擬似線路12とを本体外部に外付け配置構成としたものである。図16で、5’−1および5’−2は図4(a)および(b)とそれぞれ同様のCDN−2WおよびCDN−4W、5’−3はCDN−2WをAC線用にしたAC−CDN、11−1は障害度測定部11の入力接続部端子、11−2および11−3は障害度測定部11内に設けたそれぞれEUT側および対向通信線側の可聴雑音電圧を測定するGP−IB制御可能な可聴雑音測定計、26は高周波コモンモ−ドおよびディファレンシャルモ−ドのインピ−ダンスが大きく接続による通信線の伝送信号への影響を無視し得る可聴帯域通過フィルタ、3Aは擬似交換部3’内に配設したアナログ擬似交換部、3Bは同デジタル擬似交換部、23’はこれらのアナログ・デジタル交換部それぞれ3Aおよび3Bとフィ−ディングブリッジ22のいずれかをEUT1の対向通信線に選択接続する切り替えスイッチ、27は、基準信号発生部21または終端抵抗や外部信号入力のいずれかをフィ−ディングブリッジ22の入力部に選択接続する切り替えスイッチ、29は筐体内に配置した3つのCDN部分からの漏洩放射雑音が内部の他のブロック構成部分に影響を与えないよう設けた遮蔽板、30は擬似線路12をショ−トして対向通信線の挿入損失をゼロに設定するショ−トバ−、31は妨害波を印加しないCDNの妨害波入力端子に接続したライン終端用の抵抗、32は擬似大地板、33はEUT1を擬似大地板32上に所定高hで設置する非金属製の絶縁支持台、34はハンドセット1−1およびこの受話口と勘合さたマイクロホン10D−1’を組み込んだ擬似耳24の周辺を囲って外部騒音の影響を除去する遮音箱、35はハンドセットを人が握った状態を模擬した擬似手回路である。
【0054】
また、図17は、図16のデジタル擬似交換部3B部分の詳細ブロック構成図であり、デジタル交換部3Bは、4つのS/T点接続端子を有するISDN擬似交換部3B−1の内2つのS/T点接続端子と、U点およびS/T点各2接続端子を有するS/T点−U点変換部3B−2の2つのS/T点接続端子とを接続して、全体としてS/T点およびU点接続端子各2端子、それぞれ3B−1’および3B−2’を有するよう構成してある。
【0055】
さらに、図18は、図16のEUT1の配置を含む試験系構成の概略外観図であり、図16の3つのCDNそれぞれ5’−1、5’−2、5’−3は実際には図18に示すように擬似大地板32の上に並べて筐体が擬似アース板と同電位になるよう配設され、絶縁支持台33の上に設置されたEUT1の通信線4やAC線とほぼ同一高さで接続し、CDN5’−1〜5’−3を介してEUT1に結合・印加されるコモンモ−ドの試験妨害波電圧がCDN5’−1〜5’−3からEUT1にレベル変動が少なく安定して印加されるよう構成してある。
【0056】
図16ないし図18で、EUT1の雑音可聴イミュニティ特性を試験・評価するには、試験に先だって印加出力測定部16を用いて妨害波結合に用いるCDN(ここではCDN−2W(5’−1))を図7の箇所で説明した方法で校正すると共に、妨害波を印加しないがEUT1に接続されるAC−CDN(5’−3)の妨害波入力端子を終端抵抗31で終端する。次に図11の動作説明の箇所で述べた方法と同様に、まず基準信号発生部21からの基準正弦波信号fが直流供給回路22を介してEUT1の対向側通信線4間に印加されるよう、スイッチ27および23’を切り替える。また、対向通信線間に挿入接続する擬似線路12の損失を設定し、損失ゼロとする場合には擬似線路12を損失ゼロに設定するか、擬似線路12を除去してショ−トバ−30を接続し、EUT1を通話状態にする。この後可聴帯域通過フィルタ26を介して障害度測定部11内の可聴雑音測定計11−3で測定される上記基準正弦波信号レベルが所定の基準可聴レベル(例えば 前述のレベルa)となるよう、基準信号発生部21の出力を制御部13で設定する。
【0057】
この設定状態において、ハンドセット1−1の受話口に勘合させた擬似耳24内のマイクロホン10D−1’、EUT1のスピ−カ近傍の任意位置に配設したマイクロホン10D−1、または差動プロ−ブ25のいずれかで検出され可聴雑音測定計11−2で測定される基準信号発生部21の出力信号fによる基準信号レベルVref(=評価基準値)を記憶する。次に上記基準信号発生部21の出力を停止し、スイッチ27を切り替えて直流供給回路22の入力端子を終端抵抗で終端した後、EUT1へ所定の妨害波レベルV0が全試験帯域にわたって印加されるよう、制御部13を図5(b)の掃引方法によって設定・制御し、妨害波発生部6’からAM変調妨害波を印加する。この結果生じるハンドセット1−1の受話口に勘合させた擬似耳24内のマイクロホン10D−1’、EUT1のスピ−カ近傍の任意位置に配設したマイクロホン10D−1、または差動プロ−ブ25のいずれかで検出され可聴雑音測定計11−2で測定された可聴雑音信号レベル曲線と上記Vrefとを表示部14画面上のグラフにプロットする。
【0058】
図19は、このようにして求めたEUTがアナログ電話機の場合で、試験周波数帯域が0.5〜80MHz、評価基準値Vref±ΔVはΔV=10dBで0.5〜30MHzはこの下限値、30〜80MHzは上限値として、Vrefを雑音音圧65dBsplとした場合の可聴雑音特性例である。図より評価基準値をオ−バする周波数帯域は、8〜50MHzであり、オ−バ量の最大は周波数30MHzで約30dBとなっており、このオ−バ帯域に対策を施す必要があることなどが容易にわかる。
【0059】
以上、図16では、EUT1への妨害波の結合・印加を通信線から行う場合について説明したが、AC線から行う場合には、AC−CDN(5’−3)の妨害波入力端子に 妨害波発生部6’の出力部を増幅部7’を介して接続すると共に、CDN−2W(5’−1)の妨害波入力端子を抵抗31で終端した後に同様の方法によって試験を行えば、EUT1のAC線伝導妨害波に対する雑音可聴イミュニティ特性が求まり、AC線伝導イミュニティを容易に評価できる。また、EUT1が電話機の親機または主装置で、内線からEUT1側に妨害波を印加したい場合には、ホ−ムバス等の内線は一般に平衡4線であることから、CDN−4W(5’−2)の妨害波入力端子に 妨害波発生部6’の出力部を増幅部7’を介して接続すると共に、CDN−2W(5’−1)およびAC−CDN(5’−3)の各妨害波入力端子をそれぞれ抵抗31で終端した後に同様の方法によって試験を行えば、EUT1の内線伝導妨害波に対する雑音可聴イミュニティ特性が求まり、内線伝導イミュニティを容易に評価できる。
【0060】
なお、図16の上記説明では、試験器筐体9に内蔵した基準信号発生部21から可聴周波数の正弦波信号を印加して評価基準レベルを設定したが、スイッチ27を切り替えて外部からあらかじめ録音された標準音声信号や、内蔵の基準信号発生部21の出力をいったん外部に引き出しこれと他の信号とを合成した信号等を、直流供給回路22や対向AE2側に入力して評価基準レベルを設定することもできる。またEUT1がデジタル電話機等のデジタル通信機器の場合には、スイッチ23’を切り替えて対向通信線にデジタル擬似交換部3Bを接続し、これにデジタルAE2を接続すると共に、妨害波印加点がデジタル通信線のインタフェ−スU点であればCDN−2W(5’−1)を、S/T点であればCDN−4W(5’−2)をそれぞれ用いて妨害波を結合・印加して試験を行えばよい。さらに、EUT1の可聴雑音以外の機能異常を試験・評価する場合には、図16の可聴雑音測定計11−2への入力をマイクロホンなどの可聴信号入力にかえて、EUT1の機能異常発生状況に対応した図10の電気、磁気、光などの各種検出信号を用い、可聴雑音測定計11−2にかえてそれぞれの機能異常測定手段を用いると共に、基準信号発生部21も画像品質評価やデ−タ伝送品質評価等の基準となる各テストパタ−ン信号等の送出が可能な信号発生部に置き換えて、同様の方法によって実行できる事は明らかである。
【0061】
【妨害波結合手段の実施例】
図20ないし図30は、本発明の妨害波結合部5’の実施例を説明する図であり、図4に示したコンデンサ結合型で平衡8線程度のものよりも線数の多い多線条通信線路への妨害波の結合に適した構成としたもので、図20は、図18の3つの妨害波結合部5’−1〜5’−3の中のいずれか一つ例えば5’−3に変えて、静電結合と電磁結合との複合化した結合機能を有する妨害波結合部5’−4または5’−5を用いた実施例であり、線路長方向に沿って半分に割った2つの構成部分で多線条線路4−1を両側からはさみこむようにしてある。図21は図20の妨害波結合部5’−4または5’−5の片側について、線路4−1をはさみこむ内側を見た斜視図であり、(a)の5’A1は多線条通信線4−1の半外周に沿って囲むように配置した金属製の静電結合板、5’B1は静電結合板5’−A1の外側からこれを囲むように長さ方向に複数個配設したフェライトなどの磁性コアであり、それぞれ巻線がコイル状に施されている。(b)の妨害波結合部5’−5は(a)の磁性コア5’B1の複数個をまとめて長さDの1個のコア5’B2に置き換えたものである。また図22は、図21(a)、(b)の長さ方向に垂直な面の概略断面図である。図21の妨害波結合部5’−4または5’−5を線路4−1に装着するには、図20や図22から明らかなように、それぞれ妨害波結合部5’−4または5’−5同士を用いて線路4−1を両側からはさみこみ、図示しない固定治具等を用いて図20のように装着する。この時、図22に示した各磁性コア5’B1または5’B2同士および各静電結合板5’A1同士の対向間隔それぞれdcおよびdsを、dcはゼロで互いに良好に接触させる一方、dsは所定の間隔を保つように構成すると共に、装着後の2つの静電結合板5’A1は、図示しない擬似ア−ス面に対して対称になるよう配置する。
【0062】
図23(a)はこのような妨害波結合部5’−4の線路4−1への妨害波結合・印加原理を説明する図であり、磁性コア5’B1が1組のみの場合を示し、多線条通信線4−1は代表的に1本の線路4として表してある。ZsおよびZrは線路4の両側に接続した機器等のコモンモ−ドインピ−ダンスであり、並列接続した静電結合板5’A1と磁性コア5’B1に捲回したコイルLとからなる回路に妨害波発生部6’から妨害波信号を供給すると、線路4には静電結合板5’A1との間に生じる浮遊容量Csによる静電誘導電圧Vsと、磁性コア5’B1のコイルLによる電磁誘導電圧Vcとが同方向に発生し、これらの合成された妨害波電圧が線路4の各心線に結合・印加される。一方、コイルLを流れる妨害波電流によって、間隔dsをおいて対向する2つの静電結合板5’A1にも上記Vcと同方向の電磁誘導電圧それぞれVc1が発生するが、2つの静電結合板5’A1が擬似ア−ス面に対して対称に配置され長さ方向の片端でのみ接続されているため、Vc1は大きさが等しく方向が逆向きとなって互いに打ち消し合い回路へ影響を与えない。このような妨害波の結合・印加は多線条線路のすべての心線に対してなされ、印加周波数が低い場合はコイルによる電磁誘導が、高い場合は静電結合板による静電誘導がそれぞれ有効に作用して、広い帯域の妨害波結合が可能となる。また、多線条線路の心線が撚り線で構成されていれば、上記2つの手段による各心線への結合がアンバランスなく行われる。
【0063】
図23(b)および(c)は、図21(a)に示したn個の磁性コア5’B1を直列接続し、これと静電結合板5’A1とをそれぞれ直列接続および並列接続した場合の回路構成であり、複数個の磁性コアによる電磁結合と静電結合板による静電結合の作用で線路4へ大きな結合電圧が生じる。
【0064】
図24は妨害波の結合量をさらに増加させるため、図20の3つの妨害波結合部にいずれも妨害波結合部5’−4または5’−5を用いて構成し、筐体9の外部において多線条線路4−1を多線条線路接続用コネクタ4−2を用いて接続したもので、多線条線路4−1に対する長さDの静電結合部分と電磁結合部分からなる結合部分を全体的に拡大して、妨害波発生部6’の出力が小さい場合でも大きな妨害波結合出力が得られるようにしたものである。
【0065】
図25の妨害波結合部5’−6の5’A2は、図21(a)の静電結合板5’A1について外周の各磁性コアの配設された長さ方向の半円周部分を切断して除去すると共に、装着後それぞれ対向する2つの静電結合板5’A2同士の間隔dsをゼロとして接触するよう構成したものである。図26(a)はこのような妨害波結合部5’−6の線路4への妨害波結合・印加原理を説明する図であり、磁性コア5’B1は1個のみの場合を示し、静電結合板5’A2を除去した長さ方向の間隔lの部分に磁性コア5’B1に捲回したコイルLが配設されている。並列接続した静電結合板5’A2とコイルLとからなる回路に妨害波発生部6’からの妨害波信号を供給すると、線路4には静電結合板5’A2との間に生じる浮遊容量Csによる静電誘導電圧Vsと、コイルLによる電磁誘導電圧Vcとが同方向に発生し、これらの合成された妨害波電圧が線路4の各心線に結合・印加される。この場合、同一長さ方向位置で対向する2つの静電結合板5’A2が接触しリング状に構成されているが、コイルLは静電結合板のない間隔lの長さ方向部分に配置されているため、コイルを流れる妨害波電流は静電結合板5’A2には何ら影響を与えない。図26(b)および(c)は、図25に示したn個の磁性コア5’B1を直列接続し、これと静電結合板5’2Aとをそれぞれ直列接続および並列接続した場合の回路構成であり、複数個の磁性コアによる電磁結合と静電結合板による静電結合の作用で線路4へ大きな結合電圧が生じる。
【0066】
図27は妨害波の結合量をさらに増加させるため、長さDの多線条線路の外周を円筒状の導体からなる静電結合板5’A3で覆ったものを複数個並列に並べて妨害波結合部5’−7を構成し、これらの入出力部分を除く両端を筐体9の外部において多線条線路接続用の非シ−ルドコネクタ4−2により接続し、このコネクタ部分を磁性ル−プコアにコイルを施した磁性コア5’B3で結合したもので、円筒状導体5’A3とコイルとを図23(b)、(c)と同様に接続することにより、多線条線路4に対する長さDの静電結合部分および電磁結合部分を等価的に拡大して、妨害波発生部6’の出力が小さい場合でも大きな妨害波結合出力が得られる。
【0067】
図28および図29は、静電結合型の妨害波結合部の実施例を説明する図であり、シ−ルド付きの多線条線路または非シ−ルド多線条線路の外周に円筒状の導体を施した線路を用いて、それぞれ妨害波結合部5’−8および5’−9を構成したものである。図28で、5’A3は、長さDの多線条線路の外周に施したシ−ルドまたは円筒状外部導体、5’Cは多線条線路の外部導体のおのおのと接続したバ−、5’Dは妨害波発生部からバ−5’Cを介してシ−ルド外部導体と擬似大地板間に妨害波信号を印加するための接続コネクタ、4−2は筐体9の外部において多線条線路の外部導体5’A3同士を接続するコネクタである。また、図29は柔軟性のあるシ−ルド付き多線条線路または非シ−ルド多線条線路の外周を導体5’A4で覆った線路を複数回捲回して、妨害波結合部5’−7を構成した実施例の説明図である。コネクタ5’Dの中心導体が外部導体5’A4の複数箇所で接続され、コネクタ5’Dの外部導体と擬似大地板(底面)とが接続されており、コネクタ5’Dを介して外部導体5’A4と擬似大地板との間の妨害波を印加する構成として、線路長を大きくして多線条線路の心線と外部導体との間に存在する浮遊容量を増加して、静電結合効率の改善をはかったものである。
【0068】
図30の妨害波結合部5’−8は、図29の束に巻いた線路の一部の外周に図27の5’B3と同様の磁性ル−プコア5’B4を装着したもので、多線条線路の外周に施した外部導体5’A4は、長さ方向には一様で半円筒状に割れたものを、間隙を有するように対向させてあるか、もしくは磁性コア5’B4の貫通した長さdの部分のみ除去した構成としてある。このような外部導体5’A4と磁性コア5’B4のコイルとを図23(b)、(c)または図26(b)、(c)のように直・並列接続しこれに妨害波信号を供給することにより、図29の静電結合に電磁結合の効果が加わって結合効率の一層の増加が可能となる。
【0069】
以上の図20ないし図30の妨害波結合部の内、線路の途中にコネクタを用いていない構成のものは両側から多線条線路の外周を囲むように装着するだけで、線路を切断せずに多線条線路の各心線に静電結合と電磁結合の両者または一方の手段により妨害波を有効に結合できる利点がある。また高速度のパルス伝送等を行う多線条線路を用いた通信装置の場合でも、途中に何ら損失回路等が挿入されないため通信系へ影響を与えず、妨害波が容易に結合できる利点もある。さらに、図28および図29の静電結合型の妨害波結合部の構成では、静電結合板の浮遊容量を通して妨害波を結合するので、結合系の損失が小さくパルス性妨害波を有効に結合できる等の利点もある。なお図20ないし図30の妨害波結合部を用いて、多線条線路のEUT1側にのみ妨害波を結合する場合は、多線条線路のAE側に図示しない減結合回路などの伝導妨害波阻止手段を接続して使用する。
【0070】
【被試験装置の接続・配置例】
図31および図32は、図16の本発明の実施例を用いて、EUT1がそれぞれアナログ通信機器およびデジタル通信機器について、誤動作を対象とするイミュニティ試験系の接続・配置例を示したもので、EUT1に接続する妨害波結合・印加部分と非印加ラインの終端状況、および擬似交換部を含むAE2との接続部分のみについて示してある。
【0071】
図31はアナログボタン電話装置等のシステム(複合)EUTの例であり、これに接続するラインに対応して妨害波を(a)は外線通信線、(b)は内線通信線で、▲1▼は主装置等のM(メイン)−EUT側に、▲2▼は子機などのS(サブ)−EUT側に、また(c)はAC線に それぞれ結合・印加する場合の接続例である。また、図32はデジタル電話機やISDNタ−ミナルアダプタ(TA)等のデジタルEUTの例であり、妨害波を(a)は通信線のインタフェ−スU点から回線終端装置(DSU)内蔵型のEUTに、(b)は同じく通信線のU点からPHS−CSなどのDSU内蔵型の無線機器に、(c)はS/T点からDSU分離型のEUTに それぞれ印加する場合の接続例である。このように本発明の実施例は、平衡2線・4線の通信線に接続するアナログ機器や、ISDN回線のインタフェ−スU点およびS/T点に接続するデジタル機器等、多くの通信機器の通信動作状態を実現できる。また、通信線やAC線等複数のラインが接続した複合システム機器のようなEUTの場合にも、各種ラインから試験妨害波を結合・印加できると共に、非印加ラインに対してはCDNの妨害波入力端子を終端することにより、EUT配置系のコモンモ−ドインピ−ダンスを安定化させ、試験の再現性を向上できる。
【0072】
なお、これらの試験系では妨害波結合部5’に3種類のCDNを用いたもので説明したが、CDN−4Wは筐体9から除去して外部に取り出す構成にすれば、試験器が小型化すると共に、EUTが複数の線路で接続された複合システムのような場合には、接続配置系を簡易化できる。また、CDNに変えて図20ないし図30のような結合手段を用いれば、図3(b)ないし(d)のような連続性パルス波や、これらの単発パルス波およびランダムパルス波等の妨害波も有効に結合・印加され、これらによる伝導イミュニティ試験が実現できる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による伝導イミュニティ試験器は、妨害波印加時のEUTの誤動作や通信品質劣化等の機能異常を、電磁気的、光学的、または音響的に検出する手段を設け、これらによる異常発生検出後直ちに印加を停止し、EUTの通信動作の自動復旧を待って周波数ステップさせた妨害波を再印加したり、自動復旧しないEUTに対してはEUTに装着した起動手段を用いて再起動させる等、異常発生と連動した妨害波印加制御を行うようにしてあるため、稼働のかかる一連のイミュニティ試験が自動化され、操作が容易で試験時間の大幅な短縮がはかれる利点がある。
【0074】
アナログおよびデジタル擬似交換機能を有する通信交換接続系と、通信線のアナログ平衡2/4線やデジタルインタフェ−スU点、S/T点等への印加が可能な妨害波結合系とを同一試験器筐体内に一体的に組み込んだ構成であるため、アナログ系またはデジタル系通信機器等、各種EUTの伝導イミュニティ試験が実施でき、試験系の配置構成も簡易化されて操作性が向上する利点がある。
【0075】
多線条通信線用やAC線用のコンデンサ結合型妨害波結合部を複数台組み込んだ試験器では、複合システム機器の有する多くのラインのいずれかから妨害波を結合・印加できると共に、妨害波を印加しない非印加ラインに接続した妨害波結合部を終端用として用いることにより、EUT配置系のコモンモ−ドインピ−ダンスを安定化でき、試験の再現性向上がはかれる利点がある。
【0076】
本発明の静電結合型、またはこれと電磁結合型とを複合化した妨害波結合部を用いることにより、通信伝送信号に影響を与えず、多くの心線を有する多線条線路の外部から静電誘導および電磁誘導の一方または両方の手段で妨害波を結合・印加できるため、多線条線路に接続した通信システムや機器の伝導イミュニティを試験・評価でき、かつパルス性妨害波のような高周波成分を有する試験信号も有効に印加できる利点がある。
【0077】
可聴雑音の評価基準信号源を筐体内に組み込み、この基準信号印加によりEUT側に生じる可聴信号レベルを評価基準値として、印加妨害波の検波出力特性を相対的に評価する方法を用いたものは、音量調整つまみの設定やスピ−カに対するマイクロホンの設置位置で受話音量が変わるEUTに対しても、適正な可聴雑音の評価ができる利点がある。また、標準音源を用いて上記可聴雑音の相対値評価の音響検出系を校正することにより、音響圧力を絶対値として評価することも可能となる利点がある。
【0078】
スピ−カや受話器などEUT側からの音響出力信号と、対向通信線間信号の両者の検出手段を設けた構成としているため、EUT側だけでなく対向通信機器側の可聴雑音評価もできる利点がある。また、可聴雑音の評価基準信号源として、連続性の正弦波信号だけでなく、可聴帯域周期の連続性パルス信号波も内蔵しているため、同周期のパルス性妨害波を印加時の可聴雑音評価も可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明する図である。
【図2】従来の伝導イミュニティ試験系の構成図である。
【図3】妨害波発生器の出力波形例を示す図である。
【図4】妨害波結合器の構成例を示す図で、(a)は平行2線通信線用結合・減結合回路(CDN−2W)、(b)は平行4線通信線用結合・減結合回路(CDN−4W)を示す図である。
【図5】制御部を用いて妨害波発生部のAM変調信号を出力制御する方法の説明図であり、(a)は周波数ポイントごとに妨害波発生部の出力を増減しながら周波数を可変させる方法示す図、(b)はEUTへの印加レベルを一定として周波数を可変させる方法を示す図である。
【図6】図5の制御方法によって得られるイミュニティ特性の説明図である。
【図7】妨害波結合部の校正方法を説明する図であり、(a)は接続方法の説明図、(b)は制御部における妨害波発生部の出力制御を説明する図、(c−1)、(c−2)は妨害波結合部の起電力と負荷の誘起電圧との関係を求めるコモンモ−ド等価回路図である。
【図8】本発明の第2の実施例を説明する図である。
【図9】図8中の起動手段部分の実施例を説明する図である。
【図10】図1や図8の障害信号検出部の実施例を説明する図である。
【図11】本発明の第3の実施例を説明する図であり、音響通信機器等のEUTを対象とした場合の可聴雑音特性を測定・評価するブロック構成図である。
【図12】図11中の直流供給回路の具体的構成を説明する図である。
【図13】図11の中の基準信号発生部の出力波形を説明する図である。
【図14】図11を用いて測定される可聴雑音特性の説明図であり、(a)は試験帯域内で評価基準値が一定の場合、(b)は所定の帯域で異なる評価基準値とした場合の評価方法の説明図である。
【図15】評価基準レベルを設定するための音声劣化評価尺度による聴感特性を説明する図である。
【図16】本発明の図11をより具体化した実施例を説明する図である。
【図17】図16の中のデジタル擬似交換部3Bの詳細構成ブロック図である。
【図18】図16の試験系構成の概略外観図である。
【図19】EUTがアナログ電話機の場合の可聴雑音特性例の図である。
【図20】図18の3つの妨害波結合部の1つを他の結合部で置き換えた本発明による妨害波結合手段の実施例の図である。
【図21】本発明の静電結合と電磁結合とを複合化した妨害波結合部の実施例について線路をはさみこむ内側を見た斜視図である。
【図22】本発明の静電結合と電磁結合とを複合化した妨害波結合部の実施例について線路長方向に垂直な断面図である。
【図23】図21の妨害波結合部の結合・印加原理を説明する図である。
【図24】図21の妨害波結合部を直列接続した実施例の図である。
【図25】本発明による妨害波結合部の他の実施例を説明する図である。
【図26】図25の妨害波結合部の結合・印加原理を説明する図である。
【図27】図25の妨害波結合部の磁性コア装着位置を変えた実施例の構成を説明する図である。
【図28】本発明の静電結合型結合部のさらに他の実施例の構成を説明する図である。
【図29】本発明の静電結合型結合部のさらに他の実施例の構成を説明する図である。
【図30】図29の応用を示す妨害波結合部の構成図である。
【図31】本発明試験器の使用例として、EUTがアナログ通信機器の場合で、誤動作を対象としたイミュニティ試験系の接続・配置例を示す図である。
【図32】本発明試験器の使用例として、EUTがデジタル通信機器の場合で、誤動作を対象としたイミュニティ試験系の接続・配置例を示す図である。
【符号の説明】
1:被試験装置(EUT)
1A:発光素子、1B:通信動作の起動素子
2:補助装置(AE)
3:擬似交換機、3’:擬似交換部
3A:アナログ擬似交換部、3B:デジタル擬似交換部
4:被試験装置の通信線
4−1:多線条線路、4−2:多線条線路用コネクタ
5:妨害波結合器、5’:妨害波結合部
5’−1:CDN−2W、5’−2:CDN−4W、5’−3:AC−CDN 5’−4、5’−5、5’−6、5’−10:静電・電磁複合型妨害波結合部
5’−7、5’−8、5’−9:静電結合型妨害波結合部
5’A1、5’A2、5’A3、5’A4:静電結合板
5’B1、5’B2、5’B3、5’B4:磁性コア
6:妨害波発生器、6’:妨害波発生部
7:増幅器、7’:増幅部
8:妨害波計測器、8’:妨害波計測部
9:筐体
10:障害信号検出部
10−0:受光素子、10A:電気的検出手段、10B:磁気的検出手段
10C:発光検出手段、10D:音響検出手段、10E:電気的検出手段
11:障害度測定部
11−2、11−3:可聴雑音測定計
12:擬似線路
13:制御部
14:表示部
15:GP−IBケーブル
16:印加出力測定部
17:接続線
18:校正用抵抗
19、19’:起動部
20、20’:起動手段
20−1:駆動手段、20−2:駆動回路
21:基準信号発生部
22:直流供給回路
23、23’:通話状態実現手段の選択切り替えスイッチ
24:擬似耳
25:差動プロ−ブ
26:可聴帯域通過フィルタ
27:基準信号・終端切り替えスイッチ
29:遮蔽板
30:擬似線路ショ−トバ−
31:終端抵抗
32:擬似大地板
33:絶縁支持台
34:遮音箱
35:擬似手回路

Claims (14)

  1. 被試験装置の対向通信線に接続され該被試験装置の通信動作状態を可能にする通信交換接続手段と、電磁妨害波を発生する妨害波発生手段と、前記被試験装置の通信線に前記電磁妨害波をコモンモードで結合する妨害波結合手段と、該妨害波結合手段を介して前記電磁妨害波を印加した時に生じる前記被試験装置の機能異常信号を検出し通信品質劣化度を測定する障害度測定手段と、前記妨害波発生手段による前記被試験装置への電磁妨害波の印加条件を設定制御する妨害波制御手段とから構成され、該妨害波制御手段は、前記被試験装置が前記妨害波結合手段に対して非接続の状態において、前記妨害波発生手段に複数の出力電圧レベルを設定すると共に、該設定がなされた前記妨害波発生手段によって順次発生された電磁妨害波の各出力電圧レベルと、前記妨害波結合手段の出力電圧レベルとを対応づけた校正電圧情報を記憶し、前記被試験装置が前記妨害波結合手段に接続された状態において、前記校正電圧情報を用いて、複数の所定の妨害波印加レベルに対応した出力電圧レベルを前記妨害波発生手段に設定すると共に、前記複数の所定の妨害波印加レベルの電磁妨害波を順次前記被試験装置へ印加した時の前記障害度測定手段で測定される通信品質劣化度が前記被試験装置の障害モードによりあらかじめ定められた評価レベルとなった時の前記披試験装置への前記妨害波印加レベルを出力・表示することを特徴とする伝導イミュニティ試験器。
  2. 被試験装置の対向通信線に接続され該披試験装置の通信動作状態を可能にする通信交換接続手段と、電磁妨害波を発生する妨害波発生手段と、前記被試験装置の通信線に前記電磁妨害波をコモンモードで結合する妨害波結合手段と、該妨害波結合手段を介して前記電磁妨害波を印加した時に生じる前記被試験装置の機能異常信号を検出し通信品質劣化度を測定する障害度測定手段と、前記妨害波発生手段による前記被試験装置への電磁妨害波の印加条件を設定制御する妨害波制御手段とから構成され、該妨害波制御手段は、前記被試験装置が前記妨害波結合手段に対して非接続の状態において、前記妨害波発生手段に複数の出力電圧レベルを設定すると共に、該設定がなされた前記妨害波発生手段によって順次発生された電磁妨害波の各出力電圧レベルと、前記妨害波結合手段の出力電圧レベルとを対応づけた校正電圧情報を記憶し、前記被試験装置が前記妨害波結合手段に接続された状態において、前記校正電圧情報を用いて、複数の所定の妨害波印加レベルに対応した出力電圧レベルを前記妨害波発生手段に設定すると共に、前記複数の所定の妨害波印加レベルの電磁妨害波を順次前記被試験装置へ印加した時の前記障害度測定手段で測定される通信品質劣化度を出力・表示することを特徴とする伝導イミュニティ試験器。
  3. 前記妨害波制御手段は、前記障害度測定手段で測定される通信品質劣化度が前記被試験装置の障害モードによりあらかじめ定められた評価レベルとなった時の前記被試験装置への前記電磁妨害波の印加レベルを記憶または出力・表示後、速やかに前記妨害波発生手段の前記出力電圧レベルを低下させ、前記被試験装置が正常な通信動作状態に復帰するまでに要する所定時間経過後に、周波数をステップする等の印加条件を変えた電磁妨害波を前記被試験装置に再印加するように前記妨害波発生手段を制御すると共に、前記印加停止後から該再印加までの時間を可変設定することを特徴とする請求項1記載の伝導イミュニティ試験器。
  4. 前記妨害波制御手段は、前記障害度測定手段で測定される通信品質劣化度が前記被試験装置の障害モードによりあらかじめ定められた評価レベルとなった時の前記被試験装置への前記電磁妨害波の印加レベルを記憶または出力・表示後、速やかに前前記妨害波発生手段の前記出力電圧レベルを低下させ、所定時間経過後も前記被試験装置が正常な通信動作状態に復帰しない場合に、前記被試験装置または前記被試験装置の対向通信線側に接続配置された補助装置に装着した起動手段を選択駆動して前記被試験装置を再起動し、周波数をステップする等の印加条件を変えた電磁妨害波を前記被試験装置に再印加するように前記妨害波発生手段を制御すると共に、前記印加停止後から該再印加までの時間を可変設定することを特徴とする請求項1記載の伝導イミュニティ試験器。
  5. 前記障害度測定手段は、マイクロホンや差動プローブ等の音響信号検出手段を用いて前記被試験装置の機能異常信号を検出する機能異常検出手段を有し、該機能異常検出手段による出力を可聴雑音信号レベルとして測定し、前記対向通信線側から、あらかじめ多人数の被験者によって得られた聴感特性に基づく所定レベルの可聴帯域周期の連続性正弦波を印加して音声劣化評価基準値を設定することを特徴とする請求項2記載の伝導イミュニティ試験器。
  6. 前記障害度測定手段は、マイクロホンや差動プローブ等の音響信号検出手段を用いて前記被試験装置の機能異常信号を検出する機能異常検出手段を有し、該機能異常検出手段による出力を可聴雑音信号レベルとして測定し、前記対向通信線側から、あらかじめ多人数の被験者によって得られた聴感特性に基づく所定レベルの可聴帯域周期の連続性パルス波を印加して音声劣化評価基準値を設定することを特徴とする請求項2記載の伝導イミュニティ試験器。
  7. 前記妨害波制御手段は、前記被試験装置の1以上の試験レベル値と、各周波数ポイントごとの前記妨害波発生手段の試験信号出力レベルとの対応関係に基づいて、任意の実施試験レベル値と前記試験レベル値とにより前記試験信号出力レベルを比例配分することにより、前記任意の実施試験レベル値に対する前記妨害波発生手段の各周波数ポイントごとの試験信号出力値を求め、求めた該試験信号出力値を前記妨害波発生手段の試験信号出力レベルとして設定することを特徴とする請求項1ないし5記載の伝導イミュニティ試験器。
  8. 前記妨害波制御手段は、前記被試験装置への電磁妨害波の印加レベルを測定する印加出力測定手段と、前記障害度測定手段で測定した結果を表示する表示手段と、前記妨害波発生手段から発生され前記妨害波結合手段を介して前記被試験装置に印加される電磁妨害波の印加条件を設定制御する妨害波制御部とを有することを特徴とする請求項1ないし請求項7記載の伝導イミュニティ試験器。
  9. 前記通信交換接続手段がアナログ加入者線交換機能とデジタルインタフェースの少なくともU点接続が可能なデジタル交換機能とを有することを特徴とする請求項1ないし8記載の伝導イミュニティ試験器。
  10. 前記通信交換接続手段が基準信号と直流電圧を重畳させて前記被試験装置の対向通信線に供給する手段を有することを特徴とする請求項1ないし8記載の伝導イミュニティ試験器。
  11. 前記妨害波結合手段は、平衡2線通信線用の結合・減結合回路、平衡4線通信線用の結合・減結合回路、AC線用の結合・減結合回路のいずれかを選択使用できるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし10記載の伝導イミュニティ試験器。
  12. 前記妨害波結合手段は、非シールド多線条線路の所定員部分外周を覆い、長さ方向に一様な円筒状導体をアース面に対して対称な2つの対向する半円筒状導体となるよう、かつ長さ方向に沿って2つのスリットを有するように分割して配置した2つの半円筒状導体の一方の長さ方向端を互いに接続した静電結合板と、該静電結合板の外周にコイルを捲回した円形状の磁性コアからなる電磁結合手段を配置して、前記静電結合板と前記電磁結合手段のコイルとを接続し、この接続線に電磁妨害波を印加するように構成したことを特徴とする請求項1ないし11記載の伝導イミュニティ試験器。
  13. 前記妨害波結合手段は、非シールド多線条線路の所定長部分外周を長さ方向に一様な円筒状導体で覆い、該円筒状導体の一定長部分を長さ方向に垂直な断面で切断・除去した如くに配置した複数の静電結合板と、該複数の静電結合板を除去した前記多線条線路の外周部分にコイルを捲回した円形状の磁性コアからなる電磁結合手段を配置して、前記静電結合板と前記電磁結合手段のコイルとを接続し、この接続線に電磁妨害波を印加するように構成したことを特徴とする請求項1ないし11記載の伝導イミュニティ試験器。
  14. 前記妨害波結合手段は、非シールド多線条線路の所定長部分外周を長さ方向に一様な円筒状導体またはシールド導体で覆い、複数回の捲回または折り返しした静電結合板の外部導体の各捲回ごとまたは折り返しごとの部分を共通的に接続し、該接続部分とアースとの間に電磁妨害波を印加するように構成したことを特徴とする請求項1ないし11記載の伝導イミュニティ試験器。
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