JP3568323B2 - Pneumatic radial tire - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関わり、更に詳しくは、タイヤ重量の増加を抑制しながら、高周波域におけるロードノイズを低減するようにした空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の静粛性向上に伴い、タイヤのロードノイズに関しても、搭乗者の快適性の追求として、低減要求が厳しくなっている。タイヤにおける振動の伝達率は、車両の振動伝達系の固有振動数とタイヤの固有振動数が一致(共振)すると大きくなることが知られており、このため、タイヤの固有振動数を支配するタイヤ構成材料の力学的要因を変えれば特定の周波数に対するロードノイズを低減することができる。
【0003】
このような知見から、高周波域(250〜315Hz付近)のロードノイズは、ベルト部の剛性を高め、断面2次固有振動数を増加させることにより改善できることがわかっている。
従来、この高周波域のロードノイズを改善する対策として、例えば、ベルト層の両エッジ部外周側にナイロン補強層を配置し、ベルト部の剛性を高めて断面2次固有振動数を増加させることにより共振を回避し、高周波域のロードノイズを低減するようにした提案がある。しかし、ベルト部の剛性を十分高めるためには、補強コードを配列した構成にする必要があるため、肉厚もある程度厚くなり、タイヤ重量が大きく増加し、近年のタイヤ軽量化の流れに逆行する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、タイヤ重量の増加を抑えながら、高周波域におけるロードノイズを改善することが可能な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、トレッド部のカーカス層外周側にベルト層を埋設した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト層より外周側でかつ少なくとも該ベルト層両エッジ部を覆うように、熱可塑性樹脂成分とゴムからなるエラストマー成分とをブレンドしたヤング率が50〜500 MPa の熱可塑性エラストマー組成物からなるベルト補強層を配置したことを特徴とする。
【0006】
このように断面2次固有振動数を増加させるのに大きく影響するベルト層のエッジ部外周側に少なくともベルト補強層を設け、それをヤング率を上記の範囲にした熱可塑性エラストマー組成物から構成して、ベルト補強層の剛性を高くしているため、従来配置したナイロン補強層と同じように、ベルト部の剛性を大きくすることができ、それによって、断面2次固有振動数の増加により、250〜315Hz付近の高周波域におけるロードノイズを低減することができる。
しかも、その肉厚を従来の補強コードを有する補強層よりも薄くして軽量にすることができるため、重量が大きく増大するのを抑えることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はビード部、3はサイドウォール部である。左右のビード部2に連接してタイヤ径方向外側に左右のサイドウォール部3が延設され、この左右のサイドウォール部3間にタイヤ周方向に延在するトレッド部1が設けられている。
タイヤ内側にはカーカス層4が1層配設されている。左右のビード部2にはビートコア5がそれぞれ配置され、そのビートコア5の外周にはビードフィラー6が設けられている。カーカス層4の両端部4aがビードフィラー6を包み込むようにしてビートコア5の周りにタイヤ内側から外側に折り返されている。
【0008】
トレッド部1のカーカス層外周側には、補強コードを逆向きで互いに交差するように配列した2層のベルト層7が埋設されている。カーカス層4に隣接した内側の1番ベルト層7A上に、この1番ベルト層7Aよりもその幅を狭くした2番ベルト層7Bが積層されている。なお、CLはタイヤ赤道面である。
本発明では、上述した構成の空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト層7A,7Bより外周側で、かつ断面2次固有振動数の増減に大きく影響するベルト層7A,7Bの両エッジ部7a,7bを覆うようにした環状のベルト補強層8がベルト層7に積層して設けられている。このベルト補強層8は、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成され、そのヤング率は50〜500MPa になっている。
【0009】
このように断面2次固有振動数の増加に大きく影響するベルト層7の両エッジ部7a,7b外周側にベルト補強層8を配置すると共に、そのベルト補強層8を構成する熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物のヤング率を上記の範囲にして剛性を高めているので、従来のナイロン補強層同様に、ベルト部の剛性を高めることができる。そのため、断面2次固有振動数が増加し、250〜315Hz付近の高周波域における共振を回避することができるので、高周波域ロードノイズの改善ができる。
【0010】
しかも、その肉厚を従来の補強コードを有するベルト補強層よりも薄くして軽量にすることができるので、重量の増加を効果的に抑えることができる。
上記ヤング率が50MPa よりも小さいと、ベルト補強層8の剛性が低くなりすぎて、ベルト部の剛性を十分に高めることができず、高周波域ロードノイズを十分に低減することができない。逆に500MPa を越えると、ベルト補強層8の剛性が高くなりすぎるため、壊れ易くなり、タイヤ故障の原因となる。
【0011】
上記ベルト補強層8を配置する幅FWとしては、ベルト幅が最大な1番ベルト層7Aの両エッジ(ベルト層の両エッジ)xからそれぞれベルト全幅(最大幅を有するベルト層の幅、図ではカーカス層に隣接する第1ベルト層7Aの幅)BWの少なくとも10%の両エッジ部7a,7bを覆うようにすることができる。
このベルト補強層8は、図2に示すように、ベルト層7の外周側全体にわたって設けるようにしてもよく、本発明では、断面2次固有振動数の増減に大きく影響するベルト層7外周側の少なくとも両エッジ部7a,7bにベルト補強層8を配置すればよい。ベルト全幅BWに対する合計のベルト補強層幅FWの割合は20〜100%にすることができる。
【0012】
ベルト補強層8は、必要性に応じて部分的に厚みを変えても構わない。その一例として、図3にエッジ部7a,7bに対応する両端部8aの肉厚をその間の中間部8bよりも厚くした場合のものを示す。
また、ベルト補強層8は図では1層配置した例を示したが、複数層設けるようにしてもよく、本発明では、少なくとも1層配置すればよい。そのトータルの肉厚としては、0.1〜1.0mmにすることができる。肉厚が0.1mm未満であると、ベルト補強層8としての剛性が低くなりすぎ、高周波域ロードノイズを十分に改善することが困難となり、逆に1.0mmを越えると、重量の増加が顕著になる。
【0013】
上記ベルト補強層8は、押出成形によりシート状の薄いフィルムを継目なくした環状の構成にしてもよく、また、テープ状の薄いフィルムからなるストリップ材を連続して螺旋状に隙間なく巻き回して環状としてもよく、更に、幅広のシート状に形成したフィルムの先後端部を継ぎ合わせて構成することもできる。
本発明では、上記ベルト補強層8を構成する熱可塑性樹脂としては、ヤング率を50〜500MPa にすることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、6−ナイロンのメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメトキシメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、酢酸ビニル、ポエビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
【0014】
また、ベルト補強層8を構成する熱可塑性エラストマー組成物は、上述した熱可塑性樹脂の成分にエラストマー成分を混合して構成することができ、これもヤング率を50〜500MPa となるようにブレンドしたものであれば、その材料の種類や混合比等は特に限定されるものではない。
エラストマー成分としては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、NR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム(例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレン等のイソモノオレフィンとパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR、CHC)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー)等を好ましく使用することができる。
【0015】
前記した特定の熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させることができる。
ブレンド系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低下し、その結果、分散層を形成しているゴム粒子径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては、一般的に熱可塑性樹脂及びエラストマー成分の両方又は片方の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラストマー成分と反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることができる。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類によって選定すればよいが、通常使用されるものには、スチレン・エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM、EPM、EPDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好ましくは、ポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマー成分との合計)100重量部に対して、0.5〜10重量部がよい。
【0016】
熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドする場合の特定の熱可塑性樹脂成分(A)とエラストマー成分(B)との組成比は、特に限定はなく、ヤング率、ベルト補強層の厚さにより適宜決めればよいが、好ましい範囲は(A)/(B)の重量比で90/10〜15/85である。
本発明に係るポリマー組成物には、上記必須ポリマー成分に加えて、本発明のタイヤ用ポリマー組成物の必要特性を損なわない範囲で前記した相溶化剤ポリマーなどの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成形加工性をよくするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。本発明に係るポリマー組成物には、更に一般的にポリマー配合物に配合される充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止剤等を上記ヤング率の要件を損なわない限り任意に配合することもできる。
【0017】
また、前記エラストマー成分は熱可塑性樹脂との混合の際、動的に加硫することもできる。動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラストマー成分の組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。
加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオン系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例えば、0.5〜4phr 〔ゴム成分(ポリマー)100重量部あたりの重量部〕程度用いることができる。
【0018】
また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ビクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、1〜20phr 程度用いることができる。
【0019】
更に、フェノール樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例示でき、例えば、1〜20phr 程度用いることができる。
その他として、亜鉛華(5phr 程度)、酸化マグネシウム(4phr 程度) 、リサージ(10〜20phr 程度) 、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr 程度) 、メチレンジアニリン(0.2〜10phr 程度) が例示できる。
【0020】
また、必要に応じて、加硫促進剤を添加してもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般的な加硫促進剤を、例えば、0.5〜2phr 程度用いることができる。
具体的には、アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等、グアジニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン等、チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾール及びそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等、スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアマイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾール等、チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド等、ジチオ酸塩系加硫促進剤としては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等、チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア等を挙げることができる。
【0021】
また、加硫促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5phr 程度)、ステアリン酸やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4phr 程度)等が使用できる。
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス相)を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散相(ドメイン)として分散させることによる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマー成分を動的に加硫させてもよい。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練およびエラストマー成分の動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速度は1000〜7500Sec −1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製されたポリマー組成物は、次に押出し成形またはカレンダー成形によってシート状のフィルムに形成される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法によればよい。
【0022】
このようにして得られるフィルムは、熱可塑性樹脂(A)のマトリクス中にエラストマー成分(B)が分散相(ドメイン)として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造をとることにより、熱可塑の加工が可能となり、かつベルト補強層としてのフィルムに十分な柔軟性と連続相としての樹脂層の効果により十分な剛性を併せ付与することができると共に、エラストマー成分の多少によらず、成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得ることができるため、通常の樹脂用成形機、即ち押出し成形、またはカレンダー成形によって、フィルム化することが可能となる。
【0023】
これらフィルムと相対するゴム層との接着は、通常のゴム系、フェノール樹脂系、アクリル共重合体系、イソシアネート系等のポリマーと架橋剤を溶剤に溶かした接着剤をフィルムに塗布し、加硫成形時の熱と圧力により接着させる方法、または、スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)、エチレンエチルアクリレート(EEA)、スチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEBS)等の接着用樹脂を熱可塑性フィルムと共に共押出、或いはラミネートして多層フィルムを作製しておき、加硫時にゴム層と接着させる方法がある。溶剤系接着剤としては、例えば、フェノール樹脂系(ケムロック220・ロード社)、塩化ゴム系(ケムロック205、ケムロック234B)、イソシアネート系(ケムロック402)等を例示することができる。
【0024】
なお、本発明では、上記実施形態において、2層のベルト層7を配置した例を示したが、それに限定されるものではなく、本発明は、トレッド部のカーカス層外周側にベルト層を埋設した空気入りラジアルタイヤであれば、いずれにも好適に用いることができ、特に乗用車用空気入りラジアルタイヤに好ましく採用することができる。
【0025】
【実施例】
タイヤサイズを165SR13で共通にし、図1に示す構成の空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト補強層のヤング率を表1のように変えた本発明タイヤ1〜4と比較タイヤ1,2、及び図1に示す構成の空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト補強層を設けていない従来タイヤ1とベルト補強層にナイロン繊維コードで補強したナイロン補強層を配置した従来タイヤ2とをそれぞれ作製した。
【0026】
本発明タイヤ及び比較タイヤにおけるベルト補強層には、表2に示す組成材料を使用した。ゴム用バンバリーミキサーで表2に示すエラストマー成分を混合し、ゴム用ロールで約3mmの厚さにシート出しして、該シートをゴム用ベレタイザーでペレット化し、後述の2軸混練押出機での混練に供した。熱可塑性エラストマー組成物の混練は、2軸混練押出機の第1の投入口よりナイロン11のペレットを投入し溶融混練せしめた後、第2の投入口より前述のエラストマー成分を投入し、ナイロン11の熱可塑性樹脂中にエラストマー成分が微細に分散した状態になったあとで、第3の投入口よりエラストマー成分のポリマー成分100重量部に対して表2に示す所定量の動的加硫系成分を引き続き投入せしめ、混練中にエラストマー成分を架橋せしめエラストマー成分の分散を固定せしめた(組成物(I)(II) )。組成物(III) は動的架橋を施していない。
【0027】
しかる後、2軸混練押出機の先端より得られた熱可塑性エラストマー組成物をストランド状に押し出し、水で冷却した後に樹脂用ペレタイザーでペレット化した。次いで先端にT形ダイスを装着した40mmの一軸の樹脂用押出機を使用して、この様にして得られたペレットを又組成物 (IV) 〜(VI)は熱可塑性樹脂のペレットをそのまま使用して押出機に投入し溶融せしめて先端のT形ダイスより幅400mm、厚さ0.3mmのシートを成形し供試のフィルムを得た。
【0028】
各試験タイヤ共に(従来タイヤ1を除く)、ベルト補強層をベルト層の両エッジからそれぞれベルト全幅BWの22%を覆うように配置した。
これら各試験タイヤを以下に示す測定条件により、高周波域ロードノイズとタイヤベルト部重量、及び耐久性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
高周波域ロードノイズ(R/N)
各試験タイヤをリムサイズ13×5Jのリムに装着し、空気圧を210kPa にして1500ccの車両に取付け、舗装路面を時速50km/hで走行し、車内中央位置に取付けたマイクにより高周波域の音圧レベルをそれぞれ測定し、従来タイヤ1を基準(0)として±〔dB(A) 〕で評価した。符号が+でその数値が大きい程、高周波域ロードノイズが従来タイヤよりも高く、また、符号が−でその数値が大きい程、高周波域ロードノイズが従来タイヤよりも低いことを示す。
タイヤベルト部重量
各試験タイヤのベルト層とベルト補強層の合計重量を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。その値が大きい程、タイヤベルト部重量が大きいことを示す。
耐久性
各試験タイヤ(従来タイヤを除く)をリムサイズ13×4.50Bのリムに装着し、空気圧210kPa 、速度を30分毎に10km/hずつ増加する条件(JISDー4230に基づいた試験条件)で室内ドラム試験を行い、速度180km/hを30分間走行後におけるベルト補強層の状態を調べた。○は異常なし、×はベルト補強層に破壊が発生したことを示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
表1から明らかなように、本発明タイヤは、ベルト補強層に故障を招くことなく、タイヤ重量の増加を抑えながら、高周波域におけるロードノイズを効果的に改善することができるのが判る。
【0031】
【発明の効果】
上述したように本発明は、トレッド部のカーカス層外周側にベルト層を埋設した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト層より外周側でかつ少なくとも該ベルト層両エッジ部を覆うように、熱可塑性樹脂成分とゴムからなるエラストマー成分とをブレンドしたヤング率が50〜500 MPa の熱可塑性エラストマー組成物からなるベルト補強層を配置したので、タイヤ重量が増大するのを抑制しながら、高周波域におけるロードノイズの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図2】本発明の空気入りラジアルタイヤの他の例を示すタイヤ子午線半断面図である
。
【図3】図2におけるベルト補強層の他の例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 ビード部
3 サイドウォール部 4 カーカス層
7 ベルト層 7A 1番ベルト層
7B 2番ベルト層 7a,7b エッジ部
8 ベルト補強層 x ベルト層のエッジ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a pneumatic radial tire, and more particularly, to a pneumatic radial tire configured to reduce road noise in a high frequency range while suppressing an increase in tire weight.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the improvement in quietness of vehicles, demands for reduction of road noise of tires have become strict in pursuit of passenger comfort. It is known that the transmission rate of vibration in a tire increases when the natural frequency of the vibration transmission system of the vehicle and the natural frequency of the tire match (resonate). Therefore, the tire that controls the natural frequency of the tire is known. If the mechanical factors of the constituent materials are changed, road noise at a specific frequency can be reduced.
[0003]
From such knowledge, it is known that road noise in a high frequency range (around 250 to 315 Hz) can be improved by increasing the rigidity of the belt portion and increasing the secondary natural frequency of the cross section.
Conventionally, as a countermeasure for improving the road noise in the high frequency range, for example, a nylon reinforcing layer is disposed on the outer peripheral side of both edge portions of the belt layer to increase the rigidity of the belt portion and increase the secondary natural frequency of the cross section. There are proposals to avoid resonance and reduce road noise in the high frequency range. However, in order to sufficiently increase the rigidity of the belt portion, it is necessary to adopt a configuration in which reinforcing cords are arranged, so that the thickness is increased to some extent, the tire weight is greatly increased, and this is against the trend of recent tire weight reduction. .
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a pneumatic radial tire capable of improving road noise in a high frequency range while suppressing an increase in tire weight.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a pneumatic radial tire in which a belt layer is embedded on the outer peripheral side of a carcass layer of a tread portion, so that at least the outer peripheral side of the belt layer and at least both edges of the belt layer are covered,Young's modulus of blending a thermoplastic resin component and an elastomer component made of rubber is 50 to 500. MPa ofA belt reinforcing layer made of a thermoplastic elastomer composition is provided.
[0006]
As described above, at least the belt reinforcing layer is provided on the outer peripheral side of the edge portion of the belt layer which greatly affects the increase in the secondary natural frequency of the cross section, and the Young's modulus is set in the above range.Thermoplastic elastomer compositionAnd the rigidity of the belt reinforcing layer is increased, so that the rigidity of the belt portion can be increased as in the case of the conventionally disposed nylon reinforcing layer, thereby increasing the secondary natural frequency of the cross section. Thereby, road noise in a high frequency range around 250 to 315 Hz can be reduced.
In addition, the thickness can be made thinner and lighter than the reinforcing layer having the conventional reinforcing cord, so that a large increase in weight can be suppressed.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the configuration of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 shows an example of the pneumatic radial tire of the present invention, wherein 1 is a tread portion, 2 is a bead portion, and 3 is a sidewall portion. Left and
One
[0008]
On the outer peripheral side of the carcass layer of the tread portion 1, two
According to the present invention, in the pneumatic radial tire having the above-described configuration, both
[0009]
As described above, the
[0010]
Moreover, the thickness can be made thinner and lighter than the belt reinforcing layer having the conventional reinforcing cord, so that an increase in weight can be effectively suppressed.
If the Young's modulus is less than 50 MPa, the rigidity of the
[0011]
The width FW at which the
The
[0012]
The thickness of the
Further, although the example in which one layer of the
[0013]
The
In the present invention, the thermoplastic resin forming the
[0014]
Further, the thermoplastic elastomer composition constituting the
Examples of the elastomer component include diene rubbers and hydrogenated products thereof (for example, NR, IR, epoxidized natural rubber, SBR, BR (high cis BR and low cis BR), NBR, hydrogenated NBR, hydrogenated SBR). Olefin rubber (eg, ethylene propylene rubber (EPDM, EPM), maleic acid-modified ethylene propylene rubber (M-EPM), IIR, isobutylene and aromatic vinyl or diene monomer copolymer, acrylic rubber (ACM), ionomer ], Halogen-containing rubbers (for example, bromide of an isomonoolefin such as Br-IIR, CI-IIR, isobutylene and paramethylstyrene copolymer (Br-IPMS), chloroprene rubber (CR), hydrin rubber (CHR, CHC) , Chlorosulfonated polyethylene rubber (CSM), chlorinated polyether Ren rubber (CM), maleic acid-modified chlorinated polyethylene rubber (M-CM)], silicon rubber [for example, methyl vinyl silicone rubber, dimethyl silicone rubber, methyl phenyl vinyl silicone rubber], sulfur-containing rubber [for example, polysulfide rubber], fluorine Rubber (e.g., vinylidene fluoride rubber, fluorine-containing vinyl ether rubber, tetrafluoroethylene-propylene rubber, fluorine-containing silicon rubber, fluorine-containing phosphazene rubber), thermoplastic elastomer (e.g., styrene-based elastomer, olefin-based elastomer) , Ester-based elastomers, urethane-based elastomers, and polyamide-based elastomers) can be preferably used.
[0015]
When the compatibility between the specific thermoplastic resin component and the elastomer component is different, the two components can be compatibilized by using an appropriate compatibilizer as the third component.
By mixing the compatibilizer with the blend system, the interfacial tension between the thermoplastic resin and the elastomer component decreases, and as a result, the rubber particle diameter forming the dispersion layer becomes fine, so that the properties of both components are reduced. It will be expressed more effectively. As such a compatibilizer, generally, a copolymer having a structure of both or one of a thermoplastic resin and an elastomer component, or an epoxy group, a carbonyl group, a halogen group, capable of reacting with the thermoplastic resin or the elastomer component, The copolymer may have a structure having an amino group, an oxazoline group, a hydroxyl group, or the like. These may be selected according to the types of the thermoplastic resin and the elastomer component to be mixed, and commonly used ones include styrene / ethylene / butylene block copolymer (SEBS) and its maleic acid-modified product, EPDM, EPM And EPDM / styrene or EPDM / acrylonitrile graft copolymers and their maleic acid-modified products, styrene / maleic acid copolymers, and reactive phenoxines. The amount of the compatibilizer is not particularly limited, but is preferably 0.5 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the polymer component (the total of the thermoplastic resin and the elastomer component).
[0016]
When blending the thermoplastic resin and the elastomer, the composition ratio of the specific thermoplastic resin component (A) and the elastomer component (B) is not particularly limited, and may be appropriately determined according to the Young's modulus and the thickness of the belt reinforcing layer. Although it is good, a preferable range is 90/10 to 15/85 in a weight ratio of (A) / (B).
In the polymer composition according to the present invention, in addition to the essential polymer component, other polymers such as the above-described compatibilizer polymer may be mixed in a range that does not impair the necessary characteristics of the polymer composition for a tire of the present invention. it can. The purpose of mixing other polymers is to improve the compatibility between the thermoplastic resin and the elastomer component, to improve the film forming processability of the material, to improve the heat resistance, to reduce the cost, etc. For example, polyethylene (PE), polypropylene (PP), polystyrene (PS), ABS, SBS, polycarbonate (PC), and the like can be used as the material used for the above. The polymer composition according to the present invention further includes a filler (calcium carbonate, titanium oxide, alumina, etc.), a reinforcing agent such as carbon black and white carbon, a softener, a plasticizer, which are generally added to the polymer compound. Processing aids, pigments, dyes, antioxidants, and the like can be arbitrarily added as long as the requirements for the Young's modulus are not impaired.
[0017]
Further, the elastomer component can be dynamically vulcanized when mixed with a thermoplastic resin. The vulcanizing agent, vulcanization aid, vulcanization conditions (temperature, time) and the like for dynamically vulcanizing may be appropriately determined according to the composition of the elastomer component to be added, and are not particularly limited. .
As the vulcanizing agent, a general rubber vulcanizing agent (crosslinking agent) can be used. Specifically, examples of the ionic vulcanizing agent include powdered sulfur, precipitated sulfur, highly dispersible sulfur, surface-treated sulfur, insoluble sulfur, dimorpholine disulfide, and alkylphenol disulfide. About 4 phr [parts by weight per 100 parts by weight of the rubber component (polymer)] can be used.
[0018]
Examples of the organic peroxide vulcanizing agent include benzoyl peroxide, t-butyl hydroperoxide, 2,4-bichlorobenzoyl peroxide, and 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butyl). Examples thereof include peroxy) hexane and 2,5-dimethylhexane-2,5-di (peroxyl benzoate). For example, about 1 to 20 phr can be used.
[0019]
Further, examples of the phenolic resin-based vulcanizing agent include brominated alkylphenol resins and mixed cross-linking systems containing a halogen donor such as tin chloride or chloroprene and an alkylphenol resin. For example, about 1 to 20 phr may be used. Can be.
In addition, zinc white (about 5 phr), magnesium oxide (about 4 phr), litharge (about 10 to 20 phr), p-quinone dioxime, p-dibenzoylquinone dioxime, tetrachloro-p-benzoquinone, poly-p- Examples thereof include dinitrosobenzene (about 2 to 10 phr) and methylene dianiline (about 0.2 to 10 phr).
[0020]
If necessary, a vulcanization accelerator may be added. Examples of the vulcanization accelerator include aldehyde / ammonia-based, guanidine-based, thiazole-based, sulfenamide-based, thiuram-based, dithioate-based, and thiourea-based general vulcanization accelerators, for example, from 0.5 to About 2 phr can be used.
Specifically, hexamethylenetetramine or the like is used as the aldehyde / ammonia-based vulcanization accelerator, diphenylguanidine is used as the guadinine-based vulcanization accelerator, and dibenzothiazyl disulfide (or the like) is used as the thiazole-based vulcanization accelerator. DM), 2-mercaptobenzothiazole and its Zn salt, cyclohexylamine salt, etc., as sulfenamide-based vulcanization accelerators, cyclohexylbenzothiazylsulfenamide (CBS), N-oxydiethylenebenzothiazyl-2- Examples of thiuram-based vulcanization accelerators such as sulfenamide, Nt-butyl-2-benzothiazolesulfenamide, 2- (thymolpolynyldithio) benzothiazole and the like include tetramethylthiuram disulfide (TMTD), tetraethyl Thiuram disulfide, tetrame Examples of dithioate-based vulcanization accelerators such as rutiuram monosulfide (TMTM) and dipentamethylenethiuram tetrasulfide include Zn-dimethyldithiocarbamate, Zn-diethyldithiocarbamate, Zn-di-n-butyldithiocarbamate, Zn -Ethylphenyldithiocarbamate, Te-diethyldithiocarbamate, Cu-dimethyldithiocarbamate, Fe-dimethyldithiocarbamate, pipecoline pipecolyldithiocarbamate, etc., and thiourea-based vulcanization accelerators include ethylenethiourea, diethylthiourea, etc. be able to.
[0021]
As the vulcanization accelerating auxiliary, a general rubber auxiliary may be used in combination, for example, zinc white (about 5 phr), stearic acid, oleic acid and Zn salt thereof (about 2 to 4 phr). Etc. can be used.
In a method for producing a thermoplastic elastomer composition, a thermoplastic resin component and an elastomer component (unvulcanized product in the case of rubber) are melt-kneaded in advance by a twin-screw kneading extruder or the like to form a continuous phase (matrix phase). By dispersing an elastomer component in a thermoplastic resin as a dispersed phase (domain). When vulcanizing the elastomer component, a vulcanizing agent may be added under kneading to dynamically vulcanize the elastomer component. Further, various compounding agents (excluding the vulcanizing agent) to the thermoplastic resin or the elastomer component may be added during the kneading, but it is preferable to mix them before kneading. The kneading machine used for kneading the thermoplastic resin and the elastomer component is not particularly limited, and a screw extruder, a kneader, a Banbury mixer, a twin-screw kneading extruder or the like can be used. Among them, for kneading the thermoplastic resin and the elastomer component and for dynamic vulcanization of the elastomer component, it is preferable to use a twin-screw kneading extruder. Further, two or more kinds of kneaders may be used to knead sequentially. As the conditions for the melt-kneading, the temperature may be at least the temperature at which the thermoplastic resin melts. The shear rate during kneading is 1000 to 7500 sec.-1It is preferred that The total kneading time is preferably from 30 seconds to 10 minutes, and when a vulcanizing agent is added, the vulcanizing time after the addition is preferably from 15 seconds to 5 minutes. The polymer composition produced by the above method is then formed into a sheet-like film by extrusion or calendering. The method of forming a film may be a method of forming a normal thermoplastic resin or thermoplastic elastomer into a film.
[0022]
The film thus obtained has a structure in which the elastomer component (B) is dispersed as a dispersed phase (domain) in a matrix of the thermoplastic resin (A). By taking such a dispersed structure, thermoplastic processing becomes possible, and sufficient rigidity can be imparted to the film as the belt reinforcing layer by the effect of the sufficient flexibility and the resin layer as the continuous phase. At the same time, regardless of the amount of the elastomer component, at the time of molding, it is possible to obtain molding processability equivalent to that of a thermoplastic resin, so that it can be formed into a film by a usual resin molding machine, that is, extrusion molding, or calender molding. It becomes possible.
[0023]
Adhesion between these films and the rubber layer opposite to each other is performed by applying an adhesive obtained by dissolving a polymer such as a normal rubber-based, phenolic resin-based, acrylic copolymer-based, or isocyanate-based polymer and a crosslinking agent to a solvent, and vulcanizing and molding. Bonding by heat and pressure at the time, or by bonding an adhesive resin such as styrene butadiene styrene copolymer (SBS), ethylene ethyl acrylate (EEA), and styrene ethylene butylene block copolymer (SEBS) together with a thermoplastic film. There is a method in which a multilayer film is prepared by extrusion or lamination and then adhered to a rubber layer during vulcanization. Examples of the solvent-based adhesive include a phenol resin-based resin (Chemrock 220, Road Co., Ltd.), a chlorinated rubber-based resin (Chemrock 205, Chemlock 234B), and an isocyanate-based resin (Chemrock 402).
[0024]
In the present invention, an example in which the two
[0025]
【Example】
In the pneumatic radial tire having the structure shown in FIG. 1, the tire sizes of the tires 165SR13 and 165SR13 were changed, and the Young's modulus of the belt reinforcing layer was changed as shown in Table 1. In the pneumatic radial tire having the configuration shown in FIG. 1, a conventional tire 1 without a belt reinforcing layer and a
[0026]
The composition materials shown in Table 2 were used for the belt reinforcing layers of the tire of the present invention and the comparative tire. The elastomer components shown in Table 2 were mixed with a rubber Banbury mixer, the sheet was rolled out to a thickness of about 3 mm with a rubber roll, and the sheet was pelletized with a rubber beretizer, and kneaded with a biaxial kneading extruder described later. Was served. To knead the thermoplastic elastomer composition, nylon 11 pellets are charged from a first input port of a twin-screw kneading extruder and melted and kneaded. Then, the above-mentioned elastomer component is charged from a second input port, and nylon 11 is added. After the elastomer component is finely dispersed in the thermoplastic resin of the above, a predetermined amount of the dynamic vulcanization system component shown in Table 2 with respect to 100 parts by weight of the polymer component of the elastomer component from the third inlet. Was continuously charged, the elastomer component was cross-linked during kneading, and the dispersion of the elastomer component was fixed (compositions (I) and (II)). Composition (III) is not subjected to dynamic crosslinking.
[0027]
Thereafter, the thermoplastic elastomer composition obtained from the tip of the twin-screw kneading extruder was extruded into strands, cooled with water, and then pelletized with a resin pelletizer. Then, using a 40 mm uniaxial resin extruder equipped with a T-shaped die at the tip, the pellets obtained in this manner and the thermoplastic resin pellets used for the compositions (IV) to (VI) as they are Then, the mixture was put into an extruder and melted, and a sheet having a width of 400 mm and a thickness of 0.3 mm was formed from a T-shaped die at the tip to obtain a test film.
[0028]
In each of the test tires (except for the conventional tire 1), the belt reinforcing layer was arranged so as to cover 22% of the entire belt width BW from both edges of the belt layer.
The test tires were evaluated for road noise, tire belt weight, and durability under the following measurement conditions, and the results shown in Table 1 were obtained.
High frequency road noise (R / N)
Each test tire was mounted on a rim with a rim size of 13 x 5 J, mounted on a 1500 cc vehicle with an air pressure of 210 kPa, running on a pavement at a speed of 50 km / h, and a sound pressure level in a high frequency range was mounted by a microphone mounted at a central position in the vehicle. Were measured, and the tire 1 was evaluated with ± [dB (A)] using the conventional tire 1 as a reference (0). The higher the sign is +, the higher the numerical value is, the higher the high-frequency road noise is compared to the conventional tire, and the larger the sign is, the higher the numerical value is, the lower the high-frequency road noise is than the conventional tire.
Tire belt weight
The total weight of the belt layer and the belt reinforcing layer of each test tire was measured, and the result was evaluated as an index value with the conventional tire 1 being 100. The greater the value, the greater the weight of the tire belt.
durability
Each test tire (excluding conventional tires) was mounted on a rim having a rim size of 13 × 4.50B, the air pressure was set at 210 kPa, and the speed was increased by 10 km / h every 30 minutes (test conditions based on JISD-4230). A drum test was performed to check the state of the belt reinforcing layer after running at a speed of 180 km / h for 30 minutes. ○ indicates no abnormality, and × indicates that the belt reinforcing layer was broken.
[0029]
[Table 1]
[0030]
[Table 2]
As is clear from Table 1, it can be seen that the tire of the present invention can effectively improve road noise in a high-frequency range while suppressing an increase in tire weight without causing a failure in the belt reinforcing layer.
[0031]
【The invention's effect】
As described above, the present invention relates to a pneumatic radial tire in which a belt layer is embedded on the outer peripheral side of a carcass layer of a tread portion, so that at least the outer peripheral side of the belt layer and at least both edge portions of the belt layer are covered.Young's modulus of blending a thermoplastic resin component and an elastomer component made of rubber is 50 to 500. MPa ofSince the belt reinforcing layer made of the thermoplastic elastomer composition is disposed, road noise in a high frequency range can be reduced while suppressing an increase in tire weight.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a tire meridian half sectional view showing an example of a pneumatic radial tire of the present invention.
FIG. 2 is a tire meridian half sectional view showing another example of the pneumatic radial tire of the present invention.
.
FIG. 3 is a sectional view of a main part showing another example of the belt reinforcing layer in FIG.
[Explanation of symbols]
1
3
7
7B
8 Belt reinforcement layer x Edge of belt layer
Claims (3)
前記ベルト層より外周側でかつ少なくとも該ベルト層両エッジ部を覆うように、熱可塑性樹脂成分とゴムからなるエラストマー成分とをブレンドしたヤング率が50〜500 MPa の熱可塑性エラストマー組成物からなるベルト補強層を配置した空気入りラジアルタイヤ。In a pneumatic radial tire in which a belt layer is embedded on a carcass layer outer peripheral side of a tread portion,
A belt made of a thermoplastic elastomer composition having a Young's modulus of 50 to 500 MPa , in which a thermoplastic resin component and an elastomer component made of rubber are blended so as to cover at least the outer edge of the belt layer and both edges of the belt layer. A pneumatic radial tire with a reinforcing layer.
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