JP3311991B2 - 歯ブラシ - Google Patents

歯ブラシ

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JP3311991B2
JP3311991B2 JP09934398A JP9934398A JP3311991B2 JP 3311991 B2 JP3311991 B2 JP 3311991B2 JP 09934398 A JP09934398 A JP 09934398A JP 9934398 A JP9934398 A JP 9934398A JP 3311991 B2 JP3311991 B2 JP 3311991B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯磨き時に、歯の
歯垢・着色除去が効果的にでき、且つ使用感が良い歯ブ
ラシに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の歯ブラシは、複数本のブリッスル
からなるブリッスル束が、植毛部に形成された複数個の
植毛穴に、平線によってそれぞれ植毛されている。上記
ブリッスルは、一般に、合成樹脂から形成され円形横断
面を有し、複数本が束ねられて金属板である上記平線を
挟み込むようにしてその中央で折り曲げられ、該平線を
上記植毛穴に嵌入させて上記ブリッスル束として植毛さ
れる。上記平線の横方向の長さは、上記植毛穴の直径よ
りやや大きく形成されており、上記ブリッスル束は、該
平線を該植毛穴に嵌入させて保持される。
【0003】一方、清掃性、マッサージ性、歯垢除去性
又は着色防止性等を向上させるために、上記ブリッスル
の材質や形状や長さ、上記ブリッスル束の数や配置、上
記ブリッスル上端により形成されるブラシ面の形状、又
は上記植毛穴の形状等につき種々提案されている。この
ような性能向上を狙った歯ブラシのうち、上記ブリッス
ルの断面形状を通常の円形以外の形状としたものが、特
開昭61-168304 号公報、特開平6-233709号公報、実開平
2-54427 号公報、特開平3-289906号公報及び特表平8-50
2908号公報等に記載されている。また、上記植毛穴の形
状を四角形状としたものが、特開平4-261605号公報、実
開平6-52556 号公報、特開平9-182626号公報及び特開平
9-182627号公報等に、上記植毛穴の形状を楕円形状とし
たものが、特開平6-261809号公報、特開平8-332115号公
報及び特開平9-149815号公報等に各々記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ブリッスルの横断面形
状が通常の円形以外の歯ブラシは、例えば、横断面形状
を多角形状としブリッスル側面の稜線による歯垢掻き出
し効果を狙ったもの(特開昭61-168304 号公報、実開平
2-54427 号公報、特開平3-289906号公報及び特開平6-23
3709号公報)、ブリッスルの横断面形状を長方形状とし
規則的に配向させて清掃性を高めたもの(特表平8-5029
08号公報)であるが、いずれも歯の歯垢・着色除去及び
使用感についての充分な工夫や配慮がない。
【0005】本発明の目的は、歯磨き時に、歯の歯垢・
着色除去が効果的にでき、且つ使用感の良い歯ブラシを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
複数本のブリッスル1,1・・からなるブリッスル束
が、植毛部2に形成された複数個の植毛穴21,21・
・に、それぞれ植毛されてなる歯ブラシにおいて、上記
ブリッスル1,1・・は、長辺及び短辺を有する長方形
状の横断面を有しており、上記植毛穴21,21・・の
20%〜90%は、長方形状に形成され、その一辺が上
記歯ブラシの軸線Lに対して垂直となるようにそれぞれ
配置されており、該植毛穴21,21・・の10%〜8
0%は、略円形状に形成されており、長方形状の上記植
毛穴21に植毛される上記ブリッスル1は、その先端部
12が角錐台形状に形成されていることを特徴とする歯
ブラシ(以下、「第一発明」という場合には、この発明
を意味する)を提供することにより、上記目的を達成し
たものである。
【0007】請求項2に係る発明は、複数本のブリッス
ル1,1・・からなるブリッスル束が、植毛部2に形成
された複数個の植毛穴21,21・・に、それぞれ植毛
されてなる歯ブラシにおいて、上記ブリッスル1,1・
・の20%〜90%は、長辺及び短辺を有する長方形状
の横断面を有し且つその先端部12が角錐台形状に形成
されており、該ブリッスル1,1・・の10%〜80%
は、その軸部が円形状の横断面を有しており、上記植毛
穴21,21・・の少なくとも一部は、長方形状に形成
され、その一辺が上記歯ブラシの軸線Lに対して垂直と
なるようにそれぞれ配置されており、上記先端部12が
角錐台形状の上記ブリッスル1は、長方形状の上記植毛
穴21に植毛されていることを特徴とする歯ブラシ(以
下、「第二発明」という場合には、この発明を意味す
る)を提供することにより、上記目的を達成したもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明(第一発明)の一実
施形態(以下、第一実施形態という))の歯ブラシにつ
いて図面を参照しながら説明する。図1は第一実施形態
における植毛部を示す斜視図、図2は第一実施形態の歯
ブラシの側面図、図3は第一実施形態の歯ブラシのブリ
ッスルを示しており、(a)は斜視図、(b)は正面
図、(c)は側面図、図4は第一実施形態における長方
形状の植毛穴に植毛されたブリッスル束の植毛状態を示
す拡大平面図、図5は第一実施形態における円形状の植
毛穴に植毛されたブリッスル束の植毛状態を示す拡大平
面図、図6は第一実施形態の歯ブラシが使用される際の
一部のブリッスルの状態を示す図であり、(a)は該ブ
リッスルが歯と歯の隙間に挿入された状態を示し、
(b)は該ブリッスルが歯垢及び着色をかき出している
状態を示しており、図7(a),(b)はそれぞれ第一
実施形態における植毛穴の植毛部上での他の配列を示す
平面図である。
【0009】第一実施形態の歯ブラシは、図1及び図2
に示されるように、複数本のブリッスル1,1・・から
なるブリッスル束が、植毛部2に形成された複数個の植
毛穴21,21・・に、それぞれ植毛されてなり、従来
の歯ブラシと何等変わらない。
【0010】而して、図1に示すように、第一実施形態
の歯ブラシにおいて、上記ブリッスル1,1・・は、長
辺及び短辺を有する長方形状の横断面を有しており、上
記植毛穴21,21・・の20%〜90%、好ましくは
20%〜80%は、長方形状に形成され、その一辺が上
記歯ブラシの軸線Lに対して垂直となるようにそれぞれ
配置されており、該植毛穴21,21・・の10%〜8
0%、好ましくは20%〜80%、即ち長方形状のもの
以外は、略円形状に形成されており、長方形状の上記植
毛穴21に植毛される上記ブリッスル1は、その先端部
12が角錐台形状に形成されている。長方形状の植毛穴
21,21が20%未満であると、側面が歯の表面に面
接触するブリッスル1,1・・の数が少なくなり、十分
な着色除去効果が得られない。長方形状の植毛穴21,
21が90%超であると、ブリッスル1,1・・の側面
に全体として特定の方向性が生じて、歯磨きの際にブリ
ッスルをスムースに動かせない虞がある。
【0011】上記ブリッスル束それぞれは、同形状の複
数本のブリッスル1,1・・からなり、該ブリッスル
1,1・・の軸部の太さは同一である。
【0012】第一実施形態の歯ブラシについて更に詳し
く説明すると、第一実施形態の歯ブラシは、図1及び図
2に示されるように、通常の歯ブラシと同様複数の上記
ブリッスル1,1・・の植毛された上記植毛部2と、使
用時に把持される把持部4と、これらの間を連結する首
部3とからなっている。
【0013】上記植毛穴21,21・・に植毛される上
記ブリッスル1,1・・は、図1に示されるように、1
本のブリッスル1がその中央で2つに折り曲げられ、こ
の折り曲げられた部分が平線11で保持されながら該植
毛穴21に嵌入されることにより植毛される。上記平線
11,11は、上記軸線Lに対して垂直となるように上
記植毛穴21,21に嵌入されている。尚、図1には、
その構成を分かり易く示すために折り曲げられているブ
リッスルが1本しか示されていないが、該ブリッスル1
が植毛される際には複数本が束ねられて該植毛穴21に
植毛されることは言うまでもない。
【0014】上記植毛部2は、その上面に段差等が形成
されていない平坦な形状とされている。そして、該植毛
部2の上面には、上記植毛穴21,21・・が、上記歯
ブラシの先端側から2−3−3−3−3−3−3−2と
計8列22個形成されている。
【0015】上記歯ブラシの先端側から第一番目及び偶
数番目の列をなす上記植毛穴21,21・・は、図1に
示すように、長辺及び短辺を有する長方形状とされ且つ
長辺が上記軸線Lに対して垂直になるように配置されて
おり、該短辺の長さは、好ましくは0.5mm以上、3mm
未満であり、更に好ましくは1.0mm以上、2.0mm未
満である。この長さが、0.5mm未満であると植毛し難
くなる虞があり、3mmを超えると平線から最も遠いブリ
ッスル1の方向性までコントロールできなくなる虞があ
る。また、該植毛穴21の該長辺の長さは、好ましくは
1.0mm以上、4mm未満であり、更に好ましくは1.5
mm以上、3mm未満である。この長さが、1.0mm未満で
あると植毛し難くなる虞があり、4mmを超えると十分な
植毛強度が得られず、ブリッスルがずれたり、抜けたり
する虞がある。
【0016】長方形状の上記植毛穴21の面積(植毛面
積)は、好ましくは1mm2 〜4mm2であり、更に好まし
くは1.5mm2 〜3.0mm2 である。該植毛面積が、1
mm2未満だと1穴当たりの植毛本数が少なすぎて十分な
接触面積が得られない虞がある。該植毛面積が、4mm2
を超えると、十分な植毛強度が得られず、ブリッスル1
がずれたり、抜けやすくなる虞がある。尚、該植毛穴2
1の大きさと上記ブリッスル1の横断面の大きさとの関
係からある程度決定されるが、1つの該植毛穴21に該
ブリッスル1が10本〜50本程度植毛されることが好
ましい。
【0017】また、長方形状のもの以外の上記植毛穴2
1,21・・は、図1に示すように、円形状であり、そ
の直径は好ましくは1.2mm〜2.5mmであり、更
に好ましくは1.4mm〜2.0mmである。該直径
が、1.2mm未満であると充分なブリッスルを植毛し
難く、ブリッスル総本数が少なすぎて充分な刷掃効果を
発揮できない虞があり、2.5mm超であると植毛面積
が大きくなり過ぎて、歯磨き時の感触が悪くなる上、ブ
リッスルの撓みも悪くなり、隣接する長方形状の植毛穴
に植毛されているブリッスルの動きも制限される虞があ
る。
【0018】上記植毛穴21,21・・の形成される間
隔は、図1中P1 (長方形状−円形状間、及び長方形状
−長方形状間の間隔)で示される縦方向の間隔が0.3
mm〜2.5mmであることが好ましく、0.6mm〜2mmで
あることが更に好ましい。また、図1中P2 で示される
横方向の間隔(円形状−円形状間、及び長方形状−長方
形状間の間隔)は、0.5mm〜4mmであることが好まし
く、0.7mm〜3mmであることが更に好ましい。該間隔
1 ,P2 が、それぞれ2.5mm,4mmを超えると、隣
接する上記ブリッスル束同士が遠くなり過ぎるためにブ
リッスルが当たらない歯が生じ、十分な着色除去効果が
得られない虞がある。
【0019】また、第一実施形態の歯ブラシにおいて
は、図2に示されるように、上記植毛部2に植毛される
上記ブリッスル1,1・・の長さに差を設けて、該ブリ
ッスル1,1・・の上端により形成される上記ブラシ面
が側面から見て凹凸状になしてある。該ブラシ面を凹凸
状とすることで、ブリッスルが歯と歯の隙間等に入り込
み、結果ブリッスルと歯との接触面積が増大し、同時
に、ブリッスルの撓み易さ(硬さ)が変わり、結果歯ブ
ラシの清掃性・使用感等の選択の幅が広がる。第一実施
形態の場合は、鉤型状の凹凸とされており、該植毛部2
の先端一,二列目のブリッスル束は凸状で、それらより
後列のブリッスル束は列ごとに交互に凹凸をなしてい
る。このとき、該ブリッスル1の最も高いものと最も低
いものとの段差dは、0.5mm〜3.0mmが好ましく、
1.0mm〜2.0mmが更に好ましい。該段差dが、0.
5mm未満であると、最も高いブリッスルが歯と歯の間ま
で十分に届かない。該段差dが、3.0mmを超えると、
最も低いブリッスルが歯面に当たらない。
【0020】更に、凹凸状の上記ブラシ面において、図
2中の凸−凸間の間隔P3 、凹−凹間の間隔P4 それぞ
れはともに、好ましくは3mm〜12mmであり、更に好ま
しくは4mm〜10mmである。これらの間隔が、3mm未満
だと、長いブリッスル1,1・・同士で支え合って短い
ブリッスル1,1・・が歯に当たらない虞がある。これ
らの間隔が、12mmを超えると長いブリッスル1,1・
・が少なすぎてブリッスル1,1・・が届かない歯と歯
の隙間がでてくる虞がある。
【0021】上記ブリッスル1の高さ(上記植毛部2上
面から上記ブリッスル1上端までの高さ)h(図2参
照)は、8mm〜13mmが好ましく、9mm〜12mmが更に
好ましい。該高さhが8mm未満であると、ブリッスルが
撓み難くなり過ぎて着色除去性のみならず、マッサージ
性や清掃性を悪化させる虞があり、13mmを超えると、
ブラッシング時に邪魔になるだけでなく、「こし」が弱
くなり過ぎて着色除去性やマッサージ性、清掃性を悪化
させてしまう虞がある。尚、第一実施形態のように該植
毛部2に植毛される該ブリッスル1,1・・の長さに差
がある場合は、最も高い該ブリッスル1の高さが上述の
範囲内にあることが好ましい。
【0022】上記ブリッスル1,1・・は、各ブリッス
ル束内のみならず上記植毛部2の上面にある全てにおい
て同形状となっている。
【0023】上記ブリッスル1は、長辺及び短辺を有す
る長方形状の横断面を有し、且つその先端部12が、図
3(a)に示すように、角錐台形状に形成されている。
角錐台形状の上記先端部12の上端面の長辺は、図3
(b)に示すように、該先端部12の底面の長辺と略同
じ長さを有し、ブリッスルの研削加工が一対の面だけで
済むようになっている。また、該先端部12の対向する
各側面は、対称的に傾斜しており且つ外に向かって僅か
に湾曲している。該上端面の長辺の長さl 1 は、歯と歯
の隙間の歯垢・着色の除去が効率よく行われるように、
好ましくは0.1mm〜0.4mmであり、更に好ましくは
0.15mm〜0.3mmである。上記上端面の短辺の長さ
3 は、上記先端部12の側面を図3(c)に示すよう
な台形状とするために、該底面の短辺の長さl4 より短
くなされている。該長さl3 は、好ましくは0.01mm
〜0.2mm、更に好ましくは0.03mm〜0.1mmであ
る。該長さl3 が、0.01mm未満であると、歯茎等を
傷つる虞があり、該長さl3 が、0.2mmを越えると、
ブリッスル先端の感触がソフトでなくなる虞及び歯と歯
の隙間にブリッスルが入り難くなる虞がある。該先端部
12の高さhe は、該先端部12にソフトな感触及び適
度な弾力を与えるために、好ましくは1mm〜10mm、更
に好ましくは3mm〜8mmである。
【0024】上記底面の長辺の長さl2 は、ブリッスル
の機能及び研削性を考慮して、0.18mm〜0.4mmが
好ましく、0.2mm〜0.3mmが更に好ましい。上記底
面の短辺の長さl4 は、0.1mm〜0.2mmが好まし
く、0.12mm〜0.18mmが更に好ましい。該長さl
4 が、0.1mm未満であると、ブリッスルの「こし」が
弱くなり、着色除去性やマッサージ性、清掃性を悪化さ
せてしまう虞があり、0.2mmを超えると、ブリッスル
が撓み難くなり、着色除去性のみならず、マッサージ性
や清掃性を悪化させてしまう虞がある。
【0025】長方形状の上記植毛穴21に植毛される上
記ブリッスル束は、図4に示すように、ブリッスル1に
おける上記先端部12の上端面の長辺と上記軸線Lとの
なす角度αが好ましくは80゜〜100゜、更に好まし
くは85゜〜95゜となるように植毛されており、該ブ
リッスル1と歯の表面との面接触する総合面積が大き
く、良好な着色除去効果が得られる。
【0026】円形状の上記植毛穴21に植毛される上記
ブリッスル束における上記角度αは、図5に示すよう
に、0゜〜180゜でランダムとなっており、上記植毛
部2全体として、ブリッスル側面の向きには方向性がな
くなっている。
【0027】尚、上記植毛穴21,21・・に植毛され
る上記ブリッスル1,1・・は、ポリブチレンテレフタ
レート(PBT),ナイロン(6-12,6-10,6-6 ),ポリ
プロピレン等により形成されることが好ましい。
【0028】第一実施形態の歯ブラシは上述の如く構成
されており、歯磨き時に、先端部12が角錐台形状のブ
リッスル1は、その角錐台形状の先端部12がヘラのよ
うに作用して歯磨き剤の研磨剤を効率的に歯の表面に塗
りつけると共に、該先端部12がテーパー面を有するた
め、図6(a)に示すように、歯と歯の隙間に無理なく
入り、歯ブラシを摺動させる際に、図6(b)に示すよ
うに、該ブリッスル1,1・・が撓んで歯と歯の隙間の
歯垢・着色を効率良くかき出す。そのため、第一実施形
態の歯ブラシによれば、歯の歯垢・着色を効果的に除去
することができる。また、歯ブラシを歯と歯の隙間に沿
って上下方向に動かすと、先端部12が角錐台形状のブ
リッスル1はつまようじを使った時のように隙間の汚れ
をすっきり落とす。また、フォーンズ法や描円法のよう
な、歯磨きの際にブリッスルを方向性なく動かす歯磨き
方法を用いた場合でも、ブリッスル1,1・・の側面に
全体として特定の方向性がなくスムースに動かせるの
で、使用感が良い。
【0029】第一実施形態の歯ブラシにおいては、長方
形状の植毛穴21に植毛されたブリッスル1,1・・の
殆どの側面を効率的に歯の表面に面接触させうるため、
着色除去性を更に向上できる。特に、角錐台形状の先端
部12が面で歯及び歯茎に当接するので、使用時の毛先
の感触がソフトである。
【0030】第一発明の歯ブラシは、上述の第一実施形
態に制限されるものではなく種々の変更が可能である。
例えば、第一実施形態において、ブリッスル1は、角の
丸まった長方形状の横断面を有していても良い。また、
長方形状の上記植毛穴21は、図1に示されるように、
長辺及び短辺を有しており、その上記軸線Lと平行な辺
は、短辺となっているが、長辺であっても良い。また、
該植毛穴21は、各辺の長さが同一の正方形状や角の丸
まった長方形状に形成されても良い。
【0031】第一実施形態においては、略円形状の上記
植毛穴21の形状を、円形状としたが、楕円形状、トラ
ック円形状、卵形状等としても良い。
【0032】第一実施形態においては、円形状の上記植
毛穴21に植毛される横断面が長方形状のブリッスル1
を、その先端部12が角錐台形状のものとしたが、全体
形状が直方体のものとしても良い。
【0033】第一実施形態においては、上記ブリッスル
1,1・・の上記植毛穴21,21・・への植毛は、平
線11による嵌入によって行われているが、ブリッスル
束を植毛部2に融着させることによって行っても良い。
また、第一実施形態においては、複数のブリッスル上端
により形成される凹凸状の上記ブラシ面を、図2に示さ
れるような鉤型状としたが、山型状、鋸刃状、波型状等
に形成させても良い。
【0034】第一実施形態においては、角錐台形状の上
記先端部12を、その上端面の長辺が底面の長辺と同じ
長さのものとしたが、該上端面の長辺が該底面の長辺よ
り短いものとしても良い。この場合、該上端面の長辺の
長さは、好ましくは0.01mm〜0.3mmであり、更に
好ましくは0.08mm〜0.25mmである。また、第一
実施形態において、これらの異なる角錐台形状の先端部
を有する二種類のブリッスルを共に用いても良い。
【0035】第一実施形態においては、上記ブリッスル
束それぞれを、同形状のブリッスル1,1・・からなし
たが、異なる形状のブリッスルからなしても良い。例え
ば、ブリッスル束を、上述の異なる角錐台形状の先端部
を有する二種類のブリッスルからなしても良い。
【0036】第一実施形態においては、上記歯ブラシの
先端側から2−3−3−3−3−3−3−2と計8列2
2個形成されている上記植毛穴21,21・・のうち、
該先端側から第一番目及び偶数番目の列をなすものを長
方形状としているが、長方形状の植毛穴21,21・・
を、該植毛部2の上面の先端側の二列のみに配列し(図
7(a)参照)たり、上記植毛部2の上面における外側
のみに配列し(図7(b)参照)たり、千鳥状に配列し
ても良い。
【0037】第一実施形態においては、上記ブリッスル
束それぞれを、軸部の太さが同一の複数本のブリッスル
1,1・・からなし、少なくとも二つのブリッスル束に
おいて、それぞれのブリッスル1,1・・の高さを異な
らせることにより、撓み易さ(硬さ)の異なるブリッス
ル束を得ているが、該ブリッスル束において、それぞれ
のブリッスル1,1・・の軸部の太さを異ならせること
により、撓み易さ(硬さ)の異なるブリッスル束を得て
も良い。
【0038】第一実施形態においては、上記植毛部2の
上面は平坦に形成されたが、段差を設けて、上記ブリッ
スル束の撓み易さを植毛部位によって調節し、着色除去
性やマッサージ性、清掃性をチューニングすることも可
能である。また更に、第一実施形態の歯ブラシは、上記
把持部4を手で把持するような形態に形成されたが、電
動歯ブラシの取り外し可能なヘッド部のような、上記把
持部4を有しない形態として形成されても良い。
【0039】本発明(第二発明)の一実施形態(以下、
第二実施形態という)の歯ブラシについて、図8及び図
9並びに第一実施形態の説明に用いた図1,図7を参照
しながら、第一実施形態と共通する構成については同符
号を付して説明する。また、以下には、第二実施形態の
特徴的な部分について説明しており、その他の点に関し
ては、特にことわらない限り第一実施形態に準ずる。
尚、図8及び図9は第二実施形態の歯ブラシにおける軸
部が円形状の横断面を有するブリッスルの種々の形状を
示す斜視図である。
【0040】第二実施形態の歯ブラシにおいて、上記ブ
リッスル1,1・・の20%〜90%、好ましくは20
%〜80%は、長辺及び短辺を有する長方形状の横断面
を有し且つその先端部12が角錐台形状に形成されてお
り、該ブリッスル1,1・・の10%〜80%、好まし
くは20%〜80%、即ち横断面が長方形状のもの以外
は、その軸部が円形状の横断面を有しており、上記植毛
穴21,21・・の少なくとも一部は、長方形状に形成
され、その一辺が上記歯ブラシの軸線Lに対して垂直と
なるようにそれぞれ配置されており、上記先端部12が
角錐台形状の上記ブリッスル1は、長方形状の上記植毛
穴21に植毛されている。横断面が長方形状のブリッス
ル1,1が、20%未満であると、側面が歯の表面に面
接触するブリッスルの数が少なくなり、十分な着色除去
効果が得られない。横断面が長方形状のブリッスル1,
1が、90%超であると、ブリッスル1,1・・の側面
に全体として特定の方向性が生じて、歯磨きの際にブリ
ッスルをスムースに動かせない虞がある。
【0041】第二実施形態について更に詳しく説明する
と、上記ブリッスル束それぞれは、、同形状の複数本の
ブリッスル1,1・・からなり、上記植毛穴21,21
・・に植毛されている。長方形状の横断面を有する上記
ブリッスル1,1・・(以下、このブリッスルを長方形
横断面ブリッスルという)からなるブリッスル束は、図
1に示す長方形状の植毛穴21,21・・に植毛されて
おり、円形状の横断面を有するブリッスル1,1・・
(以下、このブリッスルを円形横断面ブリッスルとい
う)からなるブリッスル束は、図1に示す円形状の植毛
穴21,21・・に植毛されている。長方形横断面ブリ
ッスル1,1・・の他に、円形横断面ブリッスル1,1
・・が植毛されることにより、上記植毛部2全体として
のブリッスル側面の向きには方向性がない。各長方形横
断面ブリッスル1,1・・の軸部の太さは同一であり、
各円形横断面ブリッスル1,1・・の軸部の太さも同一
である。上記円形横断面ブリッスル1は、その先端部1
2の形状が図8及び図9に示すような種々のものとされ
ることにより、歯ブラシの清掃性・使用感等にバリエー
ションを与えうる。上記円形横断面ブリッスル1,1・
・の植毛される円形状の植毛穴21,21・・の配列
が、図7に示すような種々の配列とされることにより、
深い奥行きや歯並びの悪さ等に起因する多種多様な歯間
部に対応した歯ブラシを得られる。
【0042】第二実施形態の歯ブラシは上述の如く構成
されており、第一実施形態の歯ブラシと同様の効果を奏
すると共に、他の種々の効果も奏する。即ち、上記円形
横断面ブリッスル1の先端部12が球形状(図8参照)
であると、硬い着色物と柔らかい歯垢を同時に効率的に
除去することができる。また、該先端部12がテーパー
形状(図9参照)又はテーパー球形状であると、歯槽膿
漏等の歯周疾患で縮退した奥行きのある歯間部の柔らか
い歯垢を効率的に除去できると共に、縮退して弱ってい
る歯茎を傷つけない。
【0043】円形状の植毛穴21,21・・を、図7
(a)に示すように配列した場合、該植毛部2の先端側
の二列の長方形状の植毛穴21,21・・に長方形横断
面ブリッスル1,1・・が植毛され、後端側の六列に円
形横断面ブリッスル1,1・・が植毛されるため、前歯
の裏側の着色物を該長方形横断面ブリッスル1,1・・
の角錐台形状の先端部12,12・・で効率的に除去で
きると共に、その他の部分を磨く際の使用感を向上でき
る。また、円形状の植毛穴21,21・・を、図7
(b)に示すように配列した場合、上記植毛部2の外側
の長方形状の植毛穴21,21・・に長方形横断面ブリ
ッスル1,1・・が植毛され、内側の円形状の植毛穴2
1,21・・に円形横断面ブリッスルが植毛されるた
め、歯と歯茎の間の着色物を除去するのに効果的であ
る。
【0044】第二発明の歯ブラシは、上記第二実施形態
に制限されるものではなく種々の変更が可能である。例
えば、第二実施形態においては、上記円形横断面ブリッ
スル1の植毛される上記植毛穴21を、円形状としてい
るが、多角形状,三角形状、四角形状,長方形状(正方
形状を含む),楕円形状,トラック円形状、扇形状等と
しても良い。第二実施形態においては、上記円形横断面
ブリッスル1の先端部12の形状を、球形状,テーパー
形状,テーパー球形状としているが、角錐台形状(図1
0参照),ラウンド形状等としても良い。
【0045】第二発明においても、第二発明の趣旨を逸
脱しない限り、上述した第一発明における種々の変更が
適宜可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、歯磨き時に、歯の歯垢
・着色除去が効果的にでき、且つ使用感の良い歯ブラシ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、第一実施形態における植毛部を示す
斜視図である。
【図2】 図2は、第一実施形態の歯ブラシの側面図で
ある。
【図3】 図3は、第一実施形態の歯ブラシのブリッス
ルを示しており、(a)は斜視図、(b)は正面図、
(c)は側面図である。
【図4】 図4は、第一実施形態における長方形状の植
毛穴に植毛されたブリッスル束の植毛状態を示す拡大平
面図である。
【図5】 図5は、第一実施形態における円形状の植毛
穴に植毛されたブリッスル束の植毛状態を示す拡大平面
図である。
【図6】 図6は、第一実施形態の歯ブラシが使用され
る際の一部のブリッスルの状態を示す図であり、(a)
は該ブリッスルが歯と歯の隙間に挿入された状態を示
し、(b)は該ブリッスルが歯垢及び着色をかき出して
いる状態を示している。
【図7】 図7(a),(b)はそれぞれ、第一実施形
態における植毛穴の植毛部上での他の配列を示す平面図
である。
【図8】 図8は、第二実施形態の歯ブラシにおける中
央部が円形状の横断面を有するブリッスルを示す斜視図
である。
【図9】 図9は、第二実施形態の歯ブラシにおける中
央部が円形状の横断面を有するブリッスルの他の形状を
示す斜視図である。
【図10】 図10は、第二実施形態の歯ブラシにおけ
る中央部が円形状の横断面を有するブリッスルの他の形
状を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ブリッスル 12 先端部 2 植毛部 21 植毛穴 L 軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 秀徳 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 舛木 恵子 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 岡島 美由紀 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−168304(JP,A) 特開 平6−233709(JP,A) 特開 平10−42956(JP,A) 実開 平2−54427(JP,U) 実開 昭63−163634(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A46D 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本のブリッスル1,1・・からなる
    ブリッスル束が、植毛部2に形成された複数個の植毛穴
    21,21・・に、それぞれ植毛されてなる歯ブラシに
    おいて、 上記ブリッスル1,1・・は、長辺及び短辺を有する長
    方形状の横断面を有しており、 上記植毛穴21,21・・の20%〜90%は、長方形
    状に形成され、その一辺が上記歯ブラシの軸線Lに対し
    て垂直となるようにそれぞれ配置されており、該植毛穴
    21,21・・の10%〜80%は、略円形状に形成さ
    れており、 長方形状の上記植毛穴21に植毛される上記ブリッスル
    1は、その先端部12が角錐台形状に形成されているこ
    とを特徴とする歯ブラシ。
  2. 【請求項2】 複数本のブリッスル1,1・・からなる
    ブリッスル束が、植毛部2に形成された複数個の植毛穴
    21,21・・に、それぞれ植毛されてなる歯ブラシに
    おいて、 上記ブリッスル1,1・・の20%〜90%は、長辺及
    び短辺を有する長方形状の横断面を有し且つその先端部
    12が角錐台形状に形成されており、該ブリッスル1,
    1・・の10%〜80%は、その軸部が円形状の横断面
    を有しており、 上記植毛穴21,21・・の少なくとも一部は、長方形
    状に形成され、その一辺が上記歯ブラシの軸線Lに対し
    て垂直となるようにそれぞれ配置されており、 上記先端部12が角錐台形状の上記ブリッスル1は、長
    方形状の上記植毛穴21に植毛されていることを特徴と
    する歯ブラシ。
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