JP3459416B2 - 修飾されたファクター▲vii▼ - Google Patents

修飾されたファクター▲vii▼

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JP3459416B2 JP50742292A JP50742292A JP3459416B2 JP 3459416 B2 JP3459416 B2 JP 3459416B2 JP 50742292 A JP50742292 A JP 50742292A JP 50742292 A JP50742292 A JP 50742292A JP 3459416 B2 JP3459416 B2 JP 3459416B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は抗凝固剤として有用な蛋白質に関する。さら
に詳しくは、本発明は血液凝固を阻害するファクターVI
Iの修飾形に関する。
発明の背景 血液凝固は、最終的にフィブリンクロットを生じさせ
る種々の血液成分又は因子の複雑な相互作用から成る過
程である。一般に、凝固「カスケード」と称されている
ことに関与する血液成分は、活性化物質の作用によりそ
れ自体活性化された凝固因子である蛋白質分解酵素に転
換される酵素的に不活性な蛋白質、すなわちプロ酵素又
はザイモゲン(zymogen)である。この様な転換を受け
た凝固因子は一般に「活性因子」と称され、そして小文
字の「a」の添字により示される(例えば、ファクター
VII a)。
活性化されたファクターX(「X a」)はプロトロン
ビンのトロンビンへの転換のために必要であり、このト
ロンビンは次に、フィブリンクロットの形成の最終段階
としてフィブリノーゲンをフィブリンに転換する。ファ
クターXの活性化を促進する2つの系又は経路が存在す
る。「内経路」(intrinsic pathway)は、血漿中にの
み存在する因子の利用によりトロンビン形成を導く反応
を意味する。一連のプロテアーゼ−介在活性化が最終的
にファクターIX aを生じさせ、これがファクターVIII a
と組合わせにおいてファクターXをX aに開裂させる。
血液凝固の「外経路」(extrinsic pathway)におい
て、ファクターVII aとそのコ−ファクター、すなわち
組織因子、により同じ蛋白質分解が行われる。組織因子
は膜結合蛋白質であり、そして通常は血漿中で循環しな
い。しかしながら、血管の破壊の際、このものはCa++
びリン脂質の存在下でファクターVII aと複合体を形成
することによりファクターXの活性化又はファクターIX
の活性化を触媒する(Nemerson及びGentry,Biochem.25:
4020−4033(1986))。止血におけるこれら2つの凝固
経路の相対的重要性は明らかでないが、近年、ファクタ
ーVII及び組織因子が血液凝固の制御において要の役割
を演ずることが見出された。
ファクターVIIは単一鎖ザイモゲンとして血液中を循
環する痕跡の血漿糖蛋白質である。ザイモゲンは触媒的
に不活性である(Williamsら、J.Biol.Chem.264:7536−
7543(1989);Raoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.85:6687
−6691(1988))。単鎖ファクターVIIは、ファクターX
a、ファクターXII a、ファクターIX a又はトロンビン
によりイン−ビトロで2本鎖ファクターVII aに転換さ
れ得る。ファクターX aはファクターVIIの主たる生理的
活性化物質であると考えられる。止血に関与する他のい
くつかの血漿蛋白質と同様に、ファクターVIIはその活
性のためにビタミンKに依存し、それは、蛋白質のアミ
ノ末端に群がっている多数のグルタミン酸残基のγ−カ
ルボキシル化のために必要である。これらのγ−カルボ
キシル化グルタミン酸は、リン脂質と共に、ファクター
VIIの金属介在相互作用のために必要とされる。
ザイモゲンであるファクターVIIの活性化2本鎖分子
への転換は、分子の中央近くに位置する内部ペプチド結
合の開裂により起こる。ヒトファクターVIIにおいて、
活性化開裂部位はArg152−Ile153である(Hagenら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 83:2412−2416(1986);Thimら、
Biochem.27:7785−7793(1988)、この両者を引用によ
り本明細書に組み入れる)。ウシ因子VIIは類似のArg
152−Ile153結合における開裂により活性化される(Tak
eyaら、J.Biol.Chem.263:14868−14877,1988)。組織因
子、リン脂質及びカルシウムイオンの存在下で、2本鎖
ファクターVII aは限定的蛋白質分解によりファクター
X又はファクターIXを急速に活性化する。
患者において凝固カスケードを選択的にブロックする
ことがしばしば必要である。抗凝固剤、例えばヘパリ
ン、クマリン、クマリンの誘導体、インダンジオン誘導
体、又は他の薬剤を、例えば腎臓透析の間に、深部静脈
血栓、散在性血管内凝固(DIC)、及び他の疾患の持ち
主の治療のために使用することができる。例えば、パリ
ン処理、又はクエン酸イオンによる体外処理(米国特許
No.4,500,309)を透析において用いて処理の間の凝固を
防止することができる。ヘパリンはまた、外科手術を受
ける患者における深部静脈血栓の予防においても使用さ
れる。
しかしながら、ヘパリン及び他の抗凝固剤は不所望の
副作用を有することがある。入手可能な抗凝固剤は一般
に、凝固部位で特異的に作用するのではなく、むしろ体
全体で作用する。例えば、ヘパリンは重症の出血を惹起
するであろう。さらに、約80分間の半減期をもって、ヘ
パリンは血液から急速に除去され、頻繁に投与しなけれ
ばならない。ヘパリンはアンチトロンビンIII(AT II
I)のコファクターとして作用し、そしてAT IIIはDICの
治療において急速に涸渇されるので、適切なヘパリン供
給量を維持することがしばしば困難であり、AT III及び
ヘパリンのレベルの連続的なモニターが必要である。ヘ
パリンはまた、AT IIIの涸渇が激しい場合には効果がな
い。さらに、ヘパリンの長期の使用は血小板の凝集を増
加させ、そして血小板の数を減少させ、そして骨粗鬆症
の進行に関与する。インダンジオン誘導体も毒性副作用
を有する。
上に簡単に記載した抗凝固剤に加えて、幾つかの天然
蛋白質が抗凝固活性を有することが知られている。例え
ば、Reuteliugsperger(米国特許No.4,736,018)はウシ
大動脈及びヒトのヘソ静・動脈から抗凝固蛋白質を単離
した。Makiら(米国特許No.4,732,891)はヒト胎盤由来
の抗凝固蛋白質を開示している。さらに、AT IIIは療法
的抗凝固剤として提案されている(Schipperら、Lancet
1(8069):854−856(1978);Jordan、米国特許No.4,3
86,025;Bockら、米国特許No.4,517,294)。
比較的低投与量で投与することができ、そして伝統的
な抗凝固組成物が有する不所望の副作用を生じさせない
抗凝固活性を有する改良された組成の必要性がなお当業
界に存在する。本発明は、損傷部位において特異的に作
用し、そしてさらに他の関連の利点を提供する抗凝固剤
を提供することによりこの要求を満たすものである。
発明の要約 抗凝固性を有する修飾されたファクターVIIを含んで
成る新規な組成物が提供される。ファクターVII配列は
少なくとも1個のアミノ酸修飾を有し、この修飾は、血
漿ファクターX又はIXの活性化を触媒する活性化された
ファクターVIIの能力を低下させ、そしてそれにより凝
固活性を阻害することができるように選択される。新規
ファクターVIIは少なくとも1個のアミノ酸置換によっ
て修飾された活性部位を有し、そしてその修飾された形
態において組織因子と結合することができる。
本発明の組成物は、医薬組成物に製剤化された場合に
患者を治療するための方法において特に有用であり、こ
こでこれらは、凝固−関連状態を治療するために、種々
の疾患状態を有する個体に投与される。組織因子に結合
することができるがしかし凝固カスケード中の他の因子
の活性化を触媒する能力が実質的に低下している前記の
ごときファクターVII分子は、より長い血漿半減期を有
し、そしてそれ故に他の抗凝固剤と比較した場合に、抗
凝固活性の対応して一層長い期間を有するであろう。本
発明の組成物についての医学的標示は、抗凝固剤により
一般に治療されるもの、例えば深部静脈血栓、肺塞栓、
発作、散在性血管内凝固(DIC)及び心筋梗塞である。
従って、患者において凝固を阻害する方法は、Ser344
Asp242及びHis193の触媒トリアド(triad)中に少なく
とも1つのアミノ酸置換を有するファクターVIIを、凝
固を効果的に阻害するのに十分な量において投与するこ
とを含んで成る。
典型的には、ヒトへの投与のため、医薬組成物は、修
飾されたヒトファクターVII蛋白質並びに医薬として許
容されるキャリヤー及び緩衝を含んで成るであろう。
ヒト及びウシファクターVIIの好ましい態様におい
て、活性部位残基Ser344が修飾され、Gly、Met、Thr又
はさらに好ましくはAlaにより置換される。この様な置
換は、別々に行うことができ、あるいはHis193及びAsp
242を含む触媒的トライアド中の他の部位における置換
との組合せにおいて行うことができる。
他の観点において、本発明は、それぞれビタミンK−
依存性血漿蛋白質のプレ−プロペプチド及びglaドメイ
ン、並びにglaドメイン不含有ファクターVII蛋白質をコ
ードする2つの作用可能に連結された配列コード領域を
含んで成るポリヌクレオチド配列に関し、ここで発現の
際に前記ポリヌクレオチドは、血漿ファクターX又はIX
を有意に活性化せずそして組織因子に結合することがで
きる修飾されたファクターVII分子をコードする。この
ポリヌクレオチドにより発現される修飾されたファクタ
ーVII分子は、生物学的に活性な抗凝固剤である。すな
わちこれは、凝固カスケード、そしてそれ故にフィブリ
ンの沈着又はクロットの形成を阻害することができる。
この修飾されたファクターVIIを発現させるため、ポリ
ヌクレオチド分子は、哺乳類細胞系、例えばBHK、BHK
570又は293細胞系にトランスフェクトされる。
図面の簡単な説明 図はSer344→Ala修飾ファクターVII DNA配列のための
発現ベクターの作製を例示する。使用される記号は、0
−1、すなわちアデノウイルス5からの0−1マップユ
ニット;E、すなわちSV40エンハンサー;MLP、すなわちア
デノウイルス2主要後期プロモーター;SS、すなわち1
組のスプライス部位;及びpA、すなわちSV40からの後期
オリエンテーションのポリアデニレーションシグナルを
含む。
特定の態様の記載 抗凝固活性を有する新規な修飾されたファクターVII
が本発明により提供される。この修飾されたファクター
VIIはザイモゲン(すなわち、単鎖分子)の形態であっ
てもよく、又はその活性化部位において開裂されていて
もよい。修飾されたファクターVIIの組成物は、凝固カ
スケードを阻害するために種々の哺乳類、特にヒトに投
与するために適当である。修飾されたファクターVIIは
他の抗凝固化合物と組合わせて、又はそれに代えて投与
することができる。
ファクターVIIは凝固カスケード、特に外経路(extri
nsic pathway)を含むそれにおいて重量な役割を演ず
る。循環する血漿中に不活性な単鎖ザイモゲン蛋白質と
して存在し、一旦活性化されれば、ファクターVII aは
組織因子及びカルシウムイオンとの組合せにおいてファ
クターXをX aに活性化し、そしてIXをIX aに活性化
し、最終的にフィブリンクロットを形成せしめる。
本発明は、ファクターVII aによるファクターX及びI
Xの活性化を回避又は阻害することにより、凝固カスケ
ード中の前記の事象の列を阻害する能力を提供する。本
発明のファクターVII蛋白質は、ファクターVII aの触媒
活性を低下させるように修飾された触媒部位を有する
が、この分子は組織因子に結合する能力を維持してい
る。修飾されたファクターVII分子は、組織因子への結
合について生来のファクターVII及び/又はVII aと競争
する。その結果、ファクターX及びIXの活性化が阻害さ
れる。
本発明の1つの観点において、ファクターVII aの触
媒活性は触媒中心又はトライアドの化学的誘導体化によ
り阻害される。誘導体化は、例えば、ファクターVII
を、不可逆的阻害剤、例えば有機リン化合物、スルホニ
ルフルオライド、ペプチドハロメチルケトンもしくはア
ザペプチドと反応せしめることにより、又はアシル化に
より達成させる。好ましいペプチドハロメチルケトンに
はPPACK(D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン;米国
特許No.4,318,904、引用により本明細書に組入れる)、
及びDEQRcK(ダンシル−Glu−Gly−Argクロロメチルケ
トン)が含まれる。
他の観点において、ファクターVII aの触媒活性はま
た、アミノ酸を置換、挿入又は除去することによっても
阻害され得る。好ましい態様において、アミノ酸置換
は、ファクターVII aの触媒部位に寄与するアミノ酸を
含有する領域として本明細書において定義されるファク
ターVII触媒トライアドのアミノ酸配列中で行われる。
触媒トライアド中の置換、挿入及び除去は一般に触媒部
位を形成するアミノ酸において、又はその近傍において
行われる。ヒト及びウシのファクターVII蛋白質におい
て、触媒トライアドを形成するアミノ酸はSer344、Asp
242及びHis193である(添字は配列中の位置を示す)。
他の哺乳類種からのファクターVII中の触媒部位は、特
に蛋白質の単離及びアミノ酸配列分析を含めて現在利用
可能な技法を用いて決定することができる。触媒部位は
また、ある配列を他のセリンプロテアーゼ、特にその活
性部位がすでに知られている(Siglerら、J.Mol.Biol.,
35:143−164(1968)、引用により本明細書に組み入れ
る)キモトリプシンと平列させ、そして該平列から類似
の活性部位残基を決定することによっても決定すること
ができる。
アミノ酸の置換、挿入又は除去は、ファクターVII a
によるファクターX及び/又はIXの活性化を回避又は阻
害するように行われる。しかしながら、この様に修飾さ
れたVIIはまた、凝固カスケード中の組織因子への結合
について真正なファクターVII及び/又はファクターVII
aと競争する能力を維持しているべきである。この様な
競争は、例えば本明細書に記載の凝固測定(clotting a
way)、又は細胞表面組織因子を有するセルライン、例
えばヒト膀胱癌セルラインJ82(Sakaiら、J.Biol.Chem.
264;9980−9988(1989);引用により本明細書に組み入
れる)を用いての競争結合測定により容易に決定するこ
とができる。
ファクターVII中の触媒部位を形成することができる
アミノ酸、例えばヒト及びウシファクターVII中のSer
344、Asp242及びHis193は置換されていても又は除去さ
れてもよい。本発明において、単一アミノ酸のみを変化
させ、これによって、分子の抗原性を増加させ又は組織
因子に結合するその能力を阻害する可能性を最小にする
ことができる。しかしながら2以上のアミノ酸変化(置
換、付加、又は除去)を行うことができ、そして置換、
付加及び除去(いずれも1又は複数)を行うこともでき
る。ヒト及びウシのファクターVII、Ser344は好ましく
はAla、Gly、Met、Thr又は他のアミノ酸により置換され
ていてもよい。AspをGluにより、そしてHisをLys又はAr
gにより置換するのが好ましい。一般に、置換は蛋白質
の三次構造を可能な限り破壊しないように選択される。
Dayhoffらのモデル(Atlas of Protein Structure 197
8,Nat'l Biomed.Res.Found.,ワシントンD.C.)(引用に
より本明細書に組み入れる)を他のアミノ酸置換の選択
におけるガイドとして使用することができる。ヒト、ウ
シ又は他の種の適当なファクターVII配列の触媒部位に
前記のように変化を導入し、そして得られた蛋白質を、
触媒活性の阻害及び生ずる抗凝固活性のレベルについて
本明細書に記載するようにして試験することができる。
修飾されたファクターVIIについて、触媒活性は実質的
に、一般に対応する種の野性型ファクターVIIの触媒活
性の約5%未満に、さらに好ましくは約1%未満に、阻
害される。
本発明の蛋白質は組換えDNA技法を用いて製造するこ
とができる。一般に、クローン化された野性型ファクタ
ーVII DNA配列が所望の蛋白質をコードするように修飾
される。次に、この修飾された配列が発現ベクターに挿
入され、今度はこれが宿主細胞に形質転換(transform
又はtransfect)される。高等真核細胞、特に培養され
た哺乳類細胞が宿主細胞として好ましい。ヒトファクタ
ーVIIの完全なヌクレオチド配列及びアミノ酸配列が知
られている。米国特許No.4,784,950を参照のこと(引用
により本明細書に組み入れる)。この特許明細書には、
組換えヒトファクターVIIのクローニング及び発現が記
載されている。ウシファクターVIIの配列はTakeyaら、
J.Biol.Chem.263:14868−14872(1988)に記載されてい
る(引用により本明細書に組み入れる)。
アミノ酸配列の変更は種々の技法により達成すること
ができる。DNA配列の修飾は部位特異的変異誘発により
行うことができる。部位特異的変異誘発の技法は当業界
においてよく知られており、そして例えばZoller及びSm
ith(DNA 3:479−488,1984)により記載されている。従
ってファクターVIIのヌクレオチド配列及びアミノ酸配
列を用いて選択された変化を導入することができる。
本発明に従って修飾されたファクターVIIには、ビタ
ミンK−依存性血漿蛋白質であるファクターIX、ファク
ターX、プロトロンビン、プロテインC、プロテインS
又はプロテインZのいずれか1つのglaドメインにより
置換されたアミノ末端部分(glaドメイン)を有する蛋
白質が含まれる。ビタミンK−依存性血漿蛋白質のgla
ドメインは、γ−カルボキシグルタミン酸残基の存在に
より特徴付けられ、そして一般に約30〜約40アミノ酸の
長さを有し、C−末端はそれぞれの遺伝子中のエクソン
−イントロン境界の位置に対応する。異種性glaドメイ
ンを有するファクターVIIを製造する方法は米国特許No.
4,784,950に記載されており、引用により本明細書に組
み入れる。
本発明において使用するためのDNA配列は、典型的に
はファクターVII蛋白質のアミノ末端にプレ−プロペプ
チドをコードしており、適切な翻訳後プロセシング(例
えば、グルタミン酸残基のγ−カルボキシル化)及び宿
主細胞からの分泌が得られる。このプレ−プロペプチド
は、ファクターVIIのそれでもよく、あるいは他のビタ
ミンK−依存性血漿蛋白質、例えばファクターIX、ファ
クターX、プロトロンビン、プロテインC又はプロテイ
ンSのそれであってもよい。当業者に予想されるよう
に、修飾されたファクターVIIのアミノ酸配列に追加の
修飾を行うことができ、この場合これらの修飾は蛋白質
が抗凝固因子として作用する能力を有意に阻害しないも
のである。例えば、係属中の米国特許出願No.07/471,31
3(引用により本明細書に組み入れる)に一般的に記載
されているように、触媒トライアド中で修飾されたファ
クターVIIはまた、ザイモゲンであるファクターVIIのそ
の活性化された2本鎖形への転換を防止するために活性
化開裂部位において修飾することもできる。
本発明を実施するために使用するための発現ベクター
は、クローン化遺伝子又はcDNAの転写を指令することが
できるプロモーターを含んで成るであろう。培養された
哺乳類細胞において使用するための好ましいプロモータ
ーには、ウイルス性プロモーター及び細胞性プロモータ
ーが含まれる。ウイルス性プロモーターには、SV40プロ
モーター(Subramaniら、Mol.Cell.Biol.1:854−864,19
81)及びCMVプロモーター(Boshartら、Cell,41:521−5
30,1985)が含まれる。特に好ましいウイルスプロモー
ターは、アデノウイルス2からの主要後期プロモーター
(Kaufman及びSharp,Mol.Cell.Biol.2:1304−1319,198
2)である。細胞性プロモーターには、マウス・カッパ
ー遺伝子プロモーター(Bergmanら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 81:7041−7045,1983)、及びマウスVHプロモータ
ー(Lohら、Cell 33:85−93,1983)が含まれる。特に好
ましい細胞性プロモーターはマウス・メタロチオネイン
−Iプロモーター(Palmiterら、Science 222:809−81
4,1983)である。発現ベクターはまた、プロモーターか
ら下流であって且つファクターVII配列自体のための挿
入部位から上流に位置する一セットのRNAスライス部位
を含有することができる。好ましいRNAスライス部位は
アデノウイルス及び/又は免疫グロブリン遺伝子から得
ることができる。また、発現ベクター中には前記挿入部
位の下流に位置するポリアデニレーションシグナルが含
まれる。特に好ましいポリアデニレーションシグナルに
は、SV40からの前期又は後期ポリアデニレーションシグ
ナル(Kaufman及びSharp、前掲)、アデノウイルス5 El
b領域からのポリアデニレーションシグナル、ヒト成長
ホルモン遺伝子ターミネーター(DeNofoら、Nuc.Acids
Res.9:3719−3730,1981)、又はヒトファクターVII遺伝
子もしくはウシファクターVII遺伝子からのポリアデニ
レーションシグナルが含まれる。発現ベクターはまた、
非コードウイルスリーダー配列、例えばプロモーターと
RNAスプライス部位との間に位置するアデノウイルス2
トリパルタイトリーダー、及びエンハンサー配列、例え
ばSV40エンハンサーを含むことができる。
クローン化されたDNA配列は例えばリン酸カルシウム
介在トランスフェクション(Wiglerら、Cell 14:725−7
32,1978;Corsaro及びPearson,Somatic Cell Genetics
7:603−616,1981;Graham及びVander Eb,Virology 52d:4
56−467,1973)又はエレクトロポレーション(Neumann
ら、EMBO J.1:841−845,1982)により、培養された哺乳
類細胞に導入される。外来性DNAを発現する細胞を同定
しそして選択するため、選択可能な表現型を提供する遺
伝子(選択マーカー)が一般に注目の遺伝子又はcDNAと
共に細胞に導入される。好ましい選択マーカーには、薬
物、例えばネオマイシン、ハイグロマイシン、及びメソ
トレキセートに対する耐性を付与する遺伝子が含まれ
る。選択マーカーは増幅可能な選択マーカーであること
ができる。好ましい増幅可能な選択マーカーはジヒドロ
フォレート・レダクターゼ(DHFR)配列である。選択マ
ーカーはThilly(Mammalian Cell Technology,Butterwo
rth Publishers,Stoneham,MA;引用により本明細書に組
み入れる)により総説されている。選択マーカーの選択
は当業者のレベルの範囲内である。
選択マーカーは、注目の遺伝子と同時に別のプラスミ
ド上で細胞に導入することができ、あるいはそれらは同
じプラスミド上で導入することがでできる。同じプラス
ミド上の場合、選択マーカー及び注目の遺伝子は異るプ
ロモーター又は同じプロモーターの制御のもとに置くこ
とができ、後者の配置はジシストロンメッセージを生成
する。この型の構成物は当業者において知られている
(例えば、Levinson及びSimonsen、米国特許No.4,713,3
39)。細胞に導入される混合物に「キャリヤーDNA」と
して知られる追加のDNAを加えることも有利であろう。
細胞がDNAを取り込んだ後、これらを適当な増殖培地
中で典型的には1〜2日間増殖させることにより注目の
遺伝子の発現を開始させる。本明細書において使用する
場合、「適当な増殖培地」は、細胞の増殖及び修飾され
たファクターVII遺伝子の発現のために要求される栄養
素及び他の成分を含有する培地を意味する。培地は一般
に、炭素源、窒素源、必須アミノ酸、必須糖、ビタミ
ン、塩、ホスホリピド、蛋白質及び成長因子を含有す
る。γ−カルボキシル化され、修飾されたファクターVI
Iの生産のため、培地はビタミンKを、好ましくは約0.1
μg/m〜約5μg/mの濃度で含有するであろう。次
に、安定に選択マーカーを発現している細胞の増殖につ
いて選択を行うために、薬剤による選択が適用される。
増幅可能な選択マーカーによりトランスフェクトされた
細胞のため、薬剤濃度を増加させて増加したコピー数の
クローン化配列について選択し、これによって発現レベ
ルを上昇させることができる。次に、安定にトランスフ
ェクトされた細胞のクローンを、修飾されたファクター
VIIの発現についてスクリーニングする。
本発明において使用するための好ましい哺乳類セルラ
インには、COS−1(ATCC CRL 1650)、ベビーハムスタ
ー腎(BHK)及び293(ATCC CRL 1573;Grahamら、J.Gen.
Virol.36:59−72,1977)セルラインが含まれる。好まし
いBHKセルラインはtk- ts13 BHKセルライン(Waechter
及びBaserge,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:1106−1110,1
982;引用により本明細書に組み入れる)(以後、BHK 57
0細胞と称する)である。このBHK 570セルラインはアメ
リカン・タイプ・カルチュア・コレクション(American
Type Calture Cellection)12301 Parklawn Dr.,Rockv
ille,MD20852に、ATCCアクセションNo.CRL 10314として
寄託されている。tk- ts13 BHKセルラインはまた、アク
セションNo.CRL 1632のもとにATCCから入手することも
できる。さらに、多数の他のセルラインを本発明におい
て使用することができ、これらにはRat Hep I(Rat hep
atoma;ATCC CRL 1600)、Rat Hep II(Rat hepatoma;AT
CC CRL 1548)、TCMK(ATCC CCL 139)、ヒト肺(ATCC
HB 8065)、NCTC 1469(ATCC CCL.9.1)、CHO(ATCC CC
L 6)、及びDUKX細胞(Urlaub及びChasin,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 77:4216−4220,1980)が含まれる。
本発明に従って生産された修飾されたファクターVII
は、抗−ファクターVII抗体カラム上でのアフィニティ
ークロマトグラフィーにより精製することができる。Wa
kabayashiら、J.Biol.Chem.261:11097−11108(1986)
及びThimら、Biochem.27:7785−7793(1988)(引用に
より本明細書に組み入れる)により記載されたカルシウ
ム依存性モノクローナル抗体の使用が特に好ましい。常
用の化学的精製手段、例えば、高速液体クロマトグラフ
ィーにより追加の精製を達成することができる。クエン
酸バリウム沈澱法を含めて、他の精製法が当業者におい
て知られており、本明細書に記載する新規な修飾された
ファクターVIIの精製のために適用され得る(一般に、S
copes,R.,Protein Purification,Springer−Verlay,N.
Y.1982を参照のこと)。少なくとも約90〜95%均一性の
実質的に純粋な修飾されたファクターVIIが好ましく、9
8〜99%又はこれより高い均一性のものが、医薬用途の
ために最も好ましい。前記のように一旦部分的に又は均
一に精製されれば、次に、修飾されたファクターVIIを
医薬に使用することができる。
本発明の1つの態様において、修飾されたファクター
VIIはその活性化部位において開裂されて、その2本鎖
形に転換される。活性化は、当業界において知られてい
る方法、例えばOsterudら、Biochemistry 11:2853−28
57(1972);Thomas,米国特許No.4,456,591;Hedner及びK
isiel,J.Clin.Invest.71:1836−1841(1983);又はKis
iel及びFujikawa,Behring Inst.Mitt.73:29−42(198
3)(これらを引用により本明細書に組み入れる)によ
り記載された方法により行うことができる。次に、得ら
れた修飾された「ファクターVII a」は下記のようにし
て製剤化されそして投与される。
本発明の修飾されたファクターVII又はVII a分子は特
に血管内凝固を含む種々の状態を治療するためにヒトに
投与するために有用である。例えば、深部静脈血栓症及
び肺塞栓症は常用の抗凝固剤により治療することができ
るが、ここに記載する修飾されたファクターVIIは、特
定された高危険患者、例えば、手術を受けたもの又は充
血性心臓まひの血栓塞栓症合併症の発生を予防するため
に使用することができる。修飾されたファクターVII
は、ヘパリンより選択性であって、一般に損傷部位に暴
露された組織因子とのみ結合するので、そして修飾され
たファクターVIIは他の凝固蛋白質を破壊しないので、
深部静脈血栓の予防のために予防的に使用される場合、
ヘパリンよりも有効であり、そして出血合併症を生じに
くい。深部静脈血栓症の予防のための修飾されたファク
ターVIIの投与量は70kgの患者に対して約50μg〜25mg/
日の範囲、好ましくは1〜10mg/日の範囲であり、そし
て投与は手術の少なくとも約6時間前に始まりそして少
なくとも患者が歩行可能になるまで続けられるべきであ
る。完成した深部静脈血栓症及び/又は肺塞栓症におい
て、修飾されたファクターVIIの投与量は、患者の体重
及び状態の重症度に応じて、負荷投与量(loading dos
e)としての約50μg〜25mgの範囲であり、これに続い
て約500μg〜10mg/日の間の維持投与量である。修飾さ
れたファクターVII注入からの出血合併症の可能性が低
いので、修飾されたファクターVIIは、血栓切除術又は
塞栓切除術と組合わされた手術中又はその後にヘパリン
の投与量を代替するか又は減少させることができる。
本発明の修飾されたファクターVII組成物はまた、心
臓発生塞栓(cardiogenic emboli)の予防及び血栓性発
作の治療において実質的な用途を有する。出血性合併症
を惹起するその低い可能性及びその選択性のために、修
飾されたファクターVIIは発作の犠牲者に与えることが
でき、そして閉塞性動脈血栓の拡大を予防することがで
きる。修飾されたファクターVIIの投与量は発作の性質
及び重症度に応じて各患者ごとに異り、そして一般に下
に示唆する範囲であろう。
ここに提供される修飾されたファクターVIIの医薬組
成物は、修飾されたファクターVIIの生体内凝固を阻害
する能力のため、急性心筋梗塞における有用な治療剤で
あろう。修飾されたファクターVIIは組織プラスミノー
ゲンアクチベーター又はストレプトキナーゼと共に、心
筋梗塞の急性期に投与することができる。急性心筋梗塞
においては、患者は少なくとも約1〜25mgの修飾された
ファクターVIIの負荷投与量(loading dose)、及びそ
れに続く約500μg〜約10mg/日の維持投与量が与えられ
る。
本発明の修飾されたファクターVIIは、散在性血管内
凝固(DIC)の治療のために有用である。DICの患者は、
広く拡散した微小循環血栓を有しそしてしばしば、必須
の凝固因子の消耗から生ずる深刻な出血問題を有する。
その選択性のため、修飾されたファクターVIIは、常用
の抗凝固剤のようなDICに関連する出血問題を悪化させ
ず、追加の微小循環フィブリン沈着の形成を防止又は阻
害するであろう。
医薬組成物は、予防的及び/又は治療的処置のための
非経腸的、又は局所的投与のために意図される。好まし
くは、医薬組成物は非経腸的に、すなわち静脈内に、皮
下に又は筋肉内に投与される。従って本発明は、許容さ
れるキャリヤー、好ましくは水性キャリヤー中に溶解し
た修飾されたファクターVII分子の溶液を含んで成る非
経腸投与のための組成物を提供する。種々の水性キャリ
ヤー、例えば水、緩衝水、0.4%食塩水、0.3%グリシン
等を使用することができる。修飾されたファクターVII
はまた、損傷の部位への供給又は中集のためにリポゾー
ム調製物に製剤化することもできる。リポゾーム調製物
は一般に、例えば米国特許No.4,837,028、No.4,501,72
8、及びNo.4,975,282に記載されており、これらの記載
を引用により本明細書に組み入れる。この組成物は常用
のよく知られた安定化技法により安定化され得る。生ず
る水溶液は使用のために包装され、あるいは無菌条件下
で濾過されそして凍結乾燥され、凍結乾燥された調製物
は投与に先立って無菌水溶液と混合される。この組成物
は、生理的条件に近ずくために必要な場合には、医薬と
して許容される補助物質、例えばpH調整及び緩衝剤、浸
透圧調整剤等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等
を含有することができる。これらの製剤中の修飾された
ファクターVIIの濃度は、広範囲に、すなわち0.5%未満
から通常約1%以上、15又は20重量%まで異ることがで
き、そして選択される投与法の特定の態様に従って、主
として流体体積、粘度等により選択されるであろう。
すなわち、静脈注入のための典型的な医薬組成物は、
250mの無菌リンゲル液及び10mgの修飾されたファクタ
ーVIIを含有するようにすることができる。非経腸的に
投与可能な組成物の調製のための実際の方法は当業者に
知られており又は自明であり、そして例えばRemington'
s Pharmaceutical Science 16版、Mack Publishing Co
mpany,Easton PA(1982)に記載されており、この記載
を引用により本明細書に組み入れる。
修飾されたファクターVII分子を含有する組成物は、
予防的及び/又は治療的処置のために投与され得る。治
療的適用において、上記のような病気をすでに有する患
者に、該病気及びその合併症を治癒させ又は少なくとも
停止させるのに十分な量で投与される。これを達成する
ために適当な量は「治療的有効量」として定義される。
このために効果的な量は疾患又は損傷の重症度並びに患
者の体重及び一般状態に依存するであろうが、しかし一
般に70kgの患者に対して約0.05mg〜約25mgの修飾された
ファクターVIIの範囲であり、1日当り約0.5mg〜約10mg
の修飾されたファクターVIIがより一般的に使用され
る。本発明の物質は一般に重症の病気又は傷害、すなわ
ち命にかかわる又は潜在的に命にかかわる状態において
使用されることに留意しなければならない。この様な床
例において、外来物質の最少化、及び修飾されたヒトフ
ァクターVIIのヒトにおける免疫原性の欠如の観点か
ら、これらの修飾されたファクターVII組成物の実質的
過剰量を投与することが可能でありそして治療する医師
により好ましいであろう。
予防的適用において、修飾されたファクターVIIを含
有する組成物は、患者自身の抗凝固能力を増強するため
に、病気の状態又は傷害に感受性の又はその危険のある
患者に投与される。その様な量は「予防的有効量」とし
て定義される。この使用において、正確な量はやはり患
者の健康状態及び体重に依存するが、しかし一般に70kg
の患者当り約0.1mg〜約25mgであり、より一般的には70k
gの体重当り約0.5mg〜約10mgである。
組成物の1回投与又は多数回投与を行うことができ、
投与レベル及び投与パターンは治療する医師により選択
される。毎日の維持レベルを必要とする歩行可能な患者
のため、修飾されたファクターVIIは、例えばポータブ
ルポンプ系を用いて連続注入により投与される。ともか
く、医薬製剤は、患者を効果的に処置するのに十分な量
の本発明の修飾されたファクターVIIを提供すべきであ
る。
次の実施例は限定的ではなく例示的に提供される。
実施例1 Ser344→Ala344ファクターVIIの発現 Ser344→AlaファクターVII活性部位変異体を生成せし
めるため、プラスミドF VII(565+2463)/pDX(米国特
許No.4,784,950;引用により本明細書に組み入れる;ア
メリカン・タイプ・カルチュア・コレクションにアセッ
ションNo.40205として寄託されている)をXba I及びKpn
Iにより消化し、そしてセリン344のコード領域を含む
生じた0.6kb断片を回収した。図に示すようにこの断片
をXba I、Kpn I消化したM13mp19にクローニングした。
以下に記載するこの操作及び引き続く段階は一般に標準
的プロトコール(例えば、Maniatisら、Molecular Clon
ing,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laborat
ory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1982)に記載さ
れているごとく;引用により本明細書に組み入れる)に
従って行った。
変異原オリゴヌクレオチドZC1656(5′−TGG GCC TC
C GGC GTC CCC CTT−3′)及び「ユニバーサル」第二
プライマーZC87(5′−TCC CAC TCA CGA CGT−3′)
を用いてZoller及びSmith(前掲)の方法に従ってM13鋳
型上で変異誘発を行った。反応生成物を、キナーゼ処理
されたZC1656を用いてスクリーニングした。陽性プラー
クを拾い、そして鋳型DNAを調製し、そして1077位のPst
I部位から1213のKpn I部位まで配列決定した。配列分
析は所望の変異の存在を確認した。変異体クローンを16
56と命名した。
次に、1656クローンを用いて発現ベクターを作製し
た。変異誘発された配列をM13ベクターから〜0.14kbのP
st I−Kpn I断片として単離した。図に示すように、こ
の断片をF VII(565+2463)/pDXからの1.7kbのHind II
I−Xba I断片、F VII(565+2463)/pDXからの0.5kbのX
ba I−Pst I断片、及びF VII(565+2463)/pDXからの
4.3kbのKpn I−Hind III断片と連結した。変異体クロー
ン及び野性型クローンをPst Iで消化し、そしてM13中の
変異体ファクターVII挿入部をKpn I及びXba Iで消化
し、消化されたDNAのサザンブロットを調製し、そして
該ブロットを放射性標識したZC1656によたプローブする
ことにより、目的とする変異体配列の存在を確認した。
ベビーハムスター腎セルラインBHK570(アメリカン・
タイプ・カルチュアー・コレクションにアクセションN
o.10314として寄託されている)を1656発現ベクターの
2つの単離体(#544及び#545と称する)によりトラン
スフェクトした。コンフルエントな10cmプレートのBHK5
70細胞を5枚の10cmプレート中に、非選択培地(10%の
ウシ胎児血清及び1%のPSN抗生物質混合物を含有するD
ulbecco改変Eagle培地〔DMEM〕〔GIBCO Life Technolog
ies,Gaithersberg,MD〕)に希釈することにより細胞を
調製した。24時間後、細胞が20〜30%コンフルエンシー
に達した後、これらを、表1に示すように、1656変異を
コードする発現ベクターの1つの単離体、プラスミドp4
86(アデノウイルス5ori、SV40エンハンサー、アデノウ
イルス2主要後期プロモーター、アデノウイルス2トリ
パルタイトリーダー、5′及び3′スプライス部位、DH
FRr cDNA並びにSV40ポリアデニレーションシグナルをpM
L−1中に含んで成る(Lusky及びBotchan,Nature 293:7
9−81(1981))、及び10μgのキャリヤーDNA(音波処
理したサケ精子DNA)により同時形質転換(10−transfe
ction)した。DNAを15mのチューブに加え、そして0.5
mの2×Hepes(25gのHepes、40gのNaCl、1.8gのKCl、
0.75gのNa2HPO4・2H2O、5gのデキストロースを2.5の
蒸留水に希釈し、そしてpHを6.95〜7.0に調整したも
の)を添加し、そして該チューブを混合した。各チュー
ブ中のDNAを0.5mの0.25M CaCl2の添加により沈澱せし
め、この間にDNA/Hepes溶液を通してパスツールピペッ
トにより空気を泡立てた。次に、チューブを渦動撹拌
し、室温にて15分間インキュベートし、そして再度渦動
撹拌した。次に、DNA混合物を細胞のプレート上にピペ
ットを用いて滴加した。プレートを渦動させ、そして室
温に2分間置いた。次に、培地をプレートから除去し、
そして2mのTris−食塩水で置換した。プレートを2分
間室温に置き、次にトリス−食塩水を除去し、そして10
mの非選択培地で置換した。プレートを37℃にて2日
間インキュベートした。
2日間のインキュベーションの後、細胞を選択培地
(10%の透析されたウシ胎児血清、1%のPSN抗生物質
混合物及び150mMメソトレキセートを含有するDMEM)中
に希釈し、そしてマクシプレート中1:100、1:250及び1:
500の希釈でプレートした。プレートを37℃にて1週間
インキュベートした。1週間後、培地を変え、そして選
択培地で置換し、そしてプレートをコロニー形成につい
てチェックした。
8日間の後、コロニー形成のあとで、#544及び#545
トランスフェクションプレートの1:500希釈プレートか
ら、12個のコロニーをランダムに選択した。各クローン
を6−ウエルプレートの1個のウエルにプレートし、そ
して選択培地中で増殖させた。7日間の後、プレートは
コンフルエントになり、クローンを10cmプレート中の選
択培地に分けた。
上記のクローン、及び野性型ファクターVIIの発現の
ためにトランスフェクトされた対照細胞を、35S−メチ
オニン−システイン・プロテインラベリングミックス
(NFN DuPont Biotechnology Systems,Wilmington,DE)
により代謝的に標識した。クローンを増殖せしめ、そし
て選択培地中でのパルスラベル実験のために用意した。
細胞をリン酸緩衝液(Sigma,セントルイス,MO)により
すすぎ、そして20μCi/m 35S−Cys−35S−Met中で4
時間パルスした。4時間後、上清及び細胞を収得した。
細胞を、Lenk及びPenman(Cell 16:289−302(1979))
により記載されているようにして実質的に溶解させ、そ
して400μの各細胞溶解物を50μのStaph A(Sigma,
セントルイス,MO)により沈澱せしめた。
代謝的に標識した細胞からのサンプルを、まず該サン
プルを6μの抗−ファクターVIIポリクローナル抗体
と共に4時間インキュベートすることにより放射免疫沈
澱(RIP)した。60μの洗浄したスタフィロコッカス
・プロテインAを各サンプルに添加し、そしてサンプル
を4℃にて1.5時間揺り動かした。サンプルを遠心し、
そして上清を除去した。ペレットを0.7M RIPA緩衝液(1
0mM Tris(pH7.4)、1%デオキシコール酸〔Calbioche
m Corp.,La Jolla,CA〕、1% Triton X−100、0.1%
SDS、5 mM EDTA、0.7M NaCl)中で2回、そして0.15M R
IPA緩衝液(10mM Tris(pH7.4)、1%デオキシコール
酸〔Calbiochem Corp.La Jolla,Ca〕、1% Triton X−
100、0.1 SDS、5mM EDTA、0.15M NaCl)中で1回洗浄し
た。
100μの1×SDS色素(50mM Tris−HCl(pH6.8)、1
00mMジチオスレイトール、2% SDS、0.1%ブロムフェ
ノールブルー、10%グリセロール)を各サンプルに加
え、そしてサンプルを5分間煮沸し、次に遠心分離によ
りプロテインAを除去した。50μの各サンプルを10%
ポリアクリルアミドゲル上で泳動させた。結果が示すと
ころによれば、10クローン中9クローンが修飾されたフ
ァクターVIIを分泌した。
実施例II 修飾されたファクターVIIの抗−凝固活性 修飾されたファクターVII蛋白質の凝固を阻害する能
力を、対照として野性型ファクターVIIを用いる1段階
凝固測定により測定した。組換え蛋白質を、5μg/m
のビタミンKを含有する培地中で培養した細胞から本質
的に上記のようにして調製した。種々の量の修飾された
ファクターVII(クローン544から)又は組換え野性型フ
ァクターVIIを50mM Tris(pH7.5)、0.1% BSA中で100
μに希釈した。この混合物を100μのファクターVII
欠損血漿(George King Bio−Medical Inc.,Overland P
ark,KS)及び200μのトロンボプラスチンC(Dada,Mi
ami,FL;ラビット脳トロンボプラスチン及び11.8mM Ca++
を含有する)と共にインキュベートした。
凝固測定を自動凝固時間測定器(MLA Electra 800,Me
dical Laboratory Automation Inc.,Pleasantville,N
Y)において行い、そして正常なプールされたヒト血漿
(1ユニット/mのファクターVII活性を含むと予想さ
れる;健康な提供者からのクエン酸処理した血清をプー
ルすることにより調製したもの)の1:5〜1:640希釈物を
用いて作成された標準曲線を用いて、凝固時間をファク
ターVII活性のユニットに変換した。この測定を用い
て、修飾されたファクターVIIの調製物は検出し得る凝
固活性を示さなかった。表2は、対照(トランスフェク
トされていない)BHK細胞−コンディション培地(ビタ
ミンK+/−)、野性型ファクターVII、及び修飾され
たファクターVIIを発現する細胞の2つの単離体につい
て、測定の結果を凝固時間として表わす。ファクターVI
I活性は、対照サンプルを超えての凝固時間の短縮とし
て見られる。
血漿ファクター基質に対する修飾されたファクターVI
Iの効果を決定するため、修飾されたファクターVII及び
組換え野性型又は生来型ファクターVIIの調製物をファ
クターX又はファクターIXのいずれかと共にインキュベ
ートし、そしてその活性化を凝固測定又はポリアクリル
アミドゲル電気泳動によりモニターした。
実施例III 組織因子に結合する修飾されたファクターVIIの能力 組織因子に関して野性型ファクターVIIと競争し、そ
してその凝固活性を阻害する修飾されたファクターVII
の能力を、限定された量の組織因子(トロンボプラスチ
ン)の存在下での一段階凝固測定法により測定した。
実施例IIに記載したのと同様な一段階測定法により凝
固時間を決定した。限定された量の組織因子、一定量の
野性型ファクターVII、及び増加する量の変形体ファク
ターVIIを混合実験において使用した。ファクターVII/V
II aプロコアギラント活性の阻害は、増加する量の変形
体ファクターVIIを含む測定における凝固時間の延長と
して見られよう。
試験サンプル中のファクターVII活性の量を、正常な
プールされた血漿中でファクターVII活性を測定した標
準曲線に対する%として計算した。ファクターVII活性
についての標準曲線は、リン酸緩衝液(PBS)中での正
常なプールされた血漿の1:5〜1:640にわたる一連の希釈
を用いて作成した。この目的のため、正常血漿は約500n
g/mのファクターVIIを含有すると仮定し、これを1ユ
ニットの活性と考えた。100μのファクターVII−欠損
血漿、100μの血漿希釈物、及び200μのトロンボプ
ラスチン−C(Dade,Miami,FL.)の混合物を用いてMLA
Electra 800自動時間測定器での凝固時間を測定した。
標準曲線を樹立するため、活性(1:5=100%活性)の%
対凝固時間(秒)として結果をグラフ化した。
この測定は、野性型及び修飾されたファクターVIIを
含有する培地が1%未満の血清を含むことを要求した。
凝固時間が標準曲線の範囲に入るように希釈をPBS中で
行った。1:2の最小希釈が典型的であった。最終体積は1
00μであった。クローン「#10」及び「#6」と称す
る2つの異るヒトファクターVII Ser344−Ala変形体
を、この実験において試験した。下記の表に記載する結
果は、ファクターVII変形体の量が増加するに従ってフ
ァクターVII a活性の%が低下することを示した。
これらの実験が示すところによれば、Ser344→Ala置
換を有する変形体は、量依存的にファクターVIIと競争
し、そして天然ファクターVII/VII aのプロコアギュラ
ント活性を阻害した。従って、Ser344→Ala変形体ヒト
ファクターVIIは生来のヒトファクターVII aと競争し、
そしてその結果、ヒト血漿中でのファクターX及び/又
はIXの活性化を阻害すると結論することができる。
実施例IV ファクターVIIとPPACKとの反応 組換えファクターVIIを、トランスフェクトされたベ
ビーハムスター腎細胞において製造した。Thimら(Bioc
hemistry 27:7785−7793,1988)、Brinkousら(Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 86:1382−1386,1989)、並びにBjoern
及びThim(Res.Discl.No.269,564,1986)(これらを、
引用により本明細書に組み入れる)により開示されてい
るようにして、蛋白質を精製しそして活性化した。細胞
培養培地を回収し、濾過しそして希釈して濃度を低下さ
せた。次に、希釈した培地を、CaCl2を含有する溶離緩
衝液を用いる陰イオン交換クロマトグラフィーにより分
画した。ファクターVII画分を回収し、そしてカルシウ
ム依存性抗−ファクターVIIモノクローナル抗体を用い
る免疫クロマトグラフィーによりさらに精製した。2つ
の陰イオン交換クロマトグラフィー段階を用いて更なる
精製を行い、この場合はファクターVIIをそれぞれCaCl2
及びNaClを用いて溶出した。ファクターVII aが最終溶
出液中に回収された。
50mM Tris−HCl、100mM NaCl、5mM CaCl2(pH7.4)中
組換えファクターVII a(1μM)を20μM PPack(D−
フェニルアラニル−プロリル−アルギニルクロロメチル
ケトン;Calbiochem,La Jolla,CA)と共に、5、20及び3
0分間インキュベートした。次に、色原体基質S2288(H
−D−イソロイシン−L−プロリル−L−アルギニンp
−ニトロアニリド;Kabi Vitrum AB,Molndal,スエーデ
ン)を含有する緩衝液を添加して2.5倍の希釈及び0.3mM
S2288の最終濃度を得た。p−ニトロアニリンの生成を
測定し、そして対照として未処理のファクターVII aを
用いる結果と比較した。結果が示すところによれば、こ
れらの反応条件下で約60分の後にファクターVII aは十
分に不活性化される。
実施例V ファクターVIIとDEGRcKとの反応 実施例IVに記載したようにして組換えファクターVII
aを調製した。ファクターVII a(1μM)を0.7mM DEGR
cK(ダンシル−Glu−Gly−Argクロロメチルケトン;Calb
iochem)と共に37℃にて1時間、全体積200μの0.05M
Tris−HCl、0.1M NaCl、0.5% BSA、pH7.5中でインキ
ュベートした。インキュベーションの後、この混合物を
一夜、4℃にて2の0.05M Tris−HCl、0.1M NaCl、pH
7.5に対して透析した。
遺伝的ファクターVII欠損血漿の凝固時間の変化をモ
ニターすることにより、修飾されたファクターVIIの凝
固活性を測定した。
100μのサンプルを100μずつのファクターVII欠
損血漿、ヒト脳トロンボプラスチン(Nawrothら、Throm
b.Res.44:625−637,1986に記載されているようにして調
製したもの)及び25mM CaCl2と混合した。正常なプール
されたヒト血漿の1:5〜1:200希釈物を用いて作成した標
準曲線から、凝固時間をファクターVII活性のユニット
に変換した。ファクターVII aとDEGRcKとのインキュベ
ーションが、ファクターVII凝固活性の完全な喪失をも
たらすことが見出された。
以上の記載から、組織因子に結合することができるが
しかしファクターX及びIXを活性化することが実質的に
できない、修飾された触媒部位を有するファクターVII
又はVII aの組成物が提供されることが明らかである。
修飾されたファクターVIIは、凝固因子を分解又は消費
することなく凝固カスケードを特異的に中断するために
作用するので、修飾されたファクターVII調製の投与に
伴う不所望の副作用は、現在の療法について経験される
ものよりも少いと予想することができる。さらに、ここ
に記載する修飾されたファクターVIIは組換え手段によ
り容易に製造することができる。従って、低投与量の効
率、便利さ及び経済性、及び低頻度の投与、並びに毒性
が相対的に無いことは、特に本発明により提供される利
点である。
以上、本発明を、明瞭な理解のために説明及び実施例
により幾分詳細に記載したが、添付される請求の範囲内
で幾らかの変化及び変更を行うことができることは明ら
かであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 9/64 A61K 37/465 (72)発明者 バークナー,キャスリーン エル. アメリカ合衆国,ワシントン 98199, シアトル,トゥエンティセカンド アベ ニュ ウェスト 3032 (72)発明者 ペテルセン,ラース クリスティアン デンマーク国,デーコー−2970 ホエル スホルム,ハベバイ 4 (56)参考文献 The Journal of Bi ological Chemistr y,Vol.264,No.13(1989), p.7536−7545 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/09 A61K 38/43 C12N 9/64 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血漿因子X又はIXを活性化するファクター
    VIIの能力を実質的に阻害する修飾を少なくとも1個活
    性中心内に有するファクターVIIを、医薬として許容さ
    れるキャリヤーと共に含んで成る抗凝固剤において、前
    記修飾が、ファクターVIIとセリンプロテアーゼ阻害剤
    との反応を含んで成るか、あるいはSer344、Asp242及び
    His193から構成される触媒トライアド中の少なくとも1
    個のアミノ酸の置換を含んで成る、ことを特徴とする抗
    凝固剤。
  2. 【請求項2】前記阻害剤が有機リン化合物、スルファニ
    ルフルオリド、ペプチドハロメチルケトン又はアザペプ
    チドである、請求項1に記載の抗凝固剤。
  3. 【請求項3】前記阻害剤が、D−Phe−Pro−Argクロロ
    メチルケトン又はD−ダンシル−Glu−Gly−Argクロロ
    メチルケトンから選択されたペプチドハロメチルケトン
    である、請求項1に記載の抗凝固剤。
  4. 【請求項4】ファクターVIIが残基Ser344の置換によっ
    て修飾されている、請求項1に記載の抗凝固剤。
  5. 【請求項5】前記修飾されたファクターVIIがヒト由来
    である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗凝固
    剤。
  6. 【請求項6】血漿ファクターX又はIXを活性化するファ
    クターVII aの能力を実質的に阻害する、Ser344、Asp24
    2及びHis193の触媒トライアド中の少なくとも1つのア
    ミノ酸置換を含んで成る、ファクターVII。
  7. 【請求項7】前記置換がSer344においてである、請求項
    6に記載の修飾されたファクターVII。
  8. 【請求項8】Ser344がAla、Gly、Met又はThrにより置換
    されている請求項7に記載の修飾されたファクターVI
    I。
  9. 【請求項9】Ser344がAlaにより置換されている、請求
    項8に記載の修飾されたファクターVII。
  10. 【請求項10】Asp242がGluにより置換されている、請
    求項6に記載の修飾されたファクターVII。
  11. 【請求項11】His193がLys又はArgにより置換されてい
    る、請求項6に記載の修飾されたファクターVII。
  12. 【請求項12】ヒト由来である、請求項6に記載の修飾
    されたファクターVII。
  13. 【請求項13】ウシ由来である、請求項6に記載の修飾
    されたファクターVII。
  14. 【請求項14】実質的に純粋である、請求項6〜13のい
    ずれか1項に記載の修飾されたファクターVII。
  15. 【請求項15】その活性化部位において開裂される、請
    求項6に記載の修飾されたファクターVII。
  16. 【請求項16】組織因子に結合する、請求項6〜15のい
    ずれか1項に記載の修飾されたファクターVII。
  17. 【請求項17】組織因子への結合について野性型ファク
    ターXII aと競争する、請求項6〜16のいずれか1項に
    記載の修飾されたファクターVII a。
  18. 【請求項18】2つの作用可能に連結された配列コード
    領域を含んで成るポリヌクレオチド分子であって、それ
    ぞれ、プレ−プロペプチドとビタミンK−依存性蛋白質
    のglaドメイン、並びにSer344、Asp242及びHis193から
    構成される触媒トライアド中に少なくとも1つのアミノ
    酸置換を有するglaドメイン不含有ファクターVIIをコー
    ドしており、ここで発現の際は前記ポリヌクレオチド
    は、血漿ファクターX又はIXを活性化する能力が実質的
    に低下している修飾されたファクターVII分子をコード
    する、ことを特徴とするポリヌクレオチド分子。
  19. 【請求項19】請求項18のポリヌクレオチド分子により
    トランスフェクトされた哺乳類セルライン。
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